Vibe Codingで「展示会来場者管理」アプリを自作!受付からサンクスメールまで自動化する超入門ガイド

展示会に出展したあと、机の上にどっさりと積まれた「名刺の山」を見て、深いため息をついたことはありませんか?
「この何百枚もある名刺を、誰がパソコンに入力するんだろう……」「早くお礼のメールを送らないと、お客さまに忘れられてしまうのに、全然作業が追いつかない!」と、現場で焦ってしまうのは、BtoB企業の広報や営業担当者にとって「あるある」の悩みですよね。
展示会は、新しいお客さまと出会える素晴らしいチャンスの場です。しかし、そのあとの事務作業が手作業のままだと、せっかくのチャンスを逃してしまうことになりかねません。
そこで今回ご紹介するのが、「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」という最新のAI活用法を使って、自社専用の「展示会来場者管理アプリ」を自分たちの手で作ってしまう方法です。
「えっ、アプリを作るなんて、難しいプログラミングの知識がないと無理でしょ?」と思った方も安心してください。Vibe Codingは、AIに「日本語でお願いするだけ」で、裏側でAIが勝手にプログラムを書いてくれる魔法のような仕組みです。パソコンが少し使える人なら、誰でも挑戦することができます。
この記事を読めば、当日のブースでの受付から、お客さまが帰ったあとの「サンクスメール(お礼のメール)」の自動送信まで、すべてを自分たちで構築する方法が分かります。手作業の苦労から解放されて、本来の「お客さまとコミュニケーションをとる時間」を増やせるようになりますので、ぜひ最後までじっくり読んでみてくださいね。
展示会でよくある「名刺の山」と「遅すぎるお礼メール」の悩み
まずは、今の展示会運営でどんな困りごとが起きているのか、一緒に振り返ってみましょう。あなたもこんな経験をしたことがありませんか?
受付からメール送信まで手作業でやっていませんか?
多くの企業では、展示会のブースでお客さまと名刺交換をしたあと、その名刺の裏に「どんなことに興味を持っていたか」「どのくらいすぐに商品を買ってくれそうか(Aランク、Bランクなど)」を急いで手書きのメモで残しています。
そして、展示会が終わってヘトヘトに疲れたあとに、会社に戻ってから、その名刺を見ながらExcel(エクセル)などの表計算ソフトに、名前、会社名、メールアドレス、メモの内容をカタカタと手入力しています。これは非常に時間がかかりますし、なにより「人間の手作業」なので、メールアドレスの入力間違いなどのミスがどうしても起きてしまいます。
一番のリスクは、「お礼のメールを送るのが遅くなってしまうこと」です。
お客さまは、展示会であなたの会社だけでなく、他のたくさんの会社のブースも見て回っています。そのため、3日も4日も経ってからお礼のメールが届いても、「あれ、これってどの会社だっけ?」とすっかり忘れられてしまうのです。これでは、せっかく高いお金を出して展示会に出展した意味がなくなってしまいます。
専門のツールを買うと高すぎるという現実
「手作業が大変なら、世の中にある便利な『イベント管理ツール』を使えばいいんじゃないの?」と思うかもしれません。
たしかに、世の中には優れたツールがたくさんあります。しかし、そういった市販のシステムを導入しようとすると、毎月何万円もかかったり、初期費用として数十万円という大きなお金が必要になったりします。年に数回しか展示会に出ない会社にとっては、「ちょっと高すぎて手が出ない……」というのが本音ではないでしょうか。
また、高いお金を払ってツールを導入したとしても、「入力する項目が多すぎて、当日の忙しいブースでは使いこなせない」「自社のやり方と少し違って使いにくい」といった不満が出ることも少なくありません。ITreviewなどのソフトウェア比較サイトを見ても、本当に自社にピッタリ合うツールを見つけるのはなかなか骨が折れる作業です。
「お金をかけずに、自分たちのやり方にピッタリ合ったシンプルなシステムが欲しい」。その願いを叶えるのが、これから紹介する「Vibe Coding」なのです。

「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」なら、プログラミング不要でアプリが作れる
ここからは、この記事の主役である「Vibe Coding」について、非エンジニアでも分かるようにやさしく解説していきますね。
Vibe Codingってなに?レストランの注文みたいにAIにお願いするだけ
Vibe Codingとは、一言でいうと「言葉でAIに指示を出して、アプリやシステムを作ってもらう新しいプログラミングのやり方」のことです。
これまでは、アプリを作るためには「プログラミング言語」という、英語と記号が混ざったような暗号のようなものを、人間が自分の手で何千行も書かなければなりませんでした。これは、専門の学校に通ったり、何年も勉強したりしないとできない、まさに「職人の技」でした。
しかし、Vibe Codingは違います。あなたはAIに向かって、普段私たちが話している日本語で、こうお願いするだけです。
- 「展示会の受付で使うアプリを作って」
- 「画面には、会社名と名前を入力する箱を用意して」
- 「保存ボタンを押したら、データが一覧で見れるようにして」
するとAIは、「分かりました!」と返事をして、あなたの代わりに裏側で難しいプログラミング言語を猛スピードで書いて、実際に動く画面を作ってくれます。
これは、レストランで料理を注文するのにとても似ています。
あなたは「ハンバーグと、ごはんと、サラダのセットをお願いします。あ、サラダのドレッシングは和風で!」と店員さん(=AI)に伝えます。あなたはキッチンに入って自分でお肉をこねたり焼いたり(=プログラミング)する必要はありません。ただ待っているだけで、希望通りの料理(=アプリ)が目の前に運ばれてくるのです。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの「作りたい」を言葉にするだけで完成!BtoB広報の仕事を変える「Vibe Coding」超入門という記事でも解説していますので、合わせて読んでみてくださいね。
なぜ自前で作るのが良いのか?
AIにお願いして自分たちで作る(自前で構築する)最大のメリットは、「自分たちの会社のやり方に、100%ピッタリ合わせられること」です。
たとえば、「うちの会社は、名刺交換したお客さまを『すぐに商談したい』『まだ情報収集だけ』『とりあえず挨拶だけ』の3つのボタンで分けたい」と思えば、AIに「その3つのボタンを作って」と伝えるだけで、すぐにボタンが追加されます。
市販のツールだと、「このボタンの文字を変えたいんだけど、システム上変更できないんです……」といったことがよく起こりますが、自作アプリならそんなストレスとは無縁です。
さらに、費用も格段に安く済みます。AIツールの月額利用料(数千円程度)だけで、何十万円もするシステムと同じようなことができるようになるのですから、これほどお得なことはありません。

Vibe Codingで「展示会来場者管理」アプリを作る3つのステップ
それでは、具体的にどうやって「展示会来場者管理」のアプリを作っていくのか、3つのステップに分けて説明していきます。「難しいかも……」と心配しなくても大丈夫です。順番に見ていきましょう。
ステップ1:AIに「こんなアプリが欲しい」と伝える(設計)
家を建てる前に設計図を書くように、アプリを作るときも「どんなものが欲しいか」を最初に決めるのがとても大事です。これを難しく言うと「要件定義(ようけんていぎ)」と呼びますが、要するに「AIへのお願いリスト」を作ることです。
今回の展示会アプリでは、大きく分けて2つの機能が必要です。
- 当日の受付機能: ブースに来たお客さまの情報を、iPadやパソコンから簡単に入力できる画面
- サンクスメール自動送信機能: 入力された情報をもとに、自動でお礼のメールを送る仕組み
AIには、次のような文章(プロンプトといいます)を送ってみましょう。
「私はBtoB企業の広報担当です。展示会でお客さまの情報を管理するアプリを作りたいです。必要な画面は『入力画面』と『データ一覧画面』です。入力画面には、会社名、氏名、メールアドレス、そして『興味のある商品』を選ぶチェックボックスを作ってください。シンプルで使いやすいデザインにしてください。」
たったこれだけで、AIは「なるほど、展示会の受付で使うのですね。入力項目はこれで、こんなデザインがいいですね」と理解して、すぐにアプリの土台を作ってくれます。
ステップ2:受付画面と顧客データの管理画面を作る
AIが土台を作ってくれたら、今度はそれを実際に展示会の現場で使いやすいように調整していきます。
展示会のブースはとても忙しく、立って接客することも多いですよね。ですから、文字をたくさん打ち込むような面倒な画面だと、結局誰も使ってくれません。そこでAIに、「入力は最小限にして、ポチポチと押すだけのボタンを増やして」とお願いします。
| これまでの手作業 | Vibe Codingで作るアプリの画面 |
|---|---|
| 名刺の裏にペンで小さな文字でメモを書く | iPadの画面に表示された「興味あり」「資料のみ」などの大きなボタンを指でタッチするだけ |
| 後日、会社に戻ってからExcelに手打ちする | ボタンを押した瞬間に、裏側で自動的にリストとして保存され、一覧表ができあがる |
| 誰が対応したか分からなくなる | 「対応した担当者」を選ぶメニューを作っておけば、一目で分かる |
このように表で比べてみると、どれだけ楽になるかがよく分かりますよね。
「このボタンの色は青にして、もっと大きくして」といったお願いも、言葉で伝えるだけでAIがすぐに画面を書き換えてくれます。まるで、優秀なデザイナーが隣に座って、あなたの言う通りに作業してくれているような感覚です。
ステップ3:お礼の「サンクスメール」を自動で送る仕組みを作る
画面ができたら、最後は一番大事な「サンクスメール(お礼メール)の自動化」です。
お客さまのメールアドレスを入力して「保存」ボタンを押したときに、裏側で自動的に「本日は弊社ブースにお越しいただき、誠にありがとうございました」というメールが送られるようにAIにお願いします。
ここでのポイントは、「お客さまが選んだ商品に合わせて、メールの内容を少し変えること」です。
たとえば、AIにこう指示します。
「もしお客さまが『商品A』に興味があるとチェックしていたら、メールの中に『商品Aの詳しい資料はこちらからダウンロードできます』という文章を自動で入れてください。」
こうすることで、全員に同じ「コピペのような冷たいメール」を送るのではなく、その人にピッタリ合った「気が利くメール」を送ることができます。しかも、人間が手作業で文章を書き換える必要は一切ありません。お客さまがブースを離れて電車に乗る頃には、もう手元のスマートフォンにあなたからのお礼メールが届いているのです。これなら、「仕事が早い会社だな!」と素晴らしい印象を持ってもらえますよね。

自作アプリを成功させるための「AIへの伝え方」のコツ
Vibe Codingはとても便利ですが、AIも魔法使いではありません。あなたが「適当にいい感じのを作って」とだけ言うと、AIも「いい感じってどんな感じだろう?」と迷ってしまい、見当違いのものを作ってしまうことがあります。そこで、AIに上手にお願いするためのコツを2つ紹介します。
専門用語は不要!「やりたいこと」を具体的に書く
AIにお願いするとき、データベースがどうだとか、サーバーがどうだといった難しいITの専門用語を使う必要はまったくありません。
それよりも、「誰が、どこで、何をするために使うのか」という日常のストーリーを具体的に伝えることが大事です。
「展示会のブースに立っている営業マンが、片手にiPadを持った状態で、急いでお客さまの情報を登録するために使います。だから、文字は大きめで、押し間違えにくい画面にしてください」
このように、背景や目的をセットにして伝えると、AIは「なるほど、それは文字を大きくしないと見えませんね!」と空気を読んで、より使いやすいアプリを作ってくれます。
最初から完璧を目指さず、少しずつ直していく
最初から「100点満点の完璧なアプリ」を一発で作ろうとすると、挫折してしまいます。
まずは、「名前とメールアドレスだけを入力できる、とてもシンプルな画面」を作ってもらいましょう。それがちゃんと動くことを確認してから、「よし、次はアンケートのボタンを追加して」「その次はメールが送れるようにして」と、少しずつ機能を追加していく(育てていく)のが失敗しないコツです。
粘土遊びで、まずは丸いお団子を作ってから、少しずつ目や鼻をつけて動物の形にしていくのと同じ感覚ですね。

展示会アプリを自作したあとの「素晴らしい未来」
Vibe Codingを使って、自分たちで作った「展示会来場者管理アプリ」が無事に完成し、実際の展示会で使ってみたとしましょう。そこには、これまでとはまったく違う、素晴らしい未来が待っています。
営業マンが翌日からすぐに動ける
これまでは、展示会が終わったあと、何日もかけて名刺をパソコンに入力していました。しかし、アプリを使えば、展示会が終わったその瞬間に、すべてのお客さまのリストがすでに完成しています。しかも、サンクスメールもすでに送信済みです。
営業担当者は、翌日の朝、会社に出社したら、リストを開いて「昨日『すぐに買いたい』と言ってくれたAランクのお客さま」から順番に電話をかけるだけでよいのです。無駄な事務作業がゼロになり、売上を上げるための本当の営業活動にすべての時間を使えるようになります。
データ分析との連携も夢じゃない
さらに、アプリに溜まったデータを活用すれば、次の展示会をもっと成功させるためのヒントが得られます。
「今回の展示会では、この商品に興味を持ってくれた人が全体の60%もいたから、次回はこの商品のポスターをもっと大きくしよう」といったことが、勘ではなく正確な数字で分かるようになります。集まったお客さまのアンケートをAIに分析させる方法については、展示会アンケートの「一括分析」で営業が変わる!100枚の自由回答からAIで顧客の本音を抽出する2026年最新戦略という記事でも詳しく解説していますので、次のステップとしてぜひ参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
本当にプログラミングの知識は「ゼロ」でも大丈夫ですか?
はい、大丈夫です!専門的なコードを書く必要は一切ありません。AIに日本語で「こういう画面を作って」とチャットで伝えるだけで、AIが裏側で自動的にシステムを組み上げてくれます。パソコンでメールを打てる人なら誰でも挑戦できます。
万が一、AIが作ったアプリが途中で動かなくなったらどうすればいいの?
動かなくなったときもAIに頼ります。「ボタンを押しても保存されなくなっちゃった。直して!」とエラーの状況をそのまま伝えると、AIが自分で原因を見つけて「ここが間違っていました、修正しますね」とすぐに直してくれます。
集めたお客さまの個人情報が、AIに学習されて漏れたりしませんか?
とても重要なポイントです。AIツール(ChatGPTなど)の設定画面で、「入力したデータをAIの学習に使わない」という設定(オプトアウト)を必ずオンにしてから利用してください。社内のルールを守って安全に使うことが大切です。
まとめ:まずは「小さく」作って、AIの魔法を体験してみよう
いかがでしたか?
展示会のたびに発生していた「名刺の山」と「手入力の苦労」、そして「お礼メールの遅れ」は、Vibe Codingという最新のAI技術を使えば、驚くほどカンタンに解決できることがお分かりいただけたと思います。
「言葉でお願いするだけでアプリができる」なんて、最初は信じられないかもしれません。だからこそ、まずは失敗してもいいので、とてもシンプルな機能から「小さく」作って、AIの魔法を実際に体験してみてください。一度その便利さを知ってしまえば、もう昔の手作業には戻れなくなるはずです。
コレットラボでは、こうしたAIを活用して会社の業務をぐっと楽にする「AIシステム化」に関するさまざまな情報をお届けしています。もし「自社でもやってみたいけれど、何から手をつければいいか分からない」「プロにアドバイスをもらいながら進めたい」といったお悩みがあれば、ぜひコレットラボの他のコラムも参考にしながら、新しい一歩を踏み出してみてくださいね。

