AI検索対策(GEO)を広報が1日5分で始める手順
この記事の要点
- GEOは特別なツールより「毎日5分の情報整備」の積み重ねで効く
- 会社概要・FAQ・事例を「AIが抜き出しやすい形」に直すのが最優先
- 放置・誇張・効果測定なしの3つが広報のつまずきポイント
「検索順位は落ちていないのに、問い合わせが減ってきた」。最近そう感じている広報・マーケ担当の方は少なくありません。背景のひとつに、ChatGPTやGoogleのAI Overviews(AIによる概要)が答えを直接出すようになり、サイトがクリックされにくくなっている変化があります。
この記事では、その対策であるGEO(AI検索最適化)を、専任チームがいなくても「1日5分」で回せる習慣に分解してお伝えします。難しいツール選びの前に、今日から手を動かせる手順とチェックリストをそろえました。
Contents / 目次
結論。GEOは「毎日5分の情報整備」で十分に始められる

結論から言うと、広報がGEOを始めるのに大がかりなシステムは要りません。やるべきことは「AIが正しく引用できる材料を、少しずつ整えていく」ことです。1日5分でも、続ければ会社情報の正確さや網羅性は着実に整っていきます。
GEOとは、ChatGPTやGemini、Perplexity、Google AI Overviewsといった生成AIの回答に、自社の情報が引用・推薦されるようにする取り組みのことです。かんたんに言うと、これまで「検索結果の上位に出す」ことを目指していたのを、「AIの答えの中で名前を出してもらう」ことに広げる作業です。
ここで押さえてほしいのは、派手な広告文よりも、論理がはっきりしていて裏付けのある情報のほうが、読み手に信頼されやすいという点です。だから広報の地道な仕事、つまり会社情報を正確に保ち、よくある質問に丁寧に答え、実績を整理することが、そのままGEO対策になります。
まず全体像をつかんでもらうために、毎日・毎週・毎月で何をやるかを一覧にしました。
| 頻度 | やること | かかる時間の目安 |
|---|---|---|
| 毎日(5分) | AIに自社名を聞いて回答を記録/古い情報を1つ直す | 5分 |
| 毎週(15分) | FAQを1問追加/事例ページを1件整える | 15分 |
| 毎月(30分) | AI回答の変化を振り返り、次の打ち手を決める | 30分 |
ポイント。GEOは「一度に完璧にする作業」ではなく「毎日少しずつ整える運用」です。だから広報の日常業務に組み込めると一番続きます。
このテーマの基本をもう少し丁寧に知りたい方は、検索の次は「AIに聞く」時代へ。広報が押さえるGEO入門もあわせて読むと、全体像がつかみやすくなります。
1日5分のGEOルーティンのやり方

ここからは、実際に何をどの順番でやるかを具体的に説明します。広報の方が今日から再現できるように、初動の3ステップと、毎日のチェックリストに分けてお伝えします。
最初にやるべき3ステップ
まず最初の1週間で、土台になる3つを片付けます。ここを整えておくと、後の毎日5分が効いてきます。
- 自社の「正しい説明文」を1つ決める:「当社は○○(地域)で△△(業種)を手がける会社で、□□(強み)が特長です」を2〜3文で作り、コーポレートサイト・会社概要・各SNSプロフィールで表現を統一します。どの入り口から見ても説明がそろっていれば、情報がぶれず読み手も迷いません。
- よくある質問を10個書き出す:営業や問い合わせで実際に聞かれることを10個並べ、1問につき150〜250字で答えを書きます。一問一答の形は、質問と答えの対応が明確で、読み手が探している答えにたどり着きやすくなります。
- 主力の事例を1件、型に沿って整える:「課題・やったこと・成果(数字があれば)・使ったもの」の順に整理します。具体的な事例がそろっていると、実績が読み手に伝わりやすくなります。
毎日5分のチェックリスト
土台ができたら、あとは毎日5分のルーティンです。次の中から、その日できるものを1つやれば十分です。
- AIに聞いて記録する:ChatGPTなどに「○○(自社名)はどんな会社ですか」と聞き、回答をコピーして日付つきでメモに残す。間違いがあればどこが違うかを書き留める。
- 古い情報を1つ直す:営業時間・サービス名・料金・担当者など、変わったのに直っていない情報を1か所だけ更新する。
- 口コミやQ&Aに1件返信する:Googleビジネスプロフィールなどに来た声へ、丁寧に1件だけ返す。返信の積み重ねが信頼性の評価につながります。
- FAQの答えを1つ見直す:説明が回りくどい答えを、結論から書く形に直す。
AIに材料を渡すときのやり方
FAQや説明文を作るとき、AIに下書きを手伝ってもらうと5分の作業がさらに軽くなります。ただし完成された長いプロンプト(指示文)を用意する必要はありません。今のAIは、ざっくり頼めば自分で質問を返してくれます。出発点として、次のような短いたたき台を渡し、あとは対話しながら自社の状況に合わせて詰めていくのがおすすめです。
あなたはBtoB企業の広報担当です。
以下の会社について、見込み客がよく検索する質問を10個挙げ、
それぞれ150〜250字で、結論から答える形のFAQ案を作ってください。
・会社の業種:[業種を入力]
・対応エリア:[地域を入力]
・強み:[強みを入力]
・想定する読者:[例 中小企業の経営者]
専門用語はかみ砕き、誇張表現は使わないでください。
ここで一番大事なのは、出てきた下書きを「そのまま使わない」ことです。AIは文章を作るのは得意ですが、自社にとって本当に正しいか、誇張になっていないかの最終判断は人がやる必要があります。具体的には、次の3点を必ず人の目で確認してください。
- 事実が合っているか:サービス名・実績・数字に、実態と違う点や盛りすぎがないか。
- 言い切りすぎていないか:「必ず成果が出ます」のような断定は、信頼を下げるので外す。
- 自社らしさがあるか:どこにでもある一般論になっていないか、自社ならではの視点が1つ入っているか。
FAQの作り込み方はFAQページはGEOの勝敗を決める?AI回答を支配するQ&A設計図でさらに詳しく解説しています。
続けるとどうなるか。期待できる変化

毎日5分を続けると、まず変わるのは「AIが自社をどう説明するか」です。最初は名前すら出なかったのに、説明文やFAQを整えていくうちに、AIの回答に会社名や正しい事業内容が出てくるようになります。これが最初の手応えです。
うまくいっている会社にはいくつか共通点があります。
- 情報を放置せず定期的に更新していること。
- FAQや事例が「質問にそのまま答える形」で書かれていること。
- 口コミや問い合わせへの返信を続けて、第三者から見ても信頼できる状態を保っていること。
もう一つの大きな変化が、指名検索の増加です。AIの回答で名前を知ったユーザーが、あとで「○○ 会社」と社名で検索し直すケースが増えてきます。社名で検索する人は、すでに自社を知ったうえで調べに来ているため、問い合わせや申し込みにつながりやすい行動だといえます。
ポイント。GEOで整えた一次情報やFAQは、検索エンジン向けの情報整備としても役立ちます。順位を直接上げるわけではありませんが、正確で分かりやすい情報を届ける作業はどちらにも共通しているので、AI向けと検索向けを別々に作る必要はありません。
AI経由でどれくらい人が来ているかを数字で見たい場合は、GA4でChatGPT流入を可視化する設定手順|カスタムチャネル編で測り方を解説しています。指名検索の増やし方はAI検索時代に指名検索を増やす方法|SNS言及がカギもあわせてどうぞ。
広報がやりがちな失敗と、その防ぎ方

ここからは、現場でよく見かける失敗を3つ挙げ、それぞれ「どんな状況で起きるか」「どうなるか」「どう防ぐか」をセットでお伝えします。先に知っておくだけで、回り道をかなり減らせます。
失敗1。情報を整えたあと放置してしまう
よくあるのが、最初にがんばって会社概要やGoogleビジネスプロフィールを整えたあと、そのまま手をつけなくなるパターンです。担当が忙しくなると真っ先に後回しになります。
こうなると、営業時間やサービス内容が古いままになり、AIも古い情報をもとに答えてしまいます。間違った案内で機会を逃すどころか、「いいかげんな会社」という印象にもつながります。防ぐには、毎日5分のルーティンに「古い情報を1つ直す」を入れておくことです。完璧を目指すより、少しずつ直し続ける仕組みのほうが結果的に正確さを保てます。
失敗2。AIに引用されたくて誇張した表現を盛る
「業界No.1」「絶対に成果が出る」といった強い言葉を入れれば目立つはず、と考えてしまうケースです。とくに成果を急ぐと起きがちです。
ところが誇張した表現は、読み手の信頼をかえって損ないます。根拠のない断定が多いと、情報そのものを疑われやすくなります。防ぎ方はシンプルで、主張には必ず根拠(実績・数字・第三者の声)を添え、根拠がないものは書かないことです。
失敗3。やりっぱなしで効果を確かめない
情報を整えること自体が目的になり、AIの回答がどう変わったかを見ていないパターンです。記録がないと、何が効いたのか分からないまま手探りが続きます。
結果として、効いていない作業を続けたり、逆に成果が出始めているのに気づかず途中でやめてしまったりします。防ぐには、毎日のルーティンに「AIに自社名を聞いて回答を日付つきで記録する」を必ず入れること。月に一度それを見返せば、回答がどう変化したかが一目で分かり、次の打ち手を決められます。
AIの回答は日によって変わることがあります。1回の結果で一喜一憂せず、同じ質問を定期的に記録して「傾向」で見るようにしてください。
現場で見えた落とし穴と、正直な妥協点
ここまで「1日5分でできる」とお伝えしてきましたが、実際に伴走してきた立場から、正直な注意点もお伝えします。きれいごとだけだと、かえって遠回りになるからです。
まず、5分の習慣は「材料がそろっている会社」ほど効きます。逆に、そもそもFAQも事例もほとんどない状態だと、最初の土台づくりに数週間はかかります。ここを「5分でできる」と勘違いすると、続かずに挫折します。最初だけは、まとまった時間を確保して土台を作る、と割り切ったほうが結果的に早いです。
次に、ツール選びです。AI検索でのブランド言及を可視化するSaaS(ソフト)はいくつも登場していますが、材料が整っていない段階で高機能なツールを入れても、見える数字が動かず宝の持ち腐れになりがちです。順番としては、情報整備が先、計測ツールは後。最初は「AIに直接聞いて記録する」手作業で十分です。
内製と外注の線引きも悩みどころです。毎日5分の更新やFAQ追加は社内でやるのが向いています。担当者が一番自社を分かっているからです。
一方で、次の3つは知識がないと時間ばかりかかるため、外部の知見を借りるのが向いています。
- 情報設計の全体方針
- 構造化データ(AIが情報を読み取りやすくする裏側の記述)の実装
- 効果測定の仕組みづくり
「毎日の運用は自社、土台の設計は外部の知見を借りる」という分け方が、現実的で失敗が少ないやり方です。
最後に率直なところを言うと、GEOは「やればすぐ問い合わせが倍増する」魔法ではありません。効果はじわじわ出るもので、業種や競合状況によって速さも変わります。それでも、AIに答えを取られてクリックが減っていく流れの中で、何もしない会社が「存在しないもの」として扱われていくのは確かです。だからこそ、小さく始めて続けることに価値があります。
この記事は、コレットラボでAI活用支援を行う出口宣佳が、現場での支援をもとに執筆しています。
よくある質問
本当に1日5分で効果が出るの?
5分の習慣だけで劇的に変わるわけではありません。ただ、最初に会社説明やFAQの土台を作っておけば、毎日5分の更新や記録の積み重ねでAIの回答は着実に変わっていきます。続けることが一番の近道です。
専用のツールを買わないとダメ?
最初は必要ありません。ChatGPTなどに自社名を聞いて回答を記録する手作業で十分始められます。情報がある程度そろってから、可視化ツールの導入を検討すれば無駄がありません。
SEOはもうやらなくていいの?
やめる必要はありません。GEOで整える一次情報やFAQは、検索エンジン向けの情報整備としても役立ちます。順位を直接上げるとは限りませんが、正確で分かりやすい情報をそろえる作業はどちらにも共通しているので、別物として分けて考える必要はありません。
AIが自社を間違えて説明していたらどうすれば?
まず自社サイトや各プロフィールで、正しい説明文を統一して載せ直してください。複数の場所で同じ説明がそろっていれば、情報がぶれず参照しやすくなります。すぐには直りませんが、根気よく整えるのが有効です。
ここまで読んで、「やることは分かったけれど、土台づくりや効果測定まで自社だけで回すのは大変そう」と感じた方もいるかもしれません。コレットラボでは、AIに引用されやすい記事や情報設計づくりを、現状整理の段階から一緒に伴走しています。まずは話を聞くだけでも大丈夫です。AIに紹介される記事づくりの詳細はこちらからお気軽にご相談ください。
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