AIで作るバナーのキャッチコピー|100本ノックのやり方

AIで作るバナーのキャッチコピー|100本ノックのやり方

この記事の要点

  • 100本ノックの肝は「量産」より「絞り込み」。AIに100案出させ、人が10案に削る分業設計
  • 成果を分けるのは前提情報。ターゲット・訴求の軸・禁止事項を渡してから生成する
  • 整いすぎて刺さらないコピー対策は、切り口の指定と人による最終調整で防ぐ

バナーのキャッチコピーが思いつかない、毎回ゼロから絞り出すのがしんどい。そんな状態で手が止まっていませんか。

この記事では、AIにキャッチコピーを100本出させて、その中から本当に使える1本を選び抜く「100本ノック」のやり方を、現場目線で具体的に解説します。プロンプトのたたき台、評価のチェックリスト、A/Bテストへの渡し方まで、読みながらそのまま実行できる手順でまとめました。

Contents / 目次
  1. 結論。100本ノックは「量産」ではなく「絞り込み」で成果が決まる
  2. AIでキャッチコピーを100本作る具体的な手順
  3. 100本ノックを続けると現場はどう変わるか
  4. よくある失敗と、その防ぎ方
  5. 使う前に知っておきたい、現場のリアルな落とし穴
  6. よくある質問

結論。100本ノックは「量産」ではなく「絞り込み」で成果が決まる

AIで作るバナーのキャッチコピー100本ノックのやり方

最初に結論からお伝えします。AIでキャッチコピーを100本作る目的は、たくさん作ること自体ではありません。大量に出した中から、刺さる1本を選び抜くためです。

人が一人でうなって5案ひねり出すより、AIに100案出させて人が10案に削り、最後の2案を選ぶ。この「分業」こそが100本ノックの本質です。アイデアの幅はAIに任せ、良し悪しの最終判断は人がやる。役割をはっきり分けるほど、結果は安定します。

やるべきことは、次の3つに集約できます。

  • 前提を渡す:誰に・何を・どの軸で売るかをAIに先に教える
  • 切り口を散らして量産する:同じ言い回しの量産ではなく、訴求の角度を変えて100本出す
  • 基準で絞る:感覚で選ばず、評価のものさしを決めて10本→2本に削る

この3ステップを回すだけで、「なんとなく良さそう」で1本に決めていた今までと比べて、選択の精度が大きく変わります。従来のやり方と100本ノックの違いを、工程ごとに並べてみます。

工程人だけでやる場合AIと100本ノック
案出し1人で2〜5案。発想が枯れやすいAIが切り口別に100案。幅が出る
かかる時間半日かけて数案生成は数分。絞り込みに時間を使える
選定好みや勢いで決まりがち基準表で点数化して選べる
人の役割ゼロから書く負担が大きい評価・調整に集中できる

つまり、AIは「書く人」ではなく「選択肢を広げる人」。人は「書く人」から「選んで仕上げる人」に変わります。この役割転換を前提に、次から具体的な手順を見ていきましょう。なお、AIに大量のアイデアを出させて煮詰まりを抜ける考え方は企画会議でAIに100案出させて最高の企画を決める方法でも詳しく扱っています。

AIでキャッチコピーを100本作る具体的な手順

AIで作るバナーのキャッチコピー100本ノックのやり方

ここからは、実際に手を動かす流れを順番に説明します。使うツールはChatGPT、Claude、Geminiなど、対話できる生成AIならどれでも構いません。

ステップ1。AIに「前提」を渡す

最初にやるのは、AIに材料を渡すことです。前提なしで「キャッチコピーを100個作って」と頼むと、当たり障りのない一般論しか返ってきません。次の4つを言葉にして渡してください。

  • 誰に:ターゲットの立場と、抱えている具体的な悩み
  • 何を:商品やサービスを一言で言うと何か
  • どの軸で:価格・時短・品質・安心など、今回押す訴求を1つに絞る
  • 禁止事項:使ってはいけない表現(誇大表現、他社比較、難しい専門用語など)

ターゲットの悩みがあいまいなら、先に整理しておくと精度が上がります。悩みの言語化にはペルソナとはAIで設定。悩みを分析し刺さる言葉を見つける方法が参考になります。

ステップ2。切り口を指定して20本ずつ生成する

100本を一気に出すと、似た言い回しが並んで「実質10種類」になりがちです。これを防ぐには、切り口を指定して小分けに出すのがコツです。1回20本×5セットで、合計100本を目指します。

切り口の代表例は次のとおりです。これをセットごとに指定すると、表現が散らばって被りが減ります。

  • 悩み提起型:「〜で困っていませんか」と痛みを言い当てる
  • 数字型:「3分で」「コスト30%減」など具体的な数で示す
  • 逆説型:「頑張らないほうが伸びる」など常識を裏返す
  • ベネフィット型:使った後の良い未来を見せる
  • 問いかけ型:「あなたはどっち」と読み手に考えさせる

渡すプロンプトは、作り込まず「たたき台」で十分です。いまのAIは、ざっくり頼んでも自分で整えてくれます。下のseedを出発点にして、あとはAIと対話しながら自社の状況に合わせて詰めてください。

あなたはBtoB商材の広告コピーライターです。
商品=[商品名・一言で何か]
ターゲット=[誰の・どんな悩みか]
訴求の軸=[時短/価格/品質など1つだけ]
禁止=誇大表現・他社比較・難しい専門用語
このバナーは「1枚=1メッセージ」です。
まず「悩み提起型」で20本、キャッチコピー案を出してください。
1本は全角25文字以内。番号を付けて一覧で。

1セット出たら、「次は数字型で20本」「次は逆説型で20本」と続けるだけです。気に入った方向があれば「3番の路線でさらに10本」と深掘りもできます。

ステップ3。基準を決めて100本を10本に絞る

ここが一番大事な工程です。100本を眺めて感覚で選ぶと、結局いつもの好みに戻ってしまいます。評価のものさしを決めて、点数で削っていきましょう。下のチェックリストで各案を採点します。

評価の観点確認すること
1メッセージか言いたいことが1つに絞れているか。詰め込みすぎていないか
ターゲットに刺さるかその悩みを持つ人が「自分のことだ」と感じるか
具体性があるか誰にでも言える一般論で終わっていないか
嘘がないか商品が実際に提供できる範囲を超えていないか
自社らしいかブランドのトーンから浮いていないか

各観点を○△×で付け、○が多い順に並べれば、自然と上位10本が残ります。この10本から、トーンの違う2本を選んでA/Bテストに回すのがおすすめです。

最後の仕上げは、必ず人がやります。AIの案は語尾が硬かったり、リズムが悪かったりすることがあります。「です・ます」を体言止めに変える、一文字削ってテンポを出す、といった微調整で、グッと自社の声に近づきます。出力に自社らしさを足す考え方はAI感を消すルール作り。AI文章に自社らしさを注入するガイドも合わせて読むと進めやすいです。

ポイント。100本ノックは「100本作って終わり」ではありません。100本→10本→2本と削り、最後に人が磨く。この絞り込みの工程まで含めて1セットです。

100本ノックを続けると現場はどう変わるか

AIで作るバナーのキャッチコピー100本ノックのやり方

結論から言うと、最大の変化は「コピーづくりが属人化から外れる」ことです。これまで一部の人の感覚に頼っていた作業が、前提を渡して量産して絞る、という手順に置き換わります。担当者が変わっても同じ品質を保ちやすくなります。

時間の使い方も変わります。これまで案出しに半日かけていたのが、生成は数分で終わるようになります。空いた時間を、ターゲットの再確認や絞り込み、テスト設計という「成果に直結する考える作業」に回せます。作業が減るのではなく、作業の中身が良いほうに入れ替わるイメージです。

業界全体でもこの流れは進んでいます。たとえばサイバーエージェントは、広告制作の各工程にAIを導入する取り組みを公開しています(サイバーエージェントのAIクリエイティブ)。大手だけの話に聞こえるかもしれませんが、「人が全部書く」から「AIで広げて人が選ぶ」へという発想の転換は、中小企業でもそのまま取り入れられます。

成功している現場には共通点があります。それは、最初から大きく広げないことです。いきなり全媒体・全商品でやろうとせず、1つの媒体・1つの商品・1つの訴求に絞ってテストし、手応えを見てから横に広げています。小さく回して勝ちパターンを見つけ、それを増やしていく。地味ですが、これが一番確実です。

もう一つの共通点は、テスト結果を次の生成に戻していることです。A/Bテストで勝ったコピーの「なぜ勝ったか」をAIに伝え、その路線でまた100本出す。この往復を回すほど、自社に効く言葉のストックが社内に貯まっていきます。お客様の反応を読み解く際はAIでお客様の声を可視化するセンチメント分析の考え方も役立ちます。

よくある失敗と、その防ぎ方

AIで作るバナーのキャッチコピー100本ノックのやり方

100本ノックは手軽に始められる反面、やり方を間違えると「数は出たけど使えない」で終わります。現場でよく見かける失敗を3つ挙げ、それぞれの防ぎ方をお伝えします。

失敗1。整いすぎて、誰にも刺さらない

これが一番多い失敗です。AIは大量のデータから「失敗しにくい無難な型」を学んでいるため、放っておくと論理的で分かりやすいけれど個性のない、すべすべしたコピーばかりを出してきます。読めるけど刺さらない、という状態です。

防ぐには、ステップ2のように切り口を強制的に散らすことです。「逆説型で」「あえて言い切る形で」「ターゲットがドキッとする一言で」と、無難さから外れる指示を足します。それでも丸いと感じたら、人が最後に角を立てる。AIに整えさせ、人がとがらせる、という分担を意識してください。

失敗2。商品が出せない約束を、コピーで言ってしまう

AIは勢いのある言葉を作るのが得意なので、「業界No.1」「絶対に成果が出る」など、根拠のない断定や誇大表現を混ぜてくることがあります。これをそのまま使うと、景品表示法などの観点で問題になり、信頼も損ないます。

防ぐには2段構えです。まず生成時に「誇大表現・最上級表現・他社比較は禁止」と前提で渡しておく。そのうえで、絞り込みの段階で「商品が本当に提供できる範囲を超えていないか」を必ず人が目視で確認します。AIに任せきりにせず、ここは人が責任を持つラインだと決めておきましょう。表現の危うさを機械的に拾うにはAI校正で危ない表現を自動検出するダブルチェック術も組み合わせると安心です。

失敗3。100本作って満足し、絞り込みをしない

量産が楽しくて100本出すこと自体がゴールになり、結局その中から雰囲気で1本選んでしまう、というパターンです。これでは人が5案ひねり出していた頃と、選定の質は変わりません。

防ぐには、生成と選定を別の作業として時間を分けることです。生成した直後は「全部良く見える」状態なので、いったん時間を置いてから、前述の評価チェックリストで冷静に採点します。100本ノックは「出す」工程と「選ぶ」工程の二段構え。選ぶ工程を省いたら、それはただの量産で終わります。

機密情報や未公開の商品情報を、社外の生成AIにそのまま入力するのは避けてください。情報漏洩のリスクがあります。社内ルールで入力してよい情報の範囲を決めてから運用を始めるのが安全です。

使う前に知っておきたい、現場のリアルな落とし穴

ここまで手順を説明してきましたが、教科書には書かれにくい現実も正直にお伝えします。100本ノックは万能ではありません。向き不向きと、つまずきやすい点を理解しておくと、導入してから「思っていたのと違う」を避けられます。

まず、AIは「言葉を作る」のは得意ですが、「何を言うべきか」までは決めてくれません。訴求の軸がぼんやりしたまま100本出しても、ぼんやりした案が100本並ぶだけです。100本ノックの成否は、生成の前段階にある「誰に・何を・どの軸で」の設計でほぼ決まります。ここが一番頭を使うところで、実はAIに任せられない部分です。

次に、絞り込みには「目利き」が要ります。100本の中から刺さる2本を選ぶには、自社の顧客とブランドを理解している人の判断が欠かせません。チェックリストは判断を助けますが、最終的に「これだ」と決めるのは人です。社内にコピーの良し悪しを判断できる人がいないと、せっかくの100本も宝の持ち腐れになりがちです。

コストの見落としもあります。生成AIの利用料そのものは大きくありませんが、次のような部分に人の時間がかかります。

  • 運用ルールづくり
  • 評価基準の整備
  • 社内への定着
  • テストの設計と振り返り

「ツールを入れれば自動でコピーが量産される」と期待すると、この見えない工数で肩透かしを食らいます。

正直に言えば、月に数本しかバナーを作らない会社なら、100本ノックの仕組みを整える手間が見合わないこともあります。逆に、媒体やキャンペーンが多く、コピーを継続的に量産する会社ほど効果が大きい。自社がどちらかを見極めてから始めるのが、現場目線での本音です。バナー画像づくりまで内製化したい場合はCanvaのマジックスタジオでバナーを量産する方法も合わせて検討するとよいでしょう。

こうした「設計」「目利き」「定着」の部分は、最初だけ外部の知見を借りて型を作り、回り始めたら内製に切り替えるのが現実的です。全部自前でゼロから整えようとすると、立ち上げで力尽きてしまうケースをよく見かけます。

よくある質問

本当に100本も必要ですか。多すぎませんか。

100という数字は目安です。大事なのは「似た案ではなく、切り口の違う案を幅広く出す」こと。50本でも切り口が散っていれば十分機能します。逆に100本あっても全部同じ言い回しなら意味がありません。数より幅を意識してください。

無料のAIでもできますか。有料版が必要ですか。

無料の範囲でも始められます。ChatGPT、Claude、Geminiなど対話できるAIなら、キャッチコピーの量産は可能です。

AIが作ったコピーをそのまま使って大丈夫ですか。

そのまま使うのは避けてください。誇大表現が混ざっていたり、語尾が硬かったりすることがあります。商品が提供できる範囲を超えていないか人が目視で確認し、自社の声に合わせて微調整したうえで使うのが安全です。

コピーを書くセンスがなくても運用できますか。

ゼロから書く必要はありませんが、良し悪しを選ぶ目は必要です。この記事の評価チェックリストを使えば、感覚に頼らず基準で選べます。最初は迷っても、テスト結果を見比べるうちに、自社に効く言葉の感覚が育っていきます。

ここまで読んで、「手順は分かったけれど、訴求の設計や絞り込みの目利きを社内だけで回しきれるか不安」と感じた方もいるかもしれません。コレットラボのAI業務システム化支援では、こうしたコピー量産の仕組みづくりから社内定着まで、現場に合わせて一緒に設計します。まずは現状を整理するだけのご相談でも大丈夫です。気軽にお声がけください。AI業務システム化の詳細はこちらからご覧いただけます。

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