SEO対策の依頼の流れ|相談から契約までに社内で用意する資料
この記事の要点
- 依頼は問い合わせから施策の開始までの5段階で進む
- 相談前に用意する資料は7点。一覧と相談メモの型を本文に掲載
- アクセス権は契約後に渡し、所有者と管理者は自社に残す
SEO対策の依頼は、問い合わせ、ヒアリングと現状分析、提案と見積もり、契約、施策の開始という5段階で進みます。提案の具体性は、相談の前に社内で用意する資料に左右されます。事業の数字とサイトの管理情報がそろっていれば、1回目の打ち合わせから自社に合った提案を受けやすくなります。
SEOを外部に依頼するか検討している経営者・役員・院長の方に向けた記事です。読み終わる頃には、相談前に集める資料と、契約前に業者へ確かめる質問が決まっている状態を目指します。
依頼先の比べ方はSEO業者を選ぶときの契約前の確認12項目で、コンサルと記事作成代行の違いはSEOコンサルと記事作成代行の違いで解説しています。この記事では、依頼の流れと社内の準備を扱います。
Contents / 目次
SEO対策の依頼の流れ。相談から施策の開始までの5段階
依頼の流れは次の5段階です。社内で作業が発生するのは、主に1段階目の資料集めと、4段階目の契約内容の確認です。
| 段階 | 業者がすること | 社内で用意するもの | 社内で決めること |
|---|---|---|---|
| 1. 問い合わせ | 相談の日程を決める | 相談メモ(資料7点) | 誰が窓口になるか |
| 2. ヒアリングと現状分析 | サイトと検索の状況を調べる | サイトのURL、競合のURL | 相談メモに書いた数字の補足 |
| 3. 提案と見積もり | 施策と月額に含む作業を提示する | 他社の見積もり(比べる場合) | 任せる作業と社内に残す作業 |
| 4. 契約 | 契約書を作る | 契約前の質問への回答 | 報告の指標、解約時の扱い |
| 5. 施策の開始 | 初期の調査と設定を行う | Search ConsoleとGA4のアクセス権 | 記事や修正の確認者と期限 |
つまずきやすいのは1段階目です。サイトを作った制作会社とサーバーの契約者が別で、Search Console(サーチコンソール)を誰のアカウントで作ったかも分からない状態だと、業者は現状分析を始められません。提案が届くまでの期間が延び、その間の打ち合わせも確認作業で終わります。
そもそもSEOから始めるべきか、広告やGoogleマップの対策を先にすべきかが決まっていない場合は、Web集客・Webマーケティングの相談で、どの施策から手をつけるかを先に決める進め方もあります。
依頼する時期について、GoogleのSEO 業者の利用を検討するのページは、サイトの再構築を検討しているとき(早ければ早いほどよい)と、新しいサイトの開設を計画しているときを、SEO業者に依頼し始める最適なタイミングに挙げています。リニューアルの見積もりを取る段階でSEOの相談も始めると、URLの変更や転送の設定を制作の工程に組み込めます。
相談前に社内で用意する資料7点と、相談メモの作り方
用意するのは次の7点です。全部がそろっていなくても相談はできます。「この資料は無い」と分かっていること自体が、見積もりの材料になります。
| 資料 | 書き出す内容 | 業者が使う目的 |
|---|---|---|
| 1. 事業の数字と予算の上限 | 受注1件の粗利、問い合わせから受注までの割合、月の問い合わせ件数 | 狙う検索語と月額の妥当性を決める |
| 2. 主力サービスと顧客の一覧 | 売りたいサービスの順番、主な顧客の業種や地域 | どの検索語から対策するかを決める |
| 3. 競合と考えている会社 | 3社程度のサイトのURL | 勝てる検索語と時間のかかる検索語を見分ける |
| 4. サイトの管理情報 | ドメインとサーバーの契約者、CMS、制作会社との保守契約 | 修正を誰が行えるかを決める |
| 5. 計測の状況 | Search Console・GA4・タグマネージャーの有無と管理者 | 現状分析に使うデータを確かめる |
| 6. 過去の施策の記録 | 以前のSEO業者、広告、リニューアルの時期 | 順位の変化の原因を切り分ける |
| 7. 社内の体制 | 窓口、記事や修正の確認者、確認に使える時間 | 記事の本数と進め方を決める |
ステップ1。事業の数字から予算の上限を決める
月額の上限は、問い合わせ1件の価値から逆算します。仮に受注1件の粗利が30万円で、問い合わせ5件のうち1件が受注になるなら、問い合わせ1件の価値は6万円です。月額をこの6万円で割ると、毎月何件の問い合わせが増えれば費用を回収できるかが分かります。
この数字があると、業者は「その件数を取れる検索語があるか」から提案できます。計算の詳しい手順は受注額から逆算するSEOの月額の上限で解説しています。
ステップ2。サイトとアカウントの管理者を確かめる
次の項目について、契約者やログインできる担当者の名前を書き出します。分からない項目は、制作会社やサーバー会社に問い合わせて確かめます。
- ドメイン:契約者が自社か、制作会社か
- サーバー:契約者と、更新の時期
- CMS:管理画面にログインできる担当者
- Search Console:所有者のGoogleアカウント
- GA4:管理者のGoogleアカウント
- タグマネージャー:管理者のGoogleアカウント
Search Consoleをまだ登録していない場合は、相談の前に登録しておくと、業者が実際のデータで分析できます。
ステップ3。相談メモを1つの文書にまとめる
資料は1つの文書にまとめ、複数の業者に同じものを送ります。同じ資料をもとにした提案なら、見積もりの違いがそのまま提案内容の違いになります。
【SEO対策の相談メモ】
会社名・サイトURL:
窓口の担当者:
1. 事業の数字
受注1件の粗利: 問い合わせから受注までの割合:
月の問い合わせ件数: 月額の上限:
2. 売りたいサービス(優先順):
主な顧客(業種・地域):
3. 競合と考えている会社のURL:
4. サイトの管理
ドメイン契約者: サーバー契約者:
CMS: 制作会社と保守契約の有無:
5. 計測の状況
Search Console(所有者): GA4(管理者):
6. 過去の施策(時期と内容):
7. 社内の体制
記事・修正の確認者: 確認にかけられる日数:
相談したいこと:
社内の資料が散らばっている場合は、AIに資料を渡してこの型の下書きを作らせる方法もあります。そのときは、次の指示文に上の相談メモの型と社内資料を一緒に貼り付けて渡し、「資料に書かれていない項目は空欄にし、推測で埋めない」と指示に入れます。受け取った下書きは、数字と担当者の名前が元の資料と同じか、担当者が1項目ずつ確かめます。
次の社内資料をもとに、下に貼り付けた「SEO対策の相談メモ」の型を埋めてください。
資料に書かれていない項目は空欄にし、推測で埋めないでください。
最後に、空欄になった項目を一覧にしてください。
[ここに上の「SEO対策の相談メモ」の型を貼り付ける]
[ここに社内資料を貼り付ける]
ステップ4。アクセス権は契約後に、役割を決めて渡す
Search ConsoleとGA4のアクセス権は、契約を結んでから渡します。相談の段階では、サイトのURLと相談メモがあれば提案は作れます。
Search ConsoleとGA4の役割は次のとおりです。
- Search Console:「所有者」「フルユーザー」「制限付きユーザー」。ユーザーを追加できるのは所有者だけ
- GA4:「管理者」「編集者」「マーケティング担当者」「アナリスト」「閲覧者」
どちらも、所有者と管理者は自社で管理するGoogleアカウントに残し、業者には作業に必要な役割を付けます。
手順はSearch Consoleの権限に関する公式ヘルプとGA4のアクセス権に関する公式ヘルプにあります。制作会社への渡し方と退職時の削除はサーチコンソールの権限付与の手順で解説しています。
この章の結論。7点の資料を1つの相談メモにまとめて複数の業者に送り、アクセス権は契約後に渡します。所有者と管理者を自社に残せば、業者を変えても計測の履歴は社内で引き継げます。
提案書と見積もりで確かめること。費用が変わる条件と契約前の質問
見積もりは、金額ではなく「月額に含まれる作業」をそろえて比べます。同じ月額でも、記事の本数やサイトの修正を誰が行うかで、実際に受けられる作業量は大きく変わります。
SEO対策の費用が変わる5つの条件
| 条件 | 費用が上がる場合 | 見積書で確かめること |
|---|---|---|
| サイトの規模 | ページ数・商品数が多い | 調査の対象ページ数 |
| 記事作成の有無 | 本数が多い、1本の調査が深い | 月の本数と1本の文字数・取材の有無 |
| サイトの修正 | 業者が実装まで行う | 提案だけか、修正作業まで含むか |
| 狙う検索語 | 語の数が多い、競合が強い | 対策する検索語の一覧 |
| 報告と打ち合わせ | 頻度が高い、資料が詳しい | 報告の頻度と打ち合わせの回数 |
比べやすくするには、見積もりを作業時間に割り戻します。仮に月額に次の作業が含まれ、それぞれ次の時間がかかるとします。
- 記事2本:1本8時間で16時間
- サイトの修正3件:1件2時間で6時間
- 月1回の報告会:4時間
この前提なら、月の作業は26時間です。月額を26で割れば、1時間あたりの金額で他社と比べられます。
割り戻し方は見積もりを作業量に割り戻して比べる手順で、成果報酬型との違いは成果報酬型SEOと固定月額の違いで解説しています。
自社で行う作業と依頼する作業
SEOを依頼しても、社内に残る作業はあります。特に、事業の事実と記事の確認は社内でしか行えません。
| 作業 | 担当 | 理由 |
|---|---|---|
| 事業の数字と優先するサービスの決定 | 自社 | 経営の判断にあたる |
| 記事の事実確認と公開の承認 | 自社 | 料金・実績・資格は社内でしか確かめられない |
| 検索語の調査と施策の優先順位 | 依頼 | ツールと分析の経験が要る |
| サイトの技術的な修正 | 依頼(制作会社と分担) | 修正の権限がどこにあるかで決まる |
| 毎月の数字の報告と翌月の施策 | 依頼 | Search ConsoleとGA4の読み方が要る |
毎月の数字を見て翌月の施策を決め、実装まで進める支援が必要な場合は、定額制マーケティング支援で、合意した作業をコレットラボが行い、判断の理由と手順を文書に残しながら進める方法もあります。社内の担当者が決まった時点で、毎月の記録を使って引き継げる形です。
契約前に業者へ送る質問文
GoogleのSEO 業者の利用を検討するのページは、掲載順位を保証すると主張する業者に注意するよう呼びかけています。日本語版には「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」とあり、英語版の原文は “No one can guarantee a #1 ranking on Google.” です。同じページは、サイトに加えたすべての変更と、アドバイスの内容とその理由を伝えてもらえるかを確かめるよう勧めています。
これを踏まえ、契約前には次の7つの質問を文書で送り、回答も文書で受け取ります。
1. 月額に含まれる作業を、項目と月あたりの数で書き出していただけますか。
2. サイトの修正は、御社と当社の制作会社のどちらが行いますか。制作会社の作業費は見積もりに含まれますか。
3. 毎月の報告で使う指標は何ですか。問い合わせの件数(GA4のキーイベント)と、Search Consoleの表示回数・クリック数を含められますか。検索結果の上部にAIの回答が出る検索語では、成果をどの数字で追いますか。
4. サイトに加えた変更を、すべて一覧で共有していただけますか。
5. 記事の作成にAIを使いますか。使う場合、事実の確認と編集は誰が行いますか。
6. Search ConsoleとGA4で必要な役割を教えてください。所有者と管理者は当社に残します。
7. 解約するとき、作成した記事の権利と変更の記録はどうなりますか。最低契約期間はありますか。
3つ目の質問の最後の文を入れるのは、検索結果の上部にAIの回答が出る検索語では、順位とクリック数だけで、施策が問い合わせにつながったかを判断しにくい場合があるためです。
望ましい回答は、「対象の検索語を一覧にし、Search Consoleの表示回数とクリック数に加えて、GA4で問い合わせの件数を分けて報告します」のように、追う数字と見方が具体的に書かれたものです。
この章の結論。見積もりは作業の中身と時間でそろえて比べ、7つの質問への回答を文書で受け取ってから契約します。回答があいまいな項目が、契約後に食い違いが起きやすい項目です。
SEOの依頼が成果につながらない4つの条件と防ぎ方
依頼の失敗は、契約前に決めていなかった項目から起きることがあります。次の4つは、どれも相談から契約までの間に防げます。
業者のアカウントでSearch ConsoleとGA4を作らせる
「設定もお任せで」と依頼し、業者のGoogleアカウントで登録すると、所有者や管理者が業者のままになります。担当者の追加や削除のたびに業者への依頼が要り、解約後に自社で設定を変えるにも手続きが必要です。
防ぐには、次の順で進めます。
- 登録するとき:自社で管理するGoogleアカウントで登録し、業者はユーザーとして追加します。担当者個人のアカウントではなく、会社で管理するアカウントにしておくと、退職時にも困りません。
- 業者が所有者になっていた場合:自社のアカウントで所有権を確認して、自社も所有者になります。
- 解約するとき:業者のユーザーを削除し、業者が所有権の確認に使ったトークンも削除します。
手順はSearch Consoleの権限に関する公式ヘルプにあります。
記事の確認者を決めないまま記事作成を契約する
記事作成を含む契約では、原稿を社内で確認する工程が必ず入ります。確認者と戻す期限を決めていないと、原稿が社内で止まり、公開されない記事の分まで月額を払い続けることになります。
防ぐには、契約前に確認者を1人決め、「原稿を受け取ってから5営業日以内に戻す」のように期限を決めます。クリニックや士業のように、表示のルールや資格の確認が要る業種では、院長や代表を確認者に入れます。
修正の権限が制作会社にあり、SEO業者は提案だけになる
サイトの保守を制作会社に任せていて、SEO業者には管理画面の権限が無い場合、改善の提案は出ても実装されません。毎月の報告書に同じ提案が並び続けます。
防ぐには、提案と見積もりの段階で「誰が修正するか」を決め、制作会社の作業費も予算に入れます。修正の量によっては、SEO業者にCMSの編集権限を渡すほうが早い場合もあります。どこまで任せるかはSEO内部対策の代行で自社に残す作業の線引きで解説しています。
AIで量産する記事の本数で業者を比べる
月の記事本数が多い提案ほど得に見えますが、生成AIで記事を大量に作る提案を本数だけで選ぶと、事実の誤りや他の記事と同じ内容が増えます。Googleのスパムに関するポリシーは、生成の方法を問わず、検索順位を操作する目的で価値の低いページを大量に作ることを「大量生成されたコンテンツの不正使用」としています。
防ぐには、本数ではなく1本あたりの作り方を比べます。質問文の5つ目への回答で、事実確認と編集の担当者、自社の事例や数字を記事に入れる方法が書かれているかを見ます。
4つとも、契約書に書かれていなければ、業者の善意に頼ることになります。アカウントの所有、確認の期限、修正の担当、記事の作り方は、口頭ではなく契約書か発注書に残してください。
この章の結論。アカウントの所有者、記事の確認者、修正の担当、記事の作り方の4点を契約前に決めておけば、この章で挙げた4つの失敗は防げます。
SEO対策の依頼でよくある質問
相談の段階でSearch Consoleの権限を渡してほしいと言われたら、渡していいですか?
契約前なら、権限は渡さずに進めて問題ありません。現状分析が必要なら、Search Consoleの検索結果のデータを書き出したファイルを送る方法があります。渡す場合も「制限付きユーザー」にとどめ、契約しなかったときは削除してください。
サイトを作った制作会社とは別の会社にSEOを依頼しても大丈夫ですか?
依頼できます。ただし、サイトの修正を誰が行うかを先に決める必要があります。制作会社との保守契約の内容を確かめ、SEO業者の提案を制作会社が実装する場合は、その作業費と対応の日数を見積もりの段階で確認してください。
相見積もりのために、同じ相談メモを3社に送っても失礼になりませんか?
失礼にはなりません。同じ資料をもとにした提案のほうが、違いを比べやすくなります。事業の数字を含むので、送る前に秘密保持の取り決めが必要かを確かめ、相見積もりであることも最初に伝えておくと、やり取りがスムーズです。
契約の途中で解約したら、作ってもらった記事はサイトに残せますか?
契約書の権利に関する条項で決まります。記事の著作権が業者に残る契約だと、解約後に削除や書き換えを求められることがあります。契約前に、記事の権利が自社に移るか、解約後も掲載を続けられるかを書面で確かめてください。
まずは今日、Search Consoleを開き、[設定]の[ユーザーと権限]で、所有者が自社で管理しているGoogleアカウントになっているかだけ確かめてください。すでに業者に依頼していて成果が見えない場合は、SEO外注で効果が出ないときに報告書で確かめる3点も参考になります。
相談メモを作ってみて、何を任せて何を社内に残すかを決めきれないと感じた方は、毎月の施策を決める定額制マーケティング支援のページをご覧ください。いまのサイトの状況と社内の体制を伺い、どの作業から任せるのがよいかをお伝えします。
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