「Apple Intelligence」で広報のプレスリリース要約・返信をiPhone1台で時短
この記事の要点
- 要約と返信下書きはAIに任せ、最終判断と事実確認は人が握る
- リリースやメールは選択→文章ツールで要約し、自社に関係するか選別
- 返信はたたき台を文章ツールで校正し、固有名詞や日付を人が確認
毎日大量に届くプレスリリースやメディアからのメール。「全部に目を通す時間がない」「移動中にもっとさばけたら」と感じている広報担当の方は多いはずです。実は、その作業のかなりの部分はiPhone1台で時短できます。
この記事では、Apple Intelligence(アップル・インテリジェンス)を使って、プレスリリースやメールの要約・返信ドラフト作成をiPhoneだけで効率化する具体的な手順を解説します。何を任せ、何を人が確認すべきかという線引きまで、広報の現場目線でお伝えします。

Contents / 目次
結論。要約と返信の下書きはiPhoneに任せ、判断は人がやる
先に結論をお伝えします。Apple Intelligenceで時短できるのは「読む量を減らす要約」と「ゼロから書く負担を減らす返信ドラフト」の2つです。逆に、送る相手への最終判断や事実確認は人がやる。この役割分担を最初に決めておくと、迷わず使えます。
Apple Intelligenceとは、iPhone・iPad・Macに組み込まれた、文章の要約・書き換え・校正などを助けるAI機能のことです。かんたんに言うと、これまでパソコンの専用ツールでやっていた「長文を短くまとめる」「返信文の下書きを作る」といった作業を、iPhoneの標準機能としてその場でできるようにしたものです。アプリを新しく入れなくても、普段使うアプリの中でその場で使えるのが特徴です(対応するアプリや範囲は機種・OS・地域によって異なります)。
広報の仕事に当てはめると、押さえるべきポイントは次の3つです。それぞれが「どの作業を、どの機能で楽にするか」に対応しています。
| 広報の作業 | iPhoneで任せられること | 人がやるべきこと |
|---|---|---|
| 届いたプレスリリースの選別 | 本文を要約して要点だけ把握する | 自社に関係あるか・取り上げる価値があるかの判断 |
| メディアや社内からのメール対応 | 返信の下書き(たたき台)を作る | 相手との関係性に合わせた言い回しの調整・送信 |
| 長い記事・資料の下調べ | Webページや文章の要約で概要をつかむ | 数字や固有名詞の事実確認・引用判断 |
大事なのは、AIは「読む・書くの下ごしらえ」をしてくれる存在で、最終判断は人がやるという前提です。AIに任せるのは作業、判断は人が握る。この一線さえ守れば、品質を落とさずにスピードだけを上げられます。
まず確認すること。Apple Intelligenceは対応する機種・OSバージョン・言語・地域によって使える機能が異なります。日本語での利用可否や対応状況は、お使いのiPhoneでApple Intelligenceを入手する方法(Appleサポート)を確認してから始めてください。
iPhoneだけでやる。要約と返信ドラフトの具体的な手順
ここからは、実際にiPhone1台で要約と返信ドラフトを作る流れを順番に説明します。画面上のボタン名やメニューの位置はOSの更新で変わることがあるため、ここでは「何を・どの順番でやるか」という再現できる手順を中心にお伝えします。正確なボタンの名称や場所は、iPhoneでApple Intelligenceを使用する(Appleサポート)で最新の表記を確認してください。

プレスリリースやメールを要約する流れ
要約は「要約したい文章を選んで、Apple Intelligenceの文章ツール(Writing Tools)から要約を呼び出す」のが基本の流れです。メールやメモなど、文章を選択できるアプリで利用できますが、対応するアプリや範囲は機種・OS・地域によって異なります。使えるかどうかは、お使いのアプリで実際に文章を選択してメニューを確認してください。具体的な手順は次のとおりです。
- ①対象を開く:要約したいメール本文や、メモに貼り付けたプレスリリースの文章を表示する
- ②テキストを選択:要約したい範囲を選ぶ(本文全体でも一部でもOK)
- ③文章ツールを呼び出す:表示されるメニューからApple Intelligenceの文章ツールを開く
- ④要約を実行:要約(Summary)を選ぶと、要点が短くまとまって表示される
- ⑤要点をチェック:出てきた要約を読み、自社に関係するかどうかを30秒で判断する
Webページを下調べするときも、Safariで対象のページを開いて本文を要約する使い方ができます。ニュース記事や競合の発表ページなど、長い文章をざっと把握したいときに便利です。操作や対応状況はOSのバージョンで変わることがあるため、お使いのiPhoneでの手順は前述のAppleサポートで確認してください。
メールの返信ドラフトを作る流れ
返信ドラフトは、自分で短いたたき台を書き、それをApple Intelligenceの文章ツールで書き換え・校正して仕上げるのが基本です。文章ツールは、入力済みの文章を要約・書き換え・校正する機能だからです。広報のメール返信はそのまま送れるほど単純ではないので、たたき台として使い、人が仕上げる流れにします。
- ①返信画面を開く:返信したいメールで返信操作をする
- ②たたき台を書く:返信の要点を自分で短く書き、文章ツールで読みやすく書き換える・整える
- ③用途を絞る:「お礼」「日程調整」「資料送付の連絡」など、定型に近い返信ほど精度が上がる
- ④人が直す:相手の名前・媒体名・前回のやりとりを踏まえて、言い回しを自社らしく整える
- ⑤送信前チェック:固有名詞・日付・添付の有無を確認してから送る
「AIに何を渡すか」で結果は大きく変わります。たとえばメモアプリで自分用の指示を書き、それをもとに文章ツールで書き換える使い方も有効です。出発点のたたき台(seed)として、次のような短い指示から始めるとよいでしょう。あとはAIと対話しながら、自社の状況に合わせて詰めてください。
あなたは[自社の業種を入力]の広報担当です。
以下のメールに対し、丁寧で簡潔な返信の下書きを作ってください。
・相手は[媒体名・記者名を入力]
・伝えたい用件は[例:取材日程の候補3つを提示]
・トーンは[例:丁寧だが堅すぎない]
[ここに元のメール本文を貼り付け]
このseedはあくまで出発点です。完成された長いプロンプトを作り込む必要はありません。今のAIは、ざっくり頼めば自分で整えてくれます。それよりも、出てきた下書きの「どこを人が直すか」を意識する方がずっと大事です。
注意点として、機密情報や未公開の発表内容を扱うときは、社内のAI利用ルールを必ず確認してください。Appleはデバイス上での処理やPrivate Cloud Computeによるプライバシー重視の設計を説明しています(Apple公式)が、何を入力してよいかの線引きは会社ごとに決めておくべきです。
最初にやるべき3ステップのチェックリスト
いきなり全業務に広げると失敗します。次の3ステップで、小さく始めて慣れていくのがおすすめです。
- ステップ1:まず「要約」だけを1週間試す。届いたプレスリリースを要約して選別する作業に絞る
- ステップ2:慣れたら「定型の返信ドラフト」を追加する。お礼・受領連絡など、失敗しても影響が小さいものから
- ステップ3:うまくいったパターンを社内で共有する。「この用途は使える/この用途は人がやる」を一覧にする
どれくらい時短できる。取り組んだ企業に見える変化
結論から言うと、効果が一番出るのは「読む量が多い人」です。1日に何十通もプレスリリースやメールを受け取る広報ほど、要約による選別の時短効果が大きくなります。

具体的な数字は、扱う情報量や業務内容で大きく変わるため一概には言えません。ただ、考え方として、たとえば1通あたり3分かけて読んでいたプレスリリースを、要約で30秒の判断に変えられたとします。1日20通なら、単純計算で約50分の短縮です。これはあくまで仮の試算ですが、「読む時間を判断の時間に変える」という効果のイメージはつかめるはずです。
うまく活用している現場には、共通点があります。それは「全部AIに任せる」ではなく「下ごしらえだけ任せる」と割り切っていることです。要約で当たりをつけ、返信は下書きから仕上げる。この使い方をしているチームほど、品質を落とさずスピードを上げています。
もう一つの変化は、移動中や隙間時間の使い方です。これまでパソコンの前でないとできなかった「長文を読んで判断する」作業が、iPhone1台でできるようになります。外出が多い広報や、1人で広報を回している担当者にとっては、この「場所を選ばない」点が効いてきます。Apple Intelligence全体の機能や考え方は、Apple Intelligence(Apple公式)でも確認できます。
なお、広報業務全体をAIに引き継ぐ発想については、広報のルーチンをAIエージェントに丸投げ|メール返信から入稿まで自動化でも詳しく解説しています。iPhoneでの時短と合わせて読むと、どこまで仕組み化できるかのイメージが広がります。
よくある失敗と、その防ぎ方
便利な機能ほど、使い方を間違えると逆効果になります。広報の現場でよく見かける失敗を3つ挙げ、それぞれ「どんな状況で起きるか→何が起きるか→どう防ぐか」で整理します。

失敗1。要約をうのみにして判断を誤る
忙しいときほど、要約だけ読んで元の文章を確認せずに判断しがちです。すると、要約では落ちていた条件(解禁日時、対象地域、注釈など)を見落とし、間違った対応をしてしまいます。要約はあくまで「全体の当たりをつける」ためのもの。重要なメールや、対応が必要だと判断したものは、必ず元の本文に戻って確認する習慣をつけましょう。
失敗2。返信ドラフトをそのまま送ってしまう
AIが作る返信は、文法的には整っていても、当たり障りのない一般的な文章になりがちです。これをそのまま送ると、相手の名前や前回のやりとりに触れていない、心のこもらない返信になり、せっかくの記者との関係を損ねます。防ぎ方はシンプルで、ドラフトは「8割の土台」と考え、相手に合わせた一言を必ず人が足すこと。特にメディア対応は、人間関係が成果を左右します。
失敗3。要約の数字や事実をそのまま引用する
AIによる要約や生成文には、まれに事実と異なる内容(ハルシネーション)が混じることがあります。要約に出てきた数字や日付を、確認せずに自社のリリースやSNSに転記すると、誤情報の発信につながります。数字・固有名詞・日付は、必ず元の一次情報と照らし合わせてから使う。これは社内ルールとして明文化しておくと安全です。AIの出力を二重チェックする考え方は、AI校正で危ない表現を自動検出するダブルチェック術も参考になります。
共通する防ぎ方。3つの失敗はすべて「AIの出力を最終成果物として扱った」ことが原因です。要約は判断のため、ドラフトは仕上げの土台、という位置づけを徹底すれば、ほとんどの失敗は防げます。
使う前に知っておきたい、現場のリアルな限界
正直にお伝えすると、Apple Intelligenceの要約・返信機能だけで広報業務がすべて楽になるわけではありません。教科書的な記事には書かれにくい、現場で見えてくる妥協点をいくつか共有します。
まず、機能の対応状況には波があります。Apple Intelligenceは比較的新しい機能群で、対応する言語・地域・OSバージョンによって使える範囲が異なります。一部の機能は提供時期が後ろにずれることもあります。「ネットで見た機能が自分のiPhoneにない」ということも起こりうるので、過度に期待せず、まず自分の端末で使える機能を確認するのが現実的です。
次に、これは「iPhone単体の時短ツール」であって、チーム全体の業務を仕組み化するものではない、という点です。要約や返信の下書きは個人の作業を速くしますが、メディアリストの管理、配信効果の集計、複数人での進捗共有といった「仕組み」の部分は別の話です。個人の時短と、組織の仕組み化は分けて考える必要があります。ここを混同すると、「iPhoneで便利になったのに、結局チームの残業は減らない」という事態になりがちです。
そして、内製と外注の切り分けです。「要約や返信をiPhoneでやる」程度なら、誰でもすぐに自社で始められます。一方で、「広報全体の業務をどう分解し、どこをAIに任せ、どこを人が握るか」という設計は、自社だけで進めると手が止まりやすい領域です。ツールの使い方は調べれば分かりますが、自社の業務に合わせた仕組みづくりは、経験がないと最適解が見えにくいからです。ここは無理に1人で抱え込まず、設計だけ相談するという選択肢も持っておくと安心です。広報担当者の役割の変化については、「AX」で変わる広報の仕事。AIディレクターへ進化する思考法でも掘り下げています。
よくある質問
Apple Intelligenceは無料で使えるの?
対応する機種とOSであれば、基本的な機能は追加の課金なしで利用できます。使える機能は機種・OSのバージョン・言語・地域で異なります。まずはお使いのiPhoneがApple公式の対応条件(Appleサポート)を満たしているか確認してください(2026年06月15日時点)。
機密情報や未公開のリリースを要約させても大丈夫?
会社のAI利用ルールに従うのが大前提です。Appleはデバイス上での処理やPrivate Cloud Computeによるプライバシー重視の設計を説明しています(Apple公式)が、何を入力してよいかは社内で線引きしておくべきです。迷うものは入力しない、が安全な判断です。
パソコンの専用ツールと比べてどう?
iPhone単体で完結する手軽さと、移動中でも使える点が強みです。一方で、メディアリスト管理や配信効果の集計といったチームの仕組み化は専用ツールや別の設計が必要です。個人の時短と組織の仕組み化は分けて考えましょう。
AIの要約や返信はそのまま使っていい?
そのままは避けてください。要約は判断のための下ごしらえ、返信は仕上げ前の土台です。数字や日付は元の情報と照合し、返信は相手に合わせた一言を人が足す。この一手間で品質を保ちながら時短できます。
ここまで読んで、「個人の時短はできそうだけど、広報チーム全体の業務をどう仕組みにするかは自社だけだと難しそう」と感じた方もいるかもしれません。コレットラボのAI業務システム化支援では、どの作業をAIに任せ、どこを人が握るかの設計から伴走しています。まずは現状を整理するだけでも大丈夫です。AI業務システム化の詳細はこちらから、お気軽にお話を聞かせてください。
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