WordPressのホームページ制作費用|テーマと機能で変わる作業の内訳
この記事の要点
- 制作費の差は、テーマの種類・機能の数・原稿の用意の3つで決まる
- 機能7種類ごとに、制作時と公開後に増える作業を対応表で示す
- 依頼文の型と比較の確認項目8つで、2〜3社を同じ条件で比べられる
WordPressのホームページ制作費用は、WordPress本体が無料でも、どのテーマを使うか、どの機能を足すか、原稿と写真を誰が用意するかで大きく変わります。同じ「10ページの会社のサイト」でも、既製テーマをほぼそのまま使う見積もりと、テーマをゼロから作る見積もりでは、含まれる作業が別物です。
制作会社に見積もりを依頼する前の経営者・院長・施設長の方に向けた記事です。相場の金額を示すのではなく、テーマと機能ごとに増える作業から見積もりの差を読み解く方法を解説します。読み終わる頃には、届いた見積もりの差がどの項目から来ているかを判断し、同じ条件で比べるための依頼文を送れる状態を目指します。
この記事で扱うのは制作費です。公開後に毎月かかる費用はWordPress保守費用の相場と内訳8項目で解説しています。
Contents / 目次
WordPressの制作費用はテーマの種類と機能と原稿で決まる
WordPressで作るホームページの制作費用は、「デザインをどこまで自社用に作るか(テーマの種類)」「標準の機能に何を足すか」「原稿・写真を制作会社が用意するか」の3つの掛け合わせで決まります。見積書の合計金額だけを比べても、この3つの条件がそろっていなければ、高いか安いかは判断できません。
ホームページ制作費用の相場が1つの金額に決まらない理由
ホームページ制作費用の相場を示した公的な統計は、確認した範囲では見当たりません。制作会社が公開している価格表も、ページ数の数え方や、原稿作成・撮影・公開前の設定を含むかどうかが会社ごとに違います。
そのため、「相場は○○万円」という数字を基準にするより、自社の条件を1つの依頼文にまとめ、2〜3社から同じ条件で見積もりを取るほうが、妥当な金額を判断できます。地域ごとの価格の見方は大分市のホームページ作成費用の相場と見積りの妥当性の見方で解説しています。
テーマの種類は3つ。費用が増える項目と向く条件
テーマとは、WordPressサイトの色・文字・レイアウトなど、見た目のデザインを決めるファイル一式のことです。制作会社が使うテーマは、大きく次の3種類に分かれます。
| テーマの種類 | 制作会社が行う作業 | 費用が増える項目 | 向く条件 | 契約前に確かめること |
|---|---|---|---|---|
| 既製テーマをほぼそのまま使う | テーマの設定、色とロゴの差し替え、ページの入力 | デザインの作業はほぼ無く、ページ数と入力の作業が中心 | ページ数が少なく、まず公開したい | 有料テーマのライセンスの名義。デモの写真と文章が納品に含まれるか |
| 既製テーマ+デザインの調整 | トップページと主要なページのレイアウトを、自社用に組み直す | デザインを調整するページの数 | 見た目で競合と差を付けたいが、更新は社内で行いたい | 調整したページを社内で編集してよいか、どこを触ると崩れるか |
| オリジナルテーマ | デザインを作り、テーマのファイルをゼロから書く | デザイン、テンプレートの実装、スマホとPCの表示確認 | 事例の絞り込み検索など、既製テーマに無い構造が要る | テーマのファイル一式が納品物に入るか、他社が引き継げるか |
この章で押さえるのは、見積もりを比べる前に「テーマの種類」をそろえることです。種類が違う見積もりどうしを合計金額で比べると、作業の量の違いを金額の差と取り違えます。
テーマと機能で変わるWordPress制作費用の内訳
制作費用の内訳は、テーマの種類で「デザインと表示確認」の作業が、機能の数で「設定とテスト」の作業が増減します。さらに、原稿と写真を誰が用意するかで、見積もりに入る項目そのものが変わります。
機能を1つ足すと増える作業の対応表
WordPressは標準でお知らせ(投稿)と固定ページを作れます。それ以外の機能は、プラグインで足すか、テーマに作り込むかのどちらかです。プラグインとは、WordPressに機能を追加するための拡張ソフトのことです。WordPress公式の開発者向けハンドブック(What Is a Theme?)は、見た目はテーマ、機能はプラグインに分けるのがよいとしています。作品集のような機能をテーマに作り込むと、テーマを変えたときにその機能が使えなくなるためです。
| 機能 | 実現の仕方 | 制作時に増える作業 | 公開後に増える作業 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせフォーム | Contact Form 7などのプラグイン | 入力項目・自動返信・迷惑メール対策の設定、送信テスト | プラグインの更新 |
| お知らせ・ブログ | 標準の投稿 | 一覧と記事のデザイン、カテゴリーの設計 | 社内での記事の更新 |
| 施工事例・導入実績の一覧 | 専用の投稿の種類と入力欄を作り込む | 入力欄の設計、一覧と詳細のテンプレート、絞り込み | 1件ずつの入力。入力の手順書があれば社内で回せる |
| 採用情報 | 固定ページか投稿 | 募集要項のページ、応募フォーム | 募集の開始と締め切りごとの更新 |
| 予約・会員・決済 | 外部の予約サービスとの連携か、専用のプラグイン | 個人情報の扱い、決済のテスト、利用規約などのページ | 不具合が起きたときに誰が対応するかの取り決め |
| 多言語 | 翻訳のプラグインか、言語ごとのページ | 翻訳の原稿、言語の数だけ増えるページ | 日本語を更新するたびに、ほかの言語も修正する |
| アクセス解析 | GA4・Search Console | 設置と、問い合わせの計測の設定 | 数字の確認。所有者は自社のGoogleアカウントにする |
表のうち、問い合わせフォームとアクセス解析は設定とテストが中心です。お知らせ・事例一覧・採用は、デザインやテンプレートの作業が加わります。予約・会員・決済と多言語は、決済のテストや規約のページ、言語ごとのページまで加わるため、見積もりの金額が開きやすい機能です。必要かどうかを先に決めておくと、見積もりの差を読み解きやすくなります。
WordPressでは、プラグインとテーマの自動更新は、管理者がテーマごと・プラグインごとに有効にする仕組みです(WordPress公式ドキュメントの、プラグインとテーマの自動更新の解説)。納品するサイトで自動更新を有効にするかどうかは、制作会社に確かめましょう。
機能をプラグインで1つ足すごとに、公開後の更新と動作確認の作業も1つ増えます。制作費だけでなく、保守の見積もりにも響く点を覚えておくと、機能の取捨選択がしやすくなります。
原稿と写真を誰が用意するかで見積もりの項目が変わる
制作費の見積もりで最初に確かめたいのは、原稿作成・取材・撮影が含まれているかです。含まれていない見積もりは安く見えますが、ページの文章と写真は自社で用意することになります。
原稿は、ChatGPTやClaudeで下書きを作れば、原稿作成の費用を外す選択肢もあります。ただし、サービス内容・料金・実績の事実確認と、自社にしか書けない事例の中身は、社内の担当者が行う必要があります。写真撮影の費用の内訳と、依頼する前に決めることについては、士業の事務所向けの記事ですが、士業のホームページ写真の撮影費用と依頼前に決めることが参考になります。
制作会社に任せる作業と社内に残る作業
制作会社にすべてを任せても、目的と原稿の中身は社内でしか決められません。分け方は次のとおりです。
- 社内に残る作業:サイトの目的と読んでほしい相手を決める、ページの一覧と機能の優先順位を決める、原稿の事実確認と写真の手配、公開前の確認と承認、公開後のお知らせの更新
- 制作会社に任せる作業:テーマの選定と設計、デザインと実装、フォームと計測の設定、スマホとPCの表示確認、サーバー・SSL・公開の作業
作るページを決めかねている場合は、ホームページ制作・LP制作をご覧ください。最初の打ち合わせで、目的、必要なページ、原稿や写真の準備、必要な機能を確認し、制作内容をご提案します。社内で更新するページは、操作をご案内します。
AIのサイト作成ツールやVibe codingで作れば制作費は抑えられますが、管理画面のような更新の仕組みが無いと、修正のたびに作業が要ります。その判断はVibe codingのサイトの更新設計で解説しています。
見積もりを依頼する前の4ステップ
見積もりの差を判断できる状態にするには、依頼する前に「ページ」「機能」「テーマの方針」を自社で決め、同じ文面で複数の会社に送ることです。
ステップ1 ページの一覧を書き出す
今のサイトと新しいサイトのページを、表計算ソフトに1行1ページで書き出します。列は「ページ名」「読んでほしい相手」「社内で更新するか」「原稿を誰が用意するか」の4つです。
下書きはAIに作らせて構いません。出発点のたたき台は次のとおりで、あとはAIと対話しながら自社の状況に合わせて詰めてください。
あなたは中小企業のホームページの設計担当です。
[業種]の会社で、[主なサービスを3つ]を提供しています。
新しいホームページのページ一覧を、表の形で出してください。
列は「ページ名」「読んでほしい相手」「社内で更新するか」「原稿を誰が用意するか」の4つです。
ページは15ページ以内にしてください。
出てきた表は、次の3点を確かめて修正します。
- サービス名が正しいか
- 自社に無いサービスのページが入っていないか
- 採用や事例など必要なページが抜けていないか
ステップ2 機能を必須・あれば良い・今回は不要に分ける
前の章の対応表を見ながら、機能を3つに分けます。「あれば良い」に入れた機能は、見積もりで金額を別に書いてもらうと、外すかどうかを後で決められます。
ステップ3 同じ文面で見積もりを依頼する
次の文面の[ ]を埋め、ステップ1の表を添えて2〜3社に送ります。
件名:ホームページ制作のお見積もりのお願い([会社名])
[制作会社名]ご担当者様
WordPressでのホームページ制作について、お見積もりをお願いします。
1. 目的:[例 問い合わせを増やす/採用の応募を増やす]
2. ページ一覧:別紙のとおり([ページ数]ページ)
3. 機能:必須は[機能]、あれば良いものは[機能](金額を分けてご記載ください)
4. テーマの方針:[既製テーマを使う/オリジナル/ご提案ください]
5. 原稿・写真:[自社で用意/作成と撮影もお願いしたい]
6. 社内で更新したいページ:[例 お知らせ・事例]
7. 納品物:有料テーマ・プラグインのライセンスの名義と、
管理画面・サーバー・ドメインのアカウントの名義をご記載ください
8. 公開後の保守:別のお見積もりでお願いします
9. 公開の希望時期:[年月]
ステップ4 届いた見積もりを同じ確認項目で比べる
見積書が届いたら、次の8項目を会社ごとに確かめます。見積書の項目の読み方はホームページ制作の見積書の読み方で詳しく解説しています。
- ページ:ページ数と、ページごとにデザインするのか入力だけなのか
- テーマ:テーマの種類と、有料テーマ・プラグインのライセンスの名義
- 機能:機能ごとの金額が分かれているか
- 原稿と写真:原稿作成・取材・撮影が含まれるか
- 修正:修正の回数と、回数を超えたときの費用
- 公開前の設定:SSL・GA4・Search Console・フォームの送信テストが含まれるか。リニューアルでページのURLが変わる場合は、いまのURLから新しいページへの301リダイレクトの設定も含まれるか
- 納品物:テーマのファイル、管理画面の管理者アカウント、サーバーとドメインの契約名義
- 保守:公開後の保守が別の見積もりになっているか
修正の回数の決め方は修正回数と追加費用を契約前に決める記事にまとめています。この章で押さえるのは、自社で書き出したページの一覧と機能の分類を全社に同じように渡すことです。条件がそろえば、金額の差がどの項目から来ているかを8項目のどこかで特定できます。
テーマと機能で起きる失敗と見積書に出ない費用
WordPressの制作費用で起きる失敗は、テーマの選び方と機能の足し方に集中します。契約前に条件を確かめれば、どれも防げます。
デモサイトの見た目で既製テーマを選ぶと、自社の原稿では別の印象になる
既製テーマのデモサイトは、プロが撮った写真と短い文章でレイアウトされています。自社の写真と長めの原稿を入れると、余白や文字の量が変わり、契約前に見た印象と違うサイトになります。防ぐには、トップページだけでも自社の原稿と写真を当てはめた見本を、契約前か設計の初めに確かめることです。
ページビルダーの有料版を制作会社の名義で使うと、解約後に更新できない場合がある
ページビルダーとは、ドラッグ操作でレイアウトを組めるプラグインのことです。有料版を制作会社のライセンスで使ってサイトを作ると、契約を終えた後にプラグインの更新を受けられず、別の会社に修正を依頼しにくくなる場合があります。更新を受けられる条件は製品ごとの利用規約で決まるため、使う製品の規約も確かめておきます。見積もりの段階で、ライセンスの名義と、更新の費用を誰が払うかを書いてもらいます。
機能をプラグインで足していくと、公開後の更新作業が積み上がる
「あれば便利」でプラグインを足していくと、同じ働きのプラグインが重なったり、更新したときに表示が崩れたりする原因になります。見積書に、使うプラグインの一覧と、それぞれの役割を書いてもらうと、公開後の保守の作業量も事前に分かります。
オリジナルテーマで社内が更新するページを決めずに作ると、文言の修正も依頼になる
オリジナルテーマでは、ページの文章を管理画面で編集できる形にするか、テンプレートのファイルに直接書くかを制作会社が決めます。PHPでテンプレートを書くクラシックテーマで後者を選ぶと、文言1行の変更でもファイルの修正が要ります。WordPress公式の開発者向けハンドブックによると、ブロックテーマのテンプレートは管理画面のサイトエディターで編集できます。ステップ1の表で「社内で更新する」としたページは、管理画面で編集できる作りにするよう依頼文に書きます。
見積書に出ないサーバー・ドメイン・SSLとライセンスの費用
制作費の見積書には、サーバーとドメインの契約、有料テーマ・プラグインの年間の更新費が入っていないことがあります。どれも自社の名義で契約しておくと、制作会社を変えるときに引き継ぎで困りません。
SSL証明書(通信を暗号化する証明書)の有効期間の上限は、認証局とブラウザの事業者でつくるCA/Browser Forumの決定(Ballot SC081v3)により、2026年3月15日から段階的に短くなっています。いまの上限は200日で、2027年3月15日から100日、2029年3月15日から47日になります。年額で契約していても1年の間に入れ替えが必要になるため、証明書を自動で更新できるサーバーかどうかを確かめておきます。
この章で押さえるのは、ライセンスと契約の名義を自社に置くことです。名義が自社にあれば、制作費が多少違っても、公開後に別の会社へ保守を依頼する選択肢が残ります。
WordPressのホームページ制作費用のよくある質問
有料の既製テーマを使えば、オリジナルテーマより必ず安くなるの?
必ずではありません。既製テーマでも、デザインを調整するページが多いと作業量はオリジナルに近づきます。見積もりでは、テーマの代金より「デザインを調整するページが何ページあるか」を比べると、金額の差の理由が分かります。
見積書の「WordPress導入費」って何の費用?
WordPress本体は無料なので、ソフトの代金ではなく作業の費用です。サーバーへのインストール、URLの形式やSSLなどの初期設定、不要なプラグインの削除などが含まれます。何をするかが書かれていなければ、作業の内容を確かめてください。
今のWordPressサイトのテーマだけを変えたら、費用はどこまで下がる?
テーマを変えると、前のテーマ独自の機能で作ったページのレイアウトが崩れることがあります。費用は、崩れたページを何ページ修正するかで決まります。全面的なリニューアルと比べる考え方はリニューアルと改修の判断基準で解説しています。
小規模事業者持続化補助金で、WordPressの制作費を出せる?
補助の対象になる経費や条件は、公募の回ごとに公募要領で決まります。WordPressの制作費を含めたい場合は、発注する前に最新の公募要領を確かめ、地域の商工会・商工会議所に相談してください。
今日すぐできる最初の一歩は、今のサイトのページを1行1ページで表に書き出し、各ページに「社内で更新するか」だけを書き込むことです。届いた見積もりの経費の扱いが気になる場合は、ホームページ制作費用の勘定科目と資産計上の判断基準も確認してみてください。
ここまで読んで、ページの一覧や機能の優先順位を自社だけで決めきるのは難しいと感じた方は、ホームページ制作・LP制作のページをご覧ください。目的、必要なページ、原稿や写真の準備、必要な機能を確認し、制作内容・役割分担・日程・費用をご提案します。他社の見積もりの確認については、ご希望の場合は初回のご相談で伺います。
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