Merchant Centerで小売の売上を伸ばす手順|商品データと不承認対策
この記事の要点
- 成果を左右するのは商品データ(フィード)の質で、広告設定より先に取り組む
- タイトルは重要な情報を先頭に書き、画像は商品が全体の75〜90%を占めるように写す
- サイトに返品と払い戻しのポリシーを明記することが、Merchant Centerの要件
Googleショッピングに商品を出してみたものの、なぜか表示されない。不承認の通知ばかり来て、何を直せばいいのか分からない。せっかく広告費をかけているのに、売上につながっている実感がない。そんなモヤモヤを抱えていませんか。
この記事では、小売業がGoogle Merchant Center(マーチャントセンター)を使って売上を伸ばすために、何を、どの順番で見直せばいいのかを具体的に解説します。専門知識がなくても大丈夫です。起きやすい失敗とその防ぎ方まで、まとめてお伝えします。
Contents / 目次
まず押さえるべき結論。成果を左右する「商品データの質」

先に答えからお伝えします。Merchant Centerで成果を出すために、いちばん大事なのは派手なキャンペーン設定ではありません。商品データ(フィード)の質を上げることです。ここが整っていないと、どれだけ広告費を積んでも空回りします。
なぜかというと、Googleは、Merchant Centerに登録された商品データ(タイトル・商品カテゴリ・価格・ブランドなど)を使って、商品と購入者の検索内容を結びつけているからです。つまり、データが薄いと「この商品が何なのか」をGoogleが正しく理解できず、見当違いの検索に出たり、そもそも表示されなかったりします。お店でいえば、商品の値札やPOPがちゃんと書かれていない状態に近いです。お客さんも店員さんも、それが何でいくらなのか分からない、というわけです。
2026年の今、ここで意識したいのが「AIに正しく理解してもらう」という視点です。Googleショッピングの枠には、P-MAXというAI主導の広告からも配信され、P-MAXではAIが配信先を自動で決めます。AIに良い仕事をさせるには、AIに渡す材料(データ)を充実させるのが先です。材料が悪ければ、どんなに優秀なAIでも良い結果は出せません。
取り組むべきことの全体像を、優先順位の高い順に並べると次のようになります。
| 優先度 | 取り組むこと | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 1. 最優先 | 商品データ(フィード)の整備 | タイトル・画像・カテゴリを正確に充実させる |
| 2. 必須 | データの不一致をなくす | 価格・在庫・送料をサイトと完全に揃える |
| 3. 必須 | ポリシー対応 | 返品ポリシーや連絡先を明記して不承認を防ぐ |
| 4. 成果拡大 | キャンペーン設計 | P-MAXや入札戦略で配信を最適化する |
| 5. 継続改善 | 計測と改善 | コンバージョン計測を入れて数字で判断する |
いきなり4番のキャンペーン設定から手をつけても、1〜3番が整っていなければ成果は出にくくなります。順番が大事なんです。商品データを充実させてから配信を広げる、この流れを覚えておいてください。なお、P-MAXの仕組みについてはP-MAXとは|AIが全枠へ自動配信する仕組みと始め方・除外の要点で解説しています。
商品データを充実させる具体的なやり方。最初にやるべき手順

では、いちばん大事な商品データの作り込み方を、具体的な手順で見ていきましょう。ここはやや地味な作業ですが、ここを丁寧にやれるかどうかで成果が大きく変わります。一緒に整理していきましょう。
ステップ1。商品タイトルを「検索される言葉」に書き直す
最初に手をつけるべきは商品タイトルです。Googleはタイトルを「広告や無料リスティングで特に目立つ要素」と説明しており、購入者の検索内容に商品を一致させるためにも使っています。
コツは、ブランド名・商品名だけで終わらせず、お客さんが検索しそうな属性を前のほうに詰め込むことです。具体的には「ブランド名+商品名+性別/年齢層+色+サイズ+素材」の順を意識します。たとえば「Tシャツ」だけではなく「○○(ブランド)メンズ 半袖Tシャツ 綿100% ネイビー L」のように書きます。大事な言葉ほど先頭に置くのがポイントです。Googleのヘルプによると、表示される文字数は端末によって変わりますが、通常はタイトルの最初の全角35文字程度だからです。
ステップ2。商品カテゴリ(google_product_category)が正しく割り当てられているか確認する
次に、商品カテゴリです。これはGoogleが用意した分類のことで、すべての商品に自動で割り当てられるため、指定は任意です。割り当てられたカテゴリが商品と違っている場合は、google_product_category 属性で、Googleが定めたカテゴリの中から正しいものを指定します(例:「ファッション・アクセサリー > 衣料品 > ワンピース・ドレス」、またはカテゴリの ID)。
ステップ3。画像を基準に合わせ、属性欄を埋める
画像は、販売する商品がはっきり写ったものを使い、商品が画像全体の75〜90%を占めるようにします。サイズは500×500ピクセル以上が要件で(2027年1月31日からすべての商品に適用)、Googleは1,500×1,500ピクセル以上を推奨しています。宣伝文句や透かし、後から重ねたロゴや店舗名が入った画像は不承認の原因になるので避けてください。
また、色・サイズ・性別・素材といった属性は、タイトルに書いていても専用の属性欄に必ず別途入力します。これをやっておくと、お客さんが絞り込み検索したときにきちんと引っかかるようになります。
ここまでの「最初にやるべきチェックリスト」をまとめておきます。新しく出す商品は、この項目を一つずつ潰してから登録すると安心です。
- タイトル:重要な属性を先頭に。最初の全角35文字程度で何の商品か伝わるか
- カテゴリ:自動で割り当てられたカテゴリが商品と合っているか
- 画像:商品が画像の75〜90%を占め、500×500ピクセル以上で、宣伝文や透かし、後から重ねたロゴがないか
- 在庫状況・ブランド・GTIN:在庫状況とブランド(新品の場合)を入れたか。メーカーがGTIN(商品の識別番号)を割り当てている商品はGTINも入れたか
- 補助属性:色・サイズ・性別・素材を専用欄に入力したか
- 価格と在庫:価格は1円の単位まで、在庫状況(在庫あり・在庫なしなど)もサイトの表示と一致しているか
- 返品ポリシー:返品期間と方法をサイトに明記したか
ステップ4。返品と払い戻しのポリシーをサイトに明記する
ここは見落としやすいので補足します。Merchant Centerでは、返品と払い戻しのポリシーをサイトに明記することが要件になっています。ポリシーには、お客様が行う手続き、返品や払い戻しの対象になる状況、返品できる期間、払い戻しにかかる時間を書き、サイト内で簡単に見つけられるようにします。返品や払い戻しを受け付けない場合も、そのことを明記します。商品データにも、返品のポリシーの情報を加えます。
Merchant Centerでは、[商品とショップ]の[送料と返品]から返品に関するポリシーを作成します。構造化データの実装が難しいサイトでも、Google Search Consoleの[設定]>[ショッピング]>[配送と返品]から返品に関するポリシーを追加できます(Googleの確認に10〜13日ほどかかる場合があります)。設定方法はGoogle公式の配送と返品の設定のヘルプページで確認できます。難しいコードを書かなくても対応できる道が用意されているので、まずはここから手をつけてみましょう。
商品データの作り込みは、慣れないうちは手間に感じるかもしれません。ただ、最近はAI(Merchant Center内蔵のProduct Studioなど)が商品画像の加工や動画生成を手伝ってくれる機能も増えています。手作業でやる部分とAIに任せる部分をうまく分けると、ぐっと楽になります。
商品データを作り込むと、どんな成果が見込めるのか

ここまでの作業をやり切ると、実際どう変わるのか。気になりますよね。成果のイメージを具体的にお伝えします。
まず大きいのが、Googleショッピング広告そのものの効率の良さです。商品画像つきで表示されるショッピング広告は、文字だけの検索広告と違い、検索した時点で商品の見た目と価格を見比べてもらえます。特にアパレルやコスメのように見た目で選ばれる商材は相性が良いです。画像が決め手になる商品ほど、ショッピング枠の恩恵を受けやすいんですね。
取り組みの中心は、フィードを定期的に見直し、エラーを放置せず、価格や在庫をサイトと揃え続けることです。派手な設定変更より、地道なデータ整備が配信の土台になります。
P-MAXを使う場合も、P-MAXに切り替えれば自動で売れるわけではありません。P-MAXの配信前に、商品名・価格・在庫情報を確認し、サイトの表示と一致するように修正することが大切です。AIに渡すデータが良いからこそ、AIが力を発揮できているわけです。
成果の出し方の本質。土台(フィード)を充実させる → AI配信(P-MAX)に乗せる → 数字を見て改善する。この順番で進めると、どこを直せば成果が変わるのかを数字で確かめられます。
もう一つ、実店舗を持つ小売なら「ローカル在庫広告」も見逃せません。これはオンライン上で実店舗の在庫を表示し、「今すぐ近くで買いたい」お客さんを店舗に呼び込む仕組みです。ネットと店舗の在庫データをつなぐ手間はありますが、Googleはローカル在庫広告について「オンラインと店舗での販売を促進できます」と説明しています。広告費を無駄にしない考え方はGoogle広告の無駄をなくす5つの見直しポイント|CV計測が最優先もあわせて読んでみてください。
起きやすい失敗と、その防ぎ方

ここからは、実際の運用でつまずきやすいポイントを紹介します。「あるある」ばかりなので、自社が当てはまっていないかチェックしながら読んでみてください。
失敗1。価格・在庫の不一致を放置してしまう
これは不承認の原因になります。セールで値段を変えたのにフィードが古いまま、という状況で起きます。フィードの価格とサイトの価格がズレると、Googleは「表示と違う」と判断して商品を止めます。結果、売れ筋商品がいちばん大事なときに配信停止、という最悪の事態になります。
防ぐには、フィードを毎日自動更新する設定にすること。Merchant Centerには、サイトの構造化データをもとに価格や在庫状況を更新する「商品情報の自動更新」もありますが、Googleは一部の商品の一時的な不一致を修正するための機能で、商品データの定期的な更新の代わりにはならないと説明しています。在庫や価格が頻繁に変わるお店は、Merchant APIで更新するようGoogleは案内しています。手動更新に頼ると、忙しい日ほど更新が漏れます。
失敗2。[注意が必要]タブのエラーや警告を見ていない
Merchant Centerには、商品の問題を教えてくれる[注意が必要]タブがあります。ここに出るエラーや警告を放置すると、知らないうちに商品の表示機会を失い、ひどい場合はアカウント停止につながります。アカウントが止まると全商品の配信が一斉にストップするので、影響は甚大です。
防ぎ方はシンプルで、[注意が必要]タブを定期的に確認する習慣をつけることです。重要度の低い通知も「まだ大丈夫」と放置せず、悪化する前に手を打ちましょう。週に一度、決まった曜日にチェックする、と運用ルールに組み込むのがおすすめです。
失敗3。コンバージョン計測を入れていない
意外と多いのが、そもそも「どの広告から売れたか」を計測できていないケースです。これだと、広告費が効いているのか分からないまま、なんとなく続けるしかなくなります。改善のしようがないんですね。
防ぐには、Merchant CenterとGoogle広告アカウントを連携し、コンバージョン計測を有効にしておくこと。最初に1回設定すれば済む話なので、運用を始める前に必ず済ませておきましょう。数字が見えて初めて、「どの商品にもっと予算を寄せるか」という判断ができるようになります。
失敗4。タイトルや属性が情報不足のまま登録している
「靴」だけのタイトル、GTINや商品タイプの未入力、色・サイズの空欄。こうした情報不足は、商品の表示機会を減らし、関係ない検索に出てしまう原因になります。前の章のチェックリストを使って、登録前に一つずつ埋める癖をつけてください。属性ルールを使えば、ある程度はまとめて埋めることもできます。
使う側の本音。どこまで自社でやって、どこから任せるか
ここでは、Merchant Centerの運用にかかる手間と、自社で行う範囲の決め方を書きます。
Merchant Centerの運用は、正直に言って「片手間でできる軽い作業」ではありません。最初の設定こそ一度きりですが、本当に大変なのはその後です。商品点数が多いお店ほど、フィードの維持管理が重いのです。数百〜数千点の商品の価格・在庫・属性を常に最新に保ち、不承認が出たら原因を調べて直す。この地道な作業が毎日続きます。
さらに、商品データの仕様やポリシーは変更されることがあります。最新仕様はGoogle公式の商品データ仕様のヘルプで確認できますが、本業と並行してこれを追い続けるのは、現実的にかなりの負担です。
そこで判断軸になるのが、内製と外注の切り分けです。目安を整理しておきます。
| 状況 | 向いている進め方 |
|---|---|
| 商品点数が少ない(数十点まで) | 自社でフィードを手入力・運用しやすい |
| 商品点数が多い/頻繁に入れ替わる | フィード管理ツールや外部の伴走を検討 |
| 不承認が続いて原因が分からない | 一度プロに診断してもらうのが早い |
| 担当者が広告も兼任で手が回らない | 運用代行や仕組み化で負担を減らす |
見落とされがちなコストの話もしておきます。フィード管理ツールを入れれば月額費用がかかりますし、自社でやるなら「担当者の時間」という見えにくいコストがかかります。どちらが安いかは商品点数と更新頻度しだいです。「ツールを入れたのに結局運用しきれず放置」となると、費用だけがかかります。ツールは入れれば終わりではなく、回せる体制とセットで考えてください。
業者選びで気をつけたいのは、「広告の配信は得意でも、フィードの中身まで踏み込んでくれるか」という点です。配信設定だけを担当し、データの質には手をつけない契約もあります。前述のとおり成果はデータの質に左右されるので、ここに伴走してくれるかどうかは必ず確認しましょう。内製と外注のバランスの取り方は内製化と外注のハイブリッド戦略|Web広告の役割分担5モデルでも掘り下げています。
よくある質問
Merchant Centerの利用にお金はかかりますか
Merchant Center自体の登録・利用は無料です。費用がかかるのは、ここに登録した商品をGoogle広告(ショッピング広告やP-MAX)で配信したときの広告費です。無料の商品リスティングなら広告費なしで掲載されることもあります。
商品が不承認になりました。何から確認すればいいですか
まず[注意が必要]タブで不承認の理由を確認しましょう。価格・在庫の不一致や、返品ポリシーがサイトに無いことが原因になります。サイトとフィードの情報を揃え、原因を直してから再審査をリクエストします。承認されれば、再び配信されます。
商品点数が少ない小さなお店でも効果はありますか
あります。むしろ点数が少ないほど一つひとつのデータを丁寧に作り込めるので有利です。画像で選ばれやすい商材なら、検索広告より反応が良いこともあります。まずは数点で試して、手応えを見てから広げるのがおすすめです。
フィードの更新はどれくらいの頻度でやるべきですか
価格や在庫が変わる商品は、1日1回以上の自動更新を目安にしてください。価格や在庫が頻繁に変わるお店は、Googleが案内しているMerchant APIで更新すると、サイトとの不一致による不承認を減らせます。手動更新に頼ると更新漏れが起きやすいので、自動化が安心です。
まとめ。商品データを充実させれば、Merchant Centerは強い武器になる
Merchant Centerは、商品データという土台さえ作り込めば、小売の売上を大きく後押ししてくれる仕組みです。タイトルとカテゴリを丁寧に作り、価格や在庫を揃え、ポリシーを満たす。地味ですが、この積み重ねが成果を分けます。
とはいえ、変更の多い仕様を追いながら、本業のかたわらでフィードを管理し続けるのは、現実的に大変な作業です。ここまで読んで「自社だけでやり切るのは難しそう」と感じた方は、まず現在の施策と数字を一緒に確認するところからでも大丈夫です。BtoBのP-MAXで低品質リードを断つ|商談化を上げる設定4手順もヒントになりますが、自社の商品や体制に合わせた進め方を知りたいときは、コレットラボのマーケの右腕(定額制マーケティング支援)にお気軽にご相談ください。広告の設計や配信の調整を、契約の範囲に含められます。お話を聞かせていただくだけでも歓迎です。
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