愛媛のAI研修|生成AIの社内研修を依頼する前の確認項目
この記事の要点
- 依頼前に決めるのは参加者・試す業務・情報の扱いの3つ
- 県内の公的な相談先は目的別に使い分け。比較表は本文に
- 助成金は訓練10時間以上が要件。120分の研修1回では届かない
生成AIの社内研修を外部に依頼する前に、社内で決めておくことは次の3つです。
- 誰が受けるか
- 研修のあとにどの業務で試すか
- AIに入力してよい情報をどう扱うか
この3つが決まっていれば、研修会社への依頼文の作成も見積もりの比較もすぐに進められます。
愛媛県内で、社員向けのAI研修を外部に依頼するか判断する立場の経営者・役員・総務や人事の責任者に向けた記事です。読み終わる頃には、依頼前の確認シートを書き終え、県内の公的な相談先と外部講師のどちらに相談するか決められる状態を目指します。
この記事で扱うのは依頼前の判断と準備です。研修の費用の内訳を詳しく知りたい方は、AI研修の費用の内訳と見積もり依頼文をご覧ください。
Contents / 目次
生成AIの社内研修を依頼する前に決める3項目
依頼する前に決めるのは、参加者・研修のあとに試す業務・情報の扱いの3項目です。研修会社はこの3つをもとに演習の題材と説明の深さを決めます。決まっていないと、一般的な内容の研修になりやすくなります。
| 項目 | 決めること | 決めないまま依頼すると |
|---|---|---|
| 参加者 | 経営陣の誰が同席するか、試す業務の担当者は誰か | 研修中の「この情報は入力してよいか」という質問に答えられる人がいない |
| 試す業務 | 研修のあとに最初に試す業務を1〜2つ | 演習が架空の題材になり、翌週から何に使うかが決まらない |
| 情報の扱い | 入力しない情報と、使うAIのプラン(個人アカウントか法人プランか) | 研修で習った使い方を、社内のルールに合わせて後から変えることになる |
3項目は完成させる必要はありません。仮決めで十分です。情報の扱いをまだ文書にしていない会社は、生成AIの社内ルールのひな形と情報区分表の項目を参考に、「入力しない情報」の欄だけ先に埋めておいてください。研修会社との打ち合わせで具体的な話ができます。
この章の結論。参加者・試す業務・情報の扱いが仮決めでもそろっていれば、研修会社に「自社の業務を題材にしてほしい」と具体的に依頼できます。
愛媛県の公的な相談先と、外部講師による社内研修の使い分け
相談先は、何を決めたいかで分けます。経営の課題としてどこからデジタル化するかを相談したいなら公的な支援機関、少人数で基礎を学ばせたいなら公開講座、自社の業務を題材に部署で学ぶなら外部講師による社内研修が合います。
| 相談先 | 向いている相談 | 確認すること |
|---|---|---|
| 愛媛県よろず支援拠点 | どの業務からデジタル化やAI活用を進めるかといった経営の相談 | 相談の申込み方法と日程は愛媛県よろず支援拠点の公式サイトで確認 |
| 公益財団法人えひめ東予産業創造センターの公開講座 | 1〜2名に、ChatGPTやCopilotを使ったWord・Excel・PowerPointの基礎を学ばせたい | 開催日・受講料・申込締切 |
| えひめAI・IoT推進コンソーシアム(事務局は愛媛県の産業創出課) | AI・IoTの導入事例を紹介するセミナーの案内を受けたい | 参加料は無料。令和8年度第1回の普及啓発セミナーは2026年7月30日に開催済み。次の開催はコンソーシアムのページで確認 |
| 地域の商工会議所・商工会 | 会員向けのセミナーや経営相談の情報を集めたい | 開催状況は各商工会議所・商工会の公式サイトで確認 |
| 愛媛労働局 | 人材開発支援助成金を研修に使えるか(担当は職業安定部の助成金センター。松山市勝山町) | 研修の計画を決める前に相談する |
| 外部講師による社内研修 | 自社の業務を題材に、経営陣と担当者が一緒に学びたい | 演習の題材、会場の機器、交通費 |
愛媛県よろず支援拠点は、松山市の常設拠点(テクノプラザ愛媛別館内)のほか、今治・宇和島・八幡浜・大洲・四国中央の各商工会議所、西予市役所、西条市のSAIJO BASEで毎月の相談日を設けています。相談は予約制で、何度でも無料です。相談の申込みフォームでは、Teamsなどを使ったテレビ会議での相談も希望できます。2026年4月には、拠点の中に生産性向上支援センターが置かれました。飲食・宿泊・小売・製造・建設など9業種を対象に、専門家が現場に入り、デジタル活用などの改善を伴走支援します。各地の相談日と電話番号は、よろず支援拠点の相談日の一覧で確かめてください。
えひめ東予産業創造センターは、AI活用講座(2日コース)ChatGPT×Copilotで仕事をもっとスマートに!を2026年12月9日と16日の9時〜16時に開く予定です。受講料は50,600円(税込・テキスト代込)、申込締切は12月2日、会場は同センター(新居浜市)です(2026年10月12日時点)。
新居浜市内に本店がある中小企業(個人事業主は市内に住所がある方)は、えひめ東予産業創造センターの研修の受講料について、新居浜市中小企業振興補助金の人材養成事業で補助を申請できます。補助は経費の50%以内(上限50万円)で、2026年8月から2027年1月末までに受講と支払いを終えた研修は、2027年3月1日が申請期限です。対象の業種、市内で1年以上続けて事業を行っていること、市税を完納していることなどの要件があり、ほかの補助金とは併用できません。
講座名に「AI人材育成」とあっても、社員研修に使えない講座もあります。愛媛県のえひめAI人材育成クラウド実践講座(令和8年度)は、対象が県内の大学・高専・専門学校の学生で、全6回の講義は2026年9月29日に終わっています。講座名ではなく、募集要項の対象者の欄を先に確かめてください。県や市の補助制度も年度ごとに変わるので、その年度の内容を県や市の公式サイトで確認します。
ポリテクセンター愛媛の生産性向上支援訓練は、企業の指示で従業員が受ける在職者向けの訓練で、個人では申し込めません。令和8年度のオープンコース(1日6時間・受講料2,200円または3,300円)では、「AI(人工知能)活用」を6〜7月に南予・東予・中予で開き、「生成AIの活用」(10月21日・ポリテクセンター愛媛)の申込みも10月7日で締め切っています。2026年10月12日時点で申込みを受け付けているのは、「DX人材育成の進め方」(12月2日・ポリテクセンター愛媛・3,300円・定員16名・先着順・申込みは11月18日17時まで)などです。eラーニングのサブスクリプション型(2か月間・1人920円)のDX対応コースには「AI(人工知能)活用」(約4時間20分)があり、10月15日までに申し込むと12月1日から受講できます。
外部講師に社内研修を依頼すると合う条件
受講者の業務が共通していて、自社の資料や文面を題材にしたい場合は、外部講師に社内で研修を依頼するほうが合います。公開講座は複数の会社が受けるため、題材はWordやExcelのような共通のものになります。
公的な訓練にも、自社の会議室で行う形があります。ポリテクセンター愛媛の生産性向上支援訓練のオーダーコースは、企業に講師を派遣し、訓練時間を4〜30時間で設定できます。訓練の例には「生成AIの活用」があり、受講料は1人2,200円または3,300円(6時間コースの場合)です。
経営陣と、これからAIを試す実務のメンバーが一緒に受け、試す業務まで決めたい場合は、経営者と社員で考えるAI活用研修という進め方もあります。1回120分、1名から10名で、貴社の会場で対面・投影形式で行います(オンラインはご相談ください)。
終盤15分のディスカッションでは、次の4つを話し合います。
- どの業務から試すか
- 誰が進めるか
- 試す前に何を確認するか
- 情報管理や費用を踏まえて、どこまで使うか
120分で導入計画や社内規程が完成するわけではありません。
大分・福岡を中心に、九州内や近隣の県にも伺います。交通費は別途お見積もりします。料金はリンク先のページでご確認ください。
研修の内容と時間数は、ご相談に応じて組み立てられます。人材開発支援助成金を活用する場合は、貴社が主催する社内研修として、要件に合わせた研修を組み立てて実施しています。弊社は講師として伺います。助成金の対象になるかは、研修の計画を決める前に、愛媛労働局でご確認ください。
人材開発支援助成金を使う前に確かめること
人材開発支援助成金は、令和8年度版のパンフレットで、人材育成支援コース・事業展開等リスキリング支援コースとも訓練時間数10時間以上が要件です(人材育成支援コースのパンフレット・事業展開等リスキリング支援コースのパンフレット)。 120分の研修1回では、この時間数に届きません。
事業展開等リスキリング支援コースのDXの訓練では、汎用的なプロンプトの作り方やDXの概念を学ぶ研修が対象外になり、受講者の職務に直結した研修が対象です(厚生労働省の改正の資料)。2026年8月3日以降に提出された計画届の訓練から適用され、経過措置があります。教育訓練機関との契約や申込みを2026年8月2日以前に済ませた訓練などが経過措置の対象なので、時期の扱いも愛媛労働局で確かめます。
事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年度版のパンフレットで、令和4〜8年度の期間限定の助成金と説明されています。今の予定の期間は、令和8年度(2027年3月31日)までです。令和9年度以降も続くかは、計画を立てる時点で、厚生労働省の人材開発支援助成金のページで必ず確かめてください。
- 計画届の期限:訓練開始日の6か月前から1か月前までに出す(人材育成支援コースのパンフレット・事業展開等リスキリング支援コースのパンフレット)
- 主催:自社が企画・主催する研修として計画を立てる
- 費用:厚生労働省は人材開発支援助成金のページで「『訓練経費』は無料になりません」としている
愛媛県の地域産業リスキリング実践支援補助金は、従業員がDXに関する専門知識を学ぶ講座の受講費の2分の1(1社30万円・1人15万円まで)を補助します。令和8年度の申請受付は2026年10月30日までです。申請額が予算に達すると期間中でも締め切る場合があり、予算が残れば11月以降に追加募集を行う場合があります。対象は、教育機関が提供する集合研修やeラーニングのうち、内容と受講料がホームページやパンフレットで決まっている講座です。自社で企画した研修やそれを外部に発注したもの、パソコンやソフトの基本操作を学ぶもの、交付決定より前に申し込んだ講座は対象外で、ほかの補助や助成を受ける場合も対象になりません。対象になるかは、申請前に県の産業人材課へ相談できます。
助成金は審査を経て支給が決まります。助成金が出る前提で研修の予算を組むと、対象外になったときに予算が合わなくなります。
この章の結論。経営の相談はよろず支援拠点、少人数の基礎は公開講座、部署で自社の業務を試すなら外部講師による社内研修。助成金を考えるなら、研修の計画を決める前に愛媛労働局へ相談します。
依頼前の確認シートの作り方。4ステップ
確認シートは、研修会社に送る前提で4ステップで作ります。
ステップ1。受講する人を決める
経営陣から1人以上と、試す業務を毎週行っている担当者を選びます。決裁できる人が同席すると、「この情報は入力してよいか」「法人プランを契約するか」をその場で判断できます。
ステップ2。研修のあとに試す業務を1〜2つ選ぶ
選ぶ基準は次の3つです。
- 毎週発生する業務であること
- 文章や表を作る業務であること
- AIの出力を社外に出す前に担当者が確認できること
見積書に添える送付文、社内会議の議事録、求人票の下書きなどが当てはまります。迷う場合は最初の1業務を選ぶ採点表で点数を付けて比べてください。
ステップ3。情報の扱いを仮決めする
個人情報、取引先の未公開情報、決算前の数字など、AIに入力しない情報を書き出します。あわせて、受講者が使うAIが個人の無料アカウントか、会社で契約した法人プランかを確かめます。IPAの情報セキュリティ10大脅威 2026では、組織編の3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて入りました。
ステップ4。確認シートを研修会社に送って質問する
次のシートを社内で埋め、研修会社への最初の連絡に添えます。シートの下書きをAIに作らせる場合は、氏名と取引先名を伏せて入力し、出てきた項目が自社に合うかは担当者が判断します。
【AI研修 依頼前の確認シート】
1. 受講する人
・経営陣:[氏名・役職]
・試す業務の担当者:[氏名・部署](合計[ ]名)
2. 研修のあとに試す業務(1〜2つ)
・業務名:[例 見積書に添える送付文の下書き]
・いまかかっている時間:[例 1件15分・週10件]
・AIの出力を確認する担当者:[氏名]
3. 情報の扱い(仮決め)
・AIに入力しない情報:[個人情報/取引先の未公開情報/決算前の数字 など]
・使うAIとプラン:[個人の無料アカウント/会社契約の法人プラン/未定]
・社内ルール:[あり/なし/作成中]
4. 研修の条件
・会場と投影機器:[会議室名・プロジェクターかモニター]
・希望時期:[ ]
・助成金:[検討する/しない](検討する場合は愛媛労働局に事前相談)
シートと一緒に、研修会社へ次の点を質問しておきます。
- 題材:当日の演習で、シートに書いた業務を題材にできるか
- プラン:受講者が使うAIのプランに合わせて説明できるか
- 研修後:研修のあとに社内で決めることを、研修の中で示してもらえるか
- 助成金:自社主催の研修として計画を立てる場合、時間数と内容をどう組めるか
この章の結論。確認シートの4つの欄が埋まれば、研修会社に送る依頼文はそのシートで足ります。返ってくる提案が自社の業務に合っているかも、シートと見比べて判断できます。
依頼前の確認で起きやすい失敗と防ぎ方
依頼前の失敗は、参加者・講座の選び方・助成金・AIのプランの4か所で起きます。どれも、研修の当日ではなく依頼の段取りで防げます。
受講者を若手だけにすると、情報の扱いを研修後に決め直す
経営陣が同席しないと、研修中に出た「顧客名を入れてよいか」という質問がその場で決まりません。結果として、研修で学んだ使い方を、あとで決めた社内ルールに合わせて変えることになります。決裁できる人を1人は受講者に入れてください。
講座名だけで選ぶと、対象者や題材が合わない
学生向けの講座に申し込もうとしてしまう、公開講座の共通の題材で学んだあと自社の業務への当てはめ方が分からない、といったずれが起きます。募集要項の対象者と内容を読み、自社の業務を題材にしたいなら社内研修を選びます。
120分の研修1回で助成金を見込むと、予算が合わない
訓練時間数10時間以上の要件と、計画届を訓練開始の1か月前までに出す期限があります。研修日を先に決めてから助成金を調べると、期限に間に合わない場合があります。助成金を使うかどうかは、研修日を決める前に決めます。
個人の無料アカウントのまま受講すると、研修後に使えない
会社の情報を個人アカウントに入力できない、会社として契約するプランでは管理の設定が違う、といった理由で、研修で覚えた使い方をそのまま業務に移せなくなります。プランごとの違いはAIの法人プランと個人プランの違いで確かめ、研修の前に使うプランを仮決めしてください。
この章の結論。4つの失敗は、確認シートの「受講する人」「助成金」「使うAIとプラン」の欄を研修会社に連絡する前に埋めれば防げます。
愛媛でAI研修を依頼するときによくある質問
愛媛県外の研修会社に社内研修を依頼すると、交通費はどう決まりますか?
講師の移動距離と、宿泊が要るかどうかで変わります。見積もりを依頼するときに、研修費と交通費を分けて出してもらってください。午前開始だと前泊が必要になる場合もあるので、開始時刻も見積もりの条件として伝えておくと比べやすくなります。
今治や宇和島の事業所でも、社内研修を開けますか?
受講者が座れる会議室と、資料を映すプロジェクターかモニターがあれば開けます。伺えるかどうかは研修会社によって違うので、確認シートの「会場と投影機器」の欄に事業所の所在地を書いて最初に確かめてください。研修の前に公的な窓口で経営の相談をしたい場合は、愛媛県よろず支援拠点が今治商工会議所(毎月第2金曜日)と宇和島商工会議所(毎月第2・第3火曜日)で予約制の相談日を設けています。
東予産業創造センターの講座と社内研修、どちらを先に検討すべきですか?
1〜2名にまず基礎を学ばせたいなら公開講座、部署で同じ業務を試したいなら社内研修が合います。公開講座を受けた社員が社内研修の題材選びを手伝う、という順番もとれます。
愛媛労働局への助成金の相談は、研修会社を決める前と後のどちらですか?
研修の計画を決める前です。計画届には訓練開始日の1か月前という期限があり、時間数や内容が要件に合うかで研修の組み立てが変わります。
まずは確認シートの「研修のあとに試す業務」の欄だけ、今日のうちに1つ書いてみてください。研修会社に何を依頼できるかを先に知りたい方は、AI研修の講師派遣の分担表と準備チェックリストが参考になります。
ここまで読んで、試す業務や情報の扱いを社内だけで決めきれないと感じた方は、社員向けの生成AI研修のページをご覧ください。いまの状況とシートに書いた内容を伺い、研修で扱う業務を一緒に決めるところからご相談いただけます。
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