X企業アカウントを複数人で運用する手順|担当交代でも止めない
この記事の要点
- 会社名義の入口を1つ作って共有するのが現実解。名義が個人のままだと担当交代で止まる
- 決めるのは名義・認証情報の置き場・台帳の3点。台帳テンプレを本文に掲載
- 事故は退職時の2段階認証と連携アプリで起きる。失敗5パターンと戻し方を解説
X(旧Twitter)の企業アカウントを複数人で運用するときにまず整えるのは、投稿ルールではなくアカウントの名義と認証情報の置き場です。Xの機能や提供条件は変わることがあるため、媒体側の仕組みに寄りかかった運用は、仕様が変わった日に止まります。だからこそ「会社が持ち主で、誰が抜けてもログインできる状態」を人力で作っておく必要があります。
この記事は、社内2〜5人でX企業アカウントを回している広報・営業・経営者の方に向けたものです。読み終わる頃には、名義・2段階認証・パスワードの置き場を今週中に決められて、担当が代わる日の引き継ぎ手順まで手元に残る状態を目指します。
扱うのは「アカウントそのものの管理」に絞ります。投稿ネタの作り方や運用開始時の設計はX企業アカウント運用の始め方|最初の30日で固める型と手順、投稿業務そのものの引き継ぎ手順はSNS運用の属人化を解消|引き継ぎノートと投稿テンプレの作り方で解説しています。
Contents / 目次
X企業アカウントの複数人運用で最初に決める3つ
結論から言うと、決めるのは名義・認証情報の置き場・台帳の3つです。この3つが決まっていれば、担当者が急に休んでも退職しても、アカウントは止まりません。逆に投稿ルールや週次の分担をどれだけ細かく作っても、この3つが個人に紐づいたままだと、その人がいなくなった日に運用ごと止まります。
- 名義:Xに登録するメールアドレスと電話番号を、個人のものから会社のものに寄せる
- 認証情報の置き場:パスワードと2段階認証のコードを、担当者の頭やスマホではなく共有の保管場所に置く
- 台帳:「このアカウントは誰の何で管理されているか」を1枚の表にして、上長が見られる場所に置く
ここでいう複数人運用とは、1つの企業アカウントを社内の2人以上(または社外の代行先を含む)が交代で使う運用のことです。全員が同じIDとパスワードでログインする状態を指すのではありません。この記事では、本体へのログインは限られた人だけにして、日々の投稿は運用ツールの席を分けて行う形をおすすめします。
整った状態と、現場でよく見る状態を並べると違いがはっきりします。
| 決めること | 会社として整った状態 | 現場でやりがちな状態 |
|---|---|---|
| 登録メールアドレス | 会社ドメインの共有アドレス(例 sns@自社ドメイン) | 前任者の個人アドレスや社員個人のメール |
| 登録電話番号 | 会社契約の番号、または会社支給の共有端末 | 担当者の私物スマホの番号 |
| 2段階認証のコード | 共有できる保管場所に登録し、復旧の手段も別に用意 | 前任者の私物スマホの認証アプリだけ |
| パスワードの渡し方 | パスワード管理ツールの共有フォルダ | チャットのDM、共有Excel、口頭 |
| 日々の投稿 | 運用ツールのメンバー権限で担当を分ける | 全員が本体に直接ログインして投稿 |
| 管理状況の記録 | アカウント台帳が1枚あり、上長も見られる | 担当者の記憶のみ |
優先順位。全部を一度に直せない場合は、登録メールアドレスを会社の共有アドレスに変えるところから手を付けてください。パスワードの再設定やセキュリティに関する通知が登録アドレス宛に届く仕様かどうかは、Xのヘルプセンターで現在の案内を確認してください。ここが個人のままだと、他をどれだけ整えても最後の砦が個人に残ります。
この章の結論として、複数人運用の設計は「誰が投稿するか」ではなく「誰が抜けてもログインできるか」から決めます。次の章で、その状態を作る手順を順番に見ていきましょう。
担当が代わっても止まらない土台を作る5ステップ
土台づくりは5つのステップに分かれます。所要時間は、社内のメール発行の申請フローやパスワード管理ツールの契約状況によって大きく変わります。共有メールアドレスの発行に情シスへの申請が必要な会社では、そこが最初のボトルネックになりやすいので、先に申請だけ出してから残りを進めてください。
ステップ1.会社ドメインの共有メールアドレスに付け替える
最初にやるのは、Xに登録しているメールアドレスを会社のものに変えることです。個人名の入った社員アドレス(yamada@〜)ではなく、担当が代わっても使い続けられる共有アドレス(sns@〜、pr@〜など)を新しく作ります。
グループアドレス(複数人の受信箱に同時に配信されるアドレス)にできるなら、そちらの方が安全です。登録アドレス宛に届く通知を、担当者1人だけでなく上長も同時に受け取れるからです。どんな通知が登録アドレスに届くかはXのヘルプセンターで確認してください。
社内側でやることは次の3つです。Xの設定画面での変更操作は、項目名や画面の階層が変わることがあるため、手順はXのヘルプセンターで現在の案内を確認しながら進めてください。
- 会社ドメインの共有メールアドレスを発行し、受信できることを確認する
- Xの設定画面で登録メールアドレスを会社の共有アドレスに変更し、確認メールで確定させる
- 変更後、設定画面で登録アドレスが新しいものになっていることを目で確認し、前任者にも一報を入れる
ステップ2.2段階認証の受け取り先を個人のスマホから外す
2段階認証とは、パスワードに加えてもう1つの確認(数字のコードなど)を求める仕組みのことです。企業アカウントでは必ずオンにしますが、複数人運用でつまずくのはここです。担当者の私物スマホに入れた認証アプリだけでコードを受け取っていると、その人が退職した瞬間に誰もログインできなくなります。
受け取り先の選び方は、社内の体制で変わります。判断の目安を挙げます。
- 会社支給の共有端末がある場合:その端末に認証アプリを入れ、端末は施錠できる場所で保管する。持ち出しルールも決めておく
- 共有端末がない場合:担当者と上長など複数人の端末に同じ認証アプリを登録しておき、1人が抜けてもコードを受け取れる状態にする
- どちらも今すぐ用意できない場合:暫定として担当者と上長の2人の端末に登録する。ただし退職時に必ず解除する前提で運用する
2段階認証をオンにするときは、認証アプリを入れた端末が壊れた・紛失した・初期化されたときの復旧手段を、設定と同時に用意してください。Xが用意している復旧の方法はXのヘルプセンターで確認できます。 退職だけでなく、端末の機種変更でも同じことが起きます。
ステップ3.パスワードの置き場を1か所に決める
パスワードは、チーム向けのパスワード管理ツールの共有フォルダに入れて、そこ以外には書かないと決めます。共有フォルダとは、指定したメンバーだけが中身を見られる保管箱のことです。チャットのDMや共有Excelで回すと、退職者の端末やチャット履歴に残り続けて、あとから消せません。
運用ルールとして決めておく項目は次の4点です。
- 閲覧できるメンバーを何人までにするか(目安は担当者と上長を含めて3人まで)
- パスワードを変更するタイミング(担当交代時は必ず変更する、と決め打ちにするのが確実)
- 変更したら誰に知らせるか(台帳の更新日も同時に書き換える)
- 退職者のアクセス権を、いつ誰が外すか
ステップ4.日々の投稿は運用ツールの席で分ける
複数人で投稿するときは、全員が本体にログインするのではなく、SNS運用ツールにアカウントを1回つないで、ツール側のメンバー権限で担当を分けます。パスワードを配らずに担当を分けられるのが利点ですが、承認フローや操作ログが付いているかはツールによって違います。次の3点を公式ページで確認してから選んでください。
- 承認フローの有無:作成者と承認者を分けられるか。分けられないと、誤投稿を止める仕組みが人の目視だけになる
- メンバーの追加・削除のしやすさ:退職者を管理画面から即座に外せるか。ここが面倒だと必ず外し忘れが起きる
- 操作ログが残るか:誰がどの投稿を出したかを後から追えるか。炎上時の初動調査で効いてくる
チーム運用を前提にしたツールは各社が公開しています。上の3点を満たすかどうかは製品やプランによって変わるため、比較するときは各社の公式サイトで機能一覧と料金プランを直接確認してください。問い合わせフォームで「承認フローはどのプランから使えるか」「操作ログはどこまで残るか」を聞くのが確実です。
ステップ5.アカウント台帳を1枚作る
最後に、ここまで決めたことを1枚の台帳にまとめます。台帳とは、そのアカウントが「何で管理されているか」を書き出した記録のことです。投稿マニュアルとは別に作ってください。マニュアルは日々の作業のためのもので、台帳は緊急時と引き継ぎのためのものです。
そのままコピーして使える形にしました。社内の共有ドライブに置き、閲覧できる人を絞ってください。
【Xアカウント台帳】最終更新日 2026-08-11 / 更新者 [氏名]
■ アカウント情報
アカウント名(@ID) :@[ ]
アカウントの所有部署 :[部署名]
運用責任者(決裁者) :[氏名・役職]
実務担当者 :[氏名](副:[氏名])
■ ログインに必要なもの
登録メールアドレス :[sns@自社ドメイン]
└ 受信を確認できる人:[氏名・氏名]
登録電話番号 :[会社番号/共有端末]
パスワードの保管場所 :[パスワード管理ツール名/共有フォルダ名]
└ 閲覧できる人 :[氏名・氏名・氏名]
2段階認証の受け取り先:[共有端末/登録している人の氏名]
復旧手段と保管場所 :[手段・保管場所・保管形式]
■ 外部との接続(半年に1回見直す)
利用中の運用ツール :[ツール名]/席を持つ人[氏名]
連携している外部アプリ:[アプリ名・用途・連携した日・担当]
※不要になったものは連携解除し、この行を消す
■ 引き継ぎ記録
前回の担当交代日 :[YYYY-MM-DD]
そのとき変更したもの :パスワード/2段階認証/ツールの席/連携アプリ
次回の棚卸し予定日 :[YYYY-MM-DD]
この章の結論として、5ステップの目的は「担当者しか知らない情報」をゼロにすることです。台帳を書き終えた時点で埋められない欄が残っていたら、そこがそのまま今のリスクなので、先に潰してください。
担当交代が決まってからの引き継ぎ手順
異動や退職が決まったら、最終出社日を待たずに動きます。順番は「新担当を入れる → 権限を移す → 前任者を外す」です。この順を逆にして先に前任者のアクセスを止めると、確認したいことがあるのに誰も答えられない、という状態になります。
最終出社日までにやることのチェックリスト
前任者本人と一緒に、上から順に確認してください。前任者が退職したあとでは、ほとんどの項目が確認できなくなります。
- 登録メールアドレスの確認:会社の共有アドレスになっているか。個人アドレスなら今すぐ変更する
- 登録電話番号の確認:私物の番号なら、会社の番号か共有端末の番号に差し替える
- 2段階認証の付け替え:前任者の端末の登録を解除し、共有の受け取り先に登録し直す。復旧手段も合わせて用意し直す
- パスワードの変更:交代のタイミングで必ず変える。変更後は共有フォルダの中身も更新する
- 連携している外部アプリの棚卸し:過去のキャンペーンツールや分析ツールがつながったままになっていないかを確認し、不要なものは解除する(確認する画面と手順は、Xのヘルプセンターで現在の案内を確認してください)
- 予約投稿の中身の確認:前任者が入れた予約投稿が何日先まで入っているか、内容が今の状況に合っているかを見る
- 運用ツールの席の入れ替え:新担当を追加し、前任者を削除する。承認者の設定も忘れずに変える
- 下書き・DMの確認:返信待ちのDMや、途中で止まっている下書きが残っていないかを見る
- 台帳の更新:変更した項目と実施日を書き込み、次回の棚卸し予定日を入れる
連携アプリの棚卸しは、引き継ぎのときに飛ばされやすい項目です。過去に使ったキャンペーンツールや分析ツールが、担当者の退職後もつながったままになっていないか、退職前に必ず確認してください。連携中のアプリを一覧で確認する画面と解除の手順はXのヘルプセンターで案内されています。
前任者に送る確認メールの文面例
口頭だけで頼むと、必ずどこかが抜けます。次の文面をそのまま使って、返信をもらう形にしてください。
件名:Xアカウント(@[ID])の引き継ぎ確認のお願い
[氏名]さん
お疲れさまです。Xアカウントの管理を[新担当名]に移す準備を進めています。
お手数ですが、下記について[日付]までに状況を教えてください。
不明な点があれば「不明」で構いません。こちらで調べます。
1. ログイン用の2段階認証は、どの端末・どのアプリで受け取っていますか
2. 復旧のために保管しているものはありますか。ある場合、その保管場所はどこですか
3. 予約投稿は何日先まで入っていますか。取り消してよいものはありますか
4. 返信待ちのDM・リプライは残っていますか
5. 過去に連携した外部ツールで、覚えているものはありますか
上記の確認後、パスワードと2段階認証の設定を変更します。
変更後は[氏名]さんの端末からはログインできなくなりますので、
必要な作業があれば[日付]までにお知らせください。
[自分の氏名]
この章の結論として、引き継ぎで守るのは順番と期限です。「新担当を入れてから前任者を外す」「最終出社日ではなく、その1週間前までに認証情報を切り替える」の2つを決めておけば、引き継ぎの失敗はほとんど起きません。
X企業アカウントの複数人運用でよくある失敗と回避法
ここからは、複数人運用でつまずきやすい5つのパターンを挙げます。どれも投稿の中身ではなく、アカウントの管理側で起きるものです。
失敗1.私物スマホの認証アプリだけで2段階認証を受けていた
起きる状況は、立ち上げ当時に1人で運用を始めて、そのまま人が増えたケースです。当時の担当者が自分のスマホに認証アプリを入れ、誰もそれを引き継いでいません。
こうなると、その人が退職した日から誰もログインできなくなります。パスワードを知っていても、2段階認証のコードが受け取れないので入れません。ほかに復旧の手段を用意していなければ、公式の復旧手続きに頼るしかなく、時間もかかります。
防ぎ方は、認証コードの受け取り先を「人」ではなく「会社の保管場所」にすることです。共有端末に登録するか、複数人の端末に登録しておき、復旧の手段も別に用意します。すでに個人端末で運用してしまっている場合は、その人が在籍しているうちに切り替えてください。退職後では手遅れになります。
失敗2.登録メールアドレスが前任者の個人アドレスのまま
起きる状況は、開設をとりあえず社員個人のメールで済ませて、そのまま数年運用しているケースです。日々の投稿には支障がないので、誰も気づきません。
問題が出るのは、パスワードを忘れたときと、不審なログインがあったときです。登録アドレス宛の連絡が、すべて退職者のアドレスに飛びます。会社側は何も知らないまま時間が過ぎます。
防ぎ方は、会社ドメインの共有アドレスに付け替えることです。すでに退職者のアドレスが登録されていて、そのアドレス自体を会社が停止している場合は、ログインできるうちに変更してください。ログインできる状態のうちなら、たいていは自力で直せます。
失敗3.全員が同じIDで直接ログインして投稿していた
起きる状況は、人数が3人程度で「ツールを入れるほどでもない」と判断したケースです。パスワードを全員に共有して、各自がスマホから投稿します。
こうなると、誰が何を投稿したのかが分からなくなります。
問題のある投稿が出たときに、経緯を追えません。原因の特定にも謝罪の判断にも時間がかかります。
さらに、退職者が出るたびに全員のパスワード変更が必要になります。結局は誰かが古いパスワードのままログインを試み続けることになります。
防ぎ方は、本体へのログインを2〜3人に絞り、日々の投稿はツールの席で分けることです。人数が少ないうちほど「今のままで回っている」と感じますが、記録が残らない体制は、人が増えたときにそのまま持ち越されます。誤投稿が起きたときの動き方はSNS炎上対策|企業の初動フローとマニュアルの作り方で解説しています。
失敗4.退職後に予約投稿が流れた
起きる状況は、前任者が数週間先まで予約投稿を入れたまま退職し、後任がその存在を知らないケースです。とくにキャンペーンや季節の投稿を先まで仕込んでいた場合に起きます。
こうなると、すでに終了したキャンペーンの案内が流れたり、状況が変わって出すべきでない内容が出たりします。しかも投稿してから気づくため、削除しても見た人には残ります。
防ぎ方は、引き継ぎのチェックリストに「予約投稿を何日先まで確認したか」を入れることです。予約投稿の確認方法はXの予約投稿のやり方|PCとスマホ別の設定手順で解説しています。ツールで予約している場合は、ツール側のカレンダーも別に確認してください。本体とツールの両方に予約が入っていることがあります。
失敗5.過去に連携した外部アプリが権限を持ち続けていた
起きる状況は、キャンペーンの抽選ツールや無料の分析ツールを一時的につないで、そのまま解除を忘れているケースです。連携した本人が退職していると、何がつながっているのか社内の誰も把握していません。
外部アプリに与えた権限がどこまでの操作を許すのか、いつまで有効なのかは、連携時に表示される権限の内容と、Xのヘルプセンターの案内で確認してください。社内の誰も説明できない連携が残っている状態そのものがリスクです。
防ぎ方は、半年に1回、外部アプリとの連携状況を見直して、用途が説明できないものを解除することです。確認する画面と解除の手順は変わることがあるので、現在の案内はXのヘルプセンターで確認してください。 台帳の「外部との接続」の欄に、連携したアプリ名・用途・連携日を書き足す運用にしておくと、次の棚卸しで一覧を照らし合わせるだけで済みます。
この章の結論として、5つの失敗はすべて「担当者が辞めた後に発覚する」という共通点があります。つまり、在籍中に確認しておけば全部防げます。台帳の空欄を埋める作業が、そのまま予防になります。
管理を整えると運用はどう変わるか
アカウント管理を整えて最初に変わるのは、投稿の質ではなく「確認にかかる時間」です。誰がログインできるか、誰が承認するかが決まっていると、投稿1本ごとに発生していた社内確認の往復が減ります。
どれだけ減るかは、投稿本数と承認の回数、社内の決裁の慣習で大きく変わるため、一律の目安は出せません。まずは承認者と承認の基準を決めて、やりとりをツール上で完結させるところから始めてください。
もう1つ変わるのが、緊急時の初速です。台帳がある会社では、不審なログイン通知が来たときに「誰がパスワードを変えられるか」を探す時間がゼロになります。台帳がなければ、その確認から始めることになります。炎上や乗っ取りは、対応開始が遅れるほど被害が広がるので、この差は大きいです。
ツールを使う場合に知っておきたいのは、ツール経由でできることには媒体側の制約があるという点です。各社は対応可否をドキュメントで公開していて、たとえばSprinklr Help CenterのX Capabilities and Limitationsでは、Xに関してツール上でできる機能とできない機能が一覧で整理されています(英語ページ、2026年8月11日時点)。 ツールを検討するときは、営業資料の機能一覧だけでなく、こうした制限の記載も見ておくと、導入後の「思っていたのと違う」を減らせます。
成果が続いている企業の共通点は、担当が代わっても発信のトーンと頻度が変わらないことです。逆に、担当交代のたびに投稿が数週間止まり、再開したら文体も内容も別物になっているアカウントは、フォロワーから見ると同じアカウントに見えません。管理の整備は地味ですが、続けることそのものを支える土台になります。
この章の結論として、管理の整備で得られるのは新しい成果ではなく「止まらないこと」と「初動の速さ」です。投稿を伸ばす施策の前に、ここを固める価値は十分です。
現場で妥協せざるを得ないポイントと業者に頼むときの注意
ここまで理想の形を書いてきましたが、実際には全部を教科書どおりにできないことがあります。率直に、どこで妥協することになるかをお伝えします。
媒体側の機能に頼りきらない
Xの機能や提供条件は変わることがあります。今使えている管理機能が、来年も同じ形で使える保証はありません。だからこそ、複数人運用は「媒体の機能でできる部分」と「社内のルールと外部ツールで補う部分」に分けて設計します。
媒体側にどんな機能があるかを探すことに時間を使うより、共有アドレスと台帳を作るほうが早く安全になります。
認証コードの共有は、厳密には安全と言い切れない
本来、2段階認証は「本人しか持たないもの」で認証するための仕組みです。それをチームで共有する時点で、設計思想からは外れます。ただ、共有しないと会社がアカウントを失うので、実務では共有できる保管場所に置くという妥協をとります。
妥協する以上、代わりに守ることを決めておいてください。
- 閲覧できる人を3人以内に絞る
- 退職時は必ずパスワードと認証設定の両方を変える
- 閲覧履歴が残るツールを使う
この3つを決めておくと、誰が触れるかを会社が把握でき、退職後にアクセスが残る事態も防げます。ただし共有している以上、リスクがゼロになるわけではありません。
運用代行に頼むときは「アカウントの持ち主」を契約前に確認する
代行会社に依頼するとき、いちばん見落とされるのがアカウントの名義です。代行会社が自社のメールアドレスで新規開設し、そのまま運用しているケースがあります。この状態で契約が終わると、アカウントを引き上げられない、あるいは引き渡しに交渉が必要になります。
契約前に確認しておく項目を挙げます。
- アカウントの登録メールアドレスは、自社のものにできるか
- 契約終了時に、パスワードと2段階認証の設定を自社に引き渡してもらえるか。その手順は契約書に書かれているか
- 代行会社側で誰がログインできるのか。担当者が代わったとき、自社に連絡が来るか
- フォロワーやこれまでの投稿は、自社の資産として残るか
依頼できる範囲と自社に残る作業の切り分けは、SNS運用代行とは|依頼できる業務と自社に残る仕事の線引きで詳しく整理しています。アカウントの持ち主だけは、どんな契約形態でも自社に置いてください。
見落とされがちなコストは「席」の分だけ増える
複数人運用にすると、ツールの費用がユーザー数で増えることがあります。パスワード管理ツールもチーム向けのプランが必要になります。「投稿ツールを月いくらで入れる」だけを見積もると、あとから席の追加費用で予算が合わなくなります。検討時は、想定人数を掛けた金額で比べてください(料金体系は各社の公式サイトで確認してください)。
AIに投稿を任せるなら、権限は連携アプリと同じ扱いにする
AIツールでXへの投稿を自動化する場合、それは外部アプリを1つ連携するのと同じことです。誰がいつ連携したかを台帳に記録し、不要になったら解除してください。AIが作った下書きを人が承認する運用の作り方はSNSコメント返信をAIで時短する分業術|下書きは任せ承認は人で解説しています。なお、AIに社外秘の情報を入れてしまう事故も複数人運用では起きやすいので、入力してよい情報の線引きはChatGPTに機密情報を貼る前に|SNS担当の入力ルール3基準を参考にしてください。
この章の結論として、複数人運用は「完璧に安全な形」がない領域です。どこを妥協したかを自覚して、その代わりに守ることを決めておく。これができていれば、外部に説明もできますし、事故が起きたときの対応も早くなります。
前任者がすでに退職していて、Xにログインできません。どうすればいいですか
まず、登録メールアドレスが会社で受信できるものかを確認してください。受信できるなら、パスワードの再設定から復旧できる可能性があります。 受信できず、2段階認証のコードも受け取れない場合は、自力での復旧は難しくなります。Xのヘルプセンターからアカウントアクセスの復旧手続きを確認し、並行して新規アカウントの開設も検討してください。
会社の代表電話番号をXの認証用に登録しても大丈夫ですか
電話番号を使う認証にどの受信方法が必要かは、Xのヘルプセンターで現在の案内を確認してください。確実なのは、会社契約の携帯回線か共有端末の番号を使うことです。代表電話しか選択肢がない場合は、電話番号による認証に頼らず、認証アプリと復旧手段の用意をしっかり整える方向で組むほうが現実的です。
担当者の個人スマホに公式アカウントを入れておくのは避けるべきですか
同じ端末で個人アカウントと公式アカウントを切り替えていると、投稿先を間違える事故が起きます。避けられるなら会社支給端末に分けるのが安全です。難しい場合は、公式アカウントからの投稿は運用ツール経由に限定し、本体アプリでは閲覧と返信だけにする、という線引きにしてください。
運用代行会社にパスワードをそのまま渡してもいいのでしょうか
渡さずに済むなら、運用ツールにアカウントをつないで、代行会社にはツール側のメンバー権限だけを渡す形が安全です。どうしても本体のログインが必要な業務がある場合は、渡す相手を契約書で特定し、契約終了時にパスワードと2段階認証を変更することを事前に決めておいてください。
社員が2人だけの会社でも、台帳やパスワード管理ツールまで必要ですか
ツールの導入は後回しでも構いませんが、台帳だけは作ってください。2人しかいない会社ほど、1人が抜けたときの影響が大きくなります。登録メールアドレスを会社の共有アドレスにして、復旧に必要なものを金庫や施錠できる場所に保管する。この2つだけでも、止まるリスクはかなり下がります。
まず今日、登録メールアドレスだけ確認してみてください
今日すぐできる一歩として、Xにログインして、登録されているメールアドレスが会社の共有アドレスかどうかだけ確認してみてください。1分で終わります。ここが個人アドレスだったら、それが今いちばん大きなリスクです。運用の分担や投稿の型づくりまで進めたい方は、X企業アカウント運用の始め方|最初の30日で固める型と手順もあわせて読んでみてください。
ここまで読んで、社内のリソースだけで管理を整えて運用も続けるのは難しそうだと感じた方は、一度お話を聞かせてください。コレットラボでは、アカウントの管理体制の整理から日々の運用まで、社内に残す部分と任せる部分を分けて設計しています。無料のアカウント診断もあるので、現状を整理するだけでも構いません。SNS運用支援の詳細はこちらからお気軽にどうぞ。
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