GBP分析データをスプレッドシートで管理する手順
この記事の要点
- GBPの分析は毎月同じ区切りで確認し、手元のスプレッドシートに月次で蓄積する
- 追う指標は「表示・行動・電話・ルート・予約」の5系統に絞る
- 数字を貼るだけで終わらせず、打ち手と結果をひも付けて記録する
Googleビジネスプロフィール(以下GBP)の管理画面を開くたびに「先月より増えたのか減ったのか、よく分からない」と感じていませんか。管理画面のグラフは便利ですが、過去との比較がしづらく、打ち手の効果も追いにくいのが正直なところです。
この記事では、GBPの分析データをスプレッドシートに集約して、毎月の変化と施策の効果を「見える化」する具体的な手順を解説します。数値の確認のしかた、追うべき指標、コピペで使える集計テンプレート、そしてよくある失敗まで、非エンジニアの方でもそのまま再現できる形でまとめました。
Contents / 目次
結論。GBP分析はスプレッドシートに月次で貯めるのが最短

結論から言います。GBPの分析は、管理画面を眺めるだけでは不十分です。月に一度データを確認して、自分のスプレッドシートに時系列で貯めていくのが、いちばん確実で再現性のあるやり方です。
理由はシンプルです。GBPの管理画面(Google では「パフォーマンス」と呼ばれる分析画面)だけでは、任意の過去の月どうしを並べて比べるのが手間になりがちです。去年の同じ月と今月をすぐ見比べたい、といったときに、手元へ数字を貯めておけば、この問題は起きません。
やるべきことは、大きく次の3つだけです。順番に見ていきましょう。
- 確認:GBPのパフォーマンス画面から、期間を指定してデータを確認する
- 集約:確認したデータを、月ごとに1行ずつ自分のスプレッドシートへ転記する
- 記録:その月にやった施策(写真投稿、口コミ返信など)を同じ行にメモしておく
この3つがそろうと、「6月に写真を増やしたら、7月にルート検索が伸びた」といった因果が読めるようになります。数字を貯めるだけでなく、施策とセットで記録するのがコツです。
まず、GBPで見られる主な指標を整理しておきます。全部を追う必要はありません。下の表の「優先度」が高いものから押さえてください。
| 指標 | 意味(かんたんに言うと) | 優先度 |
|---|---|---|
| ビジネスプロフィールの表示回数 | あなたの店・会社が検索やマップで表示された回数 | 高 |
| ウェブサイトのクリック | プロフィールから公式サイトへ移動した回数 | 高 |
| 電話(通話) | プロフィールの電話ボタンから発信された回数 | 高 |
| ルート検索 | マップで経路(行き方)を調べられた回数 | 高 |
| 予約 | 予約に関する導線が使われた回数 | 中 |
| 検索キーワード | どんな言葉で見つけられたか | 中 |
指標の詳しい定義や表示条件は変わることがあるため、正確な内容はGoogleビジネスプロフィール ヘルプのパフォーマンスとインサイトの確認ページで確認できます。ここでは「何を、なぜ追うか」を押さえておけば十分です。
まず押さえること。追う指標は「表示・クリック・電話・ルート・予約」の5系統に絞ってOKです。全項目を毎月きれいに埋めようとすると続きません。続けられる形にすることが、分析では何より大事です。
GBPの分析データをスプレッドシートで管理する具体手順

ここからが本題です。実際に手を動かして、GBPの分析データをスプレッドシートに集約する手順を、5つのステップに分けて説明します。パソコンとGoogleアカウントがあれば、今日から始められます。
ステップ1。パフォーマンス画面からデータを確認する
最初にやるのは、GBPのパフォーマンス画面を開いて数値を確認する作業です。オーナー確認(自分がこの店・会社の正式な管理者だとGoogleに認められている状態)が済んだプロフィールなら、パフォーマンス画面で期間ごとの数値を確認できます。
操作の流れは次のとおりです。
- GBPの管理画面で「パフォーマンス」を開く
- 見たい期間を選ぶ
- 表示された数値を確認する
画面の表示内容は変わることがあるため、最新の正確な操作は前述のGoogleビジネスプロフィール ヘルプで確認してください。
ここで大事なのは「毎月同じ期間の区切りで数値を控える」ことです。たとえば「毎月1日に、先月1か月分を確認する」とルールを決めておくと、データがきれいにそろいます。
1点だけ注意です。パフォーマンス画面に表示される検索キーワードは、表示される条件が変わることがあり、実際に検索された語のすべてが一覧に出るとは限りません。詳しい表示条件は前述のヘルプで確認できます。キーワード分析に過度に依存せず、表示・行動系の数字を軸に見るのが安全です。
ステップ2。集計用スプレッドシートの型を作る
次に、データを貯める器を用意します。ここが管理の土台になるので、最初にきちんと設計しておきましょう。おすすめは「1か月=1行」の形です。横に指標を並べ、縦に月を積み上げていきます。
具体的には、次の列を用意してください。Googleスプレッドシートでも、Excelでも構いません。
| 列 | 入れる内容 | 例 |
|---|---|---|
| 年月 | 対象の月 | 2026-06 |
| 表示回数 | その月の合計 | 4200 |
| サイトクリック | その月の合計 | 180 |
| 電話 | その月の合計 | 64 |
| ルート検索 | その月の合計 | 210 |
| 予約 | その月の合計 | 12 |
| 口コミ数 | 月末時点の累計 | 38 |
| 平均評価 | 月末時点の星 | 4.3 |
| 実施した施策 | その月にやったこと | 写真8枚・投稿4回 |
| 気づき | ひとことメモ | ルート検索が伸びた |
ポイントは、いちばん右に「実施した施策」と「気づき」の欄を必ず作ることです。数字だけの表は、後で見返しても「なぜ変わったのか」が分かりません。打ち手をセットで残すからこそ、分析が意思決定につながります。
ステップ3。確認したデータを転記する
器ができたら、ステップ1で確認したデータから必要な数字を拾って、その月の行に転記します。全部の数値を写す必要はありません。ステップ2で決めた列に対応する数字だけを入れればOKです。
手作業での転記は5分もあれば終わります。毎月やることなので、あえてシンプルに保つのがコツです。ここで凝った関数を入れすぎると、担当者が変わったときに引き継げなくなります。
前月比を自動で出したい場合は、比較用の列を1つ足して、次のような式を入れておくと便利です。Googleスプレッドシートでもそのまま動きます。
// 表示回数の前月比(%)を出す例。
// B列=表示回数、2行目が最新月、3行目が前月とする。
// [自社の列に合わせてB2・B3を変更]
=IF(B3=0, "-", ROUND((B2-B3)/B3*100, 1) & "%")
// 結果の例。B2=4200, B3=3800 なら「10.5%」と表示される。
// B3(前月)が空や0のときは "-" を返すので、エラーになりません。
この式を電話やルート検索の列にもコピーしておけば、毎月「どの数字が伸びて、どれが落ちたか」がひと目で分かります。難しく感じるかもしれませんが、1度作れば翌月からはコピーで使い回せます。
ステップ4。公式サイトへのリンクにUTMを付けて流入を分ける
もう一歩踏み込みたい方向けの設定です。GBPに登録している公式サイトのURLに「UTMパラメータ」という目印を付けておくと、Googleアナリティクス側で「GBP経由の訪問」を見分けやすくなります。実際にどう集計されるかはアナリティクスの設定によって変わるため、計測結果は必ず自分の環境で確認してください。
UTMパラメータとは、かんたんに言うと「このリンクはGBPから来た」とアクセス解析に教えるための、URL末尾に付ける短いタグのことです。次のように、元のURLの後ろに付けます。
https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=local&utm_campaign=gbp
// example.com の部分を自社サイトのURLに置き換えてください。
// utm_source=google … 流入元がGoogle
// utm_medium=local … 経路がローカル(マップ・GBP)
// utm_campaign=gbp … GBP経由とわかる名前
このURLをGBPのサイト欄に設定しておけば、サイト側でアクセス解析を導入している場合に、GBP経由の訪問を見分ける手がかりになります。ただし、実際に判別・集計できるかは解析ツールの設定や仕様によるため、設定後は意図したとおりに計測できているかを必ず自分の環境で確認してください。
ステップ5。自動化するかどうかを見極める
ここまで手作業を前提に説明してきましたが、拠点が多い、あるいは毎月の転記が負担、という場合は自動連携という選択肢もあります。GBPのデータをスプレッドシートへ自動で流し込む外部の連携ツールを使えば、手作業の転記をなくせます。
ただし、いきなり自動化に飛びつく必要はありません。判断の目安は次のとおりです。
- 拠点が1〜3店舗:手作業で十分。月5分の転記で回る
- 拠点が数十以上、または毎月の集計が重い:自動連携ツールの検討価値あり
- まず試したい:1〜2か月は手作業で回し、続きそうなら自動化を考える
自動化は「手作業の型ができてから」が鉄則です。何を貯めたいかが決まっていないのに仕組みだけ入れると、使わないデータが溜まるだけになります。まずは手で回して、必要な指標を見極めてから自動化を検討しましょう。
続けると何が変わるか。数字が打ち手に変わる

GBPの分析をスプレッドシートで貯め続けると、何が変わるのか。ひとことで言うと、「なんとなくの運用」から「効果が読める運用」に変わります。
たとえば、写真を毎週アップした月と、何もしなかった月の表示回数を並べて見ると、活動量と表示回数のつながりが自分の店のデータで見えてきます。
ただし、成果の伸び方は業種・地域・競合状況で大きく変わります。他社の「◯%増えた」という数字をそのまま自社の目標にするのではなく、自分のデータの前月比を基準にするのが正しい見方です。
スプレッドシートで管理していると、次のような判断ができるようになります。
- 効いた施策が分かる:「投稿より写真のほうが電話につながっている」と気づける
- 季節変動が読める:去年の同月と比べて、繁忙期・閑散期の波を把握できる
- 報告がラクになる:経営者や本部への月次報告が、表をそのまま出すだけで済む
特に3つ目は見落とされがちですが、実務では大きな効果です。「今月がんばりました」という感覚的な報告ではなく、「表示が前月比12%増、電話が8件増」と数字で語れると、社内の信頼も、次の予算も得やすくなります。インサイトで優先して見るべき数値の考え方はGoogleビジネスプロフィールのインサイトで見るべき数値でも整理しているので、あわせて参考にしてください。
よくある失敗と回避法

GBP分析のスプレッドシート管理は、始めるのは簡単ですが、続けるうちにつまずく人が多いのも事実です。現場でよく見かける失敗を3つ挙げ、その防ぎ方をセットで紹介します。
失敗1。データを貯めるだけで、施策を記録していない
いちばん多い失敗がこれです。表示回数や電話数はきれいに転記しているのに、「その月に何をやったか」の記録がない状態です。こうなると、数字が動いても理由が分からず、次の打ち手につながりません。数字が並んだだけの表は、見返しても「ふーん」で終わってしまいます。
防ぎ方はシンプルです。スプレッドシートの右端に「実施した施策」欄を作り、写真を何枚上げたか、投稿を何回したか、口コミ返信をしたかを、ひとことでいいので毎月書き残します。数字と施策がひも付いて初めて、分析は意思決定の材料になります。
失敗2。集計期間がバラバラで比較できない
ある月は「過去28日」、別の月は「過去90日」で確認してしまう、という失敗もよくあります。期間の区切りがそろっていないと、前月比が正しく出せず、せっかく貯めたデータが比較できなくなります。特に担当者が複数いると起きやすいミスです。
防ぎ方は、確認のルールを1つに固定することです。「毎月1日に、先月1か月分(1日〜末日)を控える」と決めて、手順書に残しておきましょう。誰がやっても同じデータになる状態を作るのが、長く続けるコツです。
失敗3。キーワードデータに一喜一憂する
検索キーワードの一覧を見て、「このキーワードが消えた」「表示が減った」と過剰に気にしてしまうケースです。前述のとおり、パフォーマンス画面に表示されるキーワードがすべてではありません。一覧から消えたキーワードがあっても、実際の来店や問い合わせが減ったとは限りません。
防ぎ方は、判断の軸を「行動系の指標」に置くことです。キーワードは参考程度にとどめ、電話・ルート検索・サイトクリックといった「お客さんが実際に動いた数」を主役にして判断します。表示の内訳より、行動の結果を見るほうが、経営判断としては確実です。
失敗4。凝りすぎて続かない
最初から色分け・グラフ・複雑な関数を盛り込みすぎて、更新が面倒になり、3か月で放置される。これも典型的な失敗です。分析は続けてこそ価値が出るのに、仕組みが重いと続きません。
防ぎ方は「最初は素朴に作る」ことです。まずは月次で数字を並べるだけの表から始め、慣れてきたら前月比やグラフを足していきます。担当が変わっても引き継げる軽さを保つことが、長期で見ると最大の武器になります。
使う側の本音。分析は「作る」より「続ける」が難しい
ここまで手順を説明してきましたが、現場を見てきた立場から正直にお伝えすると、GBP分析のスプレッドシートは作ることより、続けることのほうがずっと難しいです。テンプレートは30分あれば作れます。でも、それを1年間、毎月更新し続けられる会社は多くありません。
なぜ続かないのか。多くの場合、原因は「担当者の頭の中にしかルールがない」ことです。確認する期間、どの数字を拾うか、施策の書き方。これらが本人しか分からない状態だと、その人が異動・退職した瞬間に運用が止まります。GBPの権限まわりの引き継ぎについてはGoogleビジネスプロフィールの権限譲渡|退職時の手順で詳しく解説しています。
もう一つの本音は、内製と外注の切り分けです。データを貯めるところまでは、社内でやるのが望ましいと考えています。自分たちの数字を自分たちの目で見る習慣は、外注では身につかないからです。
一方で、「貯めたデータをどう読んで、次に何をやるか」という分析と改善の部分は、経験がものを言います。ここでつまずく会社は本当に多いです。
数字は出せても、「じゃあ来月どうする?」の答えが出ない。この壁にぶつかったときが、外部の力を借りるタイミングだと思っています。全部を任せる必要はありません。仕組み作りと最初の読み解きだけ伴走してもらい、運用は社内で回す、という切り分けが現実的でおすすめです。
現場の妥協点。完璧なダッシュボードを目指す必要はありません。月5分で更新できる素朴な表を、1年続けるほうが、立派な仕組みを3か月で放置するよりはるかに価値があります。続く形を選んでください。
よくある質問
GBPの分析データは無料で確認できますか
はい、無料です。オーナー確認が済んだプロフィールなら、パフォーマンス画面で期間ごとの数値を確認できます。 追加のツールや費用は不要で、Googleアカウントがあれば今日から始められます。
確認はどれくらいの頻度でやればいいですか
月1回で十分です。「毎月1日に先月分を控える」とルールを決めると、データがきれいにそろい、前月比も正しく出せます。頻度を上げるより、同じ区切りで続けることのほうが大事です。
まず見るべき指標はどれですか
電話・ルート検索・サイトクリックの3つから見てください。これらは「お客さんが実際に動いた数」なので、来店や問い合わせに直結します。キーワードや表示回数は、その後の参考として見れば十分です。
自動連携ツールは最初から使うべきですか
いいえ、最初は手作業をおすすめします。まず何を貯めたいかを見極めてから自動化するのが失敗しないコツです。拠点が1〜3店舗なら手作業で十分回りますし、数十拠点あるなら自動連携を検討する価値があります。
数字を「読んで動く」ところまで伴走します
ここまで読んで、「表は作れそうだけど、貯めた数字をどう次の一手につなげるかが不安」と感じた方もいるはずです。分析でいちばん難しいのは、まさにその「読み解いて動く」部分です。コレットラボのMEO対策支援では、データの貯め方から、月次の読み解き、次の打ち手の設計までを伴走しています。まずは現状を整理するだけでも構いません。MEO対策の詳細はこちらから、お気軽にご相談ください。
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