逆SEO対策を自分でやる手順|悪評への正攻法とNG例
この記事の要点
- 自分でやる逆SEO対策は「削除依頼」「自社情報の増強」「法的相談」の3本だけ
- 悪評は4タイプに分かれる。タイプ判定を誤ると対策が全部空振りする
- サテライトサイト量産と低品質リンクはNG。逆にペナルティを受ける
会社名で検索したら、身に覚えのない悪評が上位に出てきた。取引先や求職者に見られていないか気が気じゃない。そんな状況で「逆SEO対策 自分で」と検索された方に向けた記事です。
この記事では、外注せずに自社でできる逆SEO対策の手順を、削除依頼の文面例・検索結果の棚卸しシート・チェックリストまで含めて解説します。読み終わる頃には、今週やること・来月やること・専門家に渡すことの3つに仕分けできる状態を目指します。
なお、他社サイトの順位を下げる工作や、検索エンジンを欺く手法は一切扱いません。それらは効果がないだけでなく、自社が罰を受ける側に回ります。扱うのは、削除申請と自社情報の増強という正攻法だけです。
Contents / 目次
逆SEO対策を自分でやるなら、打ち手は3つに絞る

結論から言います。自分でやる逆SEO対策で意味があるのは、削除依頼・自社情報の増強・法的相談の3つだけです。それ以外の手法はほぼ全部、無駄か有害かのどちらかです。
逆SEO対策とは、自社にとって不都合な情報が載ったページを検索結果の上位から押し下げ、目に触れにくくするための取り組みのことです。ポイントは「相手のページを下げる」のではなく、自社が管理できるページを増やして相対的に押し下げるという点にあります。
検索結果の1ページ目に載る枠は限られています。そのうち何枠を自社で管理できる面(自社サイト、公式SNS、Googleビジネスプロフィール、採用ページ、動画など)にできるか。逆SEO対策の実務は、突き詰めるとこの陣取りです。自社ドメインのページだけが1ページ目に並ぶことは実際にはまずないので、SNSやGoogleビジネスプロフィールなど別ドメインの公式面も含めて考えてください。
| 打ち手 | 自分でできるか | 効果が出るまでの目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| サイト管理者への削除依頼 | できる(文面は自作可) | サイトの運営方針による | 事実と異なる記述、個人情報、規約違反の投稿 |
| 検索エンジンへの削除リクエスト | できる(申請フォームから) | 審査があり、可否は申請しないと分からない | 個人情報の露出など、各社の削除ポリシーに該当する場合 |
| 自社情報の増強(正攻法の本丸) | できる(ただし継続が必要) | 短期では動かない。継続が前提 | 削除できない口コミ・まとめ記事が残るケース全般 |
| 弁護士など専門家への相談 | 相談は自分で、手続きは専門家 | ケースにより大きく異なる | 名誉毀損・なりすまし・脅迫を含む悪質なケース |
| 他社サイトを攻撃する手法 | やらない | ― | 該当なし(法的・規約リスクのみ) |
コピーサイトの大量作成、他社サイトへの低品質リンク送信、著作権申立て制度の悪用といった手法は、検索エンジンのガイドライン違反であると同時に、業務妨害として法的責任を問われる可能性があります。「逆SEO」と称してこうした施策を提案してくる業者には依頼しないでください。
この記事は、悪評が出てしまった後の対処に絞って書いています。そもそも自社サイトが検索結果に出てこない、という段階の方は先にホームページが検索で出てこない原因と直し方を読んでから戻ってきてください。土台が出ていない状態で押し上げようとしても、枠は取れません。
「押し下げる」より「信頼できる情報を増やす」が本筋
逆SEO対策を押し下げ工作だと思っていると、たいてい失敗します。私たちが相談を受けてきた範囲では、検索する人の多くは悪評そのものを読みたいのではなく、「この会社は信用できるのか」を確かめようとしています。
だから、悪評を隠すことより、判断材料を自社から出すことのほうが効きます。会社概要、実績、料金の考え方、よくある質問、代表者の顔と経歴。これらがきちんと出ていれば、検索した人が判断に使える材料が増えます。
私たちが相談を受けるときも、最初に見るのは悪評の中身ではなく、その会社の公式情報がどれだけ薄いかです。悪評が目立つ会社は、たいてい自社発信の量そのものが足りていません。
悪評は4タイプ。まずどれなのかを切り分ける
対策を始める前に、その悪評がどのタイプなのかを判定してください。タイプを取り違えると、打ち手が全部空振りします。ここを飛ばして削除依頼から始めるのが、いちばん多い事故です。
タイプ1。事実に基づく批判
実際に対応が悪かった、納期が遅れた、説明が足りなかった。こういう投稿は、残念ながら消す対象ではありません。削除依頼をしても通らないうえ、「都合の悪い口コミを消そうとした」と二次炎上する危険があります。
やるべきは、原因を直したうえで、直した事実を自社サイトで公開することです。口コミサイトに返信できる場合は、感情的にならず事実だけを短く返します。この積み重ねが、後から検索した人への回答になります。
タイプ2。根拠のない中傷・事実無根の記述
やっていないことをやったと書かれている、数字が事実と違う、という場合です。ここは削除依頼が正当に通る可能性があります。ただし「気に入らない」ではなく「どこがどう事実と違うか」を示せることが条件になります。
感情ではなく、契約書・納品記録・日報など、事実関係を示せる資料が手元にあるかを先に確認してください。証拠がないまま強い言葉で削除を求めると、逆に相手から訴えられる展開になりえます。
タイプ3。なりすまし・個人情報の露出
代表者の自宅住所や電話番号が晒されている、公式を装ったアカウントがある、といったケースです。これは自社対応の範囲を超えます。ためらわず外部の窓口を使ってください。
相談先は、総務省のサイトで案内されているインターネット上の違法・有害情報の相談窓口から探せます。削除の依頼方法について相談できる公的な窓口として、違法・有害情報相談センターがあります。脅迫や実害を伴う場合は、警察の相談窓口(#9110)や最寄りの警察署に相談してください。窓口の名称や受付方法は変わることがあるため、連絡する前に各機関の公式サイトで最新の案内を確認してください。
タイプ4。古い情報がそのまま残っているだけ
意外に多いのがこれです。5年前に終わったサービスの解約トラブルまとめ、閉店した店舗の情報、代表交代前の記事。中傷ではないのに、検索結果の上のほうに居座っています。
このタイプは、削除より上書きが効きます。同じテーマで最新の公式ページを作り、そこに正しい現状を書きます。検索した人が求めているのは現在の情報なので、正しい現状が載った公式ページがあれば、そちらを選んでもらえる可能性が出てきます。ただし、古いページの順位がいつ下がるかは検索エンジン側が決めることなので、こちらでは動かせません。
判定の順番。まず「事実か、事実でないか」を分け、次に「個人の安全に関わるか」を分けます。この2軸だけで、自社でやること・専門家に渡すことがきれいに分かれます。
自分でやる逆SEO対策の手順。6ステップで進める

ここからが本題です。上から順にやれば、外注せずに一巡できる手順にしました。ステップ1と2を飛ばして削除依頼に走らないでください。順番に意味があります。
ステップ1。検索結果を棚卸しして「守るべきクエリ」を決める
最初にやるのは、どの検索語で悪評が出るかの特定です。感覚ではなく、書き出して固定します。ここが曖昧なままだと、後の効果測定ができません。
ブラウザのシークレットウィンドウ(履歴やログイン情報の影響を受けない表示)を開き、次の組み合わせを1つずつ検索して、1〜2ページ目に何が出るかを記録します。
- 社名単体:いちばん検索される、最重要のクエリ
- 社名+評判/口コミ/レビュー:取引前に必ず調べられる
- 社名+ネガティブ語:やばい、ひどい、最悪、詐欺、ブラックなど。検索窓に社名を入れたときのサジェスト(自動で出る候補)をそのまま拾う
- 代表者名・役員名:BtoBでは社名より見られていることがある
- 主力サービス名+解約/トラブル:比較検討層が踏む導線
- 社名+求人/転職/退職:採用に効く。転職口コミサイトが上位に来やすい
記録は表にします。スプレッドシートで次の列を作れば十分です。順位は月1回でいいので同じ日に取り、変化を見ます。
| 列名 | 入れる内容 |
|---|---|
| 検索語 | 「社名 評判」など、実際に打った語をそのまま |
| 順位 | そのページが何番目か(1〜20位まで記録) |
| URL | 該当ページのURL |
| ドメイン種別 | 自社/公式SNS/口コミサイト/掲示板/まとめ |
| タイプ判定 | 前章の1〜4のどれか |
| 打ち手 | 削除依頼/上書き/放置/専門家 |
| 自社管理面か | ○か×。○の数が増えることが目標 |
順位を毎回手で数えるのが面倒な場合は、無料のチェックツールを使って自動記録に切り替えられます。やり方は検索順位チェックツールの使い方で解説しています。
ステップ2。証拠を保全する
削除依頼を出すと、相手が投稿をこっそり書き換えることがあります。そうなると「何が事実と違ったのか」を示せなくなります。だから依頼の前に保全します。
保全する内容は次の4点です。
- ページ全体のスクリーンショット:URLと日時が写るように撮る
- 該当箇所を拡大したスクリーンショット:どの記述が問題かが分かるように
- URLの文字列:テキストとしてコピーして残す
- 確認した日時:いつ時点の表示かを記録する
可能なら印刷してPDF化し、日付入りで保存しておきます。この作業は5分で終わります。後から弁護士に相談する段になったとき、この5分があるかないかで進み方がまったく変わります。
ステップ3。サイト管理者へ削除依頼を出す
削除依頼は、まず投稿が載っているサイトの管理者に出します。多くのサイトには専用の申告フォームか、問い合わせ窓口があります。フォームがある場合はそちらを優先してください。
文面のコツは1つだけです。感情を書かず、事実の相違点と根拠だけを書く。これに尽きます。そのまま使える型を置いておきます。
件名:貴サイト掲載記事の削除に関するお願い(〇〇株式会社)
〇〇(サイト名)ご担当者様
突然のご連絡失礼いたします。
〇〇株式会社(所在地/代表者名/連絡先)の△△と申します。
下記ページに、当社に関する事実と異なる記述がございましたので、
削除をご検討いただきたくご連絡いたしました。
■該当URL
https://example.com/xxxx
■該当箇所(原文のまま引用)
「(該当する記述をそのまま転記)」
■事実と異なる点
・記述:〇〇という取引があったとされている
・事実:当該期間に当該取引の記録はありません
・根拠:契約管理台帳および請求記録(ご要望があれば提示いたします)
■お願いしたいこと
上記箇所の削除、または訂正をご検討いただけますでしょうか。
貴サイトの投稿ガイドラインに照らしたご判断で構いません。
お手数をおかけしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
〇〇株式会社 △△
TEL:000-0000-0000 MAIL:xxx@example.com
この型で大事なのは、次の3点です。
- 命令口調にしない:依頼であって要求ではない
- 法的措置をちらつかせない:威圧と受け取られると話が止まる
- 根拠を提示できると書いておく:資料を出せる状態だと伝える
最初から強く出ると、管理者が防御的になって話が止まります。
削除依頼を短期間に何度も送る、複数の窓口に同じ内容を送り続けるといった対応は避けてください。正当な依頼であっても、繰り返しの強い要求は業務妨害と受け取られることがあります。1回出したら、回答を待ちます。
ステップ4。検索エンジン側への削除リクエストを検討する
サイト管理者が対応しない場合、検索エンジン側に検索結果からの削除をリクエストする道があります。ただし、これは「気に入らない記事を消す」制度ではありません。どんな内容が削除の対象になるかは各検索エンジンが自社のポリシーで定めています。Googleの場合はGoogle 検索からの情報の削除のヘルプページに、申請できる情報の種類と申請フォームの入口がまとまっています。
申請の入口と対象範囲は変わることがあるため、最新の条件は必ず上記のような各検索エンジンの公式ヘルプで確認してください。ここで断定的な手順を書いても、来月には変わっている可能性があります。
実務上の期待値としては、企業への批判記事が検索結果から消える可能性は高くありません。ここに時間をかけすぎず、ステップ5に進むほうが投資対効果は高いです。
ステップ5。自社情報を増やして枠を取りに行く
ここが逆SEO対策の主戦場です。ホームページのSEO対策を自分でやる、という作業と中身はほぼ同じですが、狙う検索語が「社名・代表者名・サービス名」である点が違います。
作るページは次のとおりです。
- 会社案内ページの作り直し。設立年、所在地、代表者の顔写真と経歴、事業内容、主要取引先。ここが薄いと何をやっても信頼が積み上がりません
- 「社名+評判」に答えるページ。よくいただくご指摘と、それに対する当社の考え方をまとめたページ。批判に触れることを恐れないほうが、結果的に信頼されます
- 事例・実績ページ。1件1ページで作る。お客さまの声を実名か業種名つきで載せる
- よくある質問ページ。料金の考え方、契約期間、解約条件など、不安になる論点を先に開示する
- 採用情報ページ。転職口コミサイトが上位に来る会社ほど効きます。労働環境の実際を自社の言葉で書く
- 公式SNSとGoogleビジネスプロフィール。プロフィール欄に正式社名を正確に入れる
各ページのタイトルタグには、正式社名をそのまま入れてください。株式会社の位置、英語表記、略称といった表記が社内でバラバラだと、検索した人がどれが正式名称なのか分かりません。社内で1つに決めて、サイト・SNS・Googleビジネスプロフィールで統一します。タイトルの作り方はタイトルタグの付け方で詳しく解説しています。
作ったページ同士は内部リンクでつなぎます。会社案内から事例へ、事例からよくある質問へ、という具合です。リンクの文言は「こちら」ではなく「〇〇の導入事例を見る」のように、リンク先が分かる言葉にしてください。内部リンクの貼り方とアンカーテキスト最適化もあわせて参考にしてみてください。
ステップ6。月1回の点検サイクルを回す
逆SEO対策は、一度やって終わりにはなりません。放っておくと元の並びに戻ります。月1回、次の3つだけ確認してください。
- 順位表の更新:ステップ1の表を同じ手順で更新し、自社管理面が何枠になったかを数える
- サジェストの確認:社名を検索窓に入れて、ネガティブ語が候補に出ていないか見る
- 新規の投稿がないか:社名で期間指定検索(過去1か月)をかけて、新しい書き込みを早期に見つける
あわせて、自社サイトに不自然な被リンクが集まっていないか、また手動ペナルティの懸念がある場合に限り、被リンクの確認と否認を検討すると良いでしょう。確認と否認の手順は被リンクの確認方法と危険なリンクの否認にまとめています。
AIをどこまで使えるか。任せる範囲と人がやる範囲
2026年の今、この一連の作業はAIでかなり楽になります。ただし、全部は任せられません。線引きをはっきりさせておきます。
| 作業 | AIに任せられるか | 人がやること |
|---|---|---|
| 削除依頼の文面づくり | 下書きは任せてよい | 事実関係の確認。感情語の削除。送信の最終判断 |
| よくある質問ページの原案 | 質問の洗い出しは得意 | 回答の正確性の確認。自社の実際の運用と合っているか |
| 口コミへの返信文 | たたき台までは可 | 事実確認。定型文になっていないかの点検 |
| 事例ページの構成案 | 任せてよい | お客さまの掲載許諾。数字の裏取り |
| 悪評の内容の真偽判断 | 任せられない | すべて人が判断する |
| 法的措置の要否判断 | 任せられない | 弁護士に相談する |
AIに指示を出すときは、作り込んだ長文プロンプトを用意しなくて大丈夫です。今のAIは、ざっくり頼めば自分で整えてくれます。出発点として、これくらい短いもので十分です。
あなたは中小企業の広報担当です。
以下の投稿に対して、サイト管理者に送る削除依頼の下書きを作ってください。
・当社の事業:[業種を入力]
・投稿の内容:[該当箇所をそのまま貼る]
・事実と異なる点:[箇条書きで入力]
・手元にある根拠:[契約書、納品記録など]
条件:感情的な表現を使わない。法的措置に言及しない。
事実の相違点と根拠だけを淡々と書く。400字以内。
まず、この依頼に足りない情報があれば質問してください。
最後の1行が効きます。AIに質問させると、こちらが見落としていた確認事項が出てきます。あとは対話しながら自社の状況に合わせて詰めていってください。
今週やることのチェックリスト
- 棚卸し:6種類の検索語で1〜2ページ目を確認し、表に記録した
- タイプ判定:各ページを1〜4のどれかに分類した
- 証拠保全:削除依頼を出す対象のスクリーンショットとURLを保存した
- 優先順位:社名単体の検索結果を最優先と決めた
- 担当と期限:誰がいつまでにやるかを決めた(ここが決まらない会社が本当に多い)
- 専門家に渡すもの:タイプ3に該当するものを抜き出し、相談先を決めた
どのくらいで、どこまで変わるのか

正直にお伝えすると、自分でやる逆SEO対策は短期で結果が出るものではありません。1〜2週間で並びが変わることは、まずありません。かかる期間は、既存ページの状態や悪評ページの強さによって大きく変わります。
新しく作ったページがいつ検索結果に反映され、どう評価されるかは検索エンジン側が決めることなので、こちらでは動かせません。分かっているのは、始めてすぐに並びが変わるものではないということだけです。
目標の置き方は「1ページ目で何枠を取れたか」
順位だけを見ていると進捗が分かりません。おすすめの見方は、社名で検索した1ページ目のうち、自社が管理できる面をいくつ取れているかを数えることです。
スタート時点で自社サイト1枠だけ、というのはよくある状態です。ここから、会社案内・事例・よくある質問・採用・公式SNS・Googleビジネスプロフィール・動画と積んでいきます。自社管理面が増えるほど、検索した人が最初に読む情報を自社側で用意できる状態に近づきます。
数え方の注意。1ページ目の見え方は、広告・強調スニペット・地図表示などで検索語ごとに変わります。自社管理面を増やしても、悪評ページが必ず下がるとは限りません。順位を決めるのは検索エンジン側だからです。枠数は目標設定の考え方であり、成果を保証する数字ではありません。業種や既存ページの状態、悪評ページの強さによって結果は大きく変わります。
うまくいっている会社に共通すること
私たちがこれまで相談を受けてきた会社を振り返ると、逆SEO対策がうまく回っているところには共通点があります。悪評そのものと戦っていない、という点です。
彼らがやっているのは、公式発信を決まったペースで淡々と続けることです。新サービスの案内、施工事例、社員インタビュー、お客さまからの質問への回答。派手さはありませんが、続けるほど自社で説明できる材料が増えていきます。ここは統計を取ったものではなく、あくまで私たちが実際に見てきた範囲での話として読んでください。
逆に、少し続けて結果が出ないからと止めてしまう会社は、そこまでの投資が全部無駄になります。この取り組みは、途中でやめると元に戻る性質のものです。
コストの現実的な見立て
自分でやる場合、かかるのは主に時間です。棚卸し、削除依頼、ページ制作、月1回の点検。それぞれにまとまった時間が要りますが、必要な量は既存ページの状態や対象の検索語の数によって大きく変わります。まず1か月やってみて、自社の実測値を出してください。
その時間を毎月確保できるかどうかが、内製か外注かの分かれ目です。担当者が他業務と兼任の状態で、半年にわたって作業時間を確保するのは、実際にはかなり難しいと思っておいたほうがいいです。
よくある失敗と、その防ぎ方

ここからは、実際に現場で見かける失敗を挙げます。どれも善意でやっていて、悪化させてしまうパターンです。
失敗1。サテライトサイトを大量に作って押し下げようとする
「対策用のサイトを10個作って、そこから記事を出せば押し下げられる」という発想です。Google 検索のスパムに関するポリシーには「無断で複製されたコンテンツ」「誘導ページ」「スパム性のある自動生成コンテンツ」といった項目があり、検索順位を上げる目的で作られた、独自の価値がないページはこれらに該当します。Googleは同ポリシーで、違反したサイトは検索結果で順位が下がるか、まったく表示されなくなる場合があると説明しています。
その結果どうなるかというと、押し下げたかったページは残り、自分で作ったサイト群だけが評価されません。労力もドメイン代も丸ごと無駄になります。
防ぎ方はシンプルです。新しいドメインを増やすより、自社ドメインの中でページを増やす。同じ労力なら、自社サイト内に事例やよくある質問を積んだほうが、確実に効きます。
失敗2。事実に基づく批判を消しにいく
実際にあったトラブルの投稿を、削除依頼で消そうとするケースです。管理者は削除に応じませんし、依頼したこと自体が新しい投稿のネタになることもあります。
こうなると、元の1件だった問題が、「隠蔽しようとした会社」という話に育ってしまいます。回復にかかる時間は何倍にもなります。
防ぎ方は、タイプ判定を先にやることです。事実に基づく批判だと分かったら、削除には手を出さず、改善と公表に切り替えます。改善したことを自社サイトで書けば、それ自体が検索結果の1枠になります。
失敗3。守るべき検索語を間違えている
社名で検索したときの結果ばかり気にして、代表者名やサービス名を見ていないケースです。BtoBの取引では、担当者は社名だけでなく代表者名も調べます。
実際、社名はきれいなのに代表者名で検索すると掲示板が並ぶ、という状態はよくあります。この場合、社名の対策をいくら進めても、取引先の不安は解消されません。
防ぎ方は、ステップ1の棚卸しで代表者名・役員名・主力サービス名を必ず入れることです。それぞれで別の対策が必要になることもあります。
失敗4。強い言葉で削除依頼を繰り返す
1回目の依頼に返信がないと、だんだん文面が強くなっていきます。「法的措置を検討する」「〇日までに回答なき場合は」といった表現が入り始めたら要注意です。
正当な権利行使であっても、根拠を示さないままの威圧的な要求は、相手側から反撃される口実になります。やり取りの内容そのものを公開されるリスクもあります。
防ぎ方は、1回出したら待つこと。回答がない、または拒否された時点で、自社対応は打ち止めにして専門家に引き継ぎます。押し切ろうとしないでください。
失敗5。AIで記事を量産して埋めようとする
生成AIで似たような記事を大量に作り、自社サイトに投下するやり方です。数は増えますが、中身が薄いページは評価されないので、枠は取れません。
Googleは有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成で、検索順位の操作を主な目的として自動生成されたコンテンツはスパムに関するポリシーの違反にあたると説明しています。作った本人は「量が増えた」と思っていても、検索結果では枠にならないということです。
防ぎ方は、AIを「量を増やすツール」ではなく「1本を仕上げるツール」として使うことです。事例1本を作るのに、構成案づくり・文章の推敲・読みやすさの点検でAIを使う。この使い方なら失敗しません。
現場で見えた限界と、正直な妥協点
ここからは、教科書的な記事にはあまり書かれない話をします。逆SEO対策を実際にやると、必ずぶつかる壁です。
完全に消えることは、ほぼない
まずこれを受け入れる必要があります。検索結果から悪評が完全に消える、という結末はめったにありません。現実的なゴールは「1ページ目から外す」「検索した人が最初に公式情報を見る状態にする」です。
ゼロにすることを目標にすると、いつまでも成功しません。どこで手を止めるかを最初に決めておいてください。私たちがおすすめするのは、社名単体の検索で1ページ目に悪評が出なくなった時点を、いったんのゴールにすることです。
業者選びで見るべき点
自社でやりきれず外注を検討する場合、判断材料は次のとおりです。ここを外すと、お金を払って状況を悪化させることになります。
- 手法を説明できるか:「独自のアルゴリズム対策」としか言わない業者は避ける。何のページをどこに作るのかを説明できることが最低条件
- サテライトサイトの扱い:対策用サイトを大量に作る前提の提案は、リスクを必ず確認する。契約終了後にそのサイトがどうなるかも聞く
- 成果の定義:「順位を下げる」ではなく「どの検索語で、何枠を自社管理面にするか」で合意できるか
- 契約終了後の資産:作ったページが自社ドメインに残るのか、業者のドメインなのか。業者側に残る契約だと、解約した瞬間に元に戻る
- 法的案件の切り分け:名誉毀損に該当しうる案件を、SEO施策だけで片付けようとしていないか
順位保証や完全削除保証をうたう提案には注意してください。検索結果の並びは検索エンジンが決めるものなので、第三者が保証できる性質のものではありません。
内製と外注の線引き
現実的な分け方を書きます。棚卸し・タイプ判定・証拠保全・口コミへの返信は、自社でやったほうが速くて正確です。自社の事実を知っているのは自社だけだからです。
一方、ページの設計と継続的な制作は、外に出したほうが続きます。毎月まとまった制作時間を半年確保できる会社は、思っているより少ないです。ここで止まるくらいなら、制作だけ外注して、事実確認は自社でやる形が現実的です。
法的判断は、迷わず弁護士です。SEOの会社に法律の判断はできません。ここを混ぜて相談すると、どちらも中途半端になります。
社内でいちばん時間がかかるのは、実は合意形成
作業そのものより、社内調整に時間がかかります。「悪評に触れるページを作る」という提案は、経営層から嫌がられることが多いからです。
このとき使える説明の仕方があります。「その情報は今も検索すれば出てくる。うちが黙っているから、相手の言い分だけが読まれている」という事実を示すことです。隠す・隠さないの議論ではなく、どちらの説明が先に読まれるかの話に持ち込むと、判断が進みます。
それでも決まらない場合は、まず採用ページやよくある質問など、当たりのやわらかいページから作り始めてください。1枠取れた実績が出ると、次の話が通りやすくなります。
よくある質問
逆SEO対策を自分でやると、費用はいくらかかりますか
直接の出費はほぼゼロで始められます。削除依頼も自社ページの追加も、既存のホームページとスプレッドシートがあれば可能です。かかるのは時間で、必要な量は対象の検索語の数や既存ページの状態によって変わります。順位計測ツールを有料版にする場合や、事例撮影を外注する場合に費用が発生します。
口コミサイトの星評価が低いのですが、これも下げられますか
星評価そのものを操作することはできませんし、やってはいけません。できるのは、検索結果でその口コミサイトより上に自社の情報を置くことと、新しい口コミを自然に増やすことです。ただし謝礼と引き換えに口コミを依頼するのは各サービスの規約違反になるため、避けてください。
効果が出るまでどのくらい待てばいいですか
短期では動きません。いつ反映され、どう評価されるかは検索エンジン側が決めるため、期間を約束できるものではありません。最初の1か月は順位が動かなくて当たり前なので、そこで判断せず、自社管理面の枠が増えているかを指標にしてください。
誹謗中傷がひどいのですが、いきなり弁護士に相談すべきですか
個人情報の露出、なりすまし、脅迫を含む場合は、すぐに相談してください。判断に迷う場合は、違法・有害情報相談センターなどの公的な相談窓口に、まず削除の依頼方法を相談するという段階を踏めます。いずれの場合も、相談前に画面のスクリーンショットとURLを保存しておいてください。
古い情報が残っているだけなら、放置してもいいですか
放置は避けたほうがいいです。閉店や旧サービスの情報が上位に残っていると、問い合わせが減るだけでなく、誤情報での連絡対応に工数がかかります。同じテーマで最新の公式ページを作り、現状を明記してください。古いページがいつ下がるかは検索エンジン側が決めることなので、こちらで動かせるのは正しい情報を出しておくところまでです。
まず今日の5分でやること
この記事を閉じる前に、シークレットウィンドウで自社名と代表者名を検索して、1ページ目に何が並んでいるかだけ見てください。それを表に書き写せば、ステップ1は半分終わります。
そのうえで自社サイト側の土台も整えたい方は、SEO内部対策チェックリストを次に読むと、どのページから手を付けるかの優先順位が決まります。
ここまで読んで、「やることは分かったけれど、毎月その時間を取るのは正直きつい」と感じた方も多いと思います。悪評への対応は、判断を間違えると状況を悪化させるので、迷った状態で進めるのがいちばん危険です。現状の検索結果を一緒に棚卸しして、自社でやる範囲と任せる範囲を整理するだけでも構いません。コレットラボまでお気軽にご相談ください。話を聞かせていただくところから始めましょう。
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