Claude Codeで社内広報ボットを自作:頼れる人がいなくても対話で完成

Claude Codeで社内広報ボットを自作:頼れる人がいなくても対話で完成

この記事の要点

  • 社内向け広報ボットは自社固有情報が大半でClaude Code自作が合う
  • 作成は5ステップ。テーマ集約、日本語依頼、5問検証、ツール設置
  • ウソ防止は資料限定回答・不明は確認・根拠明示の3指示と定期更新

「社内報のバックナンバーどこ?」「ロゴデータちょうだい」「広報の問い合わせ窓口、毎回同じ質問で埋まる」。1人や少人数で広報を回していると、こうした定型の問い合わせ対応に時間を吸い取られますよね。

この記事では、専門のエンジニアが社内にいなくても、Claude Codeと対話するだけで「社内広報ボット」を自作する道筋を、準備するものから手順、つまずきポイント、AIに何を渡せば良い答えが返るのかまで具体的に解説します。コードが読めなくても大丈夫です。何を準備し、AIに何を伝え、出てきたものをどう確認するか、という再現できる流れでお伝えします。

Contents / 目次
  1. 結論。社内広報ボットは「自作」が自社に合いやすい
  2. 社内広報ボットの作り方。準備から完成までの手順
  3. 作るとどう変わるか。期待できる効果のイメージ
  4. よくある失敗と、その防ぎ方
  5. 自作する前に知っておきたい、現場のホンネと落とし穴
  6. よくある質問

結論。社内広報ボットは「自作」が自社に合いやすい

Claude Codeで社内広報ボットを自作|非エンジニアでも対話で完成

結論から言うと、社内向けの広報ボットは、市販のチャットボットを契約するより、Claude Codeで自作したほうが自社にぴったり合うケースがあります。早い・安いと言い切れるかは、ボットを動かし続ける実行環境や運用の手間をどこが負担するかで変わるため一概には言えません。それでも自作が候補になる理由はシンプルで、社内広報の問い合わせは「自社にしかない情報(社内報、ロゴ規定、過去のプレスリリース、広報ルール)」が答えのほとんどだからです。汎用のサービスを契約しても、結局その自社情報を自分で読み込ませる作業は発生します。

ここでひとつ用語を補足します。Claude Codeとは、Anthropic社が提供する「対話でプログラムを作れるAIツール」のことです。かんたんに言うと、こちらが日本語で「こういうものを作りたい」と伝えると、コードを書く部分をAIが受け持ってくれます。職人さんに「こんな棚がほしい」と口頭で頼むと、設計図づくりから手を動かす部分まで一緒に進めてくれるイメージです。ただし、実際に何ができるか、どんなファイルやデータに対応できるかは、ツールのバージョンやプランによって変わります。最新の仕様は必ず公式ドキュメントで確認してください。

まず押さえてほしいのは、社内広報ボットを手に入れる方法は大きく2つあるということです。どれが正解かは、社内の情報量と、どこまで自分でやりたいかで変わります。下の表で全体像をつかんでください。

方法向いている会社手を動かす人カスタマイズ性
市販の社内チャットボットを契約問い合わせが大量で全社展開が前提社内担当+ベンダーサービスの枠内で調整
Claude Codeで自作(ターミナル操作)少人数で自社に合わせて細かく作りたい広報担当本人+AI非常に高い

ここがポイント。広報ボットの価値は「賢いAI」そのものではなく、「自社の正しい情報をAIに読ませること」で決まります。だからこそ、自社情報を一番分かっている広報担当が自作するのが、実は近道なのです。

社内広報ボットの作り方。準備から完成までの手順

Claude Codeで社内広報ボットを自作|非エンジニアでも対話で完成

社内広報ボットは、次の5ステップで作れます。順番にやれば、初めてでも形になります。ここでは特定の画面のボタン名ではなく、「何を・どの順でやるか」というプロセスで説明します。ボタンの位置や名称はバージョンで変わるので、細部はAIの案内や公式ドキュメントに従ってください。

ステップ1。ボットに答えさせる範囲を1つに絞る

最初にやるべきは、機能を盛ることではなく、絞ることです。いきなり「広報の何でも答えるAI」を目指すと、答えがあいまいになって誰も使わなくなります。まずは「社内報のバックナンバー検索だけ」「ロゴと素材の置き場案内だけ」のように、一番問い合わせが多い1テーマに限定しましょう。対象(誰が使うか)と、解決したい困りごとを1行で書き出すのが出発点です。

ステップ2。AIに読ませる「自社の情報」を1か所に集める

次に、ボットの答えのもとになる資料を1つのフォルダにまとめます。これがボットの賢さを決める一番大事な工程です。社内報のPDF、広報ガイドライン、ロゴ規定、よくある質問とその回答、過去のプレスリリースなどを、フォルダに放り込んでいきます。

ここで知っておきたいのがRAG(ラグ)という考え方です。RAGとは、AIに自社の資料を参照させたうえで答えさせる仕組みのことです。ひとことで言うと、AIに「自分の記憶で答えないで、この資料を見て答えてね」とお願いする方法です。これをやらないと、AIがそれらしいウソ(専門用語でハルシネーションと言います)を答えてしまいます。RAGの考え方は【2026年最新】社内情報をAIで構築するRAG活用ガイドでも詳しく解説しています。

ステップ3。Claude Codeに「作りたいもの」を日本語で伝える

資料がそろったら、Claude Codeに何を作りたいかを日本語で伝えます。完璧な指示文を作り込む必要はありません。今のAIは、ざっくり頼めば足りない条件を自分から質問してくれます。出発点として、次のような短いたたき台(seed)を投げて、あとは対話で詰めていくのがおすすめです。

このフォルダにある社内資料を読み込んで、
社内向けの「広報問い合わせボット」を作りたいです。

・用途:[例=社員が社内報のバックナンバーを探す]
・参照してほしい資料:このフォルダ内のPDFとテキスト
・答え方のルール:資料に書いてあることだけを答える。
 分からないときは「広報担当に確認してください」と返す
・答えの最後に、根拠にした資料名を必ず添える

まず必要な準備と手順を、専門用語なしで順番に教えてください。

ポイントは「資料に書いてあることだけ答える」「分からないときは無理に答えない」「根拠の資料名を出す」の3点を必ず指示に入れることです。この3つが、ボットがウソをつくのを防ぐブレーキになります。

ステップ4。出てきた答えを5つの質問で確認する

AIが下書きを作ったら、そのまま使わず、必ず広報担当の目で確認します。ここが一番価値のある工程です。AIは作るのは得意ですが、自社にとって正しいかの最終判断は人がやります。次のチェックリストで答えの質を見てください。

  • 事実確認:実際にありそうな質問を5つ投げて、答えが資料と一致しているか
  • 分からないときの挙動:資料にない質問をしたとき、無理に答えず「確認してください」と返すか
  • 根拠の提示:答えの最後に、参照した資料名が出ているか
  • 言葉づかい:社外秘の情報や、社内の人しか分からない略称をうっかり出していないか
  • 古い情報:差し替え前の旧ロゴや、終了した制度を案内していないか

もしおかしな答えが出たら、その実例をそのままClaude Codeに見せて「この質問にこう答えたけど、本当は資料のこの部分が正解。直して」と伝えれば、AIが修正してくれます。この「悪い例を見せて直す」やり取りを数回繰り返すと、ぐっと精度が上がります。

ステップ5。みんなが使う場所に置く

最後に、社員が日常的に使うツールから呼び出せるようにします。広報ボットは、わざわざ別の画面を開かないと使えないと、すぐに使われなくなります。SlackやMicrosoft Teamsなど、普段の業務で開いているツールに組み込めないか、Claude Codeに相談してみましょう。ただし連携できるかどうかはツールやプランによって異なります。連携の可否や具体的な手順は、利用中のツールの公式ドキュメントで最新の仕様を必ず確認してください。

作るとどう変わるか。期待できる効果のイメージ

Claude Codeで社内広報ボットを自作|非エンジニアでも対話で完成

社内広報ボットを作ると、まず「同じ質問に何度も口頭で答える」時間が消えます。これが一番大きい変化です。広報の時間は、定型対応ではなく、企画や取材対応のような人にしかできない仕事に使うべきだからです。

どれくらい時間が浮くかは、問い合わせの量や内容、運用の仕方によって大きく変わります。そのため「何割削減できる」と一律に言える数字はありませんが、定型の問い合わせほど効果が出やすい、という傾向はどの会社でも共通しています。

成果を出している会社に共通するのは、最初から完璧を狙わず、小さく作って育てている点です。1テーマで動かし、使われ方のログを見て、答えが弱いところを足していく。この地味な改善サイクルを回した会社が、結果的に「広報の問い合わせが減った」「社内報の閲覧が増えた」といった変化を手にしています。

期待できる変化。定型問い合わせの自己解決化、広報担当の時間の捻出、属人化していた「あの人しか知らない情報」の共有化。この3つが現実的なゴールです。

よくある失敗と、その防ぎ方

Claude Codeで社内広報ボットを自作|非エンジニアでも対話で完成

ここでは、社内広報ボット作りで現場が実際にやりがちな失敗を、起きる状況・どうなるか・防ぎ方のセットで紹介します。先に知っておくだけで、回り道をかなり減らせます。

失敗1。何でも答えるボットを目指して、結局あいまいになる

「せっかく作るなら全部答えさせたい」と欲張ると起きる失敗です。参照範囲が広がりすぎて、どの質問にも当たり障りのない答えしか返らなくなり、社員から「使えない」と見限られます。防ぎ方は、ステップ1のとおり最初のテーマを1つに絞ること。1つで成功体験を作ってから、2つ目、3つ目と足していくほうが、結果的に早く広がります。

失敗2。資料を入れたきり更新せず、古い案内を続ける

ロゴが新しくなった、広報ルールが変わった、制度が終わった。それなのにボットに読ませた資料を入れ替えないと、ボットは平気で古い情報を案内し続けます。社内が混乱し、「ボットの言うことは信用できない」となって一気に使われなくなります。防ぎ方は、資料の更新を運用に組み込むことです。「月初に資料フォルダを見直す」と決め、担当と頻度を最初に決めておきましょう。

失敗3。ウソ(ハルシネーション)対策をしないまま公開する

RAGや「分からないときは答えない」ルールを入れずに公開すると、AIが資料にない内容をそれらしく作文してしまいます。社内向けとはいえ、誤った広報ルールやNG表現を案内すると、トラブルのもとです。防ぎ方は、ステップ3の3つの指示(資料だけを答える・分からないなら確認を促す・根拠を出す)を必ず入れること。公開前に、わざと資料にない質問を投げて、ちゃんと「確認してください」と返すかをテストしてください。

失敗4。検証なしでいきなり全社に配る

作った直後に全社へ展開すると、想定外の質問や要望が一気に押し寄せ、たった1人では改善が追いつかず破綻します。防ぎ方は、まず広報部内や1部署だけで試す「お試し運用(PoC)」を挟むこと。そこで集中する質問と改善要望をさばける状態を作ってから、対象を広げましょう。

失敗5。入れてはいけない情報まで読ませてしまう

個人情報や未公開の経営情報まで何も考えずに読み込ませると、アクセス権のない社員に答えが漏れるリスクがあります。防ぎ方は、ボットに読ませる資料を「社内に広く共有してよいもの」に限定すること。何をAIに入れてよくて何がダメかは、AIに入力してはいけない個人情報|AIセキュリティ社内ルールの作り方で具体的に整理しています。

自作する前に知っておきたい、現場のホンネと落とし穴

ここまで「自作が早い」と書いてきましたが、自作が万能というわけではありません。相談を受ける立場として、率直に「ここは引っかかりやすい」というところもお伝えします。これを知っておくと、自作するか任せるかの判断がしやすくなります。

まず、一番大変なのはAIを動かすことではなく、自社資料の整理です。社内報が個人のフォルダに散らばっている、ロゴ規定が口頭ルールしかない、過去のリリースが探せない。こういう状態だと、ボット作り以前に「資料を集めて読める形にする」作業で止まります。逆に言えば、ここさえ片付けば、AI部分は対話で進みます。資料が散らかっている自覚があるなら、整理だけ先にやるか、整理から相談するのが現実的です。

次に、ターミナル(黒い画面)への抵抗は、人によっては想像以上に高い壁です。Claude Code自体は日本語で頼めますが、最初の準備(ツールの導入や設定)でつまずく方は少なくありません。ここで止まりそうなら、まず詳しい人に初期セットアップだけ手伝ってもらう、という選び方が賢いです。「全部自分で」にこだわって時間を溶かすより、入口だけ伴走してもらって、運用は自分で回すのが現実的な落としどころです。

「作って終わり」が最大の落とし穴です。広報ボットは、作った瞬間が完成ではなく、資料を更新し、答えを直し続けて初めて使われ続けます。導入コストより、この運用の手間を見落とすと「作ったのに誰も使っていない」状態になります。誰が・いつ・どう手入れするかを、作る前に決めておきましょう。

内製と外注の切り分けの目安はシンプルです。日々の運用(資料更新や答えの調整)は社内でやったほうが速くて安いので、ここは自社で持つ。最初の設計と土台づくり、つまずいたときの相談だけ外部に頼る。この「土台は伴走、運用は内製」が、コストと自走のバランスが一番良い形だと感じています。社内ボット全般の運用の勘どころは社内問い合わせを減らすAIチャットボットの自作・運用術もあわせてご覧ください。

よくある質問

プログラミングの経験がまったくなくても作れますか

作れます。Claude Codeは日本語で「こうしたい」と伝えれば、必要な準備や手順をAIが案内してくれます。コードを自分で書く必要はありません。

ボットがウソの答えを出さないか心配です

「資料に書いてあることだけ答える」「分からないときは広報担当に確認を促す」「根拠の資料名を出す」の3つを指示に入れれば、かなり防げます。公開前に、わざと資料にない質問を投げてテストすると安心です。

どれくらいの規模から始めるのがいいですか

まず1テーマ、1部署からがおすすめです。問い合わせが一番多いものに絞って小さく動かし、使われ方を見て育てます。最初から全社展開すると、質問や要望に対応しきれず失敗しやすいので注意してください。

作ったあとの手入れは大変ですか

作る作業より、資料の更新のほうが地道に効いてきます。ロゴやルールが変わったら読ませる資料を入れ替える、という運用を月1回など決めておけば大丈夫です。誰がいつやるかを最初に決めておくのがコツです。

ここまで読んで、「やり方は分かったけれど、自社の資料整理や最初のセットアップは自分たちだけだと不安だな」と感じた方は、気軽にご相談ください。コレットラボのAI業務システム化支援では、土台づくりは一緒に伴走し、日々の運用はお客さま自身で回せる形までをお手伝いしています。まずは現状を整理するだけでも構いません。AI業務システム化の詳細はこちらからお気軽にお問い合わせください。

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