「使いにくい」と言わせないサイト改善術。営業担当から顧客のホンネを吸い上げる仕組みづくり

「使いにくい」と言わせないサイト改善術。営業担当から顧客のホンネを吸い上げる仕組みづくり

自社サイトを見て「なんだか使いにくい」「お客さまから分かりにくいと言われた」と感じたことはありませんか。実は、その違和感の答えはアクセス解析ツールの中ではなく、毎日お客さまと話している営業担当の頭の中にあります。

この記事では、社内の営業担当から「顧客のホンネ」を引き出し、それをサイト改善に落とし込むための具体的な仕組みと手順を、現場目線でお伝えします。専門知識がなくても大丈夫です。今日から自分たちで回せる形に整理していきましょう。

結論。サイト改善の答えは「営業の会話」の中に眠っている

「使いにくい」と言わせないサイト改善術。営業担当から顧客のホンネを吸い上げる仕組みづくり

先に結論からお伝えします。「使いにくいサイト」を直す一番の近道は、高価なツールを入れることでも、デザインを丸ごと作り替えることでもありません。営業担当が日々聞いている顧客の生の声を、サイト改善のネタとして拾い上げる仕組みを作ることです。

なぜなら、サイトの「使いにくさ」のほとんどは、お客さまが商談中にポロッとこぼす一言に現れているからです。「御社のサイト、料金がどこに載ってるか分からなくて」「結局どのサービスが自分向けなのか迷った」。こうした言葉は、Google Analyticsの数字を眺めていても絶対に出てきません。数字は「どこで離脱したか」は教えてくれますが、「なぜ離脱したのか」までは教えてくれないからです。

かんたんに言うと、データは「症状」を、営業の会話は「原因」を持っているということです。両方をそろえて初めて、的を射た改善ができます。やるべきことは、大きく次の3つに整理できます。

  • 仕組み化:営業の声を「思い出したときに聞く」のではなく、定期的に集まる流れを作る
  • 言語化:集めた声を「使いにくい」のままにせず、サイトのどの部分の話かに翻訳する
  • 優先順位づけ:すべてを直そうとせず、問い合わせに直結する箇所から手をつける

この3つを押さえると、改善のスピードも精度も一気に変わります。まずは、定性的な声(営業のホンネ)と定量的なデータ(解析ツール)の役割の違いを、表で整理しておきましょう。

観点営業からの「ホンネ」(定性データ)解析ツールの「数字」(定量データ)
得意なこと離脱や迷いの「理由」が分かる離脱や流入の「場所と量」が分かる
具体例「料金の見せ方が不親切と言われた」「料金ページの直帰率が70%」
弱点人によって言うことがバラつく「なぜ」が分からない
集め方ヒアリング・会議・CRMへの記録GA4・サーチコンソール・ヒートマップ

ここが肝心。どちらか一方では片手落ちです。「数字で当たりをつけて、営業の声で原因を確かめる」。この順番で進めると、改善の打率が大きく上がります。

具体的なやり方。営業の声を吸い上げてサイトに反映する5ステップ

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では、実際にどう進めればいいのか。ここからは、今日から動ける具体的な手順を順番に見ていきましょう。むずかしいツールは使いません。エクセル1枚と、月1回の打ち合わせがあれば回せます。

ステップ1。聞くテーマを3つに絞ってから営業に声をかける

いきなり「お客さまの声、なんでもいいから教えて」と営業に聞いても、まず良い答えは返ってきません。営業は忙しいですし、漠然と聞かれても思い出せないからです。そこで、聞くテーマをあらかじめ絞ります。おすすめは次の3つです。

  • 探しにくかった情報:商談前にお客さまが「サイトで見つけられなかった」と言ったもの
  • 商談でよく出る質問:サイトに書いてあるのに毎回聞かれること、書いていなくて毎回説明すること
  • 競合と比べられた点:「他社サイトのほうが分かりやすかった」と言われた箇所

この3点に絞るだけで、営業は「ああ、あれね」と具体的なエピソードを出しやすくなります。つまり、質問の解像度を上げることが、良い答えを引き出すコツです。

ステップ2。月1回の「声の棚卸し」を会議の議題に入れる

次に、集める場を固定します。新しい会議を作る必要はありません。すでにある営業会議の中に、15分だけ「お客さまの声の棚卸し」という議題を足すだけで十分です。大事なのは「思い出したときに」ではなく「決まった日に」聞くこと。仕組みにしないと、必ず立ち消えになります。

このとき、Web担当者は「批判を集める係」ではなく「お客さまの声を一緒に拾う仲間」というスタンスで臨んでください。営業が「サイトのここがダメ」と言いやすい空気をつくることが、長く続けるコツになります。

ステップ3。集めた声を「サイトのどこの話か」に翻訳する

営業から出てくる声は、たいてい「なんか使いにくいらしい」というふんわりした形をしています。これをそのままにせず、サイトのどの部分の、どんな問題なのかに翻訳します。ここがWeb担当者の腕の見せどころです。

たとえば「料金が分かりにくいと言われた」という声なら、「料金ページが存在しない」のか「あるけど階層が深くて見つからない」のか「金額の幅が広すぎて自分ごとに思えない」のか、原因はいくつも考えられます。ここでステップ1で集めた解析データの出番です。料金ページの直帰率やページ滞在時間を見れば、どの仮説が近そうか当たりをつけられます。

ステップ4。改善ネタを一覧化して優先順位をつける

声が集まってくると、直したい箇所は山ほど出てきます。ここで全部に手をつけようとすると、たいてい挫折します。そこで、次のチェックリストで優先順位をつけましょう。「はい」が多いものから着手するのがおすすめです。

  • 問い合わせ直結度:その箇所は、問い合わせや資料請求の手前にあるか
  • 声の多さ::複数の営業から、同じ不満が出ているか
  • 手間の軽さ:大規模な作り替えなしで直せそうか
  • データの裏付け:解析ツールでも離脱や直帰が確認できるか

この4つを満たすものは、いわば「効果が大きくて、すぐ直せる」当たりネタです。まずはそこから手をつけると、小さな成功体験ができて、改善活動そのものが社内で続きやすくなります。

ステップ5。直したら効果を確かめ、また営業に報告する

改善したら必ず効果を確認します。問い合わせ件数、対象ページの直帰率、フォーム到達率などを、改善前後で比べましょう。そして「あなたが教えてくれた声で、ここを直したら反応が増えました」と営業に報告する。これが想像以上に効きます。自分の声が形になったと分かると、営業は次からもっと協力してくれるようになるからです。フォーム周りを直すなら、入力フォームで脱落させないフォーム最適化(EFO)の具体策もあわせて確認しておくと精度が上がります。

取り組むと何が変わるのか。期待できる成果のイメージ

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この仕組みを回し始めると、サイト改善の「打率」が変わります。これまで担当者の勘や好みで「なんとなくここを直そう」とやっていたのが、「お客さまが実際につまずいた箇所」をピンポイントで直せるようになるからです。当てずっぽうの改善と、原因が分かった上での改善では、結果がまるで違います。

具体的には、次のような変化が期待できます。あくまで現場でよく見られる傾向ですが、目安として参考にしてください。

  • 問い合わせの質が上がる:サイトで疑問が解消されるため、商談前の温度感が高い問い合わせが増える
  • 営業の説明工数が減る:毎回口頭で説明していた内容をサイトに載せることで、商談がスムーズになる
  • 離脱が減る:迷いの原因をつぶすことで、料金やサービスページからの離脱が下がる

たとえば、入力項目が多くて途中離脱が起きていたフォームを、一度に1問ずつ答えるステップ形式に変えるだけで、申し込み完了率が大きく改善するケースは珍しくありません。一般にステップ型フォームへの変更で完了率がおよそ1.5倍に伸びたという事例も知られています。こうした改善のヒントは、たいてい「フォームの途中で、お客さまに記入をためらわれた」という営業の体験談から生まれます。

成功する企業の共通点。うまくいっている会社ほど、Web担当と営業が「別部署」ではなく「同じチーム」として動いています。サイトは作って終わりではなく、現場の声で育てる前提で運用されているのです。問い合わせを増やす設計の基本はお問い合わせが増える企業サイトのデザイン設計でも詳しく解説しています。

よくある失敗と回避法。せっかくの声をムダにしないために

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この取り組みは仕組みがシンプルなぶん、つまずきポイントも決まっています。現場でよく見かける失敗を3つ、回避法とセットで紹介します。

失敗1。声を集めて満足し、改善まで進まない

一番多いのがこれです。営業ヒアリングを頑張って実施し、エクセルに声がずらりと並ぶ。ところが、そこで力尽きて改善が一向に進まない。数か月後には「あの会議、何のためにやってたんだっけ」と立ち消えになります。

これを防ぐには、集める段階で「次の打ち合わせまでに1つだけ直す」と決めてしまうこと。完璧な一覧を作るより、小さくても1つ直して見せるほうが、社内のやる気は続きます。量より「前に進んでいる感覚」を優先しましょう。

失敗2。声の大きい一人の意見に引っ張られる

ベテラン営業や声の大きい担当者が「このサイトはここがダメだ」と強く言うと、つい全部その通りに直したくなります。ですが、それはあくまで一人の感想かもしれません。実際のお客さまの多数派とズレていると、直したのに反応が変わらない、という結果になります。

回避策は、必ず「複数の営業から同じ声が出ているか」と「解析データでも裏が取れるか」の2点を確認すること。一人の強い意見ではなく、複数の声とデータが重なった箇所を信じる。これだけで、判断の精度がぐっと上がります。

失敗3。営業の言葉をそのまま指示書にしてしまう

「お客さまが派手なデザインがいいと言っていた」という声を、そのまま制作会社に「派手にしてください」と伝えてしまう。これもよくある失敗です。お客さまや営業が言う「こうしてほしい」は要望であって、正しい解決策とは限りません。本当の課題は「情報が古く見えて信頼できなかった」だったりします。

大事なのは、言葉の裏にある「本当に困っていること」を読み解くこと。要望を鵜呑みにせず、「なぜそう感じたのか」まで一段掘り下げてから手を打ちましょう。制作会社への伝え方そのものに不安があるなら、やり直しを防ぐ修正依頼の極意も役に立ちます。

現場の本音。この方法にも限界と妥協点はある

ここまで「営業の声を活かそう」とお伝えしてきましたが、正直にお話しすると、この方法にも限界はあります。きれいごとだけでは現場は動かないので、見落とされがちな落とし穴を率直にお伝えします。

まず、営業は「お客さまの代弁者」ではあっても「お客さま本人」ではないという点です。営業のフィルターを通った声は、どうしても「営業がやりやすいサイト」に寄りがちです。たとえば「とにかく電話番号を一番上に出してほしい」という要望は、営業には便利でも、じっくり比較検討したいお客さまには急かされる印象を与えることもあります。営業の声は貴重な一次情報ですが、それが顧客の総意とは限らない。この前提を忘れないことが大切です。

次に、内製と外注の切り分けです。声を集めて優先順位をつけるところまでは、社内で十分できます。むしろ社内でやるべきです。一方で、「集まった声から本当の課題を見抜く」「サイト構造ごと作り替える」といった部分は、経験がものを言う領域です。ここを無理に自前でやろうとすると、的外れな改修にお金と時間を溶かすことになりかねません。判断に迷うラインを正直にお伝えすると、次のようになります。

工程社内でやれること外部の力を借りたほうがいいこと
声の収集○ 営業ヒアリング・記録
課題の分析△ 簡単な仮説立てまで○ 本質的な原因の特定
改善の実装△ 文言・画像の差し替え○ 構造・導線の再設計
効果検証○ 数字の前後比較△ 高度なA/Bテスト設計

「自分たちで全部やろう」と気負いすぎると、改善活動そのものが止まってしまうことがあります。やれるところは社内で、判断が難しいところはプロと一緒に。この線引きが、続けるための現実的な妥協点です。

最後に、見落としがちなコストの話です。サイト改善というと制作費に目が行きますが、本当のコストは「社内の人が考え、調整し、判断する時間」です。ここを軽く見て無料ツールだけで何とかしようとすると、担当者が疲弊して頓挫します。お金より、社内の時間というコストを正しく見積もることが、地味ですが一番大事だったりします。

よくある質問(FAQ)

営業が忙しくて、ヒアリングに協力してくれません。どうすれば?

新しい会議は作らず、既存の営業会議に15分だけ議題を足すのがおすすめです。聞くテーマも3つに絞ると答えやすくなります。改善後に「あなたの声で直した」と報告すると、次から協力が得やすくなります。

解析ツールと営業の声、どちらを優先すべきですか?

どちらか一方ではなく、両方をセットで使うのが正解です。数字で「どこが問題か」の当たりをつけ、営業の声で「なぜそうなるか」を確かめる。この順番で進めると、改善の精度が大きく上がります。

集めた声が多すぎて、何から直せばいいか分かりません。

「問い合わせに近い箇所」「複数の営業から出ている」「すぐ直せる」の3つが重なるものから手をつけてください。小さくても1つ直して効果を見せると、社内の改善活動が続きやすくなります。

専門ツールを買わないと改善はできませんか?

いいえ、最初はエクセル1枚と月1回の打ち合わせで十分始められます。無料のGA4やサーチコンソールで数字も見られます。ツールは必要になってから検討すれば大丈夫です。

ここまで読んで、「声を集める仕組みは作れそうだけど、そこから本当の課題を見抜いてサイトに落とし込む部分は自信がない」と感じた方もいるかもしれません。コレットラボでは、現場の声を整理するところから一緒に伴走しています。まずは現状のお悩みを聞かせてもらうだけでも大丈夫です。気軽にご相談ください。

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