サーチコンソールとGA4の違い|数値が合わない理由と使い分け

サーチコンソールとGA4の違い|数値が合わない理由と使い分け

この記事の要点

  • 違いは計測地点。サーチコンソールは検索結果側、GA4はサイト内の行動を数える
  • 数値が合わないのは仕様。理由は4つあり、切り分け手順を本文で解説
  • 見る順番はサーチコンソール→GA4。週1回7指標の早見表とチェックリスト付き

サーチコンソールとGA4の一番の違いは、数えている場所が違うことです。サーチコンソールはGoogleの検索結果ページ側で「何回表示され、何回クリックされたか」を数えます。GA4は自分のサイトに置いたタグが動いて「入ってきた人が何をしたか」を数えます。だから両者の数字は最初から一致しません。

この記事は、自社サイトのアクセス解析を自分で見ている経営者・広報・営業担当の方に向けて書いています。読み終わる頃には、どちらで何を見るかの線引きと、数値が合わないときに「気にしなくていいズレ」と「計測が壊れているズレ」を見分ける手順が決められる状態を目指します。

なお、この記事は使い分けと数値のズレの話に絞ります。それぞれのツールの基本的な見方はサーチコンソールの使い方|初心者が最初に見る4つの画面GA4の初期設定と活用方法で解説しています。まだ導入していない方は、先にそちらから読んでください。

Contents / 目次
  1. サーチコンソールとGA4の違いは計測地点。使い分けの早見表
  2. サーチコンソールとGA4の数値が合わない4つの理由
  3. どちらで何を見るか。週1回30分で回す使い分けの手順
  4. 使い分けができると、何がどう変わるか
  5. サーチコンソールとGA4でやりがちな失敗と回避法
  6. 現場で本当に困るのは数字のズレではない。3つの落とし穴
  7. サーチコンソールとGA4のよくある質問
  8. まず今日の1分でやること

サーチコンソールとGA4の違いは計測地点。使い分けの早見表

結論から言うと、サーチコンソールは「Googleの検索結果の中で自社サイトがどう扱われているか」を見るツール、GA4は「サイトに来た人が何をして、問い合わせまで進んだか」を見るツールです。役割が重なっている部分はほとんどありません。

もう少し具体的に言うと、境目は「クリックの瞬間」です。ユーザーが検索結果でリンクを押すところまでがサーチコンソールの担当で、押したあと自分のサイトに着いてからがGA4の担当になります。1本の道の前半と後半を、別々のカメラで撮っているようなものです。

見たいことから逆引きできるように、早見表にまとめました。

知りたいこと見るツール具体的に見る場所
検索結果に何回出たかサーチコンソール検索パフォーマンスの表示回数
どんな言葉で見つかったかサーチコンソール検索パフォーマンスのクエリ
出た中でどれだけ押されたかサーチコンソール検索パフォーマンスのCTR
だいたい何位に出ているかサーチコンソール検索パフォーマンスの平均掲載順位
Googleに登録されているかサーチコンソールページのインデックス登録、URL検査
何人来たか、どれだけ滞在したかGA4ユーザー数、セッション数、エンゲージメント
どのページから入ってきたかGA4ランディングページ
問い合わせや資料請求に至ったかGA4キーイベント(コンバージョン)
どの参照元から流入したかGA4参照元/メディア

「gsc ga4 どっち」で迷ったときの判断は単純です。集客の入口を増やしたいならサーチコンソール、入ってきた人を成約させたいならGA4から見てください。問い合わせがほとんど発生していないなら、入口の量が足りていないのか、来た人が離れているのかをまず切り分けます。表示回数とクリック数はサーチコンソールでしか分からないので、先にそちらを開くほうが早く原因にたどり着けます。

ポイント。サーチコンソールとGA4は「上位互換/下位互換」の関係ではありません。片方でもう片方の代わりをすることはできないので、どちらか一方に絞るという選び方はしないでください。

この章の結論として、ツール選びは「知りたいことがクリックの前か後か」だけで決められます。迷ったら、その質問が検索結果の中の話かサイトの中の話かを自分に聞いてみてください。

サーチコンソールとGA4の数値が合わない4つの理由

先に答えを言うと、両者の数値は合わないのが正常です。壊れているわけでも設定ミスでもありません。原因は大きく4つあり、どれもGoogleの公式ヘルプで説明されている仕様の違いです。

理由どちらが多くなりやすいか対処
計測地点の違いサーチコンソールが多い気にしない(仕様)
プライバシー保護による非表示サーチコンソールの合計が少なく見える気にしない(仕様)
日付の区切りの違い日別で前後にずれる週単位・月単位で比べる
URLの数え方の違いページ単位でずれるURL正規化を整える

理由1. クリックはGoogleが数え、セッションはサイトのタグが数える

サーチコンソールの「クリック数」は、Googleの検索結果で自社サイトのリンクが押された回数です。押された時点で1カウントされます。

一方GA4は、ページが開いてサイトに埋め込んだ計測タグが動いて初めて1カウントされます。つまり、押したけれどページが開ききる前に戻ったユーザー、通信が切れたユーザー、広告ブロックやブラウザの設定でタグが動かなかったユーザーは、GA4には残りません。

この差があるので、サーチコンソールのクリック数のほうがGA4のオーガニック検索セッション数より多くなるのが自然です。逆にGA4のほうが多い場合は、Yahoo!やBingなど他の検索エンジンからの流入が混ざっているか、計測タグが二重に入っている可能性があります。タグの重複が疑わしいときはGA4タグをGTMで設定する手順|二重計測を防ぐ公開前チェックで確認してください。

理由2. サーチコンソールはプライバシー保護のため一部のデータを表示しない

サーチコンソールは、実行回数が非常に少ないクエリや、個人情報・機密情報を含む可能性があるクエリを、レポートの表に出さない仕組みになっています。これはSearch Console ヘルプ「Search Console のデータについて」で、ユーザーのプライバシーを保護するための処理として説明されています。

だから「クエリを全部足しても、上の合計クリック数に届かない」という現象が起きます。これはバグではありません。特にアクセスが少ないサイトほど、1回だけ検索された珍しいキーワードが多いので、表に出てこない割合が大きくなります。

クエリの一覧をコピーして「これがうちの全流入キーワードです」と社内資料に書かないでください。表に出ているのは一部です。合計値とクエリ別の値は、別のものとして扱うのが正しい読み方です。

理由3. 日付の区切り(タイムゾーン)が違う

サーチコンソールとGA4では、1日をどこで区切るかの基準がそれぞれ決まっています。サーチコンソールのレポートの日付の扱いはSearch Console ヘルプ「Search Console のデータについて」に説明があるので、実際の基準はそちらで確認してください。

GA4は、プロパティに設定したレポート用タイムゾーンで区切ります。自社の設定値と、タイムゾーンがレポートに与える影響はアナリティクス ヘルプ「プロパティを編集する」で確認してください。区切りが揃っていなければ数時間分のデータが別の日に振り分けられるため、1日単位で数字を突き合わせても合いません

さらに、サーチコンソールのデータには反映の遅れもあります。データが使えるようになるまでの日数も同ヘルプに記載があるので、あわせて確認してください。直近数日は数字が固まっていない前提で、比べるなら最低でも週単位、できれば月単位にしてください。

理由4. サーチコンソールは正規URLに集約して数える

サーチコンソールのレポートは、Googleが「このページの代表はこのURL」と判断した正規URL(canonical)にまとめて数えます。この数え方はSearch Console ヘルプ「Search Console のデータについて」で説明されています。似た内容のページが複数あってcanonicalタグで1本にまとめている場合、クリックは代表URLの側に積まれます。

ところがGA4は、ユーザーが実際に開いたURLをそのまま記録します。だからリダイレクトが挟まっていたり、パラメータ付きのURLで着地していたりすると、ページ単位の数字がずれます。

ページ単位で照合したいのに毎回ずれる場合は、そもそもURLの正規化ができていない可能性があります。wwwのあり/なしやhttp/httpsが混在していないかは、URL正規化の統一手順|wwwありなしとhttpsをまとめて集約するで点検できます。

では、どこまでのズレなら気にしなくていいのか

絶対値の差ではなく、比率が安定しているかどうかで判断してください。業種やデバイス構成で適正値は変わるので、他社の平均値を持ってきても意味がありません。自社の過去の数字を基準線にするのが唯一の実務的なやり方です。

  1. 月ごとに「GA4のオーガニック検索セッション数 ÷ サーチコンソールのクリック数」を計算する
  2. 直近3か月分を並べて、自社の基準線(いつもの比率)を出す
  3. 毎月その比率を記録し、基準線から大きく外れた月だけ原因を調べる

比率が急に下がったら、タグが外れた・テーマ更新で計測コードが消えた・同意管理ツールを入れた、あたりを疑います。比率が急に上がったら、タグの二重設置か、他の検索エンジンからの流入が増えた可能性があります。ズレの大きさそのものより、ズレ方が変わったかを見るのがコツです。

この章の結論として、数値が合わないこと自体は調査の対象になりません。調べるべきなのは「いつもと違うズレ方をした月」だけです。これが分かると、毎月の数字合わせに時間を取られなくなります。

どちらで何を見るか。週1回30分で回す使い分けの手順

使い分けは、見る順番を固定してしまうのが一番早いです。サーチコンソールで「入口の量と質」を見て、GA4で「入ってきた後」を見る。この順番を毎週繰り返します。ここでは実際に手を動かせる5ステップに分けて説明します。

ステップ1. 週1回見る指標を7つに絞る

最初にやるのは、見る指標を決めて減らすことです。両方のツールを開くと数百の指標がありますが、私たちが中小企業のサイト運用を伴走するときは、毎週見る指標を次の7つに絞っています。

指標ツール見方の目安
表示回数サーチコンソール前月同期間と比べて増減を見る
クリック数サーチコンソール表示回数と同じ方向に動いているか
CTRサーチコンソール下がっていればタイトルを見直す
平均掲載順位サーチコンソール1ページ目のすぐ下にいるページを優先的に見直す
セッション数(オーガニック検索)GA4クリック数との比率が基準線どおりか
ランディングページ別のエンゲージメントGA4入口ページのうち極端に低いものを探す
キーイベント数GA4問い合わせ・電話・資料請求の合計

キーイベントがまだ設定できていないと、GA4側は半分しか役に立ちません。フォーム送信の計測はContact Form 7の送信をGTMでGA4計測する手順を参考に、先に済ませてください。

ステップ2. サーチコンソールで「表示が減ったのか、クリックが減ったのか」を分ける

サーチコンソールの検索パフォーマンスを開き、期間を過去28日にして、前の28日間と比較します。期間の指定や比較の操作方法はSearch Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」に説明があります。ここで見るのは1点だけです。表示回数とクリック数のどちらが落ちているかを分けます。

  • 表示回数が減っている:検索結果に出る回数そのものが減っています。順位下落かインデックスの問題です。原因の切り分けは検索順位が急に下がった原因の切り分けの手順で進めます
  • 表示回数は同じでクリックが減っている:出てはいるが選ばれていません。タイトルとメタディスクリプションの書き換えが効きます
  • 両方増えているのに問い合わせが増えない:ここでサーチコンソールの仕事は終わりです。GA4に移ります

並べ替えは「クリック数の多い順」ではなく「表示回数の多い順」にしてください。表示回数が多いのにCTRが低いページが、いちばん改善の余地が大きい場所です。

ステップ3. GA4で「入ってきた後に落ちているか」を見る

GA4では、ランディングページのレポートを開き、オーガニック検索で絞り込みます。見るのは、そのページに入ってきた人が次に進んでいるかどうかです。

入口ページのエンゲージメント率が、サイト全体の平均より明らかに低いページを3つだけ選んでください。そのページは、検索結果の期待と中身が合っていない可能性が高いです。サーチコンソールに戻って、そのページがどんなクエリで表示されているかを確認すると、期待とのズレが具体的に見えます。

この「サーチコンソールで見つけたページをGA4で調べ、またサーチコンソールに戻る」という往復が、使い分けの実質です。片方だけでは、順位が上がったのに問い合わせが増えない理由にたどり着けません。

ステップ4. 2つを1画面にまとめる(連携の前提と注意)

毎週2つの画面を行き来するのが面倒なら、GA4とサーチコンソールを連携できます。連携すると、検索キーワードとサイト内の行動を同じ画面で見られるようになります。

連携の条件と手順、連携後に見られるようになるレポートについては、アナリティクス ヘルプ「Search Console を Google アナリティクスに接続する」にまとまっています。権限の要件、1つのプロパティをどのデータストリームにリンクできるか、連携後にレポートを表示させるための操作は、画面の名称や仕様が変わることがあるので、着手前に必ず公式ヘルプで確認してください。

反映までの時間についても、同ヘルプで次のように説明されています。

Search Console のデータは、Search Console に収集されてから 48 時間後に、Search Console とアナリティクスでご利用いただけるようになります。

連携の操作場所も公式ヘルプの手順に沿って進めてください。「連携したのにレポートが出ない」ときは、まず公式ヘルプの手順どおりにレポートの公開設定が済んでいるか、48時間経っているかの2点を確認してください。

ステップ5. 月次レポートの型を決めて、毎月同じ形で残す

数字を見る習慣を続けるには、書き込む先を先に作っておくのが確実です。スプレッドシートに次の表を作り、毎月1行ずつ足していってください。

入れる値取得元
年月2026-07 のように統一手入力
表示回数月合計サーチコンソール
クリック数月合計サーチコンソール
CTRクリック÷表示回数計算
平均掲載順位月平均サーチコンソール
オーガニックセッション月合計GA4
整合比率セッション÷クリック計算
キーイベント数月合計GA4
今月やったこと記事公開、タイトル修正など手入力

最後の「今月やったこと」の列を必ず入れてください。これがないと、数字が動いた理由を後から誰も説明できなくなります。社内報告の形まで整えたい方はSEO報告の作り方|役員が納得するKPI設計と成果の示し方もあわせてどうぞ。

週1回のチェックリスト。この5つだけで運用は回ります。

  1. サーチコンソールで表示回数とクリック数の増減を確認する
  2. CTRが落ちたページを1つ選ぶ
  3. GA4でエンゲージメントが低い入口ページを1つ選ぶ
  4. その2ページのどちらかを今週直す
  5. 月末に上の表へ1行追記する

この章の結論として、使い分けは「サーチコンソールで入口の問題を見つけ、GA4で中身の問題を見つけ、また戻る」という往復に集約されます。毎週30分をこの往復に使えるかどうかで、半年後の改善量が変わります。

使い分けができると、何がどう変わるか

いちばん大きく変わるのは、「今月どのページを直すか」を数字で決められるようになることです。感覚で選んでいたリライト対象が、根拠を持って選べるようになります。

この計算ができるのは、表示回数とCTRという数字がサーチコンソールにあるからです。GA4だけを見ていると「アクセスが少ない」までしか分からず、原因が「そもそも表示されていない」のか「表示はされているが選ばれていない」のか切り分けられません。

もう1つの変化は、施策の打ち切り判断が早くなることです。記事を公開して4週間経ち、サーチコンソールの表示回数がほぼゼロのままなら、それはタイトルの問題ではなくインデックスや検索意図のズレなので、リライトではなく別の対処が要ります。逆に表示回数はあるのにクリックがゼロに近いなら、記事の中身ではなくタイトルの問題です。直す場所を間違えなくなる分、同じ工数で成果が出やすくなります。

指標を増やすほど良くなるわけではありません。指標の数そのものが成果を決めるのではなく、見たあとに手が動いた回数が成果を決めます。毎週見て毎週1ページ直せる分量まで絞るほうが、改善は前に進みます。

3層に分けた効果測定の考え方はSEOの効果測定は3層で見える化|無料ツールと5ステップで解説で詳しく整理しています。指標が多すぎて絞り込めない方はそちらを先にどうぞ。

この章の結論として、使い分けの価値は「分析が上手になること」ではなく「今週直すページが1つに決まること」です。決まらないなら、指標が多すぎます。

サーチコンソールとGA4でやりがちな失敗と回避法

ここからは、実際に現場でよく見る失敗を挙げます。どれもこの2つのツールを併用しているときにしか起きないものです。

失敗1. 平均掲載順位を、順位チェックツールの順位と同じものとして扱う

「サーチコンソールでは平均10位なのに、自分で検索したら3位に出た。どっちが正しいのか」という相談は本当に多いです。

サーチコンソールの平均掲載順位がどう算出されるかは、Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス指標」に説明があります。端末や地域、パーソナライズの影響を含んだ多数の表示をならした平均なので、自分が今見ている1回の検索結果とは別物になります。

これを混同すると、「順位が上がったはずなのにサーチコンソールが下がっている」と社内で混乱します。回避策は単純で、平均掲載順位は絶対値で語らず、同じページの前月比だけを見ると決めることです。特定キーワードの実際の順位を知りたいときは、検索順位チェックツールの使い方のように別の方法で測ります。

失敗2. GA4の「オーガニック検索」とサーチコンソールのクリックを1対1で比べる

GA4のデフォルトチャネルグループにある「オーガニック検索」には、Google以外の検索エンジンからの流入も含まれます。チャネルの定義はアナリティクス ヘルプ「デフォルト チャネル グループ」で確認できます。一方サーチコンソールが対象にしているデータの範囲はSearch Console ヘルプ「Search Console のデータについて」に説明があるので、両方を突き合わせる前に確認してください。

この前提を知らずに突き合わせると、「GA4のほうが多いのはおかしい」と原因のない調査を始めることになります。回避策は、GA4側で参照元/メディアを確認し、googleに限定してから比べることです。

失敗3. URLプレフィックスのプロパティ1つだけを見て、流入の一部を見落とす

サーチコンソールには、ドメイン全体をまとめて見るドメインプロパティと、指定したURLの形だけを見るURLプレフィックスプロパティがあります。それぞれの確認方法と対象範囲はSearch Console ヘルプ「サイトを Search Console に追加する」で確認できます。

昔に登録したままのサイトだと、httpsのwwwなしだけをURLプレフィックスで登録していて、wwwありやサブドメインのデータが別枠になっていることがあります。この状態だと、サーチコンソール上のクリック数が実態より少なく出て、GA4との差が大きく見えます。

回避策は、DNSの確認ができるならドメインプロパティを追加して、そちらを主に見ることです。プロパティを増やしたり見る先を変えたりした月は、その月をレポートに必ずメモしておいてください。これを残さないと、翌年に「去年の同月と比べて激増している」という誤読が起きます。

失敗4. 確定していない直近の数字で判断してしまう

サーチコンソールは直近数日のデータが確定していません。金曜に「今週クリックが減った」と焦って、月曜に見たら普通に戻っていた、というのはよくあります。データが使えるようになるまでの日数はSearch Console ヘルプ「Search Console のデータについて」で確認できます。

回避策は、比較する期間の終わりを、公式ヘルプに書かれた反映日数より前に固定することです。週次で見るなら「未確定の期間を外した直近7日間」と「そのさらに前の7日間」を比べる、といった具合に、固まっていない期間を最初から除いておきます。

失敗5. クエリ一覧の合計と、全体の合計が違うのを不具合だと思う

前述のプライバシー保護によって、クエリの表にはすべての検索語が出てきません。だからクエリ別のクリック数を全部足しても、上に出ている合計クリック数には届きません。

ここでやりがちなのが、クエリ表をエクスポートして合計を出し、それを「オーガニック流入の実数」として報告資料に載せてしまうことです。実際より少ない数字で報告することになります。回避策は、合計値は必ずレポート上部の数字を使い、クエリ表は傾向を見るためだけに使うと役割を分けることです。

この章の結論として、5つの失敗はどれも「2つのツールの定義の違いを知らないまま数字を並べた」ことが原因です。定義さえ押さえれば、調べなくていいことに時間を使わずに済みます。

現場で本当に困るのは数字のズレではない。3つの落とし穴

ここからは、解説記事にはあまり書かれない、実際に相談を受けて困っている中身の話をします。数値のズレより、こちらのほうが影響が大きいことが多いです。

落とし穴1. アカウントの所有者が自社ではない

いちばん多いのがこれです。サーチコンソールもGA4も、制作を依頼した会社の担当者個人のGoogleアカウントで作られていて、自社は招待された閲覧者ですらない、という状態です。

これが問題になるのは、取引が終わったときです。サーチコンソールで遡って見られる期間には上限があり、詳細はSearch Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」で確認できます。所有権を失って再登録すると、それ以前のデータは二度と取り戻せません。GA4も、プロパティごと引き継げなければ過去の比較ができなくなります。

やるべきことは今日できます。自社の管理用Googleアカウント(個人名ではなく、info@やweb@など会社で管理するもの)を1つ作り、両方のツールでそのアカウントを最上位の権限で追加してもらってください。データは資産なので、器の名義を自社に寄せておくのが先決です。

落とし穴2. AI検索の広がりで、表示回数とクリックの関係が変わってきている

2026年時点で無視できないのが、検索結果の中でAIが答えを生成する機能の影響です。検索結果に自社ページが引用されて表示回数は立っているのに、ユーザーはAIの回答文で用が足りてサイトまで来ない、という形があります。これがどの程度起きているかは、自社のサーチコンソールで表示回数とクリック数の推移を並べて確認してください。

サーチコンソールでAI関連の表示状況をどこまで確認できるかは、提供状況が変わります。自社の管理画面にどのレポートがあるかは、実際に開いて確認してください。

やることは1つです。月次レポートの「今月やったこと」の隣に、表示回数とクリック数の推移を並べて残しておいてください。表示回数は横ばいなのにクリックだけが落ちていく動きが続くなら、検索結果の中で用が足りている割合が増えている可能性があります。今の数字を残しておかないと、その変化は後から追えません。

落とし穴3. ツールを見る担当者が、直す権限を持っていない

数字は見ているのに何も変わらない会社には、共通のパターンがあります。レポートを作る人と、サイトを直せる人が別で、間に見積もりと承認が挟まっている状態です。

タイトルを1本書き換えるのに制作会社への依頼と数営業日の待ちが発生すると、週1回のサイクルは物理的に回りません。ここは、ツールの使い方ではなく体制の問題です。

現実的な妥協点として、タイトル・メタディスクリプション・本文の文言だけは自社で直せる状態にしておくことをおすすめします。WordPressなら管理画面から編集できる範囲です。デザインやテンプレートの改修はプロに任せて構いませんが、文言の書き換えまで外に出すと、改善速度がゼロに近づきます。ここを分けられるかどうかが、半年後に差になって出ます。

この章の結論として、数値のズレは知識で解決しますが、アカウントの名義と直せる体制は決断でしか解決しません。今日決められることが2つ(管理用アカウントの用意と、文言修正の権限)あります。

サーチコンソールとGA4のよくある質問

サーチコンソールのクリック数とGA4のセッション数、どのくらいズレていたら異常ですか

他社の平均と比べても意味がありません。自社の直近3か月の「セッション÷クリック」の比率を基準線にして、そこから大きく外れた月だけ調べてください。GA4が急に減ったらタグの脱落、急に増えたら二重計測を疑うのが基本の切り分けです。

GA4とサーチコンソールを連携すれば、GA4だけ見ていれば済みますか

済みません。連携で見られるのは検索クエリと、ランディングページ単位で掛け合わせた数字までです。インデックス登録の状況やURL検査など、サイトの技術的な問題を確認する機能はサーチコンソール側にしかないので、両方を開く運用は残ります。

平均掲載順位が10位なのに、自分で検索すると3位に出ます。どちらが正しいですか

どちらも正しく、測っているものが違います。サーチコンソールの数字は端末や地域を含む多数の表示をならした平均で、あなたが見ているのは特定の1回の検索結果です。判断に使うなら、絶対値ではなく同じページの前月比の動きを見てください。

1年以上前と比べたいのですが、どちらのツールで遡れますか

サーチコンソールで遡れる期間には上限があり、詳細はSearch Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」で確認できます。GA4の探索レポートもプロパティのデータ保持設定に左右されるので、長期比較を前提にしないでください。確実なのは、毎月末に主要な数値をスプレッドシートへ書き出して自社で貯めておくやり方です。

制作会社のアカウントで登録されています。今から自分で登録し直すと過去データはどうなりますか

新しいプロパティを作り直すと、過去のデータは引き継がれません。登録し直す前に、まず現在のプロパティに自社の管理用アカウントを追加してもらってください。所有権の追加であればデータは失われず、そのまま継続して見られます。

まず今日の1分でやること

この記事を閉じる前に、サーチコンソールの検索パフォーマンスを開いて、期間を過去28日にしてください。クリック数と表示回数の折れ線が同じ方向に動いているかを見るだけで、今の課題が「表示が足りない」のか「選ばれていない」のかが分かります。1分で終わります。

そのうえで、GA4側の指標を整理し直したい方はSEOの効果測定は3層で見える化を次に読むと、今日の1分が毎月の仕組みに変わります。

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