成果報酬型SEOの費用|固定月額との違いと契約前に決めること
この記事の要点
- 成果報酬型SEOは、うまくいくほど支払総額が増える。年間上限を先に計算する
- 費用が変わるのは、対象キーワードの難易度と成果の定義と計測条件の3つ
- 契約前に決める11項目をチェックリストで掲載。確認メールの文面も載せています
成果報酬型SEOの見積書は、課金の単位が契約ごとに違います。「対象キーワード1語あたりの日額 × 条件を満たした日数」で計算する見積書もあれば、問い合わせ1件あたりで計算する見積書もあります。いずれの形でも、順位や件数が伸びるほど支払いは増えます。だから見積もりを比べるときに見るべきなのは月々の負担ではなく、一番うまくいった場合に年間いくらまで払うことになるかです。まず手元の見積書のどこに課金の単位が書かれているかを確かめ、書かれていなければ相手に聞いてください。
この記事は、どこに頼むか・いくらまで出すか・任せて大丈夫かを決める立場の方(経営者・役員・院長・施設長)に向けて書いています。読み終わる頃には、手元の見積書の単価を入れて年間上限を自分で計算でき、発注前に相手へ確認すべき11項目が決まっている状態を目指します。
扱うのは費用の考え方と契約条件の決め方です。SEOそのものの作業手順や、地元と県外どちらの会社に頼むかという選び方は、SEO対策会社の選び方と費用の見方のほうで解説しています。会社選びの段階の方は、先にそちらを読んでいただくと判断が早くなります。
Contents / 目次
成果報酬型SEOの費用は年間上限で比べる。分岐点の出し方
成果報酬型SEOとは、あらかじめ決めた成果条件(検索順位が◯位以内に入る、問い合わせが◯件発生するなど)を満たした分だけ報酬を払う契約形態のことです。満たさなければ払わないので一見リスクが低く見えますが、費用の性質は固定月額とまったく違います。
固定月額は「毎月いくら」で上限が読めます。成果報酬は「達成した日数ぶん」なので、成功が続くほど請求が増えていきます。予算を承認する側にとって、この差は決算に直接効いてきます。
| 料金体系 | 支払いが発生する条件 | 予算の読みやすさ | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 固定月額型 | 成果に関係なく毎月定額 | 年間額が最初から確定する | サイト全体を作り直す、記事を継続して増やすなど、作業量が読める場合 |
| 成果報酬型 | 決めた順位や件数の条件を満たした日・件だけ | 上限を決めないと読めない | 対象キーワードが少数に絞れていて、そこだけ上げたい場合 |
| ハイブリッド型(固定+成果連動) | 基本料金に加えて、成果分を上乗せ | 基本料金ぶんは確定、上乗せ分は要上限設定 | 内部改修や記事制作も含めて任せつつ、成果にも紐づけたい場合 |
年間上限と分岐点を計算する
見積書を受け取ったら、その場で次の2つを計算してください。電卓で1分です。日額で課金される見積書の場合の式です。件数ごとの課金なら、日額の欄を1件あたりの単価と想定件数に置き換えてください。
- 年間上限額=(1語あたりの日額 × 対象キーワード数)× 365日 + 初期費用 + 成果に関係なく毎月かかる費用
- 分岐点の日数=(比較したい固定月額プランの年額)÷(1語あたりの日額 × 対象キーワード数)
仮に、対象キーワード5語、1語あたりの日額を1,500円として計算してみます。この1,500円は説明のための仮の数字で、相場として示しているものではありません。実際の見積書に書かれた単価に置き換えて計算してください。
- 1日あたり:1,500円 × 5語 = 7,500円
- 全語が1年間ずっと条件を満たした場合:7,500円 × 365日 = 約274万円
- 固定月額20万円のプランと比べた分岐点:240万円 ÷ 7,500円 = 320日
この例では、5語すべてが年間320日以上そろって条件を満たすなら、固定月額のほうが安く済みます。逆に、達成が年間の半分に届かない見込みなら成果報酬のほうが安くなります。
ここで決めること。自社が「成功したときにいくらまでなら払えるか」を先に決めてから、月額上限(キャップ)の交渉に入ります。上限のない成果報酬契約は、成功した年に予算をはみ出します。
この章の結論として、成果報酬型の見積もりは月々の負担ではなく年間上限で判断してください。分岐点の日数を出せば、固定月額とどちらが自社に合うかを感覚ではなく数字で決められます。
費用が変わる3つの要素と、成果報酬が向かない条件
同じ「成果報酬型SEO」でも、見積金額が数倍変わることがあります。金額を動かしているのは主に3つです。ここを聞かずに金額だけを比べると、安いほうを選んだのに高くつきます。
要素1. 対象キーワードの難易度
対象キーワードの難易度が、単価をいちばん大きく動かします。「地域名+業種」のように競合が数社の語と、全国の大手が広告費をかけて争っている語では、必要な作業量がまるで違うからです。
難易度は、実際にその語で検索して1ページ目に何が出ているかを見れば、専門知識がなくてもある程度わかります。上位が大手ポータルサイトと比較メディアで埋まっているなら、自社サイトが入る余地は小さいと考えてください。
要素2. 成果の定義をどこに置くか
成果の定義が厳しいほど単価は上がり、緩いほど下がります。「10位以内」と「3位以内」では、後者のほうが難しいぶん高くなります。
ここで注意したいのが、単価を下げるために成果条件が緩められるケースです。会社名・店舗名・商品名といった指名キーワードが対象語に混ざっていないか確かめてください。自社の名前で検索されたときに自社サイトが1位に出るのは、施策をしなくても起きることが多く、それに報酬を払う理由はありません。
要素3. 計測条件と作業範囲
計測条件は、金額そのものより「請求が正しいかどうか」に効きます。検索順位は、検索する場所・端末・ログイン状態によって違って見えるからです。誰のツールで、どの地域設定で、1日何回測った結果を成果とするのかを決めていないと、自社で調べた順位と請求書が食い違います。
Search Console に表示される平均掲載順位は、順位チェックツールの数字とは計算のしかたが違うので、そのまま突き合わせても一致しません。GoogleはSearch Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」で、掲載順位はサイトのURLのうち最も順位の高いものを対象に、表示された検索結果ごとの平均として算出すると説明しています。この違いはサーチコンソールの平均掲載順位の見方で詳しく解説しています。契約書に書く計測方法を決める前に目を通しておくと、話が早くなります。
作業範囲も確認してください。記事制作が含まれる契約と、含まれない契約があります。含まれていなければ、その分は自社か別会社の負担になります。見積書の項目に記事の本数が書かれているかを見て、書かれていなければ相手に聞いてください。
成果報酬型が向かない条件
次のどれかに当てはまる場合、成果報酬型は選ばないほうが結果的に安く済みます。
- 対象を1語に絞れない:取り扱う商材やサービスが多く、入口になる検索語が数十語に散らばっている場合、語ごとの成果課金では総額が膨らみます
- サイトの土台に問題がある:スマホで表示が崩れる、問い合わせフォームが動かない、ページが数ページしかないといった状態では、順位だけ上げても問い合わせになりません
- 認知を広げたい:まだ検索されていない新サービスを知ってもらう段階では、検索順位を成果地点に置くこと自体が合いません
- 社内に確認できる人がいない:施策内容の説明を受けても判断できる人がおらず、報告書を読む時間も取れないなら、成果条件だけが独り歩きします
この章の結論です。見積もりを比べるときは金額の前に「対象キーワードは誰が決めたのか」「指名語が混ざっていないか」「計測は誰のツールか」の3つを聞いてください。この3つが同じ条件になって初めて、金額の比較が成り立ちます。
契約前に決めること。見積もりを受け取ってからの5ステップ
見積もりが届いてから発注までにやることを、順番に書きます。全部やっても2週間ほどで終わります。時間をかけるべきは金額交渉ではなく、成果の定義を文章にする作業です。
ステップ1. 対象キーワードを自社で決めて、先に渡す
対象キーワードは、業者に選んでもらうのではなく自社から提示してください。相手に任せると、事業として価値のある語ではなく、上げやすい語が選ばれる構造になります。これは相手の善意とは関係なく、成果報酬という仕組みがそう働くからです。
選び方は、検索ボリュームの多さではなく「その語で来た人が問い合わせまで進むか」で判断します。判断の基準は次の3つです。
- その語で検索する人が、すでに買う目的を持っているか:「費用」「比較」「業者」が付く語は目的がはっきりしています。「とは」「求人」が付く語は外します
- 検索した人が求めているものを、自社のページで用意できるか:価格・工期・実績のどれかを載せられない語は、順位が上がっても問い合わせになりません
- その語から1件受注したときの粗利が、その語にかかる年間費用を上回るか
検索数は、この3つを満たした語が複数あったときの順番付けに使います。
候補は、営業担当に次の3つを聞くと出てきます。
- 問い合わせの電話やメールで、お客様が最初に口にする言葉は何か(例「◯◯の入れ替え 費用」)
- 失注したとき、比較されていた他社はどこか。その社名で検索すると何が出るか
- 成約した案件で、いちばん利益率が高いサービス名は何か
ここで出た語を10〜20語書き出し、上の3つの基準で絞ります。社名・店舗名・商品名は「対象外」と明記して渡してください。
ステップ2. 契約前に確認する11項目をぶつける
次の11項目は、契約書か覚書のどちらかに文章で残してもらう内容です。口頭の説明で納得しないでください。順位が動いたあとで揉めるのは、たいていこの11項目のどれかです。
| 確認項目 | なぜ聞くのか | 回答の目安 |
|---|---|---|
| 1. 対象キーワードを誰が決めるか | 上げやすい語にすり替わるのを防ぐ | 自社提示。変更するときは書面で合意 |
| 2. 指名キーワードの扱い | 社名検索で1位になっただけで課金されるのを防ぐ | 社名・店名・商品名は対象外と明記 |
| 3. 成果条件の具体的な数字 | 「上位表示」だけでは判定できない | ◯位以内、かつ◯日連続、など数字で |
| 4. 計測の条件 | 自社で見た順位と請求が食い違うのを防ぐ | 使用ツール名、地域設定、端末、取得回数、取得時刻 |
| 5. 課金の単位と締め日 | 請求額を自分で検算できるようにする | 1語あたり日額いくら、締め日、達成日数の記録の見せ方 |
| 6. 月額の上限(キャップ) | 成功した月に予算を超えるのを防ぐ | 月◯円まで、と上限額を設定 |
| 7. 成果が出ない月の費用 | 「完全成果報酬」でも初期費用や実費が別なことがある | 初期費用、月次の固定費、実費の有無を金額で |
| 8. 作業範囲 | 記事制作が含まれず自社負担になるのを防ぐ | 記事の本数、内部改修の範囲、外部リンクの設置の有無 |
| 9. 外部リンクの開示 | 後からペナルティを受けるリスクを避ける | 設置先の一覧を毎月提出してもらう |
| 10. 契約期間と解約条件 | 成果が出ないまま縛られるのを防ぐ | 最低利用期間、解約通知の期限(◯か月前) |
| 11. 解約後に何が残るか | やめた瞬間に元に戻るのを避ける | 記事の権利、リンクの存置、アカウントの返却方法 |
ステップ3. 確認メールを送る。そのまま使える文面
11項目を口頭で聞くと、答えが記録に残りません。メールで送って文章で返してもらうと、それ自体が契約前の資料になります。次の文面の[ ]を埋めれば、そのまま送れます。
件名:SEO対策のお見積もりについて、契約前の確認事項
[会社名]
[担当者名]様
お世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
先日いただいたお見積もりについて、社内で判断するために
下記を確認させてください。お手数ですが、書面またはメールで
ご回答いただけますと助かります。
1. 対象キーワードは弊社が提示したもので確定という理解でよいでしょうか。
また、対象を変更する場合の手続きを教えてください。
2. 弊社の社名・店舗名・商品名を含む検索語は、成果の対象外と
していただけますか。
3. 成果条件を数字で明記してください(何位以内か、何日連続か)。
4. 順位の計測方法を教えてください。
使用ツール名、地域設定、端末(PC/スマホ)、1日の取得回数、取得時刻。
5. 課金の単位と締め日、および達成日数の記録をどのように
確認できるかを教えてください。
6. 月額の上限を設定していただくことは可能でしょうか。
可能な場合、上限額の考え方も教えてください。
7. 成果が発生しない月に発生する費用(初期費用・固定費・実費)を
すべて金額で教えてください。
8. 作業範囲を教えてください。記事の制作本数、サイト内部の改修範囲、
外部リンクの設置の有無。
9. 外部リンクを設置する場合、設置先の一覧を毎月ご提出いただけますか。
10. 最低利用期間と、解約する場合の通知期限を教えてください。
11. 契約終了後の扱いを教えてください。
制作いただいた記事の権利、設置いただいた外部リンクを残すかどうか、
計測用アカウントの返却方法。
お忙しいところ恐れ入りますが、[日付]までにご回答いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
ステップ4. 計測用アカウントを自社名義で作る
Google アナリティクスと Search Console は、必ず自社のGoogleアカウントで作成し、そこに業者を招待する形にしてください。業者のアカウントで作られていると、解約したときに過去のデータごと見られなくなります。
招待する権限の種類と、契約が終わったときの外し方はサーチコンソールの権限付与と削除の手順にまとめています。発注前にこの形にしておくと、あとで頼み直す手間がなくなります。
ステップ5. 打ち切りの条件を先に決めておく
始める前に「どうなったらやめるか」を社内で決めてください。順位が上がらないときだけでなく、上がったのに問い合わせが増えないときの判断が抜けがちです。
Googleは公式ドキュメントで、SEOの効果が現れるまでの期間について次のように説明しています。
Google 検索セントラルの記載。ほとんどの場合、SEO が改善を実施し、その効果が現れ始めるまでには4か月から1年かかります。(出典はGoogle 検索セントラル「SEO が必要なケース」)
この4か月から1年という期間が、契約期間を考えるときの基準になります。3か月で判断するのは早すぎますし、1年を過ぎても対象語が1ページ目に入らないなら、キーワードの選定か手法のどちらかが合っていません。
この章の結論です。契約前にやるべきことは値引き交渉ではなく、対象キーワードを自社で決めること、11項目を文章で回答してもらうこと、計測アカウントを自社名義にすることの3つです。この3つが済んでいれば、あとで揉める要素はほとんど消えます。
払った費用が見合っているかを判断する数字の見方
SEOの費用対効果は、順位ではなく1件あたりの獲得単価で見ます。計算式は次のとおりです。
- 獲得単価:年間のSEO費用 ÷ 自然検索から来た問い合わせ件数(年間)
- 比較対象:いま出しているリスティング広告の1件あたり獲得単価、または展示会1回あたりの名刺獲得単価
- 採算ライン:1件の問い合わせから成約する割合 × 1件あたりの粗利
たとえば年間の費用が240万円で、自然検索から年40件の問い合わせがあれば1件6万円です。成約率が25%で1件あたりの粗利が50万円なら、40件から10件成約して粗利500万円になり、費用は見合っています。同じ240万円で問い合わせが年8件なら1件30万円になり、この場合は対象キーワードから見直す判断になります。
この計算をするには、問い合わせが「自然検索から来たのか」を分けて数えられる状態にしておく必要があります。フォーム送信を計測できていないまま契約すると、1年後に効果を判定できません。役員会で説明する形まで含めた見方はSEO報告のKPI設計と成果の示し方で解説しています。
順位が上がっても、クリックが増えないことがある
検索1位=アクセス増、とは限りません。検索結果には、通常の青いリンク以外にも画像や動画、強調スニペットなどさまざまな要素が表示されます(Google 検索セントラル「検索結果の視覚要素ギャラリー」)。そのため、自然検索の1枠目が画面のどのあたりに出るかは、検索する語や端末によって変わります。自社の対象語を実際にスマホで検索して、1枠目がどのあたりに出るかを見ておいてください。
だから成果条件には、順位だけでなくSearch Console上のクリック数を並べて確認する取り決めを入れておいてください。「3位以内を90日達成したが、クリックは月12件しか増えていない」という状態を、契約期間中に発見できます。
うまくいっている会社に共通していること
成果報酬型でも固定月額型でも、続いている会社には共通点があります。逆に言えば、ここが欠けたまま外注しても金額の問題ではなくなります。
- 対象キーワードを、Web担当ではなく営業を知っている人が決めている
- 月次の打ち合わせで、順位表ではなく「問い合わせの内容」を先に見ている
- 記事に載せる価格・工期・実績といった一次情報を、社内が出している
この章の結論です。判断の基準は順位ではなく1件あたりの獲得単価です。契約前にフォーム送信の計測ができているかを確かめてください。これが無いと、1年後にどちらの契約が良かったのかを誰も説明できません。
成果報酬型SEOでよく起きる失敗と、契約で防ぐ方法
ここからは、成果報酬という仕組みだからこそ起きる失敗を4つ挙げます。どれも「悪い会社に当たった」という話ではなく、条件を決めていないと構造的に起きるものです。
失敗1. 達成しやすいキーワードにすり替わっていた
対象キーワードを業者に任せた場合に起きます。半年後、報告書には「5語中4語が3位以内」と書かれているのに、問い合わせは1件も増えていない、という形で表面化します。
中身を見ると、対象語が「◯◯(社名)」「◯◯市 ◯◯ 求人」「◯◯とは」のように、買う気のない人しか検索しない語になっていることがあります。成果報酬は達成が収益になるので、達成しやすい語に寄っていく力が働きます。
防ぎ方は、ステップ1のとおり自社でキーワードを決めて渡すことです。加えて、契約書に「対象キーワードの変更は書面での合意による」と入れてください。運用の途中で語が入れ替わるのを止められます。
失敗2. 外部リンクで上げた順位が、解約と同時に戻った
外部リンクの設置を中心にした契約で起きます。契約が終わってリンクを外されれば、順位も元に戻ることがあります。契約前に、施策の中身が外部リンクの設置なのか、記事や内部改修なのかを確かめてください。
さらに問題なのは、リンクの種類によってはGoogleのポリシー違反になることです。Googleはスパムに関するポリシーで、順位を操作する目的でリンクを売買する行為をリンクスパムとして扱うと明記しています。違反と判断されると、順位が下がるどころか検索結果に出なくなることもあります。
防ぎ方は、確認事項の9番です。設置先の一覧を毎月出してもらい、実際に開いて確かめてください。中身のないページばかりを集めたサイトからリンクが並んでいたら、そこで手を止めて説明を求めます。設置されたリンクの調べ方は被リンクの確認方法と危険なリンクの否認手順にまとめています。
失敗3. 請求書の順位と、自社で見た順位が合わない
計測条件を決めずに契約したときに起きます。業者からは「3位を28日達成」と請求が来るのに、自社のスマホで検索すると8位くらいに見える、という食い違いです。
これは不正とは限りません。GoogleはGoogle 検索ヘルプ「検索結果が人によって異なる理由」で、検索結果は現在地や検索設定などによって変わると説明しています。条件をそろえていない数字同士は、そもそも比べられません。
防ぎ方は、計測条件を契約書に書くことです。使用ツール名、地域設定(例「大分県大分市」)、端末(PCかスマホか、両方なら比率)、1日の取得回数、取得時刻まで決めます。加えて、自社でも同じ条件で月に数回スクリーンショットを撮って残しておくと、話し合いが数字ベースで進みます。
失敗4. 成果が出た月に、想定の3倍の請求が来た
月額上限を設定しなかった場合に起きます。対象5語のうち2語しか達成していない月の請求で予算感をつかんでいたところ、施策が効いて5語すべてが1か月ずっと条件を満たすと、請求は一気に跳ね上がります。
成果報酬は「成果が出たら払う」契約なので、この請求自体は正当です。しかし決裁を通していない金額が経理に届くと、社内の信用問題になります。
防ぎ方は、確認事項の6番の上限設定です。年間上限額を12で割った数字を月額上限として提示し、超過分は翌月以降に繰り越すか免除するかを決めておきます。上限を断られた場合は、その理由を聞いてください。そこでの答え方が、その会社の姿勢をよく表します。
この章の結論です。4つの失敗はすべて、契約前に条件を1行決めておけば防げます。対象キーワードの決定権、リンク設置先の開示、計測条件、月額上限。この4つを書面にしてから発注してください。
発注してから気づく落とし穴。社内に残る作業と解約時の扱い
成果報酬型は「成果が出なければ払わない」ぶん、発注側の負担がゼロになるように見えます。実際には、契約書に書かれない作業と費用が社内に残ります。ここを見込まずに始めると、担当者が疲弊して途中で止まります。
社内に残る作業を、時間で見積もっておく
外注しても自社でやるしかない作業があります。業界の一次情報を持っているのは自社だけだからです。
- 原稿の事実確認:価格・工期・対応エリア・資格の記載が実態と合っているか
- 写真と実績の提供:施工写真、店内写真、お客様の許諾取り。撮り下ろしが必要なら別途時間がかかる
- 法令にかかわる表現の確認:医療・美容・食品・金融などは、社内か顧問の確認が必須になる
- 問い合わせへの対応:増えた問い合わせを誰が受けるか。受電できずに折り返しが翌日になると、成果につながらない
この作業にかかる時間は、記事の本数と確認する項目の多さで大きく変わります。発注前に、原稿を1本試しに確認してみて、そこにかかった時間から月の本数ぶんを見積もってください。その時間を担当者の業務に足せるかどうかが判断材料になります。どこまでを外注し、どこを自社に残すかの線引きはSEO内部対策の代行はどこまで頼むかの線引きでも具体的に書いています。
解約したときに、何が残って何が消えるか
成果報酬型でいちばん見落とされるのが、契約終了後の状態です。次の3つは、契約書に何も書かれていないと後から確認できません。発注前に文章で決めておいてください。
- 制作された記事の権利。著作権を誰が持ち、契約終了後も自社サイトに掲載し続けてよいかを契約書に明記してもらう
- 設置された外部リンク。業者が管理するサイトに設置されている場合、契約終了後もそのまま残すかどうかを確認する
- 計測用のアカウントと順位データ。業者名義で作られていると、過去の推移が見られなくなる
解約の申し出をしてから、最終請求が確定するまでの期間も確認してください。「解約通知は3か月前まで」という条項がある場合、通知したあとの3か月も成果が発生すれば課金が続きます。
「1位を保証します」という提案の扱い
順位の保証をうたう提案を受け取ったら、その場では返事をしないでください。Googleは検索セントラル「SEO が必要なケース」で、Google での掲載順位1位を保証すると約束するSEO業者には注意するよう呼びかけています。順位を決めるアルゴリズムは非公開で、更新も続いているためです。
保証をうたう会社が必ず悪質だとは言いませんが、保証できないことを保証と言っている以上、契約書の中身も同じ精度で読む必要があります。「◯位以内に入らなければ請求しない」という成果条件と、「◯位を保証する」という約束は、まったく別のものです。前者は契約条件、後者は根拠のない約束です。
なお、記事の下書きをAIで作る会社は増えていて、そのぶんの作業は自社でも進められます。ただし、対象キーワードの決定と、書かれた内容が実態と合っているかの確認は人が行う部分です。自社でどこまでやるかはコンテンツSEO外注の選び方と発注の手順を参考にしてください。
この章の結論です。成果報酬型でも、原稿確認と写真の用意にかかる時間は社内に残ります。そのうえで、記事の権利・リンクの存置・アカウント名義の3つを契約書で確かめてください。解約したときに何が手元に残るかが、実質的な費用対効果を決めます。
成果報酬型SEOのよくある質問
成果報酬型SEOは、どんなときに選びにくいですか
達成までの期間が読めない案件では選びにくくなります。Googleは検索セントラル「SEO が必要なケース」で、改善の効果が現れ始めるまでに4か月から1年かかると説明しています。この期間の幅がそのまま支払総額の幅になるため、対象語が多い場合や競合の強い語では、年間上限を決めないまま契約すると金額が読めなくなります。
対象キーワードに店名を入れると言われました。断っても大丈夫ですか
断って問題ありません。店名や社名での検索は、施策をしなくても自社サイトが上位に出ることが多い語です。成果報酬の対象に入れると、達成しやすい語で報酬が発生し続けます。「指名キーワードは対象外にしてください」と伝え、契約書にその一文を入れてもらってください。
月額の上限を付けてほしいと言うと、嫌がられませんか
予算を承認する側として当然の要望なので、遠慮する必要はありません。上限を付けると業者側の収益が読めなくなるため、代わりに最低利用期間を求められることはあります。その場合は「上限あり・期間12か月」と「上限なし・期間6か月」の両方の見積もりをもらい、年間上限額で比べてください。
途中で解約したら、書いてもらった記事や設置されたリンクはどうなりますか
契約書の記載によります。記事の著作権をどちらが持ち、契約終了後も掲載を続けてよいか。業者が管理するサイトに設置されたリンクを、終了後も残すかどうか。この2点は契約書に書かれていなければ後から確認できません。発注前に「終了後、記事とリンクはどうなりますか」と文章で回答をもらってください。
固定と成果報酬を組み合わせたハイブリッド型は、どんなときに選ぶといいですか
記事制作やサイト内部の改修も任せたい場合に合います。作業量が読める部分を固定料金にし、順位や問い合わせ件数に応じた分を上乗せする形です。この場合も上乗せ分には上限を設定してください。固定分と成果分の内訳が見積書で分かれているかも、あわせて確認してください。
今日できる最初の一歩
手元に見積書があるなら、いま1分で「1語あたりの日額 × 対象キーワード数 × 365日」を計算してください。その金額を見て社内で稟議が通るかどうかで、上限交渉が必要かどうかが決まります。まだ見積もりを取っていない段階なら、営業担当に「問い合わせの電話で、お客様が最初に言う言葉」を3つ聞くところから始めてください。対象キーワードの候補はそこにあります。会社選びの段階の方は、SEO対策会社の選び方と費用の見方を先に読むと、比較する軸が決まります。
ここまで読んで、契約条件を自社だけで詰めきるのは骨が折れそうだと感じた方もいると思います。コレットラボでは、対象キーワードの決め方から成果の測り方まで、毎月の判断と実装を一緒に進めています。いただいた見積書を見ながら「この条件で発注していいか」を一緒に見るところからでも大丈夫です。成果の測り方から決めるSEO対策の伴走支援で、いまの状況をお聞かせください。
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