広告運用代行で成果が出ない|数字の確認と広告代理店の変更判断
この記事の要点
- 替える前に見るのは、コンバージョンの中身・上限CPA・予算の消化率の3つ
- 広告アカウントの所有者が代理店だと、変更時に学習と計測履歴を失う
- 変更でだけ起きる失敗が4つ。順番を間違えると数字が止まる期間が長くなる
広告運用代行で成果が出ないとき、最初にやるのは代理店探しではなく、手元の3つの数字を確認することです。
- コンバージョンの中身:成果として数えている行動が、事業の成果と一致しているか
- CPA:自社の粗利から逆算した上限に収まっているか
- 予算:組んだ金額を使い切れているか
この3つで、原因が代理店の運用にあるのか、商材や受け皿の側にあるのかが分かれます。
この記事は、広告運用を外部に任せていて、契約を続けるか変更するかを決める立場の方に向けて書いています。読み終わる頃には、次の定例会で何を聞き、どの数字が出てこなければ変更を検討するのか、自分の言葉で決められる状態を目指します。
扱うのは「任せている状態で判断する」ための材料です。配信そのものの不調を自分で切り分けたい方は、Web広告で問い合わせが来ない原因を5層で切り分ける点検手順のほうが近いので、先にそちらを読んでください。
Contents / 目次
成果が出ないと感じたら、最初に見る3つの数字
成果が出ないという感覚を、代理店に伝える前に数字へ置き換えます。感覚のまま「成果が出ていない」と伝えると、返ってくるのはクリック数と表示回数のグラフで、話が前に進みません。
見る数字は3つです。
- コンバージョンの中身。広告管理画面のCV件数と、社内の問い合わせ台帳の件数が合っているか
- CPAと上限CPA。1件の獲得にかかっている金額が、粗利から逆算した上限を超えていないか
- 予算の消化率。組んだ予算を使い切れているか、それとも余っているか
コンバージョン(CVとも書きます)とは、広告経由で起きた「成果として数える行動」のことです。問い合わせ送信、電話、資料ダウンロードなど、何を数えるかは自社で決めます。ここがずれていると、以降の数字はすべて意味を持ちません。
症状ごとに、見る場所と当たりを付けておくと定例会が早く進みます。
| いま起きている症状 | 確認する数字 | どこで見るか | 疑う原因 |
|---|---|---|---|
| クリックはあるが問い合わせが0件 | CV件数と台帳の件数の差 | 広告管理画面と自社の問い合わせ記録 | 計測もれ、広告文とLPの内容の食い違い |
| 問い合わせは来るが受注につながらない | 商談化率、受注率 | 自社の営業記録 | キーワードの幅、除外設定の放置 |
| 1件あたりの費用が高い | CPAと上限CPA | 管理画面と粗利の計算 | 入札設定、LPの成約率 |
| 予算が毎月余る | 実際の消化額と設定した予算の差 | 管理画面の費用と、自社で組んだ予算表 | 地域や条件の絞り込みすぎ、需要そのものの少なさ |
| そもそも数字が出てこない | アカウントの所有者と権限 | 契約書と管理画面のアクセス権限 | 代理店側のアカウントで運用されている |
ここが分かれ目。上の表で「そもそも数字が出てこない」に当てはまる場合、運用の巧拙以前の問題です。データが見えない契約は、成果が出ていないことを証明することも、改善が効いたことを確認することもできません。
この章で押さえるのは、代理店の良し悪しを議論する前に、判断の土台になる3つの数字が自社の手元にあるかどうかです。3つとも出てくるなら運用の中身を詰められますし、出てこないなら契約条件そのものが先に来ます。
代理店を替える前に、社内で確認する5ステップ
広告代理店の変更を検討する前に、5つのステップを踏んでください。ここを飛ばして次の会社を探すと、同じ状態が半年後に再現します。変更しても数字が変わらないときは、計測とオファーの側に原因が残っていないかを先に見てください。
ステップ1 広告アカウントの所有者と権限を確認する
最初にやるのは、Google広告やMeta広告のアカウントを誰が持っているかの確認です。名義と権限がどうなっているかで、担当会社を替えたときにアカウントをそのまま使えるかどうかが変わります。呼び方や権限の種類は媒体によって違うので、名称ではなく実態を、媒体の公式ヘルプと合わせて確認してください。
確認するのは次の3点です。
- アカウント名義:広告アカウントの請求先と名義が自社になっているか
- 自社の権限:自社のメールアドレスでログインして、いつでも数字を見られるか
- 契約書の条項:契約終了時のアカウントとデータの取り扱いが書かれているか
そのまま送れる確認の文面を置いておきます。責める文面にする必要はありません。
お世話になっております。
社内で来期の予算を検討するにあたり、下記3点を教えてください。
1. 現在配信中の広告アカウントの名義(弊社名義か、御社名義か)
2. 弊社側の管理者アカウント(担当者のメールアドレス)に付与されている権限の種類
3. コンバージョン計測に使っているタグの発行元
(弊社のアナリティクス/タグマネージャーか、御社側の環境か)
いずれも社内説明のための確認で、契約内容の変更を前提としたものではありません。
ステップ2 コンバージョン件数を、社内の記録と1件ずつ突き合わせる
直近1か月の管理画面のCV件数と、実際に社内に届いた問い合わせ件数を並べます。件数が大きく食い違っているなら、運用ではなく計測を疑ってください。
ずれの原因として、次のいずれかが考えられます。
- 計測もれ:サンクスページに戻らない形のフォームで、送信が数えられていない
- 二重計上:同じ人の再送信や、自社スタッフのテスト送信が重複して数えられている
- 対象外:電話での問い合わせが、そもそも数に入っていない
電話が主な受け口の業種では、電話での問い合わせが計測に入っていないと、管理画面のCVと実態が大きく離れます。計測の中身を自分で確かめたい場合は、GA4とGTMでフォーム送信をコンバージョン計測する設定手順で仕組みを確認しておくと、代理店との会話が具体的になります。
ステップ3 上限CPAを粗利から逆算する
CPAが高いか安いかは、業界平均ではなく自社の粗利で決まります。CPA(コンバージョン単価)とは、1件の問い合わせを取るのにかかった広告費のことです。
逆算の例を出します。数字は自社のものに置き換えてください。
| 項目 | 例の数値 | 計算 |
|---|---|---|
| 平均受注単価 | 50万円 | 直近1年の平均 |
| 粗利率 | 30% | 粗利は15万円 |
| 問い合わせからの受注率 | 20% | 5件で1件受注 |
| 問い合わせ1件の期待粗利 | 3万円 | 15万円 × 20% |
| 粗利のうち獲得に回す割合 | 3分の1 | 残りは人件費と利益 |
| 上限CPA | 1万円 | 3万円 ÷ 3 |
この例なら、月に2件受注したい場合に必要な問い合わせは10件、広告費は10万円が目安になります。ここに手数料が乗ります。
逆算の考え方をもう少し詳しく確認したい方は、CPAを粗利と受注率で逆算するコンバージョン単価の決め方を見てください。この数字を持って定例会に出ると、話が「クリック単価が下がりました」から「上限1万円に対して現状いくらか」に変わります。
ステップ4 検索語句レポートの上位30語を自分の目で読む
検索広告を使っているなら、直近30日の検索語句レポートを出してもらってください。実際にどんな言葉で検索した人が広告をクリックしたかの一覧です。
読み方は単純です。上位30語のうち、自社が受けたい仕事と関係のない語がいくつあるかを数えます。数えるだけなので10分で終わります。
関係のない語が目立つなら、除外キーワードの設定が止まっています。「無料」「自分で」「求人」「やり方」といった語が並んでいるのに手つかずなら、そこが最初に直す場所です。
この作業は地味で手間がかかるため、手数料を下げた契約でまず止まる工程でもあります。数え方の考え方はBtoBの無駄打ちを減らす広告の除外設定4種と月次点検にまとめています。
ステップ5 もらっているレポートの数字を、管理画面と突き合わせる
最後に、月次レポートの数字を管理画面の実数と照合します。自社の権限でログインし、同じ期間・同じ指標で並べるだけです。
ここで見たいのは不正の有無ではありません。レポートに載っていない指標は何か、を見ます。表示回数とクリック率だけが並んでいてCPAと予算の消化率が無いなら、報告する側が触れたくない数字がそこにあります。
この章で押さえるのは、5ステップを終えた時点で「代理店を替えれば直る問題」と「替えても残る問題」が分けられる、という点です。計測もれとオファーの弱さは、どの会社に頼んでも残ります。
続けるか、広告代理店を変更するかの分かれ目
判断は、担当者の印象ではなく条件で決めます。5ステップの結果を、次の表に当てはめてください。
| 状況 | 続けて改善を求める | 変更を検討する |
|---|---|---|
| アカウントとデータ | 自社名義で、いつでも見られる | 代理店名義で、開示を求めても出てこない |
| 報告の内容 | 次に何を試すかと、その理由が書かれている | 数字の羅列だけで、翌月の施策が無い |
| 依頼への反応 | 断る場合も理由を説明する | 返信が数日単位で、依頼が滞留する |
| 検索語句と除外 | 毎月手が入っている | 3か月以上、除外リストが増えていない |
| 数字の推移 | CPAか商談化率のどちらかが動いている | 半年間、どの指標も横ばい |
| ずれの原因 | 計測やLPなど、自社側にも課題がある | 自社側を直したのに変化がない |
右の列が3つ以上当てはまるなら、変更を具体的に検討する段階です。1つか2つなら、条件を明文化したうえで3か月の改善期間を置くほうが、引き継ぎのコストを考えると現実的です。
判断の期間は、コンバージョン数で決めてください。月のコンバージョンが数件しかないアカウントでは、1か月ごとの増減は偶然のぶれと見分けがつきません。この規模なら3か月分をまとめて見る前提で、改善期間も3か月単位で区切ります。
もうひとつ、経営として押さえておく視点があります。どこに配信されているかを把握しないまま任せきりにすることは、担当者レベルの作業ではなく、経営レベルの論点として扱ってください。配信先や配信面のリスクは、広告費の使われ方そのものに関わります。定例会では、成果の数字と合わせて「どこに出ているか」を確認する時間を取ってください。
この章で押さえるのは、変更の判断が「成果の数字」だけでは決まらないという点です。データの開示、報告の質、反応の速さという運用体制の側に3つ以上ひっかかるかどうかが、実務上の分かれ目になります。
変更を決めたあとの、引き継ぎの順番
広告代理店を変更するとき、いちばん損をするのは順番を間違えたときです。先に解約を伝えてから引き継ぎの話を始めると、権限も素材も戻ってこないまま配信が止まります。
順番はこれです。
- 自社の権限で、現行アカウントにログインできることを確認する
- 広告費の支払い方法を確認する。代理店が立て替えている場合は、自社のクレジットカードまたは自社請求へ切り替える段取りを先に決める
- コンバージョンタグとリマーケティングタグの発行元を確認する。自社側の環境で発行し直す必要があるかどうかと、その場合に二重計測を避ける手順を、媒体の公式ヘルプで確認してから作業日を決める
- LPと広告バナーの元データ、広告文の一覧を受け取る。画像は書き出し済みのファイルではなく編集できる形式で依頼する
- 次の担当先に権限を追加する
- 現行代理店の権限を、閲覧のみに変更する(この時点まで削除しない)
- 切り替え後2週間ほど様子を見てから、権限を外す
アカウントは作り直さない。新しい代理店から「新規アカウントで作り直しましょう」と提案されたら、理由を必ず聞いてください。既存のアカウントに溜まっているデータのうち、何が新しいアカウントへ移せて何が移せないかは媒体の仕様によって変わるので、作り直す前に媒体の公式ヘルプで確認してください。
いまの広告配信は、自動入札とAIによる最適化が中心です。そこで効くのは細かい入札調整ではなく、AIに渡す成果データの質と量です。だからこそ、蓄積されたアカウントを捨てる判断は、想像以上に高くつきます。
タグの棚卸しは、切り替え作業のなかで最も抜けやすい工程です。旧代理店のタグを消すとCV計測が止まりますが、管理画面上は「CV0件」と表示されるだけなので、異常として気づきにくくなります。切り替え日はテスト送信ができる平日に設定し、当日中に自分でフォームから1件送って計測されるか確認してください。
この章で押さえるのは、引き継ぎで守るべきものが「アカウントの継続」「タグの継続」「支払いの継続」の3つだという点です。この3つが切れなければ、担当会社が替わっても数字は連続します。
変更後、数字が動き出すまでの期間
担当会社を替えた翌週から数字が良くなることは、まずありません。現実的な見え方を月ごとに書いておきます。
| 時期 | この時点で見る指標 | 期待していい変化 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 計測が正しく動いているか、除外の追加件数 | 成果より、土台の修理が終わること |
| 2か月目 | クリック率、検索語句の中身、CVRの動き | 無駄なクリックが減り、CPAが下がり始める |
| 3か月目 | CPA、問い合わせ件数 | 上限CPAに対して現在地が言える状態 |
| 4〜6か月目 | 商談化率、受注率 | 問い合わせの質の変化が営業側で分かる |
入札や配信の設定を変えた直後は、数字が一時的に荒れることがあります。どのくらいの期間を置いてから評価すべきかは媒体と設定によって変わるので、変更の前に媒体の公式ヘルプで評価の目安を確認し、その期間を過ぎてから判断してください。
成果が戻る速さを分けるのは、運用の腕そのものより、成果データを広告側へ返せているかです。問い合わせのうち何件が商談になり、何件が受注したかを広告アカウントへ戻す設計(オフラインコンバージョンのインポート)ができていれば、広告側は成果に近いデータを受け取れます。手順の全体像はGoogle広告で商談を計測するオフラインコンバージョンのインポート手順で確認できます。
なお、月額の予算そのものを見直す場合は、日ごとの予算と月の請求額の関係を先に確認しておくと、請求額のぶれで慌てずに済みます。仕組みはGoogle広告の費用の仕組みとクリック単価・月額上限の関係にまとめています。日ごとの予算から月の上限がどう決まるかは媒体側の仕様なので、実際の課金条件はGoogle広告の公式ヘルプで最新の記載を確認してください。
この章で押さえるのは、変更後の評価を最短でも3か月置いてから行う、という点です。1か月目に見るのは成果ではなく、計測と除外という土台が直ったかどうかです。
代理店の変更でだけ起きる、4つの失敗
ここに挙げるのは、広告運用そのものの失敗ではなく、担当会社を替える局面でだけ起きるものです。どれも起きたあとに取り返すには時間がかかります。
失敗1 解約を先に伝えて、素材と権限を回収できなくなる
成果への不満が溜まったタイミングで、先に解約の連絡を出してしまうケースです。伝えた時点で相手の作業は終わりに向かうため、バナーの元データやアカウント権限の受け渡しが後回しになります。
結果として、LPの修正ができない、広告画像を作り直すことになる、という追加費用が発生します。防ぐには、解約の意思を伝える前に前章の1〜4を済ませてください。素材と権限が手元に揃ってから、契約の話をします。
失敗2 コンペのために、複数社へ同じアカウントを開放する
次の依頼先を決めるとき、候補3社に編集できる権限を渡して提案を比べる形です。悪意がなくても、複数社が同時に触れる状態は事故のもとになります。設定変更の履歴が混ざり、誰の操作でCPAが動いたのか追えなくなります。
防ぎ方は、提案段階では編集できない権限にとどめることです。どの権限で何が見えるかは媒体によって違うので、渡す前に公式ヘルプで権限の種類を確認し、必要な範囲だけを付与してください。編集できる権限を渡すのは、発注先を1社に決めてからです。
失敗3 新旧の代理店が並行運用し、自社同士で入札が競合する
引き継ぎ期間を長く取ろうとして、旧アカウントと新アカウントの両方で配信を続けてしまう形です。同じキーワードに自社の広告が2つ出ようとする状態になり、広告費は両方のアカウントで発生します。
防ぐには、新規アカウントを作らずに既存アカウントを引き継ぐのが第一です。どうしても新設が必要な場合は、旧アカウントのキャンペーンを停止した日と、新アカウントの配信開始日を1日もかぶらせない形で切り替えます。
失敗4 手数料だけを下げて、工数のかかる工程が静かに止まる
変更を機に手数料を大きく下げる交渉をした結果、担当が分業制のレポート専任者に替わるケースです。翌月から報告書は届き続けるので、しばらく気づきません。
止まるのは、検索語句の確認、除外の追加、広告文の差し替えといった、時間はかかるが成果に直結する工程です。3か月後に検索語句レポートを見ると、除外キーワードが1件も増えていない状態になっています。
防ぐには、手数料の額ではなく「月に何をやるか」を契約書か覚書に書いてもらうことです。検索語句の確認頻度、広告文の差し替え本数、定例会の頻度の3つだけでも明文化しておくと、止まったときに指摘できます。
この章で押さえるのは、変更の失敗はほぼ「順番」と「同時並行」から起きるという点です。素材と権限を先に回収し、旧と新を同時に走らせない。この2つで大半は避けられます。
発注側からは見えにくい、手数料と工数の関係
代理店の手数料は、広告費に対する割合で決める形と、月額の定額で決める形があります。割合と最低金額は会社によって大きく異なるので、見積もりを取って自社の条件で確認してください。この構造を知っておくと、成果が出ない理由の一部が説明できます。
手数料は、代理店にとってそのアカウントに人を割ける原資です。広告費が少額なら手数料も小さくなり、割ける稼働も限られます。実際に月何時間を使い、どの作業に充てるのかは会社によって違うので、見積もりの段階で作業項目と頻度を出してもらってください。
つまり、少額予算のアカウントで「毎週クリエイティブを差し替えて改善提案もほしい」と求めるのは、構造的に無理があります。これは代理店の怠慢ではなく、手数料の設計と工数が合っていない状態です。手数料の内訳はリスティング広告の運用代行の手数料の内訳と総額の比べ方で分解しています。
この前提を踏まえると、少額予算で取るべき道は2つに絞られます。
- やることを絞る:媒体を検索広告1つに絞り、代理店には月1回の点検と月次の判断だけを依頼する
- 役割を分ける:日々の確認と広告文の差し替えを社内で行い、設計と月次の判断だけを外部に置く
後者の分け方はWeb広告の内製化と外注のハイブリッド戦略と役割分担5モデルにパターンをまとめています。
もう1つ、発注側で見落とされやすいのが「アカウントは自社に残っているのに、中身が読めない」状態です。依頼先を比べるときは、月次で何を報告するか、どの指標を出すかを事前に出してもらってください。報告に含める指標を書面で決めておくと、担当会社が替わっても比べられる状態が残ります。
最後に、AIとの関係を短く。運用の自動化が進んだ結果、代理店ごとの差は入札の細かい調整ではなく、AIへ渡す成果データの質に移りました。商談化と受注の結果をアカウントへ返す設計を扱えるかどうかは、依頼先を比べるときの確認項目の1つにしてください。
この章で押さえるのは、予算規模に対して求める稼働が現実的かどうかを先に確認する、という点です。無理のある期待のまま会社を替えても、同じ不満が繰り返されます。
契約期間の途中でも、広告代理店の変更はできますか
契約書の解約条項次第です。運用代行の契約では、解約の申し出に予告期間が定められていることがあります。まず契約書の解約と自動更新の条項を確認し、通知の期限から逆算して引き継ぎの段取りを組んでください。予告期間中も広告費は発生するので、その間に権限と素材の受け渡しを終えるのが現実的です。
代理店を替えると、Google広告のアカウントも作り直しになりますか
自社名義のアカウントであれば、そのまま使い続けられるかを先に確認してください。引き継ぎの可否や必要な手続きは媒体の仕様によって変わるので、Google広告の公式ヘルプでアクセス権限と管理の項目を確認したうえで進めます。作り直す場合、既存のアカウントに溜まったデータのうち何が移せるかも公式ヘルプで確認できるので、新設を提案されたら理由と合わせて確認してください。代理店名義で運用されていた場合は、移管できるかどうかが変わります。
複数社に提案させるとき、いまの広告アカウントを見せていいですか
見せて構いませんが、編集できない権限にとどめてください。どの権限で何が見えて何ができるかは媒体によって違うので、渡す前に公式ヘルプで権限の種類を確認します。編集できる権限を複数社に渡すと設定変更の履歴が混ざり、成果が動いた理由を追えなくなります。編集権限を渡すのは、依頼先を1社に決めてからです。
成果が出ないことを理由に、支払った手数料の返金は求められますか
運用代行は成果を保証する契約ではなく、作業に対する委託であることがほとんどなので、返金は難しいのが実情です。求めるより、契約書に成果の定義と最低限の作業内容が書かれていたかを確認するほうが実務的です。次の契約では、月次の作業項目と報告に含める指標を書面に入れておくと、同じ状態を避けられます。
別の代理店に替えるのと、社内で運用するのはどちらが早いですか
広告費が少額で、社内に毎週まとまった時間を出せる人がいるなら、内製に寄せたほうが判断は早くなります。ただし計測の設定と初期の構造づくりは専門性が要る部分なので、そこだけ外部に依頼して運用を社内に置く形が現実的です。判断材料は、社内に人がいるかではなく、その人が毎週時間を確保できるかどうかです。
今日できる最初の一歩
今日のうちに1分でできることが1つあります。Google広告の管理画面に、自社のメールアドレスでログインできるか試してください。ログインできない、またはアカウントの名義が自社ではない場合、それが最初に手を付ける項目です。次に読むなら、依頼先を比べる基準をまとめたBtoBで比べるリスティング広告の運用代行の選び方5項目が続きになります。
数字を見直したものの、続けるか替えるかの判断が自社だけでは決めきれないと感じた方は、配信設計から見直すWeb広告運用の支援をご覧ください。いまのアカウントの状態をうかがって、直す順番を一緒に決めるところから始められます。契約を替えるべきかどうかの相談だけでも構いませんので、まずは現状をお聞かせください。
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