制作会社への修正依頼でやり直しを防ぐ伝え方とコツ
この記事の要点
- 修正依頼は『場所・変更内容・理由』の3点セットで渡すと手戻りが激減する
- スクショに印を付け完成形のテキストを添え、1ファイルにまとめPDFで一括送付する
- 定型の更新はAI内製、デザインや構造の判断はプロと切り分けるのが効率的
制作会社に修正をお願いしたのに「思っていたのと違うものが上がってきた」「何度もやり取りしているのに終わらない」。ホームページの運用担当になると、誰もが一度はぶつかる悩みですよね。
この記事では、修正依頼で手戻りをなくし、イメージ通りに一発で仕上げてもらうための具体的な伝え方を解説します。結論を先に言うと、コツは「場所」「変更内容」「理由」の3つをセットで渡すこと。さらに2026年は、AIを使って軽い修正を自分たちでやってしまう選択肢も現実的になりました。両方まとめてお伝えします。
Contents / 目次
結論。修正依頼は「場所・変更内容・理由」の3点セットで決まる
まず押さえてほしい結論からお話しします。修正がスムーズに進むかどうかは、依頼を出した瞬間にほぼ決まっています。制作会社の腕の問題というより、渡す情報の精度の問題であることがほとんどなんです。
制作会社の担当者は、あなたの頭の中を見ることができません。だからこそ、次の3つをセットで渡すことが何より大事です。これさえ揃っていれば、やり取りの往復は一気に減ります。

- 場所:どのページの、どの部分か。URLとスクリーンショットで一点に絞る
- 変更内容:現状を「AからBへ」と、ビフォーアフターで具体的に書く
- 理由:なぜ変えたいのか。目的を伝えると、プロが代案を出せる
特に抜けがちなのが3つめの「理由」です。たとえば「この見出しをもっと大きくしてほしい」とだけ伝えると、制作会社は言われた通り大きくするだけです。でも「スマホで読んだときに最初に目に入ってほしいから」という理由まで伝えると、文字サイズだけでなく配置や色も含めて、プロがより良い形を提案してくれます。指示を「作業の発注」ではなく「目的の共有」に変えるイメージですね。
下の表は、同じ修正でも伝え方でどれだけ差が出るかをまとめたものです。左がよくある曖昧な指示、右が伝わる指示です。
| 伝える要素 | 伝わらない指示 | 伝わる指示 |
|---|---|---|
| 場所 | 「トップページのところ」 | 「/about/ ページの、上から2つめの見出し(赤枠の箇所)」 |
| 変更内容 | 「なんかパッとしない」 | 「現在の『私たちについて』を『創業30年、地域で選ばれる理由』に変更」 |
| 理由 | (伝えていない) | 「採用ページからの流入が多く、会社の安心感を先に伝えたいため」 |
ここがいちばんのポイント。「なんか違う」「いい感じにして」は、相手にとって最も困る言葉です。あなたの「いい感じ」と相手の「いい感じ」は必ずズレます。感覚ではなく、場所・変更内容・理由の3点に翻訳して渡すこと。これだけで修正の質は驚くほど変わります。
具体的なやり方。一発で伝わる修正依頼のつくり方
では、実際にどう作ればいいのか。難しく考える必要はありません。普段使っているパソコンソフトで十分です。ここでは初動の手順を順番に見ていきましょう。

ステップ1。修正箇所をスクリーンショットで「見える化」する
まず、修正したいページを画面キャプチャします。WindowsならSnipping Tool、Macなら「shift+command+4」で簡単に撮れます。撮った画像に、PowerPointやGoogleスライドで赤枠や矢印を入れ、「ここを直したい」と一目で分かるようにします。文字だけで「3つめの段落の真ん中あたり」と説明するより、画像に印をつけたほうが10倍速く正確に伝わります。
ステップ2。変更内容を「テキスト」で添える
画像に印をつけたら、その横に変更後のテキストを書き込みます。ここで大事なのは、修正後の文章や数字を「あなたが完成形で」書いて渡すこと。「ここを最新の情報に」ではなく、実際に載せたい文章をそのまま渡してください。制作会社に文章を考えさせると、解釈のズレが生まれ、結局また直すことになります。
ステップ3。1ファイルにまとめてPDFで送る
修正が複数ある場合は、必ず1つのファイルにまとめます。WordでもExcelでもスライドでも、使い慣れたソフトで構いません。完成したらPDFに書き出して送りましょう。PDFなら相手の環境でレイアウトが崩れず、印をつけた位置がそのまま伝わります。修正をメールの本文に箇条書きでバラバラ書いたり、思いつくたびに一件ずつ送るのは避けてください。これが手戻りの最大の原因です。
依頼を出す前に、自分でチェックしてほしいリストを用意しました。送信ボタンを押す前にこれを確認するだけで、差し戻しがぐっと減ります。
- 場所の特定:対象ページのURLと、印つきスクリーンショットは入っているか
- 完成形の提示:修正後のテキスト・数字を、こちらで確定して書いたか
- 社内合意:上司や他部署の確認を済ませ、後出しの追加が出ない状態か
- まとめて1回:分かっている修正を1ファイルに集約したか
- 優先順位:「必ず直したい」と「できれば」を分けて書いたか
- 期日と意図:いつまでに、なぜ直したいかを添えたか
特に「社内合意」は要注意です。あなたが依頼した後で上司から別の指示が飛んでくると、制作会社は二度手間になり、追加費用や納期遅れの原因になります。社内の意見は依頼前に必ず集約しておきましょう。図解やインフォグラフィックの修正を頼むときのコツは外注で失敗しないインフォグラフィックの指示出し術でも詳しく解説しています。
うまくいくとどう変わるか。スピードとコストの成果イメージ
3点セットとPDF集約を実践すると、何が変わるのか。いちばん大きいのは「往復の回数が減る」ことです。曖昧な依頼だと、確認のやり取りだけで3〜4往復することも珍しくありません。これが1〜2往復で収まれば、公開までのリードタイムは体感で半分近くまで縮みます。

コスト面でも効果は出ます。多くの制作会社は修正回数や作業時間で費用が変動します。曖昧な依頼で何度もやり直しが発生すれば、その分が「追加作業」として請求対象になりかねません。最初から正確に伝えることは、納期短縮だけでなく、見えないコストの節約にも直結するわけです。
さらに2026年は、AIの活用で運用そのものを軽くする動きが広がっています。たとえば、日本語の指示だけでWordPressサイトの更新をこなす運用を取り入れ、軽微な修正を制作会社に出さず自社で完結させることで、月々の運用コストや修正の待ち時間を大きく削減したという報告も出てきています。文章の差し替え、見出しの追加、ページの複製といった「定型の更新」は、AIに任せれば数分で終わるケースもあります。
ただし、これは「全部AIで内製化しよう」という話ではありません。ポイントは、定型作業は内製、デザインや構造の判断はプロと切り分けること。この線引きができている会社ほど、スピードとクオリティの両方を手に入れています。どんな管理画面なら自分たちで更新しやすいかは広報担当者のための失敗しないCMSの選び方も参考にしてみてください。
よくある失敗と回避法。現場でほんとうに多い3つのパターン
ここからは、私たちが実際の現場で何度も見てきた失敗を紹介します。どれも「あるある」なので、ひとつずつ防ぎ方を押さえておきましょう。

失敗1。「なんか違う」で突き返してしまう
上がってきたデザインを見て、ピンとこない。つい「なんか違うんですよね」と返してしまう。これが最も多い失敗です。制作会社は何が違うのか分からず、当てずっぽうで作り直すしかありません。結果、何度やっても「違う」が続きます。防ぎ方はシンプルで、違和感を言語化すること。「色が暗くて重い印象」「文字が多くて窮屈」のように、どこがどう違うかを言葉にする。それも難しければ「こういう雰囲気が理想」という参考サイトを2〜3個見せるだけで、認識のズレは一気に埋まります。
失敗2。修正範囲と費用をあいまいにしたまま進める
「これくらい無料でやってくれるだろう」という思い込みは危険です。契約で修正回数や対応範囲を決めていないと、ある日突然「ここからは追加費用です」と言われ、トラブルになります。これはどちらが悪いという話ではなく、最初に決めていないことが原因です。契約や見積もりの段階で、修正対応の回数、無料の範囲、追加費用が発生する条件を必ず確認しておきましょう。口頭ではなく、書面やメールで残すのが鉄則です。
失敗3。複数人からバラバラに依頼が飛ぶ
社長、広報、営業がそれぞれ別々に制作会社へ修正を投げる。これをやると、指示が矛盾したり、優先順位が分からなくなったりして、現場は大混乱します。制作会社からすれば「誰の指示が最終決定なのか」が分からないのです。防ぎ方は、窓口を1人に絞ること。社内の意見はその人がいったん集約し、整理してから1本化して渡す。誰が最終決定者かを制作会社に伝えておくだけでも、進行は驚くほどスムーズになります。社内調整の進め方は決裁者への伝え方と進め方の鉄則でも掘り下げています。
現場のホンネ。修正依頼でつまずきやすい「妥協点」の話
ここからは、教科書には書かれない現場のリアルをお話しします。きれいごとだけでは、修正依頼はうまくいかないからです。
まず「内製と外注、どこで線を引くか」。文章の差し替えや画像の入れ替えといった軽い更新まで毎回外注していると、コストも時間もかさみます。一方で、デザイン全体のバランスやサイトの構造に関わる変更を素人判断で内製すると、デザインが崩れたり、表示が遅くなったりと、かえって直す手間が増えます。「文字や数字を変えるだけ」は内製、「見た目や仕組みを変える」は相談。この感覚を持っておくと判断を誤りません。
次に、最近増えているAIでの内製化の落とし穴です。AIに日本語で指示すればサイトを更新できる時代になりましたが、これは「誰でも完璧にできる」という意味ではありません。AIは指示通りに動く分、間違った指示を出せば間違ったまま公開されます。SEOやアクセシビリティ、表示速度といった「見た目に出ない品質」は、知識がないと崩していることに気づけません。AIで作ったページを公開する前に、リンク切れ・スマホ表示・誤字・読み込み速度をチェックする習慣は欠かせません。
業者選びの本音。「修正に強い制作会社」とは、安く何度も直してくれる会社ではありません。あなたの目的を理解し、ときには「その修正はやめたほうがいい」と言ってくれる会社です。言いなりで全部直す会社より、根拠を持って提案してくれるパートナーを選ぶことが、長い目で見て成果につながります。
最後に、見落としがちなコストの話です。修正費そのものより、社内のやり取りにかかる時間のほうが、実は高くつくことがあります。何度も往復し、社内で確認を回し、また依頼し直す。この人件費は請求書には載りませんが、確実に発生しています。だからこそ「一発で伝える」ことに価値があるのです。
よくある質問
修正依頼って、電話やメールの文章だけじゃダメなの?
口頭やテキストだけだと、場所や仕上がりのイメージがズレやすいです。スクリーンショットに赤枠で印をつけ、変更後の文章を添えてPDFで渡すのがおすすめです。視覚情報があるだけで、伝わる精度が大きく上がります。
修正は何回まで無料でやってもらえるものですか?
制作会社によって異なり、決まりはありません。だからこそ契約や見積もりの段階で、無料の範囲・回数・追加費用が出る条件を確認しておくことが大事です(2026年06月11日時点の一般的な傾向です)。後のトラブルを防げます。
簡単な文章修正くらい、自分たちでやったほうが早い?
文章や数字の差し替えなら、内製したほうが速くて安い場合が多いです。最近はAIに日本語で指示して更新する方法もあります。ただしデザインや構造に関わる変更はプロに相談したほうが安全です。
「なんか違う」をうまく言葉にできないときはどうすれば?
無理に言語化しようとせず、理想に近い参考サイトを2〜3個見せるのが効果的です。「この色合い」「このくらいの情報量」と指させば、制作会社は意図をつかみやすくなります。
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