NotebookLMで「広報の脳」を作る。過去10年の資料を読み込ませ、一瞬で答えを引き出す仕組み

NotebookLMで「広報の脳」を作る。過去10年の資料を読み込ませ、一瞬で答えを引き出す仕組み

過去のプレスリリース、議事録、登壇資料、取材メモ。社内のどこかには必ずあるのに、「あの時のあの資料、どこだっけ」と探し回って半日つぶれてしまった経験、ありませんか。

そのお悩み、NotebookLMという無料ツールで一気に解決できます。この記事では、過去10年分の広報資料をAIに読み込ませて、質問するだけで出典付きの答えが返ってくる「広報の脳」の作り方を、手順までかみ砕いて解説します。難しいプログラミングは一切いりません。

まず結論。広報の脳を作るためにやることは3つだけ

NotebookLMで「広報の脳」を作る。過去10年の資料を読み込ませ、一瞬で答えを引き出す仕組み

細かい手順に入る前に、全体像をお伝えします。NotebookLMで広報の脳を作るときに押さえるべきことは、たった3つです。

  • 資料を1か所に集める:過去のプレスリリースや議事録など、バラバラの場所にある資料をNotebookLMの1つの「ノートブック」に入れる
  • 自社の文体を覚えさせる:集めた資料からAIに「うちの会社らしい言い回し」を学習させる
  • 出典付きで答えさせる:質問したとき、AIが「どの資料の何ページに書いてあるか」まで一緒に示すようにする

NotebookLMとは、かんたんに言うとGoogleが作った「自分専用の資料を読み込ませて質問できるAIツール」です。ふつうのChatGPTなどとの一番の違いは、自分がアップロードした資料の中だけを根拠に答えてくれる点にあります。

この仕組みは「ソース・グラウンディング」と呼ばれます。もう少し詳しく言うと、AIがネット上の不確かな情報から勝手に答えをでっち上げるのではなく、あなたが渡した資料という「地に足のついた根拠」だけを見て回答する、という意味です。だから広報のように「事実と違うことを社外に出せない」仕事と、とても相性がいいのです。

ポイント。NotebookLMは無料で始められます(2026年06月08日時点)。2025年5月のアップデートで頭脳にあたる生成モデルが「最新のGeminiモデル」に切り替わり、長い資料を読み解く力がさらに上がっています。まずは小さく試せるのが、このツールの良いところです。

広報の脳を作る具体的な手順

NotebookLMで「広報の脳」を作る。過去10年の資料を読み込ませ、一瞬で答えを引き出す仕組み

ここからは、実際に手を動かす流れを4つのステップで見ていきましょう。ツールの画面ボタンの位置は時々変わるので、ここでは「何を、どの順番でやるか」というプロセスを中心にお伝えします。細かい操作で迷ったときは公式のヘルプを見れば大丈夫です。

ステップ1。散らばった資料を集める

最初にやるのは、AIに食べさせる「材料集め」です。広報の知識のもとになりそうな資料を、できるだけ集めましょう。NotebookLMは多くのファイル形式に対応しているので、形式がバラバラでも問題ありません。

集めると効果的な資料対応している形式の例
過去のプレスリリースPDF、Googleドキュメント、Microsoft Word (.docx)
社内会議の議事録・取材メモテキスト、音声ファイル (MP3, WAVなど)、Markdown
自社サイトのニュースページWebサイトのURL
過去の登壇・説明動画YouTube動画のURL (公開動画で字幕付きのもの)
社内規定・広報マニュアルPDF、テキスト、Googleスライド、Googleシート、PowerPoint (.pptx)
画像資料JPG, PNG, GIFなどの画像ファイル

ここで大事なのは、いきなり完璧を目指さないことです。まずは「直近2〜3年のプレスリリース10本」くらいの小さな範囲から始めるのがおすすめです。効果を実感してから、過去10年分へと広げていけば十分です。

ステップ2。テーマごとにノートブックを作る

NotebookLMでは「ノートブック」という入れ物を作り、その中に資料を入れていきます。コツは、全部を1つにまとめないことです。たとえば「イベント告知用」「事業報告用」「採用広報用」のように、用途ごとにノートブックを分けると、AIの回答がぐっと的確になります。

1つのノートブックには最大50個の資料を入れられますが、20個くらいに抑えると動作が軽く、回答も安定します。あれもこれもと詰め込みすぎると、かえって精度が落ちることがあるので注意しましょう。

ステップ3。自社の文体をAIに覚えさせる

資料を入れたら、いきなり文章を作らせる前に「うちらしさの分析」をさせます。これをやるかどうかで、出てくる文章の質が大きく変わります。

具体的には、チャット欄にこう打ち込んでみてください。「これらの資料に共通する文章の構造、よく使われている表現、トーンを分析してください。特に冒頭の入り方、本文の展開、結びの言葉に注目してください」。すると、AIが自社の文体の特徴を言葉にして整理してくれます。これがいわば、AIに渡す「うちの会社の書き方マニュアル」になります。

ステップ4。質問する、文章を作らせる

ここまで来れば、あとは使うだけです。使い方は大きく2つあります。

  • 探す使い方:「3年前の新製品発表のとき、社長は何とコメントしていた?」と聞けば、該当箇所を出典付きで示してくれる
  • 作る使い方:新商品の情報を箇条書きで渡し、「いつものトーンでプレスリリースの下書きを作って」と指示すると、自社らしい文章のたたき台ができる

1本のプレスリリースから、X・Instagram・Facebook向けにそれぞれ最適化した投稿文をまとめて作らせることもできます。1回の指示で完璧な答えが出なくても大丈夫です。「もう少しやわらかく」「ここを短く」と追加で会話すれば、どんどん理想に近づきます。

取り組むと、広報の現場はどう変わるか

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「便利そうなのは分かったけど、本当に成果につながるの?」と思いますよね。実際に取り組んだ組織では、数字に表れる変化が出ています。

  • 探す時間がほぼゼロに:社内規定を読み込ませた結果、総務への問い合わせが月20件から5件に減ったという事例があります。しかも回答に出典が付くので、答える側も安心です
  • 作る時間が大幅に短縮:プレスリリースの作成時間が1日から2時間に縮んだケースや、自治体で広報文書の作成時間が約40%短くなった例が報告されています
  • 業務全体の削減:ある自治体のDX支援では、NotebookLMの活用を含めて年間4,000時間を超える業務削減が実現したとされています

背景には、広報の現場でAI活用が一気に広がっている事実があります。国内の広報部門で生成AIを導入している割合は77.0%に達しているとされています(日本広報学会の2025年調査による)。つまり、ほとんどの会社がもう動き始めているということです。

こうした「社内に眠る資料をAIで引き出す」考え方は、RAG(あらかじめ用意した資料を根拠にAIが答える仕組み)とも呼ばれます。もう一歩踏み込んだ全体像は「社内情報のAI図書館」構築ガイドでも詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。

成功している会社の共通点。いきなり全社展開せず、「効果が測りやすい業務」から小さく始めています。広報なら、まずはプレスリリースの下書きや過去資料の検索から。ここで手応えをつかんでから広げるのが、定着への近道です。

よくある失敗と、その防ぎ方

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便利なツールほど、使い方を間違えると逆効果になります。現場でよく見かける失敗を、先回りしてお伝えします。

失敗1。AIの答えをそのまま社外に出してしまう

AIは時々、もっともらしい間違いを混ぜることがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。NotebookLMは資料を根拠にする分このリスクは低いのですが、ゼロではありません。プレスリリースなど対外的な文章に使うときは、必ず人間が出典をたどって最終確認する。この一手間を省かないことが鉄則です。

失敗2。機密情報をうっかり入れてしまう

未公開の決算情報や個人情報など、外に漏れたら困る情報を安易にアップロードするのは危険です。AIツールに入れた情報がどう扱われるかを理解しないまま使うと、思わぬ情報漏えいにつながります。何を入れてよくて何がダメか、社内のルールを決めてから運用を始めましょう。

このあたりの線引きに不安がある方は、「AIセキュリティ」超入門で、最低限おさえるべきルールの作り方を紹介しています。

失敗3。古い情報のまま回答してしまう

10年分の資料を入れると、当然「昔の社長名」「古い製品仕様」も混ざります。AIは入れた資料を素直に答えるので、古い情報をそのまま出してしまうことがあります。資料を入れる際は日付の新しい順に整理し、「最新の情報はこちら」とAIに分かるようにしておくと安心です。

失敗4。流行りの高機能ツールに飛びついてしまう

「最強のツール」を探すより、「自社の体制に合うツール」を選ぶほうが大事です。高機能なツールを入れても、使いこなせずに解約してしまう会社は少なくありません。まずは無料で始められるNotebookLMで小さく成功体験を積み、自社に必要な機能を見極めてから次を考えるのが、遠回りに見えて一番の近道です。広報DB全体の自動化まで視野に入れたい方はNotion AIで広報DBを自動更新する手順も参考になります。

よくある質問

NotebookLMは本当に無料で使えるの?

はい、基本機能は無料で使えます(2026年06月08日時点)。Googleアカウントがあればすぐ始められ、資料のアップロードや質問、文章生成まで一通り試せます。まずは無料の範囲で手応えを確かめてから、本格運用を考えるのがおすすめです。

パソコンが苦手でも使いこなせる?

大丈夫です。プログラミングは一切いりません。やることは資料をアップロードして、チャットで日本語の質問を打ち込むだけです。LINEで友だちに質問するような感覚で使えるので、非エンジニアの方でも問題なく始められます。

どのくらいの量の資料を入れればいいの?

1つのノートブックに20個程度が快適です。最大50個まで入りますが、詰め込みすぎると動作が重くなり精度も落ちがちです。用途ごとにノートブックを分け、まずは10本くらいから始めて、効果を見ながら増やしていくのが現実的です。

ChatGPTと何が違うの?どっちを使えばいい?

一番の違いは「答えの根拠」です。NotebookLMは自社の資料だけを見て出典付きで答えるので、社外文書の作成に向いています。アイデア出しなど自由な発想はChatGPTが得意です。広報の知識を整理するなら、まずNotebookLMから試すとよいでしょう。

自社だけの「広報の脳」を、一緒に作りませんか

ここまで読んで、「やり方は分かったけれど、資料の整理やルール作りまで自社だけでやり切るのは大変そうだ」と感じた方もいるはずです。コレットラボでは、どの資料をどう読み込ませ、どんなルールで運用すれば現場に定着するかまで、伴走しながら一緒に設計しています。いきなり契約ではなく、まずは現状を整理するだけの無料相談からで大丈夫です。お気軽にお話を聞かせてください

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