リフォーム会社のホームページ制作|見積依頼が届く施工写真の載せ方
この記事の要点
- 見積依頼が届く施工事例は、写真に加えて費用帯・工期・築年数・設備の型番まで載っている
- 施工写真の掲載には施主の許諾が必要。撮影前に渡す同意書の文面例を本文に掲載
- Google広告は事例がそろってから。着地できるページが無いと費用だけ減る
リフォーム会社のホームページから見積依頼が届くかどうかは、デザインではなく施工事例の中身で決まります。写真が並んでいるだけの事例ページは、見た人が「うちの工事だといくらか」を判断できないため、問い合わせの手前で離脱します。逆に、費用の帯・工期・築年数・使った設備まで書いてある事例が並んでいると、電話が来た時点で相手の希望がほぼ固まっています。
この記事は、リフォーム会社の経営者・役員の方に向けて書いています。自分でホームページを作る手順ではなく、どこに頼むか・いくらかかるか・任せて大丈夫かを判断する材料をまとめました。読み終わる頃には、制作会社に「施工事例のページをこう作ってほしい」と条件を出せる状態を目指します。
扱うのは、施工事例の作り方と許諾、費用の見方、Google広告を始める順番の3つです。施工事例の見せ方そのものをもっと深く知りたい方は、工務店のホームページ集客|施工事例の見せ方と問い合わせ導線も合わせて読んでください。新築中心の会社はそちらのほうが近い内容です。
Contents / 目次
見積依頼が届くリフォーム会社のホームページは、施工事例の情報量で決まる
リフォーム会社の集客方法をホームページで考えるとき、最初に決めるのは施工事例に何を書くかです。トップページのデザインでも、会社の理念でもありません。リフォームを検討している人は、複数社のサイトを行き来しながら「自分の家と似た工事がいくらでできたのか」を探しています。その答えが載っていないサイトは、比較の途中で閉じられます。
押さえるのは次の3つです。
- 施工事例の情報量:写真だけでなく、費用の帯・工期・築年数・建物の種類・使った設備の型番まで書く
- 探せる形にする:「A様邸」でまとめず、工事の場所(キッチン・浴室・外壁など)と地域で分類して、1工事1ページにする
- 見積前の不安に答える:見積は無料か、現地調査に何分かかるか、断ったらどうなるかを、事例のすぐ下に置く
この3つがそろっているかどうかで、同じアクセス数でも問い合わせの数と質が変わります。下の表は、施工事例に載っている情報と、それを見た人がその場で何を判断できるかを並べたものです。
| 事例に載っている情報 | 見た人が判断できること | 問い合わせへの影響 |
|---|---|---|
| 完成写真だけ | この会社が工事をしたことがある、という事実だけ | 比較の材料にならず、他社のサイトへ移る |
| 完成写真+施工前写真 | どれくらい変わるかのイメージ | 「きれいですね」で終わり、金額を聞くところまで進まない |
| 写真+費用の帯+工期 | 自宅の工事の予算感と、生活への影響 | 予算が合う人だけが問い合わせるので、商談が短くなる |
| 上記+築年数・建物の種類・設備の型番 | 自分の家と条件が近いか、希望の商品を扱っているか | 「この事例と同じ工事をお願いしたい」という形で連絡が来る |
ここが分かれ目。写真の美しさより、条件の一致のほうが問い合わせに効きます。築30年のマンションでキッチンを替えたい人が探しているのは、プロが撮った戸建てのモデルハウス写真ではなく、築30年のマンションの実例です。
つまりこの章で決めるのは、制作会社に出す条件です。「施工事例は1工事1ページ、費用の帯と工期と築年数を必ず入れる形にしてください」と伝えられれば、見積の中身も比較しやすくなります。
施工写真の載せ方。許諾の取り方から掲載までの5ステップ
施工写真をホームページに載せるには、撮影より先に施主の許諾を取ります。建物の中の写真は施主の生活が写るもので、勝手に公開すると後から取り下げを求められます。工事が終わってから「載せていいですか」と聞くと断られやすく、着工前に説明しておくほうが通ります。ここからは、現場で実際に回せる順番で書きます。
ステップ1。契約時に掲載の同意書を渡す
同意書は契約書類に1枚はさむ形にします。口頭の「写真いいですか」だけだと、担当が替わったときに記録が残りません。次の文面をそのまま使えます。会社名と連絡先だけ入れ替えてください。
施工写真の掲載についてのお願い
[会社名]では、工事の記録写真を、当社ホームページ・SNS・印刷物に
掲載させていただくことがあります。下記にご記入をお願いします。
■ 写真の掲載
□ 掲載してよい
□ 掲載してよい(ただし建物の外観と玄関まわりは除く)
□ 掲載しない
■ お名前の表示
□ 実名(○○様邸) □ イニシャル(A様邸) □ 表示しない
■ 所在地の表示
□ 市区町村まで □ 都道府県まで □ 表示しない
■ 工事金額の表示
□ おおよその帯で表示してよい(例 80〜120万円)
□ 表示しない
■ 取り下げについて
掲載後でも、[連絡先・電話/メール]へご連絡いただければ、
[◯営業日]以内にページを非公開にします。理由は不要です。
ご記入日 年 月 日
お名前
金額の表示を別項目にしているのには理由があります。写真はよくても金額は出したくない、という施主は珍しくありません。項目を分けておくと「金額だけ伏せて掲載」という選択ができ、掲載できる事例の数が増えます。
ステップ2。施工前・施工中・完成の3回に分けて撮る
撮るのは3回です。完成写真だけでは、工事の価値が伝わりません。とくに施工中の写真は、下地や配管など完成後には見えなくなる部分を示せるので、金額の根拠として効きます。
- 施工前。現地調査の日に撮る。立つ位置と高さをメモしておく(例「浴室入口から、腰の高さ」)
- 施工中。解体後の下地、配管や電気配線、防水処理など、完成すると隠れる工程を1〜3枚
- 完成。施工前とまったく同じ位置・同じ高さから撮る。引き渡し清掃のあとに撮る
ビフォーアフターを並べるとき、位置がずれていると比較になりません。スマートフォンのグリッド表示をオンにして、床と壁の境目をグリッド線に合わせると、別の日に撮っても同じ画になります。
写り込みは必ず確認してください。実際に取り下げになりやすいのは次のものです。
- 個人が特定できるもの:表札、郵便物、宅配の伝票、車のナンバー、免許証や診察券などの置き忘れ
- 家族の生活が分かるもの:家族写真、カレンダーの書き込み、通院の予定表、子どもの名前入りの持ち物
- 近隣:隣家の外観、向かいの家の窓、通行人
- 現場の雑さ:工具、養生テープの切れ端、脚立、ゴミ袋、飲みかけの缶
最後の1つは許諾とは関係ありませんが、信用に直結します。工具が散らばった写真を載せていると、それだけで「現場も雑なのでは」と受け取られます。撮る前に10秒かけて視界の中を片付けるだけで変わります。
ステップ3。1事例に書く10項目をテンプレートで決める
事例ごとに書く内容がばらつくと、比較できるページになりません。記入欄をあらかじめ決めて、現場担当が埋める形にします。次の10項目をそのまま社内フォーマットにしてください。
【タイトル】○○市 A様邸 キッチン交換(築25年・戸建て)
【工事の種類】キッチン交換/内装補修
【建物】戸建て・築25年・2階建て・木造
【工期】着工〜引き渡し 5日間(うち使えない日 2日)
【費用】総額 80〜120万円
内訳 …… 機器本体/取付工事/既存撤去・処分/内装補修/諸経費
【きっかけ】お客様の言葉をそのまま
例「扉が閉まらなくなって、掃除のたびに気になっていた」
【提案した内容】採用した案
【選ばなかった案】見送った案と、その理由(予算・工期・構造)
【使った設備】メーカー名・シリーズ名・品番
【現場で出た想定外】例「床下の給水管に劣化。交換を追加(+◯万円)」
【引き渡し後の一言】お客様の感想、または担当者の所感
【担当】担当者名(写真があるとなお良い)
この中で他社と差がつくのは「選ばなかった案」と「現場で出た想定外」の2つです。リフォームを検討している人がいちばん不安なのは、見積より高くなることです。
想定外が起きたときに何をいくらで追加したかが書いてあると、「この会社は隠さない」と伝わります。都合の悪い話も先に出しておくほうが、問い合わせの段階で認識のずれが起きにくくなります。
ステップ4。費用は「幅」と「内訳」で書く
工事金額は、1点の金額ではなく幅で書きます。リフォームの費用は建物の状態で変わるので、「98万円」と書くと、それを基準に交渉が始まってしまいます。「80〜120万円」と幅で書き、そのすぐ下に内訳の項目名を並べる形にしてください。
| 書き方 | 読んだ人の反応 |
|---|---|
| 金額を書かない | 予算が合うか分からないため、見積だけ取る目的の連絡が増える |
| 「50万円〜」とだけ書く | 下限で計算して問い合わせるので、提示額との差で商談が止まる |
| 「80〜120万円」+内訳の項目名 | 自宅の条件なら上寄りか下寄りかを自分で考えてから連絡してくる |
内訳は金額まで書かなくて構いません。「機器本体/取付工事/既存撤去・処分/内装補修/諸経費」と項目名が並んでいるだけで、何にお金がかかるのかが伝わります。あわせて「この事例は◯年◯月時点の金額です」と時点を入れておくと、数年後に古い金額で問い合わせが来ることを防げます。
ステップ5。事例ページの下に、次の一歩を1つだけ置く
事例ページの末尾には、行動の選択肢を1つに絞って置きます。「お問い合わせ」「資料請求」「LINE」「電話」を4つ並べると、どれを押すか迷って何も押されません。事例を読み終えた人がいちばん求めているのは「うちの場合はいくらか」なので、現地調査の申し込みに寄せるのが自然です。
そのボタンの周りに、次の3つを短く添えてください。
- 費用:現地調査と見積の作成は無料かどうか
- 時間:現地調査にかかる時間の目安(例「30〜60分」)と、当日その場で契約を求めないこと
- 返答:問い合わせから何営業日で連絡するか
フォームの入力項目はできるだけ減らします。項目が多いほど途中でやめる人が増えるので、最初の連絡では「名前・連絡先・住所(市区町村まで)・工事したい場所・自由記入」くらいで足ります。項目の絞り方は問い合わせフォームは5項目に絞る設計で詳しく書いています。
現場のメモから事例の文章を作るときの、AIの使い方
事例が増えない最大の原因は、写真ではなく文章です。現場担当は忙しく、10項目を文章にする時間が取れません。ここは生成AIで下書きを作ると回り始めます。
AIに渡す材料は次の4つです。
- 10項目フォーマットの記入済みメモ(箇条書きのままでよい)
- お客様が言った言葉のメモ(「掃除がしんどい」など、そのままの言い方で)
- 過去に公開した事例ページ2〜3本(文体をそろえるため)
- 書いてはいけないことのリスト(実名、番地、正確な金額、他社の批判、効果の保証)
出発点の指示は短くて構いません。あとはAIと会話しながら詰めるほうが早いです。
あなたは[地域名]のリフォーム会社の広報担当です。
添付した施工メモをもとに、施工事例ページの本文を作ってください。
・読む人は、同じ工事を検討している一般のお客様です
・構成は「困っていたこと → 提案 → 工事中に起きたこと → 仕上がり」
・金額は幅で書き、1点の数字にしない
・実名と番地は書かない
・分からないことは書かず、[要確認]と残す
まず1本、600字くらいで書いてください。
出てきた文章で人が確認するのは、次の4か所です。ここを飛ばすと事故になります。
- 事実の追加:メモに無い工程や設備をAIが足していないか。とくに「断熱材を入れました」「耐震補強も行いました」のような、やっていない工事の混入
- 金額:帯の上下がメモと合っているか。AIは数字を丸めることがある
- 効果の言い切り:「光熱費が◯割下がります」のような保証表現になっていないか
- お客様の言葉:感想が創作されていないか。実際に言われた言葉以外は載せない
この章で決まるのは、事例を1本作るときの社内の流れです。1本あたりの流れは次の5つです。
- 契約時に、掲載の同意書を渡して記入してもらう
- 現場で、施工前・施工中・完成の3回に分けて撮る
- 10項目のフォーマットにメモを埋める
- AIで本文の下書きを作る
- 担当が4か所(事実の追加・金額・効果の言い切り・お客様の言葉)を確認して公開する
型が決まっていれば、1本あたりの手間は現場担当と事務で分担できる範囲に収まります。かかる時間は工事の内容や社内の体制で大きく変わるので、最初の数本で自社の実績を測ってから本数を決めてください。
事例がたまると何が変わるか。3か月・6か月・12か月の見え方
施工事例を継続して公開すると、まず変わるのは問い合わせの数ではなく質です。事例を読んでから連絡してくる人は、工事の場所も予算感も自分の中で決まっているため、初回訪問から見積提出までの往復が減ります。数が増えるのはそのあとです。
順番としては、次のように進むことが多いです。ただし本数と時期の関係は、地域の競合状況や工事種別によって大きく変わります。下の表は目安ではなく、自社で何を見るかの整理として使ってください。
| 段階 | 起きること | 見る数字 |
|---|---|---|
| 公開を始めた時期 | 既存客や紹介先が事例を見るようになる。営業が商談中にページを見せられる | 事例ページの閲覧数、商談時間の変化 |
| 工事種別ごとに数本たまった時期 | 「地域名+工事名」の検索でページが出始める。問い合わせに「◯◯の事例を見ました」が混じる | 検索からの流入、問い合わせ時の参照事例 |
| 主力の工事種別を一通り網羅した時期 | 工事種別ごとに入口ができる。広告を出す土台がそろう | 工事種別ごとの問い合わせ件数、受注率 |
金額の効果は、次の式で自社の数字を当てはめると見えてきます。ここに入れるのは仮の数字で、業種や地域によって大きく変わります。参考値としてではなく、自社の実績を入れる枠として使ってください。
ホームページ経由の年間粗利
= 月間の問い合わせ件数 × 受注率 × 1件あたり粗利 × 12
(例示・数字はすべて仮)
月4件 × 受注率25% × 粗利30万円 × 12 = 年360万円
判断の見方
この額が、制作費+年間の運用費を上回るのに何か月かかるか。
何か月までなら許容できるかは、自社の資金繰りと
他の販促にかけている費用と比べて決めてください。
ここで大事なのは、問い合わせ件数だけを見ないことです。事例を整えると、予算の合わない問い合わせが減るぶん件数は横ばいのまま、受注率だけ上がることがあります。件数が増えないから失敗、と判断すると、うまくいっている施策を止めてしまいます。
月ごとに、次の3つを並べて記録してください。
- 問い合わせ件数:フォームと電話を分けて数える
- 現地調査に進んだ数:訪問の約束まで取れた件数
- 受注数:実際に契約になった件数と、その工事種別
うまくいっている会社に共通しているのは、事例を出す頻度が一定なことです。月に8本出す月と0本の月を繰り返すより、毎月2本ずつ出し続けるほうが社内の習慣として定着します(更新頻度そのものが検索順位を上げるわけではありません。公開されたページが増えることで、検索の入口が増えます)。更新が止まるパターンと立て直し方は更新されないサイトの信用低下を直す更新体制の作り方にまとめています。
制作費は何で変わるか。見積で確認する内訳
リフォーム会社のホームページの制作費は、ページ数よりも施工事例まわりをどこまで任せるかで変わります。同じ「30ページのサイト」でも、事例の撮影と原稿を制作会社がやるのか、自社で入れるのかで金額は大きく動きます。見積を比べるときは、総額ではなく次の費目ごとに並べてください。
| 費目 | 金額が上がる条件 | 社内に残る作業 |
|---|---|---|
| 設計・デザイン | ページの種類が多い、オリジナルデザイン、スマホ専用の作り込み | 掲載したい内容の洗い出し、文章の確認 |
| 施工事例の仕組み | 工事種別・地域・費用帯での絞り込み、ビフォーアフターの切り替え表示 | 分類の決定(あとから変えると手間がかかる) |
| 初期の事例登録 | 登録する本数、原稿を制作会社が書くか | 写真の選定、10項目のメモ、許諾の確認 |
| 撮影 | 訪問する現場の数、カメラマンの拘束時間、施主の立ち会い調整 | 施主への連絡、日程調整、当日の同行 |
| 原稿・取材 | お客様インタビューの有無、1本あたりの文字量 | 取材候補の選定、内容の事実確認 |
| 保守・運用 | 更新の代行本数、サーバー・ドメイン管理、不具合対応の範囲 | 毎月の事例入稿、写真の回収 |
見積の比較で差が出やすいのは、下3つです。撮影と原稿は1事例あたりの単価で提示されることが多く、年間で何本作るかを掛けた総額で見ないと判断できません。月2本を1年続けるなら24本分です。この考え方は導入事例ページの制作費用|取材と撮影を含む内訳の見方で詳しく分解しています。金額の相場そのものを知りたい方は業種別ホームページ制作費用の相場を見てください。
契約前に確認しておくことを、そのまま質問文の形で並べます。打ち合わせに持っていけます。
- 入稿の分担:公開後、施工事例は自社で入れますか、御社に依頼しますか。依頼する場合、1本いくらで、何営業日で公開されますか
- 写真の扱い:スマートフォンで撮った写真をそのまま送ってよいですか。明るさの補正はどちらがやりますか
- 分類の変更:公開後に工事種別の分類を増やしたい場合、追加費用はかかりますか
- データの持ち出し:契約を終える場合、これまでに登録した施工事例の文章と写真は、どの形式で受け取れますか
- 修正の範囲:公開前の修正は何回までですか。何を超えると追加費用になりますか
- 計測:問い合わせ数を月ごとに確認できる形になりますか。誰が見ますか
4つ目のデータの持ち出しは、意外と抜けます。制作会社の独自システムで事例を管理していると、乗り換えるときに数百本の事例を手作業で移すことになります。修正回数の決め方はホームページ制作の修正回数と追加費用|契約前に決める範囲にまとめました。
この章で判断できるようになるのは、総額の比較ではなく「どの費目を自社に残すか」です。撮影と原稿を自社に残せば初期費用は下がりますが、続かなければ意味がありません。続く体制があるかどうかで決めてください。
リフォーム会社のGoogle広告は、いつ始めるか
Google広告を始めるのは、工事種別ごとに着地できるページがそろってからです。
理由は単純です。広告はクリックした人をどこかのページに連れていく仕組みなので、連れていく先が会社概要とトップページしか無い状態では、費用だけが減ります。
何本たまれば十分かは地域の競合状況や工事種別によって大きく変わります。本数で決めるのではなく、出したい工事種別ごとに着地先のページがあるかどうかで判断してください。
リフォームの検索広告は、訪問販売への警戒と相見積もりが前提の分野です。「安い」「今だけ」を前に出すほど警戒されます。広告で見せるべきなのは、地域と工事種別と実績です。
最初に作る広告の構成
キャンペーンは工事種別で分けます。ひとつにまとめると、どの工事にいくら使われたのかを後から分けて見られず、止めるか続けるかの判断ができません。なお、キャンペーンの作り方・電話コンバージョンの計測・除外キーワードの登録手順は、いずれもGoogle側の仕様で変わります。設定の前にGoogle 広告ヘルプで最新の手順を確認してください。
- 工事種別ごとにキャンペーンを分ける。キッチン、浴室、外壁・屋根、トイレ、全面改装など、自社が受けたい順に3つほどから始める
- 地域を絞る。実際に施工に行ける範囲だけ。車で片道1時間を超える地域は最初から外す
- 着地ページを工事種別に合わせる。「キッチンリフォーム」で来た人は、キッチンの事例が並ぶページへ。トップページに落とさない
- 電話の計測を入れる。リフォームは電話が主なので、フォーム送信だけ数えていると効果を見誤る
- 除外キーワードを最初に入れる。下のリストをそのまま登録する
除外キーワードは、登録前に入れておくと無駄なクリックを最初から減らせます。
求人 / 採用 / バイト / 年収 / 資格 / 施工管理技士
diy / 自分で / 作り方 / やり方 / 動画
賃貸 / 原状回復 / 大家 / 入居
ランキング / 比較サイト / 一括見積 / 口コミサイト
単価表 / 積算 / 見積書 テンプレート
フランチャイズ / 開業 / 独立
「補助金」は迷うところです。制度を調べているだけの人も多い一方、工事を前提に調べている人もいます。最初は除外せずに動かし、1か月後に検索語句の実績を見て判断してください。
予算をいくらにするか、どこで止めるか
広告費の上限は、1件の工事から出る粗利から逆算します。感覚で「月10万円くらい」と決めると、続けるか止めるかの判断ができなくなります。
1件あたりの許容獲得単価
= 1件あたり粗利 × 受注率 × 上限比率
(例示・数字はすべて仮)
粗利30万円 × 受注率25% × 上限比率30%
= 問い合わせ1件あたり 22,500円まで出せる
月の予算 = 許容獲得単価 × 欲しい問い合わせ件数
22,500円 × 月4件 = 月90,000円
止める・直す判断
・クリックは集まっているのに問い合わせ0 → 着地ページを疑う
・問い合わせは来るが工事につながらない → 検索語句と広告文を疑う
・問い合わせ1件の費用が許容額の2倍を超えて2か月続く → 一度止める
上の数字はすべて仮の例です。自社の粗利と受注率を入れて計算し直してください。リフォームは工事単価の幅が大きいので、工事種別ごとに計算するのが正確です。何クリックで判断するかも工事単価や検索語で変わるため、固定の数字ではなく、自社の許容獲得単価と見比べて決めてください。
広告は、止めた瞬間に流入がゼロになります。施工事例による検索流入は積み上がりますが、広告は積み上がりません。両方を同じ「集客費」として並べると判断を誤るので、分けて考えてください。
広告より先に手をつけたほうがよい場合
次のどれかに当てはまるなら、広告より先にやることがあります。
- Googleビジネスプロフィールが未整備:営業時間・電話・写真・口コミへの返信を先に整える。掲載できる項目や表示の条件はGoogle側の仕様で変わるので、Google ビジネス プロフィール ヘルプで最新の内容を確認してください
- 電話に出られない時間帯がある:職人が現場に出ていて日中つながらないなら、広告費より先に一次受けの体制を決める
- 着地できる事例が少ない:着地先が無いため、クリック単価を払って直帰させることになる
この章で判断できるのは、広告を出す順番です。次の3つがそろってから出すと、止めるか続けるかも数字で決められます。
- 事例:出したい工事種別ごとに、着地できるページがある
- 体制:営業時間内に電話が取れる
- 数字:自社の粗利と受注率から、許容獲得単価を計算できる
リフォーム会社のサイトで実際に起きる失敗と、その防ぎ方
ここに挙げるのは、リフォーム会社のホームページでしか起きにくい失敗です。どの業種にも当てはまる一般論ではなく、施工写真と工事金額を扱うからこそ起きるものに絞りました。
失敗1。施主から掲載の取り下げを求められる
起きる状況は、工事後に口頭で「写真いいですか」と聞いて、記録を残さなかったときです。数か月後に家族の方が見つけて「聞いていない」となる、近所の人に気づかれて特定された、といった連絡が入ります。
こうなると、ページを消すだけでは終わりません。検索結果やSNSに残っていることもあり、対応に時間を取られます。防ぐには、ステップ1の同意書を契約書類に組み込み、誰がいつ同意を得たかを工事台帳に残すことです。あわせて、外観と玄関まわりは原則載せない運用にしておくと、特定のリスクがかなり下がります。
失敗2。事例のタイトルが「A様邸」だけで、誰にも見つからない
起きる状況は、社内の呼び方をそのままページのタイトルにしたときです。「A様邸 施工事例」というページが200本並んでいるサイトになります。
こうなると、検索している人の言葉とページの言葉が一致しません。人が探しているのは「大分市 マンション 浴室 リフォーム」であって「A様邸」ではないからです。社内では邸名で管理していても、公開するタイトルは「地域+建物の種類+工事の場所」の形に変えてください。「大分市 A様邸 ユニットバス交換(築30年・マンション)」のように、邸名を残したまま条件を足すのが現実的です。
失敗3。金額を1点で書いたせいで、値引き前提の交渉になる
起きる状況は、実際の請求額をそのまま「98万円」と載せたときです。親切のつもりで正確に書いています。
こうなると、条件の違う家の方から「サイトに98万円と書いてあった」と言われ、差額の説明から商談が始まります。建物の状態で金額が変わるのがリフォームなので、1点の数字は誤解を生みます。ステップ4のとおり幅で書き、「この金額は◯年◯月時点、築25年の戸建ての例です」と条件と時点を添えてください。
失敗4。現場の写真がスタッフのスマートフォンの中で止まる
起きる状況は、写真を撮る人と、ページを作る人が別なときです。撮影自体はできているのに、事務所に届きません。「あとで送ります」のまま、月末には誰も覚えていません。
こうなると、工事はしているのに公開できる事例がほとんど増えず、制作費をかけた事例の仕組みが遊びます。防ぎ方は、写真の提出を工事完了の手続きに組み込むことです。完了報告書を出すときに、指定の共有フォルダへ「現場名のフォルダを作って入れる」までをセットにする。撮影を頑張らせるより、提出のタイミングを決めるほうが効きます。
失敗5。補助金の案内が、去年の内容のまま残る
起きる状況は、住宅の省エネ・断熱関係の補助制度について、募集年度の金額や要件をページに書き写したときです。国の補助事業は年度ごとに募集が設けられるため、実施の有無・金額・要件は、そのつど募集要項で確認する必要があります。
こうなると、古い条件を見て問い合わせた方に説明し直すことになり、信用を落とします。ページに金額や締切を固定で書かず、「補助金を使える工事かどうかは、現地調査のときに最新の募集要項で確認します」という書き方にして、詳細は国土交通省・経済産業省や、お住まいの自治体の最新ページで確認してもらう形にしてください。年度番号の入ったページへのリンクも、翌年には古くなります。
この章で押さえるのは、失敗の共通点です。5つとも「公開したあとの運用」で起きています。作るときの設計ではなく、誰がいつ何をするかを決めていないことが原因なので、制作の打ち合わせ段階で運用の担当まで決めておいてください。
発注する側が後から気づく、リフォームサイト特有の妥協点
ここからは、制作会社があまり先に言わない話です。判断の材料になるので、率直に書きます。
事例を出すほど、単価の低い工事の問い合わせが増える
施工事例を増やすと、まず反応が出るのはトイレ交換や給湯器交換など、金額が小さく検索も多い工事です。全面改装や増築のような大型案件は、検索している人の数がそもそも少ないので、事例を出しても件数は伸びにくい。
ここで「問い合わせは増えたのに売上が変わらない」という状態になります。対策は、出す事例の構成を意図的に決めることです。受けたい工事の事例が多数を占めるようにし、小口工事の事例はページの下のほうに置く。小口工事をまったく載せないという選択もありますが、最初の接点として有効なので、受注後に他の工事へ広げる会話ができるなら残す価値があります。
下請け中心の会社は、載せられる事例が限られる
元請から受けた工事の写真を公開してよいかは、元請との契約で決まります。写真や施工実績の公開について取り決めがある場合が多いので、載せる前に契約書を確認し、必要なら元請に確認を取ってください。下請けの比率が高い会社の場合、施工実績は豊富なのに公開できる事例が数本しか無い、ということが起こります。
この状態で「事例を30本並べたサイト」を前提に見積を取ると、仕組みだけ作って中身が入らない形になります。先に公開できる事例が何本あるかを数えてから、サイトの規模を決めてください。数が足りないなら、事例の代わりに「工事の流れ」「使える設備の種類」「よくある相談と概算の考え方」で構成するほうが現実的です。
業界特化テンプレートは早いが、同じ見た目の会社が近所にいる
リフォーム業界に特化した制作サービスは、事例の登録画面が使いやすく、公開までが早いという利点があります。一方で、同じテンプレートを使っている会社が同じ商圏にいると、相見積もりの場で「さっき見たサイトと同じ」と気づかれます。
これは良し悪しではなく、何を優先するかの選択です。早く安く立ち上げたいならテンプレート、商圏で競合が多く差をつけたいなら個別に作る。判断の分かれ目は相見積もりに入る頻度です。紹介が中心なら見た目の独自性は効きませんが、Web経由で3社比較される前提なら効きます。
撮影を外注すると、続けるほど総額が増える
プロのカメラマンに頼むと写真の質は上がります。ただしリフォームは施主宅での撮影なので、日程調整と立ち会いが毎回発生し、1事例あたりの費用が積み上がります。年間24本なら24回分です。
現実的な落としどころは、使い分けです。看板になる工事(全面改装、店舗、大型の外構など)は年に数回プロに頼み、日常の事例は現場担当のスマートフォンで撮る。最近のスマートフォンは十分な画質があり、明るい時間に撮って水平を合わせれば、事例ページとしては足ります。
なお「AIに任せる範囲と人がやる範囲」は、この記事ではステップ3の中で扱いました。事例の下書きはAI、事実の確認と公開判断は人、という線引きです。AIでサイトそのものを作る話はAIホームページ作成5ステップ|ツール選びとプロンプト例にまとめています。
この章で判断できるのは、自社に合う作り方です。次の3つを先に数えると、見積の読み方が変わります。
- 公開できる事例の本数:許諾が取れていて、いま出せるもの
- 相見積もりに入る頻度:紹介中心か、Web経由で3社比較されるか
- 受けたい工事の単価:伸ばしたい工事種別と、その1件あたりの粗利
施主が写真の掲載を断った場合、その工事は事例にできませんか
写真なしでも事例として出せます。文章で書くのは次の5つです。
- 間取りの簡単な図
- 使った設備の型番
- 費用の帯
- 工期
- 工事中に起きたこと
これだけ書いてあれば、条件を探している人には十分伝わります。写真が無い事例が数本混じっていても不自然ではありません。
断られた理由が「外観だけは困る」であることも多いので、掲載範囲を分けて聞き直すのも有効です。
既存のホームページに施工事例を足すだけでは足りませんか
事例を追加できる仕組みがすでにあるなら、まず足すだけで構いません。判断の目安は次の3点です。
- 工事種別で絞り込めるか
- 1工事1ページになっているか
- スマートフォンで写真が見やすいか
この3つが満たせない作りなら、追加してもページが探されないので、事例まわりだけを作り直す相談をしたほうが早いです。
ショールームや店舗を持っていない会社でも、Webから問い合わせは来ますか
来ます。ただし、店舗が無いぶん「どんな人が来るのか」が見えないと警戒されます。担当者の顔写真と名前、車両や作業着の写真、事務所の外観を載せておくと、訪問販売との区別がつきます。現地調査のときに誰が来るのかを事例ページに書いておくのも効果があります。
施工事例は月に何本くらい出すのが現実的ですか
大事なのは本数より止めないことです。8本出した翌月に0本という形より、毎月決まった本数を出し続けるほうが社内の習慣として定着します。何本が現実的かは、工事の件数や社内の体制で変わるので、最初の数本で自社にかかる手間を測ってから決めてください。工事完了の手続きに写真提出を組み込むと、決めた本数を無理なく回せます。
口コミサイトや一括見積サイトと、自社サイトはどう使い分けますか
一括見積サイトは相見積もりが前提なので、価格で比較されます。自社サイトは、その比較の途中で「この会社はどうか」と調べられたときに見られる場所です。両方に出す場合でも、自社サイトの施工事例が充実していると、価格以外の理由で選ばれる余地ができます。まず自社サイト側の事例を整えてから、外部サイトの利用を判断してください。
今日できる最初の一歩として、直近に完成した工事を1件選び、施工前と完成の写真がそろっているか、10項目のうち何が埋められるかを確認してみてください。5分で、いまの社内に何が足りないかが分かります。そのうえで問い合わせが増えない原因を広く点検したい方は、問い合わせが来ないホームページの原因5つと改善手順も参考になります。
施工事例の分類と撮影・入稿の体制まで含めて設計したい、公開後も更新を続けられる形にしたい。そう感じた方は、施工事例まで設計するホームページ制作・運用をご覧ください。いま公開できる事例が何本あるか、どの工事を伸ばしたいかをうかがうところからで大丈夫です。お話を聞かせてください。
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