企業サイトを運営しているにもかかわらず、お問い合わせが思うように増えないと悩んでいませんか。それ、もしかしたら「デザイン」に原因があるかもしれません。企業サイトは会社の顔となる部分ですが、ユーザーが使いやすいデザインでなければ、いくら良いサービスや商品を提供しても、その価値は伝わりづらくなります。
この記事では、企業サイトの「お問い合わせ数」を劇的に増やすために押さえておくべきデザイン設計の基本と実践手順を解説していきます。初心者にも分かりやすく、具体的な施策を盛り込んでいるので、ぜひ参考にしてください。
お問い合わせを増やす企業サイトのデザインの基本
ユーザー目線でのデザイン設計を心がける
お問い合わせを増やすには、まずユーザー目線でサイトを設計することが重要です。不親切なデザインや使いにくいレイアウトは、ユーザーの行動を妨げてしまいます。
ユーザビリティ向上のポイント
サイトを訪れるユーザーが迷うことなく目的を達成できるように、以下の点に注意しましょう。
- ナビゲーションはシンプルで分かりやすく
メニューは直感的に操作できるようシンプル設計を心がけます。カテゴリの分け方やメニュー数にも注意します。 - 見出しやコンテンツを簡潔に
ユーザーは情報をスキャンするようにページを読んでいます。読みやすい文章構造にし、余計な情報を削ぎ落としましょう。 - お問い合わせボタンは目立たせる
必要な情報を掲載すると同時に、ユーザーがすぐに行動に移れるよう、目につきやすい場所に誘導ボタンを配置します。
良いデザインと悪いデザインの違い
以下の表を参考に、ユーザー視点でのデザイン設計の成否をチェックしてください。
良いデザイン | 悪いデザイン |
---|---|
フォームの入力項目が少なく簡単に完了する | フォームが長すぎて途中で入力が面倒になる |
ボタンが目を引く色で配置されている | ボタンが背景に埋もれて目立たない |
ナビゲーションがシンプルで直感的に使いやすい | メニューが複雑すぎてどこをクリックすれば良いか不明 |
お問い合わせボタンを目立たせる工夫
お問い合わせボタンは、お客様とつながるための最初の扉。そのため視認性が高く、クリックされやすいデザインが求められます。
ボタンデザインの注意点
- 常に目立つ位置に配置する
ページの最上部や下部、またはスクロール時も固定表示させるなど、見つけやすい位置に置きます。 - 背景とのコントラストをつける
バックグラウンドと明確に差が出る色を選び、周囲に埋もれないよう目立たせましょう。 - 分かりやすい文言を使う
「お問い合わせはこちら」「24時間受付中」などの行動を直接促す言葉を選択します。
視認性アップのための具体例
例えば、白い背景サイトの場合にお問い合わせボタンをグレーで設定してしまうと、背景に埋もれがちです。一方でアクセントカラーとして赤やオレンジ、青系を採用すると、目立ってクリックされやすくなります。
お問い合わせフォームの設計と使いやすさ
次に重要なのが「お問い合わせフォーム」の設計です。スマートに設計されたフォームは、ユーザー体験を向上させ、離脱を防ぎます。
フォーム設計のコツ
- 強制入力を最低限に
名前やメールアドレス以外の必須項目は極力減らしましょう。住所や会社名などが必要な場合も、任意項目として段階的に入力できるよう配慮します。 - 入力補助機能を活用
- メールアドレスの形式が誤っている場合にエラーメッセージを表示する
- プルダウンやラジオボタン形式で簡単に選択できる設計にする
- ステップ形式で心理的負担を軽減する
全てを1画面で入力させるのではなく、2~3画面に分けて入力を進める設計が有効です。「次へ」「完了」のボタンで進む形式にすると完了率が上がります。
必須項目と任意項目の例
無駄を省きつつ、必要な情報を正確に収集するために項目を明確に分けましょう。
必須項目 | 任意項目 |
---|---|
名前 | 年齢 |
メールアドレス | 住所 |
問い合わせ内容 | 会社名 |
スマートフォン対応の重要性
現代では、ほとんどの訪問者がスマートフォンを使用しています。そのため、モバイル向けに最適化することが絶対条件です。
モバイル最適化のポイント
- フォーム入力を簡単に
自動補完機能やプルダウンメニューをうまく活用し、入力の手間を軽減します。 - クリックしやすいボタンサイズを確保
最低でも縦横48px以上の大きさを保ち、指でタップしやすい設計にします。 - テキストの可読性を高める
フォントサイズは固定デザインの12pxではなく、16px以上を基準に調整しましょう。また、段落にも余白を持たせます。
ワンポイント
スマートフォン対応が不十分な企業サイトはそれだけで信頼を失いやすくなります。特に九州エリアなど、地方で地域密着型のビジネスを行っている場合でも、モバイル改善でコンバージョン率は大幅に向上します。
必要なページに誘導する動線設計
お問い合わせフォームに自然と誘導するためには、サイト内のすべてのページでスムーズな動線設計をする必要があります。
動線設計の基本
- リンクを合理的に配置する
各ページの最下部には、お問い合わせフォームへのリンクを配置します。リンクテキストは検索エンジンでも評価されるため、キーワードを含めて分かりやすく設定します。 - CTAを工夫する
文章内に「今すぐお問い合わせください」などのアクション喚起メッセージを挿入します。特に色やサイズ、動きを使ったCTAボタンは効果的です。 - エクストラリンクを活用する
サービス紹介やよくある質問ページからも直接お問い合わせページへ誘導するようリンクを設置します。
信頼を高めるデザインと情報
信頼感が欠けたサイトで、ユーザーがお問い合わせをすることはまずありません。特に初めて訪れるサイトでは「この会社にコンタクトして大丈夫だろうか?」という不安を抱くケースが多いです。信頼を高めるデザインや情報をしっかりサイト内に反映させることで、ユーザーが安心して行動を起こしやすくなります。
信頼感を高める要素
- 実績と経験をアピール
これまでの取引実績、受賞歴、提供してきたサービスの成果など、会社としての信頼を生む情報を掲載します。また、実績を伝える際は具体的な数字や期間を用いると信憑性が高まります。- 例: 「これまでに〇〇社と提携」「導入実績500社以上」「創業20年以上」
- 顧客の口コミや声を掲載する
実際の顧客の口コミは、第三者からの裏付けとして非常に有効です。単なるテキストではなく、評価が高かった具体例や、人物写真を用いるとより効果があります。 - セキュリティとプライバシーの配慮
お問い合わせフォームにはSSL(暗号化通信)を適用し、「安心して入力できる」雰囲気を伝えます。同時に、収集した情報をどのように扱うのかを記したプライバシーポリシーの掲載も必須です。
信頼を高める追加の工夫
以下のようなデザインや情報を組み込むと、さらに安心感が増します。
- FAQ(よくある質問)の掲載
ユーザーが抱きやすい疑問点を事前に一覧として掲載することで、疑念を減らし行動を後押しします。 - スタッフの顔写真やメッセージ
実際に対応するスタッフの顔やコメントなどが掲載されていると、問い合わせるハードルが下がります。 - アクセス情報や会社所在地の明記
短いマップや写真を載せて、物理的に存在する会社であるという事実を示しましょう。
効果測定と改善の重要性
サイト改善を行った後は「お問い合わせ数が実際に増えたのか?」をデータで確認する必要があります。測定を行うことで現状を把握し、さらに改善するための具体的な方針を立てられます。
測定すべき指標
改善の効果測定には次のようなKPIを設定するのが一般的です。それぞれの数値を定期的に確認し、どの部分が成功しているのか、またどこが課題なのかを見つけてください。
指標 | 内容 |
---|---|
ページビュー数(PV) | 特定ページが何回閲覧されたかを示す |
お問い合わせ完了率 | フォームをどれだけ正しく完了できたかを計測する |
離脱率 | ユーザーが途中でサイトを離れた割合を記録する |
クリック率(CTR) | CTAボタンがクリックされた割合を表示する |
滞在時間 | ページやサイト全体でユーザーがどのくらい滞在したかを示す |
測定ツールの活用
測定の効率を上げるには、専用のツールを活用するのがおすすめです。以下のツールを参考に、訪問者の行動を可視化して改善に役立てましょう。
- Googleアナリティクス
ページのPV数や離脱率など、基本的なアクセス解析機能を無料で使える定番ツールです。 - ヒートマップツール
ページ内でユーザーがよく見る部分や触れる箇所を可視化します。どの箇所が「見られていない」のかを発見しやすくなります。 - お問い合わせフォームの計測
サードパーティのフォームサービスを使うと、完了率や離脱理由を詳細に測定可能。
改善版を実行するステップ
- 測定データをもとに問題箇所を特定
- 改善案を複数立て、どれが有効か仮説を立てる
- 小さなテストを行い、効果の高いものを本格導入
- 最終的に大規模改修として反映する
ユーザー体験を向上するための今後のトレンド
企業サイトを時流に合ったものにするためには、最新トレンドをいち早く取り入れ、常にユーザー目線の動線やデザインに注力することが大切です。以下は今後の重要なトレンドとなる要素です。
シンプルで直感的なデザイン
必要な情報をスピーディに探せる、ミニマリズムなデザインが引き続き求められます。要素が多すぎると却って使いにくくなるため、シンプルながらも機能性を重視する工夫が必要です。
インタラクティブな要素
状況に応じた動的表示やアニメーションの導入は、ユーザーをサイトに引き込みやすくなります。例えば、ボタンを押した瞬間に動作が変わる視覚効果を提供するなど、操作感を重視しましょう。
音声入力やチャットボットの利用
特にスマートフォン利用者の間で主流になりつつあるのが音声入力やチャットボット対応です。これらを導入することで利便性が高まり、より多くの問い合わせを促せるでしょう。
モバイルファーストの重要性を再確認
これまで以上にモバイル環境からのアクセスが増えることを見越して、最初にモバイルベースでデザインを組み立て、その上でPC版を追加していく「モバイルファースト設計」が基本となります。
まとめ
お問い合わせの増加を目指す企業サイトのデザイン設計には、ユーザー目線での「使いやすさ」を徹底的に追求する必要があります。目立つお問い合わせボタン、簡単な入力フォーム、スマートフォン最適化のデザイン、そして信頼感を与える情報やナビゲーション設計など、1つ1つの工夫が訪問者の行動を後押しします。
さらに効果測定と改善を繰り返すことが、長期的に見た問い合わせ数の増加へ繋がります。最新トレンドを取り入れつつ、自社サイトの成長に役立つデザインを取り入れてみてください。
これらの改善を施すことで、サイト全体の使いやすさが向上し、訪問者が自然と行動を起こすようになります。施策を1つ1つ実行に移し、成果を実感していきましょう!