企画会議でAIに100案出させて煮詰まりを抜け最高の企画を決める方法
この記事の要点
- 企画づくりは「発散」と「収束」を分け、AICは発散と整理、決定は人が担う
- 100案出すコツは前提を渡し、視点とフレームを切り替えて量を稼ぐこと
- AIの案はたたき台。一次情報での裏取りと自社の独自視点で仕上げる
企画会議で「もう案が出尽くした」「毎回似たアイデアばかり」と煮詰まっていませんか。多くの会議は、出す量が足りないまま絞り込みに入ってしまうのが原因です。
この記事では、AIに一気に100案出させて発想の行き詰まりを抜け、その中から最高の企画を選び抜くまでの具体的な進め方を解説します。渡す材料、たたき台のプロンプト、案の絞り込み方、よくある失敗の防ぎ方まで、そのまま会議で使える形でお伝えします。
Contents / 目次
結論。企画は「発散」と「収束」を分け、発散をAIに任せる

結論から言うと、企画会議の煮詰まりは「アイデアを出す作業(発散)」と「アイデアを絞り込む作業(収束)」を同じ時間にやろうとするから起きます。この2つを分け、発散の量稼ぎをAIに任せるのが解決の近道です。
発散とは、質を気にせずアイデアを大量に広げる段階のことです。収束とは、その中から筋の良いものを選び、1つのコンセプトに束ねる段階のことです。人間は「いい案を出さなきゃ」と思うと自己検閲が働き、量が出ません。AIはこの量稼ぎが得意です。
役割分担がカギ。AIに任せるのは「発散」と「整理」まで。市場性や実現可能性の最終判断、そして「これでいく」という意思決定は必ず人がやります。ここを混同すると、AI任せの薄い企画になります。
まず押さえてほしいのは、AIと人で「得意なこと」がはっきり分かれている点です。どこを任せ、どこを自分でやるかを最初に決めておくと、会議がぶれません。
| 工程 | 担当 | やること |
|---|---|---|
| 前提整理 | 人 | 目的、ターゲット、予算、制約をAIに渡す材料として書き出す |
| 発散(100案出し) | AI主導 | 視点やフレームを変えて大量のアイデアを生成する |
| 整理・分類 | AI主導 | 似た案をグルーピングし、軸ごとに並べ替える |
| 評価・絞り込み | 人主導+AI補助 | 評価基準で点数化し、上位を人が選ぶ |
| 最終決定 | 人 | 市場性・実現性・自社らしさで決め切る |
この表のとおり、AIは「数を出す係」と「整理係」、人は「決める係」です。会議の前にこの分担を共有しておくだけで、議論が前に進みやすくなります。
使うツールは、ChatGPT、Claude(Anthropic)、Gemini(Google)など、対話しながら大量に出せる生成AIならどれでも構いません。ブラウザ版でも十分ですが、サービスによってはデスクトップアプリも用意されているので、日常的に企画で使うなら自分の使いやすい方を選べば大丈夫です。
AIに100案出させる具体的なやり方と手順

100案を出す手順は、次の3ステップです。やみくもに「アイデアを100個出して」と頼むと、似た案が並んで質が落ちます。順番に見ていきましょう。
- 前提を渡す
- 視点とフレームを切り替えて量を稼ぐ
- 整理させる
ステップ1。AIに渡す「前提」を準備する
AIの出力は「何を読ませるか」でほぼ決まります。つまり、いい前提を渡せば、いいアイデアが返ってきます。会議の前に、次の材料を箇条書きで用意しておきましょう。
- 目的:この企画で何を達成したいか(例:新規顧客の獲得、既存客の単価アップ)
- ターゲット:誰に届けたいか(年齢、職種、悩み、利用シーン)
- 制約:予算の上限、納期、使えるチャネル、やってはいけないこと
- 過去の実績:これまでうまくいった案、外した案、その理由
- 避けたい方向:「これは既出だから要らない」という除外条件
この前提が薄いと、AIは当たり障りのない一般論を返します。逆に、自社の状況を具体的に渡すほど、自社向けの案が出ます。ターゲットの解像度を上げたいときは、ペルソナとはAIで設定!悩みを分析し刺さる言葉を見つける方法の手順も合わせて使うと、前提づくりが楽になります。
ステップ2。たたき台プロンプトを渡して量を出す
いまの生成AIは、ざっくり頼めば自分で良い指示文に整えてくれます。だから完成された長いプロンプトを作り込む必要はありません。出発点として、次のような短いたたき台(seed)を渡し、あとは対話で詰めるのが効率的です。
あなたは[業種を入力]の企画ディレクターです。
次の前提で、企画アイデアを20案出してください。
【目的】[目的を入力]
【ターゲット】[ターゲットを入力]
【制約】[予算・納期・チャネルを入力]
【除外】[既出・避けたい方向を入力]
条件:
- 1案ごとに「タイトル」「ひと言の狙い」を書く
- 似た案を並べず、毎回ちがう切り口にする
- 突飛な案も混ぜてよい(質より量を優先)
ポイントは、一度に100案を求めないことです。「20案ずつ、視点を変えて5回」に分けると、似た案の重複が減り、結果的に質の高い100案が集まります。2回目以降は「次は競合の視点で20案」「次は顧客が困っている瞬間に注目して20案」と、見る角度を指定していきます。
量を稼ぐコツは、視点とフレームを切り替えることです。同じお題でも、立つ場所を変えるだけで出てくる案がガラッと変わります。
- 視点を変える:顧客視点、競合視点、現場スタッフ視点、投資家視点、10年後の視点
- フレームで縛る:「既存の何かと組み合わせたら」「逆にやめたら」「別の業界のやり方を真似たら」
- 極端に振る:「予算が10倍あったら」「予算ゼロでやるなら」「明日やるなら」
かんたんに言うと、AIに「お題は同じだけど、立ち位置を変えてもう一度考えて」と頼み続けるイメージです。これを繰り返すと、人間だけでは出てこなかった角度の案がどんどん集まります。
ステップ3。出た案をAIに整理させる
100案も出ると、今度は読むのが大変になります。そこで、絞り込みの前にAIへ整理を頼みます。整理の頼み方はシンプルです。
これまで出した案を、似たもの同士でグループに分けてください。
各グループに名前をつけ、代表的な案を3つずつ挙げてください。
そのうえで、「すぐ実行できそう」「予算が大きい」の
2つの軸で各グループの位置づけも教えてください。
こうすると、100案がいくつかのテーマに束ねられ、全体像がつかめます。発散と整理で別々のAIを使い分ける「リレー」のやり方も、自社で試して相性の良い組み合わせを探してみてください。
絞り込みのチェックリスト。整理された案から最終候補を選ぶときは、次の5項目で各案を点数化すると、好き嫌いではなく根拠で選べます。
- 目的との一致:最初に決めた目的に直結しているか
- ターゲットへの刺さり:狙った相手が本当に喜ぶか
- 実現可能性:今の人員・予算・納期でやり切れるか
- 自社らしさ:他社が真似しにくい、自社ならではの強みが乗っているか
- 効果の大きさ:当たったときのリターンが手間に見合うか
各項目を5点満点でつけ、合計点の高い順に並べます。点数はあくまで議論のきっかけです。最後は「この企画でいく」と人が決め切ります。会議そのものの段取りやタスク化までAIに手伝わせたい場合は、BtoB向けAIで会議を効率化|Zoom・Meetからタスク自動抽出も参考になります。
取り組むと企画会議はどう変わるか

この進め方を取り入れると、まず「アイデアが出ない沈黙の時間」が消えます。発散をAIが担うので、会議は最初から「どれを選ぶか」という前向きな議論から始められます。
実際、生成AIをアイデア出しや商品企画に取り入れる企業は増えています。うまく使っているケースに共通するのは、AIを「答えを出す機械」ではなく「大量のたたき台を出すパートナー」として使っている点です。
数字のイメージもつかんでおきましょう。社内の状況によって大きく変わるため、あくまで仮の試算として、次のように考えてみます。
- 短縮前:企画会議の準備(リサーチや案出し)に毎回半日(4時間)かけていた
- 短縮後:AIで前さばきして30分に短縮できたと仮定
- 月の削減時間:月4回の会議なら、月あたり14時間ほど
- 金額換算:担当者の時間単価を仮に3,000円とすれば、月4万円超の人件費に相当
もちろんこれは前提次第で変わる例示です。それでも、削減できた時間を「案を出す作業」から「案を磨く・検証する作業」に回せることの価値は大きいです。浮いた時間を顧客への確認やテストに回せれば、企画の精度を上げる余地が生まれます。
もう一つの変化は、会議の属人化が減ることです。これまで「アイデアが出せる一部の人」に頼っていた発散を仕組みに変えられるので、若手や新メンバーでも会議に貢献しやすくなります。
よくある失敗と回避法

便利な反面、使い方を間違えると「AIっぽい薄い企画」しか出てこなくなります。現場でよく見かける失敗を3つ、防ぎ方とセットで紹介します。
失敗1。前提を渡さず「いい企画を出して」と丸投げする
目的もターゲットも渡さずに頼むと、AIは検索すれば出てくるような一般論を返します。そうなると「これ、どこかで見たな」という案ばかりになり、会議が盛り下がります。防ぐには、ステップ1の前提を必ず先に渡すことです。前提が具体的なほど、自社向けの案に変わります。
失敗2。AIの案をそのまま採用してしまう
AIは事実と異なる内容を、もっともらしく出すことがあります。これをハルシネーション(AIがそれらしい嘘を生成する現象)と言います。たとえば「この調査で◯◯%」といった数字や、存在しない事例を平気で混ぜてくることがあります。
防ぎ方はシンプルです。AIの出力は必ず「たたき台」と位置づけ、数字や事例は人間が一次情報で裏を取る。これを会議のルールにしておきます。市場性や実現性の最終判断も、AIではなく人がやると決めておきましょう。
失敗3。似た案ばかりで独自性が出ない
AIは学習データをもとに答えるため、放っておくと無難で似通った案に寄りがちです。新しいことをしているつもりが、結局どこかで見た企画になってしまいます。これを防ぐのが、ステップ2の「視点を変えて出し直す」やり方です。
さらに、自社の現場で蓄積したノウハウや、社内にしかない裏話・失敗談をAIに渡すと、他社が真似できない案に化けます。AIの案に自社の暗黙知を重ねる、ここが差をつけるポイントです。
失敗4。機密情報をそのまま入力してしまう
未公開の新商品情報や顧客リストなどを安易に入力すると、情報管理の面でリスクになります。会社で使うなら、入力してよい情報の範囲を最初に決め、必要に応じて学習に使われない設定や、業務向けのセキュアな環境を選ぶのが安全です。迷ったら、固有名詞を伏せて一般化した形で相談するだけでも十分にアイデアは出ます。
使う前に知っておきたい現場の落とし穴と妥協点
ここからは、教科書には載らない「現場でぶつかる本音」をお伝えします。AIで100案出すのは、実はそんなに難しくありません。本当に難しいのは、その先の「決め切る」ところと「やり切る」ところです。
まず正直に言うと、案が100個あること自体は、決断をむしろ重くします。選択肢が増えると人は迷い、「もう少し他の案も見てから」と決定を先延ばししがちです。
だからこそ、評価基準を会議の前に決めておくことが効きます。基準なしで100案を眺めると、声の大きい人の好みで決まってしまい、せっかくの量出しが台無しになります。
次に、AIは「平均的に良い案」を出すのは得意でも、「振り切った尖った案」を最後まで磨くのは苦手です。とがったアイデアは、たいてい最初は「リスクが高そう」に見えます。AIの点数化だけに頼ると、こういう案は埋もれます。勝負どころでは、点数が低くても「これは面白い」と人が拾い上げる勇気が要ります。
「AIを入れれば企画力が上がる」と期待しすぎないことも大切です。AIは発散と整理を速くするだけで、企画の良し悪しを決める目利きは人に残ります。ツールを入れて終わりにせず、自社の判断軸を育てるセットで考えてください。
内製と外注の切り分けも悩みどころです。発散と整理は社内で十分回せます。
一方で、「自社の業務に合わせたAIの使い方を設計する」「会議のどこを仕組み化するか決める」といった土台づくりは、最初だけ外部の伴走を入れると立ち上がりが早くなります。逆に言えば、毎回の会議運用まで丸投げする必要はありません。最初に型を作り、あとは自走するのが理想です。
コストの見落としも一つ。生成AIを思い通りに使えるようになるまでには、ある程度の習熟時間がかかります。
「小さく始めて、うまく育てる」が鉄則です。いきなり全社展開するより、まず1つの会議でテストし、小さな成功体験を積んでから広げる方が、結果的に早く定着します。
キャッチコピーの量産から試したい方は、AIで作るバナーのキャッチコピー|100本ノックのやり方のような身近なテーマから入るのもおすすめです。
よくある質問
AIに100案出させると、結局どれも似た案になりませんか
一度にまとめて頼むと似がちです。防ぐには「20案ずつ、視点を変えて5回」に分けるのが有効です。顧客視点、競合視点、別業界のやり方など、立ち位置を毎回指定すると、重複の少ない多彩な案が集まります。
無料のAIでも企画のアイデア出しに使えますか
無料版でも十分アイデア出しはできます。ただし長文の前提を渡したり大量に出したりするなら、有料版や常用しやすいデスクトップアプリの方が快適です。まずは無料で試し、手応えがあれば広げる順番がおすすめです。
AIが出した案をそのまま企画書にしても大丈夫ですか
そのままは避けてください。AIは事実と違う内容を混ぜることがあるため、数字や事例は必ず一次情報で裏を取りましょう。AIの案はたたき台と考え、自社ならではの視点を重ねて仕上げると、独自性のある企画になります。
機密情報は入力しても問題ないですか
未公開情報や顧客データの入力は慎重に。学習に使われない設定や業務向けのセキュアな環境を使うのが安全です。迷うときは固有名詞を伏せ、一般化した形で相談するだけでも、実用的なアイデアは十分に得られます。
まとめ。発散はAI、決定は人で会議は変わる
企画会議の煮詰まりは、発散と収束を分け、量稼ぎをAIに任せることで抜け出せます。前提を渡し、視点を変えて100案出し、評価基準で絞り込み、最後は人が決める。この型を一度作れば、毎回の会議がぐっと前向きになります。
とはいえ、自社の業務に合わせてどこを仕組み化するか、どのAIをどう使い分けるかを一から設計するのは、思った以上に手間がかかります。ここまで読んで「自社だけでやり切るのは大変そう」と感じた方は、コレットラボのAI業務システム化支援にお気軽にご相談ください。いきなり契約ではなく、まずは現状を整理するだけでも大丈夫です。AI業務システム化の詳細はこちらからお話を聞かせてください。
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