LINE公式アカウントの勘定科目と領収書の考え方|インボイス対応の進め方

LINE公式アカウントの勘定科目と領収書の考え方|インボイス対応の進め方

この記事の要点

  • 勘定科目は「通信費」か「広告宣伝費」。どちらでも問題なく、社内で決めて継続して使う
  • LINE側から紙の領収書は届かない。支払い方法ごとに何を証憑にするかを本文で解説
  • インボイスは事業者名の事前登録がカギ。記載要件6項目のチェックリスト付き

LINE公式アカウントの利用料を、どの勘定科目で処理すればいいのか。そもそも領収書はどこからダウンロードするのか。ここで手が止まっている方は多いはずです。

この記事では、費用の勘定科目の決め方、支払い方法ごとの領収書(証憑)の出し方、インボイス制度への対応、そして月次の仕訳を短縮する進め方まで、経理の実務で使える形で解説します。想定読者は、自社でLINE公式アカウントを運用していて、その支払いを自分で経理処理している中小企業の経営者・経理担当・広報担当の方です。

読み終わる頃には、社内の経理ルールとして「この科目で、この書類を保存する」と決められる状態を目指します。なお、プランの選び方そのものは扱いません。まだ有料プランにするか迷っている段階の方は、先にLINE公式アカウントの料金プラン|無料と有料の違いと選び方を読んでから戻ってきてください。

Contents / 目次
  1. 結論。勘定科目は「通信費」か「広告宣伝費」。領収書は支払い方法で出方が変わる
  2. 支払い方法別。領収書・明細の出し方を4ステップで
  3. インボイス(適格請求書)はどう用意するか
  4. 料金の確認と仕訳。AIを使って月次を短縮する
  5. よくある失敗と回避法
  6. 現場で見える落とし穴と、正直な妥協点
  7. よくある質問
  8. まずは今日、支払い方法を1つ確認するところから

結論。勘定科目は「通信費」か「広告宣伝費」。領収書は支払い方法で出方が変わる

LINE公式アカウントの勘定科目と領収書の考え方|インボイス対応の進め方

先に結論をお伝えします。LINE公式アカウントの月額利用料や追加メッセージ料金は、「通信費」または「広告宣伝費」で処理するのが一般的です。どちらが正解というルールはありません。

勘定科目とは、お金の使いみちを分類するための名札のようなものです。法律で「LINEの利用料はこの科目」と決められているわけではありません。実務上は、誰が見ても内容が分かる科目を選び、一度決めたら継続して使うのが基本です。

迷ったときの判断軸はシンプルです。次のどちらかで社内で決めて、翌期以降も同じ科目を使い続けてください。

  • 通信費:既存のお客さまへの連絡・お知らせが中心の場合
  • 広告宣伝費:新規集客やキャンペーン告知など、販売促進が中心の場合

LINE関連費用の勘定科目の早見表

LINE周りの支出は、月額料金だけではありません。制作を外注したり、拡張ツールを契約したりすると科目が変わります。全体像を表にまとめました。

費用の内容おすすめの勘定科目選ぶ理由
月額プラン料金(固定費)通信費/広告宣伝費連絡手段としてなら通信費、販促目的なら広告宣伝費
追加メッセージ料金(従量課金)月額料金と同じ科目同じサービスの料金なので科目を分けない
LINE広告の出稿費広告宣伝費不特定多数への宣伝が目的で明確
リッチメニューやバナーの制作外注外注工賃(法人なら外注費)/広告宣伝費制作を外部に頼んだ対価。宣伝目的が明確なら広告宣伝費でも可
アカウント開設・初期設定の代行費外注工賃(外注費)役務の提供を受けた対価として処理
Lステップ等の拡張ツール月額支払手数料/通信費/広告宣伝費SaaS利用料。社内の既存ルールに合わせる
API連携システムの開発費外注工賃(外注費)/ソフトウェア金額と資産性によって資産計上の検討が必要

ポイント。科目そのものより「毎月同じ処理になっているか」の方が大事です。担当者が変わったタイミングで通信費と広告宣伝費が混在するのが、実務で一番ありがちな崩れ方です。

領収書は「発行される」のではなく「自分で用意する」もの

もうひとつの結論です。LINE公式アカウントの利用料について、支払いのたびに紙の領収書が届くことを前提にした運用は避けてください。ここが多くの方のつまずきポイントです。

経理実務では、支払い方法ごとに「これが領収書の代わりになる」という書類が決まっています。次の表のとおりです。

支払い方法証憑として使う書類入手先
クレジットカード払いカード会社の利用明細書カード会社の会員サイト・郵送明細
銀行振込振込明細書金融機関の窓口・ATM・ネットバンキングの完了画面
共通管理画面で確認できる利用・支払いの記録LINE公式アカウント管理画面

ここで押さえておきたいのは、カード会社や金融機関が出す書類と、管理画面で確認できる記録は役割が違うという点です。前者は「たしかにお金を払った」という支払いの証明、後者は「何にいくら使ったか」という取引内容の証明です。

消費税の仕入税額控除まで考えるなら、両方をセットで保存しておくのが安全です。理由は後半のインボイスの章で詳しく説明します。

自社が選択できる支払い方法と、その方法で入手できる書類の種類は、契約プランや時期によって異なります。最新の内容は、LINE公式アカウントの管理画面と、LINEヤフー株式会社の公式ヘルプで必ず確認してください。

経理処理上どうしても書類が必要な場合は、明細が手元に残るクレジットカード払いか銀行振込を選ぶのが確実です。

支払い方法別。領収書・明細の出し方を4ステップで

LINE公式アカウントの勘定科目と領収書の考え方|インボイス対応の進め方

ここからは実際の作業手順です。月次の締め作業で毎回やることなので、最初に一度ルール化してしまえば、以降は短時間で終わります。

ステップ1。自社の支払い方法を確認する

最初にやるのは、いま自社がどの方法で払っているかの確認です。ここが分からないまま「領収書がない」と探しても見つかりません。

いちばん確実なのは、自社の帳簿と口座から逆算する方法です。カード会社の利用明細に該当金額の記載があればクレジットカード払い、預金口座から振込で出金していれば銀行振込です。ここで支払い方法が特定できれば、以降の手順は決まります。

管理画面側で登録内容を確認したい場合は、メニュー名や画面の配置が変更されることがあるため、LINEヤフー株式会社の公式ヘルプで最新の導線を確認してください。なお、経理担当者が自分で管理画面を見られるようにするには、アカウントへの権限付与が必要です。権限の渡し方はLINE公式アカウントに管理者を追加する手順と権限の使い分けで解説しています。

現場でよくあるつまずき。開設した担当者の個人LINEアカウントに紐づいていて、経理担当が支払い関連の画面を見られない。この状態だと毎月その担当者に画面キャプチャを頼むことになります。最初に権限を整理しておきましょう。

ステップ2。クレジットカード払いなら利用明細を証憑にする

クレジットカード払いの場合、正式な支払いの証明になるのはカード会社が発行する利用明細書です。LINE側で領収書を探す必要はありません。

作業の流れは次のとおりです。

  1. カード会社の会員サイトにログインし、該当月の利用明細をPDFでダウンロードする
  2. 明細の中からLINE公式アカウントの利用料の行を特定する(表示名は加盟店名で出るため、初回は金額で照合する)
  3. 管理画面で同じ金額・同じ月の利用があることを確認し、画面をPDFとして保存する
  4. 2つのファイルを同じフォルダに、同じ命名ルールで保存する

ファイル名の付け方は、あとで探せることが最優先です。おすすめの命名ルールは「支払日_取引先_内容_金額」の形です。たとえば 20260731_LINEヤフー_LINE公式アカウント利用料_5500 のようにしておくと、税務調査や税理士からの問い合わせにすぐ答えられます。

ステップ3。銀行振込なら振込明細を保存する

銀行振込で支払っている場合は、金融機関が発行する振込明細書が領収書の代わりになります。窓口やATMで振り込んだ場合は、出てきた明細票をそのまま保存してください。

ネットバンキングで振り込んだ場合は、振込完了画面をPDFで保存します。

ここで注意したいのが、画面をスクリーンショットで撮って画像として保存する運用です。日付や金額の文字がつぶれていて後から読めない、というトラブルが実務では起きます。

ブラウザの印刷機能からPDFとして保存する方が確実です。

ステップ4。管理画面の利用内容をPDFで保存して締める

最後に、LINE公式アカウントの管理画面でその月の利用内容を確認し、画面をPDFとして保存します。月額プラン料金と追加メッセージ料金の区別が分かる形で残しておくと、金額が想定より膨らんだ月の原因調査にも使えます。表示できる項目や保存の可否は変わることがあるため、詳しい確認方法はLINEヤフー株式会社の公式ヘルプを参照してください。

追加メッセージ料金が跳ねる主な原因は、配信通数の管理不足です。通数の数え方そのものが分かりにくいので、コストが読めないと感じている方はLINE公式メッセージ通数の数え方と上限|コスト圧縮の設定手順もあわせて確認してください。

毎月これだけやればOKのチェックリスト

  • 利用内容の保存:該当月の利用内容と金額が分かる形で残せているか
  • 支払いの証憑:カード利用明細または振込明細を保存したか
  • 金額の一致:2つの書類の金額がズレていないか(ズレる場合は課金月と支払月の差を確認)
  • 登録事業者名:請求関連の登録名が自社の正式名称になっているか
  • 保存場所:電子データを電子のまま保存できているか(詳細は次章)
  • 科目の一貫性:先月と同じ勘定科目で仕訳しているか

インボイス(適格請求書)はどう用意するか

LINE公式アカウントの勘定科目と領収書の考え方|インボイス対応の進め方

適格請求書(インボイス)とは、消費税の仕入税額控除を受けるために必要な、決められた項目が記載された書類のことです。制度の概要・開始時期・仕入税額控除の取扱いは、国税庁のインボイス制度特設サイトで確認してください。

LINE公式アカウントの利用料について、適格請求書に相当する書類をどこで入手できるかは、契約形態や時期によって異なります。入手方法はLINEヤフー株式会社の公式ヘルプで確認したうえで、その書類が要件を満たしているかどうかを、後述の6項目で自分でチェックしてください。

先にやるべきは「事業者名の登録」

ここが一番の落とし穴です。適格請求書には、書類を受け取る側の事業者名(宛名)が必要になります。そのため、請求関連の登録情報に、自社の正式な事業者名を入れておくことが先決です。登録できる項目と設定場所は変更されることがあるため、LINEヤフー株式会社の公式ヘルプで確認してください。

登録していない、あるいは登録名が個人名や屋号のままだと、あとから見たときに「誰宛の書類なのか」が成立しません。過去分にさかのぼって直せない可能性もあるため、支払いが発生する前に済ませておくのが鉄則です。

記載要件6項目を自分でチェックする

入手した書類が適格請求書として使えるかどうかは、次の6項目がそろっているかで判断します。事業者向けの取引なので、宛名の省略ができる簡易インボイスではなく、通常の適格請求書の要件で見る前提です。

確認する項目見るポイント
発行事業者の氏名または名称サービス提供元の会社名が記載されているか
登録番号Tから始まる13桁の番号があるか
取引年月日いつの利用分かが分かるか
取引内容プラン料金・追加メッセージ料金など内訳が分かるか
税率ごとに区分した合計額と適用税率10%対象の合計額が明示されているか
消費税額等消費税額が金額として書かれているか

この6項目は、適格請求書の記載事項として定められているものです。正確な条文上の表現と最新の運用は、国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」で確認してください。実務では「登録番号があるか」だけを見て安心してしまいがちですが、税率区分と消費税額が抜けていると要件を満たしません。最初の月に一度だけ、6項目を指差し確認しておけば十分です。

電子で受け取った書類は、電子のまま保存する

電子帳簿保存法により、電子データでやり取りした取引情報は、電子データのまま保存することが原則として義務づけられています。ダウンロードしたPDFを印刷して紙のファイルに綴じ、元のPDFを消してしまう運用は認められていません。根拠と細かい取扱いは、国税庁「電子帳簿保存法一問一答/取扱通達等」で確認できます。

保存にあたって求められるのは、大きく2つです。

  • 検索できること:取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる状態にする。専用システムがなくても、ファイル名に3項目を入れてフォルダにまとめれば対応できる
  • 改ざんを防ぐこと:タイムスタンプの付与や訂正削除の履歴が残るシステムを使うか、社内で「訂正削除の防止に関する事務処理規程」を定めて運用する

中小企業の現場では、無料で作れる事務処理規程を1枚整備して、共有フォルダに命名ルールで保存する形が現実的です。要件の細かい部分や、売上高による対応の違いについては、上記の国税庁の一問一答で最新の内容を確認してください。制度は改正が入るため、数年前の解説記事を根拠にするのは避けた方が安全です。

料金の確認と仕訳。AIを使って月次を短縮する

LINE公式アカウントの勘定科目と領収書の考え方|インボイス対応の進め方

ここまでの作業をルール化すると、月次の処理は短時間で回せるようになります。さらにAIを組み合わせると、仕訳の下書きまで自動化できます。ここでは実務でそのまま使える流れをお伝えします。

まず料金を確認する。想定と違ったら通数を疑う

毎月の料金確認は、管理画面で「月額固定費」と「追加メッセージ料金」の区別を見るだけです。固定費だけの月と、従量課金が乗った月では金額が変わります。

金額が想定より高いときに真っ先に疑うべきは、無料メッセージ通数を超えた配信です。通数の数え方や無料枠の範囲は仕様によって決まるため、LINEヤフー for Business の料金プラン案内で最新の内容を確認してください。

予算を組む段階の方はLINE料金改定2026年10月対応。AIで通数予測しコスト超過を防ぐもあわせてご覧ください。料金や改定の有無・条件は変わることがあるため、最終的にはLINEヤフー株式会社の公式発表で確認してください。

仕訳のパターンを2つ覚えれば足りる

LINE公式アカウントの費用は、パターンが限られています。クレジットカード払いの場合、経理処理は2段階になります。

【利用月の仕訳(発生時)】
借方:広告宣伝費 5,500  / 貸方:未払金 5,500
摘要:LINE公式アカウント利用料 2026年7月分

【カード引き落とし日の仕訳(支払時)】
借方:未払金 5,500 / 貸方:普通預金 5,500
摘要:カード引落 LINE公式アカウント利用料 7月分

銀行振込をしている場合は、シンプルに1本で処理できます。

【振込時の仕訳】
借方:通信費 5,500 / 貸方:普通預金 5,500
摘要:LINE公式アカウント利用料 2026年7月分

消費税の区分は、受け取った請求書等に記載された税率と税区分に合わせて処理します。契約主体や取引の区分によって扱いが変わることがあるため、判断に迷う場合は請求書の記載内容を確認し、税理士に確認してください。会計ソフトで税区分を誤ると消費税の計算が狂うため、最初の1回だけ確認しておくと安心です。

AIに渡すもの、人が確認するところ

ここからがAI活用の話です。生成AIを使うと、保存した書類から仕訳の下書きを作る作業を任せられます。ただし任せていいのは「下書き」までで、金額と科目の最終確認は人がやるという線引きが前提です。

実際の進め方は次のとおりです。

  1. 保存しておいた利用内容のPDF、またはCSVを用意する
  2. AIツールにファイルを渡し、社内の勘定科目ルールを伝えて仕訳表を作らせる
  3. 出てきた表の「金額」「取引年月日」「税区分」の3点を人が原本と突き合わせる
  4. 問題なければ会計ソフトにインポートする形式(CSV)に整えてもらう

AIに渡すときの出発点として、次のような短い指示から始めれば十分です。あとはAIと対話しながら、自社の科目名や摘要のルールに合わせて詰めていってください。

あなたは中小企業の経理担当者です。
添付したLINE公式アカウントの利用内容をもとに、仕訳表を作成してください。

前提
- 勘定科目は[通信費 または 広告宣伝費を指定]で統一
- 消費税区分は[請求書の記載に合わせて指定]
- 支払い方法は[クレジットカード払い/銀行振込]

出力
- 取引年月日/借方科目/借方金額/貸方科目/貸方金額/摘要/税区分 の表形式
- 金額が読み取れない項目は推測せず「要確認」と記載すること

ここが一番大事です。プロンプトの巧拙より、最後の「要確認」と書かせる指示が効きます。AIは数字を読み間違えても、それらしい表を作ってしまいます。空欄を埋めさせないことが、経理でAIを使うときの安全装置になります。

保存した書類には自社の契約情報が含まれます。法人向けの契約や、入力データを学習に使わない設定を確認したうえで利用してください。AIに社内データを渡すときの線引きはLINE配信文をAIに書かせる時の情報漏洩対策|安全なプロンプト設計で整理しています。

整えると何が変わるか

この形にすると、月末に「LINEの領収書どこ?」というやり取りが消えます。実務上の変化として大きいのは、次の3つです。

  • 決算期の書類探しがなくなる:命名ルールで保存していれば、税理士から「6月分のLINEの証憑を」と言われてすぐ出せます
  • コストの異常値に気づける:毎月の利用内容を見る習慣がつくと、追加メッセージ料金が乗った月に「なぜ増えたのか」をその場で確認できます。配信設計の見直しは、金額を見た瞬間が一番動きやすいタイミングです
  • 担当者交代に強くなる:属人的な運用のままだと、担当が辞めた瞬間に支払い関連の画面にすらアクセスできなくなります

よくある失敗と回避法

ここでは、実際の現場でよく見かける4つの失敗を挙げます。どれも、起きてから直すより先に防ぐ方が圧倒的に楽です。

失敗1。勘定科目が期の途中で入れ替わる

こういう状況で起きます。担当者が変わった、あるいは会計ソフトの自動仕訳の候補をそのまま採用した結果、4月〜9月は通信費、10月以降は広告宣伝費、という状態になる。

こうなります。期末に前年同月比を見ようとしても数字が比較できません。税理士から「これは同じ取引ですか」と確認が入り、余計なやり取りが発生します。

こう防ぎます。科目を決めたら、会計ソフトの取引先マスタや自動仕訳ルールに登録してしまうことです。人の記憶に頼らず、ソフト側に覚えさせる。これだけで再発しません。

失敗2。事業者名の登録を忘れる

こういう状況で起きます。アカウント開設を急いでいて、支払い設定だけ済ませて登録情報の整備を後回しにする。そのまま数か月が経過する。

こうなります。決算前に確認したら、宛名が個人名のままだった、あるいは空欄だった。過去分をさかのぼって修正できるとは限らないため、要件を満たす書類が手元にない状態になります。

こう防ぎます。アカウント開設のチェックリストに「請求関連の事業者名登録」を入れておくことです。有料プランに切り替える日の作業として組み込むのが一番確実です。

失敗3。証憑を印刷して、元のPDFを削除する

こういう状況で起きます。「紙で綴じておけば安心」という以前からの習慣で、ダウンロードしたPDFを印刷し、パソコン上のファイルは整理のつもりで消してしまう。

こうなります。電子帳簿保存法では、電子で受け取った取引情報は電子のまま保存するのが原則です。紙だけしか残っていないと、保存要件を満たさない可能性があります。

こう防ぎます。「ダウンロードしたものは消さない」を社内ルールにして、共有フォルダに年度別・月別のフォルダを作っておく。紙で保管したい人は、印刷したうえで電子も残せば問題ありません。

失敗4。カード明細だけを保存して、利用内容が分からなくなる

こういう状況で起きます。クレジットカードの利用明細に加盟店名と金額しか出ておらず、それだけを証憑として保存している。

こうなります。後日「この5,500円は何の費用か」を聞かれても答えられません。特に、複数のアカウントを運用していたり、LINE広告も併用していたりすると、どの支出か特定できなくなります。

こう防ぎます。カード明細と、管理画面で確認できる利用内容をセットで保存する。これだけです。取引内容の裏づけが手元にあれば、説明に困る場面はなくなります。

現場で見える落とし穴と、正直な妥協点

ここからは、教科書的な解説には出てこない話をします。実際に中小企業のLINE運用に入ると、経理まわりで必ずといっていいほど同じ問題にぶつかります。

「広告宣伝費にすると税務調査で不利」は誤解

広告宣伝費にすると目立つから通信費にしておこう、という相談を受けることがあります。これは考え方が逆です。実態が販促目的なのに通信費に隠す方が、説明を求められたときに苦しくなります。

科目の選択に法的な正解がない以上、大事なのは「実態に合っていること」と「一貫していること」だけです。実態どおりに処理して、聞かれたら説明できる状態にしておく。それがもっとも安全な運用です。

経理と運用担当が分かれている会社ほど詰まる

広報や店舗スタッフがアカウントを運用し、経理は別の人という体制は珍しくありません。この構造だと、経理は支払い関連の画面を見られず、運用担当は勘定科目に興味がない、という状態になりがちです。

解決策はシンプルで、権限を分けて渡すことです。運用担当には配信の権限、経理担当には支払い情報を確認できる権限。全員に管理者権限を配るのは、乗っ取りリスクの面からもおすすめしません。複数人で運用するときの整理の仕方はLINE公式アカウント複数人運用|配信漏れと権限ミスを防ぐ管理術にまとめています。

見落とされやすいコストがある

LINEのコストを月額プラン料金だけで見積もると、後から予算が合わなくなります。実際に発生しがちな費用は次のとおりです。

  • 追加メッセージ料金:無料枠を超えた配信の分だけ従量課金が乗る
  • 拡張ツールの月額:ステップ配信や顧客管理を強化すると、別サービスの契約が必要になることが多い
  • クリエイティブ制作費:リッチメニューやリッチメッセージの画像制作。内製できなければ毎回外注費が発生する
  • 運用の人件費:計上はしなくても、実質的な最大のコスト。月に何時間使っているかは把握しておきたい

とくに人件費は帳簿に出ないため、「LINEは月額数千円で安い」という感覚のままになりがちです。配信文の作成と効果確認に月10時間かかっているなら、それは無視できない金額です。

内製と外注、どこで線を引くか

率直に言うと、経理処理そのものは外注する必要がありません。この記事の手順どおりに社内ルールを1枚作れば、あとは毎月なぞるだけです。むしろ外に出すべきなのは、その手前にある「配信設計」と「コスト構造の見直し」の部分です。

金額が読めない、増えているのに成果につながっている実感がない。この状態のまま経理処理だけ整えても、支出の中身は変わりません。逆に言えば、配信設計を見直せば従量課金は下げられます。ここは自社だけで判断するのが難しく、相談する価値がある領域です。

判断の目安。月額固定費だけで収まっているうちは自社で十分です。追加メッセージ料金が固定費と同じくらいの規模になってきたら、配信の設計を一度見直すタイミングだと考えてください。

よくある質問

月の途中でプランを変更したら、料金はどう処理すればいいですか?

経理上は、実際に請求された金額をそのまま計上すれば問題ありません。日割りになるかどうかなどの課金ルールは変更されることがあるため、請求額の根拠は管理画面とLINEヤフー株式会社の公式ヘルプで確認してください。想定と違う金額なら、その月の内訳を保存しておくと説明しやすくなります。

税理士には何を渡せばスムーズですか?

利用内容が分かる書類と、カード利用明細または振込明細の2点をセットで渡してください。あわせて「当社は通信費で統一しています」と科目のルールを一度伝えておくと、以降のやり取りが減ります。毎月同じ形で渡すのが、結果的に一番早いです。

LINE広告の費用も同じ勘定科目でいいですか?

LINE広告の出稿費は広告宣伝費で処理するのが一般的です。公式アカウントの利用料を通信費にしている場合は、科目が分かれることになりますが問題ありません。目的が違う支出なので、むしろ分けた方が費用対効果を見るときに便利です。

個人事業主でも同じ考え方で大丈夫ですか?

基本は同じです。科目名が法人と少し違い、外注した制作費は「外注工賃」を使うのが一般的です。プライベート利用と混ざる場合は、事業で使っている分をどう区分するかの判断が必要になります。区分の考え方は個別の事情で変わるため、顧問税理士か所轄の税務署に確認してください。

過去の分の領収書をさかのぼって用意できますか?

カード利用明細は、カード会社の会員サイトで一定期間さかのぼって取得できます。管理画面でさかのぼれる範囲には限りがあることが多いため、決算のたびにまとめて処理するのではなく、毎月保存する運用に切り替えるのが確実です。

まずは今日、支払い方法を1つ確認するところから

この記事を読み終えたら、まず自社の支払い方法がクレジットカード払いか銀行振込かだけ確認してください。1分で終わりますし、ここが分かれば毎月保存すべき書類が確定します。

そのうえで、支出の中身そのものを見直したい方はLINEのKPIは友だち数で見るな|売上を伸ばす指標と4ステップを続けて読むと、何にお金をかけるべきかの判断軸が整理できます。

ここまで読んで、経理処理はともかく「配信のコストが読めない」「増えた費用が成果につながっているか分からない」と感じた方は、コレットラボにお気軽にご相談ください。いきなり契約という話ではなく、現状の配信内容とコストを一緒に整理するだけでも構いません。大分・福岡を中心に、中小企業のLINE運用とAIを使った業務効率化を伴走しています。お話を聞かせてください。

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