AIエージェントが社内報のネタを集めて回る。各部署のチャットから面白い話題を自動で拾う仕組みの作り方

AIエージェントが社内報のネタを集めて回る。各部署のチャットから面白い話題を自動で拾う仕組みの作り方

毎月の社内報、ネタ探しが一番つらい。そんな声を本当によく聞きます。各部署を回ってヒアリングして、雑談の中から拾って、それを記事のかたちに整える。広報や総務の担当者が、本来の仕事の合間にこれをやっているのが多くの会社の実情ですよね。

この記事では、その「ネタ集め」をAIエージェントに任せる仕組みの作り方を、現場目線でお伝えします。SlackやTeamsといった社内チャットに流れている日々のやり取りから、面白そうな話題をAIが自動で拾い出し、社内報の下書き候補にまでしてくれる。そんな運用を、非エンジニアの方でも組み立てられるように、考え方と手順を順番に解説していきます。

結論。社内報のネタ集めは「拾う・選ぶ・整える」をAIに分担させる

AIエージェントが社内報のネタを集めて回る。各部署のチャットから面白い話題を自動で拾う仕組みの作り方

最初に結論からお伝えします。社内報のネタ集めをAIに任せるといっても、全部を丸投げするわけではありません。作業を3つに分けて、それぞれをAIと人間で分担するのが成功の近道です。

ここでいうAIエージェントとは、かんたんに言うと「目標を渡すと、自分で段取りを考えて動いてくれるAI」のことです。普通のチャットAIは聞いたことに答えるだけですが、エージェントは「毎朝チャットを見て、面白い話題を5つ選んで報告して」と頼んでおけば、自分で巡回して работу こなしてくれます。2026年の今、企業向けアプリの多くにこうしたエージェント機能が組み込まれつつあり、特別な技術というより身近なツールになってきました。

社内報づくりに当てはめると、押さえるべき役割分担は次の3つです。

  • 拾う(AIの担当):各部署のチャットを巡回して、表彰・新メンバー・お客様の声・小さな成功談など、ネタになりそうな投稿を自動でピックアップする
  • 選ぶ(AIと人の協働):拾った候補をAIがテーマ別に分類・要約し、人間が「これは載せたい」と最終判断する
  • 整える(AIの下書き+人の仕上げ):選んだネタをAIが社内報の文章の下書きにし、担当者が自社らしい言葉に直して完成させる

AIに任せるのは「面倒で時間がかかる前半部分」です。最後の判断と仕上げは人がやる。この線引きが、後で説明する失敗を防ぐ一番のポイントになります。

具体的なやり方。ネタ収集エージェントを組み立てる5ステップ

AIエージェントが社内報のネタを集めて回る。各部署のチャットから面白い話題を自動で拾う仕組みの作り方

それでは、実際にどう作るかを見ていきましょう。ツールの画面操作は製品ごとに変わっていくので、ここでは「何をどの順番でやるか」というプロセスの流れでお伝えします。細かいボタンの位置などは、各ツールの公式ヘルプを見ながら進めるのが確実です。

ステップ1。どのチャットから何を拾うかを決める

最初にやるのは、範囲を決めることです。いきなり全部署を対象にすると情報が多すぎて収拾がつきません。まずは「営業部の日報チャンネル」「全社の雑談チャンネル」など、ネタが出やすい場所を2〜3個に絞りましょう。

あわせて「何をネタとみなすか」も言葉にしておきます。たとえば「お客様から感謝された話」「新しく入った人の自己紹介」「目標を達成した報告」「ちょっとした失敗から学んだ話」といった具合です。この基準が後でAIへの指示の土台になります。

ステップ2。AIに渡す指示文(プロンプト)を用意する

次に、AIへの指示を作ります。ここがエンジン部分です。たとえばこんな指示になります。

  • 役割:あなたは社内報の編集アシスタントです
  • やること:渡されたチャットのやり取りから、社内報のネタになりそうな話題を5つ選ぶ
  • 選ぶ基準:読んだ社員が前向きになれる話、人柄が伝わる話を優先する
  • 出力の形:各ネタに「見出し案」「3行の要約」「登場する部署や人」を付ける

このように、役割・作業・基準・出力形式の4点を具体的に書くのがコツです。あいまいな指示だと、AISは当たり障りのない要約しか返してくれません。社内報らしさのある「自社のトーン」をここで言語化しておくと、出てくる候補の質が一気に上がります。文章のトーン設計については「AI感」を消すためのルール作り|AI文章に「自社らしさ」を注入するガイドラインの極意も参考になります。

ステップ3。チャットとAIをつなぐ

指示ができたら、チャットの内容をAIに渡す導線を作ります。やり方は大きく2通りです。手軽に始めるなら、1日分のチャット内容をコピーしてAIに貼り付け、要約させる「半自動」方式。慣れてきたら、ZapierやMake、あるいはMicrosoft 365のCopilotのように、チャットツールとAIを連携させて自動で巡回させる「自動」方式に進みます。

最初から完全自動を目指さなくて大丈夫です。まずは手でコピペしてみて、出てくる候補の質を確かめる。これだけでも「使えそうか」の判断ができます。

ステップ4。候補を一覧にして人がチェックする

AIが出したネタ候補は、そのまま使わず、いったん一覧にして担当者が目を通します。スプレッドシートやNotionに「見出し案・要約・採否」の列を作っておくと、毎月の判断がラクになります。ここで「載せる・載せない・要確認」を仕分けるわけです。

ステップ5。採用ネタを下書きにして仕上げる

採用が決まったネタは、もう一度AIに渡して本文の下書きを作らせます。「この要約をもとに、400字の社内報記事にして」と頼めば、たたき台がすぐ出てきます。あとは担当者が事実確認をして、自社らしい言葉に直せば完成です。下書きまで自動編集する応用は社内報のネタ切れ・マンネリ化を解消!AIが各部署の報告を「面白い読み物」に自動編集する最新テクニックでも詳しく扱っています。

効果・成果イメージ。何がどれだけラクになるのか

AIエージェントが社内報のネタを集めて回る。各部署のチャットから面白い話題を自動で拾う仕組みの作り方

この仕組みを回すと、現場は具体的にどう変わるのでしょうか。一番大きいのは「ゼロから探す」がなくなることです。これまで真っ白な状態からネタをひねり出していたのが、毎月AIが候補を並べてくれる状態に変わります。担当者の仕事は「探す」から「選んで磨く」にシフトするわけです。

実際、生成AIを社内業務に取り入れた企業では、反復的な作業に費やす時間が大きく減り、その分を企画や編集といった人にしかできない仕事に回せるようになった、という報告が各社から出ています。 年間で数万時間規模の業務削減を見込む大企業の事例もあり、社内コミュニケーションの分野でもこの流れははっきりしています。

成果を出している会社にはいくつか共通点があります。

  • 小さく始めている:1部署・1チャンネルから試し、うまくいったら広げている
  • KPIを決めている:「ネタ探しの時間を月3時間減らす」など、効果を測る数字を最初に置いている
  • 人の出番を残している:最終判断と仕上げは人がやると決め、AIに丸投げしていない

月に5〜6時間かけていたネタ探しが1〜2時間に縮まれば、年間で数十時間の余裕が生まれます。浮いた時間で、これまで手が回らなかった社員インタビューに挑戦する、といった前向きな変化が起きやすくなります。

よくある失敗と回避法。ここでつまずく会社が多い

AIエージェントが社内報のネタを集めて回る。各部署のチャットから面白い話題を自動で拾う仕組みの作り方

便利な仕組みですが、現場ではいくつかの失敗をよく見かけます。先に知っておけば避けられるものばかりなので、正直にお伝えします。

失敗1。機密情報をうっかりAIに渡してしまう

一番気をつけたいのがこれです。チャットには人事の話や取引先の情報など、外に出してはいけない内容も混ざっています。これをそのまま外部のAIに送ると、情報漏えいのリスクがあります。回避策は、対象チャンネルを絞ること、個人名や数字は伏せて渡すこと、そして会社として「AIに入れていい情報・ダメな情報」のルールを先に決めておくことです。この線引きは「AIセキュリティ」超入門|会社の大事な情報をAIに入力しないための、最低限のルールと社内規定の作り方で整理しています。

「便利だから」とAIに何でも渡すのは禁物です。仕組みを作る前に、必ず情報の取り扱いルールを決めてください。ここを飛ばすと、後で大きなトラブルになりかねません。

失敗2。AIの要約をそのまま載せてしまう

AIは事実をそれらしく作ってしまうことがあります(ハルシネーションと呼ばれる現象です)。要約に出てきた人名や数字が間違っていることもあるので、本人や部署への確認なしに公開するのは危険です。必ず人が裏取りをする工程を残しましょう。

失敗3。目的があいまいなまま始めてしまう

「とりあえずAIを使ってみよう」で始めると、何のためにやっているのか分からなくなり、いつの間にか使われなくなります。「ネタ探しの時間を減らす」「マンネリを解消する」など、解決したい課題を1つに絞ってから始めるのが大事です。

失敗4。現場に相談せず進めてしまう

チャットを巡回される側の社員からすると「監視されているのでは」と不安に感じることがあります。導入前に「ネタ集めのためにAIが投稿を読むこと」「人事評価には一切使わないこと」をきちんと共有しておきましょう。現場の納得があってこそ、仕組みは長く使われます。

よくある質問

プログラミングができなくても作れますか

はい、作れます。最初はチャットの内容をコピーしてAIに貼り付け、要約させる方式なら、特別な技術はいりません。自動化したくなった段階で連携ツールを足していけば大丈夫です。まずは手作業で試すところから始めましょう。

小さな会社でも意味がありますか

むしろ少人数の会社ほど効果が出やすいです。1人で広報も総務も兼ねているような場合、ネタ探しの負担が一気に減ります。対象を1チャンネルに絞れば、無理なく始められて、続けやすいのが利点です。

どのAIツールを使えばいいですか

すでに社内で使っているものから始めるのがおすすめです。Microsoft 365を使っているならCopilot、普段ChatGPTやClaudeを使っているならそれで十分試せます。 新しいツールを増やす前に、手元のもので効果を確かめるのが失敗しないコツです。

情報漏えいが心配です。どう防げばいいですか

対象チャンネルを絞り、人事や取引先の機密が含まれる場所は外すのが基本です。あわせて「AIに入れていい情報の範囲」を社内ルールとして決めておきましょう。ルールを先に整えてから仕組みを動かすのが安全です。

まずは「自社で何を任せられるか」を一緒に整理しませんか

ここまで読んで、仕組みは分かったけれど自社で組み立てきるのは大変そう、と感じた方もいると思います。コレットラボでは、どの業務をAIに任せ、どこを人が担うかという線引きから、社内ルールづくりまで伴走しています。いきなり契約ではなく、まずは現状の困りごとを整理するだけでもかまいません。気軽にお話を聞かせてください

30分の無料相談

現状をお聞きし、優先順位を一緒に整理します。

予約する →

Read Next / 次に読む

深夜の炎上、気づいたら手遅れになっていませんか。AIエージェントがSNSの火種を24時間自動で見張る仕組み
AX

深夜の炎上、気づいたら手遅れになっていませんか。AIエージェントがSNSの火種を24時間自動で見張る仕組み

2026.06.08 / 約 8 分

関連記事

AX

Vibe Codingで広報予算の管理ダッシュボードを自作。Excelを卒業し、AIで見やすいグラフを作る方法

2026.06.08
AX

深夜の炎上、気づいたら手遅れになっていませんか。AIエージェントがSNSの火種を24時間自動で見張る仕組み

2026.06.08
AX

Adobe Fireflyで商品写真を自由自在に。背景をAIで差し替え、カタログ制作を10倍速にする実践ガイド

2026.06.07
AX

Cursorで「お問い合わせフォーム」を自作する。外部ツールに頼らず自社サイトに最適化した窓口をつくる手順

2026.06.06
AX

AX推進で社内調整をスムーズに進める方法。広報がリードするAI導入の合意形成テクニック

2026.06.05
AX

NotebookLMで「広報の脳」を作る。過去10年の資料を読み込ませ、一瞬で答えを引き出す仕組み

2026.06.04