インスタのリール動画の外注|指示書の作り方と素材の渡し方
この記事の要点
- 外注の型は3つ。自作・制作だけ外注・運用ごと委託で任せる範囲が変わる
- 指示書に書くのは11項目。テンプレをそのまま使える形で掲載
- 素材の権利と出演者の肖像は発注時に文面で決める。あとから直せない
インスタのリール動画を外注するとき、成果を分けるのは業者選びよりも「指示書」と「素材の渡し方」です。編集者は、あなたの商品も、社内の事情も、伝えたい相手も知りません。渡した素材と指示書に書いてあることだけで組み立てます。だから、目的・冒頭2秒・テロップ原稿・納品形式まで書いた1枚を先に作ると、初稿の精度が変わります。
この記事は、リール動画の制作をこれから外部に頼む中小企業の広報・販促担当者に向けたものです。読み終わる頃には、指示書のテンプレを埋めて、素材フォルダを作り、発注メールを送れる状態を目指します。
扱うのは「発注側がやること」です。撮影機材の選び方やアプリの操作そのものは扱いません。自社で撮って編集する手順はショート動画の作り方|スマホ完結の5ステップと冒頭3秒で解説しています。
Contents / 目次
リール動画の外注、3つの型と選び分け
インスタのリール動画の外注は、大きく3つの型に分かれます。編集だけを頼む「制作外注」、企画から投稿・分析まで預ける「運用委託」、そして外注せず自社で作る「内製」です。どれが正解かは予算ではなく、社内に企画を考える人と、撮影に立ち会える人がいるかどうかで決まります。
先に結論を言うと、月に4本以上を続けたい会社で、社内に企画担当が1人いるなら「制作外注」が合います。企画から任せたいなら「運用委託」、月1〜2本で予算をかけたくないなら「内製」です。
| 型 | 頼む範囲 | 向いている状況 | 社内に残る仕事 |
|---|---|---|---|
| 内製(自社で作る) | すべて自社 | 月1〜2本。撮れる現場がすぐそばにある | 企画・撮影・編集・投稿・分析のすべて |
| 制作外注(編集のみ) | 編集・テロップ・書き出し | 撮影素材は社内で用意できる。企画は自社で決めたい | 企画、撮影、指示書、初稿チェック、投稿 |
| 制作外注(企画+撮影+編集) | 構成づくりから納品まで | 撮影に人手を割けない。品質を安定させたい | 方針の共有、撮影日の立ち会い、確認、投稿 |
| 運用委託(運用代行) | 企画・制作・投稿・分析・コメント対応 | 担当者が兼務で、月4本以上を継続したい | 月1回の方針確認、素材と情報の提供、最終承認 |
制作外注と運用委託は、見積書の見た目が似ていても中身がまったく違います。制作外注は「動画が納品される」契約で、運用委託は「アカウントの数字を動かす」契約です。どこまでが依頼できる業務かはSNS運用代行とは|依頼できる業務と自社に残る仕事の線引きで整理しています。
迷ったときの分岐、3つの質問
どの型にするか決めきれないときは、次の3つに順番に答えてください。
- この3か月で、リールを何本出したいか。月4本未満なら内製で足ります。
- 「何を撮るか」を決められる人が社内にいるか。いなければ企画から任せる型になります。
- 撮影現場に外部の人を入れられるか。工場や医療機関のように入れない現場なら、自社で撮って編集だけ外注する形が現実的です。
この章の結論。任せる範囲は予算ではなく「企画を決める人がいるか」「撮影に人を割けるか」の2点で決まります。この2つを先に決めておくと、見積もりを取ったときに範囲がずれず、比較できるようになります。
リール動画の指示書。1本ぶんに書く11項目
リール動画の指示書に書くのは、次の11項目です。この11項目が埋まっていれば、初めて組む編集者でも大きく外しません。逆に、ここが埋まらないまま発注すると、初稿は「きれいだけど誰にも刺さらない動画」になります。
- 目的
- 想定視聴者
- 冒頭2秒
- 尺
- 構成
- テロップ原稿
- 音
- 画面デザイン
- 締めのCTA
- 納品形式
- 納期と修正回数
指示書とは、1本の動画をどう作るかを発注側が書いた指示の一覧です。制作会社では「絵コンテ」「香盤表」など細かく分かれますが、中小企業のリール制作なら、A4で1枚のテキストで十分です。
ステップ1 この1本の目的を1つに絞る
最初に決めるのは、この1本で何を起こしたいかです。プロフィールを見てもらう、保存してもらう、DMをもらう、店舗名で検索してもらう。ここを2つ以上書くと、編集者は両方を入れようとして、どちらも弱くなります。
目的が決まると、締めの一言も自動的に決まります。プロフィール誘導が目的なら「詳しくはプロフィールから」、保存が目的なら「保存して現場で見返してください」です。
ステップ2 指示書テンプレを埋める
次のテンプレをコピーして、角カッコの中を自社の内容に置き換えてください。角カッコ内は書き方を示すためのダミー文です。自社で実際に提供していない条件をそのまま残すと、事実と違う表示になります。埋めるのにかかる時間は会社によって変わりますが、一度テンプレを作れば2本目以降は書き写す作業だけになります。
【リール制作指示書】
制作番号: reel_001
希望納品日: 2026年9月10日
1. 目的
[例:プロフィールに移動してもらい、予約ページを見てもらう]
2. 想定視聴者
[例:大分市内で新築を検討中の30代夫婦。まだ会社は決めていない]
3. 冒頭2秒で画面に出すもの
・映像: [例:完成した造作棚のアップ]
・文字: [例:この棚、既製品じゃありません]
※ロゴやタイトルアニメーションから始めないでください
4. 尺の目安
[例:20秒前後。25秒を超えないこと]
5. 構成(カット割り)
0-2秒 [フック。上の3.の映像]
2-8秒 [問題提示。例:市販の棚は幅が合わない]
8-16秒 [解決。例:現場で採寸して作る様子]
16-20秒[締めとCTA]
6. テロップ原稿(この文言のまま。改行位置も指定どおり)
※以下はすべて書き方の例。自社の事実に置き換えること
[例:この棚、既製品じゃありません]
[例:幅も高さも、部屋に合わせて作ります]
[例:自社が実際に提供している条件を1行入れる]
[例:詳しくはプロフィールから]
7. 音
・ナレーション: [あり/なし]
・BGM: [候補があればURL。無い場合は「商用利用可の音源から3案提案してください」]
・音が出せない環境でも意味が通ること(文字だけで内容が分かるか)
8. 画面デザイン
・フォント: [例:太めのゴシック。指定フォントがあればファイルを同送]
・色: [例:メインカラー #1B3A5C、差し色 #E8845C]
・ロゴ: [例:入れない/最後の2秒だけ右下に小さく]
・禁止: [例:エフェクト音の多用、価格の表示、他社名の映り込み]
9. 締めの一言とCTA
[例:詳しくはプロフィールから/保存して見返してください]
10. 納品形式
・比率: 縦(9:16)
・形式: mp4
・字幕: 焼き込み(動画に文字が乗った状態)
・元データ: プロジェクトファイルと書き出し前データも納品
・ファイル名: reel_001_v1.mp4
11. 納期・修正・確認者
・初稿提出日: [日付]
・修正回数: [例:2回まで。1回=こちらが送った修正リスト1通ぶん]
・確認する人: [氏名。承認できる人を1人に決める]
11番の「修正回数」でもめる会社が一番多いです。「1回」の数え方を決めずに発注すると、修正リストを送るたびに1回と数えられ、3通目から追加費用になることがあります。「1回=こちらが送った修正リスト1通ぶん」のように、数え方まで書いてください。
ステップ3 構成案をAIでたたき台にする
構成(5番)が一番の難所です。ここはAIにたたき台を作らせて、社内で直すのが早いです。完成度の高い長文プロンプトは要りません。次のくらいの短い指示から始めて、あとは対話しながら詰めてください。
あなたはInstagramリールの構成作家です。
次の情報から、20秒のリール1本の構成案を3つ出してください。
・商材: [ここに入力]
・見てほしい人: [ここに入力]
・撮れる素材: [例:厨房の作業風景、店内、スタッフ2名]
・この1本の目的: [例:プロフィールを見てもらう]
各案に、冒頭2秒で画面に出すもの、カット割り(秒数つき)、
テロップ原稿を付けてください。
足りない情報があれば、案を作る前に質問してください。
AIが出した案のうち、人が必ず見るのは次の3か所です。
- 冒頭2秒:自社の現場で本当に撮れる映像になっているか。
- テロップの事実:価格・資格・数字・社名が正しいか。
- 自社ならではの内容か:「よそでも成立する内容」になっていないか。
3つ目が抜けると、業種を入れ替えても通じる無難な案が出てきます。
この章の結論。指示書は11項目。特に「冒頭2秒」「テロップ原稿の全文」「修正回数の数え方」の3つは、書いていないと必ず初稿でずれます。テンプレを1枚作れば、2本目からは書き写すだけで発注できます。
撮影素材の渡し方。ファイル名とフォルダの型
素材は、クラウドストレージの共有リンクで、フォルダを分けて渡します。LINEやメール添付で送ると画質が落ちるので、動画は必ずクラウド経由です。スマホで撮った動画をチャットアプリで送ると、圧縮されて文字がにじむことがあります。
フォルダは6つに分ける
フォルダ名の頭に番号を振っておくと、並び順が固定されて、編集者が迷いません。次の6つで足ります。
2026-09_reel001_造作家具/
├ 01_movie/ 撮影した動画
├ 02_photo/ 写真・完成カット
├ 03_brand/ ロゴ、フォント、カラー見本
├ 04_text/ 指示書、テロップ原稿
├ 05_ref/ 参考にしたいリールのURLをメモしたテキスト
└ 99_NG/ 使ってはいけない素材(消さずにここへ)
「99_NG」を用意するのがコツです。撮り直したテイクや、社名が映り込んだカットを消さずにここへ入れておくと、編集者が誤って使う事故が防げます。削除してしまうと、あとで「あのカットもう一度」と言われたときに戻せません。
ファイル名の付け方
ファイル名は「撮影日_通し番号_中身_比率」の順で付けます。日本語のファイル名は、環境によって文字化けすることがあるので、英数字とアンダースコアにしておくと安全です。
0903_01_shop-front_9x16.mp4
0903_02_staff-talk_9x16.mp4
0903_03_hand-closeup_9x16.mp4
0903_04_finished-shelf_9x16.mp4
比率をファイル名に入れておくと、縦で撮ったものと横で撮ったものが混ざったときにすぐ気づけます。混ざったまま渡すと、次の章で書く失敗が起きます。
撮影するときに守る6つの条件
編集で直せないことは、撮影の時点で決まります。社内で撮って編集だけ外注する場合は、撮る人に次の6つを共有してください。
- 縦で撮る:リールは縦(9:16)です。横で撮った素材を縦に切ると、両端が切り落とされます。
- 被写体を真ん中に:画面の左右端に人や商品を置かない。中央に寄せて撮っておくと、比率を変えたときに切れにくくなります。
- 上下に余白を残す:画面の上下には、アカウント名やボタンなどのUIが重なることがあります。実際にどこまで隠れるかは端末や仕様変更で変わるため、投稿前に自分のスマホでプレビューして確かめてください。文字や顔を端に寄せないでおくと安全です。表示領域の詳しい考え方はインスタのリールのサイズ一覧|文字が切れる原因と直し方を参照してください。
- 1カットは長めに回す:使うのが2秒でも、10秒回しておく。編集で切るのは簡単ですが、足りない分は作れません。
- 同じ動きを2テイク撮る:手元のアップなど、失敗が分かりにくいカットは必ず2回。
- 音の環境を整える:話し声を使うなら、換気扇とBGMを止める。あとから消せない雑音が一番やり直しになります。
この章の結論。素材はクラウドで、番号付きの6フォルダに分けて渡します。撮影段階で「縦・中央・長めに・2テイク」を守っておけば、編集者からの追加撮影依頼を減らせます。
初稿チェックと、伝わる修正指示の書き方
初稿が届いたら、最初にスマホで、音を消して、最後まで通しで見てください。パソコンの大画面で見ると、文字の小ささやUIとの重なりに気づけません。実際に見られるのはスマホの縦画面で、音を出せない場所で見られることもあります。
初稿チェックリスト12項目
次の12項目を上から確認します。
- 音を消したまま、内容が最後まで分かるか
- 冒頭2秒で、指示書に書いた映像と文字が出ているか
- ロゴやタイトルアニメで始まっていないか
- テロップの文言が、指示書の原稿と1字ずつ合っているか
- 価格・資格・社名・人名など、事実の表記に誤りがないか
- 文字が画面の上下端に寄って、UIに隠れていないか
- 1画面に出る文字が多すぎて、読み切る前に切り替わっていないか
- 指定した色とフォントが使われているか
- 意図しない映り込み(他社名、個人名、鏡に映った撮影者)がないか
- 締めの一言とCTAが指示どおりか
- 尺が指示の範囲に収まっているか
- 納品形式(比率、ファイル形式、プロジェクトファイルの有無)が揃っているか
このうち4番と5番は、外注先では絶対に確認できません。テロップの誤字と事実の誤りは、発注した側が声に出して読み合わせるのが一番確実です。
修正指示は「秒数・現状・どうしたいか」の3点セットで書く
「なんかもう少し明るい感じで」と書くと、編集者は色調を明るくします。あなたが直してほしかったのが、話し方のテンポや音楽だった場合、修正1回ぶんが無駄になります。次の形で書いてください。
【reel_001 v1 修正リスト(1通目)】
■ 0:02
現状: テロップが「既製品じゃありません」
修正: 「この棚、既製品じゃありません」に変更
理由: 何の話か分からないまま2秒過ぎてしまうため
■ 0:09-0:11
現状: 採寸シーンが3カットに割れている
修正: 一番手が大きく映っているカット1つに差し替え
理由: 短い時間でカットが変わると、何をしているか伝わらないため
■ 0:18
現状: ロゴが画面中央に大きく表示
修正: 右下に小さく、または削除
理由: 指示書8番の「最後の2秒だけ右下に小さく」に合わせるため
■ 全体
現状: BGMが会話に重なって聞き取りにくい
修正: 会話部分だけBGMの音量を下げる
理由: 音を出して見る人に、声を優先して届けたいため
秒数を書いておくと、どこの話かを確認するやり取りが省けます。「理由」を添えるのは、編集者が次の1本から自分で判断できるようになるからです。
この章の結論。初稿はスマホで音を消して見る、修正は「秒数・現状・どうしたいか・理由」で書く。この2つを守るだけで、決めた修正回数の範囲に収まりやすくなります。
リール外注でよくある失敗5つと、その防ぎ方
ここで挙げるのは、リール動画を外注したときにだけ起きる失敗です。どれも、指示書の1行があれば防げます。
失敗1 横向きで撮った素材を縦に切って、人と文字がはみ出す
社内で撮影して編集だけ外注したときに起きます。カメラを横に構えて撮った映像を縦(9:16)に切ると、左右が大きく削られます。並んで映っていた2人のうち1人が枠外に出たり、商品の端が切れたりします。
防ぐには、撮影メンバー全員に「縦で撮る」「被写体は画面の中央に寄せる」を伝えるだけです。すでに横で撮ってしまった素材しかない場合は、上下に余白を作って中央に配置する編集になるので、その前提を指示書に書いておいてください。
失敗2 ロゴアニメーションから始まる初稿が上がってくる
制作会社に企画から任せると、企業VTRの作法で「ロゴ→タイトル→本編」と組まれることがあります。この構成だと、最初の2秒を挨拶に使ってしまい、商品や本題が画面に出るのが遅くなります。
防ぎ方は、指示書の3番に「ロゴやタイトルアニメーションから始めないでください」と明記することです。ロゴを入れたい場合は、入れる位置と秒数を指定します。冒頭の設計そのものについてはインスタで反応ゼロを抜け出す検索されるリール企画の作り方で詳しく書いています。
失敗3 音源を編集者任せにして、広告や自社サイトに転用できなくなる
アプリ内の音楽ライブラリで付けた曲を、そのままYouTubeや自社サイト、広告に転用してよいかは、Instagram側の規約とヘルプに従います。使える範囲は仕様や規約の見直しで変わるため、発注前にInstagramヘルプセンターで「音源」「商用利用」を検索し、自社の使い方が範囲に入るかを確認してください。素材サイトのBGMを使う場合も、使ってよい媒体の範囲は各サイトのライセンス条項で決まります。編集者に任せきりにせず、どのサイトのどのライセンスかを控えてもらってください。
あとで広告に回したい動画なら、発注時に「商用利用可・媒体を限定しない音源を使うこと」「使用した音源名とライセンスの控えを納品時に添えること」の2点を条件に入れてください。納品後に差し替えると、編集し直しになります。
失敗4 テロップの事実誤りに誰も気づかないまま公開する
編集者は、渡された原稿をそのまま文字にします。原稿の段階で価格が古かったり、資格名の表記が正式名称でなかったりしても、気づく人はいません。動画は記事と違って、公開後に文字だけ直すことができません。作り直しです。
防ぎ方は、テロップ原稿を「編集に渡す前」に社内で読み合わせることです。指示書の6番を印刷して、価格・日付・人名・資格・社名の5種類に印を付け、担当以外の1人が声に出して確認します。
失敗5 修正回数の数え方が決まっておらず、追加費用でもめる
「修正2回まで」と書いてあっても、数え方は書かれていないことがほとんどです。発注側は「2回作り直してもらえる」と読み、制作側は「修正の依頼を2通まで受ける」と読みます。思いついた順にチャットで修正を送ると、5通目で「追加費用です」と言われます。
防ぎ方は、見積もり段階で「1回の数え方」と「軽微な直しの扱い」を確認しておくことです。誤字の修正まで1回に数えるのか、そこは無償なのか。ここを口頭で済ませず、メールに残しておいてください。
この章の結論。5つの失敗はすべて、指示書と発注メールの数行で防げます。特に音源のライセンスとテロップの事実確認は、公開後に直せないので、初稿が上がる前に手を打ってください。
契約に書く、撮影素材の権利と出演者の肖像
ここが、発注に慣れた会社とそうでない会社の差が一番出るところです。動画の見た目は初稿を見れば判断できますが、権利の話は問題が起きるまで表に出てきません。そして問題が起きたときには、たいてい取り返しがつきません。
「納品されたもの」と「作る途中のデータ」は別物
納品されるmp4ファイルを受け取っても、編集に使ったプロジェクトファイルや、撮影した元データまで一緒に渡されるかどうかは、発注時の取り決め次第です。制作会社を変えたとき、過去の動画を少し直して再利用したくても、元データがなければ一から作り直しです。著作権が誰に残るか、どこまで使ってよいかも契約で決まります。制度の基本は文化庁の著作権のページで確認できます。
発注時に確認するのは、次の4つです。
- 撮影した元データ(未編集の素材):納品対象に含まれるか。含まれない場合、追加費用でもらえるか。
- プロジェクトファイル:編集ソフトの作業ファイル。ソフトが違うと開けないので、こちらの環境も伝えておく。
- 著作権の扱い:納品物の著作権を譲渡してもらうのか、利用許諾(使ってよい範囲を決める形)にするのか。
- 使える範囲:Instagramだけか、自社サイト・YouTube・展示会のモニター・広告まで含むか。
発注メールに入れる文面のたたき台を置いておきます。そのまま使うのではなく、自社の状況に合わせて調整し、金額の大きい取引では専門家に見てもらってください。
【納品物と権利について】
・納品物: 完成動画(mp4)、撮影した元データ一式、
編集プロジェクトファイル、使用音源名とライセンスの控え
・利用範囲: Instagram、自社ウェブサイト、YouTube、
展示会での上映、ウェブ広告への転用を含みます
・期間: 期間の定めなく使用できるものとします
・第三者の権利: 使用する音源・素材・フォントについて、
上記の利用範囲で問題がないことを確認のうえ制作してください
出演した社員と、映り込んだ来訪者の肖像
顔が映る動画では、出演した本人の同意が要ります。口頭の「いいですよ」だけで撮って公開すると、退職時にもめます。実際に多いのが、辞めた社員から「自分が映っている動画を消してほしい」と言われるケースです。
撮影前に、次の5点を書いた紙かフォームで同意をもらってください。
- どこに掲載するか(Instagram、自社サイト、広告など、媒体を列挙する)
- いつまで使うか(期間を決めない場合はその旨を書く)
- 退職や異動のあとも掲載を続けてよいか
- 本人から掲載終了を申し出られるか、その申し出先はどこか
- 編集で加工されること(テロップ、切り抜き、速度変更など)への了承
店内やイベント会場で撮ると、お客さまや来訪者が映り込みます。撮影中である旨の掲示を入口に出す、映り込んだ人の顔が特定できるカットは使わない、というルールを撮影前に決めてください。「あとで編集でぼかせばいい」と考えていると、ぼかし作業ぶんの追加費用が発生します。
発注条件を書面で残す
個人のクリエイターやフリーランスに直接発注する場合、取引条件をどこまで書面で残すかを先に決めておいてください。口頭やチャットの一言で発注せず、業務内容・金額・納期・支払日・修正回数を書いたメールを1通送って、相手の返信をもらう。これだけで、条件の食い違いはほとんど防げます。
なお、AIに任せる範囲と人がやる範囲の線引きは、外注そのものより投稿の中身に関わる話です。制作の下ごしらえはAIで速くなりますが、事実確認と最終判断は人が行います。詳しくは生成AIのSNS投稿量産で読まれない本当の原因とAI・人の線引きでまとめています。
この章の結論。元データとプロジェクトファイルの扱い、使ってよい媒体の範囲、出演者の同意。この3つを発注メールに書けば、あとから直せない問題はほぼ避けられます。
外注に切り替えて変わること、費用の見立て方
外注で最初に変わるのは、動画のクオリティより「本数が続くこと」です。社内で作っていると、繁忙期に真っ先に止まるのがリール制作です。外注すると、納期が外側から決まるので、月4本のペースが崩れにくくなります。
1本にかかる時間を分解する
自社で作る場合、リール1本にかかる時間は工程ごとに分けて数えます。次の表に入れた数字は、書き方を示すために置いた記入例です。実測値ではありません。かかる時間は業種や慣れで大きく変わるので、自社で1本作って計り、必ず置き換えてください。
| 工程 | 自社ですべて作る場合(記入例) | 編集だけ外注する場合(記入例) |
|---|---|---|
| 企画・構成 | 30分 | 20分(AIでたたき台を作る前提) |
| 撮影 | 60分 | 60分 |
| 素材整理・指示書作成 | 0分 | 20分 |
| 編集・テロップ | 120分 | 0分 |
| 確認・修正指示 | 20分 | 30分 |
| 投稿・キャプション作成 | 20分 | 20分 |
| 合計 | 約4時間10分 | 約2時間30分 |
この表でやってほしいのは、自社の数字を入れて左右の差を出すことです。差が出た時間を、投稿後の反応を見る作業に回せるかどうかが分かれ目になります。時間だけ浮かせて何も見ないなら、外注しても数字は動きません。
見積もりは「範囲×工数」で読む
リール制作の見積もりは、依頼範囲によって桁が変わります。編集だけを頼むのと、企画から撮影・編集まで頼むのでは、動く人数も日数も違うためです。相場表を鵜呑みにするより、次の順で自分で見立てるほうが正確です。
- 依頼する工程を、上の表の項目で丸を付ける(どこからどこまでを外に出すか)
- 各工程に何時間かかるかを見積書に書き出してもらう
- 撮影がある場合は、撮影日数と拘束時間、移動費が別かどうかを確認する
- 修正回数と、その1回の数え方を確認する
- 2本目以降の単価が下がるか(テンプレートを流用できるため、下がる会社が多い)を聞く
工数から金額を組み立てる考え方は、運用委託の場合も同じです。月額の内訳をどう分解するかはSNS運用代行の相場|1投稿単価と月額の内訳を工数から見積もるで詳しく整理しています。
外注した動画の良し悪しを、感想ではなく数字で見る
納品された動画が良かったかどうかは、社内の「かっこいい」では判断できません。見るのは、最後まで見られた割合(視聴維持率)と、保存された数です。維持率は冒頭の作りだけでなく、題材・音源・誰に届いたかでも変わるので、1本の数字で結論を出さず、複数本を並べて見てください。
3本ほど溜まったら、維持率の高い1本と低い1本を並べて、冒頭2秒の違いを制作会社と一緒に見てください。ここを一緒に見る打ち合わせを月1回入れておくと、次の1本から冒頭の作り方が変わります。指標の読み方はインスタのリールを伸ばす方法|視聴維持率と保存率の読み方にまとめてあります。
この章の結論。外注の効果は「本数が続くこと」と「空いた時間を分析に回せること」で決まります。見積もりは相場表ではなく、工程ごとの工数で読み、納品物は感想ではなく維持率と保存で評価してください。
リール動画の外注についてよくある質問
リールの作り方が分からないまま、企画ごと外注しても大丈夫ですか
大丈夫ですが、1本だけは自社で作ってみることをおすすめします。撮影に何分かかるか、テロップをどこまで入れると読めるかが体感で分かると、見積もりの妥当性を判断できるようになります。指示書を書くときにも、具体的に指定できるようになります。
撮影は自社、編集だけ外注したい場合、素材はどう渡せばいいですか
クラウドストレージの共有リンクで渡してください。チャットアプリやメール添付は圧縮がかかり、文字がにじむことがあります。フォルダは動画・写真・ロゴ・原稿・参考・使わない素材の6つに分け、ファイル名は「撮影日_番号_中身_比率」で統一すると、やり取りが減ります。
出演した社員が退職したら、そのリールは消さないといけませんか
撮影前の同意内容によります。「退職後も掲載を続けてよいか」を同意書に入れていれば、そのまま掲載できる形にできます。入れていない場合は、本人から申し出があったときに個別対応になります。今後撮る動画からは、同意書に退職後の扱いを1行足しておいてください。
納品されたリールを、そのままウェブ広告に使えますか
発注時の取り決め次第です。使用した音源のライセンスで認められた媒体が限られていたり、納品物の利用範囲がSNSのみになっていたりすると、広告に転用できません。広告に回す可能性があるなら、発注メールの段階で「広告への転用を含む」と書き、音源も媒体を限定しないものを指定してください。
リールの尺は何秒にすればいいですか。上限は変わりますか
指示書には「20秒前後」のように上限つきで書くのが実務的です。長い尺を許すと、伝えたいことが増えて散らかります。投稿できる尺の上限は仕様変更で変わることがあるため、発注前にInstagramヘルプセンターで最新の値を確認してください(2026年8月28日時点)。考え方は当サイトのインスタのリールの時間制限|上限の確認方法と最適秒数の決め方にまとめています。
今日の一歩と、相談したいときの窓口
まずは1分でできることから始めてください。自社のスマホで直近3本のリールを開き、冒頭2秒で何が映って何の文字が出ているかをメモするだけです。ここが弱いまま外注しても、初稿は同じところでつまずきます。次に読むなら、企画の作り方をまとめたインスタで反応ゼロを抜け出す検索されるリール企画の作り方が続きになります。
ここまで読んで、指示書は作れそうだけれど誰に頼めばいいか分からない、あるいは企画から一緒に考えてほしいと感じた方は、一度お話を聞かせてください。現状を棚卸しするだけでも構いません。リール動画の制作を含むインスタ集客から気軽にご相談ください。
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