税理士のWeb集客方法とリスティング広告|費用の内訳と代行に任せる作業

税理士のWeb集客方法とリスティング広告|費用の内訳と代行に任せる作業

この記事の要点

  • 税理士のWeb集客は受け皿のページ・検索広告・Googleマップの順に組む
  • 広告費の上限は「顧問1件の粗利÷相談から契約に至る件数」で計算
  • 広告文の規程確認と相談後の記録は、代行に任せず事務所で行う作業

税理士事務所のWeb集客は、まず料金と対応業種を載せた受け皿のページを用意し、そこへリスティング広告で「業種・悩み・地域」の検索をつなぐ順番が近道です。広告費の上限は、顧問契約1件の粗利から逆算すれば決められます。運用代行に任せられるのは設定と改善までで、広告文の規程確認と相談後の対応は事務所に残ります。

この記事は、顧問先を増やすためにリスティング広告の外注を検討している税理士事務所の所長に向けて書いています。読み終わる頃には、代行会社の見積もりを内訳で比べ、任せる作業を決めて契約に進める状態を目指します。

広告アカウントの作り方や入稿の操作は、Google広告の出稿手順の解説にまとめています。ここでは、費用と任せ方の判断に絞ります。

Contents / 目次
  1. 税理士のWeb集客方法は受け皿のページ・リスティング広告・Googleマップの3本柱
  2. リスティング広告の費用の内訳と、相談1件にかけられる上限の計算
  3. 税理士のリスティング広告がうまくいかない5つの条件
  4. 運用代行に任せる作業と事務所に残る作業、契約前の確認項目
  5. 税理士のWeb集客と広告運用代行のよくある質問
  6. 相談の前に今日できる確認

税理士のWeb集客方法は受け皿のページ・リスティング広告・Googleマップの3本柱

税理士の集客方法をWebで組むなら、次の3つを軸にします。

  1. 問い合わせを受けるページ
  2. 今すぐ探している経営者に届くリスティング広告
  3. 地域で探す人に届くGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール)

紹介サイトやSNSは、この3つが動いてから足すほうが費用の判断がしやすくなります。

リスティング広告とは、検索した語に合わせて検索結果の上部に表示される広告で、クリックされた分だけ費用がかかる仕組みです。つまり「探している人にだけ費用を使える」のが強みです。

集客方法向いている状況費用のかかり方成果が出るまで
ホームページ(料金表・コラム)すべての施策の行き先になる。最初に用意する制作費と更新の手間検索で上位に出るまでは数か月単位
リスティング広告開業直後・顧問先を早く増やしたい・狙う業種が決まっているクリック課金+運用手数料広告の審査を通れば、配信を始めた日から表示できる
Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)「地域名 税理士」で探す人を拾いたい登録は無料。投稿と口コミ返信の手間情報を充実させてから徐々に
税理士紹介サイト・マッチングサービス営業の手間をかけずに相談を受けたい紹介料や成約報酬など、サービスごとに異なる審査の期間や紹介の状況により、サービスごとに異なる
SNS・セミナー所長の考え方に共感する顧問先を集めたい主に時間継続して半年以上

「成果が出るまで」の欄は一般的な目安です。実際の期間は、地域・競合・サービスによって異なります。

広告から来た経営者がページで確かめられるように、まず「料金」「対応業種」「所長の顔と経歴」「問い合わせ方法」の4つを用意することをおすすめします。この4つが載っていないページに広告を出すと、クリック代を払っても相談につながりにくくなります。

事務所サイトが古く、広告の行き先にできるページが無い場合は、広告の行き先にするLP制作から始める進め方もあります。

この章の結論。受け皿のページに料金・対応業種・所長の経歴・問い合わせ方法がそろっていれば、リスティング広告を始める条件は満たしています。そろっていなければ、広告より先にページを用意します。

リスティング広告の費用の内訳と、相談1件にかけられる上限の計算

税理士のリスティング広告の費用は、広告費・運用手数料・初期費用・受け皿の制作費の4つに分かれます。見積もりの総額だけで比べず、この4つに分けてから比べると、どこで差が出ているかが分かります。

見積書で確認する4つの費目

費目何で金額が変わるか見積書で確認すること
広告費クリック単価×クリック数。単価は狙う語の競合の数で上下するGoogleへ直接払うか、代行会社経由か
運用手数料固定額か、広告費に対する料率か最低契約期間と、広告費を増やしたときの手数料の増え方
初期費用アカウント開設・キーワード設計・計測設定の有無問い合わせフォームと電話の計測設定が含まれるか
受け皿の制作費新しくLPを作るか、既存ページを修正するか公開後の修正が何回まで含まれるか

手数料の固定型と料率型の違いは、運用代行の手数料の内訳と総額の比べ方で詳しく比較しています。

相談1件にかけられる上限の出し方

税理士のクリック単価は、出典を示せる公的な統計がありません。地域・語・時期で大きく変わるので、相場を探すより「いくらまでなら払ってよいか」を自分の事務所の数字で出すほうが確実です。

計算は3段階です。数字はすべて仮の例です。

  1. 顧問契約1件から1年間に得られる粗利を出す(仮に36万円)
  2. 相談から顧問契約に至る割合で割る(仮に4件に1件なら、36万円÷4=相談1件あたり9万円が上限)
  3. 手数料の分を引く(料率が広告費の20%なら、9万円÷1.2=広告費は相談1件あたり7.5万円まで)

実際の広告費は「クリック単価÷クリックから相談に至る割合」で出ます。仮にクリック単価800円、クリックした人の2%が相談すると、800円÷0.02=相談1件あたり4万円です。上限の7.5万円を下回るので、続ける価値があると判断できます。

顧問契約は複数年続くので、2年で回収すると決めれば上限は2倍になります。何年で回収するかは、所長が先に決めておく数字です。逆算の考え方は粗利と受注率からCPAを逆算する方法でも解説しています。

月の広告予算の決め方

月の予算は「月に受けたい相談の件数×相談1件あたりの広告費」で決めます。月4件を受けたいなら、4件×4万円=16万円です。

Google広告は日予算で設定し、1か月の請求は日予算×30.4が上限になります。日によっては日予算の2倍まで使われることがありますが、月の請求はこの上限を超えません(Google広告ヘルプの1日の平均予算の解説、2026年10月06日時点)。仕組みは日予算と月額上限の関係にまとめています。

この章の結論。顧問1件の粗利・契約に至る割合・回収年数の3つを決めれば、代行会社の見積もりが自分の事務所で採算に合うかを判断できます。

税理士のリスティング広告がうまくいかない5つの条件

税理士の広告が費用倒れになるのは、次の5つの条件のどれかに当てはまるときです。どれも、配信前の設定と事務所側の受け方で防げます。

「税理士」単体の語で配信し、資格や求人の検索にも表示される

「税理士」を広く拾う設定にすると、受験生や転職希望者、確定申告を自分で行う人の検索にも広告が表示されます。顧問先にならないクリックに費用を払うことになるので、配信前に次の語を除外キーワードに入れます。

  • 資格・学習:試験、なるには、講座、科目、合格
  • 仕事探し:求人、転職、年収、採用
  • 自分で行う人:やり方、書き方、e-Tax、自分で
  • 受けない業務:相続税を扱わない事務所なら「相続」など

除外の設定方法は無駄打ちを減らす除外設定の4種で解説しています。

紹介会社と同じ「地域名 税理士」だけで競う

「地域名 税理士」は税理士紹介会社やマッチングサービスも広告を出すことがある語で、広告を出す会社が多いほどクリック単価は上がりやすい傾向があります。競合の状況は地域と時期で変わるので、配信前にGoogle広告のキーワードプランナーで、狙う地域の入札単価の目安を確かめてください。そのうえで事務所の得意分野で語を足し、「飲食店 税理士 地域名」「法人成り 相談」「税務調査 立ち会い 税理士」のように、紹介会社が狙いにくい組み合わせへ予算を寄せます。

確定申告の時期に問い合わせが増えても返信できない

所得税の確定申告の期限(原則3月15日)が近づくと、スポットの依頼が増えます。同じ時期は事務所も繁忙期なので、返信が翌日以降になると他の事務所へ流れます。この時期は予算を絞るか、広告文とLPに「顧問契約を前提に受け付けます」と書いて、スポット依頼との違いを最初に示します。

問い合わせ件数だけを見て、顧問契約になったかを記録しない

問い合わせが月10件あっても、顧問契約が0件なら広告は赤字です。相談ごとに「顧問・スポット・お断り」と、契約したかを表に記録しておけば、3か月後にどの語から契約が来たかを比べられます。記録した結果をGoogle広告に戻す方法はオフラインコンバージョンのインポート手順で解説しています。

低い顧問料を大きく出し、面談で金額が変わる

「顧問料月◯円〜」を広告文で強く打ち出すと、記帳量や売上規模で金額が上がる事務所では、面談で話が合わず契約に至りません。料金を載せるなら、金額が変わる条件(売上規模・仕訳数・記帳代行の有無)を同じページに並べます。料金の書き方が規程に触れないかは、次の章で確認する方法を説明します。

この章の結論。除外キーワード・語の絞り込み・繁忙期の受付方針・契約の記録・料金の条件表示の5つを配信前に決めておけば、費用倒れの主な原因を外せます。

運用代行に任せる作業と事務所に残る作業、契約前の確認項目

運用代行に任せられるのは、キーワード設計・入札・広告文の作成と検証・計測設定・月次の報告です。一方で、広告文が規程に触れないかの最終確認と、相談が来たあとの対応は事務所に残ります。広告をする主体は税理士本人だからです。

広告文は所属税理士会の広告規程で確認する

税理士の広告で禁じられる内容は、各税理士会が会則や広告に関する規程で定めています。たとえば近畿税理士会の「会員の業務の広告に関する規程」第3条は、次の6つを禁止される広告として挙げています(近畿税理士会の資料に掲載された規程の抜粋、2026年10月06日時点)。

  1. 事実に合致していない広告
  2. 誤導又は誤認のおそれのある広告
  3. 誇大又は過度な期待を抱かせる広告
  4. 特定の会員又は会員の事務所と比較した広告
  5. 法令や会則・規則に違反する広告
  6. 税理士の品位又は信用を損なうおそれのある広告

規程は税理士会ごとに定められ、文言や条番号が異なることも、改正されることもあります。広告文を出す前に、所属する税理士会の現在の規程を確認してください。たとえば次のような表現は、判断が分かれやすいものです。

広告文の例確認する類型言い換えの例
税金が必ず安くなります誇大・過度な期待事業の状況に合わせて節税の方法をご提案します
地域で一番選ばれている事務所根拠が無い場合は、事実に合致しない・誤認のおそれ・誇大のいずれかに当たるおそれ根拠を示せる事実だけを書く(対応業種・所長の経歴など)
◯◯事務所より顧問料が安い特定の会員との比較自事務所の料金表と、金額が変わる条件を書く

広告文の案はAIで量産できますが、規程に当たるかの判断はAIに任せられません。AIは候補を挙げる係として使い、最終判断は所長が行います。出発点として、次の短い指示から始めて、自事務所の事情に合わせてAIとやり取りしながら詰めてください。

税理士事務所の検索広告の文面を確認してください。
次の広告文を、税理士会の広告規程が禁じる6類型
(事実に合致しない/誤導・誤認のおそれ/誇大・過度な期待/特定の会員との比較/法令・会則違反/品位・信用を損なうおそれ)
に照らし、当たるおそれのある語句・理由・言い換え案を表にしてください。
判断できないものは「所属税理士会に確認」と書いてください。

[ここに広告の見出しと説明文を貼る]

AIの表で「おそれあり」と出た語句は、規程の原文と照らして所長が採否を決めます。顧問先の名前や数字は、AIに入力しないでください。

運用代行と契約する前に確認する7項目

  1. 広告アカウントの所有者が事務所か。解約したときに配信の記録ごと引き継げるか
  2. 手数料が固定か料率か。最低契約期間と、途中で解約したときの扱い
  3. 初期費用に、問い合わせフォームと電話の計測設定が含まれるか
  4. 月次の報告に、検索語句・相談件数・顧問契約の件数が入るか
  5. 広告文とLPを公開する前に、事務所が規程を確認する手順があるか
  6. 確定申告の時期に予算を絞る・止める判断を、誰がいつ決めるか
  7. 電話の問い合わせを、どの方法で件数として数えるか

1つ目のアカウントの所有者は、解約後に困りやすい項目です。代行会社名義のアカウントだと、乗り換えるときに過去の配信の記録を引き継げないことがあります。手順は広告代理店を変更するときのアカウント引き継ぎで解説しています。

事務所で行う作業と代行会社に依頼する作業の分け方

作業代行会社事務所(所長・職員)
狙う業種・受けない業務の決定候補を出す決める
キーワード・除外キーワード・入札設定と毎週の見直し月1回、報告で確認
広告文・LPの文案作成と効果の比較規程に照らして公開を承認
計測設定フォームと電話の計測テスト送信で数えられているか確認
相談への返信と面談なし当日中に返信する担当を決める
顧問契約になったかの記録広告の数字と合わせて分析相談ごとに結果を表に記入

事務所の作業にかかる時間は、相談の件数によって変わります。代行会社の作業は、検索語句の確認や広告文の比較を毎週続ける必要があり、所長が本業の合間に行うのは負担が大きい部分です。

社内に広告を担当できる職員がいて、いずれ自分たちで回したい場合は、広告運用の判断と実装を毎月進める定額制のマーケティング支援という選択肢もあります。毎月の数字の報告に加えて、判断の理由と手順を文書で残すので、担当者が育った時点で引き継げます。

この章の結論。設定と改善は代行会社に、規程の最終確認・相談への返信・契約の記録は事務所に残す。この分け方で見積もりと契約書を読めば、任せてよいかを判断できます。

税理士のWeb集客と広告運用代行のよくある質問

税理士紹介サイトに登録するのと、リスティング広告を出すのは、どちらを先にすべき?

すぐに相談件数が欲しく、受け皿のページがまだ弱いなら紹介サイトが先です。料金表や対応業種を載せたページがあり、得意な業種の顧問先を選んで増やしたいなら、リスティング広告が向いています。紹介料と広告費を、相談1件あたりの費用で比べて判断してください。

確定申告の時期だけリスティング広告を出すのはあり?

スポットの申告代行を受けたいなら有効です。顧問先を増やす目的なら、繁忙期は返信が遅れやすいので、申告期限後の4月以降に、法人成りや記帳の見直しを考える経営者向けの語で配信するという考え方もあります。

広告文やホームページに「顧問料月◯円〜」と書いても規程上は大丈夫?

所属する税理士会の規程で確認してください。上で挙げた近畿税理士会の規程は、料金の掲載そのものを禁止される広告として挙げていません。一方で同じ資料は、「報酬格安」のように低い報酬を掲げた広告が、条件によっては「誇大又は過度な期待を抱かせる広告」に当たるおそれがあると説明しています。

報酬の表示の扱いは税理士会ごとに異なる場合があるので、載せる前に次の順で確かめてください。

  1. 所属する税理士会の規程の原文を確かめる
  2. 金額が変わる条件(売上規模・仕訳数・記帳代行の有無)を料金と並べて書く
  3. 判断に迷うときは、所属する税理士会に問い合わせる

開業したばかりの税理士事務所でも、運用代行に依頼する意味はある?

あります。開業直後は検索で上位に出るページが無いため、審査を通れば配信した日から表示できるリスティング広告が最初の相談の入口になります。ただし広告費が少額だと手数料の割合が重くなるので、固定額の最低料金と、自分で運用した場合にかかる時間を比べて決めてください。

相談の前に今日できる確認

まずは、事務所のホームページをスマホで開き、料金・対応業種・所長の経歴・問い合わせ方法の4つが、最初の画面から2回のスクロール以内(この記事での目安)で見つかるかを確かめてください。代行会社を比べる段階に進むなら、リスティング広告の運用代行を比べる5項目が次に読む記事です。

見積もりの読み方や、自分の事務所で相談1件にいくらかけられるかを一緒に確かめたい方は、リスティング広告の運用支援のページからお気軽にご相談ください。いまの広告やホームページの状況を伺い、最初に手をつける作業を決めるところから始められます。

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