ホームページの作り直し費用|相場の内訳と改修との判断基準

ホームページの作り直し費用|相場の内訳と改修との判断基準

この記事の要点

  • 作り直しか改修かは、情報設計を変えるかどうかで決まります
  • 費用が動くのは主に4つ。ページ数、原稿と写真、設計のやり直し、データ移行です
  • 残す資産を先に洗い出すと、見積もりの差が読めます。対応表の作り方を本文で解説

ホームページを作り直すか、今のものを改修して使い続けるか。判断の分かれ目は、見た目の古さではありません。ページの並べ方と、どの情報をどこに置くかという設計そのものを変える必要があるかどうか。ここが変わらないなら改修で足ります。変わるなら、部分的に直しても同じ場所に戻ります。

この記事は、制作会社に発注する立場の方に向けて書いています。経営者、役員、院長、施設長など、金額と発注先を決める人が読む前提です。読み終わる頃には、いま自社がどちらに当てはまるか、見積もりのどこを見比べればいいか、契約前に何を確認するかまで決められる状態を目指します。

扱う範囲は、判断・費用の内訳・発注前の準備・契約前の確認点です。自分でページを編集する操作手順は扱いません。公開までの日数や社内の進め方はホームページリニューアルの進め方と期間の判断ポイントにまとめてあるので、スケジュールを先に知りたい方はそちらからどうぞ。

Contents / 目次
  1. ホームページの作り直しか改修か。判断は情報設計を変えるかで決まる
  2. ホームページの作り直し費用は何で変わるのか。内訳と幅の見方
  3. 発注前にやる5ステップ。残す資産の洗い出しから依頼文まで
  4. 検索から来ていたページをどう残すか。URL対応表と301リダイレクト
  5. AIで作り直す選択肢はどこまで現実的か
  6. 作り直したあと、何がどう変わるか
  7. ホームページの作り直しでよくある失敗と回避法
  8. 契約前に確認すること。所有権と保守の落とし穴
  9. よくある質問
  10. まずは、今のサイトの数字を1つ見るところから

ホームページの作り直しか改修か。判断は情報設計を変えるかで決まる

結論から言います。情報設計を変えないなら改修、変えるなら作り直しです。情報設計とは、どのページを作り、どの順番で並べ、どこから問い合わせに進ませるかという全体の組み立てのことです。かんたんに言うと、建物でいう間取りにあたります。

壁紙を張り替えるのが改修、間取りから引き直すのが作り直しです。壁紙が古いだけなら張り替えれば済みます。部屋数が足りない、動線が悪くて人が奥まで行かない、という状態は張り替えでは直りません。

判断に使う条件を並べます。左の状態なら改修で足り、右の状態なら作り直しの検討に入ります。

見ている箇所改修で足りる状態作り直しを検討する状態
扱う商品・サービス公開当時とほぼ同じ。文言の差し替えで合う主力事業が変わった。今のページ構成に載せる場所がない
ページの数と並び今のメニュー構成のまま、ページを足せる足したいページの置き場所がない。メニューが増えすぎて選べない
スマートフォンでの見え方多少崩れるが、読めて押せる横スクロールが出る。電話番号やフォームまでたどり着けない
更新の手当て社内の誰かが管理画面から直せる誰も触れない。毎回、制作会社に依頼が要る
問い合わせの数件数は出ている。中身を増やしたい検索や広告で人は来ているのに、問い合わせにつながっていない
システムの土台今のCMSが更新でき、動いている作った会社と連絡が取れない。更新すると表示が壊れる

右の列に2つ以上当てはまるなら、作り直しを前提に見積もりを取ったほうが早いです。1つだけなら、その1つを部分改修で潰してから考えても間に合います。

順番を間違えない。「デザインが古いから作り直す」という入口で始めると、見た目だけ新しくなって問い合わせは変わりません。先に決めるのは、どのページを誰に見せたいかです。

もう1つ、判断を分ける現実的な条件があります。今のサイトのデータを、自社が触れる場所に持っているかどうかです。次の3つを確かめてください。

  • 管理画面のID:いまログインできる状態か
  • サーバー上のファイル:自社が契約しているサーバーに置かれているか
  • ドメインの契約者名義:自社になっているか

3つとも自社側にあるなら、改修はそのまま進められます。サーバーと管理画面に触れるなら、ドメイン名義が他社でも改修自体は行えます。一方、サーバーか管理画面のどちらかが制作会社側にあって連絡が取れない場合は、中身に手を入れられないため改修という選択肢が実質なくなります。

この章の結論です。判断材料は「見た目が古いか」ではなく「間取りを変えるか」と「今のデータに手が届くか」の2つ。この2つで、改修と作り直しのどちらを前提に見積もりを取るかが決まります。

ホームページの作り直し費用は何で変わるのか。内訳と幅の見方

作り直し費用が動く要素は、大きく4つあります。この4つが分かれば、金額の桁はだいたい読めます。

  • ページ数:見積もりの土台。会社案内5ページと、サービス別に20ページでは、作るページの数が4倍になります(単価が一律とは限らないので、金額がそのまま4倍になるわけではありません)
  • 原稿と写真:自社で用意するか、制作側が取材・撮影して書くか。ここが一番、金額差が出ます
  • 設計のやり直し:今の構成を踏襲するか、誰に何を見せるかから決め直すか
  • データ移行:ブログ記事や実績の移し替え、旧ページから新ページへのURL対応づけの本数

見積もりの「一式」を分解する

見積書に「ホームページ制作一式」とだけ書かれていたら、そのままでは他社と比べられません。比較できる形に分けてもらうことが、金額を判断する第一歩です。分ける単位はこの表のとおりです。

費用項目何をする作業か見落とされやすい点
設計・構成誰に何を見せるか決め、ページの一覧と並びを作るここが安い見積もりは、今の構成をそのまま引き写すだけのことがある
デザイントップと下層の見た目を作る。スマートフォン用も含む「下層は共通1パターン」の場合、サービスごとの見せ分けができない
実装・CMS組み込みデザインを表示できる形にし、管理画面から直せるようにするどこを自社で直せるかの範囲。画像だけ、本文だけ、という制限がある
原稿(ライティング)各ページの文章を書く「原稿はご支給ください」と書かれていたら、社内の作業時間が発生する
写真・動画撮影と選定、加工素材サイトの写真を使う場合と、撮影に来る場合で金額も印象も変わる
データ移行・URL対応既存記事の移し替えと、旧URLから新URLへの転送設定記事本数が多いと別費用。ここを省くと検索からの入口が消える
公開前テストフォーム送信、スマートフォン表示、リンク切れの確認項目と担当が書かれていないと、公開後に自社で見つけることになる
公開後の保守CMSやプラグインの更新、バックアップ、障害時の連絡先月額の中身。更新代行が何件まで含まれるか

保守の月額に何が含まれるかは、会社によって中身がかなり違います。判断の軸はWordPress保守費用の相場と内訳にまとめてあるので、月額の欄で迷ったら先に見てください。

タイプ別の金額の幅をどう読むか

金額は、地域・会社の規模・原稿の有無で上下します。ここでは条件を明示した例示として、幅の読み方を書きます。実際の見積もりはこの通りにはならないので、桁の当たりをつけるための目安として使ってください。

  • 今の構成を踏襲して作り替える(5〜10ページ・原稿と写真は自社支給):設計とライティングの工数が乗らないため、3つのタイプの中ではいちばん安く収まります
  • 設計から決め直す(15〜25ページ・取材と撮影あり):取材・撮影・執筆で人が動く工数が入るぶん、前のタイプより大きく上がります
  • 予約・会員機能・多言語・基幹システムとの連携を含む:開発の工数が別に積み上がるので、前の2つとは金額の桁が変わります。要件の詰め方しだいで上限が読めなくなります

金額そのものは、地域・依頼先の規模・要件で大きく動きます。3社から見積もりを取り、上の3タイプのどれで見積もられているかをそろえてから比べてください。同じタイプで並べて初めて、金額差が値引きなのか作業範囲の違いなのかが読めます。

安い見積もりと高い見積もりの差は、たいてい「設計」と「原稿・写真」の2項目に集まります。総額だけを比べると、この2つを自社で背負う契約を選んでしまい、公開が半年遅れることがあります。

業種ごとの目安と、見積書のどこを見れば妥当か判断する手順は業種別ホームページ制作費用の相場で解説しています。クリニックや士業など、載せる情報が決まっている業種の方はそちらが近いはずです。

この章の結論です。金額そのものより、設計と原稿・写真を誰が担当する見積もりなのかを先に確かめてください。そこが分かれば、2社の金額差が値引きなのか作業範囲の違いなのかを区別できます。

発注前にやる5ステップ。残す資産の洗い出しから依頼文まで

発注前に社内でやることは5つです。これをやってから声をかけると、見積もりの精度が上がり、後から「これは別費用です」と言われる回数が減ります。逆に、何も決めずに相談すると各社バラバラの前提で見積もりが出てきて、比較できません。

ステップ1。今のサイトのどのページが人を集めているか数える

最初にやるのは、捨ててはいけないページを見つけることです。Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで、表示回数とクリック数をページ別に確認できます。期間と並べ替えの操作はGoogle公式ヘルプの検索パフォーマンスレポートの説明を見ながら進めてください。直近3か月ぶんを、クリック数の多い順に控えます。

ここで出てきたページが、いま検索からお客さまを連れてきている入口です。作り直しのときに消えると、その分の流入がそのまま止まります。担当者が価値を感じていないスタッフブログの1記事が、実際には主要な入口になっていることもあります。

Search Consoleをまだ登録していない場合は、Search Consoleの登録手順と所有権確認を先に済ませてください。データは登録した日から溜まりはじめ、登録前にさかのぼって見ることはできません。直近3か月ぶんで判断したいなら、相談を始める3か月前には登録しておく必要があります。それが間に合わない場合は、いま溜まっている期間のぶんだけで順位づけし、足りない分はサイト内のアクセス解析や、社内で把握している問い合わせの入口で補ってください。

ステップ2。残す資産を一覧にする

次に、新しいサイトへ持っていくものを書き出します。一覧の形にしておくと、そのまま制作会社に渡せます。書き出す対象は次のとおりです。

  1. ステップ1で出た上位ページのURLと、そのページで書いている内容
  2. 実績・導入事例。掲載の許可を取っている先はどこまでか
  3. 写真と動画。撮影データの原本が手元にあるか、使用期限のある素材が混ざっていないか
  4. 資料のPDF。会社案内、価格表、申込書など、リンクを貼っている書類
  5. ドメイン、サーバー、CMSの管理情報。契約者名義と更新期限

5番目が特に大事です。ドメインの契約者が前の制作会社の名義になっていると、切り替えの日に作業が止まります。期限切れでサイトとメールが同時に止まる事故についてはドメイン・SSL期限切れの更新管理の手順で詳しく書いています。

ステップ3。目的を1つに絞り、後から判定できる形にする

目的は1つに絞ってください。候補になるのは、たとえば次の3つです。

  • 問い合わせを増やす
  • 採用応募を増やす
  • 電話で聞かれる内容を減らす

どれも正しい目的ですが、同時に3つ追うと、ページの並びが決まりません。

そして、公開後に達成できたか判定できる書き方にします。「かっこよくする」は判定できません。「サービスページから資料請求フォームへの遷移を、今の月10件から月25件にする」なら判定できます。

いまの数字が分からない場合は、その測定から始めるのが正解です。GA4をWordPressに設置する手順を先に済ませておくと、作り直しの前後で比べられます。比較する前の数字がないと、作り直しの効果は永久に分かりません。

ステップ4。依頼文を作って各社に同じものを渡す

見積もりを比べるには、全社に同じ条件を渡す必要があります。長い仕様書でなくて構いません。次の型をそのまま使って、角カッコの中を埋めてください。

件名 ホームページリニューアルのお見積り依頼

[会社名]の[役職・氏名]と申します。
現在のホームページのリニューアルを検討しており、お見積りをお願いしたくご連絡しました。

1. 現在のサイト
 URL [https://〜]
 公開 [西暦・年]ごろ / 管理 [自社で更新できる/できない]
 CMS [WordPress/不明/制作会社が独自に構築]

2. リニューアルの目的(1つに絞っています)
 [例]サービスページから資料請求までの導線を作り、月10件の問い合わせを25件にしたい

3. 想定しているページ
 [トップ/会社案内/サービス3種/実績/採用/お問い合わせ/ブログ] 計[ ]ページ

4. こちらで用意できるもの・お願いしたいもの
 原稿 [自社で用意できる/取材と執筆をお願いしたい]
 写真 [既存データあり/撮影をお願いしたい]

5. 残したいもの
 別紙の一覧のとおりです(現在アクセスの多いページ、実績ページ、会社案内PDF)

6. 予算とスケジュール
 予算 [ ]万円前後で検討 / 公開希望 [西暦・年・月]

7. お見積りのお願い
 お手数ですが「一式」ではなく、設計・デザイン・実装・原稿・写真・データ移行・
 公開前テスト・公開後の保守に分けてご提示ください。
 あわせて、公開後に自社で更新できる範囲もお教えください。

7番の一文を入れるだけで、返ってくる見積書の質が変わります。分けて出せない会社は、その時点で判断材料になります。

ステップ5。契約前チェックリストで確認する

提案がそろったら、金額の前にこの項目を埋めてください。全部「はい」にならなくても構いませんが、空欄のまま契約すると後で費用が増えます。

  • 公開後にどこを自社で直せるか:本文、画像、ページの追加。どこまで管理画面からできるか
  • 納品データの扱い:契約終了後、サーバー上のデータを自社が引き取れるか
  • ドメインとサーバーの契約者名義:自社名義にできるか
  • 旧URLの転送:作業範囲に入っているか、何本まで含まれるか
  • 公開前テストの項目と担当:誰が何を確認し、いつ報告するか
  • 公開後の窓口:不具合が出たときの連絡先と、対応の目安時間
  • 写真の使用条件:撮影データを他の媒体(パンフレット、SNS)でも使えるか
  • 追加費用が発生する条件:修正は何回まで、どこからが別費用か

条件を事前に文書化して提案を募る進め方は、民間の発注でも使えます。項目の立て方はホームページリニューアルの仕様書とプロポーザル評価基準を参考にしてください。行政の情報システム調達で使われている考え方はデジタル庁のデジタル社会推進標準ガイドラインで公開されています。

この章の結論です。5ステップのうち最も効くのはステップ1と2。残すものが決まっていないまま相談を始めると、各社が違う前提で見積もるので、金額を比べる意味がなくなります。

検索から来ていたページをどう残すか。URL対応表と301リダイレクト

作り直しで一番もったいない失敗が、旧サイトのURLを転送せずに公開することです。検索結果やお客さまのブックマークから来た人が、全員「ページが見つかりません」に着きます。

防ぎ方は決まっています。旧URLと新URLを1対1で対応づけた表を作り、公開と同時に転送設定(301リダイレクト)を入れる。Googleはサイト移転の手順として、旧URLから新URLへのリダイレクト設定を案内しています。手順と注意点はGoogle検索セントラルのURL変更を伴うサイト移転で確認できます。郵便局に出す転居届と同じ役割だと考えてください。

表はこの形で作ります。Excelでもスプレッドシートでも構いません。制作会社にそのまま渡せます。

旧URL新URL扱い備考
/company/about.html/about/転送会社案内。内容はほぼ据え置き
/service01.html/service/inspection/転送3ページに分割。代表ページへ寄せる
/blog/2019/05/old-campaign.html削除終了キャンペーン。流入もゼロ
/recruit.html/recruit/転送求人票は差し替え

作り方の手順は3つです。

  1. 旧サイトの全URLを書き出す。Search Consoleのページ一覧と、サイトマップの両方から拾うと漏れにくい
  2. 1本ずつ、新サイトのどこに当たるかを埋める。1対1で決まらないものは、内容が最も近いページに寄せる
  3. 本当に不要なものだけ「削除」にする。当社では、直近3か月の表示回数がゼロで、社外からリンクされていないことを削除の目安にしています

転送先を全部トップページにまとめるのは避けてください。読み手にとっては、目当ての情報がない場所に飛ばされることになり、そのまま離脱します。1対1で対応づけられないなら、近いページに寄せるほうが確実です。

転送を入れても、検索結果への反映には時間がかかることがあります。しばらく経っても戻らない場合は、転送の設定漏れか、インデックスの登録待ちを疑ってください。切り分けはインデックス未登録の原因と再登録の手順で解説しています。

この章の結論です。残せる資産はURLと結びついています。対応表を発注側が作って渡せば、転送漏れはほぼ起きません。制作会社任せにすると、社内の人しか知らない重要ページが「削除」に回ることがあります。

AIで作り直す選択肢はどこまで現実的か

結論を先に言います。2026年時点で、AIツールを使ったサイト制作は1枚もののページや、更新の少ない小規模サイトなら現実的です。一方で、検索からの流入を持っている既存サイトの作り直しには向きません。理由は、金額ではなく引き継ぎの難しさにあります。

AIに指示を出してコードを書かせ、サイトを組み立てる進め方があります。ゼロから立ち上げる速度は確かに速いです。

問題は公開してからです。ツールによっては、書き出されたページに管理画面が付きません。その場合、お知らせを1本足すのにコードを触ることになり、その作業ができる人が社内にいないと更新が止まります。詰まり方と回避策はVibe codingのサイトが詰む前の更新設計にまとめました。ツールを選ぶ段階で、公開後に管理画面から更新できるかを確かめてください。

発注する立場の方に、判断の線引きをお伝えします。

やりたいことAIを使う判断
1商品・1サービスの紹介ページを短期間で出す内製の候補になる。更新が少なく、URLの引き継ぎも発生しない
リニューアルの要件を社内でまとめる相性が良い。各部署の意見を材料に、AIに論点を並べさせる使い方
原稿のたたき台を作る相性が良い。ただし価格・実績・資格の記載は人が事実確認する
検索流入のある既存サイトを作り替える向かない。URL対応と転送、公開後の更新体制まで含めると人の作業が残る
予約・決済・会員機能を持つサイト向かない。個人情報と決済が絡む箇所は、動作確認と責任の所在が必要

いちばん効くのは、作り直しそのものではなく発注前の準備にAIを使うことです。社内の要望が部署ごとにバラバラで前に進まない、という状態はよくあります。出発点として、こんな短い指示から始めれば十分です。

あなたはBtoB向けのWeb制作ディレクターです。
これから、社内から集めたホームページへの要望をそのまま貼ります。

[営業部・広報・経営層から出た要望を箇条書きで貼り付け]

次の3つに分けて出してください。
1. 今回のリニューアルで対応すること
2. 公開後に順次やること
3. このサイトではやらないこと(理由も添える)
そのうえで、1に入れた項目のうち、優先度の高い順に並べてください。

出てきた結果を、そのまま制作会社に渡してはいけません。人が確認するのは次の3か所です。

  • 実際に社内で合意が取れているか
  • 「やらないこと」に入った項目を言い出した人が納得するか
  • 優先順位が売上や採用の実態と合っているか

ここは社内の事情を知っている人しか判断できません。進め方の詳細はリニューアル要件定義をAIで整理する5ステップで書いています。

この章の結論です。AIは発注前の材料づくりと、更新の少ない小規模ページで効きます。既存サイトの作り直しでは、削れるのは制作費ではなく社内の準備時間のほうだと考えてください。

作り直したあと、何がどう変わるか

作り直しで最初に変わるのは、問い合わせの件数ではなく問い合わせの中身です。サービス内容と対象、価格の考え方をページに書いておくと、それを読んで納得した人だけが連絡してきます。件数が同じでも、商談に進む割合が変わります。

数字の感覚をつかむために、仮の試算を置きます。これは業種やオファーで大きく変わるので、そのまま当てはまる数字ではありません。自社の数字に置き換えて計算し直してください。

  • 前提:月の問い合わせが10件、うち商談に進むのが3件、成約が1件、平均受注額が50万円。商談が成約に至る割合は3件に1件です
  • 変化:サービスごとにページを分け、対象と進め方を書いた結果、件数は10件のまま、商談に進むのが5件に増えたとする
  • 結果:商談から成約に至る割合が3件に1件のままなら、商談5件で成約は月1.7件。増える分は月0.7件です

ここで言いたいのは金額ではありません。作り直しの効果は「件数」より「どの段階の通過率が上がるか」で見たほうが、判断を間違えにくいということです。件数だけを追うと、誰でも押せるボタンを増やして、営業が対応しきれない問い合わせが積み上がります。

成果が出ている会社に共通していること

公開後に数字が動いている会社には、共通点があります。いずれも制作の技術ではなく、進め方の話です。

  1. 公開前に、判定に使う数字を決めている。GA4とSearch Consoleが動いていて、前の数字が残っている
  2. お知らせと実績を、社内の誰かが月に1回以上更新している
  3. 公開して3か月以内に、フォームの項目や文言を一度直している

逆に言うと、公開して終わりにすると、どれだけ費用をかけても半年後には判断材料がありません。更新が止まったサイトがどう見られるかは更新されないサイトの信用低下を直す更新体制の作り方に書いています。

見落とされがちな、読みやすさの基準

もう1つ、公開前に見ておきたいのがアクセシビリティです。文字の大きさ、色のコントラスト、キーボードだけで操作できるかといった、誰にとっても使える状態のことを指します。

公的機関向けには、総務省が手順書を公開しています。公的機関がウェブアクセシビリティに取り組むための手順をまとめたもので、内容は総務省のみんなの公共サイト運用ガイドラインで公開されています。 対象は公的機関ですが、確認する項目の立て方は民間のサイトでもそのまま使えます。自社にどこまでの対応が求められるかは業種やサービスの提供方法で変わるので、判断の前提となる制度の内容は内閣府の障害者差別解消法の解説ページで確認してください。

この章の結論です。効果は「問い合わせが何件増えたか」だけで測らないでください。商談に進む割合、更新が続いているか、この2つのほうが、次に何を直すかの判断につながります。

ホームページの作り直しでよくある失敗と回避法

ここでは、作り直しという場面でしか起きない失敗を挙げます。どれも実際に現場で見かけるもので、公開前なら防げるものばかりです。

失敗1。旧サイトを消してから、載っていた内容を探し始める

新サイトを公開し、旧サーバーの契約を解約した後で、「以前のページに載っていた施工事例の写真はどこにある」となる状況です。移行対象から漏れていたページは、公開と同時に見られなくなります。

こうなると、手元にデータがない限り復元できません。写真の原本を制作会社が持っていた場合、その会社との契約が終わっていれば取り戻すのに時間がかかります。

防ぎ方は、旧サーバーの契約をすぐに解約しないこと。公開日に解約せず、新サイトで足りないものが出尽くすまで置いておきます。当社では、公開後しばらく残しておくようお伝えしています。あわせて、旧サイト全体のファイルをダウンロードして社内に保管してください。維持費は契約先とプランで変わるので、いま契約しているサーバー会社の料金表で、延長した場合の負担を確認してから決めてください。

失敗2。古いという理由だけで、流入のあるページを削る

「3年前のブログだから消しましょう」という提案が出ることがあります。見た目の鮮度だけで判断すると、実際には検索からの入口になっていた記事を消してしまいます。

起きるのは、公開してしばらく経ってからの流入減です。デザインは新しくなったのに、問い合わせは前より減った、という状態になります。原因が転送漏れなのか削除なのか区別がつかないので、復旧にも時間がかかります。

防ぎ方は、削除の判断をSearch Consoleの数字で行うこと。当社の削除の目安は、前の章に書いたものと同じです。直近3か月の表示回数がゼロで、社外からリンクされていないページだけを削除対象にしています。数字が出ているページは、内容を書き直して新サイトに持っていくのが正解です。

失敗3。ドメインとメールの管理権限が前の制作会社にある

切り替え当日になって、ドメインの設定変更ができないと分かる状況です。ドメインの契約者名義が前の制作会社になっていると、こちらの一存では新サーバーに向け替えられません。

やっかいなのは、会社のメールアドレスが同じドメインで動いている場合です。設定を誤ると、サイトだけでなくメールも止まります。復旧までの数時間、取引先からの連絡が届かなくなります。

防ぎ方は、相談を始めた時点で名義を確認すること。ドメイン管理会社の管理画面にログインできるか、契約者名は自社かを確かめます。名義が他社なら、移管の手続きに日数がかかります。所要日数は登録会社と手続きの進み方で変わるので、いま契約している登録会社の案内を確認したうえで、余裕を見てスケジュールを組んでください。

失敗4。公開日を繁忙期や採用の締切直前に置く

公開直後は、フォームが届かない、表示が崩れる、といった不具合が出ることがあります。この対応に、社内の担当者が数日取られます。

採用の応募締切の前週や、展示会の直前に公開日を置くと、一番人に見られるタイミングで不具合を出すことになります。フォームが動いていないことに、数日気づかないこともあります。

防ぎ方は、公開日のあとに社内で確認できる時間をあらかじめ空けておくこと。公開後すぐに、パソコンとスマートフォンの両方から自社宛にテスト送信し、実際に受信できるか確かめてください。フォームのメールが届かない原因と直し方はWordPressでメールが届かない原因とSMTP設定にまとめています。

失敗5。公開までの期間、今のサイトの扱いを決めていない

作り直しには数か月かかります。その間、今のサイトをどうするかを決めていないと、古い料金や終了したサービスがそのまま出続けます。

作業日に一時的にサイトが見られなくなる場合も、告知なしで止めると、お客さまには障害と区別がつきません。

防ぎ方は、制作期間中の更新ルールを先に決めること。「価格と営業時間の変更だけは旧サイトにも反映する」と決めておけば、担当者が迷いません。作業日の見せ方はリニューアル中のメンテナンス告知と503設定で解説しています。

この章の結論です。5つの失敗は、すべて「旧サイトの後始末」を発注側が決めていないことから起きています。新サイトの打ち合わせと同じ時間を、旧サイトの扱いに使ってください。

契約前に確認すること。所有権と保守の落とし穴

ここからは、提案書には書かれないことを書きます。作り直しを決める前に知っておくと、発注先を選ぶ基準が変わるはずです。

サイトの所有権は、意外と曖昧なまま進む

「作ってもらったサイトは自社のもの」と考えるのが普通ですが、契約書に書かれていないことがよくあります。確認したいのは3つです。

  • デザインとコードの著作権:納品時に自社へ譲渡されるのか、使用許諾にとどまるのか
  • 有料テーマ・プラグインのライセンス:制作会社が持っているものを使う場合、契約終了後に更新が止まる
  • 撮影した写真の使用範囲:Webのみか、パンフレットやSNSでも使えるか

2番目は見落とされがちです。制作会社が自社のライセンスで入れた有料プラグインは、取引が終わると更新が止まります。更新が止まると、修正プログラムが配布されても適用できない状態が続きます。IPAも、ソフトウェアを最新の状態に保つことを対策の基本として案内しています(IPA 情報セキュリティ対策)。契約を切り替えたあとに、追加のライセンス費用が発生する形になります。

月額保守は、金額より「含まれない作業」を見る

保守の見積もりは、何が含まれるかより何が含まれないかのほうが判断に効きます。よくある線引きはこうです。

作業月額に含まれることが多い別費用になりやすい
CMS・プラグインの更新含まれる更新で表示が崩れたときの修正
バックアップ取得は含まれる障害時の復旧作業
文章・画像の差し替え月◯件まで件数を超える分、ページの新規追加
不具合の調査自社が作った箇所他社製プラグインやサーバー起因の調査

ここを確かめずに契約すると、「保守に入っているのに、毎回見積もりが来る」という状態になります。月に何件の更新依頼が出るかを社内で見積もってから、件数の上限を交渉してください。

作り直しても、社内の作業は減らない

率直に書きます。作り直しで減るのは「更新のしにくさ」であって、更新そのものの作業量ではありません。管理画面から直せるようになっても、何を書くかを決めるのは社内の人です。

公開後によくあるのは、更新できる状態になったのに、誰も書かないまま半年が過ぎるパターンです。原因は操作方法ではなく、担当と頻度が決まっていないことです。公開前に「誰が・月に何回・何を更新するか」を決めてください。手順書の作り方はWordPressの操作マニュアルの作り方を参考にどうぞ。

前の制作会社との関係をどう切るか

意外と多いのが、既存の制作会社に気を使って相談が進まないケースです。長く付き合いがあるほど言い出しにくくなります。

実務的には、切り替えを決める前にいまの会社にも同じ依頼文を渡して見積もりを出してもらうのが公平です。既存のデータを把握している分、移行の手間が少なく済むこともあります。そのうえで金額と提案内容を比べれば、社内への説明もしやすくなります。

なお、AIで作れる部分と人が担当する部分の線引きは、この記事ではここまでにとどめます。詳しくはAIホームページ作成5ステップとツール選びで扱っています。

この章の結論です。契約前に見るのは金額と納期だけではありません。所有権、ライセンス、保守に含まれない作業。この3つを確かめておくと、2年目以降に追加で出ていく費用を防げます。

よくある質問

前に作ってもらった制作会社に作り直しを頼むのと、別の会社に切り替えるのでは、どちらが早いですか

データの引き継ぎがない分、既存の会社のほうが早く進むことが多いです。ただし「今の構成を前提にした提案」になりやすい面もあります。両方に同じ依頼文を渡して見積もりを取り、設計をどこから見直すかの提案内容で比べるのが確実です。

作り直している間、今のホームページは見られなくなりますか

いいえ、通常は公開日まで今のサイトがそのまま動いています。新サイトは別の場所で作り、公開日に切り替えます。切り替え作業の数十分だけ表示が不安定になることはあるので、営業時間外に作業してもらうよう依頼してください。

ドメインと会社のメールアドレスは、そのまま使えますか

ドメインを変えなければ、そのまま使えます。ただしサーバーを移す場合、メールの設定も一緒に移す作業が必要です。ここが見積もりに入っていないと当日に慌てるので、依頼の段階で「メールも同じドメインで運用している」と伝えてください。

作り直しの費用は、一括で経費にできますか

内容によって分かれます。既存サイトの修繕にあたる部分と、新しい機能を加えた部分では扱いが変わるため、見積もりを項目ごとに分けておくと判断しやすくなります。考え方はホームページリニューアル費用の勘定科目と資産計上の判断基準にまとめています。最終的な判断は顧問税理士にご確認ください。

補助金を使って作り直すことはできますか

国や自治体の制度で、Webサイトの制作が対象になる場合があります。ただし募集時期と要件が毎年変わり、対象経費の範囲も制度ごとに違います。金額や締切は最新の募集要項で確認し、申請の準備期間を見込んでスケジュールを組んでください。

まずは、今のサイトの数字を1つ見るところから

今日できる最初の一歩は1つです。Search Consoleを開いて、直近3か月でクリック数の多いページを控えてください。そのページが、作り直しのときに絶対に消してはいけないものです。5分あれば終わります。

次に進みたい方は、ホームページ制作会社の選び方と失敗しない判断軸を読んでおくと、見積もりを受け取ったときの見方がはっきりします。

ここまで読んで、残す資産の洗い出しや所有権の確認まで社内でやり切るのは難しそうだと感じた方は、一度お話を聞かせてください。リニューアルのホームページ制作・運用では、どのページを誰に見せるか決めるところから、公開後に社内で更新できる形にするところまで相談できます。いまのサイトのURLと、困っている点をうかがうだけでも大丈夫です。

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サブスク型ホームページ制作の費用|総額の出し方と解約の注意点
ホームページ制作・運用

サブスク型ホームページ制作の費用|総額の出し方と解約の注意点

2026.09.17 / 約 22 分

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