お問い合わせが増える企業サイトのデザイン設計
この記事の要点
- 問い合わせ増加を決めるのは見た目ではなく迷わせない導線と不安解消の設計
- ファーストビューで誰の何を解決するか明示し動詞CTAと中間入口を複数設置
- フォームの入力負担を削減し導線と信頼を設計し直すと問い合わせの数と質が向上
「サイトはきれいに作ったのに、問い合わせがほとんど来ない」。この悩みを抱えてこのページにたどり着いた方は多いはずです。じつは、問い合わせが増えるかどうかは、見た目の美しさではなく「設計」で決まります。
この記事では、お問い合わせが増える企業サイトのデザイン設計を、現場目線で具体的に解説します。何を、どの順番で直せばいいのか。CTAやフォームといった部品の話だけでなく、2026年のいまならAIをどう使えるかまで含めて、読みながら手を動かせる形でお伝えします。
Contents / 目次
問い合わせを増やすデザイン設計、結論は「導線」と「不安の解消」

先に結論からお伝えします。お問い合わせが増える企業サイトに共通しているのは、デザインがおしゃれなことではありません。「迷わせない導線」と「不安を取り除く情報」がそろっていることです。この2つが欠けていると、どれだけ見た目を磨いても問い合わせのボタンは押されません。
もう少し具体的に言うと、押さえるべきポイントは大きく4つです。訪問した人が「自分向けのサイトだ」と一瞬で分かること。次に何をすればいいかが常に見えていること。問い合わせる前の不安が消えていること。そして、行動するための入口(フォームやボタン)が押しやすいこと。この4つを設計の軸に置くだけで、サイトの反応はガラッと変わります。
まずは、問い合わせが「来ないサイト」と「来るサイト」が、それぞれどこで差がつくのかを一覧で見てみましょう。自社サイトがどちらに近いか、チェックしながら読んでみてください。
| 設計の観点 | 問い合わせが来ないサイト | 問い合わせが来るサイト |
|---|---|---|
| ファーストビュー | 会社の理念やきれいな写真だけ | 「誰の何を解決するか」が一文で分かる |
| 導線 | 問い合わせ先を探さないと見つからない | どのページにも自然な入口がある |
| 信頼情報 | 実績や事例が見当たらない | 事例・数字・顔の見える情報がある |
| CTAボタン | 「お問い合わせ」だけで動機が薄い | 「無料で相談する」など行動が具体的 |
| フォーム | 入力項目が多く、面倒で離脱 | 項目を絞り、入力負担が小さい |
表を見て「うちは左側ばかりだ」と感じても、落ち込む必要はありません。逆に言えば、伸びしろがそれだけあるということです。ここからは、右側の状態に近づけるための具体的なやり方を、順番に解説していきます。
問い合わせが増えるサイト設計の具体的な進め方

では実際に、どこから手をつければいいのか。やみくもにデザインをいじるのではなく、効果が出やすい順番で進めるのがコツです。ここでは現場で実際に使っている流れを、5つのステップに分けてお伝えします。
ステップ1。ファーストビューで「自分ごと」にさせる
訪問者がサイトに来て、ページを離れるか読み進めるかを決めるのは最初の数秒です。ここで「これは自分に関係のあるサイトだ」と思ってもらえないと、その先は読まれません。だからこそ、画面の一番上(ファーストビュー)には、会社の理念ではなく「誰のどんな悩みを解決できるのか」を一文で置きます。
たとえば「総合印刷会社です」より、「小ロットの販促物を、最短3日でお届けします」のほうが、見た人は自分ごととして受け取れます。かんたんに言うと、看板に「うちは何屋で、あなたの何を解決するか」を書くイメージです。ここにキャッチコピーと、すぐ押せる問い合わせボタンを1つ置くだけで、第一印象が変わります。
ステップ2。CTAを「動詞」で設計する
CTAとは、つまり「行動を促すボタンや誘導文」のことです。ここでよくあるのが、すべてのボタンが「お問い合わせ」で統一されているケースです。問い合わせはハードルが高い行動なので、それだけだと押す人は限られます。
大事なのは、ボタンの文言を「ユーザーが得られること」で書くことです。「お問い合わせする」より「無料で相談する」「資料を3秒でダウンロード」のほうが、押した後の負担が軽く感じられます。さらに、ボタンの近くに「しつこい営業はしません」「1分で入力完了」といった短い一言(マイクロコピー)を添えると、押すときの不安がやわらぎます。
ポイント。CTAは1ページに1つではなく、ファーストビュー・本文の途中・ページの最後と、複数の場所に置きます。人は「今だ」と思った瞬間に行動するので、その瞬間にボタンが目に入る状態をつくるのが正解です。
ステップ3。中間コンバージョンで「ゆるい入口」を用意する
いきなり「問い合わせ」だけを求めると、まだ検討段階の人は逃げてしまいます。そこで、もっとハードルの低い接点を用意します。これを中間コンバージョンと呼びます。具体的には、資料ダウンロード、料金表の請求、チェックリスト配布などです。
つまり、いきなり結婚を申し込むのではなく、まずお茶に誘うようなイメージです。「今すぐ依頼したいわけじゃないけど、情報は欲しい」という人を取りこぼさず、見込み客として残せます。問い合わせフォームと並べて、資料請求ボタンを置いておくだけで、接点の総数はぐっと増えます。
ステップ4。フォームの入力負担を徹底的に減らす
せっかくボタンを押してもらっても、フォームが面倒だと最後の最後で離脱されます。ここは取りこぼしが起きやすい場所なので、特に丁寧に設計します。下のチェックリストを使って、自社のフォームを見直してみてください。
- 項目数:必須項目は会社名・氏名・連絡先・用件など5つ前後に絞れているか
- スマホ表示:指で押しやすいボタンサイズで、入力欄が小さすぎないか
- 入力支援:郵便番号からの住所自動入力や、入力例の表示があるか
- エラー表示:間違いを入力したその場で、やさしく教えてくれるか
- 余計な導線:フォーム画面に、他ページへ飛ぶメニューや広告が残っていないか
- 送信後の安心:完了画面や自動返信メールで「いつ返信が来るか」が分かるか
フォーム改善のより詳しい手順は入力フォームで脱落させない!商談に繋がる「フォーム最適化(EFO)」5つのポイントと具体策でも解説しているので、あわせて読むと理解が深まります。
ステップ5。AIで「コピー案」と「改善のたたき台」を作る
ここで2026年ならではの選択肢を1つ加えます。ファーストビューのキャッチコピーやCTAの文言は、これまで「センスがないと書けない」と思われがちでした。いまはAIを使えば、たたき台を何パターンも数分で出せます。
進め方はシンプルです。まずChatGPTやClaudeなどの生成AIに、自社の事業内容・ターゲット・強みを伝えます。次に「このサービスのファーストビューのキャッチコピーを、悩み軸で10案出して」と頼みます。出てきた案をそのまま使うのではなく、現場感のある言葉に直して採用します。デザイン案やレイアウトの方向性も、AIに相談しながら整理できます。AIで内製化を進めたい方はプロに頼まず自分たちで更新!広報担当者のための失敗しない「CMS(管理画面)」の選び方も参考になります。
設計を見直すと、問い合わせはどのくらい増えるのか

では、ここまでの設計を実際にやると、どんな変化が期待できるのか。気になるところですよね。結論から言うと、見た目だけのリニューアルでは数字は動きませんが、導線と信頼づくりを設計し直したサイトは、問い合わせの「数」と「質」の両方が変わります。
Webサイトのリニューアルを行った企業のうち、アクセス数が増加したと回答した企業が6割を超えたという調査結果が報告されています。また、問い合わせや資料ダウンロードが増加した事例も多く報告されています。リニューアルそのものに効果がないのではなく、設計を伴わない刷新だと結果につながりにくい、というのが正確な理解です。
現場でよく見るのは、フォームの項目を減らし、ボタンの色や位置を見直し、スマホ表示を最適化しただけで、問い合わせ件数がそれまでの数倍に伸びるケースです。月平均3件だった問い合わせが、導線設計と事例コンテンツの追加で10件以上に増えるといった変化も珍しくありません。
そして見落としがちなのが「質」の変化です。設計を整えると、ただ価格を聞くだけの問い合わせが減り、「こういう課題があって相談したい」という具体的な見込み客が増えます。これは、サイト側で「誰の何を解決するか」を明確に伝えているからこそ起きる現象です。つまり、自社が対応したい相手だけが手を挙げてくれる状態に近づきます。
成功している企業の共通点。デザインを「印象」ではなく「行動を生む仕組み」として捉えています。きれいに見せることが目的ではなく、訪問者を不安なく問い合わせまで運ぶことをゴールに置いている点が共通しています。
もし「リニューアルしたのに数字が動かない」という状態なら、原因は設計のどこかにあります。問い合わせが来ない理由の切り分け方はホームページから問い合わせが来ない理由とは?改善で変わる反応率!でも整理しているので、心当たりのある方は確認してみてください。
よくある失敗と、その回避法

ここからは、現場でよく見かける失敗パターンをお伝えします。どれも「うちもやってしまっているかも」と感じやすいものばかりです。先に知っておけば、同じ落とし穴を避けられます。
失敗1。デザインの刷新だけで満足してしまう
一番多いのがこれです。「サイトが古く見えるから新しくしよう」と、見た目だけを刷新するパターンです。この状況で起きるのは、写真や色はきれいになったのに、導線も訴求も以前のまま、という事態です。結果として、訪問者は「きれいだな」と思っても、問い合わせまでは動きません。
防ぐには、リニューアルの目的を「きれいにする」ではなく「問い合わせを増やす」と最初に言語化することです。トップに何を載せるか、どこにボタンを置くか、どんな事例を見せるか。デザインに入る前に、この設計を先に決めておきましょう。
失敗2。フォームに項目を盛り込みすぎる
営業部門の「あれもこれも聞いておきたい」という要望に応えて、フォームの項目が10個以上になってしまうケースです。こうなると、訪問者はフォームを開いた瞬間に「面倒だ」と感じて離脱します。せっかくボタンまで押してくれた人を、最後で逃すのは本当にもったいない損失です。
回避策は、項目を「最初の接触に本当に必要なものだけ」に絞ることです。詳しい情報は、問い合わせを受けた後の返信ややり取りで聞けば十分です。最初のハードルは、できる限り低くしておきましょう。
失敗3。信頼情報が足りないまま問い合わせを求める
実績も事例も載っていないのに、「お問い合わせはこちら」とだけ書かれているサイトは少なくありません。訪問者からすれば、どんな会社かも分からないまま連絡するのは不安です。この不安が、問い合わせの直前で人の手を止めます。
防ぐには、問い合わせボタンの近くに「安心できる材料」を置くことです。導入事例、お客様の声、対応実績の数字、スタッフの顔写真などです。人は「知らない相手」には連絡しません。連絡できるだけの材料を、こちらから先に渡すことが大切です。
失敗4。AIにコピーやデザインを丸投げしてしまう
2026年ならではの新しい失敗もあります。AIで生成したキャッチコピーやデザインを、中身を確認せずそのまま公開してしまうパターンです。AIは一般論としてもっともらしい文章を作りますが、自社の強みや実際のお客様の言葉までは知りません。結果、どこかで見たような、当たりさわりのないサイトになりがちです。
回避策は、AIを「たたき台づくり」に使い、最後は必ず人が現場目線で手を入れることです。AIが出した10案から良いものを選び、自社らしい言葉に直す。この一手間があるかないかで、仕上がりは大きく変わります。
現場で見えた落とし穴と、正直な妥協点
ここまで読んで「やることは分かった、あとはやるだけ」と感じた方もいるかもしれません。ただ、教科書通りにいかないのが現場です。最後に、実際に手を動かすと見えてくる本音の部分をお伝えします。ここを知っておくと、判断を誤りにくくなります。
まず、AIで内製すればコストはかからない、と思われがちですが、これは半分正解で半分誤解です。たしかにAIを使えば、LPやコーポレートサイトのたたき台は自分たちで作れるようになりました。ただ、「作れること」と「問い合わせが増える設計にできること」は別の話です。ツールが文章やデザインを出してくれても、どの情報をどの順番で見せれば人が動くか、という設計判断は経験がものを言う領域です。
次に、内製と外注の切り分けです。日々の更新や記事の追加、ちょっとした文言の修正は、CMSとAIを使えば社内で十分まわせます。一方で、サイト全体の導線設計や、問い合わせまでの動線づくりは、最初だけプロと一緒に骨組みを固めるのが結果的に早い、というのが正直なところです。土台さえできれば、その後の運用は自社で回せます。逆にここを省くと、いつまでも「きれいだけど問い合わせが来ないサイト」から抜け出せません。
コストの見落としで多いのが「公開して終わり」という考え方です。問い合わせが増えるサイトは、公開後にアクセス解析を見て、フォームやボタンを少しずつ直し続けています。作る費用だけでなく、育てる手間も最初から見込んでおくと、後で慌てずに済みます。
向き不向きの本音も書いておきます。AIでの内製がはまるのは、社内に「文章を書ける人」や「手を動かすのが好きな担当者」がいる会社です。逆に、本業が忙しくてサイトに時間を割けない会社は、無理に全部を内製するより、設計と仕組みづくりを任せて、運用だけ自社で持つほうが現実的です。どちらが正しいということではなく、自社のリソースに合わせて線を引くのが大事です。
よくある質問
デザインを新しくすれば問い合わせは増えますか
見た目を新しくするだけでは、ほとんど増えません。問い合わせを左右するのは美しさではなく、迷わせない導線と、不安を消す情報があるかどうかです。設計を伴わないリニューアルは効果が出にくいので注意してください。
フォームの項目はいくつくらいが理想ですか
最初の接触に必要な5つ前後が目安です。会社名・氏名・連絡先・用件などに絞り、詳しい話は返信後のやり取りで聞けば十分です。項目が多いほど離脱が増えるので、思い切って削るのがコツです。
AIだけで問い合わせの増えるサイトは作れますか
たたき台までは作れますが、それだけでは難しいのが正直なところです。AIは文章やデザイン案は出せても、人が動く設計判断までは苦手です。AIで作り、最後は現場目線で人が手を入れる、という使い分けが現実的です。
何から手をつければ一番効果が出やすいですか
ファーストビューの一文と、フォームの項目削減から始めるのがおすすめです。この2つは手間が小さいわりに反応の変化が大きく、効果を実感しやすい場所です。まずここを直し、次にCTAや事例を整えていきましょう。
ここまで読んで、やるべきことは見えたけれど「設計の骨組みまで自社でやり切るのは難しそう」と感じた方は、一度お話を聞かせてください。コレットラボでは、AIで作るLP・サイト制作の伴走から、問い合わせが増える導線設計までをお手伝いしています。現状を整理するだけでも大歓迎です。AI業務システム化の詳細はこちらから、気軽にご相談ください。
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