サーチコンソールの権限付与|制作会社への渡し方と退職時の削除
この記事の要点
- 外部の制作会社に渡すのは「フル」か「制限付き」。オーナーは自社に残す
- ユーザーを削除しても所有権は消えない。確認トークンの撤去まで必要
- 退職・契約終了時の削除手順を5ステップと棚卸し表で用意
サーチコンソールの権限付与は、外部の制作会社やSEO会社には「フル」または「制限付き」を渡し、オーナー権限は自社の担当者だけが持つ。これが基本の形です。そして退職や契約終了のときは、ユーザー一覧から削除するだけでは不十分で、そのアカウントが使った所有権の確認トークン(サイトに置いたHTMLファイルやDNSレコードなど)まで消して初めて完了します。
この記事は、自社サイトのサーチコンソールを管理していて、制作会社への権限付与や担当者の入れ替わりに直面している方に向けて書いています。読み終わる頃には、誰にどの権限を渡すかを決められて、退職者・元取引先の権限をきちんと切る手順まで進められる状態を目指します。
扱うのは権限の付与・変更・削除と、その周辺で起きる事故の防ぎ方です。サーチコンソール自体の画面の見方や日々の使い方は、サーチコンソールの使い方|初心者が最初に見る4つの画面で解説しているので、まだ設定したばかりの方は先にそちらをどうぞ。
Contents / 目次
サーチコンソールの権限は3段階。制作会社に渡すのは「フル」まで
結論から言うと、サーチコンソールの権限には「オーナー」「フル」「制限付き」の3段階があり、社外のパートナーに渡してよいのは下の2つ(フルと制限付き)です。オーナーは他のユーザーを追加・削除できてしまう最上位の権限なので、自社の中に留めます。
オーナーとは、プロパティのすべてのデータと設定を扱えて、他のユーザーの追加・削除まで行える権限です。つまり、オーナーを渡すということは「自分を締め出す権利」まで相手に預けるということになります。ここが今回いちばん大事な判断ポイントです。
そのオーナーには、さらに2つの種類があります。
- 確認済みオーナー:サイトの所有権を自分で証明したユーザー。HTMLファイルの設置、HTMLタグ、DNSレコードなどの「確認トークン」を使って所有権を確認したアカウントです。
- 委任されたオーナー:確認済みオーナーからオーナー権限を分けてもらったユーザー。自分では所有権の確認をしていません。
この違いが、あとで出てくる「削除しても消えない権限」の話に直結します。委任されたオーナーは一覧から削除すれば終わりです。一方で確認済みオーナーは、自分の手で所有権を証明したアカウントなので、一覧から消しても、サイト側に置かれた確認トークンまでは自動で消えません。権限の種類ごとの定義と、所有権の確認が維持される条件は、Search Consoleヘルプ「ユーザー、オーナー、権限を管理する」と同ヘルプ「サイトの所有権を確認する」に一次情報があります。
権限の種類と、誰に渡すかの目安
誰にどれを渡すか迷ったら、次の表で当てはまるところを探してください。判断の軸は「その人がやる作業に、その操作が本当に必要か」の一点です。なお、権限レベルごとにどの操作ができるかは仕様変更で変わることがあるので、実際に付与する前にSearch Consoleヘルプ「ユーザー、オーナー、権限を管理する」の権限一覧で、その時点の可否を確認してください。下の表は、渡す相手を決めるための大まかな目安として使ってください。
| 権限 | できること | できないこと | 渡す相手の目安 |
|---|---|---|---|
| オーナー | 全データの閲覧、全ツールの利用、ユーザーの追加・削除、プロパティ設定の変更 | ― | 自社のWeb責任者・経営者。自社の方針として、必要な人数だけに絞る |
| フル | 全データの閲覧、サイトマップ送信、URL検査とインデックス登録リクエストなどの操作 | ユーザーの追加・削除 | 実作業を任せる制作会社・SEO会社・社内のWeb担当 |
| 制限付き | ほとんどのデータの閲覧 | データを見る以上の操作全般 | レポートだけ見るコンサルタント、広告代理店、社内の閲覧者 |
迷ったら「フル」から始める。制作会社に依頼する作業の大半(サイトマップの送信、インデックス登録のリクエスト、エラーの確認と修正確認)はフルで足ります。オーナーを求められたら、その理由を聞いてください。正当な理由は後述しますが、多くの場合はフルで代替できます。
それでもオーナー権限が必要になる、たった2つの場面
制作会社側にオーナー権限が要るのは、実質的に次の2つの場面だけです。それ以外で求められたら、フルへの変更を提案して構いません。
- 新規にプロパティを立ち上げる作業を任せるとき:所有権の確認そのものを代行してもらう場合。ただしこの場合も、公開後すぐに自社アカウントをオーナーに追加し、制作会社側はフルに落とすのが安全です。
- 制作会社が他のユーザーを追加・削除する運用にしているとき:大規模なチーム体制ではあり得ますが、中小企業のサイトでこれを外部に預ける必要はほぼありません。自社でユーザー管理をすると決めれば不要になります。
この章の結論として、押さえるのは「オーナーは自社、実作業はフル、閲覧だけなら制限付き」という3層の線引きです。この線が引けていれば、契約が終わったときに慌てずに済みます。
サーチコンソールの権限付与のやり方。4ステップで完了する
権限付与そのものは、必要な情報がそろっていれば短時間で終わります。手順は「設定」から「ユーザーと権限」へ進み、相手のGoogleアカウントのメールアドレスを入れて権限レベルを選ぶ、という流れです。
画面のメニュー名やボタンの位置は仕様変更で変わることがあるので、実際の名称はSearch Consoleヘルプ「ユーザー、オーナー、権限を管理する」で最新の表記を確認してください。ここでは、変わらない部分(何を準備し、何を決め、あとで何を確認するか)を具体的に書きます。
ステップ1. 相手のGoogleアカウントを「法人ドメイン」で受け取る
最初にやるのは、権限を渡す相手のGoogleアカウント(メールアドレス)を確認することです。ここで手を抜くと、あとで必ず困ります。
ポイントは、個人のGmailではなく、相手の会社ドメインのアカウントを指定してもらうことです。個人Gmailを登録すると、その担当者が退職・独立したあと、権限を持ったまま連絡が取れないアカウントが残ります。実際に「前の担当者のプライベートなGmailがオーナーとして残っている」状態は、引き継ぎの現場でよく見かけます。
依頼するときは、次のような文面をそのまま送れば伝わります。
件名:Search Consoleの権限付与について(アカウントのご確認)
いつもお世話になっております。
Search Consoleの権限をお渡しする準備をしています。
下記2点をご返信いただけますでしょうか。
1. 追加するGoogleアカウントのメールアドレス
※貴社ドメインのアカウントでお願いします(個人のGmailは避けたいため)
2. 今回の作業で必要な操作
例:サイトマップの送信、URL検査でのインデックス登録リクエスト、
エラーの確認、データの閲覧のみ など
いただいた内容をもとに、権限レベル(フル/制限付き)を決めて付与します。
契約終了時は権限を削除する運用にしていますので、あらかじめご承知おきください。
最後の1行を入れておくのが、地味に効きます。「終わったら消す」と先に伝えておくと、削除するときに気まずくなりません。
ステップ2. どのプロパティに付与するかを決める
次に、権限を付ける対象のプロパティを決めます。ここで見落としが起きやすいのは、1つのサイトに対してプロパティが複数登録されているケースです。
サーチコンソールのプロパティには2種類あります。
- ドメインプロパティ:例=example.com。サブドメインもhttp/httpsもまとめて扱います。
- URLプレフィックスプロパティ:例=https://example.com/。指定したURLの形式だけを扱います。
過去に担当者が入れ替わっていると、両方が並んで登録されていることがよくあります。権限は「プロパティごと」に設定されるので、片方だけ付与すると相手のデータが欠け、片方だけ削除すると権限が残ります。プロパティ選択のリストを開いて、そのサイトに関係するものを全部書き出してから作業に入ってください。
ステップ3. 「設定」から「ユーザーと権限」でユーザーを追加する
対象プロパティを選んだ状態で、左メニューの「設定」から「ユーザーと権限」に進み、ユーザーを追加します。入力するのはメールアドレスと権限レベルの2つだけです。
権限レベルは、ステップ1で聞いた「必要な操作」に合わせて決めます。サイトマップ送信やインデックス登録リクエストが含まれるならフル、レポートを見るだけなら制限付きです。
オーナーを増やしたい場合や確認済みオーナーの扱いは、ユーザー追加とは別の手続きになります。その時点で選べる権限レベルと正確な操作手順は、Search Consoleヘルプ「ユーザー、オーナー、権限を管理する」と同ヘルプ「サイトの所有権を確認する」で確認してください。
追加した相手に招待メールが届かない、という相談は本当によく来ます。相手には「メールを待たずに、その追加したアカウントでサーチコンソールにログインして、左上のプロパティ一覧を開いてください」と伝えてください。それで対象のプロパティが表示されれば付与できています。表示されなければ、自社側のユーザー一覧にそのアドレスが正しく載っているかを見直してください。
ステップ4. 付与した記録を残す。棚卸し表のテンプレート
最後に、誰にいつ何を渡したかを記録します。これをやっているかどうかで、1年後の作業時間が変わります。記録がないと、削除するときに「この人は誰だっけ」から始めることになるからです。
スプレッドシートに次の表を作って、権限を付けるたびに1行足すだけで十分です。項目は7つあります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| プロパティ | example.com(ドメインプロパティ) |
| アカウント | tanaka@seisaku-company.co.jp |
| 所属・氏名 | 制作会社A/田中さん |
| 権限レベル | フル |
| 付与日 | 2026年8月26日 |
| 目的 | サイトリニューアルの301設定確認とインデックス登録 |
| 削除予定 | 2026年11月末(保守契約終了時) |
「削除予定」の列が、この表の心臓部です。契約終了日が決まっている相手なら、その日をカレンダーにも入れておく。決まっていないなら「毎年4月に見直し」とだけ書いておく。それだけで、権限が塩漬けになる事故がほぼ消えます。
この章の結論は、権限付与は4ステップで終わるけれど、価値があるのはステップ1(法人アカウントで受け取る)とステップ4(記録を残す)だということです。この2つを飛ばした付与は、数年後の負債になります。
退職・契約終了時の削除手順。ユーザーを消すだけでは所有権は残る
ここがこの記事のいちばん重要な部分です。ユーザー一覧から削除しても、そのアカウントの「所有権」は消えません。相手が確認済みオーナーだった場合、サイト側に確認トークンが残っていれば、そのトークンを根拠に所有権を確認し直せる状態が続きます。
確認トークンとは、そのアカウントがサイトの持ち主だと証明するための印のことです。よく使われるのは、サイトのルートに置くHTMLファイル、トップページのhead内に書くHTMLタグ、ドメインのDNSに登録するTXTレコードです。このほかにGoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーを使う方法もあります。対応している方法と、それぞれの前提条件は変わることがあるので、最新の一覧はSearch Consoleヘルプ「サイトの所有権を確認する」で確認してください。
ドメインプロパティで所有権を確認する方法や、確認が維持される条件も、同じくSearch Consoleヘルプ「サイトの所有権を確認する」に書かれています。ここで押さえておきたいのは、ユーザー一覧から名前を消す作業と、所有権を証明する材料をサイトやドメインから取り除く作業は別物だという点です。「削除したから安心」と思っている会社は、かなり多いです。
削除の5ステップ
順番が大事です。先にトークンを消してしまうと、確認済みオーナーが自分ひとりだった場合に自分まで締め出される可能性があるので、この順で進めてください。
- 自社のアカウントが「確認済みオーナー」になっているかを先に確かめる。なっていなければ、自社アカウントで所有権の確認を済ませる(DNSのTXTレコード追加が最も安定します)。
- 対象サイトに関係するプロパティを全部リストアップする。ドメインプロパティとURLプレフィックスプロパティの両方、サブドメイン別のプロパティも忘れずに。
- 各プロパティの「ユーザーと権限」で、削除する相手のアカウントを削除する。
- 削除した相手が使っていた確認トークンを撤去する。サイトのHTMLファイル、head内のHTMLタグ、DNSのTXTレコードを、それぞれ実物を見て消します。
- 自社のアカウントでサーチコンソールが正常に開けること、データが表示されることを確認する。
ステップ4のトークン撤去が、実務ではいちばん手が止まります。追い方は2つあります。
- サーチコンソールの「設定」を開き、所有権の確認に関する項目から、どの確認方法が有効になっているかを見る。画面の名称は変わることがあるので、その時点の表記はSearch Consoleヘルプ「サイトの所有権を確認する」で確認してください。
- 下のチェックリストのように、サイト側の実物(ルートのHTMLファイル、head内のmetaタグ、DNSのTXTレコード)を1つずつ開いて、確認用の値が何個あるかを数える。画面表示に頼らない分、こちらのほうが確実です。
削除できたかを確かめるチェックリスト
作業が終わったら、次の項目を上から順に確認してください。1つでも「いいえ」があるなら、まだ終わっていません。
- ユーザー一覧:対象サイトの全プロパティで、削除した相手が一覧に出てこない
- HTMLファイル:サイトのルートに置かれたgoogle〜.html形式の確認用ファイルが、不要なものは残っていない(FTPまたはサーバーのファイルマネージャーで直接確認する)
- HTMLタグ:トップページのソースを表示し、google-site-verificationのmetaタグに見覚えのないものが残っていない
- DNSレコード:ドメイン管理画面のTXTレコードに、google-site-verificationで始まる古い値が残っていない
- GTM・アナリティクス経由:Googleタグマネージャーやアナリティクスの権限で所有権を持っていた相手がいないか。こちらは各ツール側のユーザー管理で確認する
- 自社の生存確認:作業後に自社アカウントでログインし、検索パフォーマンスのデータが表示される
DNSのTXTレコードを消すときは、値をよく見てください。Google以外のサービス(メール認証のSPFやDKIM、他ツールの所有権確認)のTXTレコードも同じ場所に並んでいます。google-site-verificationで始まる値だけを対象にし、消す前にレコードの内容をコピーして手元に残しておくと、間違えたときに戻せます。
この章の結論は、削除作業のゴールは「一覧から名前が消えること」ではなく「所有権を証明する材料がサイトから無くなっていること」だという点です。この基準で見直すと、過去の削除が終わっていなかったことに気づく会社は少なくありません。
サーチコンソールの権限付与でよくある失敗と、その防ぎ方
ここでは、権限まわりで実際に起きる失敗を4つ挙げます。どれも「起きる状況→何が起きるか→どう防ぐか」の順に書いているので、自社に当てはまるものがないか確認してください。
失敗1. 制作会社だけが確認済みオーナーで、自社にオーナーがいない
サイトを新規制作したときに、制作会社がサーチコンソールの登録から所有権確認まで全部やってくれた。そのまま数年が経ち、いざ他社に切り替えようとしたら、自社の誰もオーナーを持っていなかった、という状況です。
この状態だと、自社の管理画面から権限を足したり消したりする作業に入れません。前の会社と関係が良好なら頼めば済みますが、契約終了でこじれている場合は、自社アカウントで所有権の確認をやり直すところから始めることになります。どの確認方法が使えるかはSearch Consoleヘルプ「サイトの所有権を確認する」で確認してください。ドメインの管理権限まで制作会社が握っていると、さらに厄介です。
防ぎ方は、サイト公開の当日に自社アカウントで所有権を確認しておくことです。DNSのTXTレコードによる確認なら、サイトの中身がどう作り替えられても所有権は残ります。リニューアル案件では、公開前後の作業に紛れて後回しになりがちなので、公開チェックリストに1行入れておいてください。リニューアル時の全体の段取りはサイトリニューアルのSEO引き継ぎ手順|301と公開後72時間の確認にまとめています。
失敗2. 制限付きで渡したのに、頼んだ作業ができない
「念のため制限付きで」と渡したところ、制作会社から「サイトマップが送信できません」「インデックス登録のリクエストができません」と連絡が来て、権限を変更して再度やり直す。この往復のぶん、作業の着手が後ろにずれます。
制限付きは、データを見る以上の操作ができません。リニューアル直後やインデックス登録の作業を任せるなら、最初からフルが必要です。逆に、月次レポートを作るだけの相手にフルを渡す理由はありません。
防ぎ方は単純で、権限を決める前に「今回の作業で、どの操作が必要ですか」と一言聞くことです。この記事のステップ1に載せた依頼文面には、その質問を入れてあります。何をどこまで社外に出すかの線引きそのものに迷っている方は、SEO内部対策の代行はどこまで頼むか|自社に残す作業の線引きも参考になります。
失敗3. 退職者のアカウントを削除したのに、トークンが残っている
Web担当者が退職し、総務がサーチコンソールのユーザー一覧からそのアカウントを削除した。作業としては正しいのですが、その担当者が過去にサイトへ設置したHTMLファイルやDNSのTXTレコードはそのままです。
その担当者が確認済みオーナーだった場合、退職後でもそのトークンが所有権の根拠として残ります。 悪意がなくても、退職者が自社サイトの検索データにアクセスできる状態が続くのは、情報管理としてよくありません。
防ぎ方は、退職時のチェックリストに「サーチコンソールの確認トークン撤去」を明記することです。パソコンの返却やメールアカウントの停止と同じ列に並べておけば、抜けません。前の章の5ステップとチェックリストをそのまま流用してください。
失敗4. 共有アカウントでログインし、誰が何をしたか分からない
info@やweb@のような共有アカウントを1つ作り、社内の全員がそれでサーチコンソールにログインしている状態です。運用は楽ですが、問題が起きたときに追跡できません。
共有アカウントを使っていると、ユーザー一覧に並ぶのも、サイトマップの送信者として記録されるのも、常に同じアカウント名です。「サイトマップを消したのは誰か」「いつ権限が変わったか」を、社内の誰に聞けばいいのかが分からなくなります。
防ぎ方は、人ごとにアカウントを分けることです。3人しかいない会社でも、3アカウントに分けてください。分けるコストはほぼゼロですが、統合されたアカウントを後から分解する手間は大きいです。
この章の結論として、4つの失敗はすべて「権限を付けたときの一手間」で防げます。付与のときに自社オーナーを確保し、必要な操作を聞き、アカウントを個人単位にする。この3つです。
見落としがちな連鎖。GA4・GTM・広告・ビジネスプロフィールは別々に管理されている
サーチコンソールの権限を整理しても、Googleの他のツールの権限は1ミリも変わりません。Googleアナリティクス(GA4)、Googleタグマネージャー、Google広告、Googleビジネスプロフィールは、それぞれが独立した権限管理を持っています。1か所を消しただけで安心してしまうのが、いちばん危ない状態です。
制作会社に退職者と同じ扱いをするなら、次の5か所を別々に開いて確認する必要があります。
- Search Console:ユーザーと権限、および所有権の確認トークン
- Googleアナリティクス(GA4):アカウント単位とプロパティ単位で権限が別。アカウント単位で付いていると、他のサイトのデータまで見えていることがあります
- Googleタグマネージャー:アカウント権限とコンテナ権限が別。公開権限を持つ人が誰かを特に確認してください
- Google広告:管理アカウント(MCC)からのリンクが残っていないかを確認。ユーザー一覧だけ見ても、MCC経由のアクセスは見落とします
- Googleビジネスプロフィール:店舗がある会社は必須。オーナー権限が代行会社側にあると、店舗情報を自社で編集できなくなります
GTM経由で所有権を持っているサイトは、GTM側の整理に注意する
ここが現場でいちばん厄介な落とし穴です。サーチコンソールの所有権確認は、Googleタグマネージャーのコンテナを使う方法でも行えます。この方法を使う場合に必要なGTM側の権限と、確認が維持される条件はSearch Consoleヘルプ「サイトの所有権を確認する」に書かれているので、GTM経由で確認しているサイトは、GTMの権限を触る前に必ず読んでおいてください。
つまり、GTMの整理をしただけのつもりが、サーチコンソール側の所有権にも影響する可能性があるということです。自社のオーナーがGTM経由のアカウントだけだった場合、気づかないうちにサーチコンソールの管理権を失いかねません。
回避策は、自社のオーナーのうち少なくとも1つを、DNSのTXTレコードで所有権確認しておくことです。DNSはサイトのファイルにもGTMにも依存しないので、他のツールを整理しても影響を受けません。ドメイン管理画面にアクセスできる担当者が社内にいることも、あわせて確認しておいてください。
SEOツールやAIツールとのAPI連携は、ユーザー一覧に出てこない
最近増えているのが、順位計測ツールやAI分析ツールにサーチコンソールのデータを連携させているケースです。この連携は、そのツールにログインを許可したGoogleアカウントを通じて動きます。連携の状況は、サーチコンソールの「ユーザーと権限」の一覧ではなく、そのGoogleアカウント側の接続設定で確認します。
ここで何が起きるか。退職者のアカウントで外部ツールに連携していた場合、そのアカウントの権限をサーチコンソールから削除すれば、そのツールが取れるデータも無くなります。一方で、連携先ツール側のアカウントを解約し忘れると、そのツールに蓄積された自社の検索データはツール側に残り続けます。
確認の仕方は、そのGoogleアカウントでGoogleアカウントの「データとプライバシー」にある外部サービスとの接続一覧を開き、見覚えのない連携がないかを見ることです。メニュー名は変わることがあるので、上のリンクから直接開くのが確実です。データ分析にAIツールを使う場合も同じで、どのアカウントで連携したかを棚卸し表に1行足しておくと、退職時に迷いません。
年1回の棚卸しを決める。Search Consoleヘルプ「ユーザー、オーナー、権限を管理する」でも、ユーザーには作業に必要な最低限の権限だけを付与し、そのプロパティで作業しなくなったユーザーの権限は取り消すか変更すること、そして定期的に権限を確認することが推奨されています。 上の5ツールを1周する棚卸しにかかる時間は、プロパティ数や担当者数で大きく変わります。決算月や期初など、毎年必ず来るタイミングに紐づけてください。
この章の結論は、権限管理は「サーチコンソールだけの話ではない」という一点です。ツールごとに独立した管理画面がある以上、確認するリストを作らない限り必ずどこかが漏れます。サーチコンソールとアナリティクスの役割の違いから整理したい方は、サーチコンソールとGA4の違い|数値が合わない理由と使い分けもあわせてどうぞ。
サーチコンソールの権限付与でよくある質問
制作会社から「オーナー権限をください」と言われました。断っても作業してもらえますか
ほとんどの作業はフル権限で問題なく進みます。サイトマップの送信、インデックス登録のリクエスト、エラーの確認と修正確認は、すべてフルで可能です。 「オーナーでないとできない作業を具体的に教えてください」と聞いてみて、明確な答えが返らなければフルで渡して構いません。
ドメインプロパティとURLプレフィックスプロパティ、どちらに権限を付ければいいですか
両方登録されているなら、両方に付けてください。プロパティごとに権限は独立しているので、片方だけだと相手の画面にデータが出ません。逆に削除するときも両方が対象です。これから統一するなら、サブドメインもhttp/httpsもまとめて見られるドメインプロパティに寄せるのがおすすめです。
前の制作会社と連絡が取れません。オーナーが誰か分からない場合はどうすればいいですか
自社でドメインのDNSを操作できるなら、自社アカウントで所有権の確認をやり直すのが早いです。使える確認方法はSearch Consoleヘルプ「サイトの所有権を確認する」で確認してください。オーナーとして入れれば、ユーザー一覧から誰が権限を持っているかが分かります。DNSを触れる人が社内にいない場合は、ドメインをどこで契約しているかの確認から始めてください。
サーチコンソールの権限を渡すと、GA4のデータも見られてしまいますか
いいえ、別々の管理です。サーチコンソールとGA4は、それぞれの管理画面で権限を付けた人だけが見られます。GA4を見せたくないなら、GA4側で権限を付けなければ大丈夫です。両者を連携させている場合の挙動は、Search Consoleヘルプ「ユーザー、オーナー、権限を管理する」で連携時の権限の扱いを確認してください。
権限を削除したことは、相手に通知されますか
相手の画面からそのプロパティが見えなくなるので、次にログインしたときに気づきます。トラブルを避けるには、削除の前に「契約終了に伴い、この日に権限を整理します」と一報を入れるのが確実です。付与のときに「終了時は削除する」と伝えておけば、この連絡はさらに軽く済みます。
まず今日、自社が確認済みオーナーかどうかだけ見てください
今日できる最初の一歩は1つだけです。サーチコンソールを開いて「設定」から「ユーザーと権限」を表示し、自社のアカウントがオーナーとして入っているかを見てください。ここが空欄なら、他のどの作業よりも先に、自社アカウントでの所有権確認を進める必要があります。
権限を整理したあと、実際に検索データを見て改善に進む段階になったら、サーチコンソールで除外を確認する手順|未登録の直し方から読むと、次にやることがはっきりします。
ここまで読んで、「プロパティが複数あって整理しきれない」「制作会社の切り替えと権限の引き継ぎを同時に進めたい」と感じた方は、状況を聞かせてください。コレットラボでは、サイト制作と公開後の集客をセットで見ていて、権限まわりの整理から一緒に手をつけています。現状を整理するだけの相談でも構いません。ホームページ制作・運用の詳細はこちらからお気軽にどうぞ。
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