飲食店のホームページ制作|グルメサイトと分ける集客設計と費用
この記事の要点
- 自社サイトとグルメサイトは載せる内容を分ける。振り分け表は本文に掲載
- 制作費が上下するのは写真撮影・予約連携・多言語・更新の仕組み・店舗数
- 飲食店だけに起きる失敗が5つ。契約前の確認項目も本文に掲載
飲食店のホームページは、グルメサイトと同じ内容を並べても効果が出ません。決めるべきは「どの情報を自社サイトに置き、どの情報をグルメサイトやGoogleマップに任せるか」という担当の振り分けです。ここが決まると、ページ数も、撮影の要不要も、見積もりの妥当性も判断できるようになります。
この記事は、飲食店のホームページ制作を「どこにいくらで頼むか」を決める立場の方に向けて書いています。読み終わる頃には、掲載内容の振り分け表を自分で埋められて、制作会社から出てきた見積もりのどこを質問すればいいかが分かる状態を目指します。
扱うのは、掲載内容の決め方・費用の内訳・契約前の確認項目です。WordPressの操作手順そのものは扱いません。公開後に誰がどう更新するかの体制づくりは更新されないサイトの信用低下を直す更新体制の作り方で解説しています。
Contents / 目次
飲食店のホームページは、グルメサイトが答えない3つを引き受ける
飲食店のホームページが担うのは、グルメサイトでは答えられない次の3つです。
- 不安の解消:「この店は自分が行っていい店か」に答える
- 選択肢づくり:「掲載料を払い続けるかどうか」を自分で決められる状態にする
- 情報の供給:Googleマップや生成AIに読ませるテキストを持つ
予約導線そのものはグルメサイトが強いので、そこで勝負しようとすると費用対効果が合いません。
実際の現場でよくあるのが、グルメサイトの掲載情報をそのままコピーしたホームページです。メニューと写真と地図だけが並び、グルメサイトの下位互換になります。これでは店名で検索した人が「もう見た情報だ」と判断して離脱するので、作った意味がほとんど残りません。
指名検索とは、お客さまが店名そのもの(たとえば「〇〇亭 大分」)を打ち込んで検索することです。店名で検索したときに出てくる候補としては、Googleマップ、グルメサイト、自社サイトが挙げられます。この3つで営業時間や定休日が食い違っていると、それだけで信用が落ちます。
どの情報をどこに載せるか。振り分けの一覧
掲載先ごとに、載せやすい情報が違います。次の表は、載せる情報の主担当を決めるためのものです。掲載先の仕様や機能は変わることがあるので、自店が契約しているサービスの管理画面と公式ヘルプで確認しながら、「主に置く場所」を書き換えて使ってください。
| 掲載する情報 | 主に置く場所 | そこに置く理由 |
|---|---|---|
| 住所・電話・営業時間・定休日 | Googleビジネスプロフィール | 地図と検索結果に直接出る。最新に保つ手間が一番小さい |
| メニューと価格 | 自社サイト | 掲載数を自分で決められ、価格改定も自分の判断で反映できる |
| 席・個室・貸切の条件 | 自社サイト | 「何人まで」「何時間まで」など、条件が細かく問い合わせ前に読まれる |
| コースの内容と予約条件 | 自社サイト | アレルギー対応や前日までの連絡など、店側の条件を自分の言葉で書ける |
| 予約枠・クーポン | グルメサイト/予約システム | 予約の受付と枠の管理を、そのサービス側でまとめて扱える |
| 臨時休業・仕入れの告知 | Googleビジネスプロフィール+SNS | 今日明日の話は、検索とタイムラインの両方で目に入る場所が向く |
| 口コミ | Googleビジネスプロフィール/グルメサイト | 第三者の投稿なので、自社サイトに集めても信用の材料になりにくい |
| テイクアウト・仕出し・宴会 | 自社サイト(それぞれ別ページ) | 検索される言葉が「店名」ではなく「地域+仕出し」などに変わる |
| 採用情報 | 自社サイト | 募集条件や働き方を、文字数の制限なく自分の言葉で書ける |
この表で「主に置く場所」が自社サイトになった行が、そのままホームページに必要なページの一覧になります。逆に、グルメサイトやGoogleビジネスプロフィールが主担当の行を自社サイトで作り込むと、更新の手間だけが増えます。
店舗のホームページを「お知らせを出し続ける場所」として使う考え方は、店舗のWeb集客は情報発信型サイトが強い理由と作り方3ステップで詳しく書いています。この記事を読む前に全体像から知りたい方は、そちらを先に見てください。
この章の結論。自社サイトに載せるのは、掲載枠や文字数の制限で他に書けない情報(メニューの全量、席と貸切の条件、コースの予約条件、テイクアウトや宴会)です。この振り分けが決まれば、必要なページ数が決まり、見積もりの前提を自分で説明できるようになります。
飲食店のホームページ制作費が上下する5つの条件
飲食店のホームページ制作費は、ページ数よりも「写真撮影・予約の連携・多言語・更新の仕組み・店舗数」の5つで大きく動きます。同じ10ページのサイトでも、撮影を入れるかどうかで見積もりが変わるので、金額だけを並べて比べても妥当性は判断できません。
金額の幅は、制作会社の体制や自店の条件で大きく変わります。相場を先に調べるより、次の表のどの条件に自店が当てはまるかを確かめてから見積もりを読んでください。
| 費用が動く項目 | 上がる条件 | 抑えるための判断 |
|---|---|---|
| 写真撮影 | 料理カット数が多い、夜の店内撮影、人物(スタッフ・客席)を入れる | まず看板メニューと外観・店内・席まわりに絞る。季節メニューは翌年に回す |
| メニュー掲載の仕組み | メニュー数が多く、価格改定のたびに自分たちで直したい | 更新頻度の高いメニューだけを自社更新の対象にし、通年メニューは固定にする |
| 予約の連携 | 予約システムの空席状況をサイト内に埋め込む、複数システムの併用 | 最初はボタンで予約ページへ送るだけにする。埋め込みは運用が安定してから |
| 多言語対応 | 英語・中国語・韓国語などを別ページとして作り、人の翻訳を入れる | まず英語1言語、対象ページをメニューとアクセスと店のルールに絞る |
| 店舗数・業態数 | 複数店舗、テイクアウトや仕出しなど業態が分かれている | 共通の会社情報は1か所にまとめ、店舗ページだけ増やせる構造にしておく |
見積もりを比べるときは、この5項目が「含む」「含まない」のどちらなのかを1行ずつ聞いてください。特に撮影費は制作費とは別立てになっていることが多く、あとから追加で請求される形になりがちです。業種ごとの費用の考え方は業種別ホームページ制作費用の相場|クリニック歯科士業の目安にもまとめています。
月額の保守費と、メニュー更新の代行費は別のものです。「保守に含まれます」と言われたら、月に何回まで・何営業日で反映されるか・写真の差し替えは含むかを確認してください。ここが曖昧なまま契約すると、価格改定のたびに追加見積もりになります。
この章の結論。金額の高い安いではなく、5項目の含む含まないで見積もりを並べ直すと、比較できる形になります。自店が今どれを必要としているかを先に決めれば、削る判断もその場でできます。
掲載内容の決め方。5ステップで自社サイトの担当を決める
掲載内容は、制作会社に相談する前に自分たちで決められます。ここでは、発注前の2〜3週間でできる5つのステップを書きます。この5つを済ませてから相談すると、打ち合わせの回数が減り、手戻りも起きにくくなります。
ステップ1 いまの来店が「どこ経由か」を2週間数える
最初にやるのは、来店のきっかけを実際に数えることです。予約台帳に「きっかけ」の1列を足し、電話予約なら「どちらでお知りになりましたか」と1問だけ聞いて記録します。当日来店の場合は、会計時にスタッフが見立てで分類するだけでも構いません。
分類は5つに絞ります。細かくすると記録が続きません。
- グルメサイト:予約サイト経由の予約
- Googleマップ・検索:地図アプリや検索から電話・来店
- SNS:Instagram・LINE・X経由
- 紹介・常連:知り合いの紹介、リピート
- 通りがかり:看板や立地で入った
2週間分を数えると、自社サイトに投資する意味がある店かどうかが見えます。紹介と通りがかりが大半を占める店なら、ホームページより先に外観と看板を直したほうが効きます。逆にグルメサイト経由が大きな割合を占めているなら、掲載料に依存した状態なので、自社サイトを作る価値は高くなります。割合の線引きは業態と立地で変わるので、自店の数字を見て判断してください。
ステップ2 4つの掲載先に、情報の担当を割り振る
次に、この記事の前半にある振り分け表を自店の言葉で埋めます。埋め方は簡単で、各行について「この情報を月に何回直すか」を書き添えるだけです。前半の表と同じ考え方で、直す回数が多い情報ほど、店側がその場で直せる掲載先(GoogleビジネスプロフィールやSNS)を主担当にしておくと、運用が続きます。
ここで一緒に決めておくと後が楽なのが、担当者です。営業時間の変更を誰がどこに反映するかを、店長・社員・制作会社の3者で分けて書き出してください。この1枚があると、制作会社に「更新の権限をどこまで店側に渡すか」を具体的に依頼できます。
ステップ3 メニューはテキストで書く。画像とPDFだけにしない
メニューページは、必ず文字(テキスト)で書いてください。紙のメニューを写真に撮って貼るだけ、PDFを1枚置くだけ、という作り方は飲食店で本当によく見ますが、料理名や価格がページ上の文字として読めないと、読んだ人がその場でコピーしたり検索したりできません。スマホでは拡大しないと読めないという問題も起きます。
書き方の型はこれで十分です。次の順で並べます。
- 料理名
- 価格
- 税込か税別かの表記
- 1行の説明
- 写真
1行の説明には、使っている食材と、どんな場面に向くか(昼のセット向き、辛さの目安など)を入れると、読んだ人が注文を想像できます。
説明文を全品ぶん書くのは大変なので、ここはAIに下書きを作らせると早く進みます。渡す材料は、料理名・主な食材・調理法・想定する客層の4つです。次のような短いお願いから始めて、返ってきた文を見ながら会話で詰めていくのが実際に速いやり方です。
あなたは飲食店のメニュー原稿を書くライターです。
次の情報から、1品につき40〜60字の説明文を作ってください。
・店の業態:[例 夜は居酒屋、昼は定食]
・料理名:[料理名]
・主な食材と産地:[分かる範囲で]
・調理法:[焼く・煮る・揚げる など]
・読む人:[例 会社帰りの30〜50代、初来店]
条件
・食材と調理法が伝わる言葉を必ず入れる
・「絶品」「最高」など、味を断定する言葉は使わない
・アレルギー、産地、効能は、こちらが伝えた事実だけを書く
出てきた文は、そのまま載せてはいけません。人が必ず確認するのは3か所です。産地の表記、アレルギー特定原材料の記載、そして価格。AIは、渡していない産地や食材を、それらしく補って書くことがあります。ここは店側の責任になる情報なので、1品ずつ目で確かめてください。
メニューの情報は、Googleに読み取ってもらうための書き方もあります。Google検索セントラルのローカルビジネスの構造化データのページでは、「ローカル ビジネスの構造化データにより、営業時間、一つのビジネスにおける各部門の情報、クチコミ(他のビジネスに関するものをサイトが収集している場合)などを Google に伝えることができます」と説明されています(Google検索セントラル ローカルビジネスの構造化データ・2026年09月11日時点)。飲食店で使うRestaurant型と、そこで指定できるプロパティの一覧は、schema.org Restaurantで確認できます。
下は、記述の形を確かめるための例です。使えるプロパティ、必須項目、Googleが検索結果でどう扱うかは変わることがあるので、貼る前に上のGoogle公式ドキュメントとschema.orgのページで現在の仕様を確認してください。サイトの<head>内、または全ページ共通で読み込まれる場所に貼り、角かっこの部分を自店の情報に置き換えます。
<!-- 設置場所 サイトの <head> 内(WordPressならテーマのheader.php、
または全ページ共通で読み込まれるテンプレート)
[ ]の中だけを自店の値に置き換える。貼ったあとは
Google検索セントラルのリッチリザルトテスト
https://search.google.com/test/rich-results で読み取れるか確認する -->
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Restaurant",
"name": "[店名]",
"url": "https://[自店サイトのドメイン]/",
"telephone": "+81-97-000-0000",
"servesCuisine": ["[和食]", "[居酒屋]"],
"menu": "https://[自店サイトのドメイン]/menu/",
"priceRange": "¥¥",
"image": "https://[自店サイトのドメイン]/images/[外観写真のファイル名].jpg",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "[寿町8-11]",
"addressLocality": "[大分市]",
"addressRegion": "[大分県]",
"postalCode": "[870-0036]",
"addressCountry": "JP"
},
"openingHoursSpecification": [
{
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": ["Monday","Tuesday","Wednesday","Thursday","Friday"],
"opens": "11:30",
"closes": "14:00"
},
{
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": ["Monday","Tuesday","Wednesday","Thursday","Friday","Saturday"],
"opens": "17:30",
"closes": "22:30"
}
]
}
</script>
電話番号の表記の仕方や、使えるプロパティ、必須項目は変わることがあるので、正確な仕様は上のGoogle公式ドキュメントとschema.orgのページで確認してください。
ステップ4 予約の受け口を決め、営業時間外の受け皿を作る
予約の受け口は1本に決めてください。電話・自社フォーム・予約システム・グルメサイトの4つが並んでいると、どこから来たか分からなくなるうえに、台帳が分かれてダブルブッキングが起きます。
決め方はこれで足ります。
- 当日・少人数の予約は電話を第一にする(飲食店では今も電話が速い)
- コース・宴会・個室など条件の多い予約は、自社サイトのフォームに寄せる
- グルメサイトの予約枠は残すが、台帳はどれか1つに集約して毎朝転記する担当を決める
忘れられがちなのが、営業時間外の受け皿です。営業していない時間帯はフォームだけが受け口になるので、フォーム送信後の自動返信に「ご予約の確定は営業開始後のご連絡をもってとさせていただきます」と書いておくと、電話が鳴らない時間のすれ違いが減ります。
宴会やコースの問い合わせフォームは、入力項目を増やしすぎないことも大事です。飲食店で必要なのは、日時・人数・連絡先・要望の4つと、アレルギーの有無くらいです。項目設計の考え方は問い合わせフォームは5項目に絞る|BtoBの入力設計と問い直しが参考になります。
ステップ5 公開前チェックリストで、8項目を確認する
公開の直前に、次の8項目を店側の目で確認してください。制作会社のチェックとは別に、店の実態を知っている人が見ないと気づけないものだけを挙げています。
- 営業時間と定休日:サイト・Googleビジネスプロフィール・グルメサイトの3か所が一致しているか
- ラストオーダー:閉店時間だけでなくラストオーダーの時刻が書いてあるか
- 電話番号:スマホで表示したとき、番号をタップして発信できるか
- 駐車場:台数、提携駐車場、料金負担の有無が書いてあるか
- 席の条件:個室の人数、貸切の最低人数、滞在時間の上限
- 価格の表記:税込か税別か、サービス料・お通し代の有無
- 写真の中身:外観・入口・店内の席・トイレまわりの清潔感が分かる写真があるか
- 禁煙喫煙:店内の喫煙可否と、20歳未満の入店可否
このうち、初来店の人がいちばん気にするのに抜けやすいのが、外観と入口の写真です。料理写真は皆そろえるのに、入口の写真がない店がとても多い。初めての店に入るときの不安は「入口が分からない」「どんな雰囲気か分からない」から来るので、ここが1枚あるだけで来店のハードルが下がります。
この章の結論。ステップ1で数えた来店経路と、ステップ2の振り分け表があれば、必要なページと更新の担当が決まります。この2つを持って相談に行けば、制作会社との打ち合わせが「何を作るか」ではなく「どう作るか」から始められます。
公開後に何が変わるか。指名検索とAI検索での見え方
ホームページを公開して最初に変わるのは、予約数ではなく「予約前の取りこぼし」です。店名で検索した人が、営業時間・席の条件・価格帯を自社サイトで確認して、そのまま電話するという流れができます。ここは数字に出にくいのですが、電話で同じ質問を繰り返し受けている店ほど効きます。
効果の大きさは業態と立地で大きく変わるので、目安の数字を置くより、自店の実数を数えるほうが確実です。1週間、電話のうち「個室はありますか」「アレルギー対応できますか」といった確認だけの電話が何件あったかを記録してください。その件数が、サイトで解決できる可能性のある問い合わせの上限になります。
飲食店の省力化については、農林水産省が飲食業における省力化投資の促進のページで、省力化の進め方や業務ごとの導入機器・システム、導入効果と費用対効果、店舗の取組事例、支援策をまとめたガイドブックを公表しています。予約や問い合わせの受け方を見直すときは、こうした公的な資料も判断材料になります。
生成AIとGoogleマップに、自店の情報が渡るようになる
2026年のいま、もう1つ大きいのが、生成AIに聞かれたときの見え方です。「大分市で個室のある和食」のように聞かれる場面を想定すると、メニューや席の条件がテキストで書かれていないページは、そもそも読み取れる情報を持っていない状態になります。
やることは特別ではありません。メニュー・席の条件・アクセス・定休日を、文字で、1ページ1テーマで書く。それだけです。AI検索向けの特別な仕掛けを足すより、人が読んで分かる情報をテキストで持っていることのほうが効きます。
うまくいっている飲食店サイトに共通しているのは、ページが多いことではなく、更新が止まっていないことです。季節メニューの入れ替えと年末年始の営業案内が毎年ちゃんと出ている店は、来店を考えている人が見たときに「今も営業している店だ」と分かります(更新頻度そのものが検索順位や地図表示を上げるわけではありません)。
この章の結論。公開直後に見るべきは予約件数ではなく、確認のための電話が減ったか、店名で検索した人が自社サイトを見ているかの2つです。どちらも、自店の実数を数え続けて変化を見てください。
飲食店サイトでよく起きる5つの失敗と、その防ぎ方
ここでは、飲食店のホームページでだけ起きる失敗を5つ挙げます。どれも実際によく見かけるもので、公開してから半年以内に表面化します。
失敗1 メニューを画像かPDFだけで載せる
紙のメニューをスキャンして貼るだけ、という作り方をすると、料理名や価格がページ上の文字として読めないページになります。スマホで見たときに拡大しないと読めないので、その場で離脱されます。
防ぎ方は、見積もり段階で「メニューはテキストで組んでください」と依頼要件に入れておくことです。画像で作るほうが制作側は安いので、指定しないと画像になることがあります。紙のメニューは雰囲気を伝える補助として併載すれば十分です。
失敗2 予約台帳が2つに分かれてダブルブッキングする
グルメサイトの予約と、自社サイトのフォーム予約を、別々の台帳で管理している状態で起きます。特に金曜の夜や忘年会シーズンのように、同じ時間帯に複数の予約が入る日に表面化します。個室を2組に確約してしまった、という事故はここから起きます。
防ぎ方は、ステップ4に書いたとおり、台帳をどれか1つに決めて、毎朝の転記を誰がやるかを決めることです。システムを連携させる前に、この運用のルールを先に決めてください。連携を入れても、転記の担当が決まっていなければ同じことが起きます。
失敗3 営業時間が4か所でズレたまま放置される
営業時間が書かれている場所は、次の4か所です。
- 自社サイト:営業時間ページ、フッター
- Googleビジネスプロフィール:通常の営業時間と特別営業時間
- グルメサイト:掲載している各サイト
- SNSのプロフィール欄:Instagram・X・Facebookなど
年末年始や臨時休業のたびに直す場所が増えていきます。1か所だけ直して残り3か所が古いまま、という状態が最も多く、来店した人が閉まっていて怒る、という形で跳ね返ります。
防ぎ方は、掲載先の一覧と、それぞれのログイン情報・担当者を1枚の表にして、休業を決めた日にその表を見ながら順に直す運用にすることです。制作会社との契約時に「営業時間の変更は店側が自分で直せる形にしてください」と伝えておくと、都度の依頼が要らなくなります。
失敗4 料理写真だけで、店内と入口の写真がない
撮影の日に料理を中心に撮ると、こうなります。特に夜営業のみの店は、外観の写真を撮るタイミングを逃しがちです。初来店の人は「入りづらそう」「一人でも大丈夫か」を写真で判断するので、ここが無いと予約の手前で止まります。
防ぎ方は、撮影の依頼時に撮るものの一覧を先に渡すことです。次の6点を追加するだけで、伝わり方が変わります。
- 外観:明るい時間と夜の2枚
- 入口:のれん・扉・階段など、迷いやすい部分
- カウンター:一人客が座る場所
- テーブル席:人数のイメージが分かる角度で
- 個室:広さと仕切りの様子
- 厨房まわり:清潔感と調理の雰囲気
失敗5 ランチ・宴会・テイクアウトを1ページに詰め込む
「メニュー」という1ページに、ランチも宴会コースもテイクアウトも並べると、どの検索語にも当たらないページになります。地域名+テイクアウトで探している人と、地域名+忘年会で探している人は、求めている情報がまったく違うからです。
防ぎ方は、業態ごとにページを分けることです。
- ランチ:時間帯、セット内容、価格帯
- ディナー:単品メニュー、ラストオーダー
- 宴会・コース:人数、飲み放題の条件、予約期限
- テイクアウト・仕出し:受け渡し方法、注文期限、配達範囲
この4つは、それぞれ価格帯も予約方法も違うので、分けても書くことに困りません。ページを分けると、それぞれの検索意図に合った内容を1ページずつ書けるようになり、読んだ人が探していた条件をその場で確認できます(ページを分けること自体が検索順位を上げるわけではありません)。
この章の結論。5つの失敗のうち4つは、制作の依頼要件に1行書いておけば防げます。契約前に「メニューはテキスト」「営業時間は店側で更新できる形」「撮影は6点を追加」を伝えてください。
発注する側が見落とす、契約前の確認項目
飲食店のホームページで、公開後にいちばんもめるのは、更新のたびに費用と時間がかかる状態です。原因は制作会社の姿勢ではなく、契約の時点で「誰が・何を・どのくらいの頻度で直すか」を決めていないことにあります。
更新が止まる本当の理由は、写真の用意
更新が止まる店を見ていると、止まっているのは文章ではなく写真です。季節メニューを出すたびに、撮影して、明るさを直して、サイズを合わせて、という作業が発生します。営業中は手が空かないので、この作業は営業時間の後に回りがちです。
だから、更新の仕組みを作るときは「スマホで撮った写真をそのまま上げても、ページが崩れない」形にしてもらってください。縦位置の写真でもレイアウトが壊れないか、容量の大きい写真を上げてもページが重くならないかを、契約前に確認する項目として挙げておきます。
契約前に確認する6項目
発注前に、次の6つを書面で確認してください。あとから聞くと角が立つものばかりなので、見積もり段階で聞くのが一番もめません。
- ドメインとサーバーの名義:店(法人)名義になっているか。制作会社名義だと、会社を変えるときに引き継げないことがある
- 更新できる範囲:メニューの価格、写真、お知らせのうち、どれを店側が自分で直せるか
- 更新代行の条件:月に何回まで、何営業日で反映されるか、超えたらいくらか
- 写真の使用権:撮影した写真を、グルメサイトやSNS、チラシにも使えるか
- 予約システムの扱い:解約したとき、予約ページとデータがどうなるか
- 公開後の連絡先:担当者が変わったとき、誰に連絡すればいいか
向き不向きがある。この条件だと効きにくい
率直に言うと、ホームページを作っても効きにくい店はあります。ステップ1で数えた結果、来店の大半が通りがかりと常連で、席数が少なく、ランチ中心で客単価も抑えている店。この条件だと、投資額に見合う変化が出るまでに時間がかかります。
このタイプの店なら、先にGoogleビジネスプロフィールの写真と投稿を充実させるほうが費用対効果は高くなります。逆に、コースや宴会の予約が売上の柱になっている店、客単価が高く事前に下調べされる店、テイクアウトや仕出しを伸ばしたい店は、自社サイトの効きが大きくなります。条件を見て、順番を決めてください。
AIを使ってサイトを自分たちで作る選択肢もあります。ただし飲食店の場合、写真と、メニュー情報の正確さが価値の大半を占めるので、AIで作れるのは器の部分までです。器だけを安く作るか、中身の設計から頼むかの判断になります。AIでの制作の進め方はAIホームページ作成5ステップ|ツール選びとプロンプト例にまとめています。
この章の結論。契約前に確認する6項目と、自店の業態・客単価から見た向き不向き。この2つを先に見ておけば、作ったあとに「思っていたのと違う」が起きにくくなります。
飲食店のホームページについて、よくある質問
グルメサイトの掲載をやめて、ホームページだけにしても大丈夫ですか
いきなりやめるのはおすすめしません。まず来店経路を2週間数えて、グルメサイト経由が何割かを確かめてください。依存している割合が大きいなら、自社サイトからの予約が伸びてきたことを実数で確認できるまで並行させるのが安全です。判断は掲載料ではなく、経由の実数で決めてください。
3店舗あるのですが、店舗ごとにサイトを分けるべきですか
業態が違うなら分け、同じ業態なら1サイトに店舗ページを並べる形がおすすめです。居酒屋と焼肉店のように業態が違うと、探している人も検索する言葉も違うので、混ざると伝わりません。同じ業態なら、会社情報や採用ページを共通で使えるぶん、1サイトのほうが更新が楽になります。
インバウンド向けの英語ページは必要ですか。自動翻訳ではだめですか
観光地や駅前の立地なら、まず英語1言語から作る価値があります。ただし自動翻訳だけに任せるのは危険で、特にアレルギー表示と、宗教上食べられない食材の表記は誤訳が事故につながります。メニューとアクセスと店のルールの3ページだけ人が確認する、という分け方が現実的です。
メニューの価格改定が多いのですが、そのたびに制作会社に頼むことになりますか
契約の内容次第です。価格を店側で直せる形にしてもらえば、依頼は不要になります。見積もりの段階で「価格と品名は自社で更新したい」と伝えてください。伝えていないと、更新のたびに依頼する作りになっていることがあります。
写真はスマホで撮ったものでも大丈夫ですか
お知らせや日々の投稿はスマホで十分です。ただしトップページと看板メニュー、外観の3か所は、プロに撮ってもらう価値があります。この3か所は初来店の判断に直接効くので、ここだけ予算を集めて、残りは自分たちで撮るという分け方をおすすめします。
今日すぐできる最初の一歩
まずはスマホで自店名を検索して、出てきたGoogleマップ・グルメサイト・自社サイトの3つで、営業時間とラストオーダーが一致しているかだけ確認してください。1分で終わりますが、ズレていた場合はホームページを作る前に直すべき最優先の項目です。
その次に見積もりを取る段階まで進むなら、ホームページ制作会社の選び方|費用相場と失敗しない判断軸で、比較の視点を確かめておくと話が早くなります。
ここまで読んで、掲載内容の振り分けや見積もりの見方を自社だけで決めるのが難しそうだと感じた方は、一度お話を聞かせてください。メニュー更新まで含むホームページ制作のご相談を受けています。いまグルメサイトにいくら払っていて、来店がどこから来ているかをうかがうだけでも大丈夫です。
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