AI検索に本文が読まれない原因|JavaScript描画と画像内文字の直し方
この記事の要点
- 読まれない原因の多くは、HTMLソースに文字が入っていないこと
- 確認は5分。ページのソースに本文の一文があるかを見る(手順を解説)
- 直すのは全ページではない。優先順位の付け方と失敗4例を本文に掲載
AI検索に自社ページの本文が読まれていないとき、原因の多くは順位でも文章の質でもありません。HTMLのソースに、そもそも文字が入っていないという状態です。よくあるのは、JavaScriptで後から本文を描いているケースと、料金表や特長を画像の中に文字として置いているケースの2つです。
この記事は、自社サイトを持っていて「AI検索対策をしたのに引用されない」と感じている経営者・広報・Web担当者の方に向けて書いています。読み終わる頃には、自分のページがどちらのケースに当てはまるかを5分で判定でき、どのページから直すかを決められる状態を目指します。
扱うのは「HTMLに文字が無い」ケースだけです。文字はちゃんと入っているのに引用されない場合は、構造化データや書き方の問題になるので、AI検索 構造化データの優先順位|最初に入れる3つと確認手順を先にご覧ください。
Contents / 目次
AI検索対策の答えは、本文をHTMLに置き直すこと
AI検索に読まれない状態を直す作業は、突き詰めると1つです。読ませたい文章を、HTMLのソースに文字として置くこと。これに尽きます。AI向けの特別なタグを足す作業ではありません。
なぜここまで単純な話になるのかというと、生成AIが答えを作るとき、ページを人間のように見ているわけではないからです。取ってきたHTMLの中から文字を拾い、意味を判断して引用します。文字が無ければ、そのページは候補にすら入りません。順位が良いか悪いか以前の問題です。
ここでいうHTMLとは、ブラウザがページを組み立てる前の「設計図のテキスト」のことです。画面に表示されている文字と、設計図に書かれている文字は、実は別物になることがあります。ここが今回のテーマの核心です。
本文が消える原因は4タイプに分けられる
現場で見かける「HTMLに文字が無い」状態は、次の4タイプに整理できます。自社がどれに当たるかを先に当ててから読み進めてください。
| タイプ | よくある実装 | ソースを見たときの状態 | 直す方向 |
|---|---|---|---|
| JavaScript描画 | React・Vueなどで画面側だけで本文を組み立てている | 本文の代わりに空のdivやローディング表示だけがある | サーバー側でHTMLを組み立てて返す |
| クリック後に取得 | タブ・アコーディオン・「もっと見る」の中身を、押した時にAPIから取ってくる | 閉じた状態の文言だけがあり、中身が無い | 中身は最初からHTMLに入れ、表示の切り替えだけCSSで行う |
| 画像内文字 | 料金表・比較表・特長図・キャッチコピーを画像で作っている | imgタグはあるが、その中の文言はどこにも無い | 同じ内容をテキストでも併記する |
| 外部埋め込み | 予約システム・口コミ・料金シミュレーターを他社のウィジェットで表示 | 読み込み用のscriptタグだけがある | 要点の要約を自サイト側のHTMLに置く |
判定の入口。ブラウザに表示されている文字を1つ選び、その一文がHTMLソースの中で見つかるかどうかを調べる。見つからなければ、AI検索からも見えていないと考えて構いません。
AI Overviews対応でJavaScriptを全部やめる必要はない
AI Overviews対応と聞いてJavaScriptそのものを敵視する必要はありません。判断はボットごとに分けて考えます。Google 検索セントラルの解説ページは、検索の流れを「クロール、インデックス登録、Google 検索結果での検索順位に影響するランキング処理の仕組み」として説明しています(Google の検索エンジンの仕組み|Google 検索セントラル)。JavaScriptの扱いについては、JavaScript SEO の基本|Google 検索セントラルで、Googlebotがクロール・レンダリング・インデックス登録の3段階で処理することが解説されています。
問題になりやすいのは、Google以外の生成AIサービスが自前で持っているクローラーです。ここは各社で挙動が違い、公表内容も変わります。
| 読みに来る主体 | 設計時の前提の置き方 | 確認先 |
|---|---|---|
| Googlebot(検索のクロール・レンダリング) | JavaScript SEOの基本に沿って、レンダリングされる前提で設計する。ただし遅延やブロックがあれば読まれない | JavaScript SEO の基本|Google 検索セントラル |
| 各生成AIサービスのクローラー | 挙動は各社で違い、公表内容も変わる。HTMLに文字を置いておけば、どの挙動でも読まれる状態になる | 各社の公式ドキュメント(robots.txtの扱いを決める前に最新版を確認) |
ボットの名称や挙動は変わるので、robots.txtでの扱いを決めるときは各社の公式ドキュメントで最新の情報を確認してください。ボットごとの許可・拒否の分け方はAIクローラーの拒否設定|学習用と検索用のボットを分ける手順で解説しています。
この章の結論。「JavaScriptを使っているかどうか」で悩むのではなく、「HTMLに文字があるかどうか」だけを見れば判断できます。次の章で、実際に自社ページを判定します。
自社ページが読まれているかを5分で確かめる手順
結論から言うと、判定はターミナルの1コマンドか、ブラウザの「ページのソースを表示」で終わります。専門ツールも有料サービスも要りません。
ステップ1.検査に使う「本文の一文」を決める
まず、そのページで一番読ませたい文章から、10〜20文字の特徴的な一節を1つ選びます。見出しでも本文でも構いませんが、サイト内の他のページに出てこない言い回しを選ぶのがコツです。
たとえば料金ページなら「初期費用は不要です」ではなく「導入前の現状整理だけでもお受けしています」のように、そのページ固有の一文にします。ありふれた言い回しを選ぶと、ヘッダーやフッターの文字と区別がつかなくなります。
ステップ2.HTMLソースにその一文があるか調べる
ターミナルが使える方は、次の2行で判定できます。Macは標準のターミナルAppで、そのまま動きます。Windowsでコマンドプロンプトを使っていてgrepが見つからない場合は、下に載せたPowerShell用のコマンドを使ってください。
# 【Mac・Linux】標準のターミナル(curlとgrepが最初から入っています)
# 1行目でHTMLを保存し、2行目で本文の一文が含まれるかを数えます
curl -s "https://example.com/service/" > page.html # [URLを自社の調べたいページに変更]
grep -c "導入前の現状整理だけでも" page.html # [ステップ1で選んだ一文に変更]
# 結果が 1 以上 → HTMLに文字が入っています(AI検索から見える状態)
# 結果が 0 → HTMLに文字がありません(読まれていない可能性が高い)
# 【Windows】PowerShell(スタートメニューで「PowerShell」と検索して起動)
# 文字化けを避けるため、保存はUTF-8を指定します
Invoke-WebRequest "https://example.com/service/" -UseBasicParsing |
Select-Object -ExpandProperty Content |
Out-File page.html -Encoding utf8 # [URLを自社の調べたいページに変更]
(Select-String -Path page.html -Pattern "導入前の現状整理だけでも" -Encoding utf8).Count
# [ステップ1で選んだ一文に変更]
# 結果が 1 以上 → HTMLに文字が入っています
# 結果が 0 → HTMLに文字がありません
# ※ -Encoding utf8 の書き出し方はPowerShellのバージョンで違い、
# 古いバージョンでは先頭に不可視のマーク(BOM)が付きます。
# 検索がヒットしない・文字化けするときは、
# $PSVersionTable.PSVersion でバージョンを確認し、
# PowerShell 7 系(utf8NoBOM が既定)で試してください。
ついでに、見出しがHTMLに入っているかも確認しておくと精度が上がります。次のコマンドで、保存したHTMLの中のh2見出しだけを抜き出せます。
# 【Mac・Linux】保存済みの page.html から h2 見出しの文字を抜き出す
grep -o "<h2[^>]*>[^<]*" page.html
# 【Windows・PowerShell】同じことを行う
Select-String -Path page.html -Pattern "<h2[^>]*>[^<]*" -AllMatches -Encoding utf8 |
ForEach-Object { $_.Matches.Value }
# 画面に出ているはずの見出しが1つも出てこない場合、
# 見出しごとJavaScriptで描いている可能性があります
ターミナルを使わない場合は、ブラウザで対象ページを開き、右クリックメニューから「ページのソースを表示」に当たる項目を選びます(名称はブラウザによって違います)。開いたソース画面でキーボードのCtrl+F(Macは⌘+F)を押し、ステップ1で選んだ一文を検索してください。ヒットしなければ同じ判定になります。
検証用に「開発者ツールで見えるHTML」を使わないでください。開発者ツールに表示されるのはJavaScriptが動いた後の状態なので、必ず文字が見つかってしまい、判定になりません。見るのは「ページのソース」または上のcurlで取得したファイルです。
ステップ3.画像の中の文字を洗い出す
JavaScriptの判定が問題なしでも、もう1つの原因が残っています。画像の中に文字を置いているケースです。次の5か所は、実際によく画像だけで作られています。
- 料金表・プラン比較表:デザインを整えるためにまとめて1枚の画像にしている
- サービスの特長図:「3つの強み」を丸や矢印つきの図で表現している
- 導入の流れ:ステップ1〜4を横並びの図で作っている
- キャッチコピー・見出し:フォントにこだわるため見出しを画像にしている
- 実績・数値:「導入◯社」「対応◯年」をバナー画像に入れている
洗い出しは、対象ページを上から見ながら「この文字はコピーできるか」を確かめるのが一番早い方法です。マウスでドラッグして選択できない文字は、画像の中の文字です。
画像から文字を取り出す技術(OCR=画像に写った文字を読み取る仕組み)は実際に存在します。MicrosoftもMicrosoft Learnの光学式文字認識(OCR)の解説で、画像やドキュメントから印刷文字や手書きテキストを抽出する仕組みを公開しています。ただし、読み取れることと、読み取った結果があなたのページの主張として正しく理解されることは別です。表の縦横の対応関係や、どのプランがどの価格かといった構造は、画像では伝わりにくくなります。
ステップ4.直すページの優先順位を決める
全ページを一度に直そうとすると、たいてい途中で止まります。次の順番で絞り込んでください。
- 問い合わせや資料請求の直前にあるページ(サービス詳細・料金・導入の流れ)
- 指名で検索されたときに出るページ(会社概要・実績・よくある質問)
- 比較検討で読まれるページ(他社との違い、選び方の解説)
- それ以外のブログ記事・お知らせ
最初に手をつけるのは1と2だけです。ページ数はサイトによって違うので、感覚で決めずに数え上げます。数え方は次の3つのどれかで足ります。
- グローバルメニューから数える:ヘッダーとフッターのメニューを開き、サービス・料金・導入の流れ・会社概要・実績・よくある質問に当たるページをURLごと書き出す。1と2はほぼここに入っています
- サイトマップから数える:
https://自社ドメイン/sitemap.xmlをブラウザで開き、URLを一覧にする。ブログ記事・お知らせのURLは除いて、残った数が対象数です - Search Consoleから数える:検索パフォーマンスの「ページ」タブでクリック数の多い順に並べ、上位から1と2に当たるURLを拾う。実際に見られている順で並ぶので、優先順位もそのまま決まります
書き出したURLを1行ずつ並べ、ステップ2の判定結果(ヒットしたか否か)と、ステップ3で見つかった書き起こしが必要な画像の枚数を、その横にメモしてください。この一覧が、そのまま作業リストと見積もりの根拠になります。1と2を直しきってから3に進みます。
この章の結論。判定の材料は「HTMLソースに一文があるか」と「文字をドラッグで選択できるか」の2つだけです。この2つを対象ページ分だけ実行すれば、直す対象と分量が確定します。
JavaScript描画と画像内文字、それぞれの直し方
直し方は原因によって変わります。JavaScript描画は「作りを変える」話、画像内文字は「文章を足す」話です。後者は制作会社に頼まなくても、社内で今日から進められます。
JavaScriptで描いている本文をHTMLに出す
選択肢は3つあり、どれを選ぶかはサイトの作りで決まります。制作会社への相談内容を決めるための一覧として使ってください。
| 方法 | 向いている状況 | 負担の目安 |
|---|---|---|
| サーバー側でHTMLを組み立てて返す(SSR) | ReactやVueで作っていて、内容が頻繁に変わる | フレームワークの設定変更+改修。開発者の対応が必要 |
| あらかじめHTMLを書き出しておく(静的生成) | サービス紹介や料金など、更新頻度が低いページ | ビルド設定の変更のみで済むことが多い |
| 該当ページだけHTMLで作り直す | 対象が数ページで、サイト全体の改修予算が無い | 1ページ単位。社内でも進めやすい |
WordPressで作っているサイトの場合、テーマのテンプレートで本文を出力していれば、その部分はサーバー側からHTMLとして返ります。それでも読まれないときは、ページ全体を疑う前に、プラグインによる遅延読み込みや、外部サービスの埋め込み部分から確認してください。まずはステップ2のcurlで、どの範囲が初期HTMLに入っているかを実際に見るのが早いです。
制作会社に依頼するときは、次の文面をそのまま使えます。曖昧に「AI検索対策をお願いします」と伝えると、話が構造化データや記事制作にずれていきます。
【依頼内容】
下記ページについて、本文・見出し・料金表のテキストが
初期HTML(JavaScript実行前のソース)に含まれる状態にしてください。
対象ページ
・https://example.com/service/ [自社のURLに変更]
・https://example.com/price/ [自社のURLに変更]
確認方法(納品時にこちらでも検証します)
・curl でHTMLを取得し、本文中の一文がgrepでヒットすること
・h2/h3 見出しのテキストが初期HTMLに存在すること
あわせて確認をお願いしたい点
・robots.txt で、描画に必要なJS・CSS・APIをブロックしていないか
・タブやアコーディオンの中身が、初期HTMLに含まれているか
対応が難しい箇所がある場合は、
「なぜ難しいか」と「代わりにできること」を教えてください。
画像の中の文字を、テキストとしても置き直す
画像を捨てる必要はありません。画像はそのまま残し、同じ内容をテキストで併記するのが基本の直し方です。デザインを崩さずに済み、人が読むうえでも分かりやすくなります。
やり方は2段階です。
- 画像の説明文(alt)を、内容が伝わる文にする
- 表や図の中身を、HTMLの表・リストとして書き起こす
altだけでは、料金表の縦横の対応関係までは伝えきれません。だから2つ目まで行います。
<!-- 悪い例。画像の役割しか書いていないので、中身が伝わりません -->
<img src="/img/price.png" alt="料金表">
<!-- 良い例。画像+説明+中身のテキストをセットで置く -->
<figure>
<img src="/img/price.png"
alt="3つのプランの料金と含まれる作業範囲をまとめた料金表">
<figcaption>プラン別の料金と作業範囲(2026年8月28日時点)</figcaption>
</figure>
<table>
<thead>
<tr><th>プラン</th><th>含まれる作業</th><th>向いている会社</th></tr>
</thead>
<tbody>
<tr><td>ライト</td><td>月1回の更新と月次レポート</td><td>担当者が社内にいる会社</td></tr>
<tr><td>スタンダード</td><td>月4回の更新と改善提案</td><td>更新が止まりがちな会社</td></tr>
</tbody>
</table>
<!-- [プラン名・作業内容・対象を自社の内容に変更] -->
altの書き方は、Google 検索セントラルの画像の SEO ベスト プラクティスでも、キャプションを含めた画像まわりのおすすめの方法として解説されています。
altに書く内容。「何が写っているか」ではなく「その画像が伝えたいこと」を1文で書きます。長い表の中身をaltに詰め込むのではなく、中身は表として書き起こす方が確実です。
タブ・アコーディオンの中身をHTMLに残す
よくある質問をアコーディオン(クリックで開閉する仕組み)で作っている場合、閉じている状態でも回答文がHTMLに入っていれば問題ありません。危ないのは、開いた瞬間に別ファイルから中身を読み込む実装です。
判定は簡単で、ステップ2のcurlで取得したHTMLの中に、回答文の一節が入っているかを見るだけです。入っていなければ、開閉のためにJavaScriptを使うのではなく、中身は最初からHTMLに置いて表示の切り替えだけを行う作りに変えてもらってください。よくある質問の中身の設計は、AIに引用されるFAQの作り方|実際に聞かれた質問で作る5手順で詳しく扱っています。
公開前チェックリスト
直したあと、公開前に次の6項目を確認してください。
- 本文:ページ固有の一文が、初期HTMLでヒットする
- 見出し:画面に出ているh2・h3の文言が、初期HTMLに存在する
- 料金・数値:金額や件数が、画像ではなくテキストで読める
- alt:「画像」「写真」「バナー」だけのaltが残っていない
- 開閉部分:タブ・アコーディオンの中身が初期HTMLに含まれている
- ブロック:robots.txtで、描画に必要なJS・CSS・APIを止めていない
この章の結論。JavaScript側は「初期HTMLに文字を出す」ことを依頼条件として書けるかどうかが分かれ目で、画像側は社内の書き起こし作業で片付きます。外注が必要なのは前者だけです。
直すとどう変わるのか。成果の見え方と作業量の考え方
まず正直にお伝えすると、この作業は順位を押し上げるための施策ではありません。引用される候補に入るかどうか、という0か1かの土台を作る作業です。文字が無ければ何も始まらず、文字が入って初めて、内容の良し悪しで比べてもらえます。
変化として現れやすいのは次の3つです。どれも「増える」ではなく「確認できるようになる」という性質のものだと考えてください。
- 生成AIの回答に自社名や数値が出てくる:これまで一切触れられなかったページの内容が、回答の中に現れるようになる
- 回答の中身が正確になる:画像でしか出していなかった料金や対応範囲が、誤って要約されにくくなる
- 検索側の指標が動く:Search Consoleの表示回数や、AIサービスからの参照が計測できるようになる
作業量は、対象ページ数と、1ページに載っている画像内文字の量で大きく変わります。見積もる前に、ステップ3の洗い出しで「書き起こしが必要な表・図が何枚あるか」を数えてください。この枚数が分かれば、社内で進めるか外注するかの判断ができます。JavaScript側の改修は開発者の作業になるため、対象ページ数と作りによって幅が出ます。見積もりを取るときは、上の依頼文面をそのまま渡すと、話が早く進みます。
効果の確認は、直した日をメモしてから始めてください。生成AIの回答は同じ質問でも揺れるので、1回試して出なかったからといって失敗と判断しないことが大事です。表示回数の見方はSearch ConsoleでAI検索の表示回数を確認する手順|GA4で補うで解説しています。
なお、ボットの挙動や検索側の仕様は変わります。実装方針を固める前に、Google 検索セントラルのドキュメント更新履歴で最新の変更を確認しておくと、古い前提のまま作り込む事故を防げます。
この章の結論。この作業のゴールは順位ではなく「引用の候補に入ること」です。だから効果測定は流入数ではなく、直した前後で回答の中身が変わったかどうかで見ます。
このテーマで実際に起きる失敗4つ
ここからは、判定と修正の現場でよく見かける失敗です。どれも「やった気になっているのに、直っていない」という共通点があります。
失敗1.開発者ツールの画面を見て「文字はある」と判断してしまう
ブラウザの開発者ツール(右クリックの検証メニューなどで開く画面)でHTMLを確認し、本文が見えたので問題なしと判断するケースです。開発者ツールが表示しているのはJavaScriptが動いた後の状態なので、どんなサイトでも文字が見つかります。
結果として、原因を見落としたまま構造化データの追加や記事の書き直しに進み、何も変わらないまま数か月が過ぎます。防ぐには、必ず「ページのソースを表示」かcurlで取得したファイルを見ることです。この2つはJavaScriptが動く前の状態を返します。
失敗2.ブラウザでJavaScriptを切って試し、表示に惑わされる
ブラウザの設定でJavaScriptを無効にして再読み込みし、本文が見えたので大丈夫と判断するケースです。この方法は設定の反映範囲やブラウザの拡張機能の影響を受けるので、判定の手段としては不確実です。
ブラウザ設定を触るより、curlか「ページのソースを表示」の方が確実で早いです。この2つはサーバーが返した初期HTMLをそのまま見る方法なので、結果が環境で変わりません。判定に使う手段は1つに固定した方が、社内で結果がぶれません。
失敗3.robots.txtでJSやAPIをまとめてブロックしている
セキュリティやクロール負荷を理由に、robots.txtで /assets/ や /api/ をまとめて拒否しているケースです。Google 検索セントラルのJavaScript SEO の基本でも、レンダリングに必要なリソースをrobots.txtでブロックしないことが解説されています。
起きやすいのは、サイトのリニューアル時に旧サイトのrobots.txtをそのまま引き継いだ場合です。防ぎ方は、修正作業の一番最初にrobots.txtを開いて、Disallowの行を1行ずつ読むこと。ページの表示に必要なファイルの置き場所が入っていないかを確認します。AI向けクローラーの制御と混ざりやすいので、目的別に分けて書いておくと後で迷いません。
失敗4.重要な情報をPDFに逃がして解決したつもりになる
料金表や仕様一覧を画像からPDFに置き換え、「これでテキストになった」と考えるケースです。ただ、料金や仕様は問い合わせの判断に直結する情報なので、PDFの中だけに置くと、読みたい人がページ上で確認できません。
核心の情報はHTMLページ側に置き、PDFは詳細資料や印刷用として補助的に使ってください。PDFで起きる要約の崩れ方はPDFのAI要約が失敗する原因3つと直し方|抜け・誤りを防ぐ手順にまとめています。
この章の結論。4つとも「確認方法が間違っている」ことから生まれます。判定の手段をcurlか「ページのソースを表示」に統一すれば、そのほとんどは起きません。
全部は直せない。現場での線引きと、見積もりで確認すること
ここまで読んで「うちのサイトは作りから直さないと無理そうだ」と感じた方もいると思います。実際、サイト全体をサーバー側描画に作り替えるのは、費用も期間もかかります。全部やる前提で考えると動けなくなるので、現実的な線引きを共有します。
画像内の文字を全部やめる必要はない
判断基準は1つで、その文字が消えたときに、意味が伝わらなくなるかどうかです。ロゴの中の社名、写真に写り込んだ看板、装飾目的のキャッチコピーは、そのままで構いません。直すのは、料金・対応範囲・数値・比較の4つです。この4つは、読み違えられると問い合わせの質が落ちます。
デザイン上どうしても画像で見せたい表もあります。その場合は画像を残したまま、同じ内容の表をその下に置き、見た目はCSSで調整するのが実務的な折衷案です。
外部サービスの埋め込みは、要約を自社側に置く
予約システム、口コミの表示、料金シミュレーターなど、他社のウィジェットで表示している部分は、こちらでHTMLを変えられません。ここを無理に直そうとしても手が出ないので、諦めるところは諦めます。
代わりにやるのは、その内容の要約を自社側のHTMLに置くことです。
- 予約ウィジェットの場合:「営業時間」「予約可能な曜日」「キャンセル規定」をテキストで併記する
- 口コミウィジェットの場合:代表的な声を数件、自社のページに引用として書く
この一手間で、少なくとも要点は読める状態になります。
見積もりで確認すべき3つの質問
制作会社に相談したとき、「SSR対応します」という回答をそのまま受け取ると、後で範囲の食い違いが起きます。次の3つは必ず聞いてください。
- 対応するのは全ページですか、それとも指定した数ページだけですか
- 納品後、初期HTMLに本文が入っているかをどう確認しますか
- 今後ページを追加したとき、同じ状態を保つ仕組みはありますか
とくに3つ目が抜けると、直した直後は良くても、半年後に追加したページから元に戻ります。「新規ページも同じ作りで出力される」と明記してもらうところまでが、この作業の完了条件です。
AIに任せられるのは、書き起こしの下書きまで
画像内の文字をテキストに起こす作業は、画像を読み込ませて表の形にまとめさせれば、AIで下書きまで作れます。ただし、金額や条件の読み違いはそのまま公開事故になるため、数値と条件は必ず人が原本と突き合わせてください。ここを省くと、間違った料金がテキストとして残ります。
この章の結論。直す範囲は「料金・対応範囲・数値・比較」に絞り、外注では対象ページ数と再発防止の仕組みまで書面で確認する。この2つを決めれば、予算内で終わらせられます。
よくある質問
ReactやVueで作ったサイトは、全部作り直しになりますか
作り直しではなく、HTMLの返し方を変える改修で済むことがほとんどです。フレームワーク側にサーバーで描画する仕組みが用意されているためです。対象を問い合わせに近い数ページに絞れば、さらに小さく始められます。まずは対象ページを決めてから相談してください。
GoogleがJavaScriptを実行してくれるなら、AI Overviews対応は不要ですか
GoogleはJavaScript SEO の基本でレンダリングの工程を公開しています。一方、生成AIサービスの中には自前のクローラーでページを読みに来るものがあり、その挙動は各社で違い、公表内容も変わります。読みに来る相手ごとに作り分けるのは現実的ではないので、HTMLに文字を置く方を選んでおくと、どの相手でも読まれる状態になります。
画像の文字はOCRで読まれるから大丈夫と言われましたが、本当ですか
読み取れる場合はありますが、必ず読まれる保証はありません。とくに料金表のような表は、どの金額がどのプランのものかという対応関係が崩れやすくなります。画像は残したまま、同じ内容をテキストの表で併記するのが確実です。
WordPressで作っていれば、この問題は起きませんか
テーマのテンプレートで本文を出力していれば、記事ページの本文はHTMLとして返ります。ただしテーマやプラグインの作りによって変わるので、ページ全体を安心と決めつけず、画像で作った料金表や外部サービスの埋め込み部分も含めて、ステップ2のcurlで実際に確認してください。
直したあと、AI検索の回答に反映されるまでどれくらいかかりますか
期間は断定できません。クロールと更新のタイミングがサービスごとに違うためです。確実に言えるのは、直すまでは候補に入っていないということです。修正日をメモして、同じ質問を数週間おきに試し、回答の中身が変わったかを記録していくのが実務的です。
まず1ページだけ、ソースを開いてみてください
今日すぐできる最初の一歩は、自社で一番問い合わせにつながっているページを開き、そのページ固有の一文をHTMLソースの中で検索することです。1分で終わります。ここでヒットしなければ、AI検索対策は文章の書き方ではなく、この記事の内容から手をつけることになります。文字がちゃんと入っていた方は、次の一手としてAI検索の仕組みとRAGの流れ|引用元に選ばれる条件と直し方を読むと、引用される条件が整理できます。
調べてはみたものの、どこから直せばいいか判断がつかない、制作会社への伝え方に自信がない、という段階でしたら、コレットラボのGEO記事制作・AI検索対策の支援でご一緒できます。現状のページを一緒に見て、直す優先順位を整理するだけでも構いません。AIに本文を読ませるGEO対策の記事制作から、気軽にお声がけください。
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