LINE公式アカウント運用代行の費用相場と頼める範囲の決め方
この記事の要点
- 運用代行の費用は初期構築費・月額運用費・実費の3層。実費は自社負担が基本
- 見積もりは4つの条件を揃えないと比較不能。揃え方を本文で解説
- 契約前の確認は6項目。アカウント名義を間違えると解約時に友だちを失う
LINE公式アカウントの運用代行を調べても、会社によって提示される金額の幅が大きく、どれが自社に合うのか判断できない。そんな状態で止まっていませんか。
この記事では、運用代行の費用がなぜこれほど幅を持つのかという構造から入り、見積もりを比べるために揃える条件、自社に残す仕事と代行に渡す仕事の分け方、契約前に書面で確認する項目までを順番に整理します。友だち数が数百〜数千人規模で、社内にLINE担当が1人いるかいないか、という中小企業の経営者・広報・店舗責任者に向けた内容です。
読み終わる頃には、複数社の見積もりを同じ土俵で比べられる状態と、「ここまでは社内、ここからは外注」という線を自分で引ける状態を目指します。なお、リッチメニューの画像だけ作ってほしいといった制作物1点の外注は、継続運用の代行とは考え方が別です。そちらはLINEリッチメニュー外注と自作の判断軸|見積もりの確認点で整理しているので、必要ならそちらから読んでください。
Contents / 目次
LINE公式アカウント運用代行の費用は、3つの層に分けて考える

結論から言うと、LINE公式アカウントの運用代行にかかるお金は、初期構築費・月額運用費・実費の3層に分かれます。この3つを混ぜたまま各社の金額を比べても、安いか高いかは絶対に分かりません。
金額の相場を1つの数字で示した公的な調査データはありません。だからこの記事では、金額の目安を先に出すのではなく、自社の条件で見積もりを取り、その金額を自社の相場として確定させる手順を示します。相場は「いくらか」ではなく「どの条件でいくらか」という形でしか出てこないからです。具体的な出し方は次の章の4条件と、そのあとの人件費換算で説明します。
とくに見落とされやすいのが3つ目の実費です。LINEのメッセージ配信料や拡張ツールの利用料が代行会社の月額に含まれているかどうかは会社ごとに違い、あとから「これは別途です」と分かって予算が崩れる。これが一番よくある行き違いです。
| 費用の層 | 中身の例 | 支払いの基本形 | 見積もりでの確認点 |
|---|---|---|---|
| 初期構築費 | アカウント設計、リッチメニュー制作、あいさつメッセージ、応答メッセージ、ステップ配信のシナリオ設計 | 着手時に一括、または初月に上乗せ | 制作物の点数と修正回数の上限が書いてあるか |
| 月額運用費 | 配信の企画・文面作成・画像制作・配信作業、レポート作成、定例打ち合わせ、チャット対応 | 毎月定額(作業量で段階制の場合あり) | 月の配信回数と、1回あたりの制作物が明記されているか |
| 実費 | LINEのメッセージ配信料、拡張ツールの月額、広告費、撮影・素材購入費 | 自社が直接契約して自社が支払う | 「別途実費」の対象が具体的に列挙されているか |
実費は自社契約が原則。メッセージ配信料の請求先や課金の条件はLINEヤフー for Business の料金プラン案内で確認できます。 代行会社が立て替える形にすると、通数の内訳が見えなくなり、あとで検証できなくなります。
同じ「運用代行」でも、含まれる作業は3タイプに分かれる
金額の幅が大きい一番の理由は、そもそも売っているものが違うからです。運用代行と名前がついていても、中身は大きく3タイプあります。
| タイプ | 主な作業 | 向いている会社 | 費用が動く要因 |
|---|---|---|---|
| 構築だけのスポット型 | アカウント初期設定、リッチメニュー、あいさつ・応答メッセージ、シナリオ設計を一度作って納品 | 配信は自社でやれるが、最初の設計だけ整えたい会社 | 制作物の点数、シナリオの分岐数 |
| 配信の実務代行型 | 毎月の配信企画・制作・配信作業・簡易レポート | 担当者がいるが手が回らない会社 | 月の配信回数、画像制作の有無、修正回数 |
| 設計から伴走する型 | KPI設計、セグメント設計、他チャネルとの連携、拡張ツールの構築、定例での改善提案 | LINEを売上の柱にしたい会社、複数店舗を持つ会社 | 関わる人数、打ち合わせ頻度、ツール構築の複雑さ |
自社が欲しいのがどのタイプかを先に決めてしまえば、比較対象は一気に絞れます。逆にここが決まらないまま3社に声をかけると、3つとも違うタイプの提案が返ってきて、比べようがない見積もりが手元に残ります。
なお、そもそも自社が有料プランに上げるべきかどうかで迷っている段階なら、先にLINE公式アカウントの料金プラン|無料と有料の違いと選び方を読んでおくと、実費側の見通しが立てやすくなります。
費用相場の調べ方。見積もりを比べる前に4つの条件を揃える
相場を知りたいときに、金額の平均値を1つ探しても意味がありません。運用代行は作業量で値段が決まるので、条件が違えば金額が2倍違っても、どちらも適正ということが普通に起こります。
だから実務でやることは、条件を揃えて3社から見積もりを取り、そこで返ってきた金額を自社の相場として扱うことです。条件として揃えるのは次の4つです。この4つを同じ文面で全社に伝えてから見積もりを依頼してください。
- 月の配信回数:週1回なら月4回、隔週なら月2回。ここを決めないと、各社が勝手な前提で金額を作ります
- 1回あたりの制作物:テキストだけか、画像付きのリッチメッセージか、カードタイプかで制作工数がまるで変わります
- チャット対応の有無:1対1トークの返信を任せるのか、任せるなら平日日中だけか、返信までの目安時間はどうするか
- レポートの頻度と項目:月1回か週1回か。数値の羅列だけか、改善提案までつくのか
自社でやった場合の金額に換算してから見積もりを見る
見積もりの数字が妥当かどうかは、自社でやった場合の人件費に換算すると判断しやすくなります。やり方はかんたんで、1回の配信にかかる作業時間を分解して足し算するだけです。
ここで大事なのは、所要時間も時給も、必ず自社の実測値を入れることです。以下に挙げる数字は計算の型を示すための仮置きで、相場の目安ではありません。所要時間は社内の慣れ具合で何倍も変わりますし、時給は自社の人件費から算出してください。
- 配信内容を決める(過去の反応を見て企画する):自社で計測した時間
- 文面を書いて社内確認を回す:自社で計測した時間
- 画像を1枚作る(サイズ調整とタップ領域の設定を含む):自社で計測した時間
- 配信設定と実機での表示確認、予約設定:自社で計測した時間
この4つを足したものが1回あたりの所要時間です。そこに月の配信回数をかけると月間の時間になり、さらに自社の担当者の時給をかければ、いまLINEにかかっている社内工数が金額に変わります。次の配信のときにストップウォッチで測っておけば、その日のうちに自社の数字が出ます。
この数字が出ると、見積もりの読み方が変わります。月額がこの換算額と近いなら、実質的に人件費と同じコストで、経験のある外部の手が入ることになる。逆に大きく上回るなら、その差額は企画力や改善提案に払っている、ということです。差額に見合う提案が見積もりに書かれているかを見てください。
画像制作の時間を0分で見積もらないでください。実務でもっとも時間を食うのが画像です。サイズが合わずに作り直す、文字が小さくてスマホで読めない、といったやり直しが必ず発生します。
そのまま使える見積もり依頼の文面
3社に同じ条件を伝えるための文面をそのまま置いておきます。角かっこの中を自社の状況に置き換えて、メールに貼り付けて使ってください。
件名:LINE公式アカウント運用代行のお見積もり依頼
お世話になっております。[会社名]の[氏名]と申します。
LINE公式アカウントの運用代行について、下記の条件でお見積もりをお願いします。
■ 現状
・業種/店舗数:[例:美容室・2店舗]
・友だち数:[例:約1,200人]
・現在の配信頻度:[例:月1回、不定期]
・使っているプラン:[例:ライトプラン]
・拡張ツール:[例:使っていない/導入済み(ツール名)]
■ 依頼したい範囲
・月の配信回数:[例:月4回]
・1回あたりの制作物:[例:画像1枚+テキスト]
・チャット対応:[例:平日10〜18時の一次返信まで/依頼しない]
・レポート:[例:月1回、定例30分のオンライン打ち合わせ付き]
・初期構築:[例:リッチメニュー1式とあいさつメッセージの作り直しを含む]
■ お見積もりに記載いただきたいこと
1. 初期構築費と月額運用費を分けた金額
2. 月額に含まれる作業と、含まれない作業の一覧
3. 別途実費になるもの(メッセージ配信料、ツール利用料など)
4. 制作物の修正回数の上限と、上限を超えた場合の追加費用
5. 最低契約期間と、解約する場合の申し出時期
6. アカウントの権限設定と、契約終了時の引き継ぎ方法
この6項目を書いてもらうだけで、金額の比較だけでなく、その会社が運用の実務を分かっているかどうかも見えてきます。4番と6番に具体的な回答が返ってこない会社は、契約後にもめる可能性が高いと考えてください。
頼める範囲の決め方。自社に残す仕事と渡す仕事を5ステップで分ける

頼める範囲は「全部お願いします」でも「これだけお願いします」でもなく、作業を1つずつ棚卸ししてから線を引くのが確実です。ここが記事の中心なので、実際に手を動かせる粒度で5ステップに分けます。
ステップ1。LINE運用の作業を書き出して表にする
まず、LINE公式アカウントの運用で発生している作業を全部書き出します。頭の中では3つくらいに感じていても、書き出すと10個以上出てくるはずです。次の表をそのままコピーして、頻度と所要時間は自社の実測値を埋めてください。
| 作業 | 頻度 | 1回の所要時間 | 社内情報が必要か | 渡す/残す |
|---|---|---|---|---|
| 配信の企画・ネタ決め | 自社で記入 | 自社で計測 | 必要(在庫・催事) | 一緒に |
| 配信文面の作成 | 自社で記入 | 自社で計測 | 一部必要 | 渡す |
| 画像制作 | 自社で記入 | 自社で計測 | 不要 | 渡す |
| 配信設定・実機確認 | 自社で記入 | 自社で計測 | 不要 | 渡す |
| 1対1トークの返信 | 随時 | 自社で計測 | 必要(予約・在庫) | 残す |
| リッチメニューの更新 | 自社で記入 | 自社で計測 | 不要 | 渡す |
| クーポン・ショップカード設定 | 随時 | 自社で計測 | 必要(原価判断) | 一緒に |
| 友だち追加の声かけ・POP設置 | 常時 | — | 必要(現場運用) | 残す |
| 数値の確認とレポート | 自社で記入 | 自社で計測 | 不要 | 渡す |
| 配信内容の最終承認 | 自社で記入 | 自社で計測 | 必要 | 残す |
この表を作るだけで、依頼できる範囲がかなりはっきり見えてきます。所要時間の列を合計すれば、前の章でやった人件費換算もそのまま計算できます。
ステップ2。社内にしかない情報が必要な作業は自社に残す
「社内情報が必要か」の列が「必要」になっている作業は、原則として自社に残します。外に出すと、確認のやりとりが増えて、かえって時間がかかるからです。
典型例が1対1トークの返信です。「今日の18時に2名で予約できますか」という質問に答えられるのは、予約台帳を見られる人だけです。代行会社に投げても、社内に聞き返してから返信することになるので、二度手間になったうえに返信が遅くなります。
逆に、社内情報がいらない作業ははっきり渡していい。画像制作、配信設定、レポート作成はその代表です。ここは経験のある人がやるほど早く、品質も安定します。
ステップ3。アカウントの権限と名義を先に決める
契約前に、LINE公式アカウントの管理者を誰にするかを決めてください。どの権限が用意されていて、それぞれ何ができるのかはLINEヤフー for Business のLINE公式アカウント案内ページから公式のマニュアル・ヘルプをたどって、契約前に最新の仕様を確認してください。そのうえで、自社の担当者と代行会社にそれぞれどの権限を割り当てるかを決め、書面に残します。
これを決めずに進めると、契約終了時に自社が自分のアカウントを操作できなくなる可能性があります。実際の追加手順はLINE公式アカウントに管理者を追加する手順と権限の使い分けでも解説しているので、依頼前に一度目を通しておくといいです。
代行会社の担当者に権限を渡すときは、誰のアカウントに何の権限を付けたかを一覧にして自社で持っておいてください。担当者の交代や退職があったときに、外し忘れが残ります。
ステップ4。委託範囲を1枚の表にして、そのまま契約書に添付する
ステップ1の表の「渡す/残す」列を確定させたら、それを1枚の表にまとめて、見積もり依頼と契約書の両方に添付します。口頭で「配信まわり全部」と伝えるのと、表で渡すのとでは、あとの認識ずれがまったく違います。
表に入れておくと後で助かる項目が4つあります。
- 承認フロー:誰が配信内容を最終承認するか、承認の期限は配信の何営業日前か
- 素材の提供元:商品写真やロゴを自社が渡すのか、代行会社が撮影・作成するのか
- 緊急時の連絡手段:臨時休業や在庫切れが出たときに、予約配信を止める連絡先と手段
- 修正の回数:1回の配信につき何回まで修正できるか、超えた場合の扱い
ステップ5。最初の3か月は部分委託にして、範囲を広げるかを決める
いきなり全部を渡さず、最初は配信制作だけ、のように狭い範囲で始めるのをおすすめします。理由は費用の節約ではなく、相性の確認です。
見直しの時期は、自社の配信頻度から逆算して決めてください。判断材料になるのはやりとりの回数なので、月4回配信なら3か月、月1回配信ならもっと長く取る必要があります。回数が溜まったところで、次の3つを見てください。
- 文面のトーン:自社が普段お客さまに使う言葉づかいと合っているか
- 修正のやりとり:直してほしいことが一度で伝わり、手戻りが少ないか
- レポートの中身:読んで次の判断に使える内容になっているか
合っていれば、そこからチャット対応やリッチメニューの改善へ範囲を広げればいい。契約時に「一定期間後に範囲を見直す」と一文入れておくだけで、この進め方が取りやすくなります。
ここまでで判断に使うチェックリストをまとめておきます。委託範囲を決める前に、5つとも答えられる状態にしてください。
- 目的:LINEで増やしたいのは来店か、予約か、リピートか、問い合わせか
- 現状の数字:友だち数、直近3回の配信のクリック数、ブロック率をすぐ言えるか
- 社内の手:月に何時間ならLINEに使えるか
- 残す作業:社内情報が必要な作業を書き出したか
- 止め方:成果が出ない場合、いつ、どの数字を見て見直すと決めているか
契約前に確認する6項目。アカウントとデータの持ち主を書面にする

ここは、教科書的な比較記事にはあまり書かれないけれど、実際に困るのが確実な部分です。LINEの運用代行でトラブルになるのは、配信の出来より、アカウントとデータの持ち主が曖昧なまま契約したケースがほとんどです。
金額の交渉より先に、次の6項目を書面で確認してください。相手が代行のプロなら、どれも即答できる内容です。
- LINE公式アカウントの名義は自社か。管理者権限は自社の誰が持つか
- 拡張ツールを使う場合、契約名義は自社か代行会社か。自社名義でない場合、解約時にデータはどうなるか
- メッセージ配信料の請求先はどこか。通数が増えた場合、事前に相談する取り決めがあるか
- 友だちに付けたタグや属性の設計書は、契約終了時に自社へ渡されるか
- 制作したリッチメニューやバナーの元データ(編集できる形式)は納品されるか
- 契約終了時にやる作業(権限の削除、予約配信の停止、ツールの引き継ぎ)を誰がいつやるか
とくに2番は要注意です。拡張ツールの契約形態も、解約したあとにシナリオやタグがどう扱われるかも、ツールごとに違います。ここは一般論では判断できないので、ツールを使う提案が出たら「契約名義は自社と代行会社のどちらになりますか」「解約後にデータをエクスポートできますか」「シナリオ設定を自社名義の契約へ引き継げますか」の3つをその場で聞き、回答をそのツールの公式資料で裏づけてもらってください。
3番の通数についても、代行会社に任せきりにしないでください。セグメントを絞って送るはずが全員配信になっていた、というだけで通数は跳ね上がります。通数の数え方と抑え方はLINE公式メッセージ通数の数え方と上限|コスト圧縮の設定手順にまとめているので、依頼側も仕組みだけは分かっておくと安全です。課金対象になる通数の定義そのものはLINEヤフー for Business の料金プランページで確認できます。
あわせて、料金体系そのものが改定されることがあります。 長期契約を結ぶ前に、改定があった場合に実費の見通しをどう扱うかを取り決めておくといいです。改定の有無・時期・内容はLINEヤフー for Business の料金プランページと公式のお知らせで必ず確認してください。通数予測の立て方はLINE料金改定2026年10月対応。AIで通数予測しコスト超過を防ぐで解説しています。
代行に出すと何が変わるか。3か月と6か月の見え方
運用代行を入れて最初に変わるのは、売上ではなく配信の継続率です。月1回も出せていなかったアカウントが、決まった曜日に決まった本数出るようになる。ここが最初の変化で、たいてい1か月目で起きます。
そのうえで、3か月と6か月で見るべき数字を分けておくと、社内で「効果が出ているのか分からない」という議論になりにくくなります。
| 時期 | 見る数字 | この時期に判断すること |
|---|---|---|
| 1か月目 | 配信本数、配信の遅延回数、修正のやりとり回数 | 運用フローが回っているか。承認が滞っていないか |
| 3か月目 | クリック数、クーポン利用数、ブロック率の推移 | 配信内容が友だちに合っているか。委託範囲を広げるか |
| 6か月目 | LINE経由の予約・来店・問い合わせ件数、リピート率 | 費用に見合っているか。継続・縮小・切り替えを決める |
ここで注意したいのが、友だち数を成果指標の中心に置かないことです。友だちが増えても配信が読まれていなければ売上にはつながりませんし、逆に友だちが横ばいでもクーポン利用が伸びていれば、その施策は当たっています。指標の組み立て方はLINEのKPIは友だち数で見るな|売上を伸ばす指標と4ステップで詳しく書いています。
うまく回っている会社に共通しているのは、代行会社に「配信の結果」だけでなく「次に何を試すか」を書かせている点です。レポートに数字の一覧しか載っていない場合は、次の1手を1つでいいので書いてもらうよう頼んでください。それだけで、レポートが報告書から作戦会議の材料に変わります。
なお、配信文のたたき台をAIに書かせている代行会社もあります。 たたき台としては十分に使えますが、自社の商品情報や顧客リストをどう扱っているかは確認しておいたほうがいいです。渡していい情報の線引きはLINE配信文をAIに書かせる時の情報漏洩対策|安全なプロンプト設計にまとめています。
LINE運用代行でよくある失敗4つ

ここでは、LINEの運用代行という形だからこそ起きる失敗に絞ります。どの外注にも当てはまる一般論ではなく、LINEの仕組みが絡んで起きるものだけを4つ挙げます。
失敗1。代行会社の名義でアカウントやツールを開設してしまう
起きる場面は、立ち上げをまるごと任せたときです。代行会社が手早く進めるために、自社のメールアドレスやビジネスIDでアカウントを作ってしまう。ここまでは悪意なく起こります。
結果として、契約を終えるときに管理者権限を移せず、集めた友だちを引き継げなくなります。拡張ツールが代行会社名義だった場合は、シナリオもタグも同時に止まります。
防ぎ方はシンプルで、開設作業を代行してもらう場合でも、アカウントの名義と管理者は自社にすると先に決めて、契約書に書いておくことです。すでに代行会社名義になっている場合は、契約更新のタイミングで移管を申し出てください。
失敗2。配信通数の設計を任せきりにして、実費が想定を超える
起きる場面は、配信本数を増やす提案を受け入れたときです。月4回が月8回になり、さらにセグメントを分けて出し分けるようになると、通数は単純に増えます。出し分けは1回の配信で送る相手を絞る手段ですが、配信の本数自体が増えれば合計の通数は増えます。何がどう課金対象の通数として数えられるかはLINEヤフー for Business の料金プランページで確認したうえで、月の合計を見積もってください。
結果として、代行費は予算内なのにLINEの実費が跳ね上がり、トータルで見ると想定を大きく超えていた、という状態になります。
防ぎ方は、月の上限通数を先に決めて、それを見積もり依頼の条件に入れることです。「月の配信通数は○万通以内。超える提案をする場合は事前に相談」と一行入れておけば、増やすときに必ず会話が発生します。
失敗3。1対1トークの線引きが曖昧で、返信が誰からも出ない
起きる場面は、「チャット対応もお願いします」とだけ伝えて始めたときです。代行会社は商品説明までは答えられますが、在庫や予約枠は分かりません。自社側は「代行がやってくれている」と思って見ていない。
結果として、お客さまの質問が両方から放置されます。メッセージが送られたことは相手にも分かっている分、返信が来ないと悪い印象が強く残ってしまいます。
防ぎ方は、返信の担当を質問の種類で分けることです。商品・キャンペーン・営業時間は代行、予約と在庫は自社、と決めて、代行側には「予約に関する質問は当店から折り返します」と一次返信だけ入れてもらう。この一次返信の文面を用意しておくと、当日中に必ず何かは返る状態になります。
失敗4。自動応答の設定を増やして、意図しない返事が出る
起きる場面は、代行会社が応答メッセージやチャットボットを追加で設定したときです。誰がいつどの設定を足したかを把握しないまま増やしていくと、実際にどのメッセージが返るのかが分からなくなります。
結果として、営業時間を聞いたお客さまにキャンペーンの案内が返る、といったちぐはぐな応対になります。自動なので、誰も気づかないまま何週間も続くことがあります。
防ぎ方は、設定を変更したら必ず自分のスマホでテストすることです。代行会社に任せる場合も、変更内容と、変更後にテストした結果のスクリーンショットを月次レポートに添えてもらってください。応答の仕組み自体はLINE公式の応答モード切り替え設定|手動チャットとBot併用のコツで整理しています。
LINE公式アカウントの運用代行についてよくある質問
メッセージ配信料は代行会社と自社、どちらが払うんですか
請求先や課金の条件はLINEヤフー for Business の料金プランページで確認できます。 代行会社が立て替える形も可能ですが、通数の内訳が見えにくくなるのでおすすめしません。見積もりに「メッセージ配信料は実費・自社負担」と明記されているか確認してください。
運用代行を頼むと、拡張ツールの契約も必須になりますか
必須ではありません。何が標準機能でできて、何ができないかは提供元によって変わるので、まずLINEヤフー for Business のLINE公式アカウント案内ページで公式の機能情報を確認してください。そのうえで「今の課題に対して、標準機能では何ができなくて、そのツールで何ができるようになるのか」を1つ聞いてみると、必要かどうかが判断できます。
途中で代行会社を変えたら、集めた友だちは引き継げますか
アカウント名義が自社で、管理者権限も自社にあれば引き継げます。逆に代行会社名義だと引き継げないことがあります。加えて、タグ設計書とリッチメニューの元データを納品対象に入れておくと、乗り換え時の作り直しがほぼなくなります。
店舗が1つで友だちが数百人でも、代行を頼む意味はありますか
配信が止まっているなら意味はあります。ただし最初は構築だけのスポット依頼にして、月々の配信は自社で回す形が現実的です。友だち数が少ない段階は、配信の巧拙より、友だちを増やす導線づくりのほうが効きます。
最低契約期間は何か月くらいで考えておけばいいですか
会社によって違うので、見積もり依頼の段階で必ず聞いてください。判断の目安は、委託範囲を見直せるだけの配信データが溜まるところまでです。長期の縛りがある場合は、その時点で委託範囲を見直せる条件を入れられないか相談してみてください。
まずは今の運用時間を書き出すところから
今日のうちにできる最初の一歩は、この記事のステップ1の表を開いて、直近1か月に自分がLINEに使った作業を思い出せるだけ書き出すことです。5分で終わりますし、これがないと見積もりを取っても比べられません。
友だちがそもそも増えていないのが本当の課題かもしれない、と感じた方は、LINE公式の友だちが増えない原因と登録率を上げる導線の作り方を先に読んでみてください。代行に出すかどうかの判断が、そのあとで変わることがあります。
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