ホームページビルダーからWordPress移行|手順とURL対応表

ホームページビルダーからWordPress移行|手順とURL対応表

この記事の要点

  • ホームページビルダーのデータをWordPressへ変換する方法は用意されていない。移行はページ単位の手作業になる
  • 成否を決めるのはURL対応表。旧URLから新URLへ1行ずつ301リダイレクトを書く
  • 文字化け・画像内テキスト・FTP設定の消し忘れが典型の失敗。回避手順を本文で解説

ホームページビルダーで作ったサイトをWordPressへ移すとき、ページの中身を1枚ずつ手で移し替えるのが、いちばん確実で、結局いちばん早い方法です。ただし作業の成否は移し替えそのものではなく、URLの対応表を先に作れるかどうかでほぼ決まります。

この記事は、10〜50ページくらいの会社サイトを自社で移行したい方、または制作会社に頼む前に作業の中身を把握しておきたい方に向けて書いています。読み終わる頃には、移行の全工程と、自分でやる範囲・人に頼む範囲の線引きが決められる状態を目指します。

扱うのは「ホームページビルダーで作った既存サイトをWordPressへ移す」話です。WordPressのサイトを別のサーバーへ引っ越す作業は仕組みがまったく違うので、そちらはWordPressのサーバー引っ越し手順|DB移行と無停止切替を先に読んでください。

Contents / 目次
  1. まず、あなたの「使い方」がどちらか決める。移行か、ビルダーでの編集か
  2. 移行前に作る2つの表。URL対応表とページ仕分け表
  3. ホームページビルダーからWordPressへ移行する手順。ステップ1〜7
  4. ホームページビルダー22などの旧バージョンでWordPressを編集する使い方と、その限界
  5. 移行後に何が変わるか。効果と、順位が戻るまでの見方
  6. ホームページビルダーからの移行でよくある失敗と回避法
  7. 移行を頼む側が見落とすこと。見積もりと運用の妥協点
  8. よくある質問
  9. まずは今日、1つだけ確認してください

まず、あなたの「使い方」がどちらか決める。移行か、ビルダーでの編集か

「ホームページビルダー WordPress 使い方」で検索する人の用件は、大きく2つに割れます。

  1. ホームページ・ビルダーというソフトを使ってWordPressサイトを編集したい
  2. ホームページ・ビルダーで作った既存サイトをWordPressへ引っ越したい

この2つは作業も費用もまるで別物なので、最初にどちらかをはっきりさせてください。

ホームページ・ビルダー(ジャストシステム)は、市販のホームページ作成ソフトです。

WordPressに関してどのエディションが何に対応しているかは、製品の世代によって違います。お使いのバージョン(またはこれから買うバージョン)でWordPressサイトを編集できるかどうかは、ジャストシステム公式サイトの製品情報で必ず確認してください。

①は、ソフト側が対応していれば可能です。

一方②は、ソフトの機能ではどうにもならない作業です。ホームページ・ビルダーで作った標準的なサイトは、1ページ=1つのHTMLファイルという構造で、サーバーの中にファイルが並んでいるだけです。WordPressは記事や設定をデータベースに入れて、表示のたびにPHPが組み立てます。入れ物の形が根本的に違うため、既存ページをそのままWordPressの記事や固定ページに変換する機能があるかどうかは、必ずジャストシステムの製品情報とサポート情報で確認してください。この記事では、変換機能に頼らず手作業で移す前提の手順を書きます。

あなたの用件やること難易度と時間の目安
①ソフトの操作でWordPressを更新したい現行版のホームページ・ビルダーを用意し、WordPressサイトと接続して編集するソフトの操作を覚えれば可能。ただし後述の運用上の制約あり
②既存のビルダー製サイトをWordPressへ移したいWordPressを新設し、ページを1枚ずつ手で移し、URLをリダイレクトするページ数と1ページあたりの作業時間で決まる。この記事の主題
③WordPressに移したあと、ビルダーは使わず管理画面で更新したい②を終えたうえで、WordPressの編集画面の操作を覚えるもっとも運用が楽。おすすめの着地点

③を目指す場合、移行後の更新作業そのものは難しくありません。文章と画像の差し替えだけならWordPressの編集画面の使い方|文章と画像を自分で直す手順で操作の流れをつかめます。

この章の結論。ソフトで編集を続けるのか、WordPress側に運用を移すのかを先に決めてください。決めないまま移行作業に入ると、途中で「やっぱりビルダーで直したい」と戻り、二重管理になって崩れます。

移行前に作る2つの表。URL対応表とページ仕分け表

手を動かす前に作るものが2つあります。URL対応表ページ仕分け表です。この2枚があるかどうかで、移行作業の時間が半分にも倍にもなります。逆に言うと、これを作らずにWordPressを触り始めるのが失敗のいちばん多いパターンです。

旧サイトのURLをすべて書き出す

まず、いま公開されているページのURLを全部集めます。方法は3つあり、併用すると漏れが減ります。

  1. FTPソフト(FileZillaなど)でサーバーに接続し、公開フォルダの中の .html ファイルをすべて一覧にする。フォルダ構造ごとメモする
  2. Google Search Consoleを開き、「ページ」レポートでインデックス登録済みのURLを書き出す。実際に検索から人が来ているURLがこれで分かる
  3. ブラウザで site:自社ドメイン と検索し、表示されたページを拾う。1と2で漏れたページの保険

Search Consoleをまだ入れていない場合は、この段階で登録しておくと移行後の確認がぐっと楽になります。手順はSearch Console登録手順|初心者も3ステップで所有権確認までにまとめています。

URL対応表のフォーマット

集めたURLを、スプレッドシートで次の形にします。列は5つです。移行作業中、この表がそのまま進捗管理表になります。

旧URL新URL種別移行方法状態
/index.html/トップ作り直し完了
/company/index.html/company/固定ページ本文コピー作業中
/service/service1.html/service/web/固定ページ本文コピー+加筆未着手
/blog/2019/0304.html/news/spring-campaign/投稿本文コピー未着手
/old/campaign2018.html(廃止)投稿移行しない301でトップへ

ここで気づいてほしいのが、URLの末尾が必ず変わることです。ビルダーのサイトは /company/index.html、WordPressは /company/ のようにファイル名が消えます。同じ内容の同じページでも、Googleから見ればまったく別のURLです。だから移行では301リダイレクトが必須になります。

全ページ移す必要はない。仕分けの判断基準

10年運用したサイトには、もう誰も見ていないページがかなりあります。全部移すと工数が膨らむだけなので、次の基準で仕分けてください。

  • 移す:直近12か月でSearch Consoleの表示回数が1回でもあるページ、会社概要・サービス・お問い合わせなど営業上必要なページ、外部サイトからリンクされているページ
  • 統合する:内容が重複している複数ページ(「よくある質問1」「よくある質問2」のような分割ページ)。1枚にまとめて、旧URLは両方とも新しい1枚へ301
  • 捨てる:終了したキャンペーン、更新が止まった日記、内容が今の事業と合わないページ。ただし削除ではなく、関連するページかトップへ301で送る

この章の結論。URL対応表が埋まった時点で、移行作業の総量と、旧URLを何本リダイレクトするかが確定します。ここまで作れば、自社でやるか外注するかの判断もできます。

ホームページビルダーからWordPressへ移行する手順。ステップ1〜7

ここからが実作業です。公開中の旧サイトには一切触らず、別の場所でWordPressを完成させてから切り替えるのが鉄則です。いきなり同じサーバーの同じフォルダにWordPressを入れると、途中で会社のサイトが表示されなくなります。

ステップ1。サーバーを用意してテスト用のWordPressを立てる

レンタルサーバーを契約し、WordPressをインストールします。このとき本番ドメインは使いません

契約中のサーバーで、本番ドメイン以外に使えるドメイン(サーバー会社が用意している初期ドメインやサブドメインなど)が無いかを管理画面で確認してください。そこにテスト用としてインストールします。

何が使えるか、そこにWordPressをインストールできるかはサーバー会社によって違います。契約先のマニュアルで確かめてください。

テストサイトは検索結果に出ないようにしておきます。WordPressの管理画面で「設定」→「表示設定」を開き、「検索エンジンでの表示」にある「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れて保存します。完成後に必ずこのチェックを外すので、対応表と同じシートに「インデックス解除」とタスクを書いておいてください。初期設定の順番はWordPress初期設定の正しい順番と必須10項目|公開前に固めるにまとめています。

ステップ2。パーマリンク(URLの形)を先に決める

WordPressの管理画面で、記事URLの形式を最初に決めます。ここを後から変えると、せっかく作ったURL対応表が全部作り直しになります。会社サイトなら、投稿は /%postname%/(記事のスラッグだけ)が扱いやすい形です。

固定ページのURLは、旧サイトのフォルダ構造をなるべく引き継ぐと対応表がシンプルになります。旧 /company/index.html なら、新しい固定ページのスラッグを company にして /company/ にそろえる、という具合です。変えられるからといって全部変えると、リダイレクトの本数と間違いが増えるだけです。

ステップ3。ページの中身を移す。ここで文字コードを確認する

1ページずつ、本文をWordPressにコピーします。作業に入る前に、必ず旧ページの文字コードを確認してください。10年以上前に作られたサイトは Shift_JIS で保存されていることがあり、そのままコピーすると文字化けします。

確認方法は簡単です。旧サイトをブラウザで開き、ページのHTMLソースを表示して、上のほうにある charset= の値を見ます。Google Chromeなら、ページ上で右クリックして「ページのソースを表示」(メニュー名はバージョンで変わることがあります)を選びます。Ctrl+U(Macは Command+Option+U)でも開けます。値によって、次のように作業を変えてください。

  • UTF-8 の場合:そのまま作業して大丈夫です
  • Shift_JIS の場合:ソースからではなく、ブラウザに表示されている文章のほう(画面)をコピーします。ブラウザが変換済みの文字を表示しているので、化けません

画面からコピーしても、丸数字(①②)、ローマ数字(Ⅰ Ⅱ)、㈱などの特殊な文字は、環境によって崩れることがあります。移した後に該当ページを開いて、これらの文字だけ目視で確認してください。

WordPressのエディターに貼るときは、旧サイトの書式を持ち込まないようにします。そのまま貼ると、旧サイトのフォントサイズや色の指定が一緒に入り込み、新しいデザインの中で1ページだけ字が小さい、といった崩れが起きます。

確実なのは、次の3手順です。

  1. いったんテキストエディット(Mac)やメモ帳(Windows)などの書式を持たないアプリに貼って、書式を落とす
  2. そこからWordPressに貼り直す
  3. 貼った直後に、見た目が旧サイトのままになっていないかを毎回確認する

ステップ4。HTMLの掃除と本文の抽出をAIに任せる

ビルダーで作ったページのソースは、レイアウトのためのtableタグや、中身のない空のdivが大量に入っています。人が読んで本文だけ拾うのは、20ページもあると相当な苦行です。ここはAIに任せると速くなります。

やり方はシンプルで、旧ページのHTMLソースをそのままAIに貼り、本文だけを構造ごと抜き出してもらいます。ChatGPTやClaudeが使えます。長いHTMLを何度も貼り付ける作業になるので、日常的に使うならブラウザ版よりデスクトップアプリ(Mac/Windows)のほうが起動が速くて扱いやすいです。出発点になる指示文はこのくらいで十分です。

これから貼るのは、ホームページ作成ソフトで作った古いHTMLページのソースです。
本文として意味のある文章だけを、見出し・段落・箇条書きの構造を保ったまま抜き出してください。
レイアウト用のtable、フォント指定、空のdiv、共通のナビゲーションとコピーライトは捨ててください。
画像は[画像:ファイル名]という形で位置だけ残してください。
出力はWordPressのブロックエディターにそのまま貼れる形にしてください。

[ここにHTMLソースを貼る]

この指示文は出発点です。何ページか試すと「この部分も毎回残ってしまう」といった癖が見えてくるので、AIと対話しながら自社のサイトに合わせて詰めてください。

AIの出力は、必ず次の3点だけ人が確認します。ここを飛ばすと事故ります。

  • 数字と固有名詞:電話番号、住所、料金、営業時間、担当者名。AIは文章を整える過程でこれらを言い換えたり、もっともらしい別の値に置き換えることがあります。旧ページと1文字ずつ突き合わせる
  • 省略されていないか:長いページだと途中を要約して短くしてくることがあります。旧ページの段落数とだいたい合っているかを見る
  • 勝手な加筆:頼んでいないのに「詳しくはお問い合わせください」のような一文を足すことがあります。旧サイトに無い文は消す

ステップ5。画像を移す。画像内の文字はテキストに打ち直す

画像はFTPで旧サーバーから一括ダウンロードし、WordPressのメディアライブラリにアップし直します。旧サーバーの画像URLを本文にそのまま残すのは避けてください。旧サーバーを解約した瞬間、全ページの画像が消えます。

ここでビルダー製サイト特有の作業が1つあります。見出しやキャッチコピーが画像になっているページは、その文字をテキストとして打ち直してください。昔のホームページ作成ソフトは、きれいなフォントで見出しを出すために画像を使う作りが一般的でした。Google検索セントラルのGoogle画像検索に関するおすすめの方法でも、画像内のテキストは一部のユーザーや検索エンジンがアクセスできないため、重要なテキストは画像ではなくHTMLのテキストとして配置し、画像にはalt属性で説明を付けることが案内されています。見出しが画像のままだと、そのページには読み取れる文章がほとんど残りません。

ステップ6。フォーム・地図・アクセス解析を作り直す

ビルダーのサイトに付いているお問い合わせフォームは、サーバー側のプログラムで動いている作りのものがあります。仕組みが何であれ、WordPressにそのまま持ち込むものではないので、プラグインで作り直します。Contact Form 7で確認画面と自動返信まで作る手順はContact Form 7の設定方法|確認画面と自動返信までにまとめました。

フォームを作り直したら、公開前に必ず自分宛てにテスト送信します。WordPressは初期状態だとメールが届かないことがよくあるので、届かない場合はWordPressでメールが届かない原因と直し方|WP Mail SMTP Gmail設定を確認してください。ここを見落とすと、切り替えた日から問い合わせが1件も届かないまま数週間経つ、という最悪の事態になります。

ステップ7。ドメインを切り替え、301リダイレクトを設置する

テストサイトが完成したら、本番ドメインを新しいサーバーに向けます。サーバー会社の管理画面でドメインを追加し、ドメインを管理している側でネームサーバーを新サーバーのものに変更します。反映には数時間かかることがあるので、平日の午前中など、何かあってもすぐ動ける時間に実行してください。

切り替わったら、すぐに301リダイレクトを設置します。Google検索セントラルのURL の変更を伴うサイト移転でも、URLが変わる移転では旧URLから新URLへ恒久的なリダイレクト(301)を設定することが案内されています。リダイレクトを何段も経由させず、旧URLから最終的な新URLへ直接向けるのがポイントです。

リダイレクトをどこに書くかは、契約しているサーバーの構成で変わります。Apache系で .htaccess が使える共用サーバーなら、次のように .htaccess に書きます。自社のサーバーで .htaccess が使えるか、使えない場合は何で設定するかは、契約先のマニュアルで確認してください。書き方はURL対応表の1行につき1行ずつです。

# [設置場所]新しいWordPressサイトのドキュメントルート直下の .htaccess
# [重要]WordPress が自動で書き出す「# BEGIN WordPress」の行より【上】に貼ること
# [前提]Apache系で .htaccess と mod_alias が使えるサーバーであること(契約先のマニュアルで確認)

<IfModule mod_alias.c>
# 左が旧URL(ドメインより後ろ)、右が新URL。[ここを自社のURL対応表に合わせて書き換える]
RedirectMatch 301 ^/company/index\.html$ /company/
RedirectMatch 301 ^/service/service1\.html$ /service/web/
RedirectMatch 301 ^/blog/2019/0304\.html$ /news/spring-campaign/

# 移行しないページは、いちばん近い内容のページかトップへ送る
RedirectMatch 301 ^/old/campaign2018\.html$ /

# フォルダごと廃止する場合は、その配下をまとめて1か所へ
RedirectMatch 301 ^/old/.*$ /
</IfModule>

Redirect ではなく RedirectMatch を使い、^$ で挟んでいるのは意図的です。Apache公式のmod_alias の Redirect ディレクティブには、リクエストURLの先頭が指定したパスと一致した場合にリダイレクトすると書かれています。つまり /service/service1.html のつもりでも /service/service10.html のような後ろに文字が続くURLまで一致します。^…$ で囲んだ RedirectMatch なら完全一致になり、この事故を防げます。ドット(.)の前のバックスラッシュも必要です。

httpsへの統一やwwwありなしの統一も同じ.htaccessで行います。書き方と順序は.htaccessでhttpをhttpsへ301リダイレクト|コピペ設定と失敗回避wwwあり・なしをhtaccessで統一する手順と注意点にまとめています。設置後にサイトが開かなくなったら、たいていリダイレクトが無限に回っています。その場合はリダイレクトループの原因切り分けと直し方|htaccess対処の切り分け手順で原因を絞り込んでください。

公開切替の前に確認する10項目

切り替え当日に慌てないよう、前日までに次を確認します。上から順につぶしてください。

  • 検索エンジンの設定:テスト中にかけたインデックス回避の設定を解除したか
  • 電話番号と住所:全ページで現在の情報になっているか(旧サイトの古い番号が残りがち)
  • フォーム:自分宛てにテスト送信し、受信できたか。自動返信も届くか
  • リンク切れ:ページ内のリンクが旧サーバーのURLを指していないか
  • 画像:本文の画像URLが新サーバーのものになっているか
  • SSL:httpsで鍵マークが出るか。鍵が出ない場合はSSL化しないとどうなるか|無料で対応する手順と失敗回避を確認
  • スマホ表示:実機で全ページを1回ずつ開く。パソコンの画面幅を狭めただけの確認では足りない
  • 301リダイレクト:URL対応表の旧URLを5本ほど実際にブラウザに打ち、新URLへ飛ぶか
  • アクセス解析:GA4のタグが新サイトに入っているか
  • 旧サイトのバックアップ:旧サーバーのファイル一式をローカルに保存したか

この章の結論。移行の作業量は「ページを移す時間」ではなく「URL対応表の行数×リダイレクト1本」で決まります。ページの中身はAIで速くできますが、対応表とリダイレクトだけは人が1本ずつ確認する部分だと考えてください。

ホームページビルダー22などの旧バージョンでWordPressを編集する使い方と、その限界

「ホームページビルダー22 WordPress 使い方」で探している方への回答です。結論から言うと、ホームページ・ビルダーでWordPressを編集する運用は、ソフト側が対応していれば可能です。ただし旧バージョンを使い続けるほど、確認すべきことが増えます。WordPress側は毎年更新される一方で、ソフト側は購入した時点のWordPressに合わせて作られているからです。

お使いのバージョンで、どのWordPressまで対応しているのか、何ができて何ができないのかは、ジャストシステムの製品ページと同社のサポート情報で確認してください。ここは製品の世代ごとに事情が違うため、一般論で判断せず、必ずメーカーの案内を一次情報として当たる部分です。

そのうえで、ソフトでWordPressを編集し続ける運用には、機能とは別の3つの制約があります。ここは実際に運用してみないと気づきにくい部分です。

  • 更新できる人がPCに縛られる:ソフトが入ったパソコンからしか更新できません。WordPressの管理画面ならブラウザさえあれば、営業先からスマホでお知らせを1本出せます。担当者が休みのときに誰も更新できない、という状態が生まれやすい
  • 2つの編集経路ができる:ソフトからの編集と管理画面からの編集が混在すると、どちらが最新か分からなくなります。片方で直した内容がもう片方の操作で戻る、という事故が起きる
  • ソフトのバージョンアップが運用コストになる:WordPress側が更新されるたび、ソフト側の対応を待つか、買い替えるかの判断が発生します。買い替えの費用と製品構成は、ジャストシステムの製品ページで最新の情報を確認してください

この章の結論。ソフトでWordPressを編集する使い方は、担当者が1人で、その1台のパソコンから更新すると決まっている場合には成立します。複数人で回す、外出先から更新する、という予定があるなら、移行のタイミングで管理画面での運用に切り替えてしまうほうが後が楽です。

移行後に何が変わるか。効果と、順位が戻るまでの見方

いちばん大きく変わるのは、更新1本にかかる時間と、更新できる人の数です。ソフトを立ち上げてページを直し、FTPで転送して確認する、という一連の流れがなくなり、ブラウザで書いて公開ボタンを押すだけになります。ソフトの起動とFTP転送の工程が丸ごと消えるぶん、お知らせ1本の公開にかかる手数は確実に減ります。

あわせて、移行時にまとめて片付くものがあります。スマホ表示、SSL、フォームの3つです。ビルダー製の古いサイトは、この3つがどれも中途半端なまま止まっていることが多く、移行はそれを一度に解消する機会になります。

作業量とコストの見当をつける

費用の見当をつけるための考え方を書きます。作業量から逆算するのがいちばん確実です。

まず、自社のサイトから1ページだけ選んで、実際に本文の移し替えから確認までを最後までやってみてください。その1ページにかかった時間が、自社の単価になります。あとはページ数を掛ければ、実作業の総量が出ます。ページの作りによって差が大きいので、他社の数字を借りるより、自社で1ページ測るほうが精度が高くなります。

そこにデザインの用意、フォームの設定、リダイレクトの設置と検証が加わります。総量が出れば、自社でやるなら「週に2時間ずつ」といった現実的な計画が立てられます。

外注する場合は、その見積もりに何が含まれるかを見積書で確認してください。見積もりの差がいちばん出るのは、ページ数ではなくリダイレクトの設置と検証、画像内テキストの打ち直しです。「移行10ページ一式」とだけ書かれた見積もりは、この2つが入っていない可能性があります。費用の内訳の見方はホームページ制作会社の選び方|費用相場と失敗しない判断軸にまとめています。

検索順位は移行直後に一度ぶれる

移行後、検索結果が旧URLから新URLへ置き換わるまでには時間がかかります。Google検索セントラルのURL の変更を伴うサイト移転でも、移転の処理には時間がかかることが案内されています。つまり、切り替えた翌日に検索結果が入れ替わることはありません。

数週間は順位や表示回数が上下します。ここで慌てて設定をいじると、かえって時間がかかります。やるべきことは3つだけです。

  • Search Consoleでサイトマップを送信する
  • 旧URLが新URLへ301で飛んでいるかを確認する
  • カバレッジのエラーを見る

新しいURLがなかなか登録されない場合はインデックス未登録の原因と再登録の手順で切り分けてください。

この章の結論。移行の効果は「更新の速さ」で先に出て、「検索での見え方」は数週間から数か月遅れて出ます。切り替え直後の数字だけを見て成否を判断しないでください。

ホームページビルダーからの移行でよくある失敗と回避法

ここに挙げるのは、ビルダーからWordPressへ移すときにだけ起きる失敗です。順に確認してください。

失敗1。公開中のフォルダに直接WordPressを入れて、サイトが消える

いま動いているサイトと同じサーバー、同じ公開フォルダにWordPressをインストールしてしまうケースです。公開フォルダにWordPressのファイルが加わると、サーバーの設定によっては、作りかけのWordPressのほうが会社のトップページとして表示されます。作業が数日に及ぶ間、ずっとその状態になりかねません。

回避法は、ステップ1で書いたとおり、本番ドメイン以外のドメインにテストサイトを立てることです。同じサーバーでも、ドメインが違えばフォルダが分かれるので旧サイトは無傷で残ります。

失敗2。Shift_JISのページをソースからコピーして、全ページ文字化けする

古いビルダー製サイトはShift_JISで保存されていることがあります。ソースをそのままコピーしてWordPressに貼ると、意味不明な記号の羅列になります。厄介なのは、10ページ移し終わってから気づく点です。1ページ目を貼った直後に必ず表示を確認してください。

回避法は2つです。作業前に charset= を確認すること。そして、ソースからではなくブラウザの表示画面からコピーすることです。すでに化けてしまった場合、直すより貼り直したほうが速いことがほとんどです。

失敗3。旧サイトのFTP設定を残したまま、あとで上書きされる

移行が終わったあと、ホームページ・ビルダーには旧サイトの転送設定(サーバーのアドレスとパスワード)が残ったままになります。半年後、誰かが「ちょっと1か所直そう」とソフトを開いて転送を実行すると、WordPressのファイルの上に古いHTMLが上書きされます。実際に起きます。

回避法は3つ、切り替え当日にやってください。

  • ソフト側の転送設定を削除する
  • サーバーのFTPパスワードを変更する
  • 社内に「更新はWordPressの管理画面から」と一言共有する

失敗4。画像になっている見出しをそのまま移して、中身が空のページになる

サービス名やキャッチコピーが画像で作られているページを、画像のまま移してしまうケースです。見た目は旧サイトと同じですが、そのページに文章としてのテキストがほとんど存在しない状態になります。検索エンジンにも生成AIにも、何のページか読み取れません。

回避法は、移す前に各ページを開いて「文字を選択できるか」を確認することです。ドラッグしても文字が選択できない部分は画像です。そこはテキストとして打ち直し、画像はイメージ用として残すか外します。

失敗5。リダイレクトを1行のワイルドカードで済ませて、全ページがトップに飛ぶ

「.htmlで終わるURLを全部トップへ」と1行で書いてしまうパターンです。設置直後は404が消えるので成功したように見えますが、会社概要を探して来た人も、サービス紹介を探して来た人も、全員トップページに着地します。探していた情報にたどり着けず、そのまま離脱します。

回避法は、URL対応表の1行につき1本ずつリダイレクトを書くことです。手間ではありますが、20ページなら20行です。どうしても対応するページが無いものだけ、まとめてトップへ送ってください。

この章の結論。5つのうち4つは、切り替え当日か作業初日に防げるものです。テストサイトで作る、文字コードを最初に見る、FTP設定を消す、この3つを予定表に入れておいてください。

移行を頼む側が見落とすこと。見積もりと運用の妥協点

ここは、教科書的な手順書には書かれていない部分です。移行を検討している方から実際によく相談される内容を、率直に書きます。

「同じデザインのまま移してください」がいちばん高くつく

移行の相談で多いのが、この依頼です。気持ちは分かるのですが、ビルダーのサイトはテーブルで組まれたレイアウトが多く、それをWordPressのテーマで1ピクセル単位で再現しようとすると、テーマを一から作ることになります。結果として、新しいデザインで作り直すより高くなるのが普通です。

現実的な妥協点は、「ロゴと色と、掲載する情報の順番は引き継ぐ。レイアウトはテーマの標準に合わせる」という線引きです。この一文を見積もり依頼に入れるだけで、金額も期間も大きく下がります。

ドメインの管理情報が分からない、が最大の詰みポイント

技術的にいちばん厄介なのは、実は移行作業ではありません。独自ドメインを誰が、どこで管理していて、そのIDとパスワードが分かるかどうかです。10年前に頼んだ制作会社が取得したまま連絡がつかない、担当していた社員が退職している、というケースは珍しくありません。

ネームサーバーを変更できなければ、どれだけ立派なWordPressを作っても本番ドメインで公開できません。だから移行を考え始めたら、最初にやるのはWordPressの選定ではなく、ドメインの管理画面にログインできるかの確認です。ここが不明なら、その調査から段取りしてください。期限切れのリスク管理も含めてドメイン・SSL期限切れでサイトが止まる前に|更新管理の手順にまとめています。

移行後の保守を誰が見るかを決めていない

WordPressは、ソフトで作る静的なサイトと違って、放置すると危なくなります。本体とプラグインの更新を止めると、乗っ取りの対象になります。ビルダーのサイトは更新しなくても壊れなかったので、この差は移行してから初めて実感することになります。

月にどれくらいの手間と費用がかかるかはWordPress保守費用の相場と内訳|何にいくらかかるかで内訳を整理しています。自社で見るなら、更新作業を月1回、誰の予定に入れるかまで決めてから移行してください。

なお、ページの下書きや文章の整理はAIでかなり巻き取れますが、URL対応表の突き合わせと切り替え当日の判断は人がやる部分です。この線引きの考え方はAIホームページ作成5ステップ|ツール選びとプロンプト例で詳しく扱っています。

この章の結論。移行を止めるのは技術ではなく、デザイン再現への期待、ドメイン管理情報の所在、保守の担当者の3つです。この3つに答えを出してから見積もりを取ると、話が一気に進みます。

よくある質問

ホームページ・ビルダーの転送機能で、WordPressのサーバーに上書きしてしまいました。戻せますか

上書きされたのがテーマや画像などのファイルだけなら、記事や設定はデータベース側に残っているので復旧できることが多いです。まず追加の転送を止めてください。そのうえで、契約中のサーバー会社に自動バックアップがあるか、何日前まで戻せるか、復元にどんな手続きが必要かを、契約先のマニュアルとサポート窓口で確認してください。バックアップの有無や保持期間はサーバー会社によって違います。上書き後に新しく書いた記事があるかどうかで手順が変わるので、判断に迷ったら触らずに相談することをおすすめします。

ホームページビルダー22で作ったプロジェクトのデータを、WordPressに読み込ませることはできますか

お使いのバージョンのデータをWordPressで扱えるかどうかは、ジャストシステムの製品情報とサポート情報で確認してください。この記事の手順は、そうした変換に頼らず、サーバーに公開されているHTMLファイルと画像から移す前提で書いています。編集用データは、移行中に旧ページを見返すためのバックアップとして手元に残しておいてください。

旧サイトのファイルは、切り替えたあとすぐ消していいですか

すぐには消さないでください。旧サーバーの契約は最低1か月、できれば3か月残すことをおすすめします。移行漏れのページが後から見つかったときに、旧サイトが残っていれば中身を確認できるからです。あわせて、ファイル一式を必ずローカルにもダウンロードして保管してください。

5ページしかない小さなサイトでも、WordPressに移す意味はありますか

更新の予定があるかどうかで決まります。今後お知らせやブログを書いていくなら移す価値があります。年に1回しか直さず、内容もほぼ固定なら、無理にWordPressにせず、より軽い作り方のほうが管理は楽です。ページ数ではなく「今後1年で何回更新するか」で判断してください。

移行作業中、旧サイトは表示され続けますか

テストサイトで作業していれば、旧サイトはそのまま表示され続けます。表示が切り替わるのは、ネームサーバーを新しいサーバーに向けた瞬間です。反映には数時間かかることがあり、その間は人によって新旧どちらかが表示されます。切り替えは業務時間中に行い、両方で問い合わせを受けられる状態にしておくと安心です。

まずは今日、1つだけ確認してください

旧サイトのトップページをブラウザで開き、HTMLソースを表示して(Google Chromeなら右クリックのメニューか Ctrl+U / Macは Command+Option+U)、charset= の値がUTF-8かShift_JISかだけ見てください。1分で終わりますが、これで移行作業の面倒さが半分くらい見えます。そのうえで移行後の更新体制まで考えたい方は、更新されないサイトの信用低下を直す更新体制の作り方|担当と頻度も参考になります。

ここまで読んで、URL対応表とリダイレクトのところで手が止まりそうだと感じた方は、一度お話を聞かせてください。コレットラボのホームページ制作・運用支援では、移行だけでなく、切り替え後に検索とAI検索でどう見つけてもらうかまで含めて設計しています。現状のサイトを見せていただいて、移すべきページの整理をするだけでも大丈夫です。ホームページ制作・運用の詳細はこちらからお気軽にどうぞ。

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