WordPressをインストールしたばかりの方、もしくはこれから始めようとしている方。
「初期設定って何から手を付ければいいの?」と感じていませんか?少なくとも、何も設定せずにそのまま運営をスタートさせるのは危険です。
初期設定をしっかり行わないと、SEO対策が遅れたり、セキュリティの不備が出たり、訪問者が使いにくいサイトになってしまいがちです。
この記事では、WordPressの初期設定について初心者にも分かりやすく解説していきます。
WordPress初期設定がなぜ大事なのか
初期設定が重要な理由はいくつかあります。まずは設定をしないと起こりやすい問題点を見ていきましょう。
- SEO対策が甘くなる
検索エンジンは記事やページのURL構造、タイトルなどからその内容を判断します。これらが初期設定のままだと検索順位で競争に負けやすくなります。 - セキュリティのリスクが高まる
デフォルト設定のWordPressはセキュリティが一部甘いままです。不正アクセスやスパムに対応できるようカスタマイズが必要です。 - ユーザー体験が悪化する
訪問者が情報を見つけづらい、サイトが遅いなどの不具合が発生します。
こうした課題を防ぐために、WordPressの初期設定をしっかり行う必要があるのです。
WordPress初期設定の具体的手順
では具体的な初期設定を順を追って解説します。ひとつずつ、確実に進めていきましょう。
1. パーマリンク設定の変更
パーマリンクとは、記事やページごとに付けられるURL構造のことです。
デフォルトでは「例: https://example.com/?p=123」の形式になっていますが、このままでは検索エンジンや訪問者に優しくありません。
推奨設定「投稿名」または「カテゴリー名/投稿名」
Google検索でより評価されやすくするために、以下の設定をお勧めします。
- WordPressの管理画面を開く。
- 左メニューの「設定」→「パーマリンク設定」をクリック。
- 「投稿名」 または 「カテゴリー/投稿名」 を選ぶ。
- 「投稿名」のみの場合:
/%postname%/
- カテゴリー名を加える場合:
/%category%/%postname%/
- 「投稿名」のみの場合:
- 画面右下の「変更を保存」をクリックして完了。
注意点: 運用途中でパーマリンクを変更すると旧URLが404エラーになるので、「Redirection」などのプラグインを使ってリダイレクト設定をしましょう。
2. サイトタイトルとキャッチフレーズの変更
WordPressの初期状態では、適当なサイトタイトルやキャッチフレーズが設定されています。
これを適切に変更することで、サイトの内容を訪問者や検索エンジンに正確に伝えられるようになります。
設定手順
- 管理画面左メニューの「設定」→「一般」をクリック。
- 「サイトのタイトル」を記入。
- 例: 「初心者向けWordPress完全ガイド」
- 「キャッチフレーズ」を変更。
- 例: 「WordPressを分かりやすく使いこなすための情報をお届けします」
- 下部の「変更を保存」をクリック。
キャッチフレーズはSEOの観点から設定するのがおすすめです。
例えば、運営サイトのキーワードやテーマに関連した語句を追加しておくと、検索エンジンの評価が上がる可能性があります。
3. 初期インストールすべきプラグイン
WordPressには機能を拡張するための「プラグイン」が必須です。しかし、初期段階でむやみにインストールすると重くなるので、必要最低限のプラグインから始めるのがおすすめです。
おすすめプラグイン
プラグイン名 | 用途 | 備考 |
---|---|---|
Yoast SEO | 検索エンジン最適化 | SEO初心者におすすめ |
Akismet Anti-Spam | スパムコメント削除 | デフォルトでインストール済み |
WP Fastest Cache | サイト速度の向上 | キャッシュ管理ツール |
UpdraftPlus | サイトデータのバックアップ管理 | 万が一に備えるなら必須 |
All-in-One WP Migration | サイトのデータ移行(引っ越しなど) | 初期作業でバックアップを考える場合便利 |
インストール方法
- 管理画面左メニューの「プラグイン」→「新規追加」をクリック。
- 検索バーにプラグイン名を入力。
- 「今すぐインストール」をクリックし、有効化する。
初期設定ではこれら数個だけ追加し、用途が増えるごとに新しいプラグインを導入すると効率的です。
4. メディア設定のカスタマイズ
WordPressでは画像をアップロードするたびに複数の画像サイズが自動生成されますが、ほとんどの場合これをすべて使用するわけではありません。デフォルトのサイズ設定を調整しましょう。
設定手順
- 管理画面で「設定」→「メディア」をクリック。
- 「サムネイルサイズ」「中サイズ」「大サイズ」を以下のように設定。
- サムネイルサイズ: 150 x 150
- 中サイズ: 300 x 300
- 大サイズ: 必要に応じて。
- 「変更を保存」をクリック。
不必要な画像サイズを生成しないことで、サーバースペースの消耗を防げます。
5. コメント機能の有効化・無効化
WordPressの初期設定ではコメント機能がオンになっています。スパムコメントが届くリスクがあり、管理が面倒になる場合も多いです。必要に応じてコメント機能を無効化しましょう。
手順
- 管理画面左メニューの「設定」→「ディスカッション」をクリック。
- 「新規投稿へのコメントを許可する」のチェックを外す。
- 「コメントの投稿前に管理者の承認を必要とする」にチェックを入れると一定の管理が可能。
- 「変更を保存」をクリック。
管理の負担が減り、スパムコメントを防ぐ効果があります。
6. 必須となる固定ページの作成
信頼性のあるサイト運営を始めるには固定ページの作成も重要です。定番コンテンツを整備しましょう。
必要な固定ページ例
ページ | 内容 |
---|---|
お問い合わせページ | 連絡フォームを設置する |
プライバシーポリシー | 個人情報の取り扱いに関する説明 |
サイト概要(Aboutページ) | サイトの目的や運営者情報を記載 |
これらを作ることで、訪問者と信頼関係を築きやすくなります。
7. WordPressテーマの選定と設定
WordPressサイトを立ち上げる際、テーマの選定はデザインと機能を大きく左右します。
適切なテーマを選ぶことで、ユーザー体験を向上させ、SEO効果も高めることが可能です。
自由にカスタマイズできるのがWordPressの強みですが、最初は無料で使いやすいテーマから始めるのがおすすめです。
テーマ選定のポイント
テーマを選ぶときにチェックするべき点を整理しました。
項目 | 詳細 |
---|---|
SEO対策対応 | SEOフレンドリーな設計が施されているか確認(ページスピードやモバイルフレンドリーが重要)。 |
対応デバイス | レスポンシブデザインで、スマホやタブレットでも見やすいか必ず確認。 |
更新頻度 | 開発者がテーマを定期的に更新しており、セキュリティが保たれているテーマを選びましょう。 |
カスタマイズの容易さ | 自分のサイトに合うデザイン変更が簡単に行えるか。カスタマイザーやウィジェットが豊富なテーマがおすすめ。 |
サポート体制 | 無料テーマでも問い合わせやフォーラムがあると困ったときに安心。 |
初心者におすすめの無料テーマ
- Cocoon
SEO最適化、レスポンシブ対応、広告設定の簡易化など、初心者にとって使いやすい無料テーマの代表格。 - Astra
軽量でカスタマイズ性に優れたテーマ。海外製ですが日本語化されています。 - Lightning
国産テーマで、ビジネスサイトやブログ、企業展示用サイトなどに幅広く対応。
テーマインストール手順
- 管理画面で「外観」→「テーマ」をクリック。
- 「新しいテーマを追加」を押し、検索バーでテーマ名を入力。
- 該当テーマの「インストール」をクリック後、「有効化」を選択。
テーマによって一部の設定が変わるため、公式のドキュメントやマニュアルを参考に必要なカスタマイズを進めてください。
8. サイトマップと検索エンジン登録
WordPressでサイトを作成した後、検索エンジンに自分のサイトを適切に認識してもらうための作業が必要です。
その第一歩が「サイトマップ」の作成と「Google Search Console」などへの登録です。
サイトマップ作成手順
サイトマップとは、サイト全体の構造を検索エンジンに伝えるための設計図のようなものです。これを作成するために、以下のプラグインを利用するのが便利です。
- Yoast SEO(または他のSEOプラグイン)をインストール。
- プラグイン設定画面で「機能」→「XMLサイトマップ」を有効にする。
- 作成されたURL(例: https://example.com/sitemap_index.xml)を確認。
Search Consoleへの登録手順
- Google Search Consoleにログインし、「プロパティを追加」で自分のサイトを登録。
- 「サイトマップ」に上記で生成したURLを登録。
- 登録後、インデックスの進捗状況を確認。
9. WordPressのセキュリティ対策
公開ブログやウェブサイトには必ずセキュリティリスクがつきまといます。特にWordPressは世界中で使われている反面、攻撃対象になりやすいというデメリットもあります。以下の対策を初期段階で行いましょう。
基本的なセキュリティ対策
- ログインURLの変更
WordPressは初期状態でログインページのURLが「/wp-admin」に設定されています。これを変更して、悪意ある第三者からのログイン試行を防ぐことが重要です。「WPS Hide Login」プラグインを使用すると簡単に変更できます。 - 二段階認証の導入
不正ログインを防ぐために、「Wordfence」や「Google Authenticator」プラグインを活用して二段階認証を導入します。 - バックアップの定期実行
前述の「UpdraftPlus」を使い、定期的にバックアップを取得する習慣をつけておきましょう。 - 管理者アカウントのユーザー名変更
デフォルトの「admin」というユーザー名は攻撃の標的となります。これをほかの名前に変更してください。
10. サイト表示速度の最適化
Googleはサイトの表示速度をランキングシグナル(検索順位の評価基準)として重視しています。訪問者の離脱率を防ぐためにも、初期設定段階でサイト速度を向上させる工夫が必要です。
表示速度を改善する方法
- キャッシュプラグインの利用
「WP Fastest Cache」や「W3 Total Cache」をインストールし、キャッシュ機能を活用します。 - 画像圧縮プラグインの導入
アップロード画像のサイズを縮小するため、必ず「Smush」や「EWWW Image Optimizer」などの画像圧縮プラグインを使いましょう。 - 余計なプラグインを削除
不要なプラグインが多いとサイト速度が低下するため、使わないプラグインは削除してください。 - CDNを導入
Cloudflareなどの無料CDNサービスを利用すると、サイト全体の速度とセキュリティが向上します。
WordPress初期設定完了後に必要なこと
ここまで設定が済んだら、念のために次のチェックリストを確認し、忘れ物がないかを確認してください。
初期設定チェックリスト
項目 | 完了状況 |
---|---|
パーマリンクを「投稿名 or カテゴリー名/投稿名」に変更 | ✅ |
サイトタイトルとキャッチフレーズの設定 | ✅ |
必要なプラグインをインストール | ✅ |
メディア設定を変更 | ✅ |
コメント機能を適切にカスタマイズ | ✅ |
固定ページの作成 | ✅ |
テーマをインストールし基本設定をする | ✅ |
サイトマップを作成しSearch Console登録 | ✅ |
セキュリティ対策を導入 | ✅ |
もう一度各項目をチェックして、準備を万全に整えたら運営を開始しましょう。