LINE公式アカウントでできること一覧|BtoBで使う機能の選び方
この記事の要点
- できることは送る・答える・集める・測るの4分類。目的別の一覧表で整理
- BtoBで常用するのは5機能。まず動かすのは3つだけでいい
- 標準機能では誰がクリックしたか分からない。限界と回避策を本文で解説
LINE公式アカウントでできることは、大きく4つに分かれます。「メッセージを送る」「問い合わせに答える」「友だちを集める」「反応を測って守る」です。この4つの中に、あいさつメッセージ、リッチメニュー、応答メッセージ、ステップ配信、1対1チャットといった機能がぶら下がっています。
BtoBの会社が実際に毎月さわるのは、この中の5機能ほどです。機能は数十ありますが、全部使う必要はありません。
この記事は、法人でLINE公式アカウントを導入するか検討している方、あるいは開設したものの何から使えばいいか決めきれていない方に向けています。読み終わる頃には、自社で使う機能を5つ以内に絞り、最初の1か月にやることが決められる状態を目指します。なお、各機能の仕様・料金・提供条件は変更されることがあるため、設計に組み込む前にLINEヤフー for Business の公式マニュアルで最新の内容を確認してください。スマホアプリと管理画面(PC)で使える機能の差についてはLINE公式アカウントのアプリでできること|PCが要る作業の分け方で解説しています。この記事は端末ではなく、機能そのものの一覧です。
Contents / 目次
BtoBで実際に使う機能は5つ。できること全体の一覧
結論から書きます。BtoB(法人向け商材)でLINE公式アカウントを運用する場合、毎月さわる機能は次の5つに落ち着きます。それ以外は、必要になったときに足せばいい機能です。
- あいさつメッセージ:友だち追加された相手に自動で届く1通。ここが実質的な初回営業になる
- リッチメニュー:トーク画面に常設できる画像メニュー。資料請求・問い合わせ・事例へ誘導する
- 応答メッセージ(自動応答):特定のキーワードに自動で返す。営業時間外の一次対応に使う
- 1対1チャット:担当者が個別に返信する。BtoBではここが商談の入口になることが多い
- ステップ配信:あらかじめ決めた順番と間隔で自動送信する。問い合わせ後のフォローに使う
なぜこの5つなのか。BtoBは友だちの数が数十〜数百と少なく、一斉配信で数を打つモデルが成立しにくいからです。友だちが少ないほど、1回の配信で反応する人数も限られます。それより、追加してくれた1人に確実に情報を届け、その人が知りたいときに自分で取りに来られる状態を作るほうが成果につながります。だから、自動で届く「あいさつメッセージ」と、いつでもそこにある「リッチメニュー」が主役になります。
下の表が、できること全体の一覧です。BtoBでの使いどころと、最初に手をつけるべきかどうかを併記しました。
| やりたいこと | 使う機能 | BtoBでの使いどころ | 最初にやるか |
|---|---|---|---|
| 登録直後に自己紹介する | あいさつメッセージ | 会社概要・資料・問い合わせ先を1通に集約 | ◎ 最初にやる |
| いつでも見られる入口を置く | リッチメニュー | 資料請求/料金/事例/担当に相談の4枠 | ◎ 最初にやる |
| 営業時間外に一次対応する | 応答メッセージ | 「見積」「営業時間」などのキーワードに自動返信 | ◎ 最初にやる |
| 個別にやり取りする | 1対1チャット | 担当者が見積・日程調整をその場で返す | ○ 2か月目から |
| 登録後に順番にフォローする | ステップ配信 | 問い合わせ→事例→料金→面談案内の順で自動送信 | ○ 2か月目から |
| 全員に一斉に知らせる | メッセージ配信 | セミナー告知、価格改定、年末年始の営業案内 | △ ネタがある月だけ |
| 反応した人にだけ再送する | オーディエンス/絞り込み配信 | 前回クリックした人へ追いかけ配信 | △ 友だちが増えてから |
| 画像で商品を見せる | リッチメッセージ/カードタイプメッセージ | 製品カタログ、導入事例の一覧 | △ 必要になったら |
| 意見を聞く | リサーチ(アンケート) | セミナー後のアンケート、興味分野の聞き取り | △ 必要になったら |
| 来店・再購入を促す | クーポン/ショップカード | BtoBではほぼ使わない(店舗向けの機能) | × 不要なことが多い |
| 友だちを広告で集める | 友だち追加広告 | 展示会前後の認知獲得 | × 予算がある場合のみ |
| 自社システムとつなぐ | Messaging API/Webhook | 顧客管理システムと連携し、誰が反応したかを特定 | × 標準機能で足りなくなってから |
| 複数人で安全に運用する | 権限管理/2段階認証 | 担当者の追加・削除、退職時の引き継ぎ | ◎ 最初にやる |
この章の結論。機能の多さで迷う必要はありません。BtoBならあいさつメッセージ・リッチメニュー・応答メッセージの3つを先に動かし、友だちが増えてきたら1対1チャットとステップ配信を足す。この順番で決められれば、機能一覧を最後まで読む必要はなくなります。
LINE公式アカウントでできること一覧。目的別の4分類
ここからは、できることを目的別に4つに分けて見ていきます。個別の設定手順まで書くと一覧として読めなくなるので、この章は「何ができるか」と「どういう場面で効くか」までにとどめ、詳しい手順はそれぞれの解説記事に分けています。
1. メッセージを送る機能
LINE公式アカウントの中心は、こちらから届ける機能です。メールと違って、スマホの通知に直接出るのが最大の違いです。
- あいさつメッセージ:友だち追加された相手に自動で届くメッセージ。設定しないと何も届かないので、開設したらまず設定する。文面はLINE公式アカウントのあいさつメッセージ例文|作り方と5ステップを参考にしてください
- メッセージ配信:友だち全員、または条件で絞った相手に送る。予約配信ができるので、平日朝10時などに合わせて仕込める
- ステップ配信:あらかじめ決めた順番と間隔で自動送信する機能。問い合わせ後のフォローを人に任せず回せる。配信の開始条件や間隔の指定方法はLINEヤフー for Business の公式マニュアルで最新の仕様を確認してください
- 絞り込み配信(セグメント配信):属性や条件で対象を絞って送る。ただし後述するとおり、友だちが少ないBtoBでは制約がある
- リッチメッセージ・カードタイプメッセージ:画像やカード形式で見せる配信。製品一覧や事例紹介に向く
- 通知メッセージ:電話番号をもとに送れる仕組み。利用できる業種・用途・申請の条件が定められているため、自社が対象かどうかはLINEヤフー for Business の公式マニュアルで確認してください
配信で見落とされがちなのが通数の数え方です。数え方や無料通数の扱いはプラン改定で変わることがあるので、年間予算を組む前にLINE公式アカウントの料金プラン(LINEヤフー for Business)で最新の内容を確認してください。自社での圧縮の考え方はLINE公式メッセージ通数の数え方と上限|コスト圧縮の設定手順で整理しています。
2. 問い合わせに答える機能
受け取る側の機能は、BtoBで最も効きます。電話とメールの一次対応をここに寄せられるからです。
- 1対1チャット:管理画面またはアプリから、担当者が個別に返信する。履歴が会社のアカウントに残るのが、担当者の個人LINEとの決定的な違い
- 応答メッセージ:相手の送った言葉に含まれるキーワードに反応して自動返信する。「営業時間」「見積」「資料」などを登録しておく
- 応答モードの設定:人が返すか自動で返すかを管理画面で切り替える設定。モードの名称や選べる区分は変わることがあるので、設定前にLINEヤフー for Business の公式マニュアルで現在の仕様を確認してください。切り替えの考え方はLINE公式の応答モード切り替え設定|手動チャットとBot併用のコツにまとめています
- リッチメニュー:トーク画面に常設できる画像メニュー。よくある質問への答えをここに集めておくと、問い合わせ自体が減ります
3. 友だちを集める機能
友だちが増えないと、どの機能も動きません。BtoBの場合、集める場所は展示会・名刺交換・メール署名・自社サイトの4か所に集中します。
- 友だち追加用のURL・QRコード:名刺、資料の裏表紙、メール署名に載せる。作り方と載せ方はLINE友だち追加URLの作り方|名刺・署名に載せる導線設計で解説しています
- 友だち追加時の特典(クーポン等):BtoCでは割引券が定番ですが、BtoBでは「登録者限定の資料」「チェックリスト」のほうが反応します
- 友だち追加広告:LINEの広告面から友だちを直接集める。予算が必要になるため、出稿前にLINEヤフー for Business の公式サイトで最新の提供内容を確認してください
- LINE VOOM:タイムライン形式の投稿機能。BtoBでは優先度が低く、後回しで問題ありません
4. 反応を測る機能と、アカウントを守る機能
意外と見られていないのが、この4つ目です。ここを最初に決めておかないと、半年後に「結局どうだったのか」が誰にも分からなくなります。
- 分析:友だち追加数、ブロック数、配信ごとの開封数・クリック数が見られる。ただし集計値であって、個人単位の名簿としては出てきません
- オーディエンス:条件に合う友だちを集団としてまとめ、次の配信対象にできる機能。作成できる種類や条件はLINEヤフー for Business の公式マニュアルで確認してください。設定手順はLINE公式のオーディエンス設定|反応した友だちに再配信する手順をご覧ください
- 権限管理:管理者・運用担当者などの権限を分けて付与する。担当が2人以上いる会社では必須です
- 2段階認証・ログイン管理:アカウントの乗っ取りを防ぐ土台。法人の運用ではLINE公式アカウントを安全に運用する3つの土台|法人の乗っ取り対策の内容を先に押さえておくと安心です
この章の結論。4分類のうち、BtoBで真っ先に価値が出るのは「問い合わせに答える機能」です。配信で売るのではなく、聞かれたことにすぐ答える窓口として置く。この位置づけが決まると、使う機能の取捨選択が一気に楽になります。
導入から運用開始までの5ステップ
機能が分かったら、あとは順番に手を動かすだけです。ここでは、開設から最初の配信までを5ステップに分けます。かかる時間は社内の決裁の進み方で大きく変わります。
ステップ1. アカウントを開設し、認証申請を出す
開設自体は無料で、メールアドレスがあれば作れます。法人の場合、担当者の個人メールではなく会社支給のアドレスで作ってください。退職時にアカウントごと迷子になるのを防ぐためです。手順はLINE公式アカウントの作り方|法人が開設する手順と必要なものにまとめています。
開設したら、認証済アカウントの申請も出しておきましょう。申請には審査があり、結果が出るまで日数がかかります。認証済アカウントで使える機能や条件は変わることがあるので、申請前にLINEヤフー for Business の公式マニュアルで最新の内容を確認してください。
ステップ2. 使う機能を3つに絞って、あいさつメッセージを書く
最初にオンにするのは、あいさつメッセージ・リッチメニュー・応答メッセージの3つだけです。ここで欲張って全部設定すると、後述する「二重配信」の失敗が起きます。
あいさつメッセージの文面は、次のテンプレートをそのまま自社の情報に置き換えて使えます。BtoB向けに、売り込みを1行も入れていないのが特徴です。
[会社名]の公式LINEにご登録いただき、ありがとうございます。
こちらでは、[扱っている商材]に関するご相談を承っています。
お見積り、納期のご確認、仕様のご質問など、このトークにそのまま送ってください。
担当者が営業時間内(平日9:00〜18:00)に順次お返事します。
▼よくいただくご質問
・料金の目安 → メニューの「料金」から
・導入事例 → メニューの「事例」から
・すぐ相談したい → このまま用件を送信してください
お電話でのご連絡をご希望の場合は、
「電話希望」とだけ送っていただければ、こちらから折り返します。
[会社名]
TEL [電話番号]/ 担当 [部署名]
この文面で外せないポイントは、次の3つです。
- 返信可能な時間帯を明記する。BtoBの相手は「いつ返ってくるか」を気にします
- そのままトークに送っていいと明示する。企業アカウントは返信できないと思っている人もいるため、この1行で相手が動きやすくなります
- 電話に切り替える言葉を用意しておく。急ぎの相手が迷わずに済みます
ステップ3. リッチメニューを4枠で作る
リッチメニューは、トーク画面に常設できるメニューです。BtoBなら6分割より4分割か3分割が扱いやすく、枠は次の割り当てから始めるのがおすすめです。
- 資料をもらう(会社案内・製品カタログのPDFへ)
- 料金の目安を見る(自社サイトの料金ページへ)
- 導入事例を見る(実績ページへ)
- 担当者に相談する(トーク送信を促すメッセージ、または問い合わせフォームへ)
画像はCanvaなどで作れます。サイズの決め方と作成手順はLINEリッチメニューのサイズ一覧|3分割・6分割の画像の作り方、ラベルの言葉選びはLINEリッチメニューの項目の決め方|テンプレートとラベル例を参考にしてください。
ステップ4. 応答メッセージのキーワードを決める
自動応答は、登録するキーワードの数を最初から増やしすぎないことです。BtoBなら、次の5語から始めれば十分に機能します。
| 登録するキーワード | 返す内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 平日9:00〜18:00、土日祝休み。時間外は翌営業日に返信する旨 |
| 見積、見積もり | 見積依頼に必要な項目(数量・納期・仕様)を箇条書きで返す |
| 資料、カタログ | 資料のダウンロードURL |
| 電話 | 代表番号と、折り返し希望の場合の伝え方 |
| 住所、アクセス | 所在地と最寄り駅、駐車場の有無 |
「見積」への自動返信は、そのまま次の文面が使えます。相手に何を書けばいいか分からせるのが目的です。
お見積りのご依頼、ありがとうございます。
下記の3点をこのトークに送っていただければ、
営業時間内に担当者からご連絡します。
1. ご希望の品目・仕様
2. 数量
3. ご希望納期
図面やお写真がある場合は、そのまま添付してください。
不明な点があれば「相談」とだけ送っていただいても構いません。
設定しても反応しないときは、多くの場合キーワードの一致設定か応答モードが原因です。原因の切り分けはLINE応答メッセージが反映されない原因と直し方|部分一致設定にまとめました。
ステップ5. 月1回見る数字と当番を決める
最後に運用のルールを決めます。ここを飛ばすと、3か月後に誰も触らないアカウントになります。決めるのは次の項目です。開設した週のうちに、この表を埋めてしまってください。
- チャットの一次返信担当:誰が、何分以内に返すか(BtoBなら営業時間内2時間以内が現実的)
- 返信できないときの代役:担当が外出・休暇のときに誰が見るか
- 月次で見る数字:友だち追加数、ブロック数、チャット件数、配信のクリック数の4つ
- 権限の棚卸し日:年に1回、管理画面に残っているアカウントを確認する日を決める
月次の作業の分け方はLINE公式アカウントの運用方法|月次の作業と担当の分け方で具体的に書いています。
この章の結論。開設からここまでで、判断すべきことは「使う機能を3つに絞る」「返信の当番と時間を決める」の2点だけです。この2つが決まっていれば、残りの設定作業は手を動かすだけで終わります。
AIで置き換わる部分と、標準機能だけで足りる部分
2026年時点で、LINE運用のうちAIに寄せられるのは「文章を書く作業」と「返信の下書き」です。逆に、設定そのものはAIに任せる対象ではありません。管理画面での設定は数分で終わる作業なので、そこを自動化しても得るものが少ないからです。
現実的に効くのは次の使い方です。
- 配信文の下書き:セミナー告知や価格改定の案内など、月1〜2回の配信文をAIに書かせる。自社の言い回しに直す作業は人が行う
- チャット返信の下書き:よくある質問への返信文をAIに数パターン作らせ、定型文として管理画面に登録しておく
- 応答メッセージのキーワード出し:「この業種で、顧客がLINEで送ってきそうな短い言葉を30個挙げて」と頼み、そこから自社に合うものを選ぶ
AIに渡す材料は、自社サイトの製品ページのテキスト、過去の問い合わせメールの要約、想定読者(役職・会社規模)の3つで足ります。出発点としては、次の程度の短い指示で十分です。あとはAIとやり取りしながら詰めていくほうが、作り込んだ長文の指示を用意するより早く仕上がります。
あなたはBtoB企業のLINE配信を担当する広報担当です。
下記の情報をもとに、LINE公式アカウントの配信文を3案作ってください。
・扱う商材 [ ]
・読む人 [役職・会社規模を入力]
・今回の用件 [セミナー告知/価格改定の案内/新製品の紹介など]
・入れたい事実[日時、場所、価格、URLなど。ここに無いことは書かないでください]
条件
・全角300文字以内
・冒頭2行で用件が分かるようにする
・絵文字は使わない
・「ここに無いことは書かない」を厳守する
出てきた文章は、次の3点だけ人が確認してください。ここを見ないまま送ると事故になります。
- 日時・価格・URLが、元の資料と1字ずつ合っているか(AIは数字を書き換えることがあります)
- 書いていない機能・実績を勝手に足していないか
- 自社の呼び方(御社/貴社、サービス名の表記)が社内ルールと合っているか
配信文をAIに書かせるとき、顧客名・案件金額・個人の連絡先をそのまま貼り付けないでください。入力してよい情報の線引きはLINE配信文をAIに書かせる時の情報漏洩対策|安全なプロンプト設計で整理しています。
なお、LINE公式アカウントの管理画面側にもAIを使った機能が順次追加されていますが、名称や提供範囲は変わることがあります。使えるかどうかは、公式のヘルプで執筆時点の状況を確認してください。
この章の結論。AIに寄せるのは文章を作る工程だけで、設定と最終確認は人の手元に残ります。返信の下書きを速くする運用はLINE返信が遅い現場をAI下書きで速くする運用手順|7割自動で具体的に解説しています。
導入3か月で見える変化と、工数の試算
正直に書くと、LINE公式アカウントを入れて3か月で売上が跳ねる、ということはBtoBではほとんど起きません。友だちが数十人の状態で配信しても、母数が小さいからです。最初に変わるのは、売上ではなく社内の工数です。
たとえば、セミナー案内を50社に送っている会社を考えます。下の表の数値は実測ではなく、作業の内訳を見るために置いた想定値です。実際にかかる時間は業種や体制で大きく変わります。
| 作業 | メールでやる場合(想定) | LINEに移した場合(想定) |
|---|---|---|
| 案内文の作成 | 20分 | 10分(AI下書き+修正) |
| 宛先の確認・分割送信 | 20分 | 2分(予約配信を1回設定) |
| 前日リマインド | 15分 | 2分(予約配信を1回設定) |
| 合計 | 55分 | 14分 |
この表はあくまで想定値なので、削減できる時間の数字をそのまま自社に当てはめないでください。押さえるべきなのは、「宛先を確認して分割送信する作業が消える」という構造のほうです。ここはどの会社でも同じように起きます。実際にどれだけ変わるかは、自社の作業時間を1回測ってから比べてください。リマインドの組み方はLINEリマインドでセミナーのドタキャンを防ぐ|3段階配信の文面例に文面例つきでまとめました。
もうひとつ、コストの試算も先にやっておいてください。自社の友だち数と月の配信回数を書き出し、料金プランごとの無料通数と突き合わせれば、有料プランが必要になるタイミングが事前に分かります。無料通数や超過分の扱い、通数の数え方はプランによって異なるため、LINE公式アカウントの料金プラン(LINEヤフー for Business)で現在の条件を確認してください。プランの違いと選び方はLINE公式アカウントの料金プラン|無料と有料の違いと選び方で解説しています。
あわせて、料金体系の改定が告知されることもあるため、年間予算を組むときは公式の料金ページで最新の内容と適用時期を確認してください。通数を予測してコスト超過を防ぐ考え方はLINE料金改定2026年10月対応。AIで通数予測しコスト超過を防ぐで整理しています。
3か月続けている会社に共通しているのは、配信の回数が多いことではなく、リッチメニューの中身を1回以上更新していることです。メニューは一度作ると放置されがちですが、よく聞かれる質問が変わったら枠を差し替える。この習慣がある会社は、チャットの問い合わせが具体的な内容に変わっていきます。
この章の結論。最初の3か月で追う数字は、売上ではなく「配信・リマインド作業にかかっていた時間」と「月の通数」の2つです。この2つなら1か月目から測れるので、続けるかどうかの判断ができます。
一覧を見て導入した会社がやりがちな失敗5つ
ここからは、機能一覧を見て「これも使える、あれも使える」と設定を進めた結果、実際に起きている失敗を挙げます。どれも、機能が多いことそのものが原因になっているものです。
失敗1. 全部オンにして、同じ内容が二重に届く
あいさつメッセージ、応答メッセージ、ステップ配信の1通目をそれぞれ設定すると、友だち追加した直後に似た内容が2通、3通と続けて届きます。受け取る側からすると、登録した瞬間に通知が連打される状態です。BtoBの相手ほど、これで即ブロックされます。
防ぎ方は、次の3つを順番にやることです。
- 登録直後に届くものを1通だけに決める(あいさつメッセージか、ステップ配信の1通目か、どちらか)
- あいさつメッセージを使うなら、ステップ配信の1通目は翌日以降に届くよう間隔をあける
- 設定を保存する前に、自分のスマホで実際に友だち追加して、何通届くかを数える
失敗2. 絞り込み配信を使うつもりで設計したが、対象を絞れず送れない
「性別や地域で絞って送れる」と一覧で見て、セグメント配信を前提に計画を立てる会社があります。ところがBtoBは友だちが数十人ということが珍しくなく、その人数では想定どおりに絞り込めないことがあります。友だち数の条件や絞り込みに使える項目は変わることがあるので、設計に組み込む前にLINEヤフー for Business の公式マニュアルで、自社の友だち数で使えるかを確認してください。
防ぎ方は、友だちが少ないうちは絞り込み配信を前提にしないことです。代わりに、チャットのタグ機能で自分たちの手で分類しておく。この地道な運用のほうが、BtoBでは確実に効きます。やり方はLINE顧客台帳の作り方|タグでリピート客を見える化する運用手順にまとめています。
失敗3. 応答モードの設定が合っておらず、自動応答が動かない
応答メッセージを一生懸命作ったのに、テストしても何も返ってこない。よくある原因のひとつが、応答モードの設定です。応答モードによって自動返信の動き方が変わるため、設定した内容がそのまま動くとは限りません。
防ぎ方は、設定を保存したあと必ず自分のスマホから実際にキーワードを送って確かめることです。管理画面のプレビューだけで済ませないでください。営業時間内は人が返し、時間外は自動で返す、という併用にしたい場合の考え方は応答モードの記事に整理しています。
失敗4. 通知メッセージを「友だちがいなくても送れる万能機能」だと誤解する
一覧で名前だけを見て、名刺交換した相手全員に一斉に送れると思ってしまうケースがあります。実際には、使える用途や条件が決まっており、営業の一斉案内に自由に使えるものではありません。
防ぎ方は、自社の用途が対象になるかを、設計に組み込む前に確認することです。利用条件は変わることがあるため、LINEヤフー for Business の公式マニュアルで最新の条件を見てください。使い方の全体像はLINE通知メッセージの送り方|友だち未登録でも届く5ステップで解説しています。
失敗5. 担当者1人のスマホだけで運用し、履歴が引き継げなくなる
営業担当が自分のスマホにアプリを入れて対応を始め、他の誰も管理画面に入れない状態になっている会社があります。この状態で担当が異動・退職すると、過去のやり取りを誰も追えず、次の担当は一から関係を作り直すことになります。
防ぎ方は、開設した時点で管理者を2名以上にしておくことです。権限は最小限にし、退職時に外す手順まで先に決めておく。手順はLINE公式アカウントの運用担当者を削除する進め方|退職時の引き継ぎに書いています。
この章の結論。5つの失敗はすべて「一覧に載っている機能を、条件を確かめずに設計に組み込んだ」ことから起きています。機能を追加する前に、自分のスマホで1回テストする。この一手間だけで4つは防げます。
BtoBでLINEを使うときの限界と、現場での妥協点
できることを一覧で並べると万能に見えますが、BtoBで使うと必ずぶつかる壁があります。導入前に知っておいたほうがいいので、率直に書きます。
誰がクリックしたかが分からない。これが最大の限界です。標準の分析画面で見られるのは、クリック数・開封数といった集計値です。「A社の田中さんが料金ページを見た」という個人単位の情報は出てきません。BtoBの営業は、まさにその情報が欲しいわけですが、標準機能では取れないのです。
ここを解決するには、Messaging APIを使って自社システムとつなぐか、外部のLINE連携ツールを入れることになります。APIで何が取得でき、何ができないかはLINE Developers の Messaging API ドキュメントで確認してください。いずれにしても開発費や月額費用が発生するので、友だちが数十人の段階では割に合いません。現実的な妥協点は、条件でまとめた集団に再配信するオーディエンス機能でしのぎながら、友だちが増えて配信の反応に差が見えてきた時点で連携を検討することです。APIでできることの範囲はLINE Messaging APIでできること|無料枠と料金・トークン発行手順にまとめています。
相手がLINEを仕事で使っていない場合がある。製造業や建設業では現場担当者がLINEを日常的に使っている一方、金融・官公庁関連では業務端末でLINEを使えない会社もあります。名刺交換のたびにLINE登録を勧めても、断られ続けることになります。ここは業種で相性が分かれるので、既存顧客10社ほどに「LINEでのご連絡は可能ですか」と聞いてから本格導入を決めるのが確実です。
通知の時間帯に気を使う必要がある。メールと違い、LINEはスマホの通知として即座に出ます。BtoCなら夜21時の配信も成立しますが、BtoBで20時に一斉配信すると「プライベートに踏み込まれた」と受け取られます。配信は平日の9〜18時に限定し、予約配信で仕込む。これはルールとして決めてしまってください。
運用代行に出す場合、範囲の線引きが曖昧になりやすい。「LINE運用をお願いします」とだけ発注すると、配信文の作成は含むが、チャットの一次返信は含まない、といった認識のずれが起きます。BtoBのチャットは見積や仕様の話が入るので、外部に完全に任せられません。見積もりを取るときは「配信の企画・制作」「リッチメニューの制作」「チャット返信」「分析レポート」の4項目に分けて、どれが含まれるかを確認してください。範囲の決め方はLINE公式アカウント運用代行の費用相場と頼める範囲の決め方で整理しています。
この章の結論。LINE公式アカウントは、BtoBでは「営業の見込み管理ツール」ではなく「問い合わせの窓口と、資料の置き場」として考えたほうがうまくいきます。個人単位の行動を追いたくなった時点が、API連携や外部ツールを検討するタイミングです。
LINE公式アカウントのできることについて、よくある質問
無料プランのままだと、できることは減りますか
プランによって主に変わるのは、月に送れるメッセージの通数です。どの機能がどのプランで使えるか、無料通数を超えたときの扱いがどうなるかは改定されることがあるので、公式の料金プランページで現在の条件を確認したうえで、友だちが増えてきたら有料プランを検討してください。
BtoBで友だちが50人しかいません。それでも使う意味はありますか
あります。ただし使い方が変わります。50人なら一斉配信ではなく、1対1チャットとリッチメニューを主役にしてください。既存取引先50社が見積や納期をLINEで送れるようになるだけで、電話とメールの往復が減ります。配信で新規を取る発想は、友だちがもっと増えてからで十分です。
営業担当の個人LINEでやり取りするのと、何が違いますか
いちばんの違いは、やり取りの履歴が会社側に残ることです。個人LINEだと、担当が退職した時点で過去のやり取りが会社から消えます。公式アカウントなら複数人で同じトークを見られ、権限の付け外しもできます。担当者の携帯番号を顧客に渡さずに済む点も、法人では大きな違いです。
一覧にある機能で、申し込むだけでは使えないものはありますか
あります。認証済アカウントの審査を通らないと使えない機能や、利用条件・申請が必要な機能があります。対象となる機能や条件は変わることがあるので、使いたい機能が決まったら、公式のヘルプで執筆時点の条件を確認してください。認証申請自体は開設直後に出しておくのが無難です。
リッチメニューは作らないとダメですか
必須ではありませんが、BtoBでは優先度が高い機能です。設定しないとトーク画面にメニューが出ないだけで、相手は何ができるアカウントか分かりません。画像を作る時間がなければ、まず1枚に文字だけを置いた簡素なものでも構いません。反応を見ながら差し替えていけば十分です。
今日やる最初の一歩
まずは自社のスマホで自分のLINE公式アカウントを友だち追加して、追加直後に何通届くかを数えてみてください。1分で終わりますが、これだけで「二重配信になっていないか」「あいさつメッセージが未設定のままか」がその場で分かります。
そのうえで配信の中身を整えたい方は、LINE公式アカウントで集客と売上を伸ばす初動3ステップと配信設計を続けて読むと、最初の3か月にやることが具体的に決まります。
機能の取捨選択や、自社の業種でLINEが向いているかどうかの判断は、社内だけで決めきるのが難しい部分です。もし迷っているところがあれば、現状を整理するだけでも構いませんので、気軽にお声がけください。お話を聞かせていただければ、どこから手をつけるべきかを一緒に進めます。
LINEに限らず何から始めるか迷っているなら、LINE活用も含むWeb集客支援でご相談をお受けしています。
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