クリニックの集客方法|ガイドラインの範囲と費用の内訳・確認7項目
この記事の要点
- クリニック集客の柱は、地域×診療科の検索を受けるホームページとGoogleビジネスプロフィールの2つ
- 費用は診療科・ページ数・監修体制で変わる。幅が開く条件を内訳ごとに本文の表で示す
- 依頼先に任せられない作業が4つある。契約前の確認7項目と質問文も掲載
クリニックの集客は、「地域名×診療科」「地域名×症状」で検索した人を受け止めるホームページと、Googleマップに表示されるGoogleビジネスプロフィールの2つを軸に組みます。広告はこの2つが整ったあとに、開院直後や新しい診療メニューの立ち上げなど期間を区切って足すのが基本です。どの手段も、厚生労働省の医療広告ガイドラインの範囲で作らないと、集客どころか是正の対象になります。
この記事は、院長・事務長・医療法人の役員の方に向けて書いています。自分で手を動かす手順ではなく、どこに依頼するか、いくらかかるか、任せて大丈夫かを判断するための材料をまとめました。読み終わる頃には、見積もりを比べる軸と、契約前に相手へ確認する質問が手元に残る状態を目指します。
ホームページ制作そのものの工程や、検索対策の一般的な費用の見方はこの記事では扱いません。費用の基本の考え方はSEO対策の費用相場と内訳で解説しているので、業種を問わない部分はそちらを先に読んでいただくと、この記事の医療特有の部分が分かりやすくなります。
Contents / 目次
クリニックの集客方法は3つ。依頼先を決める前に押さえる全体像
クリニックの集客手段は、次の3つに集約されます。
- ホームページによる検索対策
- Googleビジネスプロフィールの運用
- 検索広告
SNSやポータルサイトも使えますが、患者さんが受診先を最終的に確かめる場所はホームページとGoogleマップなので、この2つが弱いままだと他の手段の効果も途中で消えます。
患者さんの探し方は、「大分市 内科」「別府 皮膚科 日曜」「駅名 整形外科 予約」のような、地域と診療科、そこに条件を1つ足した形が中心です。この検索に対して、診療科ごとのページと、診療時間・アクセス・予約方法が1画面で分かるページを用意しておくのが、ホームページ集客の最低ラインになります。
依頼先を決める前に、3つの手段がどう違うかを1枚の表にしておきます。効くまでの期間と、院内に残る作業の量が、依頼先の選び方と費用の判断を左右します。
| 手段 | 受け止める患者さん | 効き始めるまでの目安 | 費用が変わる要因 | 院内に必ず残る作業 |
|---|---|---|---|---|
| ホームページの検索対策 | 「地域×診療科」「地域×症状」で調べる人 | 公開直後は動かず、数か月かけて順位が動き始める。期間は競合の密度で前後する | 診療科の数、自由診療の有無、監修体制、競合の密度 | 医学的内容の監修、費用とリスクの記載確認 |
| Googleビジネスプロフィール | 「近くの○○科」「今日開いている」で探す人 | 情報を埋めたあと、Googleの確認を経て表示に反映される。日数は決まっていない | 写真撮影の有無、口コミ返信を含むか、投稿頻度 | 口コミ返信の医療的な判断、休診情報の即時更新 |
| 検索広告 | 今すぐ受診先を決めたい人 | 配信開始の当日から | 広告費本体、運用手数料、ページ制作の有無 | 広告文の表現確認、予算の上限決定 |
表の右端の「院内に必ず残る作業」は、どの会社に依頼しても院内からは無くなりません。医学的な内容や費用・リスクは、その院の実際の診療に基づいて医療機関にしか確定できないからです。依頼先を比べるときは、この作業をどれだけ軽くする仕組みを持っているかを見ると、価格差の理由が見えてきます。
この章の結論。ホームページとGoogleビジネスプロフィールを先に、広告は期間を区切って後から。依頼先は「院内に残る監修と確認の作業を、どう軽くしてくれるか」で比べます。
医療広告ガイドラインの範囲でできることとできないこと
医療広告ガイドラインとは、厚生労働省が定める「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」の通称で、医療機関が患者さんを誘引する目的で行う表示のルールです。2018年6月施行の改正医療法で、それまで規制の外にあった医療機関のホームページも広告として扱われるようになりました。指針やQ&A、ウェブサイト等の事例解説書は改正が重ねられているので、最新版は厚生労働省の医療法における病院等の広告規制についてのページで確認してください。
根拠になる医療法第6条の5には、こう書かれています。
「何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示をする場合には、虚偽の広告をしてはならない」(医療法第6条の5第1項より一部抜粋)
「何人も」とあるとおり、対象は医療機関だけではありません。ホームページを作る制作会社や、広告を運用する会社も規制の対象です。だから、依頼先がガイドラインを理解しているかどうかは、費用より先に確かめる項目になります。
禁止される表現と、条件付きで載せられる表現の一覧
ガイドラインで禁止される表現は、どんな条件でも載せられない「絶対に不可」と、条件を満たせば載せられる「限定解除で可」に分かれます。院長が判断する場面が多いのは後者なので、表で区別しておきます。
| 表現の種類 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 虚偽広告 | 「絶対に治る」「100%成功」 | 不可 |
| 比較優良広告 | 「日本一の症例数」「地域No.1」「県内で唯一」 | 不可。他院との比較は事実でも認められない |
| 誇大広告 | 「最新の治療」「痛みのない治療」「安心・安全」 | 不可。事実の根拠を示せない優位表現 |
| 患者の主観に基づく体験談 | 「1回で楽になりました」という患者さんの声 | 不可。限定解除の要件を満たしても載せられない |
| 治療前後の写真(ビフォーアフター) | 説明のない症例写真の並置 | 条件付き。治療内容・費用・主なリスクや副作用を写真ごとに添えれば可 |
| 費用を強調した表現 | 「今だけ○%オフ」「キャンペーン中」 | 品位を損ねる内容として避ける |
| 診療科名・診療時間・医師の氏名や経歴・設備の名称 | 「内科・小児科」「○○大学医学部卒」「CT導入」 | 可。広告可能事項として認められている |
表の中で院長の判断が分かれやすいのが「最新」「安心」「痛くない」の3語です。制作会社が善意で入れがちな言葉でもあります。設備なら「○年に導入した○○(機器名)」、痛みなら「局所麻酔を使います」のように、比較や保証を含まない事実の記述に置き換えれば載せられます。
限定解除の4要件とは。自由診療ページで満たす条件
限定解除とは、患者さんが自分で検索してたどり着くホームページのように、条件を満たした媒体では広告可能事項以外の情報も載せてよいという仕組みです。つまり、治療法の詳しい説明や自由診療のメニューを載せられるのは、この限定解除があるからです。要件は4つあります。
- 患者さんが自ら求めて入手する情報であること(検索してたどり着くホームページや、希望者に配るパンフレットなど。バナー広告やリスティング広告の広告文自体は該当しない)
- 表示している情報について、問い合わせ先(電話番号やメールアドレス)を記載していること
- 自由診療の場合、通常必要とされる治療の内容・費用・治療期間・回数を記載していること
- 自由診療の場合、その治療の主なリスクや副作用を記載していること
実務でつまずくのは3つ目と4つ目です。「費用は別ページに一覧がある」「リスクは来院時に説明する」という作りは、そのページ単体で要件を満たしていないと見なされるおそれがあります。自由診療のページは、治療内容・費用・期間と回数・リスクを同じページに置くのが安全です。
Instagramや動画も、医療機関の名称が分かり、受診を誘引する内容なら広告として同じ規制を受けます。「ホームページは直したがSNSは制作会社に任せたまま」という状態で、SNSの投稿に体験談風の文言が残っているケースを見かけます。
この章の結論。載せられないのは、比較・保証・体験談の3種類。自由診療のページは、内容・費用・期間と回数・リスクを1ページに置けば、詳しい説明を載せられます。依頼先がこの区別を説明できるかを、最初の打ち合わせで確かめてください。
クリニック集客の費用は何で変わるか。幅と内訳
クリニック集客の費用は、「診療科が保険診療中心か自由診療を含むか」「ページの数」「監修をどこまで依頼先が支えるか」の3つでほぼ決まります。同じ内科でも、この3つの条件が違えば見積もりは大きく開きます。
会社ごとの料金表を並べても判断はできないので、見積もりに出てくる内訳ごとに、金額が低くなる条件と高くなる条件を書いておきます。金額そのものは地域・会社・依頼する範囲によって大きく変わります。
検索広告の運用手数料は、広告費に対する割合で決める会社と固定額で決める会社があるので、どちらの方式かを見積もりで確かめてください。表は、手元の見積書の内訳と照らして読んでください。
| 内訳 | 費用が低くなる条件 | 費用が高くなる条件 |
|---|---|---|
| ホームページ制作(初期) | 保険診療のみで診療科ページが少ない。撮影や予約システムとの接続を含まない | 診療科ページが多い。自由診療ページがある。撮影、予約システムとの接続を含む |
| 検索対策の月額(記事制作・改善) | 記事の本数が少ない。監修は院長が担う。報告は順位のみ | 記事の本数が多い。医師監修を含む。順位計測と報告の範囲が広い |
| 医師監修つき記事(1本) | 院長が監修する。一般コラム | 依頼先が医師を用意する。症状ページ |
| Googleビジネスプロフィール運用 | 情報整備と投稿のみ | 写真撮影を含む。投稿の頻度が高い。口コミ返信の下書きを含む |
| 検索広告の運用 | 運用手数料のみ。広告用ページは既存のものを使う | 広告用ページの制作を含む。広告費本体は別に必要 |
| ガイドライン表現の確認(外部) | ページ数が少ない | ページ数が多い。医療広告に詳しい専門家に依頼する |
自由診療を含むクリニックの費用が高くなる理由
自由診療を含むと費用が上がるのは、ページ1枚あたりに書くべき項目が増えるからです。保険診療の説明ページなら診療内容と流れで足りますが、自由診療は前の章で書いた限定解除の要件で、費用・期間と回数・リスクを同じページに書く必要があります。
この項目は、制作会社が一般的な文章を書いても完成しません。費用の総額、標準的な回数、起こりうる副作用は、その院の実際の診療に基づいて院長が確定する情報だからです。監修の往復が1ページごとに発生するので、制作の工数が増え、費用に反映されます。
監修の体制が見積もりを分ける
月額の検索対策で見積もりに差が出る最大の要因は、記事の監修を誰が担うかです。依頼先が医師や薬剤師のネットワークを持ち、監修まで含めて納品する会社は、1本あたりの単価が高くなります。院長が監修するなら単価は下がりますが、院長の時間が毎月消えます。
どちらが得かは、院長の外来のコマ数で決まります。症状ページ1本の監修に自分がどれだけ時間をかけるかを、まず1本で測ってください。それに月の本数を掛けた時間を診療に充てたほうが収益が大きいなら、監修を含む見積もりを選ぶほうが合います。
この章の結論。見積もりを比べるときは、総額ではなく「監修を誰が担うか」と「自由診療ページの数」を揃えてから比べます。この2つを揃えないと、安い見積もりは監修の作業を院内に残しているだけ、ということが起きます。
依頼先と契約する前に確認する7項目
契約前に確認する項目は7つあります。医療広告ガイドラインへの理解、成果と報告、資産の名義、監修の実在の4分野に分かれ、どれか1つでも答えが曖昧な会社は、契約後に院内の作業が想定より増えます。
- 医療広告ガイドラインの禁止表現を、具体例を挙げて説明できるか。「最新」「安心」「体験談」の3つを挙げて、なぜ使えないかを聞きます。答えが「気をつけます」だけなら、確認の作業は院内に全部残ります
- 公開前に表現をチェックする工程が、制作の流れの中に書かれているか。見積書や工程表に「ガイドライン確認」の行があるかを見ます。口頭の約束は工程になりません
- 自由診療ページで、費用・期間と回数・リスクをどこに書く設計か。「別ページの料金表にリンクします」という答えは、限定解除の要件を満たさないおそれがあります
- 成果の定義が「順位」や「アクセス数」ではなく、予約や電話の件数になっているか。成果報酬型の場合は特に、何を成果と数えるかで料金が変わります。詳しくは成果報酬型SEOの費用と契約前に決めることで解説しています
- 月次の報告に、検索語ごとの表示回数とクリック数、Googleビジネスプロフィールの電話・経路検索の件数が入るか。報告書の見本を契約前に見せてもらいます。見方はSEO外注の報告書で確かめる3点にまとめています
- ホームページ・Googleビジネスプロフィール・広告アカウントの所有者が、院側の名義になるか。依頼先の名義で作られると、解約時にアカウントごと失います。権限の渡し方はサーチコンソールの権限付与と退職時の削除が参考になります
- 医師監修を依頼先が用意する場合、監修者の氏名と資格をページに実名で載せられるか。名前を出せない監修は、患者さんに監修として伝わりません
7項目を口頭で聞くと抜けるので、見積もり依頼の文面に添えると確実です。そのまま使える質問文を載せておきます。院名や診療科を書き換えて使ってください。
見積もりのご依頼に合わせて、次の7点を教えてください。
1. 医療広告ガイドラインで使えない表現の例を3つ挙げ、代わりの書き方を教えてください。
2. 公開前に表現を確認する工程は、工程表のどこに入りますか。担当者は誰ですか。
3. 自由診療のページで、費用・期間と回数・主なリスクは、どのページのどの位置に書きますか。
4. 成果として数える指標は何ですか。予約件数・電話件数を含みますか。
5. 月次報告の見本を1部見せてください。検索語ごとの数字とGoogleビジネスプロフィールの数字は入りますか。
6. ホームページ・Googleビジネスプロフィール・広告アカウントの所有者名義は、当院になりますか。
7. 医師監修を貴社で用意する場合、監修者の氏名と資格をページに実名で掲載できますか。
この章の結論。7項目のうち、1〜3はガイドラインへの理解、4〜5は成果と報告、6は資産の名義、7は監修の実在を確かめる質問です。文面で送れば、答え方そのものが依頼先を比べる材料になります。
依頼したあと3か月・6か月・12か月で確認する数字
依頼したあとに院長が見る数字は、順位ではなく「検索から予約や電話に至った件数」です。順位は依頼先が見る数字で、院長が判断に使うのは、受付で聞いた来院のきっかけと、Googleビジネスプロフィールの電話・経路検索の件数です。
時期ごとに見る数字を分けておくと、「効いていない」と「まだ効き始めていない」を区別できます。検索対策は公開直後に順位がつかないのが普通で、動き始めるまでの期間は競合の密度で前後します。3か月時点で予約件数を評価すると、正しく動いている依頼先を切ってしまうおそれがあるので、時期ごとに見る数字を変えます。
| 時期 | 見る数字 | 正常な状態 | 見直しを考える状態 |
|---|---|---|---|
| 3か月 | Googleビジネスプロフィールの表示回数・電話・経路検索の件数 | 情報を埋めた月から増え始めている | 件数が公開前と変わらない。写真や診療時間が未入力のまま |
| 6か月 | 「地域×診療科」の検索語で、自院ページの表示回数とクリック数 | 表示回数が月ごとに伸び、クリックが入り始める検索語が出てくる | 表示回数が横ばい。狙った検索語のクリックがどれも出ていない |
| 12か月 | 受付で聞いた「ホームページを見て」「Googleマップで見て」の来院数 | 新患のうち検索経由の割合が、依頼前より増えている | 順位は上がったのに新患の内訳が変わっていない |
受付で来院のきっかけを聞く運用は、依頼先が代わりにできない作業です。問診票に「当院を何で知りましたか」の欄を1行足すだけで、12か月後の判断材料が手元に残ります。
この章の結論。3か月はGoogleビジネスプロフィールの件数、6か月は検索語ごとの表示回数、12か月は新患の内訳で判断します。問診票の1行が、依頼先の成果を測る唯一の院内データになります。
クリニック集客でよくある失敗と回避法
クリニック集客の失敗は、一般の業種と違って「集客できない」より「集客の表現が是正の対象になる」形で起きます。都道府県や保健所からの指導につながる失敗と、患者さんが判断できずに離れる失敗の、両方を挙げます。
制作会社が入れた「最新」「安心・安全」がそのまま公開される
制作会社が他業種のホームページと同じ感覚で、「最新の設備」「安心・安全な治療」「痛みの少ない治療」というキャッチコピーを入れて納品するケースです。院長は医学的な内容を確認しても、デザイン面のコピーまで目を通さないまま公開します。
こうなると、厚生労働省が委託して行う医療機関ネットパトロールの通知や、保健所からの確認の対象になります。直すこと自体は簡単ですが、通知を受けてから直す順番になると、患者さんの目に触れた期間が残ります。
回避法は、公開前に「最新・最先端・安心・安全・痛くない・No.1・唯一・日本一」の8語で全ページを検索することです。制作会社に依頼するときは、この8語を使わないよう最初の打ち合わせで伝え、公開前の確認工程に入れておきます。
自由診療ページに費用とリスクが無く、限定解除が成立していない
自由診療の治療内容を詳しく書いたページに、費用が「料金表ページをご覧ください」のリンクだけ、リスクが「診察時にご説明します」の一文だけ、という作りです。治療の説明は限定解除の下で載せているのに、その要件を同じページで満たしていない状態になります。
患者さん側から見ても、費用が分からないページからは予約が入りません。ガイドラインの問題と集客の問題が、同じ原因で同時に起きています。
回避法は、自由診療のページを作るときの必須項目を4つに固定することです。
- 治療の内容
- 費用の総額の目安
- 標準的な期間と回数
- 主なリスクと副作用
この4つが揃っていないページは公開しない、という運用にします。
Googleの口コミをホームページに転載して体験談になる
Googleビジネスプロフィールに良い口コミが集まってきたので、「患者様の声」としてホームページに転載するケースです。Googleマップ上に患者さん自身が書いた口コミは規制の対象ではありませんが、それを医療機関が自分のホームページに載せると、患者の主観に基づく体験談の広告になります。
体験談は、限定解除の要件を満たしても載せられません。「1回で楽になりました」「先生が優しくて安心でした」のどちらも、治療の効果や医療機関の評価に関する主観なので該当します。
回避法は、口コミはGoogleビジネスプロフィール上で集めて返信するところまでにし、ホームページへは転載しないと決めることです。口コミへの返信でも、患者さんの診療内容に触れる返信は守秘義務の問題になるので、「ご来院ありがとうございました」とお礼にとどめ、症状や治療には触れない型を決めておきます。
症例写真を説明なしで並べてビフォーアフター広告になる
美容皮膚科や矯正歯科で、治療前と治療後の写真だけを並べたページを作るケースです。写真は本人の同意を得ていても、治療内容・費用・期間と回数・主なリスクの説明が写真ごとに添えられていないと、患者さんを誤認させるおそれがある治療前後の写真として禁止の対象になります。
回避法は、症例写真1組ごとに説明の枠を固定することです。次の5項目を、写真の直下に同じ形式で書きます。
- 治療名
- 実施した内容
- 費用
- 治療期間と回数
- 起こりうる副作用
この形式にすると、写真を1組足すたびに院長が確認する項目も固定されるので、監修の時間も読めるようになります。
この章の結論。4つの失敗はすべて、「制作会社の善意」か「集客の成功」が原因で起きます。公開前の8語検索、自由診療ページの必須4項目、口コミの転載禁止、症例写真の説明5項目の4つを運用ルールにしておけば、依頼先が変わっても再発しません。
依頼する側の落とし穴と、現場で決める妥協点
クリニック集客を外部に依頼するときの落とし穴は、費用や技術ではなく、院長の時間の使い方に集まります。ここでは教科書的な解説には載らない、現場で実際に決めなければならない妥協点を書きます。
監修が院長1人に集まり、公開が止まる
検索対策の記事は、契約した本数で毎月納品されてきます。監修は院長しかできないので、外来が混む月にその分の確認が溜まり、2か月分の記事が未公開のまま積み上がる状態がよく起きます。依頼先への月額は払い続けているのに、公開が止まるので成果も止まります。
妥協点は、監修の本数を院長の時間から逆算して契約することです。月に確保できる監修時間が2時間なら、記事は月2本までにし、その分を症状ページの品質に充てるほうが結果は出ます。本数を減らす代わりに、毎週決まった曜日の診療後30分を監修枠として固定しておくと、溜まりません。
「医師監修」の名前だけが載る記事
依頼先が医師のネットワークを持っていて、監修まで含めて納品する契約があります。便利ですが、監修者が実際に記事を読んでいるか、氏名と資格を実名でページに載せられるかは、契約前に確かめる必要があります。名前を出せない監修は、患者さんから見れば監修が無いのと同じです。
監修者の氏名・資格・所属をページと運営者情報に載せておくと、患者さんが監修の実在を自分で確かめられます。監修者ページの作り方は著者ページと運営者情報の作り方で解説しているので、依頼先にこの形式で作れるかを聞くと、監修が名前だけかどうかが分かります。
口コミを増やしたいが、お願いの仕方に線がある
Googleビジネスプロフィールの口コミは、来院した患者さんに「よろしければ口コミをお願いします」と伝えること自体は問題ありません。問題になるのは、口コミの投稿と引き換えに特典を付けることです。Googleの禁止および制限されているコンテンツのポリシーで禁止されており、違反すると口コミの削除などの対応を受けることがあります。
妥協点は、受付のカードや会計時の一言で「口コミをお願いします」と伝えるところまでにし、謝礼や割引は結びつけないことです。増え方は遅くなりますが、集まった口コミは残ります。
AIで書いた記事に、ガイドライン違反の表現が混ざる
依頼先がAIで記事の下書きを作ること自体は、いまは珍しくありません。注意するのは、AIが一般的な医療記事を学習しているために、「最新の治療法」「安全性が高い」「多くの患者様が満足」のような表現を自然に書いてくることです。医療広告ガイドラインの禁止表現を、依頼先が公開前に人の目で確認する工程を持っているかだけを確かめてください。
この章の結論。依頼先を選ぶ前に、院長が月に何時間を監修に使えるかを決めます。その時間に合う本数で契約し、監修者の実名掲載と口コミの謝礼禁止を運用ルールに入れておけば、費用が成果に変わるまでの道が途中で切れません。
自院で行う範囲と依頼する範囲の線引き
自院で行う範囲は、次の5つです。この5つは医療機関にしかできないので、どの会社に依頼しても院内に残ります。
- 医学的な内容の監修
- 自由診療の費用とリスクの確定
- 症例写真の同意取得
- 口コミ返信の判断
- 問診票での来院経路の記録
依頼する範囲は、次の5つです。ここは院内で行っても専門性が育ちにくく、院長の時間を診療から奪います。
- 検索語の選定とページ構成の設計
- ガイドラインに沿った文章の下書き
- Googleビジネスプロフィールの情報整備と投稿
- 順位と件数の計測
- 月次の報告
依頼すると手元に残るのは、毎月の検索語ごとの表示回数とクリック数、Googleビジネスプロフィールの電話と経路検索の件数、公開したページの一覧と次に直す箇所の判断です。医療広告ガイドラインに沿って毎月の判断と実装を続ける形のクリニック向けSEO対策の伴走支援では、判断の理由と手順を文書に残すので、院内に担当者ができた時点で引き継げます。
整体院や歯科のように、自由診療の比率が高い業種の掲載内容と費用の内訳は、整体院のホームページ集客の掲載内容と費用の内訳にまとめています。医療機関ではない整体院には医療広告ガイドラインは適用されませんが、景品表示法など別の法規で表現の制約があるので、比べて読むと違いと共通点が見えます。
クリニックの集客に関するよくある質問
開院の何か月前から集客の準備を依頼すれば、開院日に検索で出てきますか?
決まった期間はありませんが、ホームページは公開してから検索に表示されるまで時間がかかります。開院日に「地域×診療科」で出したいなら、制作にかかる期間に加えて、公開後に順位が動き始めるまでの数か月を見込み、早めに依頼しておくのが安全です。
逆算の仕方は、制作会社に制作期間を聞き、そこに公開後の数か月を足して、開院日から引きます。診療科のページ数や監修の往復が多いほど制作期間は延びるので、見積もりの段階で期間も一緒に確かめてください。
Googleビジネスプロフィールも、ホームページの公開と同時に登録しておきます。開院前に登録できる項目と手順は、Googleビジネスプロフィール ヘルプで確認してください。
医療広告ガイドラインに違反しているホームページは、どうやって見つけられて、どうなりますか?
厚生労働省が委託する医療機関ネットパトロールが、一般からの通報や巡回で見つけ、医療機関に改善を求める通知を送ります。
改善しない場合は、医療法に基づいて都道府県等が中止や是正を命じることができ、命令に従わない場合の罰則も医療法に定められています。通知の段階で直せば多くは収まりますが、患者さんの目に触れた期間は残ります。
流れと根拠は厚生労働省の医療法における病院等の広告規制についてのページと、医療法の条文で確認できます。
医療系のポータルサイトに掲載していれば、自院のホームページの集客対策は要りませんか?
ポータルサイトは「診療科の一覧から比べる人」を受け止めますが、患者さんは最後に自院のホームページかGoogleマップで診療時間と予約方法を確かめます。ここが弱いと、ポータルで見つけても隣の院に流れます。ポータルは入口の1つと考え、自院のページとGoogleビジネスプロフィールは別に持っておくのが基本です。
保険診療だけの内科でも、集客に費用をかける意味はありますか?
あります。保険診療の内科は自由診療のような限定解除の記載義務が少ないぶん、ホームページの制作費と月額は表の「費用が低くなる条件」に近い形で収まりやすいです。効くのは「地域×内科×発熱外来」「地域×内科×土曜」のような条件つきの検索で、診療時間と予約方法を1画面で分かるようにしておくと、検索から来た人がその場で予約や電話に進みやすくなります。
今日できる最初の一歩は、スマートフォンで「自院の地域名 診療科」を検索し、自院のホームページとGoogleマップの情報が出てくるか、出てきたページに「最新」「安心・安全」「痛くない」の3語が残っていないかを確かめることです。5分で終わります。依頼先の報告書をどう読むかまで進みたい方は、SEO外注で効果が出ない原因を報告書で確かめる3点を次に読んでください。
ここまで読んで、監修の時間と依頼先の選び方をどう両立させるか迷っている方は、いまの診療科と院長が使える時間を伺うところから一緒に決めていけます。何から手をつけるかを毎月決めて実装まで進め、判断の理由を文書に残すクリニック集客の定額制マーケティング支援を行っています。初回のご相談は無料ですので、見積もりを比べる前の段階でもお話を聞かせてください。
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