AIによる「企画会議」の活性化:煮詰まった時にAIから100個の突拍子もない案をもらい、最高の企画を決める方法

「じゃあ、次回のキャンペーンについて、何かいいアイデアある人?」
会議室に響く、リーダーの明るい声。しかし、その後に続くのは……重苦しい沈黙。「誰か発言してくれないかな」と、みんなが下を向いて資料を見つめるだけの時間。結局、前回と同じような無難な企画に落ち着いてしまう。
みなさんの会社の「企画会議」も、こんな風になっていませんか?
新しいサービスの名前を考えるとき、展示会での見せ方を決めるとき、あるいは毎月のブログのネタをひねり出すとき。「良いアイデアを出さなきゃ!」と思えば思うほど、頭の中は真っ白になってしまいますよね。
実は、これはみなさんの想像力が足りないからではありません。「何もないところから、いきなり正解を出そうとしている」から苦しいのです。
たとえば、冷蔵庫に何もない状態で「今日の夕飯、何が食べたい?」と聞かれると困りますよね。でも、「豚肉とキャベツと卵があるけど、お好み焼きにする? それとも野菜炒め?」と聞かれたら、「お好み焼きがいい!」とすぐに答えられるはずです。
企画会議もまったく同じです。「何もない状態」から考えるのは、大人でも子どもでも、本当に疲れるし難しいことなのです。
そこで大活躍するのが、話題の「生成AI(ChatGPTなど)」です。
この記事では、企画会議で行き詰まったときに、AIを「ブレインストーミング(アイデア出し)の相棒」として使い、たった数分で100個のアイデアを出してもらう方法を解説します。専門用語はできるだけ使わず、小学生から中学生でも「なるほど、そうやればいいのか!」と分かるくらい、やさしい言葉で丁寧にお伝えしていきます。
この記事を最後まで読めば、「早く次の企画会議でAIを試してみたい!」とワクワクするはずです。それでは、さっそく見ていきましょう!
なぜ企画会議はいつも「お通夜」のように静かになってしまうのか?
AIの使い方をご説明する前に、まずは「なぜ人間の企画会議は、あんなに静まり返ってしまうのか?」という原因を知っておきましょう。病気を治すには、まず原因を知ることが大事なのと同じです。
「ブレインストーミング」の本来の意味、忘れていませんか?
会社ではよく「ブレスト(ブレインストーミング)しよう!」と言いますよね。これは本来、「質よりも量! どんなにバカバカしいアイデアでもいいから、とにかくたくさん意見を出し合おう」というルールの話し合いのことです。
ブレインストーミングの絶対のルールは、「他人の意見を絶対に否定しないこと」です。
しかし、実際の会議ではどうでしょうか。「それは予算がないから無理だよ」「前にも似たようなことやったけど失敗したよね」と、せっかく出したアイデアがすぐに潰されてしまうことが多いはずです。これでは、誰も発言したくなくなってしまいます。
上司や先輩の顔色をうかがう「正解探し」になってしまう理由
もう一つの原因は、会議が「上司が気に入る正解を探すゲーム」になってしまっていることです。
会社という組織では、どうしても役職が上の人の意見が強くなりがちです。「部長はこういう真面目な企画が好きだから、あまりふざけた案は出さないでおこう」と、参加者が勝手に空気を読んでしまうのです。
空気を読みすぎると、絶対に「無難でつまらないアイデア」しか出てきません。他社と同じような、どこかで見たことのある企画ばかりになってしまうのは、これが原因です。
ゼロから新しいアイデアを出すのは、人間にとって一番疲れる作業です
そして何より、人間の脳は「ゼロからイチを生み出す」のが大の苦手です。
真っ白な画用紙を渡されて「自由に絵を描いていいよ」と言われると固まってしまいますが、「丸と三角を使って、動物の絵を描いてみて」と条件を出されると、スラスラ描けたりしますよね。
企画会議が静かになるのは、みんなの頭が悪いからではなく、「アイデアの種(ヒント)」がないまま考えようとしているからなのです。
救世主登場!AIを「ブレインストーミングの相棒」にする3つのメリット
そんな「息の詰まる企画会議」をガラリと変えてくれるのがAIです。AIを会議のメンバーに加えると、どんないいことがあるのでしょうか。大きく3つのメリットがあります。
AIは「空気を読まない」(実はこれが最大の長所です!)
AIの素晴らしいところは、「人間の顔色を一切うかがわない」ということです。
AIには「部長に怒られたらどうしよう」とか「こんなこと言ったら笑われるかな」という恥ずかしさや恐怖心がありません。だからこそ、人間がためらってしまうような意見でも、平気でポンポンと出してくれます。
さらに、AIが出した案に対して人間が「それはないでしょ!」と却下しても、AIは絶対に傷つきませんし、すねることもありません。「わかりました! では別の案を考えますね」と、何度でも元気よく考え直してくれます。こんなにタフで扱いやすい部下(相棒)は、人間にはいませんよね。
たった1分で100個のアイデアを出す、圧倒的なスピード
人間が100個のアイデアをノートに書き出すには、何時間もかかってしまいます。途中で「うーん、もう思いつかない……」と手が止まってしまうのが普通です。
しかし、AIならどうでしょう。「アイデアを100個出してください」とお願いすれば、ものの数十秒〜1分ほどで、画面いっぱいに100個のアイデアを並べてくれます。
ここで大事なのは、「その100個すべてが完璧なアイデアである必要はない」ということです。100個の中に、たった1つでも「おっ、これは面白いかも!」と思えるダイヤの原石があれば、それで大成功なのです。
「突拍子もない案」が、実は大ヒット企画の種になる
AIにアイデアをたくさん出させると、中には「そんなのアニメの世界だけだよ!」「うちの会社じゃ絶対ムリ!」と笑ってしまうような、突拍子もない案が混ざっています。
実は、この「突拍子もない案(バカバカしい案)」こそが、他社と差をつけるための最強の武器になります。
たとえば、「名刺交換の代わりに、お互いの好きな食べ物を叫び合う」というAIの案があったとします。そのままではもちろん仕事になりませんが、「じゃあ、名刺の裏に『一番好きな食べ物』を大きく印刷しておくのはどうだろう? 話のきっかけになるかも!」と、現実的なアイデアに変換することができますよね。
突拍子もない案は、人間のカタイ頭を柔らかくするための「ストレッチ体操」のような役割を果たしてくれるのです。

実践!AIから「100個の突拍子もない案」を引き出す具体的なステップ
それでは、ここからは実際にAIを使って、どのようにアイデア出し(ブレインストーミング)をしていくのか、具体的な手順を解説します。
「AIを使ってみたけど、普通の答えしか返ってこなかった」という人は、AIへのお願いの仕方(これを専門用語で「プロンプト」と呼びます)が少し間違っているだけです。以下の4つのステップに沿ってお願いすれば、誰でも面白いアイデアを引き出せますよ。
ステップ1:AIに「役割」を与えてプロのプランナーに変身させる
まずは、AIに「あなたは何者なのか」という役割(キャラクター設定)を与えましょう。ただ「アイデアを出して」と言うより、「あなたは世界一の天才プランナーです」と伝えるだけで、AIの回答は劇的にレベルアップします。
たとえば、こんな風に入力(入力画面に文字を打ち込むこと)してみましょう。
- 「あなたは、誰も思いつかないような斬新なアイデアを出す、天才的な企画プランナーです。」
- 「私たちの会社の悩みを聞いて、面白くてワクワクする解決策を考えてください。」
こうすることで、AIは「まじめで面白みのない回答」ではなく、「少し攻めた、クリエイティブな回答」をするモードに切り替わります。
ステップ2:現状の悩みと「絶対にやってはいけないこと」を伝える
次に、私たちが何に困っているのかを詳しく伝えます。このとき、「これはやりたくない」「これは予算がないから無理」というNG条件(やってはいけないこと)を先に伝えておくのがコツです。
【入力の例】
- 「今度、BtoB(企業向け)の展示会に出展するのですが、うちのブースはお客さんが素通りしてしまいます。」
- 「予算は5万円しかないので、豪華なプレゼントを配るような案はNGです。」
- 「また、ただパンフレットを配るだけの、どこの会社でもやっているような普通の案もいりません。」
ルールを厳しくするほど、AIは「じゃあ、お金をかけずに目立つにはどうすればいいかな?」と、知恵を絞ってくれるようになります。
ステップ3:「とりあえず100個出して!」と無茶ぶりをする
条件を伝えたら、いよいよAIに無茶ぶりをします。ここでのポイントは、遠慮せずに「大量の数」を要求することです。
【入力の例】
- 「上記の条件を守って、展示会のブースでお客さんの足を止めるアイデアを、『100個』出してください。」
- 「最初の20個は現実的な案でいいですが、残りの80個は、宇宙人が驚くような突拍子もない案や、クスッと笑えるようなふざけた案をたくさん混ぜてください。」
なぜ「ふざけた案を混ぜて」とお願いするのでしょうか? それは、AIは基本的に「優等生」なので、放っておくと真面目すぎる答えばかり出してしまうからです。あえて「ふざけていいよ」「暴走していいよ」と許可を出してあげることで、AIの本当の力が発揮されます。
※参考までに、AIを活用したブレインストーミングの基本的な考え方については、こちらの記事(AIを使ったブレインストーミングの手法)でも詳しく解説されていますので、興味があれば読んでみてください。
ステップ4:出てきた案の「面白い部分」を人間が掛け合わせる
AIが1分ほどで100個のアイデアを出してくれたら、みんなでそれを眺めてみましょう。
おそらく、「これは絶対無理だろ!」というおかしな案がたくさんあるはずです。でも、それでいいのです。会議の参加者全員で、AIの案を見ながら「この17番の案、バカバカしいけど面白いね」「73番の案と、5番の案をくっつけたら、現実的にできるんじゃない?」とおしゃべりしてみてください。
人間の役割は、「AIが出したバラバラの材料を、料理して美味しくすること」です。ゼロから考えるのは辛いですが、目の前にある100個のアイデアを「選んで、組み合わせる」だけなら、誰でも楽しくできるはずです。

企画の「決め方」もAIにお任せ?アイデアを賢く絞り込むテクニック
さて、100個のアイデアから「これとこれは良さそうだな」と、いくつか候補が絞れたとします。でも、「最終的にどれか1つに決める」というのも、また悩ましいですよね。
実は、この「企画の決め方(評価と絞り込み)」の段階でも、AIはとても役に立ちます。
「実現できるか」と「インパクト」の2つの基準で点数をつけさせる
いくつかの候補が残ったら、AIに「これらを採点して」とお願いしてみましょう。
たとえば、こんな風に指示を出します。
- 「残った5つのアイデアについて、『実現のしやすさ(コストや手間の少なさ)』と『お客さんに与えるインパクト(驚きや喜び)』の2つの基準で、それぞれ10点満点で点数をつけてください。」
- 「そして、なぜその点数にしたのか、理由も短く教えてください。」
するとAIは、「この案は面白いですが、準備に時間がかかるので実現しやすさは4点です」というように、冷静な目で分析してくれます。人間の会議だと「声の大きい人の意見」が通りがちですが、AIは誰に対しても公平に評価をしてくれるのが嬉しいポイントです。
ターゲットのお客さんの気持ちになって「辛口評価」してもらう
さらに面白い使い方として、AIに「お客さんの役」を演じてもらい、辛口のコメントをもらう方法があります。
【入力の例】
- 「あなたは、ITツールを探している50代の社長です。毎日忙しくて、面倒な説明を聞くのが大嫌いです。」
- 「この企画を見たとき、あなたはどう思いますか? 本音で、かなり厳しくダメ出しをしてください。」
こうお願いすると、AIは「忙しいのに、こんなに長い説明を読まされるのはウンザリする」「本当にうちの会社に役立つのか、これじゃサッパリ分からない」などと、耳の痛い指摘をしてくれます。
この「疑似的なお客さんの声」を聞くことで、「あ、たしかにここは説明不足だったな」「もっとキャッチコピーを短くしよう」と、企画を磨き上げることができるのです。
最終的に「決める」のは、AIではなく人間の大切なお仕事です
ここまでAIに手伝ってもらいましたが、絶対に忘れてはいけない大切なルールがあります。
それは、「最終的にどの企画をやるか決断するのは、AIではなく人間である」ということです。
AIはあくまで「データに基づいて確率の高い答え」を出しているだけで、「この企画をやったら会社がどうなるか」という責任を取ることはできません。「よし、今回はこの企画で勝負しよう!」と腹をくくって決めるのは、血の通った人間の、一番カッコいい仕事なのです。
※企画の決定プロセスにおいて、人間がどのようにAIと協業すべきかについては、こちらのビジネスコラム(AI時代の意思決定)などでも、専門家の間で活発に議論されています。

BtoB企業で実際に起きている「AI企画会議」の成功事例
「本当にAIのアイデアが仕事の役に立つの?」とまだ半信半疑の方のために、企業同士の取引(BtoB)を行っている会社で、実際にAIを使って成功した例を2つご紹介します。
ネタ切れだったBtoBブログが、AIのアイデアで大復活
あるシステム開発の会社では、自社のホームページでブログを書いていました。しかし、「もう書くネタがないよ…」と担当者はすっかり疲れ切っていました。
そこで担当者は、AIに「うちの会社が書くべき、少し変わったブログのテーマを50個考えて」とお願いしました。すると、AIから「もし戦国武将がうちのシステムを使ったら、歴史はどう変わっていたか?」という、ふざけた(でも面白い)提案が出てきました。
担当者は「これは面白い!」と思い、実際にそのテーマで記事を書いたところ、SNSで「この会社のブログ、面白くて分かりやすい!」と話題になり、ホームページへの訪問者が一気に3倍に増えたのです。
この事例のように、AIを使って毎日のネタ切れを解消する仕組みを作りたい方は、ぜひ当サイトの記事「AIを活用した「ネタ切れ」解消ルーチン:業界ニュースからBtoBブログの題材を毎日5つ提案させる方法」も読んでみてください。
展示会のノベルティ企画で、前代未聞のアイデアが採用されたお話
もう一つの例は、工場の機械を作っている会社のお話です。展示会でお客さんに配るおまけ(ノベルティ)として、いつもボールペンやクリアファイルばかり配っていて、誰も喜んでくれませんでした。
「予算100円以内で、お客さんがクスッと笑って会社に持ち帰りたくなるものを考えて」とAIに100個のアイデアを出させました。
その中に、「自社の機械の『取扱説明書』を、ものすごく難しく書いた『眠くなるお経のような本』を作る」という変なアイデアがありました。
これをヒントにして、「夜眠れないエンジニアのための、うちの機械の超マニアックな解説ブック(睡眠導入剤の代わり)」という小冊子を作って配ったところ、「こんなに面白い会社があるのか!」と大好評になり、名刺交換の数が過去最高になったそうです。
広報やPRの担当者が、どのようにAIを相棒にして活躍しているかについては、「BtoB企業向け「AI広報部」の作り方|1人広報がAIを相棒にして3人分の成果を出す体制構築術」という記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
AIを企画会議に導入するときの注意点(現場でやっちゃいがちな失敗)
AIはとても便利ですが、使い方を間違えると逆効果になってしまうこともあります。ここで、よくある失敗パターンを2つ紹介しておきます。みなさんは同じ失敗をしないように気をつけてくださいね。
AIのアイデアをそのまま「コピペ」して満足してしまう
一番やってはいけないのが、AIが出してきた文章やアイデアを、そのまま一言一句変えずに(コピー&ペーストして)使ってしまうことです。
AIが書いた文章は、どこか「機械っぽさ」や「冷たさ」が残ります。そのまま企画書に貼り付けて上司に提出すると、「これ、自分で考えてないよね?」とすぐに見抜かれてしまいます。
AIが出してくれたのは、あくまで「下書き」や「素材」です。そこに、あなた自身の経験や、会社ならではの「熱い想い」を付け足して、初めて価値のある企画になることを忘れないでください。
指示(プロンプト)が雑すぎて、当たり障りのない案しか出てこない
「AIを使ってみたけど、大したアイデアが出なかったよ」と言う人の画面を見せてもらうと、たいていAIへのお願いの仕方が短すぎます。
たとえば「面白い企画を考えて」とだけ入力しても、AIは「誰に向けて?」「予算はいくら?」「何が目的なの?」という状況が分からないので、誰にでも当てはまるようなつまらない答えしか返せません。
AIは、超優秀ですが「空気を読む」ことはできません。人間なら「言わなくても分かるでしょ」と思うことでも、AIには「5歳の子供に説明するつもりで」しっかりと細かく条件を伝えることが大事です。

まとめ:AIは「正解」をくれる魔法の箱ではなく、最強の「壁打ち相手」です
いかがでしたでしょうか?「AIを使って企画会議をする」と聞くと、なんだか難しそうに感じたかもしれませんが、やっていることはとてもシンプルです。
AIは、何でも知っている神様ではありませんし、あなたの代わりに仕事の責任を取ってくれるわけでもありません。
でも、「文句を言わずに100個のアイデアを出してくれる」「どんなにバカバカしい案を出しても怒らない」「24時間いつでも相談に乗ってくれる」という点では、これ以上ないほど頼もしい「壁打ち相手(相談相手)」になってくれます。
次回の企画会議で「みんな黙っちゃったな…」と思ったら、ぜひパソコンを開いて「ちょっとAIに100個アイデア出させてみましょうか!」と提案してみてください。きっと、そこから「アハハ、何このアイデア!」という笑いが生まれ、そこから素晴らしい企画が育っていくはずです。
よくある質問(FAQ)
AIに会社の秘密や新商品の名前を入力しても大丈夫ですか?
無料版のAI(ChatGPTなど)に入力した内容は、AIの学習データとして使われてしまう危険があります。そのため、発売前の秘密の情報や、お客様の個人情報などは絶対に入力しないでください。「架空の会社」として設定して相談するか、入力内容を学習されない「法人向けの安全なAI」を使うのが安心です。
AIがたくさんありすぎて、どれを使えばいいか分かりません。
まずは無料で使える有名な「ChatGPT(チャットジーピーティー)」や「Claude(クロード)」から試してみるのがおすすめです。どちらも文章を作ったりアイデアを出したりするのがとても上手です。まずはスマホやパソコンで無料登録し、雑談感覚で話しかけてみることから始めてみましょう。
年配の上司が「AIなんて信用できない」と反対するのですが、どう説得すればいいですか?
「AIに全部任せるわけではなく、あくまでアイデアのヒントをもらうための『便利な辞書』として使います」と伝えてみてください。実際にAIが考えた案をいくつか見せて、「これ、AIが10秒で考えたんですよ。ここから人間が選びます」と実演してみせると、面白がって納得してくれることが多いです。

