キーワードカニバリゼーションの直し方|統合と削除の判断
この記事の要点
- 直し方は統合・役割分離・内部リンク集約・そのまま維持の4択。削除は最後
- 同じ語の記事が複数あっても食い合いとは限らない。判定条件を本文で提示
- 統合は301が基本。公開後にやる貼り替え作業まで手順化
キーワードカニバリゼーションの直し方は、大きく4つしかありません。1本に統合して301リダイレクトをかける、記事ごとに狙う検索語と役割を分ける、内部リンクを残したい1本に集約する、そして「実は食い合っていないので何もしない」です。削除は、この4つを検討したあとに残る最後の選択肢です。
この記事は、同じキーワードを狙った記事が社内に何本もたまっていて、どれを残しどれを統合するか決めきれない広報・オウンドメディア担当の方に向けて書いています。読み終わる頃には、サーチコンソールで食い合いを見分け、残す1本を決め、統合して公開後の確認を終えるところまで、自分の手で進められる状態を目指します。
扱うのは「内容が別々の記事なのに、同じ検索語で自社ページ同士が競合している」ケースだけです。同じ内容が複数URLで見えてしまう技術的な重複は重複コンテンツ対策とcanonicalタグの書き方、タイトル文やメタディスクリプションの文言がかぶっている問題はタイトルとメタディスクリプション重複の直し方で扱っているので、そちらが該当する方は先にお読みください。
Contents / 目次
キーワードカニバリゼーションの直し方は4つ。まず打ち手の全体像
キーワードカニバリゼーションとは、自社サイト内の複数ページが同じ検索意図・同じキーワードで検索結果に出ようとして、評価とクリックが分散してしまう状態のことです。直すときは、いきなり記事を消すのではなく、次の4つのどれに当たるかを先に決めます。
| 状況 | 取る手 | なぜそうするか |
|---|---|---|
| 見出しも本文もほぼ同じ話をしていて、どちらも中途半端 | 強いほうに統合して301リダイレクト | 被リンクとURLの評価を残したまま1本にまとめられる |
| 語は同じだが、読者の知りたいことが違う(例=「やり方」と「費用」) | 統合せず、狙う検索語と見出しを書き分ける | どちらも需要がある。まとめると片方の読者が答えにたどり着けない |
| 本命の1本を上げたいが、他も残したい | 内部リンクを本命に集約し、アンカーテキストを揃える | どれを主役にしたいかがサイト構造として伝わる |
| 同じ内容が別URLでも見えている(パラメータ付きURLなど) | canonicalタグで正規URLを指定 | 技術的な重複であって、記事の食い合いではない |
| クリックも被リンクもなく、内容も薄い記事が残る | 統合先へ301。統合先がなければnoindexにして様子を見る | いきなり404にすると、拾えたはずの評価まで捨てることになる |
| 同じ語で2本出ているが、両方それなりにクリックされている | 何もしない | 2枠占有できている状態を、わざわざ1枠に減らす必要はない |
順位が上がらない原因を、全部カニバリのせいにしないでください。実務では、次のほうが多いです。
- 検索意図がずれている
- 記事が古い
- そもそも競合が強すぎる
カニバリを疑う前に、直近のアルゴリズム更新やサイト全体の変動がないかも見ておきましょう。切り分けの手順は検索順位が急に下がった原因の切り分けにまとめています。
削除を最後に置くのには理由があります。記事を消してURLを404にすると、そのページに集まっていた被リンク、SNSでの言及、他サイトからの参照が全部行き止まりになります。統合して301リダイレクトをかければ、少なくとも「このURLの内容は、こちらに移りました」と伝えることができます。手間はほとんど変わらないのに、失うものが違います。
この章の結論。直し方を決める前に、その2本が「内容の重なり」なのか「意図の違い」なのかを先に判定してください。ここを間違えると、統合すべきでない記事を統合して、両方の順位を落とすことになります。
「同じキーワード 記事 複数」=カニバリとは限らない。サーチコンソールでの見分け方
同じキーワードの記事が複数あるだけでは、キーワードカニバリゼーションとは言えません。判定に使うのは記事の見た目ではなく、Google Search Console(サーチコンソール)に出ている実データです。次の条件が同時に成り立っているときだけ、食い合いとして扱ってください。
- 同じクエリに複数URLが紐づいている:1つの検索語に対して、自社の2つ以上のURLに表示回数が付いている
- クリックが分散している:片方に寄り切っておらず、両方に中途半端にクリックが付いている
- どちらも上位に届いていない:2本とも検索結果の1ページ目に安定して入れていない
- 表示されるURLが入れ替わる:日や週によって、そのクエリで出るページが変わる
逆に、1つのクエリで2URL出ていても、片方が1ページ目・もう片方がずっと下のように差が付いているなら、Googleはすでにどちらを見せるか決めています。この状態を無理にいじると、うまくいっているほうを壊しかねません。
サーチコンソールでの確認手順
手順はシンプルです。クエリを起点にして、そのクエリで出ているページを見る、という順番を守ってください。逆順(ページから見る)だと、食い合いは見つかりません。画面の名称や項目の位置は変わることがあるので、迷ったらSearch Console ヘルプの検索パフォーマンス レポート解説で今の画面を確認してください。
- 検索パフォーマンスのレポートを開き、期間を直近3か月に設定する
- クエリの一覧から、表示回数が多いのにクリック率が低いものを選ぶ
- そのクエリで絞り込んだ状態のまま、表示をページ別に切り替える
- 1つのクエリに対して、自社のURLが2本以上出ていないかを確認する
- 該当した組み合わせを、URL・クエリ・表示回数・クリック・平均掲載順位の順にメモしておく
期間の設定が判定を左右します。期間を1年以上の長期にすると、昔の悪かった時期の数字に引きずられ、いま1ページ目にいる記事が平均30位以下に見えることがあります。カニバリの判定は必ず直近90日で行ってください。長期データは「昔このクエリで強かった」ことを示すだけで、今どうなっているかは教えてくれません。
サーチコンソール自体の見方に不安がある方は、先にサーチコンソールの使い方と最初に見る4つの画面を読んでから戻ってきていただくと、この手順がそのまま実行できます。
site:検索での簡易チェック
サーチコンソールの数字を見る前の当たりを付けるなら、Google検索で「site:自社ドメイン キーワード」と打つ方法が早いです。同じ検索語を扱った自社ページが一覧で出るので、記事の本数だけならこれで分かります。
ただしこれは「同じ語を扱っている記事の在庫リスト」であって、食い合いの証拠ではありません。ここで出た候補を、必ず上のサーチコンソール手順にかけて絞り込んでください。
同じ語を狙っている記事の組み合わせを機械的に洗い出すと、候補は多めに挙がります。ただし候補の中には、それぞれ別のクエリで問題なく機能しているものも含まれます。site:検索の結果だけで統合を決めると、機能していた記事まで壊すことになります。
この章の結論。疑わしい組み合わせを見つけたら、直近90日のサーチコンソールで4条件に照らして判定してください。条件を満たさない組み合わせは、この先の手順に進めなくて構いません。
記事の統合と削除の判断。SEOで安全に進める5ステップ
ここからが実作業です。統合は「原稿をくっつける作業」ではなく、残す1本を決めてから、リダイレクトと内部リンクまで含めて終わらせる作業です。ステップ1から5まで、順番どおりに進めてください。
ステップ1. 統合候補を台帳に書き出す
最初にやるのは、頭の中ではなく表への書き出しです。統合は途中で中断しやすく、「どこまでやったか分からない」状態が一番危険なので、必ず記録を残しながら進めます。
スプレッドシートに次の列を作って、判定した組み合わせを1行ずつ入れていきます。
| 列名 | 入れる内容 |
|---|---|
| 対象クエリ | 食い合っている検索語(例=キーワード カニバリゼーション) |
| URL A / URL B | 該当する2本のURL |
| 直近90日のクリック | それぞれのクリック数 |
| 平均掲載順位 | それぞれの順位 |
| 被リンクの有無 | 外部から張られているかどうか |
| 判定 | 統合 / 役割分離 / 内部リンク集約 / 触らない |
| 残すURL | 統合先に決めたURL |
| 実施日・確認日 | 301設定日と、効果を見に行く日 |
ステップ2. 残す1本を決める
残すのは「よく書けているほう」ではなく、「外部からの評価が集まっているほう」です。文章の出来は後から直せますが、被リンクとURLの履歴は書き直せません。次の順で見ていきます。
- 被リンクが付いているほう(他サイトから紹介されている実績があるURL)
- 直近90日のクリックが多いほう
- 平均掲載順位が上のほう
- URLの構造が主題に合っているほう(スラッグが内容とずれていないか)
- ここまで互角なら、公開が古く、被リンクが付く時間があったほう
実務では2番目と3番目が食い違うことがよくあります。順位は上なのにクリックが少ないなら、タイトルとメタディスクリプションの問題であって統合先選びの問題ではありません。その場合は順位が上のほうを残し、公開後にタイトルを直します。
ステップ3. 統合原稿を作る。AIをたたき台に使うときの渡し方
統合原稿づくりでいちばん時間がかかるのは、文章を書くことではなく「捨てる段落と残す段落の仕分け」です。ここは生成AIにたたき台を作らせると早く進みます。ChatGPTやClaudeが使えます。
渡すのは短い指示で十分です。細かく作り込む必要はなく、次のくらいのたたき台から始めて、返ってきた構成案を見ながら会話で詰めていくほうが早く仕上がります。
あなたはSEO記事の編集者です。以下の2本の記事を1本に統合する構成案を作ってください。
・記事A(残す方): [URLと本文を貼る]
・記事B(統合する方): [URLと本文を貼る]
・狙う検索語: [キーワード カニバリゼーション など]
条件
1. 記事Bにしかない情報を、落とさずに記事Aの見出し構成へ組み込む
2. 同じ説明が2か所に出ないよう、重複部分は片方に寄せる
3. 統合後の見出し案と、各見出しに入れる要素を箇条書きで出す
4. 捨てた段落を、捨てた理由付きで最後に一覧にする
大事なのは、この出力をそのまま公開しないことです。AIの出力で人が必ず確認するのは次の4点です。
- 捨てた段落の中身:自社で測った数値、取材で聞いた話、失敗した経験など、他から持ってこられない情報が「重複」として消されていないか
- 見出しの言い回し:読者が実際に打つ検索語から離れた、きれいだが検索されない見出しに書き換えられていないか
- 順位を支えていた部分:統合先がすでに上位を取れているクエリに対応する見出しが、整理の名目で消えていないか
- 事実の取り違え:2本の記事の数字や日付が混ざって、どちらとも違う内容になっていないか
統合というのは、要はリライトです。統合そのものより本文の作り直しに時間がかかりそうなら、古いブログ記事のリライトで成果を出す5ステップと失敗例の進め方に沿って原稿を仕上げてから、ステップ4に進んでください。
ステップ4. 301リダイレクトを設定する
統合先の記事を更新して公開したら、統合したほうのURLに301リダイレクト(恒久的な転送)をかけます。302(一時的な転送)ではなく301を使ってください。301は「このURLはもう戻らない」という意思表示です。リダイレクトの種類ごとの扱いは、Google検索セントラルのリダイレクトと Google 検索で公式に解説されています。
Apacheのサーバーなら、.htaccessに次のように書きます。書式と書き込む位置は、Apache公式マニュアルのRedirectディレクティブ解説で確認してください。
# .htaccess に追記する例(Apache環境)
# 事前に必ず現在の .htaccess をダウンロードしてバックアップを取ること
# 書き間違えるとサイト全体が500エラーになるため、追記後すぐにトップページの表示を確認する
# [統合して消すURLのパス] を [残すURLの完全なURL] へ恒久的に転送
Redirect 301 /column/seo/old-article/ https://example.com/column/seo/new-article/
# 複数ある場合は1行1組で並べる
Redirect 301 /column/seo/another-old-one/ https://example.com/column/seo/new-article/
.htaccessを編集できるかどうか、どこに置けばよいかは、契約しているサーバーによって違います。触る前に、必ず利用中のサーバーの公式マニュアル(ヘルプページ)で、.htaccessの利用可否と設置場所を確認してください。自分で編集するのが不安な場合は、リダイレクト設定用のプラグインや、サーバー管理画面にリダイレクト機能があればそちらを使う方法もあります。
設定したら、その場で動作を確認します。ブラウザで旧URLを開いて統合先に飛べば見た目上はOKですが、それだけだと302で転送されていても気づけません。転送の種類まで見るなら、Google Chromeのデベロッパー ツールを開き、ネットワークの記録で旧URLへのリクエストのステータスコードを確認してください。このとき、ネットワークの記録画面で「Preserve log」を先にオンにしてから旧URLを開いてください。オフのままだと転送先のページを読み込んだ時点で記録がクリアされ、転送前のリクエスト行が残らないことがあります。使い方はChrome公式のネットワーク機能の解説にあります。他のブラウザでも同等の機能があり、名称は異なります。
サイト全体でURLを大きく動かす場合は、リダイレクトの考え方と公開直後の確認項目を整理したサイトリニューアルのSEO引き継ぎ手順も併せて確認しておくと、抜けが減ります。
ステップ5. 内部リンクと文中の言及を貼り替える
ここが一番飛ばされやすく、一番あとで効いてくる工程です。301をかけたあとも、サイト内の他の記事からは旧URLへのリンクが残ったままになっています。リダイレクトで飛ぶので壊れてはいませんが、リンク文言が古い記事のタイトルのまま残ります。
読者から見ると、リンクの文字と飛んだ先の見出しが一致しない状態です。押した人が「別のページに飛ばされた」と感じることがあるので、文言は合わせておきましょう。記事のタイトルをまとめて変更したあとは、この貼り残しが特に起きやすいので注意してください。
やることは3つです。
- サイト内検索や管理画面の検索で、旧URLの文字列を含む記事を洗い出す
- 見つかったリンクを、統合先のURLに直接張り替える(リダイレクト任せにしない)
- リンクの文言を、統合後の記事タイトルや内容に合う説明的な言葉に直す
アンカーテキストの選び方に迷ったら、内部リンクの貼り方とアンカーテキスト最適化の5ステップ手順の基準に合わせて統一しておくと、統合先に「このページが本命だ」と伝わりやすくなります。
公開後にやることのチェックリスト
ステップ5まで終えたら、その日のうちに次を確認してください。全部で6項目です。
- 転送の確認:旧URLがステータスコード301で統合先に飛んでいる
- チェーンの確認:旧URL→中間URL→統合先、のように2段階以上の転送になっていない
- 統合先の表示:統合先の記事が正しく表示され、見出し構成が崩れていない
- 内部リンク:サイト内から旧URLへのリンクが残っていない
- サイトマップ:XMLサイトマップから旧URLが消え、統合先が載っている
- 再クロール依頼:統合先のURLをサーチコンソールのURL検査にかけ、インデックス登録をリクエストした
再クロールの依頼方法と反映までの目安はURL検査でインデックス登録をリクエストする手順で解説しています。リクエストしたからといって順位が上がるわけではありませんが、統合したことをGoogleに気づいてもらうまでの時間は短くできます。
この章の結論。統合作業は、原稿の完成ではなく「301の確認と内部リンクの貼り替えが終わった時点」で完了です。ステップ4とステップ5をやらずに原稿だけ直すと、評価は分散したまま、読者だけが迷う状態になります。
統合したあと何が起きるか。効果判定は段階を分けて見る
統合の効果は、翌日には出ません。Googleが旧URLの転送を認識し、統合先を評価し直すまでに時間がかかるためです。再クロールと再評価にかかる時間はサイトによって大きく変わるため、判定は1回で決めず、時期を分けて2回以上見てください。台帳の「確認日」の列に、次に見に行く日付を先に入れておきます。
| 段階 | 見る指標 | この時点での判断 |
|---|---|---|
| 設定直後 | 旧URLの表示回数、統合先のインデックス状況 | 順位はまだ見ない。転送とインデックスが正常かだけ確認する |
| 1回目の判定 | 対象クエリの表示URLが統合先1本に寄ったか | 1本に寄っていれば成功。まだ両方出るなら内部リンクの貼り残しを疑う |
| 2回目の判定 | 対象クエリの平均掲載順位、クリック数の合計 | 統合前の2本の合計と比べる。ここで上下を判断する |
比較のときに気をつけたいのが、比べる相手を間違えないことです。統合後の1本のクリック数を、統合前の「多かったほう1本」と比べても意味がありません。統合前の2本のクリック数を足した数字と比べてください。ここを間違えると、うまくいっているのに失敗したと判断してしまいます。
統合の本数を増やすことが目的ではありません。同じ語を狙った記事が何本もあっても、それぞれが別のクエリで機能しているなら、統合しないほうが結果的にクリックの総量は多くなります。候補に挙がった組み合わせでも、意図的に残す判断のほうが多くなることは珍しくありません。触らないと決めたなら、その理由を台帳に書き残しておいてください。
期待していい変化は、順位そのものより先に「表示されるURLの安定」として現れます。日によって出るページが入れ替わっていたクエリが、統合先1本に固定される。これが起きた時点で、Googleがどのページを見せるか迷わなくなったということです。順位の改善はそのあとに付いてきます。
順位が戻らないときの見方。2回目の判定でも改善がなければ、原因はカニバリではなかった可能性が高いです。統合したこと自体は無駄になりません(記事は1本にまとまり、更新の手間は減っています)。次は検索意図のズレを疑って、統合先の中身が読者の知りたい順に並んでいるかを見直してください。
なお、重複した内容そのものの扱いについては、Google検索セントラルの正規化(canonicalization)の解説で公式に説明されています。カニバリ対策の本質は「罰を避ける」ことではなく、「どれを代表にしたいかを自分で決めて伝える」ことです。
この章の結論。効果判定は時期を分けて2回以上、統合前2本の合計クリックとの比較で行ってください。それまでは順位のブレを見て一喜一憂しないことです。
カニバリ対策でやりがちな失敗と回避法
統合作業そのものより、判断と後処理でつまずくことのほうが圧倒的に多いです。実際に見かける失敗を5つ挙げます。
失敗1. 長期データの平均順位を見て統合先を選んでしまう
サーチコンソールの期間を1年以上の長期にしたまま平均掲載順位を比べると、1年前に調子が悪かった記事が不当に低く見えます。この状態で「Aは平均35位、Bは平均12位だからBを残そう」と決めると、いま実際には1ページ目に入っているAを消してしまうことがあります。
回避法は単純で、統合先の判断に使う数字は必ず直近90日に絞ることです。長期の数字を見るのは「昔このクエリで評価されていたか」を確認するときだけにしてください。
失敗2. 統合したのに内部リンクが旧URLのまま残る
301をかけると旧URLでも表示されるので、貼り替えを忘れても誰も困りません。だから放置されます。ところが数か月後にサイトを整理して古いリダイレクト設定を消したとき、そこで一斉にリンク切れが発生します。
回避法は、統合作業の完了条件に「サイト内から旧URLへのリンクがゼロ」を入れてしまうことです。台帳に内部リンク貼り替え済みのチェック欄を作り、そこが埋まるまでその行を完了扱いにしないでください。
失敗3. 検索意図が違う記事を、語が同じというだけで統合する
「seo カニバリゼーション とは」を調べている人と「記事 統合 seo 手順」を調べている人は、同じ話題を扱っていても知りたいことが違います。これを1本にまとめると、記事は長くなるのに、どちらの読者も自分の答えにたどり着くまでスクロールが必要になります。
回避法は、統合を決める前に両方の記事に来ているクエリを一覧で並べ、上位のクエリがどれくらい重なっているかを見ることです。判定は次のようにします。両方の記事でクリックが付いている上位10クエリを書き出し、両方に共通して出てくるクエリが半分(5つ)以上なら統合を検討する。共通が半分未満なら統合せず、それぞれの記事の見出しを、担当するクエリの言い回しに寄せて書き分けます。この本数は自社の記事量に合わせて決めて構いませんが、社内で同じ基準を使い、台帳に何本中何本だったかを記録してください。
失敗4. noindexで解決したつもりになる
食い合っている片方にnoindexを付ければ、確かにそのクエリでは1本になります。ただしnoindexは「このページ全体を検索結果に出すな」という指定なので、そのページが別のクエリで拾っていたアクセスも同時に消えます。1つのクエリのために、他の流入を全部捨てることになります。
回避法は、noindexを使う前にそのページの直近90日のクエリ一覧を見ることです。対象クエリ以外にもクリックがあるなら、noindexではなく統合+301を選びます。noindexとnofollowの使い分けはnoindexとnofollowの違いと設定手順で整理しています。
失敗5. 記事同士ではなく、カテゴリーページと記事が食い合っている
見落とされがちなのがこのパターンです。記事一覧のカテゴリーページやタグページが、記事本体と同じ語で表示されていることがあります。CMSが自動生成するページなので、記事の棚卸しをしても候補に出てきません。
回避法は、サーチコンソールでクエリ別のページを見るときに、記事URLだけでなく一覧系のURLが混ざっていないかを確認することです。一覧ページが出ているなら、統合ではなく、一覧ページの説明文を薄くする、あるいは検索結果に出す必要のない一覧ページ(絞り込み結果など)をnoindexにする、という対応になります。
この章の結論。失敗の大半は、判断に使うデータの期間と、公開後の貼り替え漏れから起きます。台帳の「直近90日の数字」と「内部リンク貼り替え済み」の2列を必ず埋める運用にすれば、5つのうち4つは起きません。
統合しないほうがいい場面と、現場での妥協点
カニバリ対策の解説記事はたいてい「統合しましょう」で終わりますが、実際の現場では「わかっているけど今はやらない」と決める判断のほうが多いです。率直なところを書きます。
統合の工数は、原稿より後処理のほうが重い
2本を1本にする作業自体は、原稿さえ決まれば長くはかかりません。時間を取られるのは、次の4つです。
- 301の設定
- 内部リンクの洗い出しと貼り替え
- サイトマップの確認
- 時期を分けた効果確認
かかる時間は記事数やサイトの作りで大きく変わるので、原稿を書く時間だけで見積もらないでください。
ここを甘く見積もって10組まとめて着手すると、原稿だけ書き換えて後処理が止まり、いちばん危険な「中途半端に統合された状態」で放置されます。着手するのは一度に2〜3組までにして、効果確認まで終えてから次に進むほうが確実です。
301を維持し続けるコストは、意外と見落とされる
301リダイレクトは、一度設定したら基本的に消しません。次の場面で設定を移し忘れると、統合で引き継いだ評価がその時点で切れます。
- サーバーを移転するとき
- サイトをリニューアルするとき
- CMSを入れ替えるとき
だから統合するときは、リダイレクト設定を書いた場所(.htaccessなのか、プラグインなのか、サーバー管理画面なのか)を台帳に記録してください。担当者が変わったあと、この情報がないと引き継げません。移転やリニューアルのときにリダイレクト設定が引き継がれず、統合で残したはずの評価が切れるということも起こります。
外注しているサイトでは、統合が発注しづらい
記事制作を外部に発注している場合、新規記事は発注しやすいのに、統合は発注しづらいという構造的な問題があります。新規は本数で数えられますが、統合は「2本が1本に減る」作業なので、成果物が目に見えて減るからです。
ここは正直に言って、社内で判断だけ握るのが現実的です。どの2本を統合するかという判断(サーチコンソールの確認と統合先の決定)を社内でやり、統合原稿の執筆と301の設定を外に出す、という分け方にすると発注しやすくなります。発注範囲の切り方はコンテンツSEO外注の選び方と発注の手順も参考になります。
「判断保留」の記事がたまるのが、本当の問題
統合するかしないかを決めきれない記事は、必ず出ます。数か月放置され、次に見たときにまた同じ検討を最初からやり直すことになります。これが一番もったいない時間の使い方です。
妥協案として、判定が付かない組み合わせは「触らない」と台帳に書いて、再判定の日付(3か月後など)を入れて閉じてしまってください。決めないまま開いておくより、いったん「触らない」と決めて期限を切るほうが、次に見たときの判断が速くなります。
この章の結論。統合は「やるか、やらないか」ではなく「いつ判断し直すか」まで決めて初めて運用になります。一度に2〜3組、リダイレクト設定の場所を記録、判断保留には期限を切る。この3つを守れば、統合作業が途中で止まることはなくなります。
よくある質問
同じキーワードを狙った記事が複数あるだけで、カニバリになりますか
なりません。判定はサーチコンソールの実データで行います。直近90日で、同じクエリに自社の2URL以上が表示され、クリックが分散し、どちらも上位に届いておらず、日によって表示URLが入れ替わる。この4つが揃ったときだけ食い合いとして扱ってください。
統合したあと、元の記事はいつ削除していいですか
原稿の中身は消してよくても、URLの301リダイレクトは残し続けてください。転送設定を消すと、そのURLに付いていた被リンクや外部からの参照が行き止まりになります。なお、旧URLをどの状態にすると転送が効くかはCMSやリダイレクトの設定方法によって変わります。旧記事のステータスを変えたあとは、必ず旧URLを開いてステータスコード301で統合先に飛ぶかを確認してください。飛ばずに404になるなら、サーバー側やプラグイン側の設定を見直します。
カテゴリーページやタグページと記事が食い合っている場合はどうしますか
記事同士のように統合はできないので、どちらを検索結果に出したいかを決めて対応します。記事を主役にするなら、絞り込み結果など検索結果に出す必要のない一覧ページをnoindexにします。一覧ページを主役にするなら、そのページに説明文を足し、内部リンクを一覧ページに集めます。
統合した記事の公開日は、新しい日付に更新していいですか
内容を実際に大きく書き換えたなら更新して構いません。中身をほとんど変えずに日付だけ新しくするのは、読者にとって意味がないのでやめてください。統合で情報が増え、古い記述を直したのであれば、更新日を明示するほうが読者にも親切です。
有料のSEOツールがなくても、カニバリの特定はできますか
できます。この記事の手順は、無料のサーチコンソールとGoogle検索のsite:コマンドだけで完結します。有料ツールが有利なのは、サイト全体を一括で洗い出せる点です。手作業での確認に時間がかかるようになったら、そのときに検討すれば十分です。
まず今日、1クエリだけ確認してみてください
今日できる最初の一歩は1分で終わります。サーチコンソールの検索パフォーマンスを直近3か月に設定し、表示回数がいちばん多いクエリを1つ選んで、そのクエリに自社のURLが何本ぶら下がっているかだけ見てください。1本なら、この記事の作業は不要です。2本以上あれば、ステップ1の台帳づくりから始められます。統合先の記事をどう書き直すかで迷ったら、ブログが伸びない原因は検索意図のズレ|直す手順とチェックリストが次に読む1本として役立ちます。
ここまで読んで、判定はできそうだけれど301の設定や内部リンクの貼り替えまで社内で回すのは難しそうだと感じた方は、一度状況を聞かせてください。コレットラボのホームページ制作・運用支援では、公開後のサイトを検索とAI検索で見つかる形に整えるところまで一緒に受け持っています。今ある記事の棚卸しだけの相談でも大丈夫です。記事の統合まで見るホームページ制作・運用について、お気軽にご相談ください。
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