コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い|やり方と優先順位
この記事の要点
- 違いは担当領域。読者に効くのがコンテンツSEO、検索エンジンに伝えるのがテクニカルSEO
- 着手順は診断で決まる。判断基準を3つの質問に落として本文で解説
- 失敗は4パターン。放置すると記事を増やすほど労力が無駄になる
「コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いって、結局なんですか」。ご相談でいちばん多い質問がこれです。
この記事では、2つの違いを役割で切り分けたうえで、どちらから手をつけるかの判断基準と、それぞれの具体的なやり方を手順で解説します。記事を書いても順位が伸びない、外注先の提案書の言葉が理解できない、という中小企業の広報・営業・経営者の方に向けた内容です。
読み終わる頃には、自社が今どちらに投資すべきかを決められて、来月の作業リストが書ける状態を目指します。キーワードの選び方そのものはSEOコンテンツ作成の始め方|初心者が迷わず進む5ステップの手順で詳しく扱っているので、そこから入りたい方はそちらへどうぞ。
Contents / 目次
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いは、担当する場所が違うこと

結論から言います。コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いは、「人に読ませる仕事」か「検索エンジンに読ませる仕事」かという担当領域の違いです。対立するものでも、どちらかを選ぶものでもありません。
コンテンツSEOとは、検索する人の疑問に答える記事やページを作り、その内容の質で検索からの流入を増やす取り組みです。テクニカルSEOとは、そのページを検索エンジンが正しく見つけ、読み取り、評価できるようにサイトの技術的な土台を整える取り組みです。
お店にたとえると分かりやすいです。コンテンツSEOは「並べる商品と接客」、テクニカルSEOは「お店までの道路と入口の扉」です。
商品がどれだけ良くても、扉が開かなければお客さんは中に入れません。逆に、扉が全開でも棚が空なら誰も買いません。
2つの違いを一覧で比べる
担当範囲・作業する人・成果が出るまでの時間まで含めて並べると、性格の差がはっきりします。
| 比較する軸 | コンテンツSEO | テクニカルSEO |
|---|---|---|
| 誰に向けた仕事か | 検索する人(読者) | 検索エンジン(クローラー) |
| 主な作業 | キーワード設計、記事執筆、リライト、事例や一次情報づくり | 表示速度、サイト構造、インデックス設定、構造化データ、内部リンク設計 |
| 誰がやるか | 広報・営業・現場担当・編集者 | Web担当・制作会社・エンジニア |
| 作業の性質 | 積み上げ型(増やし続ける) | 整備型(直したら維持する) |
| 成果が出る速さ | 数か月単位でじわじわ | 問題があった場合は直後に改善することもある |
| やらないとどうなるか | 検索に出す玉がない | 良い記事があっても評価されない |
| 止めたときの影響 | 資産は残るが鮮度が落ちる | 放置すると徐々に不具合が溜まる |
コンテンツSEOをわかりやすく言うと「検索の入口を増やす仕事」
コンテンツSEOをひとことで言うと、自社が答えられる質問の数だけ、検索からの入口を作る仕事です。
広告は出稿を止めた瞬間に流入がゼロになりますが、記事は公開したあとも検索から人を運び続けます。だから「資産になる集客」と呼ばれます。ただし、書けば自動的に資産になるわけではありません。読者の疑問に本当に答えている記事だけが残ります。
どちらから手をつけるかは、この3つの質問で決まる
順番に迷ったら、次の3つを自社サイトで確認してください。1つでも「いいえ」があれば、テクニカルSEOが先です。
- 検索に載っているか:Google検索窓に「site:自社ドメイン」と入れて検索し、主要なページが出てくるか。出てこないページが多いなら、記事を増やす前にインデックスの問題を解決します。
- スマホで普通に読めるか:自分のスマホで自社サイトを開き、文字が小さすぎないか、横スクロールが発生しないか、表示までに待たされる感覚がないか。待たされると感じるなら速度が課題です。
- 過去の記事が動いているか:公開して3か月以上経った記事に、検索からの表示回数がついているか。ゼロに近いなら、書く量ではなくテーマ選びと構成が原因です。
ポイント。テクニカルSEOは「一度整えれば効果が続く」ので、先に短期集中でやり切るのが効率的です。コンテンツSEOは終わりのない連載なので、土台を整えてから走り始めた方が、書いた記事が無駄になりません。
自社サイトの技術的な問題を洗い出す具体的な項目はSEO内部対策チェックリスト|初心者がまず直すべき優先順位にまとめています。先に土台を点検したい方は、この記事と往復しながら読むと進めやすいです。
コンテンツSEOのやり方。手を動かす5ステップ

コンテンツSEOのやり方は、「検索語を集める→意図を分解する→構成を作る→書く→測って直す」の5ステップで回します。この順番を飛ばして書き始めるのが、伸びない記事の最大の原因です。
ステップ1。読者が実際に打っている言葉を集める
最初にやるのは、自分の頭で考えたテーマではなく、実際に検索されている言葉を集める作業です。お金をかけずにできる方法が2つあります。
- Google検索窓に自社の商材名を入れ、下に出るサジェスト(自動で表示される候補)をすべてメモする
- Google Search Consoleの検索パフォーマンスから、すでに表示されている検索クエリを書き出す
Search Consoleは、Google公式ヘルプでSearch Console の概要として「Google Search Console は、Google 検索結果でのサイトの掲載順位を監視、管理、改善するのに役立つ Google の無料サービスです」と説明されています。無料なので、まだ登録していないならここが出発点です。
集めた語は、頭やメモ帳に散らさず、1か所の表に落とします。スプレッドシートに次の5列を作って、1行1語で記録してください。
A列 検索語(サジェスト・GSCのクエリをそのまま貼る。言い換えない)
B列 取得元(サジェスト/GSC/営業・サポートの声)
C列 GSCの表示回数(GSC由来のみ。他は空欄)
D列 意図の型(次のステップ2で「知りたい/選びたい/頼みたい」を入れる)
E列 対応するページ(既存記事のURL。なければ空欄=新規候補)
記録するときのルールは3つです。
- 重複は消さず、統合する:表記ゆれ(半角/全角、スペース有無)は同じ行にまとめ、別表現をA列にカンマ区切りで併記します。1語ずつ別記事にすると、自社の記事どうしが競合します
- 語順違い・助詞違いは同じ語として扱う:「SEO 内部対策」「内部対策 SEO」は1行にします
- 1語1行を崩さない:「〜など」でまとめない。後の工程で仕分けできなくなります
集まる語の数は、商材の幅や既存サイトの規模で大きく変わります。何語集めれば十分という決まった数はないので、目安としては「サジェストが出尽くすまで」「GSCのクエリを表示回数順に上から一通り」で一度区切り、そのままステップ2の仕分けへ渡します。足りなければ、仕分けの途中で戻って足せば十分です。
ここに営業やカスタマーサポートが「よく聞かれる質問」を足すと、競合が拾っていない語が混ざります。ここが差になります。
ステップ2。集めた語を検索意図で3つに仕分ける
集めた語は、そのまま記事にせず、読者が求めているものごとに仕分けます。仕分けの軸は次の3つです。
- 知りたい(情報型):「〜とは」「〜の違い」「〜のやり方」。解説記事にする。数は多いが問い合わせには直結しない
- 選びたい(比較型):「〜 比較」「〜 選び方」「〜 費用」。判断材料を出す記事にする。問い合わせに近い
- 頼みたい(行動型):「〜 依頼」「地域名+業種」。サービスページやLPで受ける。記事にはしない
ここで多い失敗が、情報型ばかり書いて問い合わせが増えないパターンです。比較型・行動型のページを先に用意してから、情報型の記事を量産すると、増えたアクセスの受け皿ができます。
ステップ3。書く前に設計シートを1枚埋める
いきなり本文を書き始めると、途中で話が迷子になります。1記事につき次のシートを埋めてから書き始めてください。コピーしてそのまま使えます。
【記事設計シート】
狙う検索語 :
読者の状況 :(どんな場面で検索したか。例 上司に説明を求められた)
読者の悩み :(言語化されていない不安も1行)
この記事のゴール :(読者が読後にできるようになること)
先に出す結論 :(1〜2文。冒頭に置く)
見出し案(H2):
1.
2.
3.
4.
自社しか書けないこと :(現場の失敗例・判断の分かれ目・実データ)
次に読ませたい自社ページ :
特に大事なのが最後から2番目の「自社しか書けないこと」です。ここが空欄のまま書いた記事は、他社の記事の言い換えになります。現場でしか見えない失敗例や判断の分かれ目を1つ入れるだけで、記事の説得力は変わります。
ステップ4。結論から書き、AIは下書きと整理に使う
本文は、見出しごとに「問い→即答」の順で書きます。見出しの直下1〜2文でその見出しの答えを言い切り、そのあとに理由や手順を続ける形です。背景説明を先に長々と置くと、読者は離脱します。
ここでAIを使うなら、丸ごと書かせるのではなく、材料を渡して整理させるのが正解です。渡すものは次の3つで十分です。
- ステップ3で埋めた設計シート
- 自社の一次情報(実際の相談内容、社内での判断基準、現場でよく起きる失敗)
- 「この見出し構成で、各見出しの直下に結論を1文置く形で下書きを作って」という短い指示
プロンプトを作り込む必要はありません。今のAIは、ざっくり頼めば自分で整えてくれます。出発点は次の程度で十分です。
あなたは[業種を入力]向けのBtoBライターです。
以下の設計シートと現場メモをもとに、記事の下書きを作ってください。
・各見出しの直下1〜2文で結論を言い切る
・専門用語は使ってよいが、必ず一言で補足を添える
・私が渡していない数字や事例は書かない
【設計シート】
(ここに貼る)
【現場メモ】
(ここに貼る)
最後の「渡していない数字や事例は書かない」は必ず入れてください。これを書かないと、AIはもっともらしい統計や事例を作ります。ここが公開前チェックでいちばん時間を食う部分です。
AIの下書きをそのまま公開するのは避けてください。特に危ないのは、数字・企業名・制度名・機能名の4つです。人が確認すべきなのはこの4点で、文章の言い回しはあとで直せます。
ステップ5。公開後3か月で測って、直す記事を選ぶ
公開して終わりにせず、3か月後にSearch Consoleで各記事の平均掲載順位を見ます。直す優先順位は次の通りです。
| 平均順位 | 状態の見立て | やること |
|---|---|---|
| 4〜10位 | あと少しで上位。伸びしろが最大 | 不足している見出しを追記し、タイトルを見直す |
| 11〜20位 | テーマは合っているが内容が薄い | 手順・具体例・表を足して作り直す |
| 21位以下 | 検索意図がずれている可能性 | 上位記事を見て、そもそも書くべき内容を見直す |
| 表示回数ゼロ | インデックスされていない疑い | テクニカル側の点検へ回す |
この「直す作業」がコンテンツSEOでいちばん成果が出やすい工程です。すでに検索に載っていて上位に近い記事は、ゼロから新規記事を立ち上げるより手数が少なくて済みます。具体的な直し方は古いブログ記事のリライトで成果を出す5ステップと失敗例で手順化しています。
テクニカルSEO対策の進め方。点検はこの順番で

テクニカルSEOは、「見つけてもらう→読み取ってもらう→快適に読ませる」の順で点検します。この順番が大事なのは、そもそも見つけてもらえていないページに速度改善をしても、1円の価値も生まないからです。
段階1。検索エンジンに見つけてもらえているかを確認する
最初にやるのは、公開しているページがきちんと検索対象になっているかの確認です。Search Consoleには、どのページがインデックス登録され、登録されなかったページはなぜ登録されなかったのかを確認できるレポートがあります。レポートの開き方、各項目の名称と意味は、Google公式のページのインデックス登録レポート(Search Console ヘルプ)で確認してください。画面の名称や項目名は変わることがあるため、実際の表示はこの公式ヘルプを正としてください。
登録されない理由には複数の種類があり、それぞれの意味と対処は上の公式ヘルプに一覧で載っています。まずは自社の画面に出ている項目名を控え、その名称を公式ヘルプで引いて意味を確認する、という進め方をしてください。ここで大事なのは、項目名を自己流に解釈せず、公式ヘルプの説明に当てて読むことです。
この画面の見方でつまずく方が多いので、サーチコンソールで除外を確認する手順|未登録の直し方に手順を分けて書いています。ここは1回覚えれば一生使えるので、担当者が自分で見られるようにしておく価値があります。
段階2。ページの内容を正しく読み取らせる
次に、ページの中身が正しく伝わる形になっているかを見ます。ここは制作会社に依頼せず社内で直せる部分も多いです。点検項目は5つです。
- タイトルタグが全ページで固有か。同じタイトルのページが複数ないか
- 見出しがh1→h2→h3の順に並んでいるか。デザイン目的で階層を飛ばしていないか
- wwwあり・なし、httpとhttpsが1つに集約されているか
- 似た内容のページが複数ある場合、canonicalで正規のURLを指定しているか
- 画像のalt属性に、その画像が何かを説明する日本語が入っているか
3番のURL集約は地味ですが影響が大きい項目です。別々のURLで同じページが見えていると、評価が分散します。手順はURL正規化の統一手順|wwwありなしとhttpsをまとめて集約するで解説しています。
段階3。読者が快適に読める状態にする
最後が表示速度と使い勝手です。Googleはページの体験を測る指標を「Core Web Vitals」として公開しています。
現行の指標の構成、各指標の定義、良好とされる数値のしきい値は、いずれもWeb Vitals(web.dev)とCore Web Vitals とページエクスペリエンス(Google 検索セントラル)に一覧で載っています。指標の構成もしきい値も改定されるため、この記事に写し取らず、測る前に必ずこの2つを開いて現行の指標名と基準値を確認してください。測定はGoogleのPageSpeed Insightsに自社URLを入力すれば、その時点の指標に沿った結果が出ます。
全部を完璧にする必要はありません。スマホで自社の主要ページを開いて「待たされる」と感じるかどうかが、現場の判断基準として実用的です。
速度改善は原因の特定が最も重要です。画像が重いのか、外部スクリプトが多いのか、サーバーが遅いのかで打ち手がまったく違います。優先順位のつけ方はLCP改善のやり方|遅い原因の特定と直す優先順位を手順で解説にまとめました。
あわせて、誰にとっても使いやすいサイトかという観点も無視できません。国の考え方としてはデジタル社会推進標準ガイドライン(デジタル庁)が公開されており、アクセシビリティを含めた品質の基準づくりの参考になります。自治体や大企業と取引がある会社ほど、ここは早めに押さえておくと安心です。
月1回の点検チェックリスト
月に1回、次の6項目を見るだけでも、気づかないまま損失が続く状態は避けやすくなります。
- インデックス数の急減:先月より大きく減っていないか
- 404エラーの増加:削除したページへのリンクが残っていないか
- スマホ表示:実機で主要3ページを開いて崩れがないか
- SSL証明書:期限切れの警告が出ていないか
- 新規ページの登録:今月公開したページが検索に載っているか
- 問い合わせフォーム:実際に送信して、通知が届くか
最後の項目は厳密にはSEOではありませんが、いちばん損失が大きい事故です。プラグインの更新をきっかけにフォームの送信が止まっていた、という相談を受けることがあります。
コンテンツSEOの効果とメリット。何がどう変わるのか

コンテンツSEOの効果は、「広告を止めても問い合わせが来る状態」と「営業の説明時間が減る状態」の2つに集約されます。順位が上がることそのものはゴールではありません。
効果が出るまでの現実的な時間軸
成果の出方には順番があります。かかる期間は業種の競合の多さ、既存サイトの評価、投入する本数で大きく変わるため、月数の目安は示しません。見るべきなのは順番の方です。
- 記事が検索に載り始める(見る指標=インデックス数、表示回数)
- 指名検索やニッチな語で上位に入り始める(見る指標=表示回数の伸び、平均掲載順位)
- クリックが増え、問い合わせが混ざり始める(見る指標=クリック数、資料請求・問い合わせ件数)
- リライトの効果が乗り、伸び方が変わる(見る指標=CV数、商談化率)
この順番で進むかどうかは、業種や既存サイトの状況で変わります。「3か月で問い合わせが倍」のような期間と成果を約束する提案には、根拠を必ず確認してください。
数字が読めない時期をどう乗り切るか
いちばん苦しいのは、記事を出しても成果が数字に出てこない時期です。ここで社内の理解が切れて止まる会社を何度も見てきました。乗り切るコツは、最終成果ではなく先行指標を報告することです。
- 公開本数と対象キーワード数:今月何本増え、何語をカバーしたか
- 表示回数の推移:クリックが増える前に必ず表示回数が動く
- 順位帯の分布:11〜20位の記事が何本増えたか(次に上がる予備軍)
- 営業での使用回数:商談で記事URLを送った回数。これは初月から数えられる
最後の項目は見落とされがちですが、BtoBでは効果が大きいです。「その件はこの記事にまとめています」と送れるだけで、営業の説明工数が減ります。どれだけ減るかは商談件数や商材によって変わるので、自社の商談数と説明時間で計算してみてください。これは検索順位とは無関係に、公開した初日から効きます。
報告の組み立て方に悩んでいる方はSEOの効果測定は3層で見える化|無料ツールと5ステップで解説も合わせて読むと、社内報告のフォーマットが作れます。
テクニカルSEOのメリットは「損失を止める」こと
テクニカルSEOは、コンテンツSEOのように上向きの成果が出るタイプの施策ではありません。すでに持っている評価を取りこぼさないための施策です。
設定ミスで一部の記事が検索対象から外れている場合、その設定を直せば、新しく記事を書かなくても検索に出るページが戻ります。リニューアル後にアクセスが落ちた場合も、記事の中身ではなく引き継ぎ設定が原因のことがあるので、先に設定を確認してください。この観点はサイトリニューアルのSEO引き継ぎ手順|301と公開後72時間の確認にまとめています。
よくある失敗と回避法。現場で本当に起きている4つ
ここからは、実際のご相談で繰り返し見てきた失敗を4つ挙げます。どれも「状況→こうなる→こう防ぐ」の形で書きます。
失敗1。土台を放置したまま記事だけ増やす
起きる状況は、社内で「まずは記事を書こう」と決まり、月8本のペースで半年書き続けたケースです。ところがSearch Consoleを見ると、公開した記事の半分がインデックスされていませんでした。
インデックスされていないページは、そもそも検索結果に出ません。つまり書いた分の労力が、検索からの流入という形では1件も返ってこない状態です。労力もコストも積み上がるのに数字が動かないので、社内の熱も冷めます。
防ぎ方はシンプルで、公開した記事が検索に載っているかを、まとめて確認するタイミングをあらかじめ決めておくことです。運用しやすい目安として「10本公開するごとに確認し、載っていないページが複数出たら書く手を止めてテクニカル側を点検する」という決め方があります。この本数はあくまで運用上の区切りで、根拠のある基準値ではありません。公開ペースが月2本なら月1回、毎日書くなら週1回というように、自社の公開頻度に合わせて決めてください。
失敗2。検索意図を確認せず、社内目線でテーマを決める
起きる状況は、社内会議で「うちの技術のこだわりを伝えたい」とテーマを決めて書いたケースです。読者が検索しているのは「価格の相場」や「他社との違い」なのに、記事は製造工程の解説になっています。
結果として、順位は30位より下から動かず、たまに流入があっても直帰します。書いた側は「Googleに評価されない」と感じますが、原因は評価される以前の、テーマ選びのずれです。
防ぎ方は、書く前に必ず狙うキーワードで実際に検索し、上位10件のタイトルと見出しを書き出すことです。そこに書かれている論点が読者の期待値そのものなので、自社の主張はその期待に答えたあとに置きます。詳しい直し方はブログが伸びない原因は検索意図のズレ|直す手順とチェックリストで扱っています。
失敗3。AIで量産して、確認を飛ばす
起きる状況は、生成AIで1日3本のペースで記事を作り、ざっと読んで公開したケースです。文章としては読めるので、問題に気づきにくいのが厄介です。
実際に起きるのは、存在しない制度名が書かれている、他社の事例が自社の実績のように書かれている、数字の出典が確認できない、という3つです。BtoBでは、これを見つけた見込み客はその時点で候補から外します。順位以前に、信頼の問題になります。
防ぎ方は、公開前チェックを4項目に絞って必ず実行することです。文章の質は後回しでよく、数字・企業名や製品名・制度名や法令名・機能の有無の4つだけを人が確認します。確認できないものは、ぼかさず削除するのが安全です。
失敗4。短期間で判断して撤退する
起きる状況は、経営会議で「3か月やって問い合わせがゼロだから中止」と決まるケースです。前述の通り、成果は表示回数→クリック→問い合わせの順に出るので、問い合わせだけを見ていると途中経過が見えません。
ここで止めると、書いた記事は資産にならず、費用だけが残ります。しかも再開するときは、また評価を積み直すところからになります。
防ぎ方は、着手前に「何を、いつまでに、どの指標で判断するか」を決めて合意しておくことです。判断は問い合わせ件数だけに置かず、途中経過で確認できる指標(表示回数、平均掲載順位、上位に近い記事の本数)で置いてください。
期限も水準も、業種の競合状況や投入本数で妥当な線が変わるため、一律の正解はありません。自社の現状値を出発点にして、「今は上位20位以内が◯本。半年後に◯本になっていれば継続」といった形で、社内で合意できる数字を自分たちで決めてください。他社の数値をそのまま持ち込むと、判断の根拠になりません。
現場の妥協点。教科書に書かれない話を正直に
ここからは、記事や提案書ではあまり書かれない、現場の本音を書きます。判断を間違えないために知っておいてほしい部分です。
全部を自社でやろうとすると、たいてい止まる
内製と外注の切り分けで現実的なのは、コンテンツSEOの「材料出し」は社内、テクニカルSEOの「診断と修正」は外部という分け方です。
理由ははっきりしていて、コンテンツの価値の源泉である現場の知見は、外部の人間には持ち出せないからです。逆にテクニカルは知識と経験の勝負なので、社内で学ぶより外に頼んだ方が早くて確実です。
| 作業 | おすすめの担当 | 理由 |
|---|---|---|
| キーワード集めと仕分け | 社内+外部の助言 | 商材理解が必要。設計だけ手伝ってもらう |
| 現場の知見・失敗例の言語化 | 社内のみ | ここは外注不可。記事の差はここで決まる |
| 執筆・編集 | 社内またはAI+人の確認 | 型ができれば内製しやすい |
| インデックス・速度の診断 | 外部 | 原因特定に経験が要る。時間を買う判断 |
| サーバー・テーマの改修 | 外部 | 失敗時の影響が大きい |
| 効果測定のダッシュボード作成 | 外部で初回構築、以降は社内 | 作るのは大変、見るのは簡単 |
見落とされがちなコストは「社内の時間」
外注費だけで予算を組むと、たいてい足りなくなります。実際にかかるのは、取材対応、原稿確認、公開作業、月次のミーティングといった社内の時間です。
必要な稼働時間は本数や体制で大きく変わるので、予算を組む前に、自社の担当者が取材・確認・公開にどれだけ時間を取れるかを先に確認してください。「丸投げで大丈夫です」と言われた場合は、確認工程が省かれているか、社内でしか書けない内容が入らないかのどちらかを疑ってください。
業者選定で見るべきは、提案書より「断る理由」
提案を受けるときに効く質問が3つあります。答えの中身より、答えられるかどうかを見てください。
- 「うちの業種でうまくいかない場合、原因は何だと思いますか」:リスクを説明できる会社は現場を見ています
- 「最初の3か月で何が起きて、何が起きませんか」:起きないことを言える会社は誠実です
- 「契約終了後、記事とデータはどう残りますか」:資産の所在をはっきりさせておきます
特に3番目は後々のトラブルになりやすい部分です。制作した記事の権利、アカウントの管理者権限、順位データの引き継ぎは、契約前に確認しておいてください。
AI検索が増えても、やることの本質は変わらない
最近は、生成AIが検索結果に要約を出す場面が増えました。「クリックされないなら記事は無駄では」という質問をよく受けます。
現時点で言えるのは、AIに引用されるかどうかは、結局のところ「答えが明確に書かれているか」と「出典として信頼できるか」で決まるということです。見出しの直下で結論を言い切る、数字には出典を添える、誰が書いたかを明示する。これらはコンテンツSEOで元々やるべきことと同じです。
一方で、AI経由の流入だけを狙って記事の中身を薄くするのは逆効果です。GoogleもGoogle 検索の AI 機能とサイト(Google 検索セントラル)で、AI機能に表示されるための要件は基本的に通常の検索と同じで、独自性があり役に立つコンテンツを作ることが最善だと案内しています。小手先の対策に時間を使うより、答えの濃さを上げる方が確実です。
よくある質問
コンテンツSEOって、今から始めても効果ありますか
あります。ただし「幅広いキーワードで上位を取る」戦い方は難しくなっています。狙い目は、大手が書かない細かい疑問や、自社の顧客だけが持つ具体的な悩みです。検索する人は少なくても、その分だけ問い合わせに近い人が来ます。
記事は何本くらい必要ですか
本数の正解はありません。決まるのは、1つのテーマをどれだけ深く網羅したかです。関連しないテーマに広く手を出すより、狙う分野で読者が抱く疑問をひと通り埋める方向で考えてください。必要な本数は、その分野で読者が持つ疑問の数だけあります。
テクニカルSEOは一度やれば終わりですか
大きな改修は一度で終わりますが、維持は必要です。プラグインの更新、ページの追加や削除、リニューアルのたびに設定は崩れます。定期的な点検と、サイトを大きく触った直後の確認をセットにしておくと、気づかないまま放置される状態を避けられます。
社内にエンジニアがいなくてもテクニカルSEOはできますか
診断まではできます。Search Consoleでエラーを確認し、スマホで表示を確かめるところまでは専門知識がなくても可能です。ただしサーバー設定やテーマの改修は失敗時の影響が大きいので、そこから先は制作会社や外部に依頼するのが安全です。
記事を外注する場合、どこまで任せられますか
構成づくりと執筆は任せられますが、現場の知見と事実確認は社内に残ります。外注先が書けるのは一般論までで、他社と差がつく部分は自社にしかありません。取材を受ける時間を社内で確保できるかが、外注がうまくいくかの分かれ目になります。
まず今日、5分でできることから
今日やるなら、Google検索窓に「site:自社ドメイン」と入れて検索してください。表示された件数と、主要なサービスページが出てくるかを見るだけで、テクニカル側から手をつけるべきかどうかの当たりがつきます。そのうえで内容を強くしたい方は、SEOコンテンツ作成の始め方|初心者が迷わず進む5ステップの手順を次に読むと、そのまま執筆に入れます。
ここまで読んで「やることは分かったけれど、社内の手が足りない」と感じた方もいると思います。株式会社コレットラボ(大分・福岡を拠点にAI業務システム化とWeb集客を支援)では、検索にもAIにも拾われる記事づくりの伴走を行っています。現状の整理だけでも構いませんので、AI時代の記事制作支援の詳細はこちらから、気軽にお話を聞かせてください。
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