システム開発会社のAI検索対策|GEO対策の費用を左右する6つの作業
この記事の要点
- 候補に挙がるために自社で用意できる材料は、業種・作れるもの・体制を書いた本文
- 費用は書き直すページ数と事例の素材で変わる。内訳を表で解説
- 技術改修は社内、原稿と計測は外部が基本。契約前の9問つき
システム開発会社がAI検索で候補に挙がるために自社で用意できるのは、「どの業種の、どんなシステムを、どんな体制で開発できるか」を、AIが読めるテキストでサイトに書いておくことです。GEO対策(LLMO対策)の費用を大きく左右するのは、書き直すページの数と、守秘義務がある中で事例をどこまで書けるかです。
受託開発やSaaS開発の会社で、AI検索対策を外部に依頼するか検討している経営者・役員の方に向けた記事です。読み終わる頃には、見積もりの内訳を読み比べ、外部に任せる作業と社内で受け持つ作業を決められる状態を目指します。
なお、自社で一から進める手順はGEO(LLMO)対策の7つの手順で解説しています。この記事は「依頼するときの判断」に絞ります。
Contents / 目次
AI検索の候補に挙がるために、システム開発会社がページに書いておくこと
この記事では、発注を検討する企業がAIに「物流業の在庫管理システムを開発できる会社は?」のように条件を付けて尋ねる場面を想定します。AIがどの会社を挙げるかは各AIサービスの判断で、選び方は公開されていません。自社で用意できるのは、その条件に当てはまることを本文に書いておくことです。「DX推進を支援します」のような抽象的な説明では、どの業種の、どんなシステムに対応できるのかが文章から読み取れません。
GEO(Generative Engine Optimization)とは、ChatGPTやGemini、GoogleのAIによる概要などの生成AIが回答を作るときに、自社の情報が正しく参照・紹介されるようにページを作る取り組みです。LLMO対策もほぼ同じ意味で使われます。
特別な仕掛けが要るわけではありません。Googleは検索セントラルのAI機能に関する説明で、次のように述べています。
There are no additional requirements to appear in AI Overviews or AI Mode, nor other special optimizations necessary.
和訳すると「AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件や、特別な最適化は必要ない」という意味です。
同じ説明では、補足リンクとして表示されるには、ページがインデックスに登録され、スニペット付きで表示できる状態であることが条件とされています。
つまり、やることは「発注側が尋ねる条件に答える情報を、読める形で書く」ことです。発注側の条件と、書いておく情報の対応は次のとおりです。
| 発注側がAIに尋ねる条件 | サイトに書いておく情報 | 載せるページ |
|---|---|---|
| 業種(製造業・医療・物流など) | 業種ごとの開発事例と、その業種特有の要件への対応 | 業種別ページ・事例 |
| 作りたいもの(受発注管理・予約・業務アプリ) | 開発できるシステムの種類と、作った例 | サービスページ |
| 技術・連携(既存の基幹システム、クラウド) | 使う言語・クラウド・連携した外部サービス | サービスページ・事例 |
| 規模・期間 | 受けられる案件の規模、期間が決まる条件 | 進め方のページ |
| 体制・地域 | 社員数・エンジニア数・対応地域・オンライン対応の可否 | 会社概要 |
| 費用の考え方 | 見積もりの決まり方、最小の発注単位 | 料金・FAQ |
| 公開後の保守 | 保守の有無と対応時間 | サービスページ・FAQ |
システム開発会社のサイトで抜けやすいのは、技術の情報です。使う言語やクラウドが採用ページの「募集要項」にだけ書いてあり、サービスページには無い、という作りだと、発注側の質問に答える本文がありません。
採用ページの技術情報を、サービスページにも書く。エンジニア向けに書いた技術スタックを、「どんな課題のときに、その技術で何を作れるか」という発注側の言葉に書き換えて載せます。
会社概要の書き方はAI検索に引用される会社概要の作り方で項目ごとに解説しています。
エンジニアが本業で手一杯で、事例や対応領域を文章にする担当が社内にいない場合は、AI検索対策の記事制作で、AIに読まれるページの原稿づくりを外部に任せる進め方もあります。
この章で押さえるのは、自社で用意できるのは「発注側の条件に答える本文」だということです。次の章の費用は、この本文を何ページ分作るかでほぼ決まります。
LLMO対策・GEO対策の費用を左右する6つの作業
LLMO対策の費用は、「何ページを書き直すか」「AIの回答を何問・何か月計測するか」「事例の素材をだれが用意するか」で大きく変わります。見積もりは、次の6つの作業に分けて読むと比べやすくなります。
| 作業 | 内容 | 費用が増える条件 | 社内で受け持てるか |
|---|---|---|---|
| 現状調査 | 発注側の質問をAIに尋ね、自社と競合が挙がるかを記録 | 質問の数・調べるAIサービスの数が多い | 可能(時間はかかる) |
| 技術の確認と改修 | クローラーの許可、本文のHTML出力、構造化データ | 独自CMSやSPAで本文がJavaScript描画 | 得意分野。社内で対応しやすい |
| 主要ページの書き直し | サービス・業種別・会社概要・FAQ | 対応領域と業種の組み合わせが多い | 素材出しは社内、原稿は外部 |
| 事例ページの制作 | 匿名化した開発事例 | 取引先の確認が必要な件数が多い | 取引先の確認は社内でしかできない |
| 記事の制作 | 発注側の疑問に答える記事 | 本数・専門性の高さ | 外部に任せることが多い |
| 月次の計測と報告 | 決めた質問を繰り返し尋ねて記録 | 計測する期間が長い | 社内でも可能 |
書き直すページ数の数え方
見積もりの「ページ数」は、自社の対応領域と業種の数から逆算できます。仮に、対応領域が「業務システム・Webアプリ・スマホアプリ・保守運用」の4つ、主要な業種が3つの会社なら、サービスページ4本、業種別ページ3本、会社概要とFAQで2本、合わせて9ページです。事例を業種ごとに2本ずつ書くなら、さらに6本です。
見積もりに書かれたページ数がこの計算より大幅に少なければ、どのページが対象外なのかを確認します。逆に大幅に多ければ、記事を何本含んでいるかを確認します。
見積もりの形と内訳の読み方
GEO対策の費用は、依頼先と依頼する作業で金額が大きく変わり、公的な統計にもとづく相場もありません。出典を示せない金額の目安は、この記事では挙げません。
その代わりに、費用の内訳を作業ごとに分け、受け取った見積もりの単価から自社の総額と予算の水準を出す方法をまとめます。まず、作業ごとに次のどの形で金額が出ているかを見ます。
| 作業 | 見積もりの形の例 | 内訳で確かめること |
|---|---|---|
| 現状調査 | 一式(初回のみ) | 質問の数、調べるAIサービスの名前、同じ質問を尋ねる回数 |
| 技術の確認と改修 | 一式、または作業時間ごとの単価 | 指示書だけか、改修の作業まで含むか。社内で直す場合に外せるか |
| 主要ページの書き直し | ページ単価×ページ数 | 対象ページの一覧、1ページの文字量の目安、修正の回数 |
| 事例ページの制作 | 1本ごとの単価×本数 | PMへの聞き取りを含むか、取引先への確認の準備をどこまで手伝うか |
| 記事の制作 | 1本ごとの単価×本数、または月額に含む | 月の本数、テーマの決め方、専門的な内容の確認をだれがするか |
| 月次の計測と報告 | 月額 | 質問の数と尋ねる回数、報告の形、最低契約期間 |
総額は、初期の費用と、月額×契約月数に分けて比べます。見積もりが「一式」だけで書かれている場合は、この6つの作業ごとに金額を分けてもらいましょう。
分けてもらえば、社内で受け持つ作業を外したときの金額や、依頼先どうしの差がどの作業から生じているかが分かります。
前の見出しで数えた「サービスページ4本・業種別ページ3本・会社概要とFAQ2本の計9ページと、事例6本」の会社なら、計算式は次のとおりです。それぞれの単価と月額に、受け取った見積もりの金額を入れます。
初期の費用=現状調査(一式)+技術の確認と改修(一式)+ページ単価×9+事例の単価×6
月額の合計=(計測と報告の月額+記事の月額)×契約月数
総額=初期の費用+月額の合計
社内で改修する場合=総額から、技術の確認と改修のうち改修作業の金額を引く
予算をつかむには、2〜3社から同じ条件(ページ数・事例の本数・計測する質問の数・契約月数)で見積もりを取り、この式に当てはめて総額を並べます。条件をそろえないと、ページ単価が安く見えても、対象ページや修正の回数が少ないだけの場合があります。
社内で予算の上限が先に決まっている場合は、逆に計算します。上限から、月額の合計と、現状調査・技術の確認と改修の金額を引き、残りをページ数と事例の本数の合計(この例では15本)で割ると、1本あたりにかけられる金額の目安が出ます。見積もりの単価がこれを上回るなら、対象ページを減らすか、事例の素材出しなど社内で受け持つ作業を増やして調整します。
「GEO対策は技術対策が中心」はシステム開発会社には当てはまりにくい
GEO対策の説明では、robots.txtや構造化データといった技術対策が前面に出ることがあります。ただ、システム開発会社にとって技術改修は本業です。社内のエンジニアが修正できるなら、見積もりから外すか、外部には「何をどう直すか」の指示書だけを依頼できます。
費用をかける価値が高いのは、発注側の言葉で事例と対応領域を書く作業のほうです。すでにSEO会社に依頼している場合は、内部対策や記事制作が両方の見積もりに入っていないかも確かめます。重複の見分け方はAI検索対策とSEOの見積もりで重複を見分ける手順、内訳の確認項目はLLMO対策の費用と見積りで確認する10項目で解説しています。
この章で押さえるのは、システム開発会社は技術改修を社内に寄せることで、費用を原稿と計測に集中できるということです。
GEO対策を依頼する前の確認事項。うまくいかない条件と防ぎ方
契約前に確かめるのは、「何を成果物として約束するか」と「計測の方法」の2つです。AIの回答に社名が挙がるかはAIサービス側の判断なので、依頼先も保証できません。保証をうたう契約ほど、根拠を確認する必要があります。
契約前に依頼先へ確認する9つの質問
- 成果物は何か(ページ数・記事本数・報告の頻度)
- 「AIに引用される」「候補に入る」を成果として約束していないか。約束しているなら根拠は何か
- 計測するAIサービスと質問の数、同じ質問を何回尋ねて記録するか
- 計測する質問のリストはだれが決め、途中で変更できるか
- 社内に依頼する作業の中身と、月あたりの想定時間
- 事例の匿名化の方法と、取引先への確認の進め方
- 技術改修を社内で行う場合、修正内容を指示書の形で出してもらえるか
- すでに依頼しているSEO施策と重なる作業はどれか
- 解約後も、作った原稿・計測データ・質問リストを自社で使えるか
システム開発会社のAI検索対策がうまくいかない条件
次の条件に当てはまると、原稿を作っても候補に挙がりにくくなります。どれもシステム開発会社のサイトの作りや契約で起きるものです。
| 条件 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| サービス説明がJavaScriptで後から描画される | GoogleはJavaScriptを実行してページを描画すると説明しているが、ほかのAIサービスのクローラーが同じ処理をするとは限らず、本文が読まれないおそれがある | 本文をサーバー側でHTMLとして出す |
| WAFやセキュリティ設定でボットを一律に止めている | AI検索のクローラーも止まり、ページが読まれない | アクセスログで確認し、許可するクローラーを決める |
| 事例がすべて「守秘のため非公開」 | 対応できる業種が文章で読めず、条件付きの質問で候補に挙がらない | 次の章の型で匿名の事例を書く |
| 計測が「月1回ChatGPTに尋ねる」だけ | 回答は尋ねるたびに変わるので、増減が偶然か判断できない | 決めた質問を複数回尋ね、社名が挙がった割合で見る |
| 業種名だけを差し替えた記事を大量に作る契約 | Googleのスパムポリシーにある「大量生成されたコンテンツの不正使用」に当たるおそれがある | 記事ごとに異なる事例・要件を書く条件で契約する |
技術面の確認手順は、JavaScript描画と画像内文字の直し方とAIクローラーをログとWAFで確認する手順にまとめています。社内のエンジニアに渡せば、そのまま確認を始められます。
この章で押さえるのは、9つの質問で成果物と計測方法を契約書に書くことです。表の5つの条件のうち、JavaScript描画とボットの遮断は社内で先に直し、非公開の事例は次の章の型で匿名の事例に書き直します。計測の方法と記事の作り方は、依頼先との契約の条件で取り決めて防ぎます。そうすれば、外部の費用を原稿づくりに使えます。
外部に任せる作業と社内で受け持つ作業の分け方
外部に任せやすいのは、原稿づくりと毎月の計測です。社内でしか進められないのは、事例の素材出し、取引先への公開確認、技術改修、公開の最終判断の4つです。
- 事例の素材出し:案件を担当したPMや営業が、課題・作ったもの・期間・体制を伝える
- 取引先への公開確認:どの項目を書いてよいかを、取引先に項目ごとに確認する
- 技術改修:本文のHTML出力、クローラーの許可、構造化データを社内のエンジニアが修正する
- 公開の最終判断:原稿に書いた技術・実績が事実と合っているかを社内で確かめ、公開を決める
守秘義務がある事例を匿名で書く型
社名を出せなくても、業種・規模・課題・作ったものが書いてあれば、発注側の条件に答える情報になります。素材出しのときは、次の型をPMに埋めてもらうと、原稿を作る側に必要な情報がそろいます。
【業種と規模】[業種](従業員[〇〇]名規模)
【開発前の課題】[何に困っていたか。例:受注を表計算ソフトと電話で管理していた]
【作ったもの】[システムの種類と主な機能]
【連携した既存システム】[基幹システム・会計ソフトなど。製品名を出せない場合は種類だけ]
【使った技術】[言語・クラウド・データベース]
【期間と体制】[〇か月/PM〇名・エンジニア〇名]
【公開後の変化】[取引先の了承を得た数字だけ。了承が無ければ書かない]
【取引先の了承】[書いてよい項目/了承した日/担当者]
取引先には、「社名を出さずに業種と規模を書いてよいか」「数字を書いてよいか」「画面の画像を載せてよいか」を項目ごとに確認します。線引きの考え方はLLMO対策の実績公開と守秘の線引きで解説しています。
社内で受け持つ作業の時間の見積もり方
社内の負担は、事例の本数から見積もれます。仮に、事例1本の素材出しにPMが1時間、取引先への確認の連絡に30分かかるとすると、事例6本で9時間です。この時間を確保できるかどうかが、依頼しても進むかどうかの分かれ目になります。
効果を見るには、問い合わせフォームの「何で知りましたか」に「AIの回答(ChatGPTなど)」の選択肢を足し、施策の前後で件数を比べます。あわせて、決めた質問で社名が挙がった割合を月ごとに記録すれば、どのページを書き直したあとに変化したかを追えます。
毎月の計測結果を見て、次に書き直すページを決めて実装まで進める担当が社内にいない場合は、SEO対策の伴走支援という進め方もあります。毎月の優先順位を決めて実装まで進め、判断の理由と手順を文書にするので、社内に担当者ができた時点で引き継げます。
この章で押さえるのは、外部の費用で進むのは原稿と計測で、事例の素材と取引先の確認は社内でしか進まないということです。依頼する前に、社内でこの時間を確保できるかを決めておきましょう。
システム開発会社のGEO対策でよくある質問
受託開発で取引先の社名を一切出せません。それでもAI検索対策は進められますか?
進められます。発注を検討する企業がAIで会社を探す場面では、社名より「どの業種の、どんなシステムを、どんな体制で作れるか」という条件で尋ねることが考えられます。業種・規模・課題・作ったもの・期間を匿名で書いた事例でも、発注側の条件に答える情報になります。書いてよい項目は、取引先に項目ごとに確認しましょう。
自社のエンジニアでGEO対策を内製するのと外注するのでは、何が違いますか?
robots.txt・構造化データ・本文のHTML出力などの技術面は、内製のほうが早く修正できることが多いです。差が出やすいのは、発注側の言葉で事例や対応領域を書く作業と、毎月の計測を続ける作業です。この2つが止まりそうなら、そこだけ外部に依頼すると判断しやすくなります。
AI検索対策を始めて、どのくらいで社名がChatGPTの回答に出るようになりますか?
期間は約束できません。AIの回答は、サービスごとの情報の集め方や更新の時期で変わり、同じ質問でも尋ねるたびに変わります。決められるのは、決めた質問を何回尋ね、何割で社名が挙がったかを月ごとに記録することです。依頼先が期間を約束する場合は、その根拠を確認してください。
エンジニア採用向けの技術ブログは、AI検索対策に使えますか?
使えます。ただ、採用向けの記事は読み手がエンジニアなので、発注を検討する企業の疑問には答えていないことが多いです。技術ブログで扱った技術や連携の実績を、サービスページや事例ページから内部リンクでつなぎ、発注側の言葉で要点を書き加えると、両方の読者に向けた情報になります。
まずは、自社の得意な業種と作れるシステムを1文にして、ChatGPTやGeminiに「[業種]の[システム]を開発できる会社を教えて」と尋ね、どの会社が挙がり、自社が出るかを記録してみてください。依頼先を比べる段階に進むなら、AIO対策に強い会社の比較5軸と依頼前の確認10問が次の手がかりになります。
ここまで読んで、事例や対応領域を発注側の言葉で書く担当が社内にいないと感じた方は、コレットラボのGEO対策のページ・記事制作にご相談ください。いまのサイトのどのページから書き直すかを、お話を伺いながら一緒に決めるところからでも大丈夫です。
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