ホームページリニューアル中の表示|メンテナンス告知と503設定
この記事の要点
- メンテナンス中の表示は、画面だけでなくHTTP 503を返すのが正解
- サイト全体を止めてよいのは長くても2〜3日。Google公式が明言
- コピペで使える.htaccessとメンテナンスページ、解除チェックリスト付き
ホームページのリニューアル作業中にサイトを止めるなら、画面に「ただいまメンテナンス中です」と出すだけでは足りません。あわせて、サーバーからHTTPステータスコード503(一時的に利用できない)を返す設定が必要です。これをやらないと、検索エンジンには「このページの中身はメンテナンス案内文である」と誤って伝わります。
この記事は、自社サイトのリニューアルや大きな改修を控えていて、作業中の見せ方をどうするか決めなければいけない方に向けたものです。読み終わる頃には、止める範囲・止める時間・返すステータス・出す文面・解除の確認手順を、自分で決められる状態を目指します。
扱うのは「作業中」の話だけです。リニューアルが完了したあとの案内文(取引先向けメールや社内共有)はホームページリニューアルのお知らせ例文|メールと社内向けにまとめているので、完了後の文章を探している方はそちらへどうぞ。
Contents / 目次
リニューアル中の表示は、503を返すメンテナンスページにする
結論から言うと、作業中にサイトを止めるときの正解は「メンテナンス案内の画面を人に見せつつ、機械には503を返す」です。人と機械で、伝える相手も伝える内容も違うからです。
人が見る画面には「いま作業中であること」「いつ終わる予定か」「急ぎのときの連絡先」を書きます。一方、検索エンジンのクローラー(サイトを巡回して情報を集めるプログラム)に伝えるべきは「このURLは一時的に使えないだけで、消えたわけではない」という事実です。この2つは同じ文章では伝えられません。
ここで言うHTTPステータスコードとは、サーバーがブラウザやクローラーに返す3桁の番号のことです。ふだん見えませんが、正常表示なら200、ページが無ければ404、そして一時的に使えないときが503です。
やり方の選択肢は次のように整理できます。
| 作業中のやり方 | 返るステータス | 判定 |
|---|---|---|
| メンテナンスページを表示し、503を返す | 503 | ○ これが基本形 |
| メンテナンスページを普通に表示するだけ | 200 | × メンテ文がインデックスされる恐れ |
| トップページに「工事中」と書いて公開したまま | 200 | △ 短時間の軽微な改修なら可 |
| 404や403を返して閉じる | 404 / 403 | × Google公式が非推奨 |
| robots.txtで全クロールを禁止する | ― | × Google公式が非推奨 |
| 全ページにnoindexを付ける | 200 | × 戻し忘れると検索から消える |
Googleは、オンラインビジネスを一時停止する場合の公式ガイドで、サイト全体を無効にすることについてこう書いています。「非常に短い期間(長くても2~3日)のみに適用できる最終手段です」。それ以上続けると、正しく実装していても検索に大きな影響が出るとされています。
そのうえで推奨されているのが、503を返す情報エラーページ、robots.txtのクロール許可の継続、retry-afterヘッダーでの再訪目安の提示という組み合わせです。詳しくはGoogle検索セントラル「オンライン ビジネスを一時停止する」で公開されています。
ここだけ覚えて帰ってもOK。メンテナンスページを作る話と、503を返す設定をする話は別作業です。制作会社に「メンテ画面を出しておきます」と言われたら、「503で返してもらえますか」と一言確認してください。
この章の結論として、リニューアル中の表示で判断すべきは「どんなデザインの画面を出すか」ではなく「機械に一時停止だと正しく伝わっているか」です。ここが決まれば、あとは作業の段取りの話になります。
そもそも全ページ止める必要があるか。3つのパターンで決める
先に確認したいのですが、リニューアル期間のあいだずっとサイトを止める必要は、ほとんどの場合ありません。止めるべきなのは「新しいサイトに入れ替える瞬間」だけです。
実際、制作の相談を受けていて多いのが「リニューアルするので1か月ほどメンテナンス表示にします」という話です。これはGoogleが言う2〜3日を大きく超えていて、検索からの流入をわざわざ捨てることになります。作り方を変えれば止める時間はもっと短くできます。
パターン1。別環境で新サイトを作る場合は、原則止めない
制作用の別サーバーや、サブドメイン(例えばnew.example.com)で新サイトを組み立てるやり方です。今のサイトはそのまま動かしたまま作れるので、メンテナンス表示は不要です。
止めるのは、完成した新サイトを本番のドメインに切り替える作業のときだけになります。かかる時間はファイルとデータベースの容量、サーバーの性能、切り替えの段取りによって大きく変わるので、次のパターン2と同じくリハーサルで実測してください。
この方式で注意するのは、制作中の別環境が検索に載らないようにしておくことと、本番公開時にその設定を必ず外すことです。ここは後の失敗例で詳しく扱います。
パターン2。同じ環境で入れ替える場合は、切替時間だけ止める
今のサーバーの中身をそのまま入れ替える場合は、作業時間ぶんだけ止めます。この場合こそ503のメンテナンスページの出番です。
作業時間の見積もりは、事前にリハーサルを一度やって実測するのが確実です。テスト環境で同じ手順を通し、実測した時間に余裕を足した長さを本番の想定時間として告知しておくと、途中で焦らずに済みます。
パターン3。ページを少しずつ入れ替える場合は、止めない
会社概要から先に新しくして、サービス紹介は翌月、というように段階的に進めるやり方です。この場合はサイト全体を止める理由がありません。
ただし、新旧デザインが混在する期間ができます。ヘッダーとフッターだけ先に統一しておくと、混在していても不自然に見えにくくなります。
この章の結論は、止める判断は「リニューアルするかどうか」ではなく「本番環境を触る時間がどれだけあるか」で決まるということです。制作方式を選ぶ段階で、止める時間はほぼ確定します。リニューアル全体の進め方はホームページリニューアルの進め方|期間と頻度の判断ポイントで扱っています。
メンテナンスページの作り方と503の設定。5ステップ
ここからは実際の作業手順です。サーバーに.htaccessを置ける、Apacheが動く一般的な共用レンタルサーバーを想定して書きます。mod_rewriteやmod_headersが使えるかどうかは契約中のサーバーの公式マニュアルで確認してください。
ステップ1。止める範囲と時間を決める
最初に決めるのは、止める時間帯と長さです。ここを決めないと、メンテナンスページに書く文言もretry-afterの値も決まりません。
時間帯は、自社サイトのアクセスが一番少ない時間を実データで選びます。アクセス解析ツールで、過去1か月ぶんの訪問を曜日と時間帯で切って見ると、谷になっている時間が分かります。集計の出し方はツールによって違うので、使っているツールの公式ヘルプで手順を確認してください。
決めることは次の4点です。
- 開始時刻と終了予定時刻:リハーサルの実測時間に余裕を足して告知する
- 止める範囲:サイト全体か、一部ディレクトリだけか
- 緊急連絡先:止めているあいだ、問い合わせを受ける電話番号かメールアドレス
- 戻す担当と、うまくいかなかったときに元へ戻す判断の期限:「◯時までに終わらなければ旧サイトに戻す」と決めておく
4つ目が抜けがちです。切替に失敗して深夜3時に誰も判断できない、という状況が一番まずいので、先に線を引いておきます。
ステップ2。メンテナンスページのHTMLを作る
メンテナンスページは、外部ファイルに依存しない1枚のHTMLで作ります。この記事の.htaccessはmaintenance.htmlだけを除外する構成なので、CSSや画像を別ファイルにすると、それらのリクエストも503になり、レイアウトが崩れた素の状態で表示されます。静的ファイルも配信したい場合は、除外条件を追加する必要があります。
下のコードをコピーして、[ ]の部分を自社の情報に書き換え、サーバーの一番上の階層にmaintenance.htmlという名前で置いてください。
<!DOCTYPE html>
<!-- メンテナンス表示用の1枚ページ。CSSは中に書き込み、外部ファイルを読み込まない構成 -->
<!-- 設置場所:サーバーの公開ディレクトリ直下(例 /public_html/maintenance.html) -->
<!-- noindexは付けない。503を返していれば不要で、付けると解除後の事故のもとになる -->
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1">
<title>メンテナンスのお知らせ|[会社名を入力]</title>
<style>
body { margin:0; padding:0; background:#f5f3f0; color:#2b2b2b;
font-family:"Hiragino Sans","Yu Gothic",sans-serif; line-height:1.9; }
.box { max-width:640px; margin:0 auto; padding:64px 24px; }
h1 { font-size:22px; margin:0 0 24px; }
.time { background:#fff; border-radius:8px; padding:16px 20px; margin:24px 0;
font-size:18px; font-weight:bold; }
.tel { font-size:20px; font-weight:bold; }
.name { margin-top:40px; font-size:14px; color:#666; }
</style>
</head>
<body>
<div class="box">
<h1>ただいまホームページの更新作業を行っています</h1>
<p>ご不便をおかけしております。下記の時間帯は、ホームページとお問い合わせフォームをご利用いただけません。</p>
<p class="time">[2026年9月3日(水)2:00〜6:00]に終わる予定です</p>
<p>お急ぎのご用件は、お電話でお受けしています。</p>
<p class="tel">[000-000-0000]</p>
<p>受付時間 [平日9:00〜18:00]</p>
<p class="name">[会社名を入力]</p>
</div>
</body>
</html>
メンテナンスページにnoindexを書きたくなりますが、付けないでください。Google検索セントラル「オンライン ビジネスを一時停止する」では、robots.txtやnoindexで検索エンジンをブロックする方法は推奨されておらず、503を返す情報エラーページを用意する方法が案内されています。
画面に書く文章は、この画面を見た人が「いま何が起きていて、次に何をすればいいか」だけが分かれば十分です。リニューアルの意気込みや、新サイトの魅力を書く場所ではありません。それは公開後のお知らせ記事の役割です。
ステップ3。.htaccessで503を返す設定をする
メンテナンスページを用意しただけでは200が返り続けます。ここで.htaccessに設定を書いて、503を返すようにします。
作業前に、必ず今の.htaccessをダウンロードしてバックアップを取ってください。書き間違えるとサイト全体が500エラーで見られなくなり、管理画面にも入れなくなります。
# ===== メンテナンス中に503を返す設定(Apache用)=====
# 貼る場所:.htaccess の一番上(WordPressの # BEGIN WordPress より前)
# 前提:mod_rewrite と mod_headers が使えるサーバー
# 解除するとき:このブロックをまるごと削除する
<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
# [ここを自社の値に変更]作業する人のグローバルIPアドレス。
# この行を入れておくと、自分たちだけは通常のサイトを確認できる。
# 複数人いる場合は同じ形式で行を増やす。
RewriteCond %{REMOTE_ADDR} !^203\.0\.113\.10$
# メンテナンスページ自身は除外する(除外しないとページも503になり真っ白になる)
RewriteCond %{REQUEST_URI} !^/maintenance\.html$
# robots.txt は必ず通す(503にするとクロール自体が止まってしまう)
RewriteCond %{REQUEST_URI} !^/robots\.txt$
# 上のどれにも当てはまらないアクセスは、すべて503にする
RewriteRule ^(.*)$ /maintenance.html [R=503,L]
</IfModule>
# 503のときに表示するページを指定
ErrorDocument 503 /maintenance.html
# Google検索セントラルが提示を推奨しているretry-afterヘッダー
<IfModule mod_headers.c>
# [ここを自社の値に変更]14400秒=4時間。実際の作業予定に合わせる
Header always set Retry-After "14400"
</IfModule>
各ディレクティブの意味と書き方は、Apache公式ドキュメント mod_rewrite、同 ErrorDocument、同 mod_headersで確認できます。サーバーによって使えるモジュールや設定の許可範囲が違うため、貼ったあとは必ずステップ4で実測してください。
自分のグローバルIPアドレスは、契約中のプロバイダーやルーターの管理画面、あるいはIPアドレス確認用のWebサービスで調べられます。オフィスの回線が固定IPでない場合は変わることがあるので、作業直前に確認し直してください。
retry-afterの値は、作業予定時間より少し長めにします。1時間の作業なら2時間ぶんの秒数、というように、実際の作業予定に余裕を足した秒数を入れてください。
Nginxのサーバーや、レンタルサーバーで.htaccessが使えない場合は、サーバー管理画面にメンテナンス用の機能が用意されていることがあります。名称も設定場所も各社で異なるので、契約中のサーバーの公式マニュアルで確認してください。
WordPressなら、メンテナンスモード用のプラグインを使う方法もあります。ただし返るステータスコードは実際に測らないと分からないので、導入したら次のステップで必ず確認します。
なお、.htaccessの書き換えでリダイレクトの設定が競合して表示が壊れることがあります。おかしくなったときの切り分け方はリダイレクトループの原因切り分けと直し方|htaccess対処にまとめています。
ステップ4。本当に503が返っているか実測する
設定したら、画面を見るだけで満足せず、返っているステータスコードを機械的に確認します。見た目は同じでも、200のままというのが一番多い事故です。
Macならターミナル、Windowsならコマンドプロンプトで次のコマンドを打ちます。
# [ここを自社のURLに変更]レスポンスヘッダーだけを取得して確認する
curl -I https://example.com/
# 期待する出力(順番や大文字小文字はサーバーによって異なる)
# HTTP/2 503
# retry-after: 14400
コマンド操作に慣れていない場合は、ブラウザでも確認できます。Google Chromeでメンテナンスページを開き、キーボードのF12(Macは command + option + I)で開発者ツールを出し、ネットワークのタブを開いた状態でページを再読み込みすると、リクエストの一覧にステータス503が表示されます。表示の並び順や見え方はブラウザのバージョンで変わるので、詳しい使い方はChrome DevTools公式ドキュメント(ネットワーク)を参照してください。
確認するのは次の3点です。
- トップページで503が返ること
- 下層ページでも503が返ること
- robots.txtだけは200で返ること
この3点が揃っていれば設定は成功です。
ステップ5。解除し、戻ったことを確認する
作業が終わったら、.htaccessに追記したブロックをまるごと削除します。コメントアウトではなく削除を推奨します。次のリニューアルのときに、古い設定が残っていて混乱するためです。
解除後は、次のチェックリストを上から順に確認してください。実際に事故が起きやすい順に並べています。
- トップページと主要な下層ページで、curl -I の結果が200になっているか
- 制作中の環境で設定したnoindexやrobots.txtのDisallowが、本番に持ち込まれていないか
- Basic認証(IDとパスワードを求める簡易ロック)が外れているか
- お問い合わせフォームからテスト送信し、自社に届くか、自動返信が届くか
- スマートフォンの実機で表示崩れがないか
- Google Search Consoleでサイトマップを再送信したか
- リスティング広告を止めていた場合、再開したか
2番目が特に事故率が高いところです。本番公開後に検索結果から消えてしまう原因の多くがここにあります。公開後にインデックスされているかの確認方法はインデックス未登録の原因と再登録の手順で解説しています。
この章の結論として、メンテナンス作業は「画面を作る」「503を返す」「実測する」「解除して確認する」の4つが揃って初めて完了します。どれか1つでも抜けると、あとから検索流入で代償を払うことになります。
ホームページリニューアル中のお知らせ文。そのまま使える例文
止める日時が決まったら、事前にお知らせを出します。出す場所は、サイト内のお知らせ欄、既存のお客さまへのメール、SNSの3つが基本です。それぞれ読む人の状況が違うので、同じ文章は使い回せません。
サイト内のお知らせ欄に出す文
サイトを見に来た人が読みます。作業日時と、そのあいだ使えなくなるものを具体的に書きます。
【メンテナンスのお知らせ】ホームページ更新作業に伴う一時停止について
下記の時間帯、ホームページの更新作業のため、
サイトをご覧いただけません。
日時:2026年9月3日(水)2:00 〜 6:00
影響:ホームページ全体、お問い合わせフォーム
作業中のお急ぎのご用件は、お電話でお受けします。
TEL 000-000-0000(平日9:00〜18:00)
ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
掲載のタイミングは、作業の1週間前と前日の2回が目安です。1週間前だけだと忘れられ、前日だけだと予定を調整できない人が出ます。
取引先・既存顧客へのメール
すでに取引がある相手が読みます。この人たちが気にするのは「自分の業務に影響があるか」だけなので、そこを先に書きます。
件名:【9/3(水)深夜】弊社ホームページ一時停止のお知らせ
[会社名]
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[担当者名]です。
ホームページの更新作業のため、下記の時間帯は
弊社ホームページとお問い合わせフォームが停止します。
日時:2026年9月3日(水)2:00 〜 6:00
この時間帯にご連絡が必要な場合は、
下記まで直接ご連絡いただけますと幸いです。
TEL:000-000-0000
メール:[担当者のメールアドレス]
なお、資料ダウンロードページのURLは作業後も変更ありません。
(※URLが変わる場合は、変更後のURLをここに記載)
ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
最後の「URLが変わるかどうか」は必ず書いてください。取引先が資料や見積もりページをブックマークしていることがあり、これが黙って変わると問い合わせが増えます。
SNSに出す文
タイムラインで流し読みされるので、日時と代替手段の2つに絞ります。
【お知らせ】9/3(水) 2:00〜6:00 の間、
ホームページの更新作業のためサイトをご覧いただけません。
お急ぎの方はお電話(000-000-0000/平日9:00〜18:00)
またはこのアカウントのDMへどうぞ。
文面の使い分けの軸。事前告知は「予定を伝える」、メンテナンス画面は「いま起きていることと次の行動を伝える」、公開後の告知は「何が良くなったかを伝える」。この3つを混ぜないでください。
この章の結論として、告知文で書くべき情報は日時・影響範囲・代替の連絡先の3点です。リニューアルの背景や思いを書くのは、公開後の告知に回します。
正しく503を返すと何が変わるか
503を返しておくと、作業が終わったあとの検索順位の戻り方が変わります。Googleに「一時的に止まっているだけ」と伝わっているかどうかで、その後の扱いが変わるためです。
Googleは、5xx系のエラーや429について「Googlebot はクロール速度を落とします」「インデックスに登録済みの URL は保持されますが、最終的には削除されます」とGoogle検索セントラルのHTTPステータスコードに関するドキュメントで説明しています。
削除に至るまでの日数は公開されていませんが、短時間の作業であればインデックスは保たれ、作業後に再クロールされれば元に戻ります。逆に404で閉じてしまうと「このページは無くなった」と伝えることになり、戻すのに時間がかかります。
期間の目安として押さえておきたい数字は3つです。
| 数字 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| 2〜3日 | サイト全体を無効にしてよい上限。それ以上は検索に甚大な影響 | Google検索セントラル「オンライン ビジネスを一時停止する」 |
| 12時間 | robots.txtがサーバーエラーを返している間、Googleはサイトのクロールを停止する。この状態が12時間より長く続く場合は、直前にキャッシュしたrobots.txtが使われる | Google検索セントラル「robots.txtの書き方」HTTPステータスコードの処理 |
| 30日 | robots.txtが取得できないまま、直前に取得できた内容が使われる期間 | Google検索セントラル「robots.txtの書き方」HTTPステータスコードの処理 |
2つ目と3つ目が、robots.txtを503にしてはいけない理由です。robots.txtがサーバーエラーを返している間、Googleはサイトのクロールを止めます。深夜数時間の作業のつもりでも、その間のクロールは進みません。上の表の出典に挙げたrobots.txtのHTTPステータスコードの処理の項に、この扱いが書かれています。
成功しているリニューアルに共通しているのは、派手なことをしていない点です。本番環境を触る時間を数時間に圧縮し、その数時間だけ503を返し、終わったらすぐ200に戻す。この地味な段取りが、公開後の検索流入の落ち込みを最小限にします。
逆に、リニューアル後に検索順位が落ちるケースの原因は、メンテナンス表示そのものよりURLの変更やコンテンツの削除であることが大半です。作業中の表示を正しくやったうえで、URL設計と旧ページの引き継ぎも合わせて確認してください。
この章の結論は、503は順位を上げる施策ではなく、下げないための保険だということです。効果が見えにくいぶん軽視されますが、抜けたときの損失は数か月かけて回復することになります。
リニューアル中の表示でよくある失敗5つと回避法
ここからは、実際にやりがちな失敗です。どれもメンテナンス作業の場面でしか起きない、このテーマ固有のものだけを挙げます。
失敗1。メンテナンスページが200で返り、検索結果に「メンテナンス中」と出る
WordPressの固定ページでメンテナンス告知ページを作り、トップページをそれに差し替える。あるいはプラグインを入れて表示だけ切り替える。これで済ませると、サーバーは正常な200を返し続けます。
そうなると、Googleはそのページを普通のコンテンツとして扱います。運が悪いと、検索結果に出るタイトルや説明文が「ただいまメンテナンス中です」になり、作業が終わったあともしばらくその表示が残ります。会社名で検索した人が最初に見る文字がそれになるわけです。
防ぐには、ステップ4のcurl -I か開発者ツールで、必ずステータスコードを実測してください。プラグインを使う場合も同じです。「503対応」と書かれていても、設定によっては返らないことがあります。
失敗2。メンテナンスページ自体も503になり、画面が真っ白になる
.htaccessの書き換え時に、メンテナンスページ自身を除外する条件を入れ忘れるパターンです。すべてのアクセスを503にする設定なので、メンテナンスページを取りに行くリクエストも503になり、何も表示されません。
訪問者から見ると、真っ白な画面か、ブラウザの素っ気ないエラー画面が出るだけです。会社が何かトラブルを起こしたように見えます。
回避策は、ステップ3のコードにあるRewriteCond %{REQUEST_URI} !^/maintenance\.html$ の行を必ず入れることと、設定直後にスマートフォンの回線(社内のWi-Fiを切って、モバイル通信)で表示を確認することです。社内から見るとIP許可で通ってしまい、気づけません。
失敗3。robots.txtまで503にして、クロールが止まる
「全部止めればいい」と考えて、robots.txtを含む全URLを503にしてしまうケースです。Googleはrobots.txtがサーバーエラーを返している間、サイトのクロールを停止します。
3時間の作業で済むはずが、その間の新しいページの取得は進みません。急ぎでインデックスさせたいタイミングだと、そのぶん遅れます。
防ぐには、ステップ3のコードにあるrobots.txtの除外行を入れたうえで、作業中に curl -I https://example.com/robots.txt を打って200が返ることを確認してください。
失敗4。IP許可を入れ忘れ、制作側も動作確認できない
503の設定を入れたあと、制作会社も自社担当者も新しいサイトを確認できなくなるパターンです。誰も中身をチェックできないまま公開時刻を迎え、崩れたまま公開されます。
逆の失敗もあります。IP許可を入れたまま解除を忘れると、社内からは正常に見えるので誰も異常に気づかず、外部からは何日もメンテナンス画面のまま、ということが起きます。
どちらも「社内Wi-Fiを切ったスマートフォンで確認する」を作業前後の手順に固定すれば防げます。作業チェックリストに、社内から見た画面と社外から見た画面の2行を並べて書いておいてください。
失敗5。制作中の環境のnoindexやDisallowが、本番に持ち込まれる
別環境で新サイトを作るとき、検索に載らないようnoindexやrobots.txtのDisallowを入れます。これ自体は正しい対応ですが、そのファイルごと本番に移すと、公開と同時に「検索するな」と宣言することになります。
怖いのは、画面は完璧に表示されるので誰も気づかないことです。1か月経ってアクセスが増えないと相談されて、調べたら本番のrobots.txtにDisallow: / が残っていた、という状況は珍しくありません。
公開直後に確認するのは次の3か所です。
- robots.txtの中身
- WordPressなら管理画面の表示設定にある、検索エンジンでの表示に関するチェック
- HTMLのソースにnoindexの記述が残っていないか
robots.txtはブラウザで直接開けば中身を確認できます。noindexの記述は、ページのソースを表示して「noindex」で検索すれば分かります。WordPressの表示設定は管理画面から確認します。この3か所を1つずつ見てください。
この章の結論として、失敗の大半は「画面の見た目だけで確認を終えた」ことから起きます。見た目とステータスコードは別物なので、必ず機械的に測る手順をチェックリストに組み込んでください。
制作会社に任せるときの落とし穴と、現場の妥協点
メンテナンス表示は、たいてい制作会社側の作業になります。だからこそ、依頼する側が知っておかないと損をする点があります。
見積もりに含まれているか確認したい3つの質問
リニューアルの見積もりで「公開作業一式」とだけ書かれていることがあります。そこに何が含まれるかは会社によって違うので、次の3つを聞いてください。
- 作業中は503を返しますか:返さない前提の会社もあります。理由を聞いて納得できなければお願いする
- 作業は何時から何時の予定ですか:深夜・早朝の作業は追加費用になることがあるので、事前に確認する
- うまくいかなかった場合、いつまでに元へ戻しますか:切り戻しの判断時刻と、旧サイトのバックアップの保管場所を確認する
3つ目を聞いておくと、当日のやり取りが一気に楽になります。判断基準が事前に決まっていれば、深夜に電話がかかってきても「予定どおり戻してください」と答えるだけで済みます。
503を選べない環境があるという現実
率直に言うと、すべてのサイトで503を返せるわけではありません。サーバーを直接触れない環境では、そもそも選択肢がないことがあります。
ノーコードのサイト作成サービスや、サーバー設定を触れない契約プランでは、ステータスコードを自分で決められない場合があります。この場合の現実的な妥協案は、サイトを止めずに、更新するページだけ差し替えていく段階公開に切り替えることです。止めなければ、503の心配はそもそも要りません。
「503を返せないから諦める」ではなく「止めなくていい作り方に変える」と考えると、選択肢が広がります。
見落とされがちな、止めているあいだのコスト
メンテナンス中に発生するコストは、制作費の見積もりには載りません。自社で見ておく必要があります。
- リスティング広告の費用:止め忘れると、メンテナンス画面へクリック課金が発生し続ける。作業前に一時停止し、解除後に再開する
- 電話の受け皿:フォームが止まるぶん、電話に流れる。深夜作業なら翌朝の折り返し体制を決めておく
- メール配信との重複:メルマガやDMの配信日と作業日が重なると、リンク先が全部メンテ画面になる。配信カレンダーと突き合わせる
- 採用応募:求人サイトから自社サイトへ遷移する導線があると、その間の応募が落ちる。募集ピーク時期は避ける
広告の止め忘れは、金額が目に見えるので一番痛いところです。管理画面のキャンペーンを止めるだけなので、作業前チェックリストの一番上に置いてください。
AIでメンテナンスページを作るときの注意点
メンテナンスページのHTMLをAIに書かせるのは実用的で、この記事のコードのようなものは数分で出てきます。ただし、生成されたコードがそのまま自社のサーバーで動くとは限りません。契約中のサーバーで使えないモジュールが前提になっていたり、動作確認の手順が省かれていたりします。そのまま本番に貼らず、必ずステップ4の実測をしてください。AIとの分担についてはAIホームページ作成5ステップ|ツール選びとプロンプト例で詳しく扱っています。
この章の結論として、リニューアル中に自社が判断すべきなのは、技術的な設定ではなく「いつ・どれだけ止めるか」と「止めているあいだの受け皿をどうするか」です。技術は任せられますが、この2つは任せられません。
よくある質問
リニューアル中ずっとメンテナンス表示にしていたら、順位は落ちますか
落ちる可能性が高いです。Googleは、サイト全体を無効にするのは長くても2〜3日が限度で、それを超えると検索に大きな影響が出ると案内しています。 1か月止めるのではなく、別環境で新サイトを作り、切り替えの数時間だけ止める進め方に変えてください。
503を返しているかどうか、専門知識なしで確認する方法はありますか
あります。Chromeでメンテナンス画面を開き、F12(Macは command + option + I)で開発者ツールを出して、ネットワークのタブを開いた状態でページを再読み込みしてください。リクエストの一覧に503と表示されていれば成功です。200なら設定が効いていません。
メンテナンス中もGoogleビジネスプロフィールやSNSは触っていいですか
触って問題ありません。むしろ、サイトが止まっているあいだの受け皿として活用してください。ただし、ビジネスプロフィールやSNSのプロフィールに載せているサイトのURLが、リニューアルで変わる場合は、公開後すぐに更新する作業を忘れないでください。
retry-afterには何秒を入れればいいですか
実際の作業予定時間に少し余裕を足した秒数を入れてください。1時間の作業なら2時間ぶん、半日かかるなら半日より少し長め、というように自社の作業予定から逆算します。作業予定より極端に長い値を入れる必要はありません。
サーバーを引っ越ししながらリニューアルする場合も、同じやり方でいいですか
やり方が変わります。サーバー引っ越しはDNSの切り替えが絡むため、新旧どちらのサーバーにアクセスが行くかが人によって変わる時間帯が生まれます。この場合は両方のサーバーに同じ内容を置いておく方法が安全です。手順はWordPressのサーバー引っ越し手順|DB移行と無停止切替で解説しています。
まず、今のサイトのステータスコードを1分で測ってみてください
今日すぐできる最初の一歩は、自社サイトのトップページで curl -I https://自社のドメイン/ を実行するか、ChromeのF12でステータスコードを見ることです。ふだんの状態で200が返っていることを確認しておくと、作業当日に503へ切り替わったかどうかが一目で分かります。
そのうえで、リニューアル後にどのページをどのURLへ引き継ぐかまで考えたい方は、ホームページリニューアルの進め方|期間と頻度の判断ポイントを続けて読んでみてください。
ここまで読んで、切替のタイミングや503の設定を自社だけで回すのは不安だと感じた方は、一度話を聞かせてください。コレットラボのホームページ制作・運用支援では、制作から公開作業、公開後に検索やAI検索で見つかる状態に整えるところまで受け持っています。今の構成を整理するだけの相談でも構いません。ホームページ制作・運用の詳細はこちらからどうぞ。
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