飲食店のインスタ集客|運用代行に任せる作業と月額の内訳
この記事の要点
- 撮影・編集・投稿は任せられ、来店の記録と投稿前の確認は店舗に残る
- 月額の差は撮影の有無とリールの本数で大きく変わる。比べ方の計算例あり
- 契約前に確かめる7項目と、代行会社に送る8問の質問文面を本文に掲載
飲食店のインスタ集客を運用代行に任せる場合、任せられるのはアカウントの企画、撮影、写真と動画の編集、投稿、月次の分析です。メニューと価格の確定、投稿前の確認、予約やアレルギーの問い合わせへの回答、来店の記録は店舗に残ります。月額は、撮影を含むかどうかと、リール動画を月に何本作るかで大きく変わります。
店舗の運営で手一杯になり、インスタを外部に任せるか迷っている飲食店のオーナー・経営者に向けた記事です。読み終わる頃には、見積書のどこを比べ、契約前に何を確かめるかを決められる状態を目指します。
自分で運用する手順は飲食店とホテルが来店を増やすインスタグラム集客の手順で解説しています。この記事では、外部に任せるときの判断材料に絞ります。
Contents / 目次
飲食店のインスタ集客で代行に任せる作業と店舗に残る作業
運用代行に任せられるのは、Instagramの中で完結する作業です。店舗に残るのは、メニューと価格の確定、投稿前の確認、予約やアレルギーの問い合わせへの回答、来店の記録の4つです。
| 作業 | 代行に任せられるか | 店舗側ですること |
|---|---|---|
| アカウントの企画(誰に何を伝えるか) | 任せられる(案を作ってもらう) | 客層・価格帯・推したいメニューを伝え、案を決める |
| 撮影 | 撮影込みのプランなら任せられる | 撮影用の料理の用意と、撮影する時間帯の確保 |
| リール・画像の編集 | 任せられる | 料理名や価格の文字に誤りがないかを確認 |
| キャプション作成・投稿 | 任せられる | 価格・提供期間・アレルギー表記の確認 |
| ストーリーズ(当日の空席・売り切れ) | 当日の情報は店舗のほうが早い | 店舗で投稿するか、連絡の手順を決める |
| コメント・DMへの返信 | お礼など定型の返信は任せられる | 予約・アレルギー・苦情への回答 |
| 来店の記録 | 任せられない | 会計時の聞き取りや予約経路の記録 |
| 月次の分析と翌月の企画 | 任せられる | 報告を読み、翌月に推すメニューを決める |
来店の記録が店舗に残るのは、Instagramのインサイトでは来店を数えられないためです。インサイトで見られる数字は、主に閲覧数(コンテンツが表示された回数)、インタラクション(いいね・コメント・保存・シェアなどの回数)、プロフィールのアクティビティ(投稿に反応したあと、プロフィールを見たアカウントが取ったアクションの数)といったInstagramの中の反応です(Instagramのヘルプ「Instagram投稿のインサイトを表示する」)。
代行会社が見られるのもこの数字なので、「インスタを見て来た」お客様の数は店舗で記録しないと、月額に見合っているかを判断できません。会計時に「何でお店を知りましたか」と伺うか、予約フォームに来店のきっかけを選ぶ欄を作ると、手間をかけずに続けられます。
飲食店の集客方法の中でインスタが受け持つ役割
飲食店の集客方法には、主に次の4つがあります。インスタにどの役割を持たせるかを先に決めておくと、代行会社の提案を比べやすくなります。
| 集客方法 | 受け持つ役割 | 店舗が見る数字 |
|---|---|---|
| 料理や店内の様子を伝え、行ってみたいと思ってもらう | インタラクション(いいね・保存・シェアなど)、プロフィールのアクティビティ | |
| Googleマップ(Googleビジネスプロフィール) | 店名や「近くの居酒屋」で調べた人が、営業時間と店舗の場所を確かめて来店を決める | ルート(ルートを検索したユーザーの数)と通話数(通話ボタンのクリック数) |
| グルメサイト・予約サイト | 日時を決めて予約してもらう | 予約件数 |
| LINE公式アカウント | 一度来たお客様に再来店を案内する | 友だちの数、クーポンの利用 |
Instagramで店舗を知ったお客様が、Googleマップで営業時間や店舗の場所を確かめてから来店する流れも考えられます。インスタだけを代行に任せても、Googleマップの営業時間が古いままだと、来店の直前で別の店舗を選ばれることがあります。
インスタとGoogleマップのどちらから手をつけるか決まっていない段階なら、Web集客・Webマーケティングの相談で、ホームページ・SNS・Googleマップのどれから始めるかを決める進め方もあります。
この章の結論。代行に任せられるのはInstagramの中の作業で、メニューの確定と来店の記録は店舗に残ります。この分担を先に決めてから、見積もりの中身を比べます。
インスタ運用代行の月額の内訳と、費用が変わる条件
運用代行の月額は、撮影、リールや画像の制作、投稿作業、コメント・DMへの返信、分析と報告の組み合わせで決まります。中でも差が出やすいのは、撮影を含むかどうかと、リール動画を月に何本作るかです。
飲食店専門をうたう運用代行の公開価格は、各社の公式ページで次のように示されています(2026年10月28日時点)。
- めぐめぐ業務サポートの飲食店専用Instagram運用代行:月額4万円から
- INSTA-PRO:月額5.8万円(税別)から
- StorePro Assist:月額10万円(税抜)から
どれも最低額で、含まれる作業は各社で違うため、金額だけでは比べられません。同じ会社の中でも、INSTA-PROは撮影なしのLIGHTプランが月額5.8万円、月1回の撮影訪問(2時間)とリール動画月4本を含むSTANDARDプランが月額17.8万円(どちらも税別)です。めぐめぐ業務サポートのお手軽ライトプランは、リール動画が月4本なら月額4万円、月8本なら月額6万円です。
| 内訳 | 費用が上がる条件 | 店舗側で費用を抑える方法 |
|---|---|---|
| 撮影 | 月の撮影回数が多い、カメラマンが同行する | 季節メニューの切り替え月に撮影を集める |
| リール制作 | 本数が多い、字幕やナレーションを入れる | 月の本数を決め、店舗の撮った動画も素材に使う |
| 画像投稿 | 本数が多い、画像に文字を入れる | 定番メニューの画像を使い回す枠を作る |
| ストーリーズ | 毎日の投稿まで代行に依頼する | 当日の空席・売り切れは店舗で投稿する |
| コメント・DMへの返信 | 返信する時間帯が長い、件数が多い | 定型の返信だけを依頼する |
| 分析・報告 | 月次の打ち合わせを対面で行う | 報告書とオンラインの打ち合わせにする |
| 広告運用 | 運用手数料が月額とは別にかかる | 新メニューや周年など、時期を絞って出す |
| インフルエンサーの起用 | 謝礼と飲食の提供が別にかかる | 起用する月と人数を先に決める |
見積書の月額に入らない費用には、次のものがあります。
- 初期費用
- 撮影用に作る料理の原価
- 撮影日の交通費
費用とは別に、最低契約期間も契約条件として確かめます。撮影用の料理の原価をどちらが負担するかは、契約書に書かれていないことがあるので先に確かめます。
撮影の有無による月額の違いは、撮影の有無で変わるInstagram運用代行の月額でも解説しています。
金額の違う2社の見積もりを比べる計算例
金額の違う見積もりは、含む作業をそろえ、店舗側でかかる時間を足してから比べます。次の数字は、比べ方を説明するための仮の例です。
| 項目 | A社(仮) | B社(仮) |
|---|---|---|
| 月額 | 4.5万円 | 11万円 |
| 撮影 | なし(店舗がスマホで撮って送る) | 月1回・2時間 |
| フィード投稿 | 8本 | 8本 |
| リール | なし | 4本 |
| ストーリーズ | 店舗 | 店舗 |
| 店舗側の作業時間 | 撮影と素材の送付で月6時間 | 撮影の立ち会いで月2時間 |
仮に店長の時間を1時間3,000円で考えると、A社は4.5万円+6時間×3,000円で6.3万円、B社は11万円+2時間×3,000円で11.6万円です。差額の5.3万円で、撮影とリール4本を任せる価値があるかを判断します。
リールで新しいお客様に知ってもらうことを狙うならB社、常連のお客様に新メニューを知らせることが中心ならA社が候補になります。料金表の読み方はSNS運用代行の料金表の読み方と総額の出し方で詳しく解説しています。
この章の結論。見積もりは、月額の数字に加えて、含む作業と店舗側の作業時間をそろえて比べます。撮影とリールを任せるかどうかで、金額の差が出やすくなります。
契約前に確認する7項目と、代行会社に送る質問の文面
契約前に確かめるのは、アカウントの持ち主、権限の渡し方、音源、PR表記、来店の数え方、報告の項目、解約時の素材の扱いの7項目です。どれも契約後に変えると手間がかかるので、見積もりの段階で文面で確認します。
- アカウントの持ち主:Instagramのアカウントと広告アカウントは店舗が持ち主として管理し、代行会社には作業に必要な範囲でアクセスを許可します。
- 権限の渡し方:ログインのパスワードを渡すのではなく、代行会社の担当者に必要な範囲のアクセスを許可する形で進められるかを確認します。
- 音源:リールに使う音源をどこから選び、企業のアカウントで使ってよい音源かをどう確かめているのかを確認します。
- PR表記:インフルエンサーに投稿を依頼して食事を提供する場合は、景品表示法のステルスマーケティング規制(消費者庁の案内によると2023年10月1日から)の対象になり得ます。規制を受けるのは、依頼を受けたインフルエンサーではなく、広告主である店舗です。Instagramでは、Metaのブランドコンテンツポリシーで、無料で提供を受けた製品やサービスを取り上げる投稿にもタイアップ投稿ラベルを使うよう定めています。投稿に「広告」「PR」などと分かる表記とタイアップ投稿ラベルを入れてもらう取り決めを、代行会社と結びます。
- 来店の数え方:会計時の聞き取りか予約フォームか、誰が記録し、いつ代行会社に共有するかを決めます。
- 月次報告の項目:インサイトの数字(閲覧数、インタラクション、プロフィールのアクティビティ)と、店舗が記録した来店数を同じ表に並べてもらえるかを確認します。
- 解約時の素材:撮影した写真・動画の元データを解約後も店舗で使えるか、写真の利用範囲と最低契約期間を確認します。
権限の種類はMeta Business Suiteでインスタを管理するときの権限表、リールで使える音源は企業のリールで使える音源の選び方で詳しく解説しています。
フォロワー数や来店数を保証する提案や、自動でいいね・フォローを繰り返すツールを使う運用は、契約前に方法を確かめてください。Metaのコミュニティ規定(スパム)は、手動か自動化かを問わず、非常に高い頻度でアクションを実行することを禁止しています。Instagramの利用規約やコミュニティ規定に反する方法で増やした数字は来店の判断に使えず、アカウントの機能が制限されるおそれもあります。
見積もりを受け取ったあとに送る質問の文面
次の文面は、店舗名と担当者名を入れ替えれば、そのままメールで送れます。回答が文面で残るので、契約書と食い違いがないかもあとで確かめられます。
件名:Instagram運用代行のお見積もりについての確認
〇〇(店舗名)の△△です。お見積もりをありがとうございます。
契約の前に、次の点を教えてください。
1. 月額に含まれる作業(撮影の回数、フィード投稿・リール・ストーリーズの本数、コメントとDMへの返信)
2. Instagramアカウントと広告アカウントは当店が持ち主のまま、御社には必要な範囲でアクセスを許可する形で進められますか
3. リールの音源は、どの音源から選びますか
4. インフルエンサーを起用する場合、投稿への「広告」「PR」の表記とタイアップ投稿ラベルをどう取り決めますか
5. 月次報告に、当店が記録した来店数を一緒に載せていただけますか
6. 撮影した写真・動画の元データは、解約後も当店で使えますか
7. 撮影用の料理の原価、交通費、初期費用など、月額以外にかかる費用はありますか
8. 最低契約期間と、解約の連絡の期限を教えてください
よろしくお願いいたします。
この章の結論。アカウントの持ち主と解約時の素材の扱いは、契約後に変えると手間がかかります。見積もりの段階で質問の文面を送り、回答を残しておきます。
飲食店のインスタ運用代行がうまくいかない条件と避け方
運用代行がうまくいかないのは、店舗の情報が代行会社に届かないとき、撮影の負担を見落としたとき、ほかのSNSの動画をそのまま流用したときです。飲食店で起きやすい形を3つに分けて書きます。
メニューと価格の変更が伝わらないと、終わった料理の投稿が残る
季節メニューの終了や値上げを代行会社に伝えないまま投稿が続くと、お客様は投稿を見て来店し、注文の段階で「もう終わりました」と伝えられます。この食い違いは、投稿へのコメントや口コミに不満が書かれるきっかけになります。
防ぐには、メニューと価格を変える日の2週間前までに誰が代行会社へ連絡するかを決め、投稿前の確認者を店長1人に固定します。同じ日にGoogleマップとグルメサイトのメニューも更新する手順にしておくと、媒体ごとの食い違いも防げます。
撮影日を営業日に入れると、仕込みと盛り付けに店長の時間を取られる
撮影込みのプランでも、料理を作って盛り付けるのは店舗です。ランチの仕込みと重なる時間に撮影を入れると、店長が調理と撮影の対応を同時に行うことになり、営業に影響します。
撮影は定休日か、ランチとディナーの間の時間に入れ、撮影する料理の数と順番を前日までに代行会社と決めておきます。撮影用の料理の原価をどちらが負担するかも、このときに確かめます。
TikTokの動画は、透かしの無い元データからリール用に作り替えてもらう
InstagramとTikTokを同じ代行会社に任せると、同じ動画を両方に投稿する提案が出ることがあります。Instagramのヘルプ「Instagramで目にする可能性のあるリール動画の種類」では、枠線・ロゴ・透かしが入っているリール動画は表示が少なくなると案内しています(フォローしている人のプロフィールとフィードには表示されます)。透かし(ほかのSNSのロゴ)が入ったままの動画は、これに当たります。
流用するなら、透かしの無い元の動画から書き出して、リール用に冒頭や文字を作り替えてもらう取り決めにします。音源もInstagramとTikTokで使えるものが違うので、媒体ごとに選んでもらいます。
自社で行う作業と依頼する作業
店舗で行うのは、メニューと価格の確定、投稿前の確認、当日の空席や売り切れのストーリーズ、予約やアレルギーの問い合わせへの回答、来店の記録です。キャプションやコメント返信の下書きは生成AIでも作れますが、料理写真をAIで生成したり加工しすぎたりすると、実物との違いが来店時の不満になります。AIで作る下書きの扱いは生成AIでSNS投稿を量産するときの線引き表で解説しています。
依頼するのは、アカウントの企画、撮影の段取り、リールと画像の制作、投稿、月次の分析です。撮影や企画を社内で回す余裕がない場合は、投稿の企画から行うInstagram運用支援で、どの作業を店舗に残すかを決めるところからご相談いただけます。
この章の結論。ここで挙げた3つの失敗は、どれもメニューの変更・撮影日・投稿の方法について、店舗と代行会社の取り決めが無いときに起きます。依頼する前に、連絡の担当者と撮影の時間帯を決めておきます。
飲食店のインスタ運用代行でよくある質問
20席ほどの個人経営の飲食店でも、インスタの運用代行に依頼して元は取れますか?
月額を、新しいお客様1組あたりの粗利で割ると、毎月何組増えれば元が取れるかが分かります。仮に月額6万円、客単価4,000円の2名で粗利率65%なら、1組の粗利は5,200円で、月12組ほどです。来店の記録でこの組数を確かめられるかが判断の基準になります。
撮影なしのプランで、スマホで撮った料理の写真だけでも運用代行は成り立ちますか?
成り立ちます。撮る時間帯(自然光が入る時間)、料理の角度、店内の写真の枚数を代行会社に指定してもらうと、店舗で撮る写真の質がそろいます。リールも任せる場合は、調理の様子などの動画も送る必要があるので、撮影にかかる時間を見積もっておきます。
「フォローで1ドリンクサービス」のような特典を、代行会社に企画してもらっても大丈夫ですか?
フォローを条件にした特典は企画しないでください。Metaのコミュニティ規定(スパム)は、「いいね!」やフォローなどのエンゲージメントと引き換えに、金銭的価値のあるものを提供すると申し出ることを禁止しています。フォローを条件にしない来店特典でも、来店したお客様にもれなく付ける特典は、景品表示法の総付景品に当たる場合があります。消費者庁の「景品規制の概要」によると、上限は、取引価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2です。景品の価額は原価ではなく、受け取るお客様がそれを通常購入するときの価格で数えるので、企画の段階で金額を確かめてください。
最低契約期間が6か月の代行と、1か月ごとに更新できる代行は、どちらを選べばいいですか?
季節メニューの切り替えに合わせて撮影と企画を組みたいなら、期間の長い契約のほうが計画を立てやすくなります。初めて依頼する場合は、来店の記録で効果を確かめる期間を先に決め、その期間に合う契約を選ぶと、合わなかったときの負担を抑えられます。
依頼する前に、まず今日確かめること
まずは、自分の店舗のInstagramのプロフィールを開き、リンクに予約ページとGoogleマップが入っているか、営業時間がGoogleマップと同じかを確かめてください。食い違いを先に見つけておくと、代行会社との最初の打ち合わせで伝える内容がはっきりします。
依頼したあと、続けるかどうかを何の数字で判断するかは、SNS運用代行の効果を判断する数字で解説しています。
ここまで読んで、撮影や投稿は任せたいけれど、どの作業を店舗に残すか決めきれないと感じた方は、コレットラボにご相談ください。初回のご相談では、いまのアカウント、投稿の頻度、店舗で撮れる写真や動画、目標を伺い、診断から始めるか、運用まで進めるかをご案内します。インスタ集客の運用代行の内容は、サービスのページでご確認いただけます。
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