AI検索対策とSEOの費用|見積もりで重複を見分ける手順
この記事の要点
- AI検索対策とSEOの見積もりは8項目で重なる。比較表を本文に掲載
- 重複は完全重複・部分重複・別物の3つに仕分ける。判定の手順つき
- 契約前に見るのは作業単位の単価と担当の線引き。確認7問と文面例あり
AI検索対策(GEO・LLMO)とSEOの見積もりは、作業の中身がかなり重なります。記事制作、既存ページのリライト、構造化データ、計測とレポート。名前が違っても、作業の中身は同じ場合があります。だから2社に分けて発注すると、同じ作業に二重で払うことが起きます。
この記事は、手元にある2枚の見積書を突き合わせて、どこが重複していて、どちらに寄せるかを決めるまでの手順をまとめたものです。SEO会社から「AI検索対策も込みです」と言われた方、別会社からGEO対策の提案が届いて判断に迷っている方に向けて書いています。読み終わる頃には、見積書のどの行に線を引いて、先方に何を聞けばいいかが決まる状態を目指します。
料金の内訳そのもの(初期費用・月額・成果報酬の中身)を先に知りたい方は、LLMO対策の費用と料金の内訳を確認する10項目のほうが近い内容です。この記事は内訳ではなく、SEOの見積もりとの重複の見分け方に絞っています。
Contents / 目次
重なるのはこの8項目。まず見積書を同じ表に並べ直す
AI検索対策とSEOの見積もりで重なりやすいのは、次の8項目です。これは作業の中身から見た整理で、見積書を集計したものではありません。次の表の「入りやすい」「中心になりやすい」は、頻度を測った結果ではなく、当たりをつけるための目安として読んでください。この8つを1つの表に並べ直して、どちらの見積もりに入っているかを印で示すところから始めてください。これだけで、二重払いになっている行が目で見えるようになります。
| 作業項目 | SEOの見積もりへの入りやすさ | AI検索対策の見積もりへの入りやすさ | 重複したときの判定 |
|---|---|---|---|
| キーワード調査・検索意図の洗い出し | 入りやすい | 入りやすい | 完全重複になりやすい |
| 記事の新規制作 | 本数単位で入る | 本数単位で入る | 完全重複。同じ本数を2回払う事故が起きる |
| 既存ページのリライト | 入りやすい | 中心になりやすい | 部分重複。直す箇所が違うなら分けてよい |
| 構造化データ(JSON-LD)の実装 | 入ることがある | 入りやすい | 完全重複。両方に入れると実装が衝突する |
| 技術面の改善(表示速度・クロール設定) | 入ることがある | 入ることがある | 部分重複。AIクローラーの許可設定だけは別物 |
| 会社概要・サービスページ・FAQの文言修正 | 入らないこともある | 中心になりやすい | 別物になりやすい |
| 計測とレポート | 検索順位・流入が中心 | AIの回答への露出が中心 | 部分重複。見る画面が違えば別物 |
| 外部からの言及づくり(掲載・出典化) | 入らないこともある | 入ることがある | 別物になりやすい |
この表の度合いは、作業の中身から見た目安で、件数を集計したものでも、業界全体の傾向を示すものでもありません。統計として扱わず、手元の2枚に印を付けるときの当たりとして使ってください。
実際にどちらへ入っているかは、手元の2枚に印を付けて確かめてください。上から4つは、ほぼそのまま同じ作業になります。キーワード調査も記事制作も構造化データも、SEOで以前から行われてきた作業で、AI検索対策だから特別な手順になるわけではありません。
一方で、下の4つは分けて考える価値があります。ここは従来のSEOの見積もりに入っていないことが多く、上乗せで払う意味がある部分です。
- 会社概要やFAQの文言修正:AIが読み取れる形に直す作業
- AI露出の計測:AIの回答に自社名が出ているかを見る作業
- 外部からの言及づくり:他社サイトや業界メディアに出典として載る動き
判断の起点。「AI検索対策」という名前がついているかどうかで判断せず、作業項目の粒度まで下ろして重複を見てください。名前は会社ごとに違いますが、作業は比べられます。
Google 検索セントラルのAI 機能と Google 検索には、「SEO のベスト プラクティスは、引き続き Google 検索の AI 機能(AI による概要や AI モードなど)でも有効です。AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」と書かれています。つまり、基礎の部分はSEOとAI検索対策で共通です。ここを別料金として二重に請求されていないか、というのがこの記事の主題になります。
この章の結論です。8項目に並べ直した時点で、上4つは「どちらか1社に寄せる候補」、下4つは「AI検索対策として追加で払う候補」に自動的に分かれます。ここまで来れば、次は金額を作業単位に割り戻す作業に進めます。
見積もりを突き合わせる5ステップ
2枚の見積書を比べるときは、金額の合計を見比べても判断できません。内訳の粒度がそろっていないからです。次の5ステップで、比べられる形に直します。
ステップ1。2枚の見積書を1つの突き合わせ表に写す
ExcelでもGoogleスプレッドシートでも構いません。列を5つ作って、見積書の行をそのまま写していきます。ここで金額を勝手にまとめないのがコツです。「一式」と書かれていたら、そのまま「一式」と写してください。
- 作業項目:見積書に書かれている文言をそのまま写す
- A社の金額:SEO側の見積もりの金額
- B社の金額:AI検索対策側の見積もりの金額
- 数量の単位:記事◯本、ページ◯枚、月◯回、一式のどれか
- 判定:完全重複・部分重複・別物のどれか(ステップ3で埋める)
写しているときに「一式」が3行以上出てきたら、その見積もりは比較できる状態になっていません。この時点で先方に内訳を聞いてください。聞き方はステップ4の文面例に載せています。
ステップ2。作業単位に割り戻して単価を出す
金額の総額ではなく、作業1つあたりの単価に割り戻します。これをやらないと、高い安いの判断ができません。
たとえば、次のような2枚の見積もりが手元にあるとします。計算のやり方を示すためだけに置いた仮の数字で、相場ではありません。実際の金額は、作業量と担当する作業で大きく変わります。
- A社(SEO):内訳は記事制作4本、既存ページ改善2枚、月次レポート1回
- B社(AI検索対策):内訳は記事制作2本、構造化データ実装5ページ、AI露出モニタリング1回
記事制作だけを見ると、A社は4本、B社は2本。合わせて月6本の記事を作る契約になります。ここで社内に聞いてほしいのは「月6本の記事を、誰がレビューして公開しますか」です。本数が社内で確認できる量を超えていると、作られた記事が下書きのまま溜まることがあります。
構造化データも同じです。B社の見積もりに5ページ分の実装が入っていて、A社の技術改善の「一式」にも構造化データが含まれていたら、同じページに2回手が入ることになります。
ステップ3。重複を3つに色分けする
突き合わせ表の判定列を、次の3つで埋めます。色を付けると一目で分かるので、セルの背景色を変えるのがおすすめです。
- 完全重複。同じページ・同じ記事に対して、同じ種類の作業が両方の見積もりに入っている。例=両社ともサービスページのタイトルとリード文を直す
- 部分重複。対象は同じだが、触る箇所が違う。例=A社は見出しと内部リンク、B社は冒頭の要約文と数値の書き方
- 別物。対象も作業も違う。例=A社は被リンクの調査、B社はChatGPTやGeminiでの自社名の出方の記録
完全重複は、どちらか1社に寄せるか、片方を減額してもらうかの2択です。部分重複は、触る箇所を文書で分ければ残してよい項目です。別物はそのまま両方残します。
部分重複をそのまま放置すると、同じページに2社が別々のタイミングで手を入れることになります。片方の修正がもう片方に上書きされ、どちらの効果も測れなくなるので、部分重複と判定したら必ずステップ5の線引きまで進めてください。
ステップ4。両社に同じ質問を投げる
判定が終わったら、A社とB社の両方に同じ質問を送ります。片方だけに聞くと、相手の見積もりを値切る材料にされて話がこじれます。同じ文面を両方に送るのが公平で、返答の質の差もそのまま比較材料になります。
そのまま使えるメールの文面例です。会社名と項目名だけ自社の状況に置き換えてください。
件名 御見積内容の確認について(担当作業の切り分け)
[担当者名]様
お世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
ご提案いただいた御見積について、社内で検討を進めております。
現在、別途[SEO / AI検索対策]のご提案も並行して拝見しており、
作業が重なる箇所があるか確認したく、3点伺えますでしょうか。
1. 御見積の「[重複していそうな項目名]」について、
対象となるページ・記事を具体的にご教示ください。
2. 同じページに他社が手を入れる場合、作業が衝突しない形に
分担することは可能でしょうか。可能な場合の分担案もいただけますと助かります。
3. 上記1の項目を御見積から外した場合の、減額後の金額をご提示ください。
お手数をおかけしますが、[日付]までにご返信いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
3つ目の「外した場合の金額」を必ず聞いてください。ここで「一式なので外せません」と返ってくる見積もりは、内訳が実態に基づいていない可能性があります。逆に、外した金額をすぐ出せる会社は、作業を工数で見積もっている会社です。この返答の差は、価格そのものより大事な判断材料になります。
ステップ5。発注書に担当の線引きを1行入れる
2社に分けて頼むと決めたなら、発注書か覚書に、触る範囲を文章で書いてください。口頭の了解だけだと、担当者が変わった時点で消えます。
【担当作業の分担に関する記載例】
・本件における構造化データ(JSON-LD)の実装および更新は、
[B社名]が単独で担当する。[A社名]は当該コードに変更を加えない。
・記事の新規制作は、公開先URLの重複を避けるため、
毎月の着手前に双方が制作予定のテーマ一覧を[自社名]へ提出し、
[自社名]が最終的な担当を決定する。
・robots.txt および WAF(アクセス制御)の設定変更は、
[自社名]の承認なく行わない。変更が必要な場合は事前に申請する。
3行目のアクセス制御の条項は、地味ですが効きます。Google 検索セントラルのGoogle クローラーの一覧には、サイト所有者が Vertex AI エージェントを作るためのクロールに使う Google-CloudVertexBot と、Gemini モデルのトレーニングと Gemini アプリでのグラウンディングへの利用を robots.txt で制御するトークン Google-Extended が掲載されています。Google-Extended には専用のユーザーエージェント文字列が無く、クロールは通常の Google のユーザーエージェントで行われます。OpenAI のOpenAI のボットに関するドキュメントには、OAI-SearchBot(ChatGPT の検索結果に載せるためのクロール)、ChatGPT-User(利用者の操作を起点とした取得)、GPTBot の3つが掲載されています。どのボット名が該当し、最新の表記がどうなっているかは、必ず上記の各一覧で確認してください。自社のアクセス制御がどのユーザーエージェントを通しているかも、この一覧と照らして確かめます。確認の手順はAIクローラーを弾いていないか確認する手順にまとめています。発注前に自社で確認できます。
契約前に確認する7問のチェックリスト
ここまでの内容を、契約直前に見返せる形にまとめました。7問すべてに答えが返ってくる見積もりなら、内訳が実態に沿っています。
- 記事制作は月に何本で、1本あたりいくらに割り戻せますか
- 構造化データの実装は、どのページに、どの種類を入れますか
- 既存ページの改善は、どのページの、どの箇所を触りますか
- 計測は何の数字を見ますか。検索順位ですか、AIの回答への出方ですか、両方ですか
- 使うツールの費用は、この見積もりに含まれていますか。別請求ですか
- 自社側でやることは何ですか。月に何時間くらいかかりますか
- 成果をどう判定しますか。判定できなかった場合の契約の扱いはどうなりますか
この章の結論です。突き合わせ表と単価の割り戻しまで済めば、値段の高い安いではなく「同じ作業に二重で払っているかどうか」で判断できるようになります。ここを飛ばして総額だけを比べると、安い方を選んだのに作業が抜け落ちる、という結果になりがちです。
重複を外すと、予算はどこに回せるか
重複を外して浮いた分は、値引きとして受け取るより、別の作業に振り替えたほうが結果につながります。理由は、AI検索対策で効いてくるのが「自社にしかない情報」の部分で、そこは記事の本数を増やしても埋まらないからです。
ステップ2の例で考えてみます。A社とB社の記事制作が重複していて、B社側の2本を外したとします。浮いた分を次のどれに回すかは、自社の状況で決まります。
- 会社概要・サービスページの書き直し:AIが会社の基本情報を誤って答えている場合は、ここが最優先です。記事を増やしても、元になる情報が古いままだと直りません
- 導入事例と実績の数値化:「導入社数」「対応期間」「削減した工数」のような具体的な数字を、本文中に文章で書く作業。画像の中だけに数字を置かず、テキストでも読める形にしておきます
- FAQの作り直し:実際に問い合わせで聞かれた質問をそのまま設問にする作業。想像で作った質問は、誰も検索しないので拾われません
- 計測の初期設定:AI経由の流入を分けて見られるようにする設定。ここを最初にやらないと、あとから効果を振り返れません
どれから手をつけるか迷ったら、計測の設定を先にしてください。何も測れていない状態で数か月走ると、続けるか止めるかの判断ができなくなります。指標の選び方はAI検索の効果測定指標と月次レポートの3階層にまとめています。
効果が見え始めるまでの期間は、業種やサイトの状態によって大きく変わります。記事やページを直してから、検索エンジンに読み直され、AIの回答に反映されるまでに時間差があるためです。短い期間で打ち切る契約にすると、反映の途中で止めることになり、払った分が無駄になります。契約前に、何を見て継続を判断するかを決めておいてください。
金額の大小と同じくらい大事なのが、社内の担当者を決めておくことです。次の3つの役割が決まっていないと、外注先が作った記事が公開されずに止まることがあります。
- 記事の内容を確認する人
- 数値の裏を取る人
- 公開の判断をする人
この章の結論です。浮いた予算は値引きではなく、自社にしか書けない情報の作成と計測の設定に回してください。その2つは外注先を変えても資産として残ります。
見積もりの重複で実際に起きる失敗4つ
ここからは、2社に分けて発注したときに起こりうる失敗を、状況と結果と防ぎ方のセットで書きます。どれも、見積書の段階で1行足しておけば防げるものです。
失敗1。同じテーマの記事を2社が作り、社内で共食いする
A社が「AI検索対策 費用」で記事を作り、同じ月にB社も似たテーマで記事を作る。テーマ一覧を突き合わせる仕組みがないと、こうした重複が起こりえます。担当者が別々にやりとりしていると、公開直前まで気づかないことがあります。
結果として、自社サイトの中に似た記事が2本並びます。検索順位への影響はケースによって変わりますが、確実に起きるのは社内の運用上の問題です。同じ読者に向けた記事を2本に分けたことで、それぞれの内容が薄くなり、どちらを主役として育てるかも決まらないままになります。社内で内容が食い違っていれば、その修正にも手間がかかります。
防ぎ方は、発注書に「毎月の着手前に制作予定のテーマ一覧を自社へ提出する」と書くことです。ステップ5の文面例の2行目がこれにあたります。自社側は、届いた一覧を1枚のスプレッドシートに集めて、URLが重複しないかだけ見れば済みます。
失敗2。構造化データが二重に出力される
これは技術的に一番やっかいな重複です。A社がサイト側の設定で構造化データを出し、B社が同じページにJSON-LDを直接書き足す。1つのページに同じ種類のコードが2つ出ることになります。
検索エンジンが2つのうちどちらを採用するかは、こちらからは分かりません。確実に言えるのは、自社の管理上の問題です。ページに書いてある会社名や公開日が2種類存在する状態になり、どちらが自社の意図した記述なのかを、あとから見ても追えません。しかも見た目には何も変わらないので、気づくのが遅れがちです。
防ぎ方は2つあります。
- 担当を1社に固定する:発注書に、構造化データの実装と更新を担当する会社を明記する
- 自社で確認する方法を覚える:Google のリッチリザルトテストにURLを入れて、検出された項目に同じ種類のものが2つ出ていないか見る。構造化データの書き方と検証については、Google 検索セントラルの構造化データの一般的なガイドラインが一次情報です
リッチリザルトテストは、Google 検索セントラルのリッチリザルト テストのドキュメントで、ページをレンダリングして JavaScript を実行したうえで構造化データを検証するツールとして説明されています。ブラウザのソース表示だけでは、JavaScriptで後から挿入されたぶんが見えないので、こちらで確かめてください。どの種類から入れるべきかはAI検索の構造化データで最初に入れる3つと確認手順に書いています。
失敗3。計測ツールの費用が両方の見積もりに乗っている
AI検索対策の見積もりには、AIの回答に自社名が出ているかを見るモニタリングツールの費用が含まれていることがあります。一方でSEO側の見積もりにも、順位計測ツールの費用が含まれています。ここまでは別物なので問題ありません。
問題は、どちらのツールも「検索順位の計測」機能を持っている場合です。月額の中に含まれているので請求書上は見えず、同じ機能に2回払っている状態が続きます。
防ぎ方は、チェックリストの5問目です。使うツール名と、その費用がこの見積もりに含まれているかを書面でもらってください。ツール名が出てこない場合は、何を使って測るのかを聞きます。ここが答えられない見積もりは、計測を手作業でやる想定か、そもそも計測する気がないかのどちらかです。
失敗4。リライト費用が「AI検索対策」の名目で上乗せされている
提案書を見ると、AI検索対策の中身が既存記事のリライトだけ、ということがあります。リライト自体は必要な作業なので、それが悪いわけではありません。問題は、SEOの契約にもリライトが含まれていて、対象記事が重なっている場合です。
この状態だと、同じ記事に対して2社が別々の方針で手を入れます。片方は検索キーワードを意識した見出しに変え、もう片方は冒頭に要約を足す。1本の記事の中で方針が混ざり、どちらの意図でもない文章ができあがります。
防ぎ方は、対象記事のURL一覧を両社から出してもらうことです。突き合わせ表にURLの列を足して、同じURLが両方に出てきたら完全重複と判定します。URLレベルまで出せない見積もりは、対象が決まっていないということなので、先に対象を決めてから金額を出し直してもらってください。
この章の結論です。4つの失敗はどれも「2社が同じ対象に手を入れる」ことから起きています。対象をURLと項目のレベルまで書き出して分担を決めれば、大半は起きません。
発注する側が見落としやすい、3つの現実
「GEO専門」という名前は、中身を保証しない
見積書に「GEO対策」「LLMO対策」と書いてあっても、作業内容が従来のSEOと同じ場合があります。これは必ずしも悪いことではありません。実際、基礎の部分は共通だからです。
気をつけるのは、名前が変わったことを理由に単価が上がっているケースです。記事1本あたりの単価を他の見積もりと並べてみて、明らかに高いのに作業内容の説明が同じなら、何が上乗せ分なのかを聞いてください。「AIに最適化しています」という答えでは判断できないので、具体的にどの工程が増えたのかを聞くのが正しい聞き方です。増えた工程の例としては、数値と出典の追加、定義文の追加、実際の質問にもとづくFAQの作成などが挙げられます。
会社の比べ方そのものに迷っている方は、AIO対策に強い会社の比較5軸と依頼前の確認10問のほうが判断材料になります。
見積もりに書かれない「社内に残る作業」がある
見落としやすいのがこの点です。外注しても、自社でやらないと進まない作業が必ず残ります。
- 事実確認:記事に書かれた自社の実績・対応できる作業・料金の記述が合っているかの確認
- 一次情報の提供:導入事例の数値、現場でよく聞かれる質問、対応できる作業の線引きなど。外注先はこれを持っていないので、社内から出すしかありません
- 公開の判断:下書きを確認して公開ボタンを押す人。ここが止まると全部止まります
- 法務・コンプライアンスの確認:業種によっては必要。医療・金融・士業は特に時間がかかります
この4つにかかる時間は、記事の本数と社内の確認体制で大きく変わります。契約前に、1本あたりどのくらいの確認時間がかかりそうかを実際に1本試して測ってください。その時間が確保できないなら、本数を減らして1本あたりの質を上げる契約に変えたほうが、結果的に前に進みます。
「AIに出ました」だけでは検収できない
成果の判定が曖昧なまま契約すると、更新のタイミングで揉めます。AIの回答は、同じ質問をしても人によって、時期によって変わります。だから「ChatGPTで御社が出ました」という報告だけでは、何がどう良くなったのか判断できません。
契約前に、判定の条件を決めておいてください。決め方の例です。
- 質問文を固定する:10問から20問の質問文をあらかじめ決めて、毎月同じ質問で記録する
- 記録の形を決める:回答のスクリーンショットと、引用元として表示されたURLの一覧
- 見る数字を決める:決めた質問のうち、自社が言及された割合と、自社サイトが引用元に出た件数
なお、たたき台の作成をAIに任せて最終判断を自社で行う、という線引きはAI検索対策に限らず共通の話なので、ここでは触れません。自社でやる部分と外注する部分の分け方はAIO対策を自社と外注どちらで進めるかの判断ポイントで扱っています。
この章の結論です。この3つをやっておくと、契約後に「思っていたのと違う」となる確率がかなり下がります。
- 名前ではなく工程で比べる
- 社内に残る時間を先に見積もる
- 判定条件を契約前に決める
SEO会社から「AI検索対策も込みです」と言われました。別で頼む必要はないですか
込みの中身によります。記事制作と構造化データだけなら、それは元々SEOの作業です。会社概要やFAQの書き直し、AIの回答への露出の記録が入っているかを聞いてください。入っていないなら、別で頼むか、今の契約に追加するかの検討に進みます。
SEOとAI検索対策を別会社に分けると、担当者同士でもめませんか
もめるとすれば、原因はたいてい担当の線引きがあいまいなことです。構造化データとアクセス制御の設定だけは担当を1社に固定し、記事のテーマ一覧は毎月自社に提出してもらう。この2つを発注書に書いておけば、現場のやりとりは成立します。
見積書の「初期診断」と「サイト分析」は同じものですか
言葉は似ていますが、中身は会社ごとに違います。判断するには、何を見て、何が書かれた資料になるのかを聞いてください。「現状のページ一覧と、直す順番が分かるもの」なのか、「技術的なエラーの一覧」なのか。ここが答えられれば重複かどうか判定できます。
予算が限られています。SEOとAI検索対策、どちらを先に始めるべきですか
自社の情報がAIに正しく答えられていないなら、会社概要とサービスページの書き直しが先です。実際にChatGPTなどで自社名を聞いてみて、答えが合っているか確かめてください。答えが大きく間違っている状態で記事を増やしても、元の情報が直らない限り改善しません。
契約期間は何か月で組むのが妥当ですか
効果が見えるまでの期間は業種やサイトの状態で大きく変わるので、期間そのものより、区切りを決めておくことが大事です。おすすめは、一定の期間を区切りにして継続を判断する形にすること。そのかわり、その時点で何を見て判断するかを、契約前に書面で決めておいてください。
今日できる最初の一歩
手元に見積書が1枚でもあるなら、今日は「記事制作の本数」と「対象ページの枚数」の2か所に線を引くだけで構いません。数量の単位が書かれていない見積もりは、その時点で比較できないと分かります。それが次に聞くことになります。
AIに読まれる側の準備から進めたい方は、AI検索に引用される会社概要の作り方と5ステップが実務に近い内容です。見積もりを取る前に自社で手を動かせます。
ここまで読んで、見積もりを取る前に自社サイトのどこから修正するべきかを知りたいと感じた方は、GEO(LLMO)対策・AI検索対策の初回のご相談(無料)をご利用ください。現在のサイトと記事を確認し、AI検索で社名が挙がるか、先に修正するページの候補をお伝えします。診断と修正の順番の一覧だけをご依頼いただくこともできます。
個別のご相談
サービスの選び方やご依頼について、ご相談いただけます。
相談する