個人事業主のLINE公式アカウントの作り方|開設条件と屋号
この記事の要点
- 個人事業主でも開設できる。法人格も開業届の提出実績も条件ではない
- アカウント名は屋号でも本名でも可。ただし本名では認証済を申請できない。認証済を申請するなら名義を先に決める
- 個人事業主固有の失敗は4つ。本文に状況と回避法を書いています
個人事業主でも、LINE公式アカウントは開設できます。法人格は要りません。開業届を出していなくても、屋号がなくても、アカウント自体は作れます。 ただし、作る前に「どの名義で出すか」と「どのIDで作るか」を決めておかないと、あとから戻せない場面が出てきます。
この記事は、ひとりで事業をしている方、これから開業する方に向けて書いています。読み終わる頃には、アカウント名に屋号を入れるか本名にするかを決めて、その日のうちに開設まで進められる状態を目指します。
扱うのは、個人名義で開設するときの条件・手順・名義の決め方です。法人名義で作る場合の手順と必要なものはLINE公式アカウントの作り方(法人が開設する手順)で解説しているので、会社として作る方は先にそちらをご覧ください。
この記事で扱う仕様・要件・料金は、いずれもLINEヤフーの運用で見直されることがあります。判断の前に、LINEヤフー for Business のLINE公式アカウント マニュアルとLINE公式アカウントの料金プラン(公式)で最新の内容を確認してください(2026年09月01日時点)。
Contents / 目次
個人事業主のLINE公式アカウント。開設条件と名義の結論
個人事業主がLINE公式アカウントを開設するのに、審査も法人格も必要ありません。 必要なのは、ビジネスID(2025年6月30日に「LINEビジネスID」から名前が変わりました)(ビジネス向けのログインアカウント)と、アカウント名にする名義の2つだけです。 開設作業そのものは、名義さえ決まっていれば30分もかかりません。
時間がかかるのは作業ではなく、その手前の判断です。個人事業主の場合、決めるのは次の3つです。
- どのIDで作るか:普段使っている個人のLINEアカウントで作るか、事業用のメールアドレスで作るか
- どの名義で出すか:屋号にするか、本名にするか、屋号と本名を併記するか
- 認証済を申請するか:未認証アカウントのまま使うか、審査のある認証済アカウントを申請するか
この3つのうち、後から変えるのに手間がかかるのが「名義」です。未認証アカウントであれば、アカウント名は管理画面のビジネスプロフィールから変更できます(ビジネスプロフィール(LINEヤフー公式マニュアル))。
認証済アカウントは、申請したあとはアカウント名を変更できません。審査を通ったあとも、屋号を正式に変えた場合などを除いて名称の変更は受け付けておらず、変える場合は再審査を受けます(認証済アカウントのアカウント名設定ルールと名称変更(LINEヤフー for Business))。だから、認証済を狙うなら名義を先に固める。これが順番です。
個人事業主の場合、屋号がなくても本名でアカウントを作って問題ありません。屋号があることは開設の条件ではありません。 ただし、お客さまから見て誰の事業か分かる名前になっているかは別の話で、これは後半の章で詳しく決めていきます。
未認証アカウントと認証済アカウントの違い
LINE公式アカウントには、申請なしですぐ使える未認証アカウントと、LINEヤフーの審査を通った認証済アカウントの2種類があります。 個人名や人を指す名称のアカウントは認証の対象外なので、本名だけの名前や、屋号に本名を添えた名前では、認証済アカウントを申請できません。申請の注意点は「認証済アカウント」申請の注意点とよくある質問(LINEヤフー for Business)に記載があるので、申請前にそちらで確認してください。
| 項目 | 未認証アカウント | 認証済アカウント |
|---|---|---|
| 開設までの時間 | その日のうちに使える | 審査に5〜10営業日かかる(審査中も未認証アカウントとして使える) |
| アカウント名の変更 | 管理画面から変更できる | 申請したあとは変更できない(屋号を正式に変えた場合などは再審査) |
| 本名のアカウント名 | 使える | 使えない(個人名は認証の対象外) |
| 向いている人 | まず友だちを集めて配信を試したい人 | 店舗や事務所があり、屋号が固まっている人 |
認証済アカウントの申請要件・必要書類・審査基準・審査にかかる期間は見直されることがあります。この記事では「順番」と「判断軸」だけを扱い、提出書類の一覧は書きません。申請する前に、必ずLINE公式アカウントの「認証済アカウント」とは?(LINEヤフー for Business)で最新の要件を確認してください(2026年10月10日時点)。
迷ったら、まず未認証アカウントで作ってください。認証済は後からでも申請できます。 逆に、名義を決めずに認証済まで走ると、屋号を変えたくなったときに申請をやり直す羽目になります。
この章の結論。開設に条件はほぼありません。決めるのは「ID・名義・認証済の有無」の3つで、順番は名義が先、認証済の申請が後です。
LINE公式アカウントの作り方。個人が開設する5ステップ
個人が開設する手順は5つに分かれます。作業時間はステップ1の判断を除けば30分程度、ステップ1で名義を決める時間が人によって数日かかります。
ステップ1. 開設前に決める6項目を書き出す
管理画面を開く前に、紙かメモアプリに次の6項目を書き出してください。ここを飛ばして作り始めると、入力画面で手が止まります。
- アカウント名(お客さまのトーク一覧に出る名前)
- ログインに使うメールアドレス(個人用ではなく事業用を推奨)
- 公開する連絡先(電話番号を出すか、LINEのトークだけにするか)
- 公開する所在地(自宅兼事務所なら市区町村までにするか、そもそも出さないか)
- 営業時間と、返信できる時間帯
- 友だち追加の入口を最初にどこに置くか(名刺、Instagramのプロフィール、請求書、店頭のPOPなど)
4番の所在地は、個人事業主がいちばん迷うところです。自宅で仕事をしている方は、番地まで書くと自宅の住所を公開することになります。実店舗を持っていない業種であれば、市区町村までにとどめるか、記載しない選択もあります。
ネットで商品やサービスを販売する場合は別の判断が要ります。事業者の氏名・住所・連絡先をどこまで表示する義務があるかは、事業の形態によって変わります。何をどこまで表示するかは、特定商取引法ガイド(消費者庁)で自分の販売形態が該当するかを確認したうえで、判断に迷う点は専門家に相談してください。この記事ではLINEの設定の話にとどめます。
ステップ2. ビジネスIDを作る。個人LINEで作るかメールで作るか
LINE公式アカウントの管理には、ビジネスIDというログイン用のアカウントが必要です。 作成方法はビジネスIDのマニュアル(LINEヤフー for Business)にまとまっているので、現在選べるログイン方法はそちらで確認してください。この記事を書いている時点では、普段使っている個人のLINEアカウントを使う方法と、メールアドレスで新しく作る方法があります。
個人事業主には、事業用のメールアドレスで作る方法をおすすめします。理由は3つあります。
- スマホの機種変更でつまずかない:個人LINEに紐づけていると、端末の移行に失敗したときにログイン経路がまとめて不安定になります
- あとで人に渡せる:家族や外注先に管理を手伝ってもらうとき、個人LINE紐づけだと自分のプライベートアカウントが起点になり続けます
- 事業とプライベートが混ざらない:通知も、ログイン中のアカウント表示も分かれます
すでに個人LINEで作ってしまった方も、慌てて作り直す必要はありません。管理者を追加する形で運用者を増やせるので、詳しくはLINE公式アカウントに管理者を追加する手順と権限の使い分けを参考にしてください。
なお、個人のLINEアカウントを商売に使ってよいかどうかは、LINEヤフー共通利用規約をご確認ください。友だち登録してもらって案内を送るような使い方をするなら、公式アカウントを開設するのが安全です。
ステップ3. アカウントを作成して、業種を選ぶ
ビジネスIDができたら、管理画面からアカウントを作成します。入力するのは、アカウント名・業種・所在する国や地域といった基本情報です。 画面の項目名や並びは更新されることがあるので、迷ったらLINE公式アカウント マニュアルの開設手順を見ながら進めてください。
業種の選択は、あとで見直せますが最初に考えて選んでおくと得です。個人事業主の場合、実際の作業内容と、お客さまが探すときの言葉がずれることがあります。たとえば「セラピスト」と名乗っていても、お客さまは「整体」や「リラクゼーション」で探します。自分の肩書きではなく、お客さまが使う言葉に近い分類を選んでください。
ステップ4. 公開前に埋める3つの設定
アカウントを作った直後は、友だちが追加しても何も返ってこない状態です。入口を告知する前に、次の3つを埋めます。
- あいさつメッセージ。友だち追加した直後に自動で届く1通目です
- 応答設定と応答メッセージ。応答時間を決め、その時間外に届いたメッセージへ自動で返す文面です
- プロフィールの基本情報。ステップ1で決めた連絡先・所在地・営業時間を反映します
ひとりで運用する個人事業主にとって、いちばん効くのは2番の応答メッセージです。返信が遅れること自体より、いつ返ってくるか分からないことが不満につながります。次のような文面をそのまま使えます。
【営業時間外の自動返信・コピーして使えます】
メッセージありがとうございます。
ただいま営業時間外のため、自動でお返事しています。
営業時間:平日10:00〜18:00
このメッセージには、翌営業日の午前中までにご返信します。
お急ぎのご用件は、お手数ですが下記までお電話ください。
TEL [電話番号を入力]
※ご予約の変更・キャンセルは前日18:00までにご連絡ください。
あいさつメッセージのほうは、自己紹介を長々と書くと最後まで読まれません。「お礼」「何を送るアカウントか」「次にしてほしい行動」の3点だけに絞ってください。
【あいさつメッセージ・コピーして使えます】
友だち追加ありがとうございます。
[屋号または本名を入力]の[担当者名を入力]です。
このアカウントでは、
・ご予約の受付とご相談
・空き枠のお知らせ(月2回ほど)
をお送りします。
ご予約・ご相談は、このトークにそのままメッセージを送ってください。
「はじめまして」の一言だけでも大丈夫です。
[よく聞かれる質問への回答を1つ入力。例:初回の所要時間は約90分です]
文面のバリエーションをもっと見たい方は、LINE公式アカウントのあいさつメッセージ例文と作り方にパターン別の例をまとめています。
ステップ5. 入口を1つ作って、自分のスマホで実機確認する
最後に、友だち追加の入口を1つだけ作って、自分の個人LINEで実際に友だち追加してみてください。ここを飛ばして告知すると、設定漏れに気づくのがお客さまになります。
確認するのは次の5点です。
- 表示名:トーク一覧で、名前の後半が省略されて読めなくなっていないか
- アイコン:小さく表示されたときに、何の事業か判別できるか
- あいさつメッセージ:改行が意図どおりか。[ ]の埋め忘れがないか
- 営業時間外の返信:時間外にメッセージを送って、自動返信が届くか
- プロフィール:出したくない住所や電話番号が表示されていないか
入口の作り方は、名刺やメール署名にURLを載せる形がいちばん早いです。手順はLINE友だち追加URLの作り方と名刺・署名への載せ方で解説しています。
この章の結論。手を動かす作業は30分で終わります。時間をかけるべきは、ステップ1の6項目とステップ5の実機確認で、この2つを飛ばした人だけが公開後に慌てます。
屋号の扱い。アカウント名を決める4パターン
アカウント名に屋号を入れるかどうかは、お客さまがあなたを何と呼んでいるかで決まります。屋号が浸透していないうちに屋号だけを出すと、トーク一覧に見慣れない名前が並び、誰からの通知か分からなくなります。
個人事業主の名義は、だいたい次の4パターンに収まります。
| パターン | 例 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 屋号のみ | ヘアサロン ◯◯ | 店舗があり、看板と屋号が一致している | 屋号を変えると認知をやり直すことになる |
| 屋号+サービス内容 | ◯◯/出張撮影 | 屋号だけでは何屋か分からない | 名前が長くなり、後半が省略されやすい |
| 本名のみ | 山田太郎 | 指名で仕事が来る士業・コンサル・講師 | 個人LINEと見分けがつきにくい。認証済アカウントは申請できない |
| 本名+業種 | 山田太郎(社労士) | 開業直後で屋号が固まっていない | のちに屋号へ寄せる想定を持っておく。この名前では認証済アカウントは申請できない |
開業して間もない方には、4番目の「本名+業種」が扱いやすい形です。屋号が固まる前に屋号だけで出すと、変えたくなったときに認知のやり直しが発生します。未認証アカウントのうちは名前を変更できるので、実態が固まってから寄せていけます。
開業届の屋号と、アカウント名は一致していなくてもいい
開業届に書いた屋号と、LINEのアカウント名が違っていても、LINEの開設や運用が止まることはありません。 屋号欄を空欄で提出していても同じです。開業届の書き方や屋号の法的な扱いは税務の領域なので、判断に迷う点は税理士に確認してください。
ただし、お客さま側から見た「名義のばらつき」は別問題です。名刺・請求書・Webサイト・LINEの4つで名前が違うと、お客さまは同じ事業者だと認識できません。振込名義だけが本名で、それ以外は屋号という状態でも、お客さまが同じ事業者か迷うことがあります。
実務として揃えるのは、次の3か所です。
- LINEのアカウント名
- 名刺と請求書の発行名義
- WebサイトやInstagramのプロフィール名
完全に同じ文字列にする必要はありません。「屋号が主、本名が従」という関係が、どこを見ても同じであれば十分です。たとえばLINEが「◯◯サロン」、請求書が「◯◯サロン(山田太郎)」なら、お客さまは迷いません。
アカウント名を決めるときの実務ルール3つ
名前の中身が決まったら、表示のされ方を確認します。トーク一覧では画面幅の分しか表示されないので、長い名前は後半が消えます。
- 大事な語を前に置く:「大分市の出張撮影 ◯◯写真」より「◯◯写真|出張撮影」のほうが、省略されても伝わります
- 記号を並べない:【】や★を先頭に置くと、肝心の名前が押し出されます
- 実機で見てから確定する:入力できる文字数は管理画面の入力欄で確認してください。認証済アカウントを申請する場合、アカウント名は20文字以内です(「認証済アカウント」申請の注意点(LINEヤフー for Business))。そのうえで、自分のスマホのトーク一覧でどう見えるかを必ず目視してください
この章の結論。屋号がなくても本名で始められます。決め手は法的な正しさではなく、名刺・請求書・Webサイトと並べたときに同じ事業者だと分かるかどうかです。
認証済アカウントを申請するかどうかの判断軸
認証済アカウントは、全員が取るべきものではありません。判断は「LINEアプリ内で名前を検索される可能性があるか」で決まります。検索される見込みがない事業で急いで申請しても、審査を待つ時間のぶんだけ着手が遅れます。
次の5つのうち、自分の事業に当てはまるものを確認してください。
- 店舗や事務所がある:お客さまが来店する場所を持っている
- 屋号が固まっている:今後1年、名前を変える予定がない
- 名前で探される:お客さまが屋号を覚えて検索する場面が想像できる
- 店頭で告知したい:ポスターやのぼりなど、販促物を使う予定がある
- 紹介が多い:口頭で店名を伝えられて、あとから探してもらう流れがある
数で決めるものではありません。判断の中心にあるのは2番目の「屋号が固まっている」で、ここが満たせないうちは申請しても名称変更のやり直しになります。屋号が固まっていて、そのうえで名前を検索される場面や店頭での告知が想像できるなら、申請を検討するタイミングです。屋号がまだ揺れているなら、未認証アカウントで友だちを集めて、配信の反応を見るほうが先です。
申請の順番として押さえてほしいのは、名義を決めきってから申請するという一点です。認証済アカウントは、管理画面からアカウント名を変更できません。名称を変えられるのは屋号を正式に変えた場合などで、そのときも再審査を受けます。申請要件と必要書類も変わることがあるので、着手前に「認証済アカウント」申請の注意点とよくある質問(LINEヤフー for Business)で最新の内容を確認してください。
この章の結論。認証済は「屋号で探される事業」のための仕組みです。屋号がまだ揺れている段階なら、申請は保留にして未認証で運用を始めるのが合理的です。
開設後3か月で変わること。個人事業主の成果の測り方
個人事業主がLINE公式アカウントを開設して最初に変わるのは、売上ではなく問い合わせ対応の往復回数です。電話とメールで日程や見積もりを詰めていたやり取りが、トーク上で完結する場面が出てきます。短縮の幅は業種と客層で大きく変わるので、他所の数字を借りずに自分の数字を測ってください。
測るのは次の3つで、どれも紙のメモで足ります。
- 1件あたりの往復回数:問い合わせから予約確定までに何回やり取りしたかを、5件ぶん数える
- 返信までの時間:受信から自分が返すまでの平均。営業時間外を含めるかは決めておく
- 入口別の友だち追加数:名刺経由、Instagram経由、店頭経由を分けて数える
たとえば往復5回・1回あたり3分かかっていたやり取りが、往復2回になれば1件あたり9分の短縮です。月に20件あれば3時間になります。これは実際の数字ではなく計算例ですが、こう置いてみると「どの数字が動けば意味があるか」がはっきりします。
3か月続けたあとは、管理画面の数字も見ます。管理画面のどこに何が表示されるかは更新されることがあるので、項目名と場所は分析(LINEヤフー公式マニュアル)で現在の画面を確認しながら見てください。見る数字は次の4つです。
- 友だち追加数の純増:追加された数から、ブロックされた数を差し引いて見る
- ブロック率:期間内のブロック数を追加数で割って出す
- 配信のクリック数:配信したメッセージが、どれだけ読まれてリンクを押されたか
- リッチメニューのクリック数:どのボタンが押されているか
このうち個人事業主が最初に見るべきなのは、友だち数ではなく純増です。追加が10人あってもブロックが8人なら、実質2人しか増えていません。指標の選び方はLINEのKPIは友だち数で見るな|売上を伸ばす指標と4ステップで詳しく解説しています。
ひとりで続けるなら、配信の本数を最初から絞っておくことが大切です。月2回と決めて、送る内容の型を決めてしまう。ひとりで運用する以上、毎回ゼロから考える設計にすると3か月で止まります。
この章の結論。成果は「往復回数」「返信時間」「純増」の3つで測れます。初月に自分の数字を取っておくと、続けるかどうかの判断が感覚ではなく数字でできます。
個人事業主がやりがちな失敗と、その回避法
ここで挙げるのは、個人事業主が開設するときに起きやすい失敗です。
失敗1. 個人のLINEアカウントでビジネスIDを作ってしまう
起きる状況。開設を急いでいて、いちばん早い方法として普段使いのLINEでログインしてしまうケースです。作業としては最短の方法です。
その結果。スマホを機種変更したときや、個人LINEの引き継ぎに失敗したときに、公式アカウントの管理画面へのログイン経路まで一緒に不安定になります。さらに、事業を手伝ってくれる人に管理を任せたいときも、自分のプライベートアカウントが起点のままになります。
防ぎ方。事業用のメールアドレスでビジネスIDを作り直すか、そのまま使う場合は管理者としてもう1つの経路を追加しておいてください。ひとり事業でも、ログイン経路が1本しかない状態は避けます。
失敗2. 屋号が固まる前に認証済を申請する
起きる状況。「認証済のほうが信頼される」と聞いて、開設した勢いのまま申請してしまうケースです。開業して数か月で、まだ事業の中身が動いている時期に多く起きます。
その結果。半年後にサービスの主力が変わり、屋号を変えたくなったときに、名称変更の申請から始めることになります。すでに名刺やチラシに旧屋号のQRコードを刷っていると、印刷物の作り直しも重なります。
防ぎ方。屋号を1年変えないと決められるまでは、未認証アカウントで運用してください。認証済でないと使えない機能があるかどうかは、LINE公式アカウントの「認証済アカウント」とは?(LINEヤフー for Business)で確認できます。自分が使いたい機能が未認証のままで足りるなら、急いで申請する理由はありません。
失敗3. 複数の事業を1つのアカウントに混ぜる
起きる状況。個人事業主は複数の顔を持っていることが多く、たとえば「サロン施術」と「講座・スクール」を同じアカウントで配信してしまうケースです。友だちを分けるのが面倒だから、という理由で始まります。
その結果。施術だけを受けたいお客さまに講座の案内が届き、講座の受講生に施術キャンペーンが届きます。どちらの層にとっても半分は不要な通知になり、ブロックにつながります。個人事業主は友だち数が少ないぶん、この取りこぼしが数字に直接出ます。
防ぎ方。お客さまの層が重ならないなら、アカウントを分けます。手順と、1つのログインでどこまでまとめて管理できるかはLINE公式アカウントを複数作る手順と分け方にまとめています。層が一部重なる程度であれば、タグで分けて配信を出し分ける方法もあります。
失敗4. 自宅の住所をプロフィールに載せてしまう
起きる状況。自宅兼事務所で仕事をしている方が、開業届に書いた住所をそのままプロフィールの基本情報に入力してしまうケースです。入力欄があると、埋めなければいけない気がしてしまいます。
その結果。来店型ではない事業なのに、自宅の番地が誰でも見られる状態になります。あとから消すことはできますが、その間に見られた情報は戻せません。
防ぎ方。ステップ1の段階で、住所を出す必要があるかを先に決めてください。お客さまが来る場所があるなら載せる、来ないなら市区町村までにとどめるか記載しない。判断の基準は「お客さまがそこへ行く用事があるか」の一点です。
この章の結論。4つとも、開設作業そのものではなく開設前の判断で防げます。ログイン経路・屋号の確定・事業の分け方・住所の公開範囲を、作り始める前に決めてください。
ひとりで運用する現実と、続けるための線引き
個人事業主のLINE運用でいちばん重い負担は、配信を作ることではありません。返信が来る場所を増やしてしまうことです。電話とメールに加えてLINEが増えると、確認する場所が3つになります。
返信が溜まると、管理画面を開くこと自体が負担になり、運用が止まる原因になります。ここは先に見積もっておいたほうがいい部分です。
受け口を増やす前に決める2つのこと
LINEを追加するなら、代わりに何かを減らすか、返信のルールを先に決めるかのどちらかが要ります。
- 確認する時間を固定する:「朝9時と夕方17時に見る」と決めて、応答メッセージにその旨を書いておく。常時見ている前提を作らないことが、続ける条件になります
- 電話をLINEに寄せる:名刺や請求書の連絡先で、電話番号よりLINEを目立たせる。受け口を増やすのではなく、移すという考え方です
返信の下書きをAIに作らせる方法もあります。ただし、個人事業主の場合はお客さまとの距離が近く、文面がそのまま関係性に出ます。定型の案内文だけAIに作らせて、個別のやり取りは自分で書く、という切り分けが現実的です。具体的な進め方はLINE返信をAI下書きで速くする運用手順にまとめています。
拡張ツールを入れるかどうかの線引き
LINE公式アカウントには、配信の出し分けや予約管理を強化する外部の拡張ツールがいくつもあります。ただし、開設したばかりの個人事業主が最初から入れる必要はほとんどありません。
判断の目安は「送りたい内容が、相手によって違うかどうか」です。全員に同じ内容を送っている段階では、拡張ツールを入れても使う場面がありません。友だちが増えて「新規のお客さまと常連さんに違う案内を送りたい」と感じ始めたときに、まず標準機能でどこまで出し分けられるかをLINE公式アカウント マニュアル(LINEヤフー for Business)で確認してください。標準機能で足りなければ、そこで拡張ツールの検討に進みます。
有料の拡張ツールを入れると、月額費用がかかります。個人事業主の場合、その費用が固定費として毎月効いてくるので、「配信を出し分けたら売上がいくら増えるか」を先に見積もってから決めてください。標準機能でできることの考え方はLINE公式アカウントでできること一覧でも解説しています。
見落とされがちな費用と経理
もう1つ、個人事業主にとって見落としやすいのが経理側の処理です。LINE公式アカウントの料金プランの区分・通数・金額は改定されることがあるので、LINE公式アカウントの料金プラン(LINEヤフー公式)で最新の内容を確認してください(2026年09月01日時点)。 プランの選び方の考え方はLINE公式アカウントの料金プラン|無料と有料の違いと選び方にまとめています。
支払いが発生したときの勘定科目と、確定申告に向けた領収書の扱いは、LINE公式アカウントの勘定科目と領収書の考え方で解説しています。仕訳の最終判断は顧問税理士に確認してください。
この章の結論。運用が止まる原因は配信ではなく返信です。確認する時間を先に決め、拡張ツールは「相手によって送る内容を変えたい」と感じてから検討してください。
開業届をまだ出していないのですが、LINE公式アカウントは作れますか
作れます。開設に開業届の提出は求められません。 これから開業する準備段階でも、本名で開設して問題ありません。ただし屋号を後で決める予定なら、認証済アカウントの申請は屋号が固まってからにしてください。認証済アカウントは、申請したあとはアカウント名を変更できないためです。
アカウント名を屋号にすると、お客さまに本名は表示されませんか
アカウント名を屋号にすれば、トーク一覧に出るのは屋号です。ただしプロフィールの基本情報に何を入力するかは自分で決められるので、そこで本名や住所を入れれば表示されます。また、ビジネスマネージャーで認証を受けた組織とつないでいる場合は、アカウント情報のページに、ビジネスマネージャーに登録した法人名またはビジネス名も表示されます(ビジネスプロフィール(LINEヤフー公式マニュアル))。 表示したくない項目は、開設時のステップ1で先に決めておいてください。
途中で屋号を変えたら、友だちは減りますか
名前を変えても友だちは減りません。ただしトーク一覧の表示名が変わるので、お客さまが「誰からの通知か分からない」と感じてブロックする可能性はあります。変更する場合は、変更前に1通「名称が変わります」と配信してから切り替えてください。
今使っている個人のLINEを、そのまま仕事の連絡に使い続けてはいけませんか
個人のLINEアカウントを商業目的で使ってよいかどうかは、LINEヤフー共通利用規約をご確認ください。 友だち登録を集めて案内を送るような使い方をするなら、公式アカウントの開設が安全です。すでに個人LINEでやり取りしているお客さまには、案内を出して移ってもらう形になります。
事業が2つあります。アカウントは分けるべきですか
お客さまの層が重ならないなら分けてください。片方にしか興味のない人へ両方の案内が届くと、ブロックの原因になります。 層が一部重なる程度なら、タグで分けて配信を出し分ける方法もあります。
今日の最初の一歩
まず、手元の名刺・請求書・Webサイトのプロフィールを並べて、そこに書かれている名義を書き出してください。3つが同じ形になっているかを見るだけで、LINEのアカウント名をどうするかは半分決まります。1分で終わります。
名義が決まったら、次はあいさつメッセージです。LINE公式アカウントのあいさつメッセージ例文と作り方を見ながら1通目を作れば、その日のうちに友だち追加の告知まで進めます。
ここまで読んで、名義の決め方や配信の型づくりを自分ひとりで判断するのが不安だと感じた方は、一度お話を聞かせてください。ホームページ、SNS、Googleマップ、LINEのどれから手をつけるか決まっていない段階からご相談いただけます。Web集客・Webマーケティングの相談をお受けしています。今の状況を伺うだけでも大丈夫です。
個別のご相談
サービスの選び方やご依頼について、ご相談いただけます。
相談する