プレスリリース×SNS広告で新製品の認知を最大化する手順

プレスリリース×SNS広告で新製品の認知を最大化する手順

この記事の要点

  • プレスリリースで信頼、SNS広告で精度の高い拡散を担う役割分担
  • ティザー・当日同時配信・反響紹介の3フェーズ設計
  • PV転載数・SNS反応・広告効果・指名検索の4指標を測定し再利用

せっかく新製品を出してプレスリリースを配信したのに、思ったように反応がなかった。そんな経験はありませんか。

結論から言うと、プレスリリース「だけ」では情報が埋もれます。逆にSNS広告「だけ」では信頼性が足りません。両者を連動させてはじめて、新製品の認知は一気に広がります。この記事では、プレスリリースとSNS広告をどう組み合わせれば認知度を最大化できるのか、配信前後でやるべきことを時系列の手順で、現場目線で具体的に解説します。AIで効率化できる部分と、人がやるべき部分の線引きも率直にお伝えします。

Contents / 目次
  1. プレスリリースとSNS広告は「役割分担」で考えると最大化する
  2. 認知を最大化するプレスリリース×SNS広告の具体的な手順
  3. この合わせ技で、認知はどう変わるのか
  4. よくある失敗と、その回避法
  5. 現場で見えてくる「合わせ技」の落とし穴と妥協点
  6. よくある質問
  7. 自社だけで回しきれないと感じたら

プレスリリースとSNS広告は「役割分担」で考えると最大化する

新製品の認知を最大化したいなら、答えはシンプルです。プレスリリースで「信頼」を、SNS広告で「拡散と精度の高いリーチ」をつくり、両者をひとつの導線でつなぐことです。別々の施策として走らせるのではなく、同じ製品ローンチの中で役割を分担させるのがコツです。

プレスリリースは「第三者が報じた」という信頼性をつくり、SNS広告はその信頼を狙った相手に何度も届ける増幅装置になります。この組み合わせがうまくいくと、最初にニュースで見た製品を、後日SNS広告で再び見かけ、「あ、これ話題になってたやつだ」と認識が定着します。人は同じ情報源より、違う場所で複数回出会った情報を信用しやすいからです。

まず、3つのチャネルの役割の違いを整理しておきましょう。ここを混同すると「全部に同じ投稿を流すだけ」になり、効果が出ません。

チャネル主な役割強み苦手なこと
プレスリリース信頼性・ニュース性の獲得第三者(メディア)に報じられる権威性。検索でも残る配信しただけでは読まれない。拡散力は弱い
SNSオーガニック投稿共感・ファンとの関係づくり無料で継続的に発信できる。UGCを生みやすいフォロワー以外には届きにくい
SNS広告狙った層への拡散とリーチ精度興味関心や役職で精密に狙える。少額から検証できる出稿を止めると露出も止まる。広告くささを嫌われやすい

押さえるべき結論。プレスリリースで「世の中ごと化」し、SNSオーガニックで「共感」をつくり、SNS広告で「狙った相手に何度も届ける」。この3点を1本の導線でつなぐのが、新製品ローンチの基本設計です。

もうひとつ大事な視点があります。それは「BtoBでも有効」ということです。BtoBの新製品は購買検討が長く、関与する人も多いので、ニュースで知った担当者が社内で共有し、その後SNS広告で再接触する、という流れが効きます。実際の進め方はSNS広告で見込み顧客を増やす基本戦略でも触れていますが、本記事では「プレスリリースとの連動」に絞って深掘りします。

新製品の認知度を最大化するプレスリリース×SNS広告術

認知を最大化するプレスリリース×SNS広告の具体的な手順

やるべきことは、配信日を起点にした「前・当日・後」の3フェーズで設計することです。ここを行き当たりばったりにすると、せっかくのニュースが一日で消費されて終わります。順番に見ていきましょう。

フェーズ1。配信1〜2週間前にやる「匂わせ」と準備

配信前にやるべきは、SNSでの「匂わせ投稿」と、広告素材の準備です。いきなり当日にニュースを出すより、数日前から「何か新しいものが出るらしい」という空気をつくっておくほうが、当日の反応が大きくなります。

具体的には、製品の一部だけを見せるティザー画像、開発の裏側、発売カウントダウンなどをオーガニック投稿で出します。ここで全部を見せないのがポイントです。情報を出しすぎるとサプライズが消え、当日の盛り上がりが先細りします。同時に、配信当日に回すSNS広告のクリエイティブ(後述)を仕込んでおきます。

フェーズ2。配信当日の「同時多発」展開

配信当日は、プレスリリース配信とSNS発信を同時に動かします。プレスリリースを出した「だけ」で満足してしまうのが一番もったいない瞬間です。当日にやることをチェックリストにまとめました。

  • プレスリリース配信:朝(午前10〜11時頃)に配信する。メディアの記者が確認しやすい時間帯を狙う
  • 各SNSへの要約ビジュアル投稿:リリース本文をそのまま貼らず、媒体ごとに最適化した形に変換して投稿する
  • リンク導線の設置:投稿には製品ページか、メディア掲載URLへのリンクを必ず置く
  • SNS広告の配信開始:当日からターゲットを絞った広告を回し、ニュースを「知るべき人」に届ける
  • 社内・関係者への共有依頼:役員や社員にも投稿のシェアを依頼し、初速のエンゲージメントをつくる

媒体ごとの使い分けは、ひとことで言うと「同じネタを別の見せ方にする」ことです。X(旧Twitter)は速報性なので短文+画像で「新発売しました」、Instagramはビジュアル重視で世界観の伝わる画像やリール、TikTokは舞台裏や使ってみた動画、というように変えます。全SNSで同じ文章を使い回すのは、最もよくある失敗のひとつです。

この「媒体ごとの書き分け」は、AIに下書きを任せると一気に楽になります。リリース本文を渡して、各SNS用に変換させるプロンプトの例を載せておきます。そのままコピーして、角括弧の部分を自社の情報に差し替えて使ってください。

あなたはBtoB/BtoCの新製品ローンチに強いSNS運用の専門家です。
以下のプレスリリース本文をもとに、X・Instagram・TikTokそれぞれの
特性に合わせたSNS投稿文を作成してください。

# プレスリリース本文
[ここにプレスリリースの本文を貼り付ける]

# 製品の前提
・製品名:[製品名]
・ターゲット:[例:30代の中小企業の総務担当者]
・一番伝えたい価値:[例:申請作業が30分から3分になる]

# 出力ルール
・Xは140字以内。速報感を出し、続きが気になる書き出しにする
・Instagramは150字程度。ビジュアルで伝わる世界観の説明と
  ハッシュタグ案を5個添える
・TikTokは「舞台裏」「使ってみた」など動画前提の構成案を3案、
  各15秒の台本つきで出す
・どの媒体も「業界初」「唯一」など根拠のない最上級表現は使わない
・各投稿の末尾に、リンク誘導の一文を入れる

# 出力形式
媒体名ごとに見出しを立て、その下に投稿文を書く。表は使わない。

このプロンプトでうまくいかないときは、「ターゲット」と「一番伝えたい価値」をより具体的に書き直すと精度が上がります。AIは前提が曖昧だと当たり障りのない文章を返すので、可変部分をどれだけ具体的に埋められるかが品質を決めます。

フェーズ3。配信後の「余韻づくり」で話題を引き延ばす

配信後にやるべきは、一度きりで終わらせず話題を継続させることです。ニュースの寿命は短いので、燃料を追加し続けます。具体的には、メディアに掲載された反響の紹介、ユーザーの感想(UGC)への引用リアクション、開発ストーリーの後日談などを数日かけて出していきます。SNS広告も、初動のデータを見て反応の良いクリエイティブに予算を寄せていきます。

初動3ステップ。まず①配信2週間前にティザー投稿を3本仕込む、②配信当日に媒体別投稿+少額のSNS広告を同時スタート、③配信後1週間は反響紹介を毎日1本出す。この3つだけでも、配信して終わりの状態から大きく前進します。

新製品の認知度を最大化するプレスリリース×SNS広告術

この合わせ技で、認知はどう変わるのか

結論として、プレスリリース単独と比べて「届く人数」と「信頼の深さ」の両方が伸びます。プレスリリースが信頼の入口をつくり、SNS広告がそれを必要な相手に何度も届けることで、単純なリーチの足し算以上の効果が出ます。

イメージしやすいよう、SNS広告側の数字を仮の前提で試算してみます。あくまで例示の数字で、実際は業種やターゲットで大きく変わる点はご了承ください。仮に新製品ローンチで30万円をSNS広告に充て、1,000回表示あたりの費用(CPM)を800円とすると、表示回数は約37.5万回になります。狙った業種・役職に絞って配信すれば、この多くが「製品を知ってほしかった層」への露出です。プレスリリースで一度ニュースに触れた人が、この広告で2回目・3回目に出会えば、記憶への定着率は一気に上がります。

成果イメージとして、うまくいっている企業には共通点があります。それは「プレスリリースの反響を数値で可視化し、それをSNS広告とメディア取材の両方に再利用している」ことです。たとえば、配信したリリースが業界専門メディアに転載されると、そこからの被リンクや指名検索(社名・製品名での検索)が増え、SNS広告のクリック率も上がる、という連鎖が起きます。新製品の認知が「広告を止めたら消える」一過性のものではなく、検索という資産にも変わっていくわけです。

逆に言うと、効果を測らずに「なんとなく出した」状態では、この再利用ができません。何をどう測るかはWeb広告の効果測定の方法もあわせて確認してみてください。最低限、リリースのPV・転載数、SNS投稿のエンゲージメント、広告のリーチとクリック、そして指名検索数の変化、この4つは追っておきたいところです。

新製品の認知度を最大化するプレスリリース×SNS広告術

よくある失敗と、その回避法

ここでは現場で実際によく見かける失敗を、起きる状況・どうなるか・どう防ぐか、のセットで紹介します。新製品のローンチは一度きりのチャンスなので、事前に潰しておきましょう。

失敗1。プレスリリースを配信して、そのまま放置する

広報担当が「配信=完了」と考えていると起きます。配信サービスに登録して送信ボタンを押した瞬間に仕事が終わった気になり、SNSとの連携が一切ないパターンです。こうなると、メディアに拾われなかったリリースは誰にも読まれず消えます。防ぐには、配信を「スタート地点」と位置づけ、当日のSNS投稿と広告配信までを1つのスケジュール表にまとめておくことです。配信ボタンを押す前に、当日・翌日・翌週の投稿予定が埋まっているかを確認しましょう。

失敗2。SNS投稿も広告も「自社の宣伝」ばかりになる

「新発売しました」「ぜひお買い求めください」だけを連投すると起きます。SNSはユーザーが情報を取りに来る場所であって、広告を見に来る場所ではありません。宣伝色が強すぎるとフォロー解除やミュート、広告では「興味なし」を押されてしまいます。防ぐには、製品の機能ではなく「これがあると何がどう変わるか」という体験価値を語ることです。たとえば「申請機能を搭載」ではなく「月末の申請作業がスマホで1分」と言い換えるだけで、受け取られ方が変わります。

失敗3。全SNSと広告で同じクリエイティブを使い回す

制作の手間を惜しんで、1枚の画像を全媒体に流すと起きます。各SNSは利用者の年代も目的も好まれる形式も違うため、どこかには刺さってもどこかでは完全に滑ります。防ぐには、最低でも「縦型動画」「正方形画像」「横長バナー」の3パターンを用意し、媒体ごとに出し分けることです。クリエイティブの量産は、デザイナーがいなくてもCanvaでプロ級バナーを量産する方法のようなツールで対応できます。

失敗4。根拠のない最上級表現で景品表示法に触れる

新製品をよく見せたい一心で「業界初」「No.1」「唯一」を勢いで使うと起きます。根拠(エビデンス)を示せない最上級表現は、景品表示法上の優良誤認にあたるおそれがあり、後から大きな問題になります。せっかくの話題が炎上に転じることもあります。防ぐには、最上級表現を使う前に必ず「これを裏づける調査データはあるか」を自問し、なければ削ることです。価格や還元率を訴求する場合も、条件と期間を必ず明記しましょう。

現場で見えてくる「合わせ技」の落とし穴と妥協点

ここからは、教科書には書かれにくい本音の話をします。プレスリリース×SNS広告は強力ですが、向き不向きと現実的な妥協点があります。これを知らずに走ると「やったのに成果が出ない」となりがちです。

まず率直に言うと、ニュース性のない新製品をプレスリリースにしても、メディアにはほぼ拾われません。「機能を少しアップデートしました」程度の内容を無理にニュース化しても、第三者の信頼性という最大のメリットが得られず、ただの自社広告と変わらなくなります。この場合は、無理にプレスリリースに費用をかけるより、SNS広告に予算を寄せて「知ってほしい人にきちんと届ける」ほうが現実的です。プレスリリースの「社会的な意義」「初めての試み」「市場の変化」のどれかに紐づけられるかが、配信する価値があるかの判断軸になります。

次に、内製と外注の切り分けです。SNS投稿の作成やAIでの下書きは内製しやすい部分です。一方で、プレスリリースの「ニュースとしての切り口づくり」と、SNS広告の「ターゲティング設計と予算配分」は、経験がものを言う領域で、初挑戦だと空回りしやすいところです。ここはAIに任せても、出してくるのは平均的な案にとどまります。最終的な切り口の判断と、配信後の数字を見た予算の寄せ方は、人の判断が要ります。

コストの見落としもよくあります。プレスリリース配信サービス自体は比較的手軽に使えるものもありますが、本当にお金と時間がかかるのは「クリエイティブ制作」と「配信後の運用」です。動画を3パターン作り、反響に毎日反応し、データを見て広告を調整する。この継続運用の人的コストを見込んでおかないと、初日だけ頑張って力尽きる、という結果になりがちです。少額から始めて検証したい場合の考え方は少額予算で始めるBtoB広告の媒体選びも参考になります。

AIで投稿や原稿を量産できる時代だからこそ、「量を出せば当たる」と考えるのは危険です。媒体特性を無視した量産投稿は、エンゲージメントを下げてアカウントの評価を落とすことすらあります。AIは下書きと書き分けの効率化に使い、最終的な「出す・出さない」の判断は人がする。この線引きが、合わせ技を成功させる現実的な落としどころです。

新製品の認知度を最大化するプレスリリース×SNS広告術

よくある質問

プレスリリースとSNS広告、どちらを先にやるべきですか

同じ日に同時展開するのが理想です。あえて順番をつけるなら、配信1〜2週間前からSNSで「匂わせ投稿」をして期待感を高め、配信当日にプレスリリースとSNS広告を一気にスタートさせます。先に世の中ごとの空気をつくっておくと当日の反応が大きくなります。

SNS広告の予算はいくらから始められますか

検証目的なら数万円からでもスタートできます。最初から大きく賭けるより、まず少額で複数のクリエイティブを回し、反応が良いものに予算を寄せていくのが失敗しにくい進め方です。新製品ローンチでは、配信初週のデータを見て調整する前提で組むのがおすすめです。

BtoBの製品でもこの合わせ技は効果がありますか

効果があります。BtoBは検討期間が長く関与者も多いため、ニュースで知った担当者が社内で共有し、後日SNS広告で再接触する流れが効きます。役職や業種で精密に狙えるSNS広告は、むしろBtoBと相性が良い手法です。

AIにどこまで任せていいですか

原稿の下書き、媒体ごとの書き分け、タイトル案出しはAIに任せて大丈夫です。一方で、ニュースの切り口づくりや、配信後の数字を見た予算配分の判断は人がやるべき領域です。AIは効率化の道具、最終判断は人、と切り分けると失敗しません。

自社だけで回しきれないと感じたら

ここまで読んで、「やることは分かったけれど、切り口づくりや配信後の運用まで自社で回しきるのは大変そうだ」と感じた方も多いと思います。新製品のローンチは一度きりのチャンスなので、設計だけでも一緒に整理しておくと安心です。コレットラボのWeb広告運用支援では、プレスリリースとSNS広告の連動設計から運用まで伴走しています。まずは現状を聞かせてもらうだけでも大丈夫です。気軽にご相談ください。

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