ChatGPTとGeminiで引用元が変わる理由|参照先の調べ方と直し方
この記事の要点
- 引用元が変わる原因は記事の優劣ではなく、情報を取りに行く経路の違い
- ChatGPTはOAI-SearchBot、GoogleはSearch索引が土台。robots.txtの書き分けを間違えると片方だけ消える
- 自社の参照状況を調べる4ステップとログ確認コマンドを本文に掲載(質問数と内訳は自社の状況に合わせて決めます)
同じ質問をChatGPTとGeminiに投げたのに、答えの下に出てくる参照元がまったく違う。これは片方が間違っているのではなく、それぞれが情報を取りに行く経路と、出典を表示するルールが最初から別物だからです。ChatGPTはOpenAIのクローラーと外部の検索プロバイダを経由し、GoogleのAIによる概要(AI Overviews)はGoogle検索のインデックスとランキングを土台にしています。
この記事は、自社サイトがAIの回答に出たり出なかったりする理由を知りたい広報・マーケティング担当の方に向けたものです。読み終わる頃には、どのAIで自社が参照されているかを自分で調べ、robots.txtやサーバー設定のどこを直せばいいかを判断できる状態を目指します。
なお、AIによる概要そのものの画面の見え方はAI Overviewsとは|読み方と日本語画面での見え方で解説しています。この記事は「製品ごとに参照先がどう選ばれるか」に絞ります。
Contents / 目次
引用元が変わる理由は、AIごとに情報の取り方と出典ルールが違うから
結論から言うと、ChatGPT・AIによる概要(AI Overviews)・Geminiアプリの3つは、参照先を決める仕組みがそれぞれ独立しています。だから同じ質問でも、答えに添えられるリンクが揃わないのが正常な状態です。
まず違いを一覧で押さえてください。ここが分かっていないと、対策の打ち先を間違えます。表の内容は、各社の公式ドキュメントに書かれている範囲でまとめています(出典は表の下に置きました)。
| 項目 | ChatGPT(検索機能) | AIによる概要・AIモード | Geminiアプリ |
|---|---|---|---|
| 参照先の取り方 | OpenAIのクローラーが集めた情報に加え、外部の検索プロバイダを併用することがある | Google検索のインデックスから、コア検索ランキングを使って取得する(グラウンディング) | 回答に関連するソースを提示することがある。公開サイト以外も対象になる |
| 関係するクローラー名 | OAI-SearchBot(検索表示用)、GPTBot(学習用)、ChatGPT-User(利用者の操作による取得) | Googlebot(通常のクロール) | Googleのクローラー一覧(表の下の公式ドキュメント)で現在の記載を確認してください |
| 出典リンクの出方 | 回答の脇にソース一覧が出る。並び順は検索プロバイダのランキングの影響を受ける | 回答を裏づけるWebページへのリンクが表示される | ソースがある場合だけ[ソース]ボタンが出る。出ない回答もある |
| 参照を止めたいときの制御 | robots.txtでユーザーエージェントごとに指定する | nosnippet、data-nosnippet、max-snippet、noindex | 製品側の表示仕様によるため、robots.txtでの制御対象とは分けて考える |
この表の出典は次の4つです。ChatGPT列はOpenAIのクローラーに関する公式ドキュメントとOpenAIヘルプセンターのChatGPT searchの解説、AIによる概要・AIモード列はGoogle検索セントラルのAI機能とウェブサイトに関する公式ドキュメントとrobots meta タグ・data-nosnippet・X-Robots-Tag の仕様、クローラー名はGoogleのクローラーとユーザーエージェントに関する公式ドキュメント、Geminiアプリ列はGemini アプリの関連ソースを表示するヘルプページです。設定を書く前に、必ずリンク先の記載を自分の目で確認してください。
この表で一番大事なのは、ChatGPT側の制御とGoogle側の制御が別々のスイッチとして案内されている点です。OpenAIはクローラーごとのrobots.txt指定を案内し、Googleはロボットメタタグ(nosnippetなど)で自社の検索機能での表示範囲を制御すると案内しています。それぞれの公式ドキュメントに、相手側の製品に効くという記載はありません。片方の設定を入れて、もう片方でも効いているはずだと考えないでください。
ポイント。「AI対策を1か所やれば全AIに効く」という前提を捨てるところから始まります。効く場所が3系統に分かれているので、まず自社がどの系統で参照されているかを調べる必要があります。
ちなみに、この領域の対策は「LLMO対策」「AIO対策」「GEO」と複数の呼び名で語られますが、指している中身はほぼ同じです。呼び名の整理はLLMOとAIOとSEOの違いと実務の使い分け|AI検索に引用される手順にまとめているので、用語から確認したい方は先にそちらをご覧ください。
3つのAIが参照先を選ぶまでの流れ
参照先が決まるまでの道筋を、製品ごとに分けて説明します。仕組みを推測で語らないよう、ここではOpenAIとGoogleの公式ドキュメントに書かれている範囲だけを扱います。
ChatGPTの場合。OAI-SearchBotが通れるかどうかが入口
ChatGPTの検索機能で表示されるための入口は、OAI-SearchBotというクローラーです。OpenAIのOpenAIのクローラーに関する公式ドキュメントでは、OAI-SearchBotは「ChatGPTの検索機能で検索結果にWebサイトを表示するために使われる」ものと説明されています。学習用のGPTBotとは役割が分かれています。
同じドキュメントで役割が分かれているクローラーのうち、設定を間違えやすいのは次の3つです。ここは覚えてしまった方が早いです。
- OAI-SearchBot:ChatGPTの検索機能でサイトを表示するために使われる
- GPTBot:生成AIの基盤モデルの学習に使われる可能性があるコンテンツのクロールに使われる
- ChatGPT-User:利用者の操作をきっかけにWebページを取得するクローラーとして案内されている
クローラーの一覧と役割は追加・変更されることがあります。それぞれがどの機能で使われるかは、上記のOpenAIの公式ドキュメントで最新の記載を確認してください。掲載場所(URL)ごと変わることもあるため、リンクが開かない場合はOpenAIの開発者向けサイトで「bots」「crawlers」を検索して現在の掲載ページを探してください。
さらにChatGPTの検索機能は、外部の検索プロバイダを併用することがあります。OpenAIヘルプセンターのChatGPT searchの解説によると、その場合は利用者の質問を1つ以上の検索クエリに書き換えてプロバイダへ渡し、表示されるソースの並び順はそのプロバイダのランキングの影響を受けます。上位表示を保証する方法はない、とも明記されています。
AIによる概要(AI Overviews)とAIモードの場合。土台はGoogle検索のインデックス
AIによる概要とAIモードは、Google検索のインデックスとランキングをそのまま土台にしています。GoogleはGoogle検索の生成AI機能に向けた最適化ガイドで、グラウンディング(RAG)を「回答の品質・正確性・鮮度を高めるために、コア検索ランキングシステムを使って検索インデックスから関連する最新のページを取得する手法」と説明しています。
そのうえで、Google公式は追加対策が不要だとはっきり書いています。Search CentralのAI機能とウェブサイトに関する公式ドキュメントから、そのまま引用します。
AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。
同じページには「AI 機能で表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップを作成する必要はありません」とも書かれています。llms.txtのような専用ファイルを置けばGoogleのAI機能に出やすくなる、という話ではないということです。
もうひとつGoogle側の特徴として、クエリファンアウトがあります。前述の最適化ガイドでは、モデルが関連する複数のクエリを同時に生成して追加の検索結果を取りに行く仕組みだと説明されています。1つの質問に対して、裏では複数の検索が走っているので、自社が拾われるかどうかは元の質問文だけでは決まりません。取得の流れをもう少し詳しく知りたい方はAI検索の仕組みとRAGの流れ|引用元に選ばれる条件と直し方もあわせてどうぞ。
Geminiアプリの場合。ソースが出ない回答もある
Geminiアプリは、そもそも「すべての回答に出典が付く」設計ではありません。GoogleのGemini アプリの関連ソースを表示するヘルプページには、次のように書かれています。
すべての回答に関連リンクやソースが含まれるわけではありません。回答の下に [ソース] ボタンが表示されない場合は、その回答に対しては、Gemini アプリがリンクを提供しなかったことを意味します。
提示されるソースが公開Webサイトだけとは限らない点も、同じヘルプページに書かれています。Geminiアプリのソース欄は、公開Webの引用元一覧とイコールではありません。どの種類のソースが対象になるかは製品側の仕様として変わりうるので、調査を始める前に上記ヘルプページの現在の記載を確認してください。
Geminiアプリでソースが出なかったことを「自社が評価されていない証拠」と読むのは早すぎます。ここは製品の表示仕様の話なので、AIによる概要での露出とは分けて見てください。
この章の結論。ChatGPTは「OAI-SearchBotが通れるか」、AIによる概要は「Google検索で拾われているか」、Geminiアプリは「そもそもソースが出る回答か」で見るべき場所が変わります。自社の状況を診断するときは、この3つを別々に確認してください。
自社がどのAIに参照されているかを調べる4ステップ
ここからが実作業です。特別なツールは要りません。質問リストと記録表、それにサーバーのアクセスログがあれば、社内で一巡できます。
ステップ1。調べる質問を10問だけ決める
最初にやるのは、質問リストを絞ることです。多すぎると記録が続かず、少なすぎると傾向が読めません。この記事では10問を例に進めますが、社内で毎月続けられる本数に合わせて調整してください。
10問の内訳は、次の4カテゴリに分けて配分します。カテゴリを混ぜること自体が目的なので、本数は自社の状況に合わせて変えて構いません。
- 会社名・サービス名をそのまま聞く指名質問(2問)。例「株式会社◯◯はどんな会社ですか」
- 商品・サービスのカテゴリで探す比較質問(3問)。例「大分で◯◯を依頼できる会社を教えて」
- 自社が記事で答えているテーマの解決質問(3問)。例「◯◯が動かないときの原因は」
- 業界の前提を確認する定義質問(2問)。例「◯◯とは何ですか」
質問文の言い回しを社内で考えあぐねるくらいなら、AIに10問出させて選ぶ方が早いです。作り込んだ長文プロンプトは不要で、次の程度のたたき台から対話で詰めてください。
あなたは[業種を入力]の見込み客です。
[自社サービスの内容を1〜2行で入力]を探すとき、
AIチャットに実際に打ち込みそうな質問を10個、日本語の話し言葉で出してください。
指名で聞く質問・比較して選ぶ質問・困りごとを解決する質問を混ぜてください。
出てきた10問は、そのまま使わずに1問ずつ読んで「自社の顧客が本当にこう聞くか」を確認してください。ここは人の判断が要る箇所です。
ステップ2。3つの環境で同じ質問を投げて記録する
次に、同じ10問をChatGPT・Google検索(AIによる概要が出るか)・Geminiアプリの3か所に投げ、参照元を記録します。ポイントはログイン状態と履歴の影響を減らすことです。会話履歴が残っていると、前の会話に引きずられた答えが返ります。
- ChatGPT:新しいチャットを開いて1問ずつ投げる。1問ごとに新しいチャットにする
- Google検索:ブラウザのシークレットウィンドウで検索し、AIによる概要が出るかと、そこに並ぶリンクを記録する
- Geminiアプリ:新しいチャットで投げ、[ソース]ボタンが出るかどうかから記録する
記録は次の列を持つ表にしてください。スプレッドシートで十分です。
| 列名 | 入れる内容 |
|---|---|
| 確認日 | 2026-08-30 のように日付で。仕様変更の前後を追えるようにする |
| 質問文 | 実際に打ち込んだ文をそのままコピーする |
| 使ったAI | ChatGPT/Google検索/Geminiアプリ のいずれか |
| 出典の有無 | あり/なし。Geminiアプリで[ソース]が出ない場合は「なし」 |
| 参照元URL | 表示された上位3件のドメインとURL |
| 自社の掲載 | あり/なし。ありの場合はどのページか |
| 気づき | 競合が出ていた、古い情報が使われていた、などのメモ |
AIによる概要が出る検索語と出ない検索語の見分けは、AIによる概要が出る検索語の見分け方|自社キーワードの調べ方で手順を解説しています。ステップ2の前に読んでおくと、記録の精度が上がります。
ステップ3。クローラーが実際に来ているかログで確認する
記録表で「ChatGPTには出ないがGoogleには出る」といった偏りが見えたら、次はサーバー側を見ます。AIの画面をいくら眺めても、クローラーが弾かれているかどうかは分かりません。
まずrobots.txtの記述を確認します。役割ごとに書き分けた例が次のものです。空のDisallow:は「全部許可」の意味なので、消さないでください。
# robots.txt の記述例
# 前提:サイトのドキュメントルート直下(https://example.com/robots.txt)に置く
# [自社の方針に合わせて Allow / Disallow を選んでください]
# ChatGPTの検索機能で表示させたい場合は、OAI-SearchBot を許可のままにする
User-agent: OAI-SearchBot
Disallow:
# 学習用のクロールを断りたい場合は GPTBot を拒否する(検索表示とは別の判断)
User-agent: GPTBot
Disallow: /
# 利用者が「このURLを読んで」と指示したときの取得
User-agent: ChatGPT-User
Disallow:
# Googleのモデル学習・グラウンディングを断りたい場合
User-agent: Google-Extended
Disallow: /
Google-Extendedの効き方と対象範囲は、Google Search CentralのGoogleのクローラーとユーザーエージェントに関する公式ドキュメントに記載があります。記述を入れる前に、対象となるサービスと制御できる範囲を必ず公式ページで確認してください。
robots.txtを直したら、実際にクローラーが来ているかを数えます。アクセスログにユーザーエージェントが記録されている環境なら、次のコマンドで一気に確認できます。
# 前提:サーバーにSSHで入れること/アクセスログにUser-Agentが記録されていること
# [ここを自社サーバーのアクセスログのパスに変更]
LOG=/var/log/nginx/access.log
# 直近のログに、各クローラーが何回来ているかを数える
for ua in OAI-SearchBot GPTBot ChatGPT-User Googlebot; do
printf "%-16s %s\n" "$ua" "$(grep -c "$ua" "$LOG")"
done
# 0 が出たクローラーは「来ていない」か「弾かれている」のどちらか。
# 弾かれている場合は、次のコマンドでステータスコードを確認する
# ※ $9 はnginxのcombined形式(およびApacheのcombined形式)でステータスコードが入る列。
# ログ形式を変更している場合は、1行を目視してステータスコードの列番号に置き換える
grep "OAI-SearchBot" "$LOG" | awk '{print $9}' | sort | uniq -c
このコマンドは、ログの行に文字列が含まれているかを数えているだけです。ユーザーエージェントは誰でも自由に名乗れるため、GooglebotやOAI-SearchBotを騙るアクセスも同じように数えられます。リファラなど別の項目に同じ文字列が入っている行も件数に入ります。件数はあくまで目安として見て、本物かどうかを確かめたいときは、その行のIPアドレスを逆引き・正引きして各社が案内している検証手順で確認してください。
最後のコマンドで403が並ぶ場合は、robots.txtではなくサーバーやCDN、WAFの側でブロックされています。レンタルサーバーでSSHが使えない場合は、管理画面のアクセスログのダウンロード機能で同じログを取り、テキストエディタの検索で件数を数えれば十分です。
ステップ4。ズレの原因を切り分けて、直す場所を決める
記録表とログが揃ったら、症状から原因を絞り込みます。次の分岐で、手をつける場所がほぼ決まります。
| 症状 | まず疑うこと | やること |
|---|---|---|
| Googleには出るがChatGPTに一切出ない | OAI-SearchBotの拒否、またはIPレベルのブロック | robots.txtの記述とアクセスログのステータスコードを確認する |
| ChatGPTには出るがAIによる概要に出ない | そもそもGoogle検索で上位に入っていない | Search Consoleで対象クエリの掲載順位と表示回数を見る |
| どのAIでも競合ばかり出る | 質問文に対応するページが自社に無い | 記録表の質問文に1対1で答えるページを作る |
| Geminiアプリだけソースが出ない | 製品側の表示仕様 | 異常ではないので、AIによる概要側の記録で判断する |
| 古い情報や誤った内容で紹介される | サイト上に古い記述が残っている | 該当ページの更新と、公式情報の整備を優先する |
掲載順位や表示回数の確認手順はSearch ConsoleでAI検索の表示回数を確認する手順|GA4で補うに、ChatGPT経由の流入を分けて見る設定はGA4でChatGPT流入を可視化する手順|カスタムチャネル設定にまとめています。
この章の結論。質問10問・3環境・アクセスログの3点を揃えれば、「AIに嫌われている」という漠然とした不安は、「OAI-SearchBotが403で弾かれている」のような具体的な作業項目に変わります。まずは原因の場所を1か所に特定してください。
経路を直したときに実際に変わること
ここを直すと何が起きるのか、期待値を正直に書きます。参照経路の修正は「出る土台に戻す作業」であって、引用回数を保証する施策ではありません。
まず確実に変わるのは、判断のスピードです。以前は「AIに出ないのはなぜか」を社内で議論して終わっていたところが、記録表を見れば「ChatGPTだけ0件、Googleは3件」と数字で言えるようになります。前回と今回を並べて見られるようになることが、この記録の値打ちです。
次に変わるのが、無駄な施策が減ることです。Google公式が「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」と明記している以上、Google側に対して専用ファイルやマークアップを増やす投資は優先度が下がります。その分の時間を、質問に1対1で答えるページの作成に回せます。
そして、ブロックが原因だった場合の変化はまとまって出ます。OAI-SearchBotが403で弾かれていた状態から許可に変えれば、ChatGPTの検索機能に載る前提条件が満たされます。ただしOpenAIの公式ヘルプにも上位掲載を保証する方法はないと書かれているとおり、許可した瞬間に必ず引用されるわけではありません。
成果の見方。「AIに何回引用されたか」を全数で追うのは今の技術では無理があります。10問の定点観測で、自社が出た件数が回を追うごとに増えているかどうかを見る方が、はるかに実務的です。
うまく回っている会社に共通しているのは、記録を止めないことです。AIの検索まわりの仕様は頻繁に変わるので、半年前の1回きりの調査は判断材料になりません。定期的に測る時間を確保できるかどうかが、実際のところ一番効きます。
引用元を調べるときによくある失敗5つと防ぎ方
ここからは、実際に現場で起きる取り違えです。どれもこのテーマ特有のもので、知らないと調査そのものが空振りします。
失敗1。学習を断るつもりでChatGPTの検索露出まで消す
「AIに勝手に学習されたくない」という社内方針から、robots.txtでOpenAI関連のクローラーをまとめて拒否してしまうケースです。User-agent: *に対してDisallow: /を書いたり、OAI-SearchBotまで一緒に止めたりすると、学習を断ると同時にChatGPTの検索機能からも消えます。
防ぎ方は単純で、OAI-SearchBotとGPTBotを必ず別々に書くことです。役割が違うと公式ドキュメントに明記されているので、方針を「学習は断る、検索表示は残す」と決めれば設定はそのまま書けます。学習用と検索用の切り分けはAIクローラーの拒否設定|学習用と検索用のボットを分ける手順で詳しく扱っています。
失敗2。nosnippetを全ページに入れて通常の検索結果まで痩せさせる
AIによる概要に自社の文章が使われるのを嫌って、サイト全体に<meta name="robots" content="nosnippet">を入れてしまう例です。Google検索セントラルのrobots meta タグの仕様には、nosnippetについて「このページをテキスト スニペット、動画プレビューとして検索結果に表示しません」と書かれています。つまり通常の検索結果のスニペット(タイトル下の説明文)も出なくなります。
AIによる概要やAIモードでの扱いがどうなるかは、製品側の仕様として変わりうる部分です。設定を入れる前に、上記のrobots meta タグの仕様ページと、Google検索セントラルのAI機能とウェブサイトに関する公式ドキュメントで、現在どう書かれているかを自分の目で確認してください。
また、この指定はGoogleのクローラーに向けたものです。OpenAI側の公式ドキュメントはクローラーごとのrobots.txt指定を案内しており、Googleのロボットメタタグで制御できるという記載はありません。「AI全般への対策」のつもりで入れると、Google経由のクリックだけを失うことになりかねません。範囲を限定する書き方はnosnippetの使い方|AI要約から外す範囲指定とCTRの注意点にまとめました。まずは特定の段落だけをdata-nosnippetで囲む方法から検討してください。
失敗3。1回の結果でAI別の傾向を判断する
ChatGPTに1回質問して自社が出なかったので「ChatGPTには載っていない」と結論づける、というのが最も多い誤診です。OpenAIヘルプセンターのChatGPT searchの解説によると、ChatGPTの検索機能は利用者の質問を1つ以上の検索クエリに書き換えて外部の検索プロバイダに渡し、ソースの並び順はそのプロバイダのランキングの影響を受けます。自分が打ち込んだ文と、実際に検索に投げられる文は同じではありません。
防ぎ方は、1問につき最低2回、別のチャットで試すことです。2回とも出なければ「出ない」と記録し、片方だけ出たなら「不安定」と記録します。この区別があるだけで、次回の比較が意味を持ちます。
失敗4。robots.txtだけ直してサーバー側の403に気づかない
robots.txtでOAI-SearchBotを許可しているのに、いつまでもChatGPTに出ない。この場合、CDNやWAFのボット対策機能が、robots.txtとは無関係にアクセスを弾いていることがあります。robots.txtはクローラー側に方針を伝えるファイルであって、サーバーやCDNが返す403を止める効果はありません。
症状の見分け方は、ステップ3のコマンドでステータスコードを数えることです。200が並んでいれば通っていて、403や429が並んでいれば弾かれています。契約しているサーバーやCDNの管理画面で、ボット遮断・アクセス制限にあたる設定が入っていないかもあわせて確認してください。設定名は各社で違うので、分からなければサポートに「特定のユーザーエージェントやアクセス元を遮断する機能が有効になっていないか」を問い合わせるのが早いです。
失敗5。Geminiアプリのソース欄を公開Webの引用一覧だと思い込む
Geminiアプリのソース欄に並ぶものが、公開Webサイトだけとは限りません。これを知らずに社内で画面キャプチャを共有すると、「競合のサイトが引用されている」という話と、自分の環境だから表示されているものの話が混ざります。
防ぎ方は、調査用のアカウントでは外部サービスとの連携やファイルのアップロードを使わないと決めておくことです。記録表の「参照元URL」列に、公開URL以外は書かないルールにしておくと混線しません。
この章の結論。失敗の大半は「効くスイッチを取り違える」ことから起きます。設定を変える前に、それがChatGPT側・Google側・製品の表示仕様のどれに効くのかを一度だけ確認してください。
全部のAIで引用元を揃えるのは無理。どこで折り合いをつけるか
率直に言うと、ChatGPTとGeminiで同じ参照元を出させることはできません。ランキングの仕組みも出典の表示ルールも別々に運用されていて、外部から揃える手段が用意されていないからです。この前提を受け入れないまま予算を投じると、終わりのない作業になります。
現場で妥協点になりやすいのが、次の3点です。
- 全数計測はあきらめる:AIの回答は利用者ごとに違うので、自社が何回引用されたかを完全に数える方法はありません。10問の定点観測を「サンプル調査」と割り切る方が続きます
- 優先順位はGoogle側から:AIによる概要はGoogle検索のランキングを土台にしているため、通常の検索対策がそのまま効きます。ChatGPT側の専用施策より、まずここを整える方が投資対効果は読みやすいです
- 仕様変更を前提に設計する:各AIの検索・引用の仕様は変わります。「この設定を入れたら完了」ではなく、定期的に公式ドキュメントの記載を読み直す運用にしてください
コスト面で見落とされがちなのが、調査そのものの人件費です。質問数×環境数×実施回数の分だけ、記録と考察の時間がかかります。かかる時間は担当者の慣れや質問数で大きく変わるので、最初の1回を実測して、そのうえで誰の仕事にするかを決めてください。決めずに始めると、数か月で止まります。
外部に頼む場合、見積書で必ず確認したいのが「どのAIを、何問、月何回測るのか」と「ブロックの調査(robots.txtとサーバーログ)が作業範囲に入っているか」の2点です。記事を書く費用しか入っていない見積もりだと、失敗1や失敗4のような設定起因の問題は永遠に解決しません。判断に迷う方はAIO対策のやり方|自社と外注どちらで進めるかの判断ポイントもご覧ください。
なお、記録の集計や気づきの整理をAIに任せるのは有効です。一方で、質問文が自社の顧客の言葉になっているかの判断と、公式ドキュメントの記載が変わっていないかの確認は人がやってください。この線引きの詳しい考え方はGEO対策のやり方を7手順で解説|AIに引用される会社の始め方に譲ります。
この章の結論。目標を「全AIで引用される」ではなく「自社が出るべき質問で、測るたびに出る率が上がっている」に置き換えられれば、この取り組みは続けられます。
よくある質問
ChatGPTでは自社が出るのにGeminiでは出ません。どちらかがおかしいのですか
どちらも正常です。ChatGPTはOpenAIのクローラーと外部の検索プロバイダ、Googleの生成AI機能はGoogle検索のインデックスとランキングを土台にしていて、参照先を選ぶ仕組みが別々だからです。片方に出ないこと自体は不具合ではないので、まず記録を2〜3か月分ためて傾向で判断してください。
GPTBotを拒否すると、ChatGPTの検索結果からも消えてしまいますか
GPTBotだけを拒否した場合は消えません。OpenAIの公式ドキュメントで、GPTBotは学習用、OAI-SearchBotは検索機能での表示用と役割が分けられているためです。ただしrobots.txtで全クローラーをまとめて拒否している場合はOAI-SearchBotも止まるので、記述を1行ずつ確認してください。
llmo 対策とは、結局この記事でやっている調査と同じことですか
ほぼ重なります。LLMO対策とは、生成AIの回答に自社の情報が正しく使われるようにサイトと情報を整える取り組みのことで、AIO対策やGEOとも呼ばれます。この記事の4ステップはその中の「現状把握」の部分にあたります。呼び名の違いはLLMOとAIOとSEOの違いを解説した記事で整理しています。
Geminiアプリで[ソース]ボタンが出ないのは、うちのサイトが選ばれなかったからですか
そうとは限りません。Googleのヘルプページには、すべての回答に関連リンクやソースが含まれるわけではないと明記されています。ソースが出ない回答は、その回答に対してGeminiアプリがリンクを提供しなかったという意味です。自社の評価とは切り離して、Google検索側の記録で判断してください。
サーバーのアクセスログを見られない契約なのですが、他に確認方法はありますか
レンタルサーバーの管理画面にあるアクセスログのダウンロード機能を使ってください。ダウンロードしたファイルをテキストエディタで開き、OAI-SearchBotやGooglebotの文字列を検索して件数を数えれば同じ確認ができます。ログ機能自体が無い場合は、サーバー会社にボット遮断機能の有無を問い合わせるのが早いです。
まず今日、シークレットウィンドウで1問だけ試してください
今日できる最初の一歩は1分で終わります。ブラウザのシークレットウィンドウを開き、自社名を入れて検索し、AIによる概要が出るかどうか、出るなら自社サイトがリンクされているかだけを確認してください。それが記録表の1行目になります。
そのうえで、AIに引用される記事そのものの作り方を知りたい方はAIに引用される記事に直す手順|更新日と一次情報の書き方が次の1本になります。
ここまで読んで、robots.txtやサーバー設定まで自社で見るのは難しそうだと感じた方は、一度お話を聞かせてください。コレットラボでは、AIに引用される記事づくりと、そのための情報整備をあわせてお手伝いしています。現状の記録を一緒に見直すだけでも構いません。引用元の違いまで調べるGEO対策からお気軽にどうぞ。
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