LINE公式アカウントの作り方|法人が開設する手順と必要なもの

LINE公式アカウントの作り方|法人が開設する手順と必要なもの

この記事の要点

  • 法人の開設は無料。必要なものは会社のメールと基本情報など4点
  • 開設7ステップを解説。公開前チェックリスト付き
  • 作る前に決めるのは店舗ごとに分けるかどうか

LINE公式アカウントは、法人でも無料で作れます。用意するのは会社で使えるメールアドレス、会社の基本情報、アカウント画像、そして会社で受けられる電話番号の4点です。作業そのものは30分ほどで終わります。

この記事は、社内で「LINEをやろう」という話が出て、開設を任された広報・営業・店舗の担当者に向けて書いています。読み終わる頃には、開設の手順に加えて、作る前に社内で決めておくべきことまで判断できる状態を目指します。

仕様や料金は改定されることがあるため、この記事では判断の順番を中心に書き、最新の仕様はLINEヤフー for Business「LINE公式アカウント マニュアル」LINE公式アカウントの料金プラン(公式)で確認できるようにしています。以下、公式の案内を指す場合はこの2つを指します。

扱うのは開設と初期設定までです。無料枠の通数や有料プランの詳しい中身はLINE公式アカウントの料金プラン|無料と有料の違いと選び方で、開設後の月次の運用は別記事で解説しています。

Contents / 目次
  1. 法人がLINE公式アカウントを作るのに必要なもの4点
  2. LINE公式アカウントの作り方。法人が開設する7ステップ
  3. LINE公式アカウントの作り方で「無料」はどこまでか。料金がかかる境目
  4. 開設のときにやりがちな失敗4つと、その防ぎ方
  5. 開設は30分、運用は毎月続く。法人が見落とすコストと体制
  6. 開設して3ヶ月後、うまくいくアカウントの共通点
  7. 公開前チェックリスト
  8. LINE公式アカウントの作り方でよくある質問
  9. まず今日やる1つのこと

法人がLINE公式アカウントを作るのに必要なもの4点

法人がLINE公式アカウントを開設するのに必要なのは、次の4点です。法人登記簿や印鑑証明のような書類は、開設の時点では要りません。

LINE公式アカウントとは、企業や店舗がLINE上で友だちとつながり、メッセージやクーポンを送れるビジネス向けのアカウントです。個人が使うLINEとはアプリも管理画面も別で、複数人で管理できるように作られています。

必要なもの中身法人での注意点
会社で使えるメールアドレスログイン用のLINEビジネスIDを作るのに使う個人のフリーメールや担当者個人のアドレスにしない。info@ など部署で共有できるものにする
会社の基本情報正式名称、店舗名、住所、営業時間、ホームページのURL会社サイトやGoogleビジネスプロフィールの表記と一字一句そろえる
アカウント画像プロフィールに出る正方形の画像(ロゴなど)トーク一覧では小さく丸く表示される。文字が多いロゴは読めなくなるので、シンボル部分だけを使う判断もある
会社で受けられる電話番号本人確認や各種申請の場面で使う担当者の携帯ではなく、代表番号など会社で受けられる番号にしておく

開設そのものに費用はかかりません。どの機能が無料の範囲で使えるかはプランの内容によって変わるため、開設前に料金プランのページ(公式)で確認してください。お金がかかり始めるのは、送るメッセージの通数が無料の範囲を超えたときです。

開設前に社内で決めること。作業に入る前に、次の2つだけは決めてください。

  • 誰のメールアドレスで作るか:ログインの入り口になるため、あとから変えるのに手間がかかる
  • アカウントを店舗・ブランドごとに分けるか、1つにまとめるか:分け方を変える判断は、作り直しに近い作業になりやすい

この章の結論として、法人のLINE公式アカウントは「お金の準備」ではなく「情報と体制の準備」で決まります。必要なものは4点そろえれば足り、迷うのは費用ではなく、誰の名義で作りアカウントをいくつ持つかという社内の決めごとのほうです。

LINE公式アカウントの作り方。法人が開設する7ステップ

開設から公開までは7つのステップに分かれます。実作業は30分ほどですが、ステップ1の準備とステップ7の判断に時間をかけるほど、あとで作り直す確率が下がります。

なお、管理画面のメニュー名やボタンの位置は更新されることがあります。画面上の名称で迷ったときは、LINE公式アカウント マニュアル(LINEヤフー for Business)で最新の表記を確認してください。ここでは、画面が変わっても通用する「何を・どの順で決めるか」を中心に書きます。

ステップ1. 会社の情報とアカウント画像をそろえる

先に材料を集めます。開設フォームの入力途中で情報を探し始めると、中途半端な状態で保存することになり、それがそのまま公開されてしまいます。

そろえるのは、上の表の4点に加えて次の情報です。テキストファイルに貼り付けておくと、入力が数分で終わります。

  • アカウント名:友だちのトーク一覧に出る名前。会社名だけにするか、サービス名や店舗名を入れるかを決める
  • 業種:開設時に選ぶ。実態に一番近いものを選ぶ(あとから変更できるが、仮置きのまま忘れやすい)
  • ひとこと紹介文:「何をしている会社で、このアカウントで何が届くか」を1〜2文で
  • 問い合わせ先:電話番号、ホームページURL、予約ページのURLなど

アカウント名は、友だちが検索するときに打つ言葉に寄せます。社名の知名度がまだ低いなら「◯◯(社名)|◯◯市の外壁塗装」のように、地域や扱う商材を入れたほうが見つけてもらえます。アカウント名は管理画面の「設定」>「アカウント情報」から変更しますが、変更できる回数や条件には制限があり、認証の状態によっても扱いが変わります。変更のルールはマニュアルのアカウント設定ページ(公式)で確認したうえで、名刺やチラシに刷る前に名前を確定してください

ステップ2. 会社のメールアドレスでLINEビジネスIDを作る

LINE公式アカウントの管理画面にログインするための入り口が、LINEビジネスIDです。登録は個人のLINEアカウントを使う方法と、メールアドレスを使う方法から選べます(アカウントの開設手順(公式マニュアル))。法人は、会社で共有できるメールアドレスを使う方法を選んでください。

個人のLINEアカウントで作ると、そのアカウントが会社の資産と紐づきます。担当者が退職したとき、機種変更でLINEにログインできなくなったときに、会社側から手が出せなくなります。実際、引き継ぎの相談で一番多いのがこのパターンです。

使うのは、部署で共有しているアドレス(info@、line@ など)が理想です。個人アドレスしか用意できない場合でも、開設後すぐに管理者を追加して、複数人がログインできる状態を作ってください。権限の考え方はLINE公式アカウントに管理者を追加する手順と権限の使い分けで詳しく解説しています。

ステップ3. アカウントを開設する

LINEビジネスIDでログインしたら、アカウント名・業種・会社情報を入力して開設します。ここで入力した内容が、そのまま友だちの画面に出ます。

開設した直後は、審査を受けていない状態のアカウントになります。審査を申請して認証済アカウントにするかどうかは、ステップ7で判断すれば十分です。区分ごとの違いはアカウントの種類(公式)にまとまっています。

項目未認証アカウント認証済アカウント
開設のしかた申し込んですぐ使える申請して審査を受ける
向いている状況まず社内やお客さまへ直接QRを配って始めたい店名・社名で探してもらう入口がほしい

認証の有無で何が変わるかは、LINEアプリ内での見つけられ方や、利用できるメニューの範囲に関わります。ここは追加・変更が続いている領域なので、開設前にアカウントの種類(公式)で現在の違いを確認してください。

ステップ4. プロフィールを、検索して来た人が読む前提で整える

プロフィールは「会社案内」ではなく「初めて開いた人が、次に何をすればいいか分かる場所」として作ります。設定は管理画面の「ホーム」>「プロフィール」から行います。表示できる項目は追加が続いているため、プロフィールの設定(公式マニュアル)で現在の仕様を確認しながら進めてください。

埋めるときの優先順位は次のとおりです。

  1. 住所・営業時間・電話番号を、会社サイトの表記とそろえて入れる
  2. 紹介文に「このアカウントで何が届くか」を書く(例=新商品の入荷と、友だち限定の割引)
  3. ボタンは、実際に押してほしいものだけ残す(予約・電話・ホームページなど)
  4. 画像は、トーク一覧の小さい丸表示で判別できるか実機で確認する

営業時間や定休日は、実態と1文字ずつ合わせてください。ここがずれていると、来店したお客さまが閉まっている店の前に立つことになります。年末年始や臨時休業の更新を誰がやるかも、この時点で決めておくと止まりません。

ステップ5. あいさつメッセージと応答モードを、公開前に設定する

友だち追加された瞬間に届くのが、あいさつメッセージです。初期設定のままだと定型文が送られるため、開設したその日に差し替えてください。

法人でそのまま使える文面の型を置いておきます。角かっこの中を自社の情報に入れ替えれば完成します。

友だち追加ありがとうございます。[会社名]です。

このアカウントでは、[配信内容を1つ。例=月1回の入荷情報と友だち限定クーポン]をお届けします。

ご相談やお見積もりは、このトークにそのままメッセージを送ってください。
平日9:00〜18:00に担当者が返信します。
時間外にいただいたメッセージは、翌営業日に返信します。

[会社名]
TEL [電話番号]
[ホームページURL]

ポイントは次の3つです。

  • 配信の中身を先に約束する:このアカウントで何が届くかを1つに絞って書く
  • 問い合わせの受け方を書く:このトークにそのまま送ってもらえることを伝える
  • 返信できる時間帯を明記する:時間外に届いた分をいつ返すかまで書く

この3つが書いてあるだけで、「登録したけど何が来るのか分からない」という理由のブロックが減ります。文面のバリエーションはLINE公式アカウントのあいさつメッセージ例文|作り方と5ステップにまとめています。

あわせて応答モードも確認します。応答モードとは、友だちからメッセージが届いたときに、自動で返すか人がチャットで返すかを切り替える設定です。ここを確認せずに友だちを集め始めると、問い合わせが届いているのに誰も気づいていない、という状態が起きます。設定の考え方はLINE公式の応答モード切り替え設定|手動チャットとBot併用のコツで解説しています。

文面づくりをAIに手伝わせるときの渡し方

あいさつメッセージや自動応答の文面は、AIに下書きさせると早く進みます。作り込んだ長いプロンプトは不要で、次くらいの短い出発点で十分です。あとは返ってきた案に対して「もっと短く」「敬語を柔らかく」と会話しながら詰めていきます。

あなたは[業種]の窓口担当です。
LINE公式アカウントのあいさつメッセージを3案書いてください。

・友だち追加の直後に届く1通目
・伝えること=[配信内容]/[問い合わせの受け方]/[返信できる時間帯]
・1案300文字以内、絵文字は[使う・使わない]

参考情報(そのまま貼る)
営業時間=
扱っている商品やサービス=
一番多い問い合わせ=

大事なのは、出てきた文章のどこを人が見るかです。確認するのは次の4点です。

  • 営業時間と返信の時間帯:実態と合っているか。AIは渡していない部分を自然な文章で埋めてくることがある
  • できないことの約束:「24時間対応します」「即日お見積もり」など、現場が守れない約束が混ざっていないか
  • 社内用語:お客さまが知らない略称や商品コードが残っていないか
  • 誇張表現:「業界No.1」「最安」など、根拠を示せない言い切りが入っていないか

なお、AIに渡す材料に顧客名簿や個人情報を混ぜないでください。何を渡してよくて何がだめかの線引きはLINE配信文をAIに書かせる時の情報漏洩対策|安全なプロンプト設計で整理しています。

ステップ6. 友だち追加の入口を1つだけ作る

公開したその日に、友だち追加の入口を最低1つ用意します。ここを飛ばすと、きれいに作ったアカウントに誰も入ってこないまま終わります。

最初の1つは、いま一番お客さまと接している場所に置いてください。目安は次のとおりです。

  • 店舗:レジ横のPOP
  • 営業中心の会社:メール署名と名刺
  • Web経由の問い合わせが多い:サイトのフォーム完了ページ

友だち追加用のQRコードとURLは、管理画面の「ホーム」>「友だちを増やす」>「友だち追加ガイド」から取得します。ここでQRコードの画像をダウンロードでき、同じ画面で友だち追加用のURLもコピーできます(画面の名称は友だちを増やす(公式マニュアル)で確認できます)。取得したQRコードはPOPやチラシに、URLは名刺・メール署名・サイトに使います。載せ方はLINE友だち追加URLの作り方|名刺・署名に載せる導線設計を参考にしてください。

入口を作るときに一緒に決めるのが、登録する理由です。「LINE始めました」だけでは登録されません。「友だち追加で、次回のお見積もりに使える割引をお送りします」のように、追加した直後に受け取れるものを1つ用意します。

ステップ7. 認証済アカウントを申請するかどうかを判断する

認証済アカウントの申請は、開設と同時にやる必要はありません。判断の分かれ目は、店名・社名で探してもらう必要があるかです。

店舗があり、来店前にLINEで探される可能性があるなら申請する価値があります。一方、BtoBで名刺・メール・商談から登録してもらう流れなら、未認証のままでも困る場面はほとんどありません。

審査の内容は申請してみないと分かりません。だから「この条件を満たせば通る」という書き方はできませんし、そう書いてある情報も鵜呑みにしないでください。申請前にできるのは、審査する側が実在を確認しやすい状態にしておくことです。

  • 会社情報の一致:アカウント名・住所・電話番号を、会社サイトや登記上の表記とそろえる
  • サイト側の記載:会社概要ページに、所在地・電話番号・事業内容が載っている状態にする
  • 業種の実態:選んだ業種と、実際にやっている事業が食い違っていないか確認する
  • 申請前の空白を埋める:プロフィールや紹介文が未入力のまま申請しない

申請が通らなかった場合も、アカウントが消えるわけではありません。未認証のまま運用を続けられます。慌てて作り直さず、情報の食い違いを直してから再度検討してください。

この章の結論として、開設作業そのものは短時間で終わり、成否を分けるのはステップ1の準備とステップ5の初期設定です。アカウント名と友だち追加の入口、そして最初の1通を用意できていれば、公開して問題ありません。

LINE公式アカウントの作り方で「無料」はどこまでか。料金がかかる境目

結論から言うと、作る作業と初期設定に費用は一切かかりません。有料になるのは、送るメッセージの通数が無料の範囲を超えたときだけです。次の表は料金プランのページ(公式)の区分をもとにしています。料金・機能は改定されるため、申し込み前に必ず公式で最新の内容を確認してください。

やること無料でできるか補足
アカウントの開設できる初期費用なし
友だちを集めるできる集めること自体に費用はかからない
1対1のチャットできる友だちからの返信に人が答える運用
全員や一部への一斉配信一定の通数まで無料無料枠を超えると追加費用が発生する
認証済アカウントの申請できる申請自体に費用はかからない

費用の計算でつまずきやすいのが、通数の数え方です。ここは配信の回数だけでは決まらず、届いた人数や吹き出しの数え方に細かい決まりがあります。無料枠を一気に減らさないためにも、開設前に料金プランのページ(公式)で数え方を確認しておいてください。

無料枠の通数、有料プランの区分、追加メッセージの単価は改定されることがあります。この記事では具体的な数値を書かず、LINE公式アカウントの料金プラン|無料と有料の違いと選び方と公式の案内に委ねます。通数の数え方と減らし方はLINE公式メッセージ通数の数え方と上限|コスト圧縮の設定手順で具体的に解説しています。料金体系は改定されることがあるため、開設時点の金額感で年間予算を固めるのは避けてください。

この章の結論として、開設段階で費用を心配する必要はありません。判断が必要になるのは友だちが増えて一斉配信を始めたときで、そのときに見るのは月額プランの名前ではなく、自社が月に何通送るかという実績値です。

開設のときにやりがちな失敗4つと、その防ぎ方

ここでは、開設や初期設定の段階でしか起きない失敗を挙げます。配信の中身やブロック率の話は運用が始まってからのテーマなので、別記事に譲ります。

失敗1. 担当者個人のLINEアカウントで開設してしまう

「とりあえず作っておいて」と言われた担当者が、自分のスマホの個人LINEを使って開設するケースです。その場では一番早く終わります。

問題が出るのは、その人が異動・退職したときです。ログインの入り口が個人アカウントに紐づいているため、会社側から管理画面に入れなくなります。友だちを数百人集めたあとにこれが起きると、実質的にゼロから作り直しになります。

防ぎ方は、ステップ2で書いたとおり、会社のメールアドレスでLINEビジネスIDを作ることです。すでに個人アカウントで作ってしまった場合は、いますぐ会社のアドレスで別の管理者を追加してください。担当者が抜けるときの段取りはLINE公式アカウントの運用担当者を削除する進め方|退職時の引き継ぎにまとめています。

失敗2. 店舗ごとに分けるかを決めないまま1つ作る

複数店舗や複数ブランドを持つ会社で起きます。とりあえず本社で1アカウント作り、各店のお客さまをそこに集めてしまうパターンです。

半年後、「A店のお客さまにだけA店のセールを送りたい」となったときに手詰まりになります。あとから店舗別のアカウントを新しく作った場合、集めた友だちは元のアカウントに残ります。新しいアカウントには、店頭やメールで登録し直してもらう前提で考えておいてください。

防ぎ方は、開設前に「配信内容が店舗ごとに違うか」を確認することです。判断の基準は次のとおりです。

  • 店舗ごとに送る内容が違う(セール・在庫・イベントが別):最初から店舗ごとに分ける
  • 送る内容が全店で同じ:1つにまとめて、友だちにタグを付けて店舗を区別する
  • 判断がつかない:まず1つで始める。ただし友だちにタグを付ける運用を最初から入れておき、あとで分ける余地を残す

タグ運用はLINE顧客台帳の作り方|タグでリピート客を見える化する運用手順を参考にしてください。

失敗3. 応答の受け皿を作らないまま友だちを集め始める

ポスターやメール署名にQRコードを出したあとで、友だちから届いた質問に誰も気づいていない状態です。トーク画面はスマホアプリでも見られますが、通知を受け取る人を決めていないと、そのまま数日放置されます。

お客さまからすると、LINEで送った質問に3日返事がないのは、電話をかけて誰も出ないのと同じです。開設直後にこれをやると、最初の数十人の印象がそこで決まります。

防ぎ方は、入口を作る前に「誰がスマホアプリを入れて通知を受けるか」「時間外に届いたメッセージにどう返すか」を決めることです。自動応答で「翌営業日に返信します」と伝えるだけでも、放置とは受け取られ方が変わります。スマホでできる作業とPCが要る作業の分け方はLINE公式アカウントのアプリでできること|PCが要る作業の分け方で整理しています。

失敗4. 開設した勢いで全員に一斉配信する

アカウントができた高揚感のまま、「開設しました」という挨拶を全員に送ってしまうパターンです。友だちがまだ社内の数人しかいない時期なら実害はありませんが、既存客のリストを一気に流し込んだ直後にやると、無料枠を意味のない1通で削ることになります。

さらに厄介なのは、その1通目が「このアカウントは自社の都合を送ってくる場所だ」という印象を作ってしまうことです。最初に届く内容は、そのアカウントを読み続けるかどうかの判断材料になります。

防ぎ方は、開設から最初の数週間は一斉配信をせず、あいさつメッセージ(友だち追加した人にだけ自動で届く)に働いてもらうことです。あいさつメッセージが通数としてどう扱われるかは料金プランのページ(公式)で確認したうえで、最初に届く1通に情報を寄せてください。

この章の結論として、開設段階の失敗はどれも「後から直せない」種類のものです。個人名義・アカウントの分け方・受け皿の3つは、友だちが増える前に手を打ってください。

開設は30分、運用は毎月続く。法人が見落とすコストと体制

ここまでの手順どおりに進めれば、開設は終わります。それでも、開設したアカウントの多くが数ヶ月で止まります。理由は機能の理解不足ではなく、開設の意思決定と運用の担当者が別だからです。

よくあるのは、経営層が「LINEをやろう」と決め、開設を若手に任せ、そのあと誰も配信内容を決めない、という流れです。開設した本人は「作ってと言われたから作った」ので、何を送るかまでは決められません。3ヶ月後、友だちが50人ほど集まったアカウントが更新されないまま残ります。

これを避けるには、開設の作業をお願いするときに、同時に次の3つを決めておくことです。

  1. このアカウントで達成したいこと(来店を増やす、電話の問い合わせを減らす、など1つに絞る)
  2. 月に何回、誰が配信するか(内容の決定者と、実際に送る人を分けて決める)
  3. 何を見て続けるか判断するか(友だち数だけでなく、来店やお問い合わせにつながった数)

工数の見積もりも、開設前に置いておくと社内の合意が取りやすくなります。かかる時間は配信の本数や作る素材によって大きく変わるため、一律の目安では語れません。文面づくり・画像づくり・実際の配信・数字の確認という作業が毎月発生することを前提に、自社の1回目を実測して見積もってください。月次でやる作業の一覧はLINE公式アカウントの運用方法|月次の作業と担当の分け方にまとめています。

文面や画像の下書きはAIに任せると速くなりますが、「誰に何を届けるか」の設計と、公開前の最終確認は人が持つ部分です。この線引きの詳しい話は、先ほど紹介したAI活用の記事に譲ります。

見落としやすいのが、開設後に発生する周辺の作業です。ビジネスマネージャーとの接続、料金体系の改定への対応、複数人で使う場合の権限整理など、開設時には存在しなかった作業が後から乗ってきます。ビジネスマネージャーの接続についてはLINEビジネスマネージャー接続の手順|中小企業の準備と失敗回避で解説しています。接続の要否や時期はLINEビジネスマネージャー マニュアル(公式)で確認してください。

この章の結論として、開設を判断するときに見るべきは「作れるかどうか」ではなく「毎月の作業時間を誰が出すか」です。ここが決まらないうちは、開設を急ぐ理由はありません。

開設して3ヶ月後、うまくいくアカウントの共通点

LINEを法人で使う土台は整っています。すでにお客さまが使っているアプリの中に入れるので、新しいアプリを入れてもらう必要がありません。

ただし、開設しただけでは何も起きません。3ヶ月後に成果が出ているアカウントには、共通する形があります。

  • 入口が2つ以上ある:店頭POPだけ、名刺だけ、で止まっていない。サイト・メール署名・請求書・納品書など、お客さまが必ず目にする場所に置いてある
  • 1通目が自動で届く:あいさつメッセージが作り込まれていて、追加した直後に「登録してよかった」と思える情報が届く
  • 配信の型が決まっている:毎回ゼロから考えず、月初は入荷情報、月末は限定案内、のように枠が決まっている
  • 月に一度、数字を見ている:友だち数だけでなく、ブロック数とリッチメニューのクリック数まで見て、翌月の内容を変えている

効果の規模は、業種と友だちの集め方で大きく変わるため、一律の数値では語れません。ただし構造ははっきりしていて、配信から生まれる動きは「友だちの数 × 反応した割合 × 客単価」で決まります。反応する割合は業種によって大きく差が出るので、自社の実績が出るまでは他社の数字を当てにせず、最初の数回の配信で自分の数字を測ってください。

逆に言えば、友だちが少ない状態で配信の中身だけを磨いても、動く金額は伸びません。開設から最初の3ヶ月でやるべきなのは、配信テクニックの習得より、入口を増やして友だちを集めることです。集め方はLINE公式の友だちが増えない原因と登録率を上げる導線の作り方で具体的に解説しています。

この章の結論として、開設直後に力を入れるのは「入口」と「1通目」の2つです。この2つが動き出してから、配信の内容やセグメントの話に進むのが順番として正しいです。

公開前チェックリスト

友だち追加の入口を外に出す前に、次の項目を上から確認してください。すべてスマホの実機で見るのがコツです。管理画面のプレビューと、実際のトーク画面では見え方が違います。

  • アカウント名:印刷物に載せる表記と一致しているか。変更が必要ならQRを配る前に済ませたか
  • アカウント画像:トーク一覧の小さい丸表示でも、何の会社か判別できるか
  • 営業時間・住所・電話番号:会社サイトの表記と一字一句そろっているか
  • あいさつメッセージ:初期設定の定型文のままになっていないか。返信できる時間帯を書いたか
  • 応答モード:問い合わせが来たときの動きを確認したか。通知を受ける担当者を決めたか
  • 管理者:ログインできる人が2人以上いるか。1人しかいない状態になっていないか
  • テスト追加:自分のスマホで実際に友だち追加し、1通目が届くところまで確認したか

特に最後のテスト追加は必ずやってください。設定したつもりで保存できていない、画像のリンク先が違う、といったミスはここでしか見つかりません。

LINE公式アカウントの作り方でよくある質問

個人のLINEを使っていなくても、法人でLINE公式アカウントは作れますか

作れます。LINEビジネスIDは、個人のLINEアカウントを使う方法とメールアドレスを使う方法から選べます(アカウントの開設手順・公式マニュアル)。法人は会社のメールアドレスで作るほうが望ましく、担当者が代わったときの引き継ぎも楽になります。

1つの会社で複数のLINE公式アカウントを作れますか。店舗ごとに分けるべきですか

複数作れます。分けるかどうかは、店舗ごとに送る内容が違うかで判断してください。内容が同じなら1つにまとめ、セールや在庫が店舗ごとに違うなら最初から分けたほうが安全です。あとから分けた場合、集めた友だちは元のアカウントに残るため、新しいアカウントには登録し直してもらう前提で考えておいてください。

開設したらすぐにLINEの検索結果に出てしまいますか

開設直後の未認証アカウントは、QRコードやURLを知っている人に追加してもらう使い方が中心です。検索から見つけてもらいたい場合は、認証済アカウントの申請を検討してください。区分ごとの違いはアカウントの種類(公式)で確認できます。

開設してから、どのくらいで配信を始めるのがいいですか

友だちが集まる前に一斉配信を始める必要はありません。まずはあいさつメッセージを整え、入口を作って友だちを集めることを優先してください。一斉配信は、送る内容の型と担当者が決まってからで十分間に合います。

まず今日やる1つのこと

この記事を閉じたら、社内で使えるメールアドレスを1つ決めてください。info@ でも line@ でも構いません。この1つが決まっていれば、開設作業は今日中に終わります。

アカウントを作ったあと、次に手を付けるのはリッチメニューです。トーク画面の下半分を占めるメニューがあるだけで、問い合わせの入口が分かりやすくなります。作り方はLINEリッチメニューの作り方|スマホとCanvaで無料で作るで、スマホと無料ツールだけで完結する手順を解説しています。

ここまで読んで、「作れそうだけど、続けられる体制が社内にない」と感じた方もいると思います。開設の判断、店舗ごとに分けるかどうか、誰が毎月手を動かすか。この整理だけでも一緒にやれると、そのあとの遠回りがかなり減ります。現状を聞かせていただくところからで構いませんので、気軽に声をかけてください。

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