建設会社の採用サイト|応募につながる掲載項目一覧と費用の内訳

建設会社の採用サイト|応募につながる掲載項目一覧と費用の内訳

この記事の要点

  • 求人媒体は見つけてもらう場、採用サイトは見極めてもらう場。役割を分けて作る
  • 応募を左右するのは残業・休日・担当現場数・資格支援など9項目。一覧を本文に掲載
  • 費用は取材・撮影、動画、応募の受け皿の3つで大きく動く。契約前の確認9項目も本文で解説

建設会社の採用サイトで応募が動くかどうかは、デザインよりも「求職者が転職先を決めるときに見る項目」を具体的な数字で載せているかで決まります。

具体的には、年間休日、月の残業時間、担当する現場の数、転勤・出張の範囲、資格取得の支援内容です。求人媒体の原稿は見つけてもらうための短い情報に向いているので、こうした細かい実態は採用サイトに書き、媒体からそこへ案内する形にします。

この記事は、施工管理や職人の募集を出しても応募が来ず、採用サイトを作るか、作り直すかを判断する立場の方に向けて書いています。経営者、役員、総務で採用を兼任している方が対象です。読み終わる頃には、何を載せるか、求人媒体と何を分けるか、見積もりのどこを見るか、契約前に何を確認するかが決められる状態を目指します。

採用サイトを自社で作る手順や、WordPressの設定は扱いません。会社のホームページそのものが検索で見つからない状態なら、先に工務店のSEOが効かない原因と地域で問い合わせを増やす具体策で土台を確かめてから戻ってきてください。

Contents / 目次
  1. 建設会社の採用サイトは「見極めの場」。求人媒体との分担を先に決める
  2. 応募が集まる掲載内容。建設の求職者が転職先を決めるときに見る9項目
  3. 建設会社の採用サイトの費用は何で変わるか。見積もりの内訳と幅
  4. 任せる範囲と社内に残る作業。制作会社に頼んでも消えない仕事
  5. 契約前に確認すること。建設会社の採用サイトで見積もりの前に聞く9項目
  6. 建設会社の採用サイトでうまくいかない条件。よくある失敗と回避法
  7. 現場で見えた妥協点。社員の顔出し、元請けの許可、応募後の返信
  8. 建設会社の採用サイトに関するよくある質問

建設会社の採用サイトは「見極めの場」。求人媒体との分担を先に決める

結論から言うと、求人媒体は求職者に見つけてもらう場所で、採用サイトは応募するかどうかを見極めてもらう場所です。求人媒体で会社を見つけた求職者が、応募する前に会社名で検索して採用サイトやホームページを確かめに行く、という話は採用の相談でよく伺います。そこに媒体と同じ内容しか無ければ、見極める材料が足りず、応募ボタンを押す前に離れていきます。

建設会社の場合、この見極めで求職者が気にする項目は業種特有です。現場の数、直行直帰ができるか、社用車があるか、繁忙期の残業がどのくらいか、資格の費用を会社が持つか。一般的な採用サイトのテンプレートにはこの項目が無いので、制作会社に任せるときも、この項目を載せるところまで指示する必要があります。

先に、求人媒体と採用サイトで何を分担するかを表にします。両方に同じ内容を書くのではなく、媒体には「見つかるための短い情報」、採用サイトには「決めるための詳しい情報」を置きます。

役割求人媒体(Indeed・ハローワーク・建設業特化の求人サイトなど)採用サイト(自社ドメイン)
目的求職者に見つけてもらう応募するかどうかを見極めてもらう
載せるもの職種名、勤務地、給与の幅、休日日数、法律で必要な表示事項1日の流れ、担当現場数、残業の実態、資格支援の中身、社員の声、動画
更新の頻度募集のたびに出し直す年に数回、社員の異動や制度変更に合わせて直す
費用の性質掲載料または成果報酬。募集するたびにかかる制作費が一度かかり、あとは保守費。募集回数が増えるほど1回あたりが下がる
応募の入口媒体の応募ボタン自社の応募フォーム。媒体からの流入もここに集める

先に決めること。採用サイトを作る前に、どの求人媒体を使うか、媒体の原稿と採用サイトの内容をどちらが管理するかを決めておきます。ここが決まっていないと、媒体と採用サイトで給与の幅や休日日数が食い違い、面接で「どちらが本当ですか」と聞かれることになります。

この章で押さえるのは、採用サイトは求人媒体の代わりではなく、媒体で見つけた人が最後に確かめに来る場所だということです。次の章で、そこに何を載せるかを一覧にします。

応募が集まる掲載内容。建設の求職者が転職先を決めるときに見る9項目

建設業の求職者が採用サイトで確かめたいのは、仕事のやりがいよりも先に、働く条件の実態です。次の9項目を数字で書けているかどうかで、応募の質と量が変わります。書けない項目があるなら、載せないのではなく、書けない理由を社内で先に確かめてください。

項目求職者が知りたいこと書き方の例
月の残業時間通常期と繁忙期の差「通常期は月20時間前後、年度末の繁忙期は月35時間前後」のように2つの数字で書く
年間休日と週休現場が動く土曜の扱い「年間休日◯日。土曜は月2回出勤、代休あり」のように、土曜の実態を隠さない
担当する現場の数掛け持ちの有無「施工管理は1人あたり同時に2〜3現場」のように同時担当数で書く
転勤・出張の範囲県外の現場に行くか「県内が中心。県外は年に1〜2件、宿泊費は会社負担」のように範囲と頻度で書く
直行直帰と社用車朝の集合場所「現場へ直行直帰。社用車は1人1台貸与、通勤にも使える」のように使い方まで書く
給与の実額の幅入社時と5年後「入社時◯万円〜◯万円。1級施工管理技士の取得で月◯円加算」のように加算の条件を書く
資格取得の支援費用と勉強時間「受験料と講習費は会社負担。試験前1週間は現場を外れて勉強に充てる」のように時間の確保まで書く
独り立ちまでの期間いつから1人で任されるか「最初の6か月は先輩と同じ現場。1年目の終わりに小規模現場を1人で担当」のように期間で書く
安全装備と現場環境3Kのイメージとの差「フルハーネス・空調服は会社支給。現場の休憩所に冷蔵庫と冷房あり」のように支給品と設備で書く

この9項目に加えて、社員の写真と声を載せます。ただし、社員インタビューは「やりがいがあります」で終わると読まれません。入社前に不安だったこと、入社して違ったこと、いま任されている現場の規模、この3つを聞いた記事にすると、読んだ人が自分の入社後を想像できます。聞き方と記事の組み立ては取材記事の書き方|商談につながるBtoBインタビューの作り方が採用サイトにもそのまま使えます。

求人媒体に書くことと採用サイトに書くことの分け方

求人媒体には、上の9項目のうち「給与の幅」「年間休日」「勤務地」の3つと、法律で表示が必要な事項を書きます。残りの6項目は採用サイトに書き、媒体の原稿には「働き方の詳細は採用サイトへ」と会社名で検索できる形の案内を入れます。媒体の原稿に全部書こうとすると文字数が足りず、結局どれも中途半端になります。

分け方の基準は、その情報が「見つかるために必要か」「決めるために必要か」です。給与と休日は検索の絞り込み条件になるので媒体に必要です。担当現場数や資格支援の中身は、絞り込み条件にはならず、応募を決める段階で読まれるので採用サイトに置きます。

職業安定法で明示が必要な労働条件。募集要項のページに載せるもの

求人媒体だけでなく、自社の採用サイトで募集する場合も、募集のときに明示する労働条件は法律で決まっています。何を載せるかは、厚生労働省の資料で確かめてください。

応募者に対して明示する労働条件は、2024年4月から項目が増えています。厚生労働省の資料「2024年4月から、労働者の募集や職業紹介事業者への求人の申込みの際、明示しなければならない労働条件が追加されます。」によると、追加されたのは「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準」の3つです。

同じ資料に載っている、従来から必要な次の事項と合わせて、募集要項のページに漏れなく載せます。

  • 業務内容
  • 契約期間
  • 試用期間
  • 就業場所
  • 労働時間
  • 賃金
  • 社会保険・労働保険の加入状況
  • 募集者の氏名または名称
  • 受動喫煙防止措置

建設会社にとって重要なのは「就業場所の変更の範囲」です。現場が変わるのが当たり前の業種なので、「県内の各現場」「九州一円の現場」のように、将来どこまで変わりうるかを範囲として書く必要があります。制作会社はここを知らないことが多いので、依頼する側から「募集要項は厚生労働省の明示事項に沿って作る」と指定してください。

法律上の表示事項の正確な運用は、厚生労働省の最新の資料と、必要に応じて社会保険労務士に確認してください。この記事は依頼する側が制作会社に指示するための要点をまとめたもので、個別の募集要項の適法性を保証するものではありません。

建設会社の採用動画は何を撮るか。空撮より朝礼と昼休み

採用動画で応募に効くのは、完成した建物のドローン空撮ではなく、働いている人の1日です。求職者が知りたいのは「どんな建物を建てているか」より「自分がそこで働いたらどうなるか」なので、撮るべきは朝の集合、朝礼、現場での指示のやりとり、昼休みの過ごし方、終業後の帰り方です。

動画の長さは、採用サイトに埋め込むなら2〜3分、SNS向けの切り出しは30秒〜1分に分けて作ると、1回の撮影で両方に使えます。撮影の依頼時に「本編1本と、SNS用の短い切り出しを3本」のように本数を決めておくと、見積もりが比べやすくなります。

YouTubeに公開した動画は採用サイトに埋め込みます。会社名で検索した求職者が動画にたどり着く入口が2つになるうえ、動画の説明欄から採用サイトへ戻せます。埋め込むときは、動画だけを置くのではなく、動画で映っている現場や社員の説明を文章でも書いておくと、検索にも引っかかります。

この章で押さえるのは、載せるべき9項目と法律上の表示事項を、依頼する前に社内で書き出しておくことです。制作会社はデザインは作れますが、御社の残業時間や現場数は御社にしか分かりません。

建設会社の採用サイトの費用は何で変わるか。見積もりの内訳と幅

採用サイトの費用は、ページ数よりも「取材と撮影を何日分入れるか」「動画を作るか」「応募の受け皿をどこまで作るか」の3つで大きく動きます。金額は制作会社によって幅が大きいので、この記事では金額の断定をせず、何が費用を動かすかを内訳で示します。相場の数字だけを見て決めると、安い見積もりに取材と撮影が入っていなかった、ということが起きます。

内訳費用を上げる要因削っても応募に響きにくいもの
企画・構成載せる項目の洗い出しを制作会社に任せると、ヒアリングの回数分だけ増える社内で9項目と募集要項を先に書き出しておけば、この工程は短くなる
取材・撮影撮影日数と現場の数。県内に散らばった現場を回るなら移動費も入る社員紹介の人数を絞る。人数を増やすより、1人ずつ深く取材する方が、読んだ人が入社後を想像しやすい
動画制作撮影日数、編集の長さ、ナレーションの有無ナレーションとテロップの装飾。社員の生の声の方が信用される
デザイン・実装アニメーション、オリジナルのイラスト、ページごとに違うレイアウトアニメーション全般。応募の判断に影響しない
応募の受け皿応募フォームの項目設計、採用管理システムとの連携、応募通知の設定削ってはいけない。ここが無いと応募が届かない
公開後の保守社員の異動や制度変更のたびに直す作業を制作会社に頼むと月額が増える募集要項と社員紹介を社内で更新できる形にしておく

見積もりを比べるときは、合計金額ではなく、この6つの内訳がそれぞれいくらかを見比べます。合計が安い見積もりは、たいてい取材・撮影が「素材はお客様支給」になっているか、応募フォームがメールリンクだけになっています。素材支給なら自社で写真を撮る手間がかかり、メールリンクだけならスマートフォンから応募しにくくなります。

費用の考え方は、会社のホームページ制作やSEOの見積もりと共通する部分が多いです。内訳の見比べ方はSEO対策の費用相場と内訳|見積もりの比べ方と契約前の確認点にも書いています。

既存のホームページに採用ページを足すか、採用サイトを別に作るか

社員数が数十人以下で、募集する職種が1〜2つなら、既存のホームページの中に採用ページを数枚足す形で足ります。採用サイトを別ドメインで作ると、会社のホームページと採用サイトの2つを行き来することになり、募集要項がどちらにあるのかを求職者が探すことになります。

別に作った方がいい条件は、募集職種が施工管理・職人・事務・営業のように複数あり、それぞれに社員紹介と募集要項が要る場合です。ページ数が増えて、会社のホームページの中に置くと構造が崩れる段階になったら、採用サイトとして分けます。この場合も、別ドメインではなく、会社のドメインの下に「/recruit/」のような階層で作る方が、会社のホームページと採用サイトを行き来しやすく、更新の管理も1か所で済みます。

既存のホームページをリニューアルするタイミングで採用ページを足すなら、古いページのURLの引き継ぎで検索順位を落とさない手順があります。サイトリニューアルのSEO引き継ぎ手順|301と公開後72時間の確認を制作会社に共有しておくと、公開後に「会社名で検索しても出てこない」という事故を防げます。

この章で押さえるのは、次の3つです。

  • 費用は合計ではなく内訳で比べる
  • 応募の受け皿は削らない
  • 採用サイトは会社のドメインの下に作る

任せる範囲と社内に残る作業。制作会社に頼んでも消えない仕事

採用サイトを制作会社に依頼しても、社内に残る作業があります。ここを知らずに「全部任せた」つもりでいると、公開が遅れることが多いです。よく聞く原因は、次の3つです。

  • 社員の写真撮影の日程が取れない
  • 募集要項の数字を誰も決めない
  • 応募が来たときに誰が返信するか決まっていない

自社で行う範囲

次の作業は、制作会社に頼んでも社内で決めるしかありません。依頼する前に担当者を1人決めておきます。

  • 9項目の数字を決める:残業時間、休日、現場数、転勤範囲、給与の幅、資格支援、独り立ちの期間、装備、直行直帰の実態を、社内の実績から書き出す。総務と現場の責任者の両方が関わる
  • 取材に出る社員を選ぶ:入社1〜3年目と10年目以上を1人ずつは入れる。若手だけだと「ベテランがいない会社」に見え、ベテランだけだと「若手が続かない会社」に見える
  • 撮影できる現場と日程を押さえる:元請けの現場で撮る場合は元請けの許可が要る。自社が元請けの現場か、資材置き場・事務所を撮影場所にする方が早い
  • 応募の返信担当を決める:応募が来てから3日以内に返信できる人を決めておく。現場に出ている人を担当にすると返信が1週間空く
  • 募集要項の最終確認をする:厚生労働省の明示事項と、実際の雇用契約書の内容が合っているかを確かめる。制作会社はここを確認できない

制作会社に依頼する範囲

構成、取材と撮影、原稿、デザイン、実装、応募フォーム、公開後の更新しやすい形での引き渡しは、制作会社に依頼する範囲です。ここで確かめたいのは、依頼すると手元に何が残るかです。次の3つが残るなら、募集のたびに制作会社へ頼まなくても回せます。

  • 募集要項と社員紹介を社内で更新できる形になっているか
  • 応募がメールと管理画面の両方に届く設定になっているか
  • 会社名で検索したときに採用ページが出てくる状態で公開されるか

会社のホームページごと見直すなら、どのページを誰に見せるかを決めてから作る採用ページを含むホームページ制作の形が合います。公開後にお知らせと実績を社内で更新できる形にするので、募集要項の数字が変わったときに自社で直せます。

この章で押さえるのは、任せる前に「社内で決める5つ」の担当者を置くことです。制作会社を選ぶ前に、この5つが決まっているかを社内で確かめてください。

契約前に確認すること。建設会社の採用サイトで見積もりの前に聞く9項目

見積もりを取る前に、制作会社に次の9項目を聞いておくと、公開後の「こんなはずではなかった」を減らせます。回答が曖昧な項目があれば、その部分は契約書に書いてもらうか、別の会社にも聞いてください。

  1. 取材と撮影は見積もりに含まれているか。含まれる場合、何日分か
  2. 撮影は現場に来てもらえるか。現場が県内に散らばっている場合の移動費はどう扱うか
  3. 募集要項のページは、厚生労働省の明示事項に沿った項目で作るか
  4. 応募フォームは、スマートフォンから履歴書無しで送れる形にできるか
  5. 応募の通知は誰に届くか。メールと管理画面のどちらか、両方か
  6. 公開後、募集要項と社員紹介を自社で更新できるか。更新の手順書はあるか
  7. 採用サイトは会社のドメインの下に作るか、別ドメインか。別ドメインならその理由は何か
  8. YouTubeやInstagramに載せる動画・写真の素材は、採用サイト以外にも使ってよい契約か
  9. 公開後に応募数を見る方法はあるか。応募フォームの送信数を計測する設定は含まれるか

特に8番目は見落とされがちです。撮影した写真と動画の著作権が制作会社に残る契約だと、同じ写真を求人媒体やSNSに使うときに、利用範囲の確認や追加費用を求められることがあります。「納品した素材は自社の採用活動の範囲で自由に使える」と契約書に書いてもらってください。

9番目は、応募が増えたかどうかを後で確かめるために要ります。フォームの送信数を計測する設定が無いと、採用サイトを作った効果を「応募が来た気がする」でしか判断できません。

建設会社の採用サイトでうまくいかない条件。よくある失敗と回避法

ここでは、建設会社の採用サイトでしか起きない失敗を4つ挙げます。どれも制作の技術ではなく、載せる内容の決め方で起きています。

失敗1。施工実績のサイトに募集ページを1枚足しただけで終わる

元請け向けに作った施工実績中心のホームページに、「採用情報」のページを1枚足して、職種名と「詳細は面接でお伝えします」とだけ書いてある状態です。求職者は施工実績を見ても自分の働き方が分からず、募集ページを開いても条件が無いので、応募に進めません。会社名で検索した求職者は、ここで離れやすくなります。

防ぎ方は、募集ページを「職種ごとに1枚」に分け、それぞれに9項目を載せることです。施工管理と職人では担当現場数も資格支援も違うので、1枚にまとめると両方に当てはまらない文章になります。

失敗2。給与と残業を「応相談」「経験による」で逃げる

給与の幅を書きたくない理由は、たいてい「既存社員に見られると困る」か「人によって差があって書けない」のどちらかです。しかし求職者は、条件が書いていない会社を「条件が悪いから書けない会社」と受け取ります。応相談と書いた瞬間に、条件を明記している同業他社に負けます。

防ぎ方は、幅で書くことです。「入社時◯万円〜◯万円、経験と資格で決定」なら既存社員との矛盾は起きません。残業も「通常期◯時間、繁忙期◯時間」の2つの数字で書けば、繁忙期に長くなる実態を隠さずに済みます。隠して入社させると、入社後に辞めるので、採用のやり直しで費用が二重にかかります。

失敗3。採用動画が空撮と完成写真だけで、人が出てこない

ドローンで撮った建物の空撮に音楽を付けた動画は、見た目は立派ですが、求職者の「自分がそこで働いたら」という問いに答えていません。人が出てこない動画は、会社の規模を伝えても、職場の雰囲気を伝えません。

防ぎ方は、動画の主役を建物ではなく社員にすることです。朝礼で誰が指示を出しているか、昼休みに何を話しているか、若手が先輩にどう質問しているか。この3場面が入っていれば、空撮は無くても構いません。撮影の依頼時に「社員が話している場面を必ず入れる」と指定します。

失敗4。求人媒体の原稿と採用サイトで、休日や給与の数字が違う

求人媒体の原稿は営業担当が書き、採用サイトは制作会社が書き、その間で数字を合わせる人がいない状態で起きます。媒体には「年間休日110日」、採用サイトには「年間休日105日」と書いてあると、面接で必ず聞かれ、答えに詰まった時点で信用を失います。

防ぎ方は、募集要項の数字を1つの表で管理し、媒体と採用サイトの両方がその表から転記する運用にすることです。数字が変わったら表を直し、媒体と採用サイトの両方を同じ日に直します。表の管理者は、上の章で決めた採用担当者です。

この章で押さえるのは、4つの失敗がすべて「制作会社の腕」ではなく「社内で決めた数字と運用」で防げることです。制作会社を変えても、数字を決めなければ同じ失敗を繰り返します。

現場で見えた妥協点。社員の顔出し、元請けの許可、応募後の返信

ここまでの内容をそのまま実行しようとすると、建設会社の現場では必ず引っかかる場所があります。教科書どおりにいかない箇所と、そのときの妥協の仕方を書きます。

1つ目は、社員が顔出しを嫌がることです。特にベテランの職人ほど「自分は出ない」と言います。無理に出すと社内の空気が悪くなるので、顔が写らない後ろ姿や手元の写真で職人の仕事を見せ、顔出しは若手と社長で担う形に落ち着くことが多いです。求職者が見たいのは「若手が続いているか」なので、若手が出ていれば成立します。

2つ目は、元請けの現場で撮影できないことです。下請けが中心の会社だと、現場の写真を撮るには元請けの許可が要り、元請け名も出せません。この場合、撮影場所は自社の資材置き場と事務所にし、施工実績は「◯階建て事務所ビルの鉄骨工事」のように建物の種類と工事の種類で書きます。元請け名が無くても、工事の規模と種類が分かれば求職者には十分です。

3つ目は、応募が来たあとの返信が遅れることです。採用サイトを作ったあとに応募者を逃した、という相談で目立つのがここです。

何社かに同時に応募している求職者は、早く返信があった会社の面接から受けていくケースが多いです。返信が1週間空くと、その間に別の会社で決まってしまうこともあります。採用サイトの出来よりも、返信を3日以内にする体制の方が応募者の確保に効きます。

4つ目は、繁忙期に撮影日が取れないことです。年度末の2〜3月は現場が動いていて撮影の同行を頼めません。撮影は閑散期に予定を組み、公開を繁忙期明けに合わせる方が、無理に急ぐより結果的に早く公開できます。

この章で押さえるのは、顔出し・元請けの許可・返信体制・撮影時期の4つは、制作会社と契約する前に社内で答えを出しておく項目だということです。契約後に引っかかると、そのぶん公開が遅れます。

建設会社の採用サイトに関するよくある質問

社員が10人しかいない建設会社でも、採用サイトを別に作る意味はありますか?

別サイトは要りません。会社のホームページの中に、職種ごとの募集ページと社員紹介を2〜3枚足せば足ります。求職者が確かめたいのは会社の規模ではなく、残業・休日・現場数・資格支援の実態なので、ページ数が少なくても9項目が数字で書いてあれば見極めの材料になります。

下請けが中心で、施工実績に元請け名や現場の写真を出せません。何を載せればいいですか?

建物の種類と工事の種類、規模で書きます。「4階建て事務所ビルの鉄骨建方」「県道の橋梁補修」のように書けば、元請け名が無くても仕事の内容は伝わります。写真は自社の資材置き場、社用車、事務所、装備品で職場の様子を見せ、社員の後ろ姿や手元の写真で作業を見せる形にします。

採用サイトに載せる残業時間は、繁忙期の長い方を書くべきですか、平均を書くべきですか?

両方を書きます。「通常期は月20時間前後、年度末の繁忙期は月35時間前後」のように2つの数字で書けば、平均で短く見せる必要も、長い方だけで敬遠される心配もありません。入社後の実態と違う数字を書くと早期離職につながるので、社内の勤怠の実績から出した数字を使ってください。

ハローワークだけで募集しているのですが、採用サイトを作れば応募は増えますか?

採用サイト単体で応募数を約束することはできません。採用サイトは、ハローワークや求人媒体で会社名を知った人が確かめに来る場所なので、媒体で見つけてもらう入口が無ければ見に来る人がいません。ハローワークの求人票に「働き方の詳細は会社名で検索」と書き、採用サイトで9項目を載せる、という組み合わせで初めて効きます。

今日できる最初の一歩は、スマートフォンで自社の会社名を検索し、出てきたページに月の残業時間と年間休日が数字で書いてあるかを確かめることです。書いていなければ、求職者はそこで見極めができずに離れています。会社のホームページ自体に問い合わせが来ていない状態なら、ホームページで集客できない原因と改善手順|今日からできる対策を先に読むと、採用と集客の両方の土台が同時に見えてきます。

ここまで読んで、載せる項目は分かったが、社内で数字を決めて制作会社に指示し、公開後に応募数を見て直していく作業を続けるのは難しそうだと感じた方もいると思います。コレットラボでは、何から手を付けるかを毎月決めて実装まで進める採用サイトの検索対策の伴走支援を行っています。判断の理由と手順を文書に残すので、社内に回せる人ができた時点で引き継げます。いまの募集の状況を伺うだけでも構いませんので、気軽にご相談ください。

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2026.09.23 / 約 21 分

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