LPと会社案内サイトの使い分け|B2B成約を増やす設計と判断軸
この記事の要点
- LPは「1つの行動」専用、会社案内サイトは「比較・検討」専用と役割を分ける
- 広告流入はトップページではなく専用LPへ。CTAは1つに絞る
- AIはLPのたたき台づくりに有効。最終判断と信頼設計は自社で行う
「広告は出しているのに問い合わせが増えない」「会社案内サイトに人は来るのに、商談につながらない」。B2Bのサイト運用で、こうした手詰まりが起きることがあります。
原因の多くは、サイトの出来不出来そのものではありません。LP(ランディングページ)と会社案内サイトの役割を分けずに、1つのサイトで全部やろうとしていることにあります。
この記事では、2つの使い分けの判断軸、成約につながるLPの設計手順、現場でやりがちな失敗、そしてAIの使いどころまでをお伝えします。読み終わるころには「自社は次に何を直すべきか」がはっきりするはずです。
Contents / 目次
結論。LPと会社案内サイトは「目的」で役割を分ける

結論から言います。B2Bの成約率を上げる近道は、LPと会社案内サイトを「別の道具」として割り切ることです。1ページで集客も信頼構築も全部やろうとすると、どっちつかずになって両方の成果が落ちます。
まず言葉を整理します。LPとは、広告やメールから来た見込み客を「資料請求」「デモ申し込み」といった1つの行動に集中させるための専用ページのことです。会社案内サイト(コーポレートサイト)とは、会社全体の情報・実績・事例を網羅し、相手が自分のペースで比較・検討するための場所です。
この違いがなぜ重要なのか。B2Bでは、営業に会う前に自分で情報を調べて比較してから問い合わせるケースがあります。つまり、サイトは「営業の代わりに下調べに付き合う場」になりやすいということです。だからこそ、用途ごとに見せ方を変える必要があります。
2つの違いを一覧にすると、次のように整理できます。
| 観点 | LP(ランディングページ) | 会社案内サイト |
|---|---|---|
| 主な役割 | 1つの行動を取らせる | 会社全体を比較・検討してもらう |
| 主な流入元 | 広告・メール・SNSのリンク | 自然検索・指名検索・名刺交換後 |
| ページ構成 | 1ページ完結・ナビ最小 | 複数ページ・回遊前提 |
| CTA(行動の出口) | 原則1つに絞る | 段階に応じて複数置いてよい |
| 更新頻度 | キャンペーン単位で都度 | 継続的に育てる |
| 成果の測り方 | 申込率・獲得単価 | 指名検索・回遊・問い合わせ全体 |
ポイント。広告のリンク先をトップページにすると、取りこぼしが起きやすくなります。広告で特定の悩みに反応した人を、情報が散らばったトップページに着地させると、迷って離脱します。広告のクリック先は、そのテーマ専用のLPにそろえるのが基本です。
逆に、自然検索でじっくり調べに来た人を、出口が1つしかないLPに閉じ込めるのも逆効果です。比較したい人には、事例・料金の考え方・導入の流れなど、自分で確かめられる材料を会社案内サイト側で十分に用意しておくことが大事です。
成約につながるLPの作り方。手順とチェックリスト

LPで成果を出す手順は、デザインの良し悪しよりも「順番」で決まります。ここでは、誰がやっても再現しやすい流れに落とし込んで解説します。
最初の3ステップ。目的・ターゲット・出口を決める
LPを作り始める前に、まず次の3つを言葉にして紙に書き出してください。ここが曖昧なまま作り込むと、後でいくら直しても成果が安定しません。
- 誰に:業種・役職・抱えている具体的な悩みを1つに絞る(例:製造業の総務担当で、勤怠の集計に毎月時間を取られている人)
- 何を約束するか:そのLPを読むと、相手のどんな課題がどう解決するのかを1文で言い切る
- どう動いてほしいか:出口(CTA)を1つに決める。資料請求なのか、デモ申し込みなのか、片方に絞る
この3つがそろうと、LPに載せるべき情報と、削るべき情報が自然と見えてきます。LPは「足し算」より「引き算」で強くなります。目的をサポートしない要素は、思い切って消すのが正解です。
ファーストビューで「自分ごと」だと伝える
ファーストビュー(最初に表示される画面)は、LPの中でも特に大事な部分です。訪問者は表示された直後に「自分に関係あるか」を判断して、関係なさそうなら戻ってしまうことがあります。
そこで、ファーストビューの見出しは自社の製品名や機能ではなく、相手のビジネス上の問題から書き始めます。「役割+いまの困りごと+得られる成果の方向+次にやること」の順で組むと、過不足なく伝わります。
たとえば、こんな組み立てです。見出しのたたき台として使ってみてください。
【見出しの型】
[製造業の総務担当の方へ]
毎月の勤怠集計に追われていませんか。
入力から集計までを自動化し、月◯時間の手作業をゼロに近づけます。
まずは3分でわかる資料をご覧ください。
数字を入れる場合は、自社で実際に確認できた範囲にとどめてください。盛った数字は、商談に入った瞬間に見抜かれ、かえって信頼を失います。
フォームは「会話を始める分」だけ
フォームの項目数は、申し込みやすさに直結します。信頼関係ができる前から、相手の予算や導入時期まで根掘り葉掘り聞くと、入力の途中で離脱されます。
初期接点のLPでは、次の最小限にとどめるのが基本です。詳しい情報は、商談に入ってから少しずつ聞けば十分です。
- 会社名:法人かどうかの判断に使う
- 氏名:誰に返信すればよいかを把握する
- メールアドレス:連絡の起点になる
- 役職または部署:決裁に近い人かどうかの目安にする
フォーム項目を減らす設計の考え方は、問い合わせフォームは5項目に絞る|BtoBの入力設計と問い直しでもくわしく解説しています。あわせて読むと、入力の負担をどこまで削れるかの感覚がつかめます。
信頼の証拠を散りばめる
B2Bの購入は、社内の承認や、競合との比較を経て、慎重に決まることが多くあります。だからこそ、LPには「この会社なら任せて大丈夫」と思える材料を、ページ全体にちりばめておく必要があります。
具体的には、次のような材料を用意します。
- 取引先のロゴ:どんな会社と取引してきたかを一目で示す
- お客様の声:具体的な成果が書かれた導入後のコメントを載せる
- 導入事例の要約:課題・対応・結果の流れを短くまとめる
- セキュリティや実績に関する記載:安心して任せられる裏付けを示す
これらは1か所に固めるより、見出しのあいだに自然に挟んでいくほうが効きます。
取り組んだ結果、何がどう変わるのか

役割を分けて設計し直すと、まず「広告費のムダ撃ち」が減ります。広告のメッセージとLPの見出しがそろうことで、来た人が迷わず行動でき、1件あたりの獲得コストが下がりやすくなります。これは派手な施策ではありませんが、効果が安定しやすい王道です。
公開したあとも、見出し・CTAの文言・フォームの項目を、1つずつ変えて試します。変えた箇所と申込率を記録しておくと、どの変更が効いたかを確かめられます。
改善の進め方は、A/Bテストという方法が基本になります。かんたんに言うと、見出しを2パターン用意して、来訪者を半分ずつに振り分け、どちらの反応が良いかを比べる方法です。進め方は次の通りです。
- 変える要素を1つだけ決める(例:見出しのみ)
- AパターンとBパターンを用意する
- 十分なアクセスが集まるまで同時に走らせる
- 申込率が高かったほうを採用し、次の要素へ進む
一度に複数を変えると、何が効いたのか分からなくなります。「1回につき1要素」を守るのが、遠回りに見えて一番の近道です。
もう1つ大事な視点があります。LPの数字だけを追って、会社案内サイト側の充実を後回しにしないことです。比較検討の段階で事例やよくある質問を読み込める会社案内サイトがあると、LPで取りこぼした人が後日あらためて戻ってきてくれます。
指名検索(社名で直接検索されること)の増減は、会社案内サイトが比較検討の段階で読まれているかを見る目安の1つになります。サイト全体を継続的に育てる体制づくりは、更新されないサイトの信用低下を直す更新体制の作り方|担当と頻度も参考になります。
よくある失敗と、その防ぎ方

ここからは、起こりやすい失敗を3つに絞ってお伝えします。どれも「気づけば直せる」ものばかりです。
失敗1。CTA(出口)を増やしすぎる
これは、よかれと思って起きる失敗の代表です。1つのLPに「デモ申し込み」「資料ダウンロード」「無料トライアル」を全部並べてしまうと、何が起こるか。訪問者は選べなくなって、結局どれも押さずに帰ってしまうことがあります。
防ぎ方はシンプルです。そのLPの主役となるCTAを1つだけ決めて、ボタンを目立たせます。どうしても2つ目を置きたいときは、色やサイズを抑えて、主役とぶつからないようにします。
失敗2。広告とLPのメッセージがずれている
広告では「勤怠集計の自動化」とうたっているのに、クリック先のLPの見出しが「総合業務支援システム」になっている。こういうズレは、広告担当とLP担当が分かれていると起きやすくなります。
来た人は「思っていたのと違う」と感じて、内容を読む前に離脱します。せっかくの広告費が、最後の一歩で水の泡になるわけです。
防ぐには、広告の文言とLPのファーストビューの言葉を、できるだけそのまま一致させます。広告で使ったキーワードを、LPの見出しにも入れる。この「言葉のバトンタッチ」を切らさないことが大事です。
失敗3。大事な情報をわざと隠す
「料金は問い合わせてから」「詳しくは営業から説明」と、肝心な情報を隠してしまうパターンです。自分で調べて比較したい買い手にとっては、情報が出てこないと判断材料が足りず、隠さず載せている競合へ流れてしまいます。
料金そのものを1円単位で出せなくても、「初期費用と月額の考え方」「料金が決まる要素」くらいは示せます。判断に必要な材料を出し惜しみしないほうが、結果的に質の高い問い合わせが増えます。
公開後に放置するのも、見落としがちな失敗です。市場や競合は動き続けます。最低でも四半期に一度、見出し・事例・料金の考え方を見直すサイクルを決めておくと、LPが古びるのを防げます。
現場の本音。AIの使いどころと、任せてはいけない範囲
ここからは、LPや会社案内サイトの制作で「AIに任せられること」と「自社で判断すること」の線引きをお伝えします。
まず、AIはLPづくりの強い味方になります。見出しのたたき台、本文のドラフト、想定される反論への切り返し文、フォームの項目案。これらは、AIに頼めば短い時間で複数案が出てきます。ゼロから書く時間を考えれば、出発点をAIに作らせるのは合理的です。
たたき台を出させるときは、最初から作り込んだ長い指示文を用意しなくても始められます。次のような短い「seed(出発点)」を渡し、あとはAIと対話しながら自社の状況に合わせて詰めていく進め方もあります。
あなたはB2Bのコピーライターです。
次の条件でLPのファーストビュー見出しを5案ください。
・ターゲット:[業種・役職を入力]
・相手の悩み:[具体的な困りごとを入力]
・提供する解決:[自社の価値を入力]
案が出たら、私の反応を見ながら一緒に絞り込んでいきましょう。
一方で、AIに任せてはいけない範囲もはっきりしています。それは「事実の確認」と「信頼の最終判断」です。AIが書いた事例や数字は、もっともらしく見えても実在しないことがあります。
お客様の声、実績の数字、料金の条件は、必ずご自身で一次情報と突き合わせて確認してください。ここを飛ばすと、商談の場で信用を一気に失います。
AIの出力を確認するときの観点を、チェックリストにしておきます。公開前に必ず通してください。
- 数字の根拠:成果の数値・割合は、自社で確認できた事実か
- 固有名詞:会社名・製品名・事例が実在し、正確か
- 約束の整合:広告・見出し・本文で言っていることがズレていないか
- 言葉のトーン:自社らしさがあるか、テンプレ感が出ていないか
- 表示確認:スマホで見て、文字サイズ・ボタン・速度に問題がないか
もう1つ、迷いやすいのが「内製と外注の切り分け」です。線引きの目安は次の通りです。
- 社内で回せること:LPの文章や簡単な改修は、AIを活用すれば社内でも回せるようになってきました
- プロと組むべきこと:戦略の設計、流入の組み立て、効果測定の仕組みづくりは、経験がものを言う領域です
全部を自前でやろうとして手が止まるくらいなら、土台の設計だけプロと組み、運用は社内、という分担が現実的です。
「AIで作ったから安く済む」と単純には言えない点も、正直にお伝えしておきます。生成は速くなりましたが、確認と調整、そして成果を出すための改善には、変わらず人の手と判断が要ります。AIで楽になるのは「作る」部分で、「効かせる」部分ではない。ここを取り違えないことが、遠回りを避けるコツです。
よくある質問
LPと会社案内サイト、まずどちらから作るべきですか
会社の信頼を支える会社案内サイトが土台です。ただし、特定の広告やキャンペーンで今すぐ問い合わせを増やしたいなら、専用LPを先に作るほうが効果が早く出ます。目的しだいで順番は変わります。
LPは1ページで本当に足りますか
目的が1つに絞れているなら、1ページで十分機能します。むしろページを増やすと出口が分散して成果が落ちがちです。扱うテーマやターゲットが複数あるなら、その数だけLPを分けて作るのがおすすめです。
AIだけでLPを完成させても大丈夫ですか
たたき台づくりはAIで大きく時短できます。ただし事例や数字の事実確認、信頼に関わる表現の最終判断は、ご自身で行ってください。ここを省くと、商談の場で信用を失うリスクがあります。
問い合わせが増えないとき、最初に見るべきはどこですか
まずファーストビューの見出しと、広告とのメッセージのズレを確認してください。次にフォームの項目が多すぎないか、CTAが複数に分散していないかを見ます。この3点から順に確かめます。
LPとホームページの役割分担のご相談
ここまで読んで、「役割は分けたほうがよさそうだけど、自社のケースだとどう設計すればいいか」と迷った方もいると思います。各ページの役割を先に決めれば、必要なページ数と費用の見当がつきます。
コレットラボでは、ホームページの新規制作、リニューアル、LP単独の制作をお受けしています。LPは、広告のリンク先や展示会で配る資料から案内するページとして、サイト本体と切り離して後から制作することもできます。ホームページ制作・LP制作をご覧のうえ、気軽にお話を聞かせてください。
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