歯科医院のホームページ集客|医療広告ガイドラインと予約導線
この記事の要点
- 歯科の集客サイトは、医療広告ガイドラインの確認体制と予約導線で成果が決まる
- 自由診療ページには限定解除の要件が必要。本文にチェックリストを掲載
- 費用が変わるのはページ数より原稿・写真・予約連携。内訳表で判断できる
歯科医院のホームページで新患を増やすときに、院長が判断すべきことは2つに絞れます。医療広告ガイドラインの範囲内で、どこまで書けるかを決めること。そして、見た人が迷わず予約まで進める導線を作ることです。デザインの好みや制作会社の実績数は、この2つの後に来ます。
この記事は、歯科医院の院長・事務長・分院展開を進めている法人の担当者に向けて書いています。読み終わる頃には、制作会社に出す条件(何を任せて、何を院内でやるか)と、見積もりのどこを比べればいいかを、自分で決められる状態を目指します。
扱うのは、ホームページの中身と予約導線、そして発注時の判断です。制作費の金額そのものは会社と要件で大きく変わるため、この記事では金額の内訳と変動要因を扱い、目安の数字はクリニック・歯科の制作費用の目安をまとめた記事にゆずります。
Contents / 目次
歯科医院のホームページ集客で、院長が先に決める3つのこと
最初に結論をお伝えします。歯科医院のホームページ集客で先に決めるのは、次の3つです。この3つが決まっていれば、制作会社は選べますし、見積もりの比較もできます。
- どの診療メニューで新患を増やすか。一般歯科・小児歯科・矯正・インプラント・ホワイトニング・訪問診療のうち、これから増やしたい枠はどれか。ここが決まらないとページ構成もキーワードも決まりません
- 予約の受け口をどう組むか。電話だけか、Web予約を足すか、LINEも使うか。受付の人数と診療時間によって最適解は変わります
- 医療広告ガイドラインの最終確認を誰がやるか。制作会社の担当者か、院長か、外部の確認者か。ここを決めずに公開すると、後から全ページを見直すことになります
この3つのうち、多くの医院で抜けるのが3つ目です。ホームページは医療広告ガイドラインの対象で、しかも歯科の場合は自由診療メニューが多いぶん、書き方の制約が一般企業のサイトとまったく違います。制作会社が医療分野に慣れていないと、公開後に指摘を受けて書き直すことになります。
予約の受け口。電話・Web予約・LINEの向き不向き
予約の受け口は、医院の規模と受付体制で選び方が変わります。全部入れれば良いというものではありません。受け口が増えるほど、予約台帳の突き合わせという新しい仕事が受付に増えるからです。
| 受け口 | 向いている医院 | 院内に増える作業 | 取りこぼしが起きる場面 |
|---|---|---|---|
| 電話のみ | 1〜2ユニット、受付が常時いる医院 | なし(現状維持) | 診療時間外・昼休み・治療中に鳴った電話 |
| Web予約フォーム(メール通知) | Web予約を試したい段階の医院 | 受信メールを見て台帳へ転記する作業 | 転記漏れ、ダブルブッキング、返信の遅れ |
| 予約システム連携(枠がリアルタイム) | 3ユニット以上、初診枠を分けている医院 | 枠の設定・メンテナンス | 枠設定が実際の診療体制と合っていないとき |
| LINE公式アカウント | 再来院・定期検診の呼び戻しを増やしたい医院 | 友だち登録者への配信内容を決める作業 | 初診には使われにくい(登録が先に必要なため) |
判断の目安。初診の取りこぼしを減らしたいならWeb予約、再来院を増やしたいならLINE、という切り分けで考えると迷いません。両方の悩みがあるなら、先にWeb予約を入れて数字を見てからLINEを足す順番が安全です。
ホームページで書ける範囲と、書けない範囲の全体像
歯科医院のホームページは、医療広告ガイドラインの規制対象です。何がどこまで規制されるかは、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」で公開されている医療広告ガイドライン本文で確認してください。指針は改正されることがあり、古い解説記事を見て作ると、公開時点ですでにずれていることがあります。着手前に必ず最新版に当たってください。
次の表は、原稿の分担を制作会社と話すときの整理用です。掲載してよいかどうかの最終的な判断は、その都度ガイドライン本文で確認してください。
| 区分 | 歯科サイトでの例 | 制作時に確認すること |
|---|---|---|
| 基本情報 | 診療科目、診療時間、所在地、電話番号、医師名、施設設備 | 記載内容が現在の診療体制と合っているか |
| 自由診療の内容・費用 | インプラント、矯正、ホワイトニングの説明と料金 | 限定解除の要件を満たしているかをガイドライン本文で確認する |
| 治療効果の体験談 | 「痛くなくてよかった」など患者本人の感想 | 掲載できるかどうかをガイドライン本文で確認する |
| 術前術後の写真 | 矯正前後、ホワイトニング前後の口腔内写真 | 付けるべき説明の範囲をガイドライン本文で確認する |
| 他院との比較・最上級表現 | 「地域で一番」「日本一の技術」「絶対に安全」 | 原稿に紛れ込んでいないかを全ページで検索する |
この表を制作会社に渡すだけでも、原稿のやり取りは何往復か減ります。特に「患者様の声」ページは、多くの制作会社が標準構成として提案してくるので、発注時に方針を先に伝えておくのが確実です。
この章の結論。診療メニュー・予約の受け口・ガイドライン確認の担当者、この3つを決めてから制作会社に相談すると、見積もりの前提がそろって比較できるようになります。
医療広告ガイドラインの範囲。歯科サイトで実際に引っかかる箇所
歯科医院のホームページで実際に問題になるのは、大きく3か所です。自由診療ページの限定解除、患者の体験談、そして症例写真です。順番に、何を確認すればいいのかを見ていきます。
自由診療ページに必要な「限定解除」の確認項目
広告できる項目の限定を解除する仕組みが、医療広告ガイドラインには定められています。制度の位置づけ・対象・条件は、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」で公開されているガイドライン本文の該当箇所で確認してください。歯科の自由診療ページを作るときは、この仕組みに乗せられるかどうかを最初に確かめます。
満たすべき要件も、同じくガイドライン本文に書かれています。要件の数も内訳も原文で確認してください。ここに挙げるのは、原文と突き合わせるときに自院のページで見る箇所であり、要件そのものの引用ではありません。この一覧を満たしたから要件を充足した、とは判断しないでください。
- どの媒体が対象か:自院のウェブサイトのほか、バナー広告やリスティング広告をどう扱うかは、ガイドライン本文の限定解除の記載で確認してください
- 問い合わせ先:患者が内容を確認できる連絡先がページから分かる場所にあるか。何をもって足りるかは本文で確認してください
- 自由診療の内容と費用:治療の内容と費用が書かれているか。「要相談」「症例により異なります」だけになっていないか
- リスクと副作用:その治療で起こりうるリスクや副作用、治療期間や回数についての記載があるか。どこまで書く必要があるかは本文で確認してください
ここでよくあるのが、料金表ページには金額を書いたのに、インプラントの説明ページにはリスクの記載がない、という状態です。どこまでを1つのまとまりと見るかの線引きは、厚生労働省のガイドライン本文で確認してください。そのうえで、料金表への内部リンクで済ませず、そのページ内に費用とリスクの記載を置いておくと、判断に迷う余地が減ります。
自由診療のページを制作会社に発注するとき、「リスク・副作用の文章は誰が書くか」を最初に決めてください。ここは医学的な内容なので、制作会社のライターが勝手に書けるものではありません。院長または担当ドクターが原案を出し、制作会社が読みやすく整える分担が現実的です。
患者の体験談は、扱いが他と違う
治療効果に関する患者の体験談は、他の項目と扱いが違います。限定解除の要件を満たせば掲載できるのかどうかは、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」のガイドライン本文で必ず確認してください。「要件を満たしたから何でも書ける」という理解で作ると、ここでつまずきます。
現場でよく見かける、判断に迷う3つのケースを挙げます。
- Googleの口コミをサイトに転載する:治療の効果や体感に触れた口コミを自院サイトに転載した場合の扱いは、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」のガイドライン本文で、体験談の記載と広告の定義の両方を確認してください
- インタビュー記事として載せる:形式を変えても、治療効果についての患者の主観であることは変わりません
- 院内掲示のアンケートをそのまま載せる:院内掲示物と院外への広告で扱いが同じかどうかは、ガイドライン本文の広告の定義で確認してください。院内で使っていた紙をそのままスキャンして載せる、というのが一番起きやすい失敗です
では患者の言葉は一切使えないのかというと、そうではありません。治療効果に触れない範囲、たとえば「待合室が広くて子ども連れでも待ちやすかった」「駐車場が停めやすい」といった、施設や対応についての感想は性質が異なります。ただし線引きは微妙なので、迷ったら載せないほうが、後で全ページを見直すコストより安く済みます。
症例写真(ビフォーアフター)を載せるときの条件
術前術後の写真の扱いは、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」のガイドライン本文に書かれています。治療内容・費用・主なリスクと副作用の詳しい説明を付けずに掲載してよいかは、必ず原文で確認してください。写真だけ並べる、キャプションが「矯正3年」だけ、という載せ方は避けます。
次の表は、ガイドライン上の要件を書き写したものではなく、制作の現場で抜けが起きやすい箇所をまとめた実務上の整理です。何を書けば要件を満たすかは、症例ごとにガイドライン本文と突き合わせて判断してください。制作会社に投稿フォーマットとして作ってもらうと、院内で追加するときも同じ形が保てます。
| 症例ページに置く項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 主訴・治療部位 | 前歯の叢生(そうせい)を主訴に来院 |
| 治療内容 | マルチブラケット装置による全体矯正、抜歯の有無 |
| 治療期間・通院回数 | 動的治療◯か月、通院◯回、保定期間◯年 |
| 費用の総額 | 検査料・装置料・調整料・保定装置を含めた総額(自由診療である旨も明記) |
| 主なリスク・副作用 | 歯根吸収、痛み、後戻り、装置による口内炎など |
| 撮影・掲載の同意 | 本人の同意を得て掲載している旨 |
SNSと動画も、確認の対象に入れる
院内のスタッフが運用しているInstagramやYouTubeも、院外に向けた発信です。これが医療広告の規制対象に当たるかどうかは、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」のガイドライン本文で、広告に該当する要件の記載を読んで判断してください。ホームページだけを慎重に作って、SNSは自由に投稿している医院は少なくありません。ここが公開後に一番ゆるくなる場所です。
院内で見る範囲を決めるときは、投稿本文だけにしないでください。プロフィール欄の紹介文、投稿への返信、他アカウントの投稿を引用・リポストしたもの、動画の概要欄やサムネイルの文字も、院外に向けて発信している文言です。判断が分かれる部分なので、迷うものは院長が見る形にしておくと安全です。「スタッフに任せているので把握していない」という状態が、一番リスクが高い状態です。
院内ルールの作り方。SNSの投稿前チェックは、全投稿を院長が見るルールにすると必ず止まります。「症例写真・料金・効果に触れる投稿だけ院長確認、それ以外はスタッフ判断」のように、確認が要る投稿の種類を先に決めておくと運用が続きます。
公開前のガイドライン確認チェックリスト
公開前に、次の項目を1つずつ確認してください。制作会社に渡して、チェック済みの状態で納品してもらう形でも構いません。判断に迷う項目は、そのつどガイドライン本文に当たってください。
- 最上級・断定表現:「地域No.1」「最新」「絶対に痛くない」「安全です」といった語がサイト内に残っていないか(全ページを対象に検索して確認する)
- 他院との比較:「一般的な歯科医院では〜ですが、当院は」という書き出しになっていないか
- 自由診療ページ:内容・費用・リスク・問い合わせ先が、そのページ内にそろっているか
- 体験談:「患者様の声」「お客様の声」のページやセクションが残っていないか
- 症例写真:説明項目がすべて付いているか、掲載同意を得ているか
- 専門性の表記:広告できる資格名の範囲は、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」で確認してください。学会名や認定名をそのまま書いてよいかは個別に確認が必要です
- ドクターの経歴:勤務歴や出身校の記載に誤りがないか。開業から年数が経った医院ほど古い情報が残っています
- SNSと動画:プロフィール・固定投稿・概要欄まで同じ基準で見たか
この章の結論。自由診療ページの記載、体験談の扱い、症例写真の説明項目。この3つを制作依頼の条件として先に伝えれば、公開後に全ページを見直す事態はほぼ防げます。
予約導線の作り方。見た人が予約するまでの手順
ガイドラインの範囲内で正しく書けても、予約されなければ集客にはなりません。ここからは、ホームページを見た人が予約するまでの導線を、手を動かせる粒度で組み立てます。ページの作り替えを制作会社に依頼する前に、院内で決めておくと話が早い部分です。
ステップ1。いまの新患がどこから来ているかを記録する
最初にやるのは、新患の流入元を受付で記録することです。ホームページを作り替える前にこれをやっておくと、公開後の変化が分かります。やっていない医院がほとんどで、結果として「作ったけど効果が分からない」状態になります。
問診票に1行足すか、受付で口頭で聞く形で構いません。聞くのは3項目だけにします。項目が増えると受付が続けられません。
- 当院を知ったきっかけ(Googleマップ・ホームページ・紹介・看板・チラシ・その他)
- 予約の方法(電話・Web・来院)
- ご希望の診療内容(保険診療・矯正相談・ホワイトニング・その他)
どれくらいの期間で判断できるかは、新患の人数によって変わります。判断の目安は日数ではなく件数で持ってください。流入元ごとの傾向が読める程度に新患の記録がたまったら、次に進みます。ここで「Googleマップ経由が多く、ホームページはほとんど見られていない」と分かることもあります。その場合、優先すべきはサイトの全面リニューアルではなくGoogleビジネスプロフィールの整備になります。順番を間違えないための記録です。
ステップ2。診療メニューごとに入口ページを分ける
歯科では、医院名で探す人だけでなく、「地域名+歯医者」「地域名+インプラント 費用」「歯 しみる 治らない」のように、症状や治療名で探す人もいます。トップページ1枚では、この入口を作れません。
診療メニューごとに1ページずつ作ります。各ページの構成は、次の並びを基本形にしてください。上から順に、来院を検討している人が知りたい順です。
- その症状・治療がどういうものか(1〜2段落)
- 当院での治療の流れ(初診から完了までの回数と期間)
- 費用(保険適用の有無、自由診療なら総額)
- 主なリスク・副作用・治療後に必要なこと
- よくある質問(3〜5問)
- 予約ボタンと、電話番号・診療時間
この並びで作ると、自由診療ページに書くべき内容が抜けにくくなります。要件を満たしているかどうかの判断は、ページごとにガイドライン本文と突き合わせてください。順番を「医院の想い」から始めると、費用とリスクの記載が最後に押し出されて抜けやすくなるので、この順番には理由があります。
ステップ3。予約フォームの入力項目を絞る
Web予約フォームの入力項目は、初診に必要な最小限にします。歯科の場合、次の6項目で足ります。問診の詳細は来院時の問診票で取れば十分です。
- お名前:フリガナ欄は自動入力にするか、なくても運用できるなら削る
- 電話番号:折り返し連絡に使うので必須
- 希望日時:第1希望・第2希望の2つまで。カレンダーから選ぶ形が理想
- 初診か再診か:枠の長さが変わるので必要
- 相談内容:選択式(痛み・詰め物が取れた・検診・矯正相談・ホワイトニング・その他)
- 自由記入欄:任意。空欄でも送信できるようにする
メールアドレスを必須にするかは判断が分かれます。自動返信を送るなら必要ですが、高齢の患者が多い医院では入力の壁になります。電話での折り返しを前提にするなら任意で構いません。入力項目の考え方は問い合わせフォームの入力項目を絞る設計の記事でも解説しているので、フォームを作り込む前に目を通しておくと迷いが減ります。
ステップ4。予約後の自動返信と前日連絡の文面を決める
Web予約を入れた医院で最初に起きるのが、「予約が入ったのか分からない」という患者側の不安と、それに伴う無断キャンセルです。送信直後の自動返信と、前日の確認連絡。この2つの文面を先に決めておきます。
そのままコピーして使える形にしておきます。[ ]の中を自院の情報に置き換えてください。
【送信直後の自動返信】
件名:[医院名]予約リクエストを受け付けました
このたびはご予約のお申し込みをありがとうございます。
以下の内容で受け付けました。
お名前:[自動挿入]
ご希望日時:[自動挿入]
ご相談内容:[自動挿入]
※この時点ではまだ予約は確定していません。
診療時間内に、スタッフより[電話またはメール]でご連絡し、
日時を確定させていただきます。
[診療時間外に送信された場合の目安をここに書く。
例:翌診療日の午前中までにご連絡します]
お急ぎの場合や、痛みが強い場合は、
お手数ですが[電話番号]までお電話ください。
[医院名]
[住所]/[電話番号]/[診療時間]
予約システムを使っていて枠がリアルタイムで押さえられる場合は、「まだ確定していません」の部分を「予約が確定しました」に置き換えます。ここを直さずに使うと、確定済みなのに患者が電話をかけてきて、受付の仕事が増えます。
【前日の確認連絡】
件名:[明日/◯月◯日]のご予約について
[お名前]様
明日のご予約の確認です。
日時:[日付][時刻]
持ち物:保険証、お薬手帳、
[他院からの紹介状がある方は紹介状]
[駐車場の場所・台数、初回の受付方法などを1行]
ご都合が悪くなった場合は、
前日の[診療終了時刻]までに[電話番号]へご連絡ください。
[医院名]
持ち物を書く理由。保険証を忘れた初診患者の対応は、受付にとって最も時間を取られる場面の1つです。前日連絡に1行入れておくだけで、当日の受付が回りやすくなります。
ステップ5。原稿の下書きをAIで作り、院内で確認する
診療メニューごとにページを作ると決めると、次に詰まるのが原稿です。院長がすべて書くのは現実的ではありません。ここは生成AIを下書き作りに使うと、着手のハードルが大きく下がります。ChatGPTやClaudeが使えます。
ただし、歯科の原稿でAIをそのまま使うのは危険です。医療広告ガイドラインの制約をAIは知らないまま「痛みが少ない」「安心して受けられます」といった表現を平気で入れてきます。そこで、渡す材料と確認の手順を決めておきます。
AIに渡す材料は次の3つです。これがないと一般論しか返ってきません。
- 自院の実際の治療の流れ:初診から完了まで何回、どのくらいの期間か。使用する機材や材料の選択肢
- 費用の実額:検査料・処置料・保定・メンテナンスまで含めた内訳
- リスク・副作用の原案:院長が箇条書きで出す。ここはAIに考えさせず、必ず院内から出す
出発点の指示文は、この程度の短さで十分です。あとはAIとやり取りしながら、自院の言い回しに寄せていきます。
あなたは歯科医院のホームページの原稿を書くライターです。
以下の材料をもとに、[治療名]の説明ページの下書きを作ってください。
【材料】
・治療の流れ:[貼り付け]
・費用の内訳:[貼り付け]
・リスク・副作用:[貼り付け]
【守ること】
・日本の医療広告ガイドラインに従う。
最上級表現(No.1・最新・最先端)、他院との比較、
「絶対」「安全」などの断定、患者の体験談は使わない。
・効果を保証する書き方をしない。
・専門用語には、そのつど短い説明を添える。
【構成】
説明 → 治療の流れ → 費用 → リスク・副作用 → よくある質問
分からない点があれば、書き始める前に質問してください。
出てきた原稿は、必ず次の3点を人が見ます。ここを飛ばすと、AIで時間を短縮したぶんが、公開後の修正で消えます。
- 医学的な誤りがないか。治療の適応、期間、術式の説明。ここは院長かドクターしか判断できません
- 禁止表現が混ざっていないか。「痛みが少ない」「安心」「きれいになります」のような、効果や体感に踏み込んだ表現が残っていないか
- 自院の実際と合っているか。AIは材料にない一般的な流れを補って書くことがあります。他院のやり方が紛れ込んでいないか、流れの回数と期間を実際と突き合わせます
AIで作ったページが検索やAI検索から評価されるために人が足すべき要素については、AI生成のサイトにE-E-A-Tを足す考え方の記事でも整理しています。歯科は医療分野なので、この点は一般的なサイトより厳しく見られます。
ステップ6。公開後1か月の数字を決めておく
公開してから何を見るかを、公開前に決めます。歯科医院の場合、見るのは次の4つで足ります。アクセス数の順位争いをする必要はありません。
| 見る数字 | どこで分かるか | 見る頻度 |
|---|---|---|
| Web予約の件数 | 予約システムの管理画面、またはフォームの受信数 | 週1回 |
| 電話の件数 | 受付の記録、または電話タップ数の計測 | 月1回 |
| 診療メニュー別ページの閲覧数 | アクセス解析(GA4など) | 月1回 |
| 初診の無断キャンセル率 | 予約台帳 | 月1回 |
この4つのうち、最後の1つを入れているかどうかで、運用の質が変わります。Web予約を入れると予約数は増えますが、無断キャンセルの件数がどう動くかは医院によって違います。前日連絡の運用で手が打てる部分なので、導入前と導入後の件数を並べて見てください。
この章の結論。診療メニューごとの入口ページ、絞ったフォーム、自動返信と前日連絡の文面。この3つがそろって初めて、ホームページが予約を生む形になります。
制作費が変わる要素と、任せる範囲・院内に残る作業
歯科医院のホームページ制作で見積もりに差が出るのは、ページ数ではありません。原稿と写真をどちらが用意するか、予約システムと連携するか、公開後の更新を誰がやるか。この3つでほとんどが決まります。同じ「10ページのサイト」でも、条件が違えば見積もりは大きく開きます。
見積もりの金額を動かす7つの要素
制作会社に条件を伝えるとき、次の7項目を明示すると、比較できる見積もりが返ってきます。逆に、ここが曖昧なまま出てきた見積もりは、後から追加費用が発生しやすくなります。
| 要素 | 安くなる条件 | 高くなる条件 |
|---|---|---|
| 原稿 | 院内で用意し、制作会社は整えるだけ | 取材から原稿作成まで依頼する |
| 写真 | 既存の写真を使う | 院内・スタッフ・診療風景をプロが撮影する |
| ページ数 | 診療メニューをまとめて1ページに | メニューごとに独立ページを作る |
| 予約システム | メール送信のフォームのみ | 予約システムと連携し、枠をリアルタイム表示 |
| ガイドライン確認 | 院内で確認する | 医療分野に詳しい担当者が全ページを確認する |
| 公開後の更新 | 院内で更新できるCMSを入れて自分たちで更新 | 更新を毎回依頼する(月額の運用費に入る) |
| 集客施策 | サイト制作のみ | Googleビジネスプロフィール整備、広告運用まで含む |
この中で、医院として判断が必要なのは「ガイドライン確認」と「公開後の更新」です。前者は安く済ませると後で高くつきます。後者は、院内に更新できる人がいるかどうかで変わります。制作費の目安そのものは業種別の制作費用の目安をまとめた記事を、見積もりの妥当性を見る手順はホームページ制作会社の選び方と判断軸の記事を参考にしてください。
任せられる範囲と、院内に必ず残る作業
制作会社に丸ごと任せられるものと、どうしても院内に残るものがあります。ここを見誤ると、「頼んだのに全然進まない」という状態になります。実際、制作が止まる原因の多くは、院内側の作業が止まることです。
| 作業 | 担当 | 院内で必要な時間の目安 |
|---|---|---|
| デザイン、コーディング、公開作業 | 制作会社 | 確認のみ |
| 診療メニューの整理と料金の確定 | 院内 | 院長・事務長で数時間 |
| リスク・副作用の記載内容 | 院内(ドクター) | メニュー1つあたり30分程度 |
| スタッフ紹介の写真・プロフィール | 院内で用意、撮影は制作会社 | 撮影日の半日 |
| 原稿の下書き | どちらでも可(AI活用で短縮できる) | 院内で作るなら1ページ1〜2時間 |
| 医療広告ガイドラインの最終判断 | 院内(管理者) | 公開前に全ページ確認 |
| 公開後の予約対応・電話対応 | 院内(受付) | 日々の業務 |
最終判断だけは外注できません。広告の内容について責任を負うのは医療機関側です。制作会社がどれだけ医療に詳しくても、掲載してよいかを決めるのは管理者である院長になります。「制作会社が大丈夫と言ったので」は通らない、という前提で体制を組んでください。
この章の結論。原稿・写真・予約連携・確認体制・更新方法。この5つを条件として先に決めて伝えれば、複数社の見積もりを同じ土俵で比べられます。
取り組んだあとに何が変わるか。3か月と6か月の見え方
ホームページを作り替えたら翌月から新患が倍になる、ということは起きません。検索から見つけてもらえるようになるまでには時間がかかりますし、歯科の場合は既存患者の紹介や近隣の認知も大きいからです。ただし、変化が出る順番はある程度決まっています。
最初に動くのは、検索順位ではなく予約の取りこぼし
公開直後にまず変わるのは、すでにホームページを見ていた人の行動です。医院名で検索してサイトを見ている人は、リニューアル前から一定数います。この人たちのうち、電話をかけずに離脱していた層をWeb予約で拾える可能性があります。どれくらい拾えるかは医院によって違うので、ステップ1で記録した流入元と予約方法の数字で確かめてください。
だから、公開後1か月で見るのは検索順位ではなく、次の2つです。
- 診療時間外に入った予約の数:電話では取れなかった時間帯の予約。ここが増えていれば、導線は機能しています
- 予約から来院までの離脱:予約は入ったのに来院しなかった件数。前日連絡の運用で改善できます
診療メニュー別ページが効いてくるのは、あとから
症状名や治療名で検索してくる人にページが届くまでにかかる時間は、医院によって違います。地域の競合の数、サイト全体の規模、扱うキーワードで変わるので、何か月と決め打ちはできません。公開直後の順位だけを見て判断しないでください。矯正やインプラントのような自由診療は、患者側の検討期間も長くなります。
この段階で見るのは、ページごとの閲覧数と、そのページから予約ボタンが押された割合です。閲覧数はあるのに予約に進まないページがあれば、費用の記載が分かりにくいか、次にどうすればいいかが書かれていないことが多くなります。
うまくいっている医院に共通していること
ホームページから安定して新患が来ている歯科医院には、いくつか共通点があります。派手な施策ではなく、地味に続いていることばかりです。
- 診療時間や休診日が常に正しい:年末年始や学会での休診が、サイトにもGoogleビジネスプロフィールにも反映されている
- 予約への返信が早い:Web予約に対する折り返しが、遅くとも翌診療日の午前中には返っている
- 1つのメニューを深く書いている:全メニューを薄く書くより、力を入れたい1〜2メニューに絞って厚く書いている
- 院内で更新できる状態にある:お知らせや休診情報を、制作会社に依頼せず受付が直せる
更新が止まったサイトが信用を落としていく仕組みと、続けられる更新体制の作り方は更新体制の担当と頻度を決める記事にまとめています。歯科は休診情報の更新頻度が高い業種なので、ここは公開前に決めておくべき部分です。
この章の結論。公開1か月は予約の取りこぼし、そのあとはメニュー別ページ。この2段階で見れば、途中で「効果がない」と判断を誤らずに済みます。
歯科医院のホームページで実際に起きている失敗
ここからは、歯科医院で実際に起きる失敗を挙げます。どれも「起きる状況」がはっきりしているものだけを選びました。
失敗1。院内掲示の「患者様の声」をそのままサイトに載せる
起きる状況。待合室に貼っていたアンケート用紙が好評だったので、リニューアルのときに制作会社へ渡し、そのままページになるパターンです。制作会社も「良い素材ですね」と受け取ってしまいます。
何が起きるか。治療効果についての患者の主観が並んだページになり、医療広告ガイドラインの確認が必要なものが、確認されないまま公開されます。しかもこのページは、たいてい医院が一番気に入っているページなので、指摘を受けたときの心理的なダメージが大きくなります。
防ぎ方。院内掲示物をサイトに載せる前に、治療効果や体感に触れた文が含まれていないかを1枚ずつ確認します。使いたいなら、施設や対応についての内容に限って、医院側の言葉で書き直します。
失敗2。Web予約の枠設定が、実際の診療体制と合っていない
起きる状況。予約システムを入れるとき、初期設定を制作会社やシステム会社に任せたまま公開したケースです。初診枠を30分で設定したのに、実際の初診はレントゲンと説明で60分かかる、といったずれが起きます。
何が起きるか。予約は入るのに診療が回らず、待ち時間が伸びます。受付が手動で枠を調整しはじめ、システム上の予約状況と実態がずれていきます。最終的に「Web予約は使いにくい」となって電話に戻ります。
防ぎ方。枠の設定は、公開前に受付とドクターで実際の所要時間を出してから決めます。初診・再診・自費相談で枠の長さを分け、公開後2週間は実測と突き合わせて調整する前提で予定を組んでください。
失敗3。矯正やインプラントのページに費用だけ書いてリスクを書かない
起きる状況。自由診療の集患を強化したくて料金を明示したものの、リスクや副作用は「マイナスの印象になるから」と省いたケースです。制作会社から「載せなくても大丈夫では」と言われて省くこともあります。
何が起きるか。限定解除の要件を満たしているかどうかを、公開後に確認し直すことになります。加えて、費用だけ書いてリスクを書かないページは、患者からの信頼という面でも損をします。治療前の説明で聞いていない話が出てくると、トラブルの原因にもなります。
防ぎ方。費用を書くページには、必ずリスク・副作用・治療期間をセットで置きます。書く順番は費用の直後です。ページの一番下に小さく置くと、実質的に読まれず、要件を満たす形にもなりにくくなります。
失敗4。スタッフのSNS投稿が、サイトのチェックから漏れている
起きる状況。ホームページはガイドラインを確認して作ったのに、Instagramはスタッフが自由に運用している医院です。症例写真や「痛くない治療」といった投稿が、確認なしで公開されます。
何が起きるか。サイトでは書かないようにした表現が、SNS側に残ります。プロフィール欄の医院紹介文が古い表現のままになっていることも多く、こちらのほうが見落とされます。
防ぎ方。リニューアルのタイミングで、SNSのプロフィール・固定投稿・過去の症例投稿をまとめて見直します。今後の運用は、症例・料金・効果に触れる投稿だけ院長確認、というルールにしておきます。
失敗5。分院・ドクター交代の情報が更新されないまま残る
起きる状況。非常勤ドクターが替わった、分院を出した、矯正の担当日が変わった。診療体制は変わったのに、サイトの更新は「あとでまとめて」となって止まるケースです。
何が起きるか。サイトを見て「この先生に診てほしい」と来た患者が、来院してから在籍していないと知ることになります。医療機関の情報として誤りが残るので、単なる更新漏れでは済みません。
防ぎ方。ドクター・診療日・料金の3つは、変更が決まった時点で更新する担当を決めておきます。この3つだけは院内で直せる形にしておくと、制作会社への依頼待ちで止まりません。
この章の結論。失敗の多くは公開後の運用で起きます。枠設定・SNS・体制変更の3つを誰が見るかを決めておけば、公開後に崩れることはほぼ防げます。
発注前に確認しておきたいこと。現場で見えた妥協点
ここでは、制作会社の提案書には出てこないけれど、後から効いてくる部分をお伝えします。相談を受けるときに、実際に判断が分かれる場所です。
歯科専門の制作会社と、地元の制作会社のどちらを選ぶか
結論から言うと、どちらが正解ということはありません。判断は「何を優先するか」で決まります。
| 歯科・医療専門の制作会社 | 地元の制作会社 | |
|---|---|---|
| 強み | ガイドラインの前提を共有できる。歯科サイトの型を持っている | 撮影や打ち合わせで直接会える。地域の検索事情に近い |
| 弱み | 他院と構成が似る。テンプレートの範囲を出にくい | 医療広告の制約に不慣れなことがある |
| 確認すること | 自院の診療方針を反映できる余地がどこまであるか | 医療広告ガイドラインの対応経験があるか。ない場合、確認は誰がやるか |
地元の制作会社に頼む場合でも、「医療広告ガイドラインの確認は院内で行う」と決めて発注すれば問題ありません。むしろ危ないのは、どちらが確認するかを決めないまま進めることです。
契約前に聞いておく5つの質問
提案を受ける段階で、次の5つを聞いてください。答えづらそうにする会社があれば、そこが後で問題になる部分です。
- 公開後の修正は、月額に含まれますか。含まれる場合、月に何回までですか。休診情報の更新が毎回有料だと、更新が止まります
- サイトのデータとドメインの管理は誰の名義になりますか。解約時に持ち出せるかどうかが変わります
- 撮影した写真は、チラシやSNSにも使えますか。使用範囲が制作物内に限定されている契約があります
- 予約システムを後から変えたい場合、どのくらいの作業になりますか。システムを入れ替える医院は珍しくありません
- 医療広告ガイドラインの確認は、どこまでそちらで行いますか。「対応可能」ではなく、具体的に何を見るのかを聞きます
ホームページより先に手を打ったほうがいいケース
正直に書くと、ホームページの制作が最優先ではない医院もあります。次のどれかに当てはまるなら、先に別のことをやったほうが、同じ予算で結果が出ます。
- Googleビジネスプロフィールが未整備:写真がない、診療時間が古い、口コミに返信していない状態。ステップ1の記録で「Googleマップ経由の新患が多い」と出ているなら、サイトより先にここを整えたほうが、同じ予算で新患につながります
- 受付が電話に出られない時間が長い:Web予約を入れる前に、まず折り返しの運用を決める必要があります
- チェアが埋まっていて新患を受けられない:この状態で新患を増やすと、待ち時間が伸びて既存患者の満足度が下がります。増やすべきは新患ではなく自費率かもしれません
- 院内で誰も更新できない体制:作った直後から情報が古くなっていきます。更新できる形にするか、更新代行を含めた契約にするかを先に決めてください
予算配分の考え方。制作費を全部サイトに使い切らず、公開後の運用に一部を残しておくと、うまくいきます。作って終わりにすると、改善のための予算がなくなり、数字が悪くても手が打てなくなります。
この章の結論。制作会社の得意分野より、確認体制と公開後の更新条件のほうが、歯科サイトの成果を左右します。契約前の5つの質問で、そこを確かめてください。
よくある質問
インプラントの症例写真は、ホームページに載せられますか
掲載できるかどうかと、必要な説明の範囲は、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」のガイドライン本文で確認してください。実務としては、治療内容・費用の総額・治療期間・主なリスクと副作用の説明を写真とセットで置く形にすると、抜けが起きにくくなります。掲載には本人の同意も必要です。
Googleの口コミをホームページに転載するのは、体験談にあたりますか
治療の効果や体感に触れた口コミを自院サイトに転載した場合の扱いは、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」のガイドライン本文で、体験談の記載と広告の定義を読んで判断してください。判断がつかないうちは、自院サイトへの転載ではなくGoogleビジネスプロフィールへのリンクを置く方法もあります。
Web予約を入れると、受付の電話対応は減りますか
時間外の予約は電話が減りますが、診療時間内は大きく変わらないことが多いです。むしろ予約内容の確認や折り返しという新しい作業が増えます。減らすことより、時間外の取りこぼしを拾う目的で導入するのが実態に合っています。
医療広告ガイドラインは、リスティング広告にも同じルールが適用されますか
広告への適用範囲は、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」で公開されているガイドライン本文の限定解除の要件で確認してください。実務としては、自由診療の詳しい内容は着地先のページに置き、広告文そのものは基本情報にとどめる形が現実的です。
診療メニューのページは、いくつ作れば十分ですか
力を入れたい1〜2メニューを厚く作るのが先です。全メニューを薄く並べても、検索してきた人の疑問に答えきれません。まず矯正なら矯正だけ、費用・期間・リスク・症例まで書ききってから、次のメニューに進んでください。
まず今日、自院のサイトで1か所だけ確認してみてください
スマホで自院のホームページを開いて、自由診療のページに「費用」と「リスク・副作用」の両方が書かれているかだけ見てみてください。片方しかなければ、そこが最初に手を入れる場所です。予約導線から先に見直したい方は、問い合わせが来ないホームページの原因と改善手順の記事も参考になります。
確認してみて、直す箇所が思ったより多かった、あるいは誰が確認するかから決めないといけない、と感じた方もいると思います。歯科医院のホームページ制作・運用の相談から、いまのサイトの状態と、どこから手をつけるかを一緒に洗い出せます。まずは現状をうかがうだけでも大丈夫です。お気軽にお声がけください。
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