LINE自動応答で電話を減らす設計と作り方|5ステップと失敗回避
この記事の要点
- 電話削減の起点は通話自動化でなくLINEテキスト自動応答への寄せ
- 毎回同じ答えの質問は自動化、状況で変わる相談は人が対応
- 一律・キーワード・リッチメニューの3段構えで多い質問トップ3から着手
「電話が鳴るたびに作業が止まる」「聞かれることは毎回ほぼ同じなのに、その都度手を止めて対応している」。LINEの運用をしていると、こういう悩みにぶつかりますよね。
この記事では、電話に来ていた問い合わせをLINEの自動応答に寄せて、電話対応そのものを減らすための設定の考え方と具体的な手順を解説します。どこまで自動化して、どこから人が出るべきか。その線引きと、現場でやりがちな失敗の防ぎ方まで、まとめてお伝えします。
Contents / 目次
結論。電話を減らす鍵は「通話の自動化」ではなく「問い合わせをLINEに寄せる設計」

結論から言います。電話対応を減らすために最初にやるべきは、LINEの音声通話を自動で受けることではありません。これまで電話で来ていた「よくある質問」を、LINEの自動応答(テキスト)で先に片づける仕組みを作ることです。
ここは誤解されやすいポイントなので、最初に整理しておきます。LINE公式アカウントにも通話に関する機能はありますが、これは「電話を自動で受けて自動で答える」ものではありません。電話対応を実際に減らしているお店や会社がやっているのは、もっとシンプルです。電話でいちばん多い質問(営業時間、場所、駐車場、予約の空き、料金など)を、LINEのテキスト自動応答に肩代わりさせているのです。
つまり、お客さまが「電話しようかな」と思う前に、LINEを開けば答えが見つかる状態を作る。これが「電話対応を減らす」の正体です。
LINE公式アカウントの自動応答とは、ユーザーから届いたメッセージに対して、あらかじめ用意した文章を自動で返す機能のことです。大きく分けて3つの仕組みがあり、目的に応じて組み合わせて使います。下の表で全体像をつかんでください。
| 機能 | 何をするもの | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 応答メッセージ(一律応答) | どんなメッセージにも同じ文章を自動返信する | 営業時間外の一次対応、受付完了の合図 |
| キーワード応答 | 特定の言葉に反応して、決まった答えを返す | 「営業時間」「駐車場」などのFAQ自動回答 |
| リッチメニュー連携 | トーク画面下のボタンを押すと答えが出る | ユーザーが迷わず自己解決できる導線づくり |
やるべきことは、大きく3つです。第一に、電話で多い質問を洗い出して自動応答に登録する。第二に、ボタンで選べるリッチメニューを置いて、お客さまが入力しなくても答えにたどり着けるようにする。第三に、自動で答えられない複雑な相談だけ、人がチャットや電話で対応する。この3段構えで「電話の総量」を下げていきます。
ここがポイント。全部を自動化しようとすると失敗します。狙うのは「電話の半分を占めるありふれた質問」を自動で消すこと。残りの複雑な相談に人が集中できる状態を作るのがゴールです。
電話を減らすLINE自動応答の作り方。5ステップで進める

ここからは、実際に手を動かす順番を説明します。LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)で操作しますが、ボタンの名称や場所は変わることがあるので、細かい画面操作は公式ヘルプで確認しながら進めてください。ここでは「何を・どの順番で・どう決めるか」という、画面が変わっても通用する道筋をお伝えします。
ステップ1。電話で多い質問を「数」で洗い出す
最初にやるのは設定ではなく、棚卸しです。直近1か月、電話でどんな問い合わせが多かったかを書き出してください。感覚ではなく、件数の多い順に並べるのがコツです。たいていは上位5〜10個で、電話全体の大半を占めます。
洗い出すときは、次の観点でメモすると後の設定が楽になります。
- 質問の内容:「何時まで?」「駐車場ある?」「予約できる?」など、お客さまの実際の言葉で
- 件数の目安:1日◯件、週◯件くらい、というざっくりした数で構わない
- 答えが毎回同じか:毎回同じ答えなら自動化向き。状況で変わるなら人が対応すべき
この「毎回同じ答えか」が、自動化していい質問の判断軸です。営業時間や場所は毎回同じなので自動化できます。「在庫はありますか」のように日々変わるものは、自動応答で断定すると事故るので、人につなぐ設計にします。
ステップ2。応答モードを「自動が動く状態」にする
LINE公式アカウントには、人が手動でチャット対応する状態と、自動応答が動く状態を切り替える設定があります(設定の名称や仕様は変わることがあるため、最新の設定方法はLINE公式アカウントのヘルプでご確認ください)。自動応答を効かせたいのに反応しない、という相談の多くは、ここが手動側のままになっているのが原因です。まず設定画面で、自動応答が有効になる状態を確認しましょう。
おすすめは、時間帯で使い分ける運用です。営業時間内は人がチャットで丁寧に対応し、営業時間外は自動応答に任せる。この「ハイブリッド運用」にしておくと、深夜や定休日に電話が鳴っても出られませんが、LINEの自動応答なら24時間答えられます。
ステップ3。営業時間外の「一律応答」をまず1本作る
いちばん簡単で効果が出やすいのが、営業時間外の一律応答です。どんなメッセージが来ても同じ文章を返すので、設定は1本で済みます。文面のテンプレートを置いておきます。そのまま使えるように、変える箇所をカッコで示しています。
お問い合わせありがとうございます。
ただいま営業時間外のため、自動でご案内しています。
▼よくあるご質問
・営業時間 [平日10:00〜19:00/水曜定休 などを入力]
・場所とアクセス [住所・最寄り駅・目印を入力]
・ご予約 [予約ページのURL や リッチメニューの案内を入力]
上記で解決しない場合は、メッセージを残してください。
[翌営業日の午前中/◯時間以内]に担当者よりご返信します。
ポイントは、最後に「人にもつながる」と書いておくことです。自動応答だけだと突き放された印象になりますが、「残しておけば後で人が見ます」と伝えるだけで、お客さまは安心して待ってくれます。
ステップ4。キーワード応答で「よくある質問」を自動で消す
次に、ステップ1で洗い出した質問を、キーワード応答に登録します。キーワード応答とは、あらかじめ登録しておいた言葉に対して、決まった答えを返す機能です。たとえば「駐車場」という言葉に対して、駐車場の写真と案内文を自動で返す、といった使い方ができます。
ここで一番つまずくのが、言葉の揺れです。「駐車場」で登録しても、お客さまが「車停められますか」と打つと反応しないことがあります。だから、ひとつの質問につき、想定される言い回しを複数登録しておくのがコツです。
- 駐車場の質問なら:「駐車場」「車」「停め」「パーキング」などをまとめて登録
- 営業時間の質問なら:「営業時間」「何時」「開いてる」「定休日」などを登録
- 予約の質問なら:「予約」「空き」「予約したい」「来店」などを登録
とはいえ、言い回しを全部読み切るのは大変です。そこで効くのが次のステップです。
ステップ5。リッチメニューで「入力させずに選ばせる」
キーワード応答の弱点は、お客さまが自由に文章を打つと取りこぼすことです。これを根本から解決するのが、リッチメニューとの連携です。リッチメニューとは、トーク画面の下に固定で表示されるボタン型のメニューのことです。
ここに「営業時間」「アクセス・駐車場」「予約はこちら」「よくある質問」といったボタンを並べておきます。お客さまはボタンを押すだけで答えにたどり着けるので、そもそも言葉の揺れが起きません。入力させるのではなく、選ばせる。これがLINEで自己解決を促す王道です。
初動の3ステップ。まず「営業時間外の一律応答」を1本作る、次に「電話で多い質問トップ3」だけキーワード応答に登録する、最後にその3つをリッチメニューのボタンにする。完璧を目指さず、この3つから始めれば1日で形になります。
チャット対応そのものを速くする工夫も、電話を減らす効果と相性が良いです。定型文やタグの使い方は定型文とタグでLINEの1対1トークを効率化する運用術でも詳しく解説しています。
取り組むと何が変わるのか。電話が減る現場のリアル

自動応答を整えると、まず「鳴り続けていた電話」が静かになります。電話の多くは、調べれば分かる単純な質問だからです。これがLINEで自己解決されるようになると、手を止める回数そのものが減ります。
実際の現場では、予約や場所、駐車場の問い合わせをLINEに寄せただけで、作業中の電話がぐっと減ったという声は珍しくありません。LINE公式アカウントから直接サポート窓口へ電話できるようにする「LINEコールPlus」のような外部サービスもあり、電話とLINEをつなぐ仕組みは年々充実しています(参考として電通総研のコンタクトセンター連携サービス「LINEコールPlus」)。電話を完全になくすのではなく、電話が必要な相談だけを残す、という発想です。
効果を具体的にイメージしてみましょう。出典のある数字ではなく、考え方を示すための仮の例ですが、たとえば1日に20件の電話があり、そのうち半分が「営業時間・場所・駐車場」のような定型質問だとします。それがLINEの自動応答で解決されれば、対応する電話は1日10件に減る計算です。1件3分として、毎日30分が手元に戻ってくる。これが1か月積み重なれば、まとまった時間になります。
成果を出している会社・お店には、共通点があります。
- 自動化と有人対応の境界が明確:「ここまでは自動、ここからは人」が決まっている
- 答えが先回りされている:お客さまが質問する前に、リッチメニューで答えが見える
- 人が出るときの体験が良い:自動で受けたうえで、複雑な相談だけ人が丁寧に対応する
もうひとつ大きいのが、対応品質が揃うことです。電話だと担当者によって案内がバラついたり、聞き間違いが起きたりします。自動応答なら、誰が見ても同じ正確な情報が届く。クレームの芽を減らす効果もあります。LINEとAIを組み合わせて返信を速くする方法はLINEチャットの返信が遅い現場をAI下書きで3倍速にする運用術も参考になります。
よくある失敗と回避法。設定したのに電話が減らない理由

自動応答を設定したのに電話が減らない。そういう相談を現場でよく受けます。原因はだいたい決まっているので、3つの典型パターンと防ぎ方を紹介します。
失敗1。登録した言葉とズレた言い回しだと反応しない
これがいちばん多い失敗です。「予約」というキーワードで登録したのに、お客さまが「空いてる日はありますか」と打つと反応しません。登録していない言い回しで届くと、自動応答が動かないことがあるからです。せっかく設定したのに「使えない」と思われ、結局また電話、という悪循環です。
防ぎ方は2つです。ひとつは、前述のとおり言い回しを複数登録すること。もうひとつは、根本対策としてリッチメニューのボタンから決まったメッセージを送らせること。ボタンなら言葉がズレないので、確実に正しい答えが返ります。「入力に頼らず、ボタンで選ばせる」が鉄則です。
失敗2。応答モードが手動のままで、そもそも自動が動いていない
文章は完璧に用意したのに、自動応答が1度も発動しない。このときは、応答モードが手動チャット側のままになっている可能性が高いです。自動応答が有効か、対象の時間帯か、キーワードが言い回しに合っているかを確認し、自分のスマホから実際に送ってテストしてみてください。「設定して終わり」ではなく「自分で送って確かめる」までが設定作業です。
失敗3。何でも自動化しようとして、お客さまの満足度が下がる
自動応答は便利なので、つい全部を任せたくなります。でも、複雑な相談や個別の事情まで自動で返そうとすると、「聞きたいことに答えてもらえない」と感じさせ、かえって信頼を損ねます。最終的に「やっぱり電話で」となり、電話が減らないどころか、不満まで生みます。
防ぎ方は、自動と有人の境界をはっきり引くことです。「営業時間・場所・予約方法」のような定型情報は自動、「見積もり相談・トラブル・個別の要望」は人、と決める。そして自動応答の文面に「この件は担当者がご対応します。メッセージを残してください」と一言入れて、人へスムーズに渡るようにします。
自動応答以外の配信が多すぎるとブロックされ、せっかくの窓口を失います。お知らせ配信は頻度を抑え、相手に関係する内容だけを届けるようにしましょう。配信頻度の考え方は別記事でも触れています。
現場で見えた落とし穴と、正直な妥協点
ここからは、教科書には載りにくい「実際にやってみると、こうなりがち」という話をします。導入を検討している方が損をしないように、率直にお伝えします。
まず、自動で言葉の揺れを吸収して答えるタイプの高機能な仕組みについてです。言い回しを気にせず自然に答えられるのは魅力ですが、「入れれば勝手に賢く答えてくれる」わけではありません。何をどう答えるかを人が設計し、想定問答を用意し、外れた回答を直していく運用がついて回ります。質問のパターンが少ないお店なら、まずはキーワード応答とリッチメニューで十分なことが多いです。いきなり高機能を入れるより、まず基本の自動応答で電話の半分を消してから検討するのが、お金も手間もムダにしない順番です。
次に、外部のCRMツールや拡張ツールの話です。顧客情報と連携してパーソナライズした応答ができる、と聞くと魅力的に見えます。実際に便利ですが、月々の費用と運用担当が必要になります。「ツールを入れたが、設定する人がいなくて放置」は本当によくある光景です。ツールは課題を解決する手段であって、目的ではありません。まず自分たちの電話を何件減らしたいのかを決め、それに見合う手段を選ぶ順序を崩さないでください。
内製と外注の切り分けも悩みどころです。一律応答とキーワード応答の登録までは、社内で十分にできます。むしろ自社のお客さまの言葉を一番知っているのは現場なので、内製が向いています。一方で、リッチメニューのデザインや外部システムとの連携あたりは、つまずきやすく時間も取られます。「ここは自分たちで、ここはプロに」という線引きを最初に決めておくと、迷いません。
最後に向き不向きです。問い合わせの内容が毎回バラバラで、定型化しにくい業種では、自動応答で減らせる電話の割合は小さくなります。逆に、営業時間・場所・予約・料金といった定型質問が多い店舗やサービス業は、効果が出やすい。自社がどちらかを見極めてから投資すると、後悔しません。複数人で運用するなら、対応の重複や漏れを防ぐルールも要ります。LINE公式アカウント複数人運用の鉄壁ルールもあわせて整えておくと安心です。
よくある質問
LINEの通話そのものを自動で受けて答えることはできるの?
音声通話を自動で受け答えする使い方は現実的ではありません。電話対応を減らす近道は、電話で多い質問をLINEのテキスト自動応答やリッチメニューに寄せ、お客さまが電話する前に自己解決できる状態を作ることです。
基本の機能だけでも電話は減らせる?
はい、減らせます。営業時間外の一律応答、よくある質問のキーワード応答、リッチメニューを組み合わせれば、定型質問の多くを自動化できます。どの機能がどのプランで使えるかは時期によって変わるため、最新の提供範囲はLINE公式アカウントのヘルプで確認してください。
設定したのに自動応答が返ってこないのはなぜ?
多くは応答モードが手動のままになっているか、時間帯の設定がズレているのが原因です。自動応答が有効か、対象の時間帯か、キーワードが言い回しに合っているかを確認し、自分のスマホから実際に送ってテストしてみてください。
自動化すると冷たい印象になって、お客さまが離れない?
文面に「複雑なご相談は担当者が対応します」と一言添え、人につながる導線を残せば大丈夫です。定型質問は自動、個別相談は人、という境界をはっきりさせると、むしろ待たせずに済んで満足度は上がります。
まとめと、相談したくなったら
電話対応を減らす鍵は、通話の自動化ではなく「よくある質問をLINEに寄せる設計」でした。まずは営業時間外の一律応答を1本、電話で多い質問トップ3のキーワード応答、それをリッチメニューのボタンに。ここから始めれば、今日にも形になります。
ここまで読んで、自社の質問の洗い出しや、自動と有人の線引き、リッチメニューの設計まで一人でやり切るのは大変そうだと感じた方は、現状を整理するだけでもお気軽にお声がけください。何をどこまで自動化すべきか、一緒に交通整理するところからお手伝いします。
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