リスティング広告の改善方法|品質スコアの見方とクリック単価の下げ方
この記事の要点
- 改善の順番は無駄クリックの停止、関連性、LPの3段階
- 品質スコアは目標値ではなく、どこが弱いかを探す診断の材料
- クリック単価を下げる設定は5つ。本文に判断基準つきで掲載
リスティング広告の改善は、広告文を書き直すところから始めても、費用対効果はあまり動きません。先に「お金を使っている検索語句のうち、成果につながっていないものを止める」ところから手をつけると、同じ予算のまま無駄が減ります。そのあとで、広告グループの分け方、広告文、ランディングページの順に直していきます。
この記事は、Google広告の検索広告をすでに配信していて、クリックは来ているのに問い合わせが少ない、あるいはクリック単価が上がってコストが合わなくなってきた、という方に向けて書いています。読み終わる頃には、管理画面のどのレポートを開き、どの数字を見て、何を止めて何を直すかを、自分の手で決められる状態を目指します。
なお、配信は始めたけれど問い合わせが1件も来ていない段階の方は、広告の中身より前に計測とターゲットの層で詰まっていることが多いです。その場合はWeb広告で問い合わせが来ない原因|5層で切り分ける点検手順を先に読んでから、この記事に戻ってきてください。この記事では、クリックとデータがすでにある状態からの改善に絞って解説します。
Contents / 目次
リスティング広告の改善は「止める・寄せる・受ける」の順番で進める
リスティング広告の改善方法を1行でまとめると、無駄クリックを止める、キーワードと広告文の関連性を寄せる、ランディングページで受け止める、という順番で直すことです。この順番には理由があります。
広告文やランディングページを先に直すと、成果が出たのかどうかの判定に時間がかかります。一方、成果につながっていない検索語句を除外する作業は、翌日からその分の広告費が浮きます。効果がすぐ数字に出るものから着手したほうが、改善のサイクルが速く回ります。
いまの症状によって、最初に開くべき画面は変わります。自分がどれに当てはまるかを先に決めてください。
| いまの状態 | 最初に見る場所 | 最初にやること |
|---|---|---|
| クリックは来るが問い合わせがゼロ | 検索語句レポート(過去30日) | 成果につながらない語句を除外キーワードに追加 |
| 問い合わせはあるが1件あたりの費用が高い | キーワード別のコンバージョン数と費用 | 費用上位で成果ゼロのキーワードを停止、予算を成果ありに寄せる |
| クリック単価がじわじわ上がってきた | 品質スコアの3要素とマッチタイプ | 広告グループを検索意図で割り、広告文をキーワードに寄せる |
| 表示回数が少なく、そもそもクリックが集まらない | インプレッションシェアと日予算 | 予算上限と入札の上限、地域設定の絞りすぎを確認 |
| 問い合わせの中身が営業電話や求人ばかり | 検索語句レポートと広告文の書き方 | 対象外の層が反応する語句を除外し、広告文で対象を明示 |
先に確認すること。コンバージョン計測が正しく入っていないと、この表のどの行にも進めません。フォーム送信が計測できているか不安な方は、フォーム送信をコンバージョン計測する設定手順|GA4とGTMで先に確認してください。計測が壊れたまま改善しても、良し悪しの判断ができません。
この章で押さえるのは、直す順番を症状から逆算するということです。広告文の書き直しは3番目以降で構いません。
品質スコアの見方。3要素のどこが弱いかで打ち手が変わる
品質スコアとは、Google広告のキーワード単位で表示される診断ツールです。Google広告ヘルプの検索キャンペーンの品質スコアについてでも、品質スコアは診断ツールであり、広告・キーワード・ランディングページのどこに改善余地があるかを見るための指標だと説明されています。
大事なのは、総合の数字そのものより中身です。品質スコアの構成要素と、その評価がどう表示されるかは、Google広告ヘルプの検索キャンペーンの品質スコアについてで確認できます。どの要素が下がっているかで、やるべきことがはっきり変わります。
| 構成要素 | 評価が低いときに疑うこと | 打ち手 |
|---|---|---|
| 推定クリック率 | 広告文が検索した人の目的とずれている。競合と同じことしか書いていない | 見出しに検索語をそのまま入れる。価格帯・対応エリア・納期など判断材料を1つ足す |
| 広告の関連性 | 1つの広告グループに意図の違うキーワードが混ざっている | 検索意図ごとに広告グループを割り、そのグループ専用の広告文を作る |
| ランディングページの利便性 | 広告文で言ったことがLPの最初の画面に見当たらない。表示が重い | ファーストビューの見出しをキーワードに合わせる。画像を軽くして表示速度を直す |
品質スコアと3要素をどこで確認するかは、管理画面の更新で変わることがあります。現行の確認手順は品質スコアを使ってパフォーマンスを高める(Google広告ヘルプ)で確認してください。
品質スコアを上げれば単価が下がる、とは言い切れない
品質スコアとクリック単価の関係は、「上げれば下がる」という単純な話ではありません。実際の掲載順位とクリック単価は、広告ランクという別の計算で決まります。何が広告ランクに関わるかは、Google広告ヘルプの広告ランクについてで確認してください。品質スコアが同じでも、競合の状況が変われば単価は動きます。
Google広告ヘルプの広告の品質についてには、こう書かれています。
「一般に、広告の品質が高いほうが優れたパフォーマンスを期待できます(掲載順位が高く、費用は少なくなるなど)。」
「一般に」「期待できます」という書き方になっている点が重要です。品質を高めることは有利に働きますが、保証ではありません。ですから、品質スコアの数字を目標にするのではなく、評価が低く出た要素を直す材料として使うのが正しい使い方です。
この章で押さえるのは、品質スコアは点数を追うものではなく、弱い要素を特定するための道具だということです。次の章から、その要素ごとに手を動かしていきます。
リスティング広告の改善方法。今日からできる5ステップ
ここからが実作業です。上から順にやると、費用の無駄が減る順番になります。1つのステップは30分から1時間程度を見込んでください。
ステップ1.検索語句レポートを開いて、除外キーワードを追加する
最初にやるのは、実際に広告が表示された検索語句の棚卸しです。キーワードとして登録した語ではなく、ユーザーが実際に打ち込んだ語句を見ます。
期間は過去30日、並び順は費用の多い順にします。そのうえで、次の基準で除外候補を拾ってください。この基準は公式の推奨値ではなく、コレットラボが運用で使っている社内の目安です。自社の商材と予算規模に合わせて調整してください。
- クリック10回以上でコンバージョン0:成果につながらないことがある程度はっきりした語句。除外の第一候補
- 目標CPAの1.5倍以上を使って成果0:1件あたりいくらまで出せるかを決めていれば、その金額を超えた時点で止める判断ができる
- 意図が明らかに違う語:「求人」「アルバイト」「無料」「やり方」「自分で」「とは」など、買う気ではなく調べる気の語句
- 同業者が調べていそうな語:「代理店」「比較 ランキング」「相場」など。BtoBでは特に混ざりやすい
BtoBの初期除外リストとして、まずこのあたりを入れておくと無駄クリックが減ります。自社の商材に合わせて足し引きしてください。
[BtoB向け 除外キーワードの初期リスト(フレーズ一致で登録する想定)]
求人
採用
バイト
アルバイト
年収
無料
フリー
自作
自分で
diy
とは
意味
資格
やり方 独学
評判 2ch
違法
テンプレート 無料
副業
除外を登録するときは、マッチタイプの選び方でつまずきやすいです。除外キーワードのマッチタイプごとの挙動は、Google広告ヘルプの除外キーワードについてで現行の仕様を確認してから登録してください。使い分けの考え方は除外キーワードのマッチタイプ|部分一致とフレーズ一致の使い分けでも整理しています。
ステップ2.広告グループを「検索意図」で割り直す
広告の関連性の評価が低く出ている広告グループは、ほぼ例外なくキーワードを詰め込みすぎています。20個も30個も入っていると、どのキーワードで検索されても同じ広告文が出るため、ぴったり合う広告になりません。
割り方の基準は、キーワードの文字面ではなく、検索した人が次に取りたい行動でそろえることです。たとえば税理士事務所なら、こう分かれます。
- いますぐ依頼したい層(「税理士 顧問料」「税理士 依頼」「税理士 大分市」)
- 比べている層(「税理士 選び方」「税理士 変更」「税理士 比較」)
- 調べているだけの層(「確定申告 やり方」「決算 とは」)
1と2は別の広告グループにして、それぞれ違う広告文を当てます。3は、資料請求などのオファーがない限り、そもそも配信しない判断もあります。
1グループのキーワードは、コレットラボの運用では3〜7語までを目安にしています(公式の推奨値ではありません)。細かく割りすぎると、1グループあたりのデータが少なくなり、自動入札の学習が進みにくくなります。月に数クリックしか発生しないグループが並び始めたら、割りすぎのサインです。
ステップ3.広告文を、そのグループのキーワードに合わせて書き直す
広告文の改善で一番効くのは、表現の巧みさではなく、検索語がそのまま見出しに入っているかどうかです。検索した人は、自分が打った言葉が広告に出ていると「これだ」と感じます。
レスポンシブ検索広告の見出しは、次の型で埋めると抜けが出にくくなります。見出しと説明文の文字数上限は管理画面とレスポンシブ検索広告について(Google広告ヘルプ)で確認し、入稿前に必ず現行の値を見てください。
[見出しの型]
1. [キーワードそのまま] 例)大分の税理士をお探しの方へ
2. [対象の限定] 例)建設業・従業員10名まで対応
3. [価格や条件の目安] 例)月額の目安を初回面談で提示
4. [不安の解消] 例)今の顧問への連絡も代行
5. [実績・年数] 例)大分・福岡で20年
6. [行動の後押し] 例)初回相談は無料
[説明文の型]
1. [誰の・どんな困りごとを・どう解決するか]
2. [他社と違う条件を1つ+次にやること]
ここでAIを使うなら、完成した広告文を丸ごと作らせるのではなく、材料を渡して案を出させる使い方が向いています。渡す材料は、対象のキーワード一覧、いま使っている広告文、LPの本文、断られた理由や実際に聞かれた質問です。この4つがないと、どのAIでも一般的な広告文しか返ってきません。
[AIに渡すたたき台。あとは対話で詰める]
あなたはリスティング広告の運用者です。
以下の材料をもとに、レスポンシブ検索広告の見出し案を15本出してください。
文字数は、Google広告ヘルプで確認した現行の上限内に収めてください。
検索キーワードの語をそのまま含む案を最低5本入れてください。
・対象キーワード:[ここに広告グループのキーワードを貼る]
・商材:[何を売っているか]
・対象:[業種・規模・エリア]
・他社と違う条件:[価格帯・納期・対応範囲など]
・お客様から実際に聞かれる質問:[3つほど]
出てきた案は、そのまま入稿しないでください。人が確認するのは3点です。実際に提供していない条件が入っていないか(「即日対応」など、AIはよく足します)、文字数が管理画面で上限を超えていないか、そして薬機法や景品表示法に触れる表現が混ざっていないかです。この確認は人がやるしかありません。
ステップ4.ランディングページの「最初の画面」と表示速度を直す
ランディングページの利便性の評価が低いとき、ページ全体を作り直す必要はありません。まず直すのは、広告をクリックした直後に目に入る範囲です。
確認は簡単で、自分のスマートフォンで実際に広告をクリックし、最初に表示された画面だけを見ます。そこに次の4つがそろっているかを見てください。
- 検索した言葉:広告文の見出しと同じ言葉が、ページの一番上の見出しに入っているか
- 誰向けか:対象の業種・エリア・規模が書いてあるか
- 次にやること:電話ボタンかフォームへのボタンが、スクロールせずに見えるか
- 信頼の材料:会社名、所在地、実績や取引先が、ページ内のどこかにあるか
表示が重いページは、中身を見てもらう前に離脱される場合があります。速度はGoogle PageSpeed Insightsで対象のURLを測り、診断結果に出た指摘を1つずつ確認してください。まず手をつけやすいのは、ファーストビューの画像を軽くすることです。画像の推奨サイズや形式はページの作りによって変わるので、診断結果の指摘に沿って判断します。
LPを直しても、品質スコアの評価は当日には変わりません。変更後に表示とクリックが積み上がってから動くため、翌日に見て「変わらないから意味がない」と結論を出すのが、いちばん多い判断ミスです。次に確認するのは、変更から1〜2週間後を目安にしてください(これはコレットラボの運用上の目安で、公式が示す反映期間ではありません)。
ステップ5.クリック単価そのものを下げる設定を見直す
品質を上げる以外にも、クリック単価を直接下げる方法があります。効果が出やすい順に5つです。
- マッチタイプを見直す。部分一致だけで運用していると意図の遠い検索にも表示され、平均単価が上がります。成果の出ているキーワードはフレーズ一致か完全一致に寄せます
- 配信地域を絞る。商圏外からのクリックを止めるだけで無駄が減ります。地域ターゲティングは設定項目によって配信される範囲が変わるので、地域ターゲティングの設定(Google広告ヘルプ)で現行の選択肢と挙動を確認したうえで、どこまで広げるかを決めます
- 曜日・時間帯を調整する。電話が主な受け皿なら、営業時間外の入札を下げるか停止します。フォームが主なら、深夜帯の成果を確認してから判断します
- デバイス別に調整する。スマートフォンのクリックは多いのに問い合わせが少ないなら、フォームが長すぎる可能性があります。入札調整の前にフォームの項目数を数えてください
- 入札の上限を決める。自動入札を使っている場合でも、目標CPAや目標ROASの設定値が実態からかけ離れていると単価が跳ねます。目標値は直近の実績から逆算して置きます
1クリックにいくらまで出せるかは、成約率から逆算します。以下は計算の流れを示すための仮の数字です。
- 粗利が10万円、問い合わせから成約する確率が20%とすると、問い合わせ1件の価値は2万円
- 粗利に対して広告費を3割までと決めるなら、許容CPAは6,000円
- サイトのコンバージョン率が2%なら、1クリックの上限は120円
この数字より高い単価のキーワードは、そもそも合わない可能性があります。単価の相場感はリスティング広告の費用相場|1クリック単価と予算の考え方にまとめています。
改善作業のチェックリスト
毎月1回、この順番で見ていくと抜けがなくなります。印刷して手元に置いてもらう前提で作りました。
- 計測:先月のコンバージョン数が管理画面と実際の問い合わせ件数で合っているか
- 検索語句:過去30日の検索語句レポートを費用順に見て、除外候補を10語拾ったか
- キーワード:費用上位10語のうち、成果ゼロが続いているものに印をつけたか
- 品質スコア:3要素の評価が低く出ているキーワードを一覧で確認したか
- 広告文:各広告グループに、そのキーワードを含む見出しが入っているか
- LP:スマートフォンで実際にクリックし、最初の画面に検索語と行動ボタンがあるか
- 予算:成果の出ているキャンペーンが日予算で頭打ちになっていないか
- 記録:今月変更した内容と日付を残したか
最後の記録は地味ですが、これがないと「先月と数字が違うのは何をしたからか」が分からなくなります。スプレッドシート1枚で構いません。毎週見る数字の決め方はGoogle広告の運用方法|毎週見る数字と直す順番の考え方で解説しています。
この章で押さえるのは、改善は「除外→グループ分割→広告文→LP→入札設定」の順に手を動かすものであり、どこから始めるかを毎回考え直す必要はない、ということです。
改善するとどこまで変わるのか。数字での見え方
結論から言うと、劇的に問い合わせが増えるより先に、「同じ予算で無駄が減る」という形で効果が出ます。以下は計算の流れを示すためだけに置いた仮の数字です。実際の改善幅は業種と競合状況で大きく変わるため、この表の数値を成果の見込みとして使わないでください。
| 項目 | 改善前(仮) | 改善後(仮) |
|---|---|---|
| 月間広告費 | 200,000円 | 200,000円 |
| 平均クリック単価 | 300円 | 260円 |
| クリック数 | 666回 | 769回 |
| うち意図の合わないクリック | 約20%(133回) | 約8%(61回) |
| コンバージョン率 | 1.5% | 2.2% |
| 問い合わせ件数 | 10件 | 16件 |
| 1件あたりの費用 | 20,000円 | 12,500円 |
この表で見てほしいのは改善幅の大きさではなく、単価が下がってクリック数が増え、無駄クリックが減った分だけ1件あたりの費用が下がる、という計算の順序です。効いているのは除外による無駄クリックの削減と、広告グループを割ったことによる関連性の向上で、派手な施策は1つも入っていません。
Google広告ヘルプの広告の品質についてでは、広告の品質は「検索広告をユーザーが目にした際のエクスペリエンスと、ランディングページへ進んだユーザーに提供されるエクスペリエンスの質を推定したもの」と説明されています。つまり評価されているのは広告単体ではなく、クリックの前後を通した体験です。広告文だけを何度も書き換えても頭打ちになるのは、このためです。
成果が出ている運用に共通しているのは、次の3点です。
- 変更の記録がある:いつ何を変えたかが残っているので、数字の変化を原因に結びつけられる
- 判断の期間を決めている:変更後1〜2週間は触らない、と決めている。毎日いじると何が効いたか分からなくなる
- 広告の外側も直している:フォームの項目数、電話の受け方、返信までの時間まで含めて見ている
この章で押さえるのは、改善の効果は問い合わせの増加より先に「1件あたりの費用の低下」として現れる、ということです。まずCPAを月次で追ってください。
リスティング広告の改善でよくある失敗と、その防ぎ方
ここからは、実際の現場で繰り返し見かける失敗です。どれも真面目に取り組んでいる人ほどはまります。
失敗1.品質スコアを上げること自体が目的になる
品質スコアの列を表示できるようになると、点数の低いキーワードが気になります。そこで「全キーワードを8以上にする」といった目標を立て、スコアの低いキーワードを一括で削除してしまうケースがあります。
すると平均スコアはきれいに上がります。ところが削除した中に、点数は低いが問い合わせを生んでいたキーワードが混ざっていて、コンバージョン数が落ちる。品質スコアを目的化したときに起きる、典型的な結末です。
防ぎ方は、削除の判断基準をスコアではなく成果に置くことです。品質スコアが低くても、コンバージョンが取れているキーワードは残します。逆にスコアが高くても、費用を使って成果ゼロが続くキーワードは止めます。判断の軸は常にコンバージョンとCPAで、品質スコアは「なぜ単価が高いのか」を調べるときに開く列です。
失敗2.自動入札を使っているのに、上限クリック単価を手で下げ続ける
クリック単価が高いと感じたとき、入札を手で下げたくなります。ところがコンバージョン数の最大化や目標CPAといった自動入札では、入札単価はコンバージョンを目標に自動で調整されます。詳しくはGoogle広告ヘルプのスマート自動入札についてで、使っている入札戦略の説明を確認してください。
防ぎ方は、目標値を一度に大きく動かさないことです。コレットラボの運用では、変更幅は1回につき10〜20%までを目安にしています。変更後は最低でも1〜2週間、可能なら学習期間が終わるまで触らないでください。単価を下げたいときに先に手をつけるのは、目標値ではなく除外キーワードと配信地域です。
失敗3.除外キーワードを入れすぎて、成果の出ていた検索まで止める
除外は効果が出やすいぶん、やりすぎると逆方向に振れます。特に危ないのが、一般的な単語を広いマッチタイプで除外することです。「無料」のような語を広く除外すると、「無料相談 税理士」のような、むしろ取りたい検索まで止まる可能性があります。どのマッチタイプがどこまで止めるかは、Google広告ヘルプの除外キーワードについてで確認してから登録してください。
防ぎ方は2つです。
- 汎用的な単語はフレーズ一致か完全一致で除外し、部分一致は明らかに関係のない語だけに使う
- 除外を追加したら翌週に表示回数の推移を見て、想定以上に落ちていないかを確認する。落ちすぎていたら、除外リストから最近追加した語を1つずつ戻して確かめる
失敗4.広告グループを細かく割りすぎて、データが分散する
関連性を上げようとして、キーワード1語につき1広告グループまで分けてしまうことがあります。関連性の評価は上がりやすいのですが、1グループあたりの表示回数とクリック数が少なくなり、どの広告文が良かったのかを判定できなくなります。自動入札を使っている場合は、学習に必要なデータも集まりません。
防ぎ方は、分割の単位を「検索意図」に固定することです。語尾や表記のゆれ(「税理士 大分」と「大分 税理士」)は同じグループでかまいません。クリック数がごく少ないグループが増えてきたら、統合を検討してください。
失敗5.変更を一度にまとめてやって、何が効いたか分からなくなる
「今週まとめて改善しよう」と、除外の追加、広告グループの再編、広告文の差し替え、LPの修正を同じ日に全部やってしまう。翌月に数字が良くなっても悪くなっても、原因が特定できません。
防ぎ方は、変更を種類ごとに時期をずらすことです。第1週に除外、第3週に広告文、翌月にLP、というように分けます。ただし、明らかに費用を無駄にしている除外だけは例外で、気づいた時点ですぐ実施して構いません。
この章で押さえるのは、失敗のほとんどが「効果を測れない状態を自分で作ってしまう」ことに集約される、という点です。変更は1種類ずつ、期間を空けて行ってください。
現場で見えてくる、リスティング広告改善の限界と妥協点
ここまで手順を書いてきましたが、正直に言うと、やっても品質スコアが動かない場面はあります。相談を受けるときに実際に話す内容を、そのまま書きます。
指名キーワードと一般キーワードは、同じ土俵で比べられない
自社名や商品名で検索されたときのキーワード(指名キーワード)は、品質スコアが高く出やすく、クリック単価も安くなります。一方、「業種名+地域名」のような一般キーワードは、競合が多いぶんスコアも単価も厳しくなります。
この2つを混ぜて平均を見ると、実態を見誤ります。よくあるのが、指名キーワードのおかげで全体のCPAが良く見えていて、一般キーワードは大赤字という状態です。レポートは必ず指名と一般を分けて見てください。分けた結果、一般キーワードのCPAが許容値を超えているなら、改善ではなく撤退や媒体変更の判断も選択肢に入ります。
競合が資金力で押してくる領域は、品質改善だけでは埋まらない
1クリックの単価が数千円になるような領域では、上位の広告主が採算度外視で入札していることがあります。こちらが品質スコアを10にしても、掲載順位で並ぶには限界があります。
この場合に取る手は3つです。
- より具体的な検索語(ロングテール)に絞って、単価の安い層だけを拾う
- 資料ダウンロードなど、問い合わせより手前のオファーに変えてコンバージョン率を上げる
- 検索広告への集中をやめて、リマーケティングや別媒体に予算を回す
「頑張れば勝てる」と言われて予算を積み増した結果、負けが増えるだけだった、という相談は少なくありません。
この章で押さえるのは、改善しても数字が動かないときは「勝てない領域にいる」か「受け皿が詰まっている」のどちらかを疑う、という判断軸です。
改善しても直らないものは、広告の外にある
クリック単価も品質スコアも整えたのに商談が増えない場合、原因は広告の外にあります。よく見つかるのは、フォームの入力項目が12個ある、問い合わせ後の折り返しが翌営業日になっている、電話が営業時間内でもつながらない、といった受け皿側の問題です。
ここは広告の管理画面をいくら見ても分かりません。月に一度、自分の会社に自分で問い合わせを入れてみるのがいちばん早い確認方法です。返信までの時間と、返ってきた文面を見てください。
AIの使いどころは、広告文の案出しと検索語句の仕分け
AIは広告文の案出しと、検索語句レポートの仕分け(この語は買う気か、調べているだけか)を高速でこなします。一方、いくらまで出すか、どこで撤退するかという予算の判断は人が決めます。AIとの分担をもう少し詳しく知りたい方は、リスティング広告の運用で成果を出す中小企業の手順|AIと人の分担を読んでください。
リスティング広告の改善に関するよくある質問
品質スコアが3以下のキーワードは、すぐ削除した方がいいですか
すぐには削除しないでください。まず広告グループを分けて専用の広告文を当て、1〜2週間様子を見ます。それでもスコアが動かず、コンバージョンも出ていないなら停止の判断で構いません。逆にスコアが低くても問い合わせが取れているキーワードは残します。判断の軸はスコアではなく成果です。
改善作業をしてから、品質スコアが変わるまでどのくらいかかりますか
翌日には変わりません。変更後に表示とクリックが積み上がって初めて動きます。コレットラボの運用では1〜2週間おきに確認し、月単位で傾向を見るようにしています(公式が示す反映期間ではなく、運用上の目安です)。毎日チェックして一喜一憂すると、判断を誤ります。
自動入札に切り替えた後も、品質スコアの改善はやる意味がありますか
意味はあります。自動入札が決めるのは入札額であって、広告の関連性やランディングページの質は変わりません。むしろ広告グループの分け方やLPの内容が整っているほど、システムが学習しやすくなります。入札方法にかかわらず、3要素の改善は続けてください。
Yahoo!広告でも同じ改善方法が通用しますか
除外キーワードの整理、広告グループを検索意図で分ける、LPの一貫性を保つという考え方は共通です。ただし指標の名称や管理画面の作りはGoogle広告と同じではないため、実際の名称と確認手順は品質インデックスとは(Yahoo!広告ヘルプ)で確認してください。
改善は自分でやるのと運用代行に頼むのと、どちらが得ですか
判断材料は2つです。1つは広告費に対する手数料の割合で、広告費が小さいほど手数料の比重が重くなり、自社でやる価値が出ます。もう1つは担当者が毎週確保できる時間で、キャンペーンや媒体が増えて毎週の作業が回らなくなったら、外に出す判断になります。金額のラインは商材の粗利と社内の体制で変わるため、一律の基準はありません。
まずやる一歩と、次に読むもの
今日この記事を読んで最初にやることを1つだけ挙げるなら、Google広告の検索語句レポートを過去30日・費用の多い順で開いて、上位20語を眺めることです。5分で終わります。そこに「これはうちに関係ない」という語が2つ3つ見つかったら、それが今月いちばん確実に費用を減らせる改善です。
そのうえで、そもそも広告費のうちどれだけが無駄になっているかを俯瞰したい方は、Google広告の無駄をなくす5つの見直しポイント|CV計測が最優先を続けて読んでみてください。
ここまで読んで、やることは分かったけれど毎週見る時間が取れない、あるいは自分の判断が合っているか不安だ、と感じた方もいると思います。コレットラボでは、いまのアカウントを一緒に開いて、どこに無駄が出ているかを一緒に確かめるところからお手伝いしています。契約の前提なしで現状を見るだけでも構いません。気になることがあれば、気軽にお声がけください。
毎週の確認を続ける体制が社内で組めないなら、広告運用の定額制マーケティング支援でその作業を引き受けています。
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