SEO外注で効果が出ない原因|報告書で確かめる3点と切り分け
この記事の要点
- 見るのは順位ではなく、検索語の実数と変更したURLと問い合わせ経路の3点
- 効果が出ない原因は4タイプ。業者側か自社側かを本文の手順で切り分ける
- 業者変更の前に引き継ぐのは5項目。権限と記事の置き場所を先に確認
SEOを外注して半年たっても数字が動かないとき、最初に見るのは順位の推移グラフではありません。毎月の報告書に、狙っている検索語ごとの表示回数とクリック数、今月サイトのどこを変えたかというURLの一覧、そこから問い合わせが何件来たか、この3点が載っているかを確かめてください。3点がそろわない報告書では、業者の作業が動いていないのか、動いているけれど検索語が商売とずれているのか、そもそも判断するには早すぎるのかを区別できません。
この記事は、SEOを月額で外注していて、契約を続けるか、業者を変えるか、社内に戻すかを決める立場の方に向けて書いています。読み終わる頃には、次の報告会で何を質問し、返ってきた答えのどこを見て判断するかが決まっている状態を目指します。
自分で順位を上げる作業手順はここでは扱いません。報告書に出てくる「平均掲載順位」という数字そのものの読み方はサーチコンソールの平均掲載順位の見方でまとめているので、数字の意味から確かめたい方は先にそちらを見てください。
Contents / 目次
効果が出ないと感じたら、順位より先に報告書の3点を見る
SEO外注の成否は、順位の上下ではなく「何をしたか」と「どこまで届いたか」で判断します。順位は競合の動きやGoogleのアップデートでも動くので、順位だけを見ていると、業者の作業が止まっていても気づけません。
次の3点は、まともに作業していれば必ず手元にある情報です。報告書に無ければ、次の報告会で出してもらってください。
| 確かめる3点 | 具体的に何が載っていればいいか | 載っていないときに疑うこと |
|---|---|---|
| ①狙う検索語ごとの実数 | 対策している検索語の一覧と、語ごとの表示回数・クリック数(順位だけでなく実数) | 検索語が契約後に入れ替わっている。順位が上がりやすい語に差し替えられている |
| ②今月変えたURLと変更内容 | 変更したページのURL、何を直したか、実施日 | 提案までで止まり、本番サイトに反映されていない |
| ③問い合わせの入口 | 問い合わせ・電話が、どのページから何件発生したか | 検索からの流入とお金になる行動がつながっていない |
順位は結果であって、作業の証拠ではありません。上の3点のうち②が「作業の証拠」、①が「届き方」、③が「商売への効き方」です。3つがそろって初めて、続けるか変えるかを判断できます。
「表示回数」と「クリック数」を、順位より先に見る理由
表示回数とは、検索結果にあなたのサイトが表示された回数のことです。クリック数は、そこから実際に押された回数です。順位が15位から11位に上がっても、その検索語自体がほとんど検索されていなければ、クリック数は大きく動かず、問い合わせにもつながりません。
逆に、順位が動いていなくても、対象ページが増えて表示回数の合計が伸びていれば、作業は前に進んでいます。この2つはGoogleサーチコンソールの検索パフォーマンスレポートで誰でも確認できる数字で、Google公式の検索パフォーマンスレポートのヘルプに各指標の定義が書かれています。
報告書に順位のグラフしか無い場合は、「順位ではなく、対策キーワードごとの表示回数とクリック数を、前月と並べて出してください」とだけ伝えれば足ります。この依頼に時間がかかる、あるいは渋られる場合、そもそもサーチコンソールを見ながら作業していない可能性があります。
「今月どこを変えたか」がURLで書かれているか
報告書でいちばん抜けやすいのが、変更したページのURLです。「内部施策を実施しました」「タイトルを最適化しました」という書き方だけでは、発注側は何も検証できません。
URLが書いてあれば、その場でブラウザに貼って本番サイトを見れば済みます。5分で終わる確認なので、報告会の場で1本だけ開いて、変更されているかを一緒に見るのがおすすめです。
この章の結論として、続けるか変えるかの判断は、報告書に①②③がそろっているかを見た時点で半分決まります。3点がそろわない報告書を6か月受け取っているなら、成果が出ていない原因を業者に聞く前に、まず出してもらう情報を変えてください。
報告書から原因を切り分ける4ステップ
結論から言うと、SEO外注で効果が出ない原因は「作業が動いていない」「検索語がずれている」「打ち手の規模が足りない」「期間が足りない」の4タイプに分かれます。次の4ステップを順に踏むと、どれに当たるかが1回の報告会で分かります。
ステップ1.狙っている検索語の一覧を出してもらい、商売と合っているか見る
最初にやるのは、対策している検索語の全リストをもらうことです。エクセルでもスプレッドシートでも構いません。もらったら、経営側の目で1語ずつ次の3つを判定してください。
- その語で来た人は、うちの商品を買えるか:対応エリア外の人、個人向けの語(自社がBtoBなら)、無料で済ませたい人しか来ない語が混ざっていないか
- その語は、営業の現場で実際に聞く言葉か:業界の正式名称だけが並んでいて、お客さまが使う言い方が入っていないケースが多い
- すでに取れている語を、成果として並べていないか:自社名・自社商品名での検索は、同名の他社や大手ポータルが無い限り、対策をしなくても上位に出ます。この語のクリック数が成果の大半を占めていたら、実質的な成果はゼロに近い
3つ目は特に見落とされます。社名・商品名を除いた合計で、前年同月と比べてください。除外した後の数字が動いていなければ、新しく届いた人はいなかったということになります。
ステップ2.サーチコンソールの実数と、報告書の数字を突き合わせる
報告書の数字が正しいかは、自社のサーチコンソールを開けば5分で確認できます。オーナー権限を持っていない場合は、この機会に付与してもらってください。権限の渡し方と、退職・契約終了時の削除手順はサーチコンソールの権限付与と削除の手順にまとめています。
見るのは検索パフォーマンスのレポートです。期間を数か月単位に広げ、社名を含むクエリを除外したうえで合計を確認します。
期間の指定やクエリの絞り込みができる場所は画面の更新で変わることがあるので、操作はGoogle公式の検索パフォーマンスレポートのヘルプで確認してください。ここで報告書と大きく食い違うなら、集計の条件(期間の取り方、対象ページの絞り方)を聞きます。悪意ではなく条件の違いであることがほとんどですが、条件がそろわない数字を毎月見ていても判断はできません。
データの書き出しや突き合わせの作業そのものは、生成AIに手伝わせると速くなります。書き出しができる形式と手順はGoogle公式の検索パフォーマンスレポートのヘルプで確認してください。次のような短い指示から始めて、返ってきた表を見ながら条件を足していくやり方が現実的です。なお、ファイルを添付して読み取れるかどうかは、使うサービスや契約プランによって違います。使う前に、そのサービスの公式ヘルプでファイル添付に対応しているかを確認してください。
添付はGoogleサーチコンソールのクエリ別データです。
・社名「[自社名を入力]」を含むクエリを除外してください
・残ったクエリを、表示回数の合計が多い順に上位30件で表にしてください
・クリック数が0で表示回数が100以上のクエリを別表で出してください
この2つの表だけを出力してください。分析コメントは不要です。
2つ目の表(表示はされているのにクリックが0の検索語)が、いちばん話が早い材料になります。ここに自社の商売と関係ない語がずらりと並ぶなら、原因は検索語の選定です。関係のある語が並ぶなら、タイトルや説明文を直す余地が残っているという話になります。
AIが出した表は、必ず元データの行数と合計値を目視で照合してください。件数の絞り込みや除外条件を取り違えたまま、もっともらしい表が返ってくることがあります。合計クリック数がサーチコンソールの画面と一致していれば、集計としては信用できます。
ステップ3.変更したURLを開いて、本番に反映されているか確かめる
報告書に載っている変更済みURLから3本を選び、実際にページを開きます。見るのは次の3か所です。
- ブラウザのタブに出るページタイトル:報告書に書かれた変更後のタイトルと一致しているか
- 本文の見出し:直したと報告されている見出しが、実際に書き換わっているか
- 新しく増えたページ:追加されたと報告されているURLが開けるか
ここでよく見つかるのが「提案書は出ているが、実装が自社の承認待ちで止まっている」という状態です。原稿確認の依頼メールが担当者の受信箱で数か月眠っていた、というケースもあります。この場合、原因は業者ではなく自社側にあります。
公開直後に順位が下がった、という話が出たときは、施策の失敗と外部要因を分けて考える必要があります。切り分けの手順は検索順位が急に下がった原因の切り分け手順で詳しく書いています。
ステップ4.4タイプのどれかを決めて、次の一手を選ぶ
ステップ1から3で集めた材料を、次の表に当てはめます。当てはまる行が、いま起きていることです。
| 報告書と実物の状態 | 原因のタイプ | 次の一手 |
|---|---|---|
| 変更したURLが報告書に無い。開いても変わっていない | 作業が動いていない | 翌月の作業計画をURL単位で出してもらう。出てこなければ変更を検討する |
| 変更はされている。表示回数も増えた。でも問い合わせが増えない | 検索語が商売とずれている | 検索語リストを作り直す。営業が実際に聞く言葉を自社から提供する |
| 変更はされているが、タイトル修正など細部のみ。表示回数が動かない | 打ち手の規模が足りない | ページを増やす作業が契約に含まれているか確認する。含まないなら範囲の見直し |
| すべて動いている。ただし開始から3〜4か月以内 | 期間が足りない | 判断を保留する。ただし作業計画は毎月確認し続ける |
| 提案は出ているが、自社の承認・原稿確認で止まっている | 自社側で止まっている | 承認の担当者と締切を社内で決める。業者を変えても解決しない |
最後の行が思いのほか多いというのが、現場でよく見かける実態です。業者を変える判断をする前に、自社の承認が何日で回っているかを一度数えてみてください。
次の報告会で送る、確認メールの文面例
そのまま使える文面を置いておきます。責める形にせず、判断材料をそろえたいという伝え方にするのがコツです。
[担当者名]様
お世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
次回のご報告の際に、社内で継続の判断をしたく、以下の3点を資料に加えていただけますでしょうか。
1. 対策キーワードの一覧と、キーワードごとの表示回数・クリック数(前月比)
※弊社名を含む検索は別集計にしてください
2. 当月に変更・追加したページのURLと、変更内容、実施日
3. 問い合わせフォーム送信・電話発信が発生したページのURLと件数
あわせて、弊社側でお待たせしている確認事項があればご指摘ください。
社内の承認が遅れている可能性があり、あわせて見直したいと考えております。
よろしくお願いいたします。
最後の2行を入れておくと、自社側が止めている案件があった場合に、相手が指摘しやすくなります。こちらから聞かない限り、業者側からは言い出しにくい話だからです。
この章の結論として、原因を4タイプのどれかに決められた時点で、取るべき行動は表の右列に決まります。順位が上がらないという漠然とした不満のまま次の契約更新を迎えるのが、いちばん損をする進み方です。
SEO外注でよく起きる5つの失敗と、契約前後の防ぎ方
ここから挙げるのは、SEOを外注しているからこそ起きる失敗です。どれも、契約書と報告書を見れば起きる前に防げます。
失敗1.対策キーワードが、契約後に業者側で入れ替わっている
提案時は「大分 注文住宅」のような商売に直結する語だったのに、半年後の報告書では「注文住宅 メリット デメリット」のような、上がりやすいけれど買う人が来ない語に変わっている。競合が強くて成果が出ないとき、報告書の見栄えを保つために起きます。
結果として、順位表は緑色の上昇マークで埋まるのに、問い合わせは1件も増えません。防ぎ方は、契約時に決めた対策キーワードの一覧を自社でも保管し、報告書のたびに照合することです。入れ替えるなら理由と承認をもらう、という運用を最初に決めておけば済みます。
失敗2.記事が業者のドメインやサブドメインに置かれている
コンテンツ制作を外注したのに、納品された記事が自社サイトではなく、業者が用意した別のサイトに置かれているケースがあります。契約が続いているうちは自社サイトへリンクが張られるので流入がありますが、解約するとページごと消えます。
解約と同時に記事が読めなくなり、手元にデータが残らないという事態を避けるため、契約前に「記事は自社ドメイン配下に公開されるか」「原稿の著作権とデータは自社に帰属するか」の2点を確認してください。自社ドメイン配下のどこに置くべきかで迷う場合は、サブディレクトリとサブドメインの違いと選び方が判断の材料になります。
失敗3.被リンクが月額に含まれていて、解約すると外れる
月額に「被リンク◯本」が含まれている契約では、そのリンクは業者が管理する別サイトから張られていることがあります。解約と同時にリンクが外され、順位が契約前の水準に戻ります。
この形は、成果がリンクの本数に依存しているぶん、やめられなくなるのが問題です。契約前に「リンクの設置元は第三者のサイトか、御社が管理しているサイトか」「解約後もリンクは残るか」を必ず聞いてください。
失敗4.サーチコンソールとGA4が、業者のアカウント配下にしかない
計測ツールの設定を業者に任せたとき、業者のGoogleアカウントでプロパティが作られ、自社にはオーナー権限が無いという状態が生まれます。契約終了時に、過去のデータごと見られなくなります。
自社のGoogleアカウントでプロパティを作り、そこに業者を招待する形にしておくのが順番として安全です。すでに逆になっている場合、どこまで権限を移せるかはサービスごとの仕様によるので、まずは業者に現在の権限設定を開いて見せてもらい、自社アカウントをオーナーとして追加できるかを確認してください。移せない場合は自社アカウントで作り直すことになるため、切り替え前後で数字が途切れないよう、両方で計測を回す期間をつくっておきます。
失敗5.レポートの成果が「順位」だけで、問い合わせと接続されていない
順位の改善は報告されるのに、問い合わせフォームの送信がどのページから来たかが誰も分からない。この状態だと、SEOを続ける理由も、やめる理由も、社内で説明できません。
防ぎ方は、契約開始時に「フォーム送信をGA4で計測する設定が契約に含まれるか」を確認することです。含まれないなら、そこだけ別の会社に頼むか社内で入れる必要があります。役員に説明する形式まで含めた組み立て方はSEO報告の作り方とKPI設計で解説しています。
この章の結論として、5つの失敗はいずれも「解約したときに何が残るか」を契約前に聞いていれば防げます。判断の分かれ目は品質ではなく、資産が自社側に積まれる契約かどうかです。
SEO外注の費用は何で変わるか。月額を単価に割り戻して見る
SEO外注の月額が高いか安いかは、金額そのものでは判断できません。同じ金額でも、含まれる作業の範囲と量が会社によって大きく違うからです。見積もりを次の5項目に分解して、それぞれ「何件・何時間・誰が」を書いてもらうと比較できるようになります。
| 費用の内訳項目 | 金額が動く理由 | 見積もり時に聞くこと |
|---|---|---|
| 初期調査・サイト診断 | ページ数と、調査にツールを使うか手作業か | 診断結果は報告書として残るか。改修の優先順位まで付くか |
| 記事・ページの制作 | 本数、取材の有無、執筆者が業界を知っているか | 月に何本か。1本あたりの文字数と、取材が付くかどうか |
| サイトへの実装作業 | 自社CMSに業者が直接触るか、指示書を出すだけか | 実装まで含むか。含まないなら誰がやるのか |
| 計測とレポート | 自動出力のみか、人が読んで改善案を書くか | レポートに翌月の作業計画が付くか |
| 打ち合わせ・相談対応 | 月次か隔月か、担当者が固定か | 月に何回、誰が出席するか。質問の返信は何営業日か |
いちばん差が出るのは制作の本数と、実装が含まれるかどうかの2つです。仮に月額の中に記事4本が含まれていれば、月額を4で割った額がおおよその記事単価になります。この割り戻しをすると、「安い」と思っていた契約の記事単価が、実は相場より高かったという逆転がよく起きます。
安さの正体を確かめる。極端に安い月額は、たいてい「実装が含まれない」「記事は月1本」「レポートは自動出力のみ」のどれかです。安いのが悪いのではなく、含まれない作業を誰がやるかを決めないまま契約すると、その作業が丸ごと抜け落ちます。
費用の相場感と、発注前に決めておく項目についてはコンテンツSEO外注の選び方と費用の見方でも触れています。あわせて、社内に残す作業の線引きはSEO内部対策の代行はどこまで頼むかが参考になります。
この章の結論として、比較すべきなのは月額の総額ではなく、項目ごとの単価と、抜けている作業です。見積もりを5項目に割ってから、はじめて2社が比べられる状態になります。
SEO業者を変更する前に引き継ぐ5項目
業者を変更すると決めたら、解約を伝える前に引き継ぎの準備をしてください。伝えたあとでは協力が得にくくなり、必要なものを回収できないまま契約終了日が来ます。
- アカウントの権限を、自社をオーナーにした状態に直す。自社のメールアドレスで管理者になっているかを、次の5つで1つずつ開いて確認します
- サーチコンソール
- GA4
- Googleタグマネージャー
- サーバーとドメインの管理画面
- WordPressの管理者アカウント
- 納品物の置き場所を確認する。記事の原稿データ、画像の元データ、これまでの報告書。自社のドライブにコピーが無いものは、契約中にダウンロードしておきます
- 被リンクの設置元を一覧でもらう。解約で外れるリンクがあるかを確認します。外れる前提なら、順位が下がることを織り込んで次の業者に伝えます
- 契約中に導入された有料ツールを洗い出す。順位計測ツールやヒートマップが業者のアカウントで契約されていると、解約と同時に履歴ごと止まります
- 次の業者に渡す引き継ぎ資料を作る。これまでの対策キーワード一覧、変更したページのURL一覧、サーチコンソールの検索パフォーマンスから書き出せる範囲のデータ。この3つがあれば、次の業者は初期調査の時間を短縮できます
順番も大事です。1と2を終えてから解約を伝えてください。契約書に解約予告期間(1か月前・3か月前など)が書かれているので、先にそこを確認し、逆算して準備を始めます。
サイトのリニューアルと業者変更を同時に進めるのは避けてください。順位が動いたときに、どちらが原因か分からなくなります。どうしても重なる場合は、変更の間隔を最低でも1か月は空けて、切り分けられる状態にしておきます。
この章の結論として、業者変更で失うものは「作業を続けてくれる人」ではなく「アカウントと過去データ」です。ここを押さえておけば、変更そのものは大きなリスクになりません。
外注がうまく回っている会社が、社内に残している作業
SEO外注で成果が出ている会社に共通しているのは、「全部任せていないこと」です。外に出せない情報を社内で用意し、それ以外を業者に渡す形になっています。具体的には、次の3つが社内に残っています。
- お客さまが使う言葉の提供:営業や受付が実際に聞かれる質問、見積もり時によく出る不安。これは外部のライターには集められません。月に15分、営業会議の最後に「今月よく聞かれたこと」を3つ書き出すだけで足ります
- 原稿の事実確認:業者が書いた原稿の、価格・対応範囲・資格・納期の記述が合っているか。ここを確認せずに公開すると、問い合わせ時のトラブルになります。確認は専門家でなくてもでき、社内の実務担当者が読めば済みます
- 公開の承認を出す担当と締切:誰が何営業日以内に返すかを決めておく。ここが決まっていない会社では、業者側の作業が承認待ちで止まり、遅れの原因が自社側に生まれます
この3つを社内に置くと、業者側の作業は「調べる・作る・実装する」に集中します。結果として、同じ月額でも月あたりに公開できるページ数が増え、判断の往復も減ります。
取り組んだ結果として最初に変わるのは、順位ではなく「表示回数」です。ページが増え、扱う検索語が広がると、まず検索結果に出る回数が増えます。クリックと問い合わせはその後についてくるので、開始から数か月は表示回数の伸びを見ていれば、進んでいるかどうかは判断できます。
なお、記事の下書きをAIで作り、業者には設計と実装だけを頼むという分け方も、いまは現実的な選択肢です。社内の担当者が音声メモで話した内容をAIに文章化させ、事実確認だけ人がやる形なら、制作費を抑えながら本数を増やせます。ただし、どの検索語でどのページを作るかという設計を外すと本数だけが増えて成果につながらないので、そこは残しておくのが安全です。
この章の結論として、外注がうまくいくかどうかは業者の腕前だけでは決まりません。お客さまの言葉・事実確認・承認の3つを社内に置けるかどうかが、同じ業者でも結果を分けます。
発注側が見落としやすいコストと、SEO外注が向かない条件
ここは率直に書きます。SEOの外注は、どの会社にも効く手段ではありません。月額を払っても成果が出にくい条件があり、その場合は別の手段にお金を回したほうが早く結果が出ます。
月額以外にかかる、見落としやすいコスト
月額の見積もりには入らないのに、実際には必ず発生する費用があります。予算を組むときに、次の4つを最初から足しておいてください。
- 社内の確認工数:原稿確認と承認にかかる担当者の時間。記事の本数と社内の確認体制で大きく変わります。人件費として計上されないため見えにくいですが、ここが確保できないと施策が止まります
- サイト改修の実費:診断で「サイトの表示速度が遅い」「フォームが使いにくい」と指摘されても、その改修は制作会社の別費用になることが多いです
- 写真・図版の準備:記事に載せる現場写真や施工例は自社にしかありません。撮影の手配も含めて自社の仕事になります
- 計測の初期構築:GA4でフォーム送信を計測できていない状態から始める場合、その設定作業が別途の初期費用になります。金額はサイトの構成とフォームの数で大きく変わるので、見積もり時に確認してください
SEO外注が向かない3つの条件
次のどれかに当てはまる場合、SEOに月額を払う前にやることがあります。
| 条件 | なぜ向かないか | 先にやること |
|---|---|---|
| 3か月以内に売上が必要 | 検索からの流入が積み上がるには時間がかかる。急ぐ案件と相性が悪い | リスティング広告など、当月から表示される手段を先に検討する |
| 商圏が狭く、検索される回数がそもそも少ない | 1位を取っても、検索される回数が少なければ母数が足りない | Googleビジネスプロフィールの整備や、既存客への働きかけに予算を回す |
| 社内に原稿を確認できる人がいない | 業者が書いた内容の正誤を誰も判定できず、間違った情報が公開される | 確認担当を1人決める。決まらないうちは記事制作を契約に含めない |
2つ目については、地域で商売をしている会社ほど当てはまります。同じ予算をかけるなら、地図検索の対策に回したほうが来店につながることがあるので、どちらを先にやるかは検索回数を調べてから決めてください。
業者選定で、提案書より先に見たほうがいいこと
提案書の中身はどの会社も似てきます。差が出るのは、提案の前に何を聞かれたかです。
自社の商材・単価・粗利・過去に断られた理由を一度も聞かずに、キーワード一覧と施策リストだけを出してくる提案は、他社にもそのまま出せる内容になっています。逆に、「いまの問い合わせは月何件で、そのうち何件が成約していますか」と聞いてくる相手は、成果の定義を合わせようとしています。
この章の結論として、SEO外注を判断するときに見るのは、業者の実績よりも自社の条件です。急いでいる、商圏が狭い、確認できる人がいない、のどれかに当てはまるなら、別の手段を先に試したほうが早く結果が出ます。
契約して何か月たっても変化がなければ、見切りをつけていいですか
月数だけでは決められません。報告書に「変更したページのURL」が毎月載っていて、表示回数が増えているなら、順位が動いていなくても進んでいます。逆に、URLが3か月続けて載らないなら、期間の問題ではなく作業が動いていないので、月数を待つ意味はありません。
業者を変えたら、これまでの順位は下がりますか
記事が自社ドメインにあり、被リンクが業者管理のサイトから張られていなければ、変更しただけで下がることはありません。下がるとしたら、業者のサイトに置かれた記事が消えた場合か、月額に含まれていたリンクが外れた場合です。この2点を解約前に確認してください。
順位1位を保証する、という提案は信用していいですか
信用しないでください。検索順位はGoogleのアルゴリズムが決めるものなので、外部の会社が特定の順位を確約することはできません。業者を選ぶときに確認したい点は、Google検索セントラルのSEOが必要なケースについての公式ドキュメントにまとまっているので、契約前に一度目を通しておくと判断しやすくなります。
同じ業者に、広告運用とSEOをまとめて頼んでも大丈夫ですか
まとめること自体は問題ありませんが、報告書は分けてもらってください。まとめた資料だと、問い合わせが広告から来たのか検索から来たのかが分からなくなり、SEOの費用対効果を判断できなくなります。流入経路ごとの件数を分けて出してもらうだけで済みます。
社内に担当者がいないのですが、外注だけで回せますか
原稿の事実確認と公開の承認だけは、社内に置く必要があります。専任である必要はなく、実務を知っている人が月に数時間使えれば足ります。この役割が誰にも割り当てられていない状態で契約すると、業者側の作業が承認待ちで止まり、月額だけが出ていきます。
まず、手元の報告書を1枚開いてみてください
今日できることは1つだけです。直近の報告書を開いて、「変更したページのURL」が書かれているかを探してください。1分で終わりますし、書かれていなければ、次の報告会で聞くことがその場で決まります。契約を続けるかどうかは、そのあとで判断すれば間に合います。
報告書の中の「平均掲載順位」という数字を誤読したまま判断しないよう、サーチコンソールの平均掲載順位の見方もあわせて読んでおくと、次の報告会での会話が変わります。
ここまで読んで、報告書の照合や検索語の見直しを社内だけで進めるのは難しそうだと感じた方は、一度お話を聞かせてください。コレットラボでは、毎月の判断と実装が止まっている会社に向けて、何から手をつけるかを決めて実装まで進めるSEO外注の見直しから始める内製化支援を行っています。いまの契約内容と報告書を見せていただくだけでも構いません。
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